造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡の動向は?事例や相場も解説!

会計提携第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

本記事では、造船業・重機・プラント業界のM&A動向や相場、売却・買収事例と成功ポイントを解説します。将来性が不透明ともいえる造船業・重機・プラント業界ですが、近年は市場環境の変化などからM&Aによる買収や売却(譲渡)が活況です。M&Aを検討中の方は必見です。

目次

  1. 造船業・重機・プラント業界とは
  2. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡の動向3選
  3. 造船業・重機・プラント関連のM&A・売却・買収・譲渡の成功事例
  4. 造船業・重機・プラント関連のM&A・売却・買収・譲渡の失敗事例
  5. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡の流れ
  6. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡の手法
  7. 造船業・重機・プラントのM&A・売却・買収・譲渡の相場
  8. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡のメリット
  9. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡のデメリット
  10. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡の成功ポイント
  11. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡における注意点
  12. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡のまとめ
  13. 造船業・重機・プラント業界業界の成約事例一覧
  14. 造船業・重機・プラント業界業界のM&A案件一覧
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1. 造船業・重機・プラント業界とは

造船業・重機・プラント業界とは、船室を備える船を作る造船、重工業用の機械を手掛ける重機の製造販売、都市開発や通信などで利用されるプラント設備の設計・建設などを行う業界をさします。それぞれの業務を同種で扱う企業が多いため、造船業・重機・プラントは1つの業種として区分されました。

造船業・重機・プラント業界の特徴

造船業は、タンカーや大型客船など、いずれも巨大な建造物を取り扱うために広大な敷地が必要です。通常、工期は2~3年かかるため、完全受注生産で行われます。過去には、長らく日本が世界シェア1位でした。

重機とは、重工業に用いる機械および建設機械の総称です。鉱山機械・化学機械・発電機・ポンプ・ボイラ・原動機・製鉄機械・せん孔機械・掘削機・パワーショベル・クレーン車・ブルドーザー・ダンプカーなど、さまざまな種類が存在します。

重機業の場合、特に宇宙産業・航空産業・防衛産業とのつながりが強いことも特徴です。プラント業も工場設備の設計・建設工事を行うため、重機業同様にさまざまな業種・業界と関わりを持っています。

造船業・重機・プラント業界の現状

造船業・重機・プラント業界のM&Aを考える前に、まずは業界の現状を把握しましょう。主なポイントは以下の3点です。

  • 世界的に船舶の大量供給が問題に
  • 日本が世界シェアのトップではなくなった
  • 今後、再び日本がトップシェアを握ることを目指している

世界的に船舶の大量供給が問題に

造船業・重機・プラント業界における動向の中でも、発展途上国や新興国の造船・重機業は活発化を見せています。特に造船業は、船の供給が需要に対して過剰な状態であることが大きな問題点です。

日本が世界シェアのトップではなくなった

トップシェアを奪われた日本ですが、2013(平成25)年には、ユニバーサル造船とIHIの造船部門が統合し、ジャパン マリンユナイテッドが誕生しました。これにより、昨今の国内では今治造船とジャパン マリンユナイテッドの2社がリードしている状態です。

造船事業では、従来ほどの受注確保が取れない現状は変わらないものの、省エネや環境改善などの動向から従来型とは違った形での伸びしろが見られる産業でもあり、日本の巻き返しが期待されています。

今後、再び日本がトップシェアを握ることを目指している

日本は造船業・重機・プラント業界で、1990年代半ばまで世界のトップシェア国としてリードしてきました。しかし、昨今は、公的機関からの金融支援などを得て、中国や韓国などがシェアを伸ばし、現在、日本はシェア3位となっています。

そのような中、国内では、環境・省エネ分野事業を強化・新規参入したり、プラントのサービス体制強化などを図ったりするなど、需要が期待できる分野へシフトする動きが出ており、思惑どおりの展開が進めば日本が再びトップシェアを取るのも不可能ではありません。

造船業・重機・プラント業界の市場規模

出典:https://www.mlit.go.jp/common/001215818.pdf

国土交通省海事局の「造船市場の現状」を見ると、世界の新造船受注量は、リーマン・ショック以降、非常に減っていますが、海上荷動き量は世界経済成長率と連動して増えています。

造船企業の製造量は、2011年をピークに減っている状況です。今後は、LPG/LNG運搬船や次世代省エネ船など、付加価値の高い分野や海洋資源における開発関連などの派生する分野で受注する必要があります。なお、造船業の従事者は、約8万人です。

重機業界も、重機の全体的な需要が減っています。重機業界の市場全体で停滞が生じ、航空関連事業を持つ重機企業は売上が減ると予測されますが、宇宙産業は今後の大きな成長が期待されているため、宇宙産業に関連する重機企業は成長が見込まれます。

プラント業界は、拡大期と減少期を繰り返している状況です。世界的なエネルギー高騰が生じれば、素材の需要が増えて市場が広がりますが、資源価格が下落すればプラント建設は伸び悩み業績も落ちると見られます。

参考:国土交通省海事局「造船市場の現状」平成29年12月

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2. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡の動向3選

造船業・重機・プラント業界は先行きが不透明ではあるものの、M&Aによる業務拡大や異業種に対する新規参入などの動向が見られる状況です。この項では、造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡動向について、以下3つの視点から解説します。

  1. 異業種とのM&Aが見られる
  2. 海外進出するM&Aも見られる
  3. 韓国や中国に対抗するための業界再編が起こっている

①異業種とのM&Aが見られる

造船業・重機・プラント業界では、先行きの不透明感がある状況は大きく変わりません。造船業・重機・プラント業界以外の業種に活路を見いだそうとする企業も増えています。

自社のノウハウを生かせる異業種から、全く未知の業種となる産業への参入など、異業種へのM&Aを検討する事例は少なくありません。

②海外進出するM&Aも見られる

日本国内における造船事業の需要は、大幅な増加の見込みがありません。一方で国外に目を向けると、新興国などでは造船業などへの需要は高い状態です。

新興国などの海外需要が国内よりも良好である傾向もあり、造船業・重機・プラント業界では、クロスボーダーM&Aによる海外進出を視野に入れる動向も見られます。

クロスボーダーM&Aの成功要因・メリットについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】クロスボーダーM&Aの成功要因・メリットを解説!件数も紹介!| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

③韓国や中国に対抗するための業界再編が起こっている

現在、造船業の世界市場は、トップシェアを韓国と中国で争う状況が続いています。そして、日本における貨物の9割以上は船による輸送といわれるほど、船は貨物運搬に重要なツールです。

こうした状況も踏まえて、日本もシェア争いに参画したいものの、技術者不足やコストの観点から、なかなか対抗できない状況が続いています。そこで国内では、採算が合わなくなった企業や大型企業同士が合併を行うなど、業界再編の動きも出ているのが現状です。

先に述べた、2013年のユニバーサル造船とIHIの造船部門統合など、大型統合も少なくない状態で、業界再編後のトップシェア奪還に期待が寄せられています。

3. 造船業・重機・プラント関連のM&A・売却・買収・譲渡の成功事例

造船業・重機・プラント業界関連におけるM&A・売却・買収・譲渡の事例を掲載いたします。

①住友重機械工業によるLaser Systems & Solutions of Europe SASUの買収

2024年10月、住友重機械工業はLaser Systems & Solutions of Europe SASUの全ての株式を取得しました。

住友重機械工業は、変減速機、射出成形機などの標準・量産機械から環境プラント、産業機械、建設機械、造船などを製造・販売する各種産業機械の総合メーカーです。Laser Systems & Solutions of Europe SASUはフランスに拠点を置き、レーザアニール装置の開発・製造・販売などを行う半導体製造装置事業の企業です。

今回のM&Aにより、グローバルに事業領域を拡大し、半導体業界の成長を目指します。

参照:半導体事業強化に向けたフランスLASSE社の株式取得について

②三井E&S造船が三井造船昭島研究所の買収

2024年5月、三井E&S造船は三井造船昭島研究所の全ての株式を取得しました。

三井E&S造船は、船舶の設計やエンジニアリング並びに操船装置の開発を行う企業です。対象会社の三井造船昭島研究所は水槽施設と風洞施設を保有する船舶・海洋分野における研究所です。

今回のM&Aにより、流体設計分野での増強、商品開発・競争力の向上を目指します。また、船舶建造以外の新領域への参入を図ります。

参照:常石造船、グループである三井E&S造船株式会社による株式会社三井造船昭島研究所全株式取得のお知らせ

③日立造船による日立造船プラント技術サービスの吸収合併

2024年2月、日立造船は日立造船プラント技術サービスを吸収合併しました。

日立造船は、環境装置、工場設備・産業機械、発電設備、脱炭素化事業を行う日本の機械・プラントメーカーです。対象会社の日立造船プラント技術サービスは、プラントのアフターサービス部品販売、機器・素材・部品の販売を行う日立造船の100%子会社です。

今回のM&Aはグループ内における経営の効率化を図るために実施されました。

④日工による宇部興機の子会社化

2022年3月、日工は宇部興機の株式すべてを取得し、子会社化しました。本件M&Aの取得価額は非公開です。

買収側は、兵庫県明石市に本社を置き、アスファルトプラント・生コンクリートプラントなどの建設機械、コンベヤなどの産業機械、破砕機・仮設足場・防水板・ショベルなどの製造・販売を手掛けています。1919年、鈴木商店の工事部門関係者が中心となって設立した土農工具製造会社「日本工具製作」が前身の企業です。

対する売却側は、油圧配管工事、電力・自動車・化学・セメント・食品・薬品業界向けの設備機器製造、プラント工事をはじめ、水門・橋梁・上下水道などの社会インフラ設備工事に到るまで、幅広い社会インフラ設備の製作・組立工事を請負っている企業です。

本件M&Aにより、両社では、技術・ノウハウなどの共有を通じて、買収側グループが注力している環境リサイクル事業に新たなシナジー効果を生み出し新規事業の拡大を進めて顧客満足度をさらに高めるのに加えて、買収側グループの企業価値を向上させ、持続的な成長を図っています。

⑤三井E&S造船の会社分割による三菱重工への事業譲渡

2021年3月、三井E&Sホールディングスの100%子会社である三井E&S造船は、同社の行う艦艇事業などについて、三菱重工業に譲渡する契約を締結しました。該当事業の譲渡は会社分割の手法を取り、同年10月に実施されています。

三井E&S造船の親会社三井E&Sホールディングスは、事業の集中と協業を検討した結果、三井E&S造船における船舶建造・修繕の一部事業を残した譲渡を決定しました。三菱重工業は国内防衛産業のトップであり、このM&Aによりさらに強固な体制を築くことを目指しています。

⑥新来島どっくによるサノヤスホールディングスの子会社化

2021年2月、新来島どっくはサノヤスホールディングスの100%子会社であったサノヤス造船の全株式を取得し完全子会社としました。譲渡価額は100万円で、サノヤス造船は新来島サノヤス造船に商号変更しています。

新来島どっくは、新来島サノヤス造船を加えた5社体制で造船業における一層の充実を図る狙いです。一方、サノヤスホールディングスは、事業の選択と集中を検討した結果、造船業からの撤退を決めています。

⑦高田工業所による渡部工業の子会社化

2020年7月、高田工業所は渡部工業の全株式を取得して完全子会社としました。渡部工業は、北海道を中心に産業プラントの配管工事およびメンテナンスなどを行っています。なお、取得価額は公表されていません。

高田工業所は、プラント事業における事業基盤の強化と拡大、北海道エリアに常設の拠点を得ることを目的としています。

⑧今治造船とジャパン マリンユナイテッドの資本業務提携

2020年3月、国内造船市場1位の今治造船と、同2位のジャパン マリンユナイテッドが資本業務提携契約を締結しました。売却(譲渡)・買収の手法とは異なりますが、資本業務提携も広義のM&Aとされています。

資本業務提携の主な内容は、ジャパン マリンユナイテッドが新たに発行する普通株式を今治造船が引き受けることと、両社が共同出資する合弁会社の設立です。

今治造船が引き受けるジャパン マリンユナイテッドの株式数は不明ですが、合弁会社の資本金は1億円で、出資比率は今治造船が51%、ジャパン マリンユナイテッドが49%となっています。

合弁会社の社名は日本シップヤードで、2020年10月設立予定です。造船業1位2位連合により、海外勢に対抗することが大きな目的になります。

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4. 造船業・重機・プラント関連のM&A・売却・買収・譲渡の失敗事例

造船業・重機・プラント関連のM&A・売却・買収・譲渡では、今のところ大きな失敗事例は見られませんが、優秀な従業員の離職を生じた会社は存在します。

従業員が、所属する会社の変更に伴う待遇や環境などの変化に不満を持ち、離職してしまう事例は、造船業・重機・プラント業界のM&Aでよく見られるでしょう。買収した後に、売却企業の簿外債務や偶発債務が見つかり、裁判や慰謝料を求められた会社もあります。

これらのトラブルが起きると、M&Aで期待したメリットが得られず、事業運営が困難となるでしょう。

人材を流出させないためには、M&A後の経営統合(PMI)で、待遇などの条件面や就労環境面などに配慮することが欠かせません。買収してからのトラブルを防ぐためには、デューデリジェンスを徹底して行ってください。

5. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡の流れ

造船業・重機・プラントのM&A・売却・買収・譲渡のおおまかな流れや手法は、以下のとおりです。詳しい内容は、下記リンク先の記事も参考にしてください。

  1. 事前準備
  2. M&A専門家などとの秘密保持契約
  3. アドバイザリー契約
  4. 買収側へアプローチ
  5. 経営者同士の面談・条件交渉
  6. 基本条件の合意
  7. デューデリジェンス
  8. 最終条件の交渉
  9. 売買成立
  10. M&Aを公表

M&Aの流れ・手順については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】M&Aの流れ・手順を徹底解説!初期段階の検討からクロージング後のPMIまでの内容| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

6. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡の手法

M&A・売却・買収・譲渡を実施する際は、手法の選び方も大切です。M&Aでよく用いられる主な手法として、以下の4つがあります。

  1. 株式譲渡
  2. 株式移転・株式交換
  3. 合併
  4. 事業譲渡

各手法の詳しい内容は、以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

【関連】M&Aの種類とは?各スキームのメリット・デメリット、税金、事例をわかりやすく解説| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

7. 造船業・重機・プラントのM&A・売却・買収・譲渡の相場

造船業・重機・プラント業界は対象事業が幅広いだけでなく、会社の規模も比較的大きな場合が多いため、M&A・売却・買収・譲渡の相場を一概に把握することは非常に困難です。

しかし、M&A仲介会社などの専門家に相談すれば、現在のおおまかな相場を判断できます。

造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡を成功させるためには、相場の把握以外に専門的な知識が必要になるため、M&A仲介会社など専門家におけるサポートのもとで進めることをおすすめします。

中小企業のM&Aに数多く携わるM&A総合研究所では、豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが、案件をフルサポートします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談を受け付けていますので、造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡をご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

【関連】造船業・重機・プラント業界のM&A・事業承継ならM&A総合研究所
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8. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡のメリット

造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡に関して、売却側と買収側のメリットをそれぞれ掲載いたします。

売却側のメリット

造船業・重機・プラント業界のM&Aで、売却側におけるメリットは主に以下の5つです。

  • 従業員の雇用確保
  • 後継者問題の解決
  • 売却・譲渡益の獲得
  • 資本力を生かした安定経営
  • 個人保証・債務・担保などの解消

従業員の雇用確保

従業員の継続雇用は、経営者の大きな課題です。資本が大きな企業とのM&Aを実現すれば、従業員の安定的な雇用確保が見込まれます。

後継者問題の解決

事業承継に対してもM&Aは有効です。身近な存在に後継者が不在の場合は、M&Aにより事業を承継できます。

売却・譲渡益の獲得

M&Aにより事業を売却すると、売却・譲渡益が得られるのもメリットの1つです。まとまった売却・譲渡益を得れば、新たな事業展開を図ることも可能です。

資本力を生かした安定経営

大きな資本力を有する企業にM&Aで売却を行った場合、その傘下に入ることで資本力を生かした経営が期待できます。

個人保証・債務・担保などの解消

M&Aで売却を実施すれば、経営者が負っていた個人保証・債務・担保などは原則として譲受企業が引き継ぐため、経営者が個人保証・債務・担保などから解放されるのも、M&Aによる売却の大きなメリットです。

買収側のメリット

造船業・重機・プラント業界のM&Aで、買収側のメリットは主に以下の5つがあります。

  • 従業員の確保
  • 異業種へ進出するための地盤獲得
  • グループとしての事業強化が可能
  • 顧客・取引先・ノウハウなどの獲得
  • 事業規模・エリアの拡大

従業員の確保

優秀な人材を育てるには、時間とコストが必要です。しかし、M&Aで企業を買収すれば、短期間かつ低コストで優秀な人材を確保できます。

異業種へ進出するための地盤獲得

異業種へ進出する場合、通常はゼロから基盤を作らなければなりません。しかし、M&Aにより異業種企業を買収すれば、基盤の獲得は容易といえます。

グループとしての事業強化が可能

売却企業と事業が統合されると、より技術力の高い事業を築ける期待が持てます。

顧客・取引先・ノウハウなどの獲得

自社では保有できていない顧客やノウハウなどを、短時間でまとめて獲得することが可能です。

事業規模・エリアの拡大

M&Aでの買収により、相手方企業の資産をそのまま引き継ぐことができるため、事業の規模や営業エリアなどを急速に拡大できます。

M&Aのメリット・デメリットについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】M&Aのメリット・デメリットを買い手・売り手にわけて徹底解説!【大企業/中小企業事例あり】| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

9. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡のデメリット

この章では、造船業・重機・プラント業界におけるM&A・売却・買収・譲渡のデメリットを取り上げます。売却側と買収側に分けて紹介します。

売却側のデメリット

造船業・重機・プラント業界のM&Aにおける売却側のデメリットは、主に以下のとおりです。

  • 不満を持つ従業員の離職が生じるリスク
  • 従業員の待遇や雇用条件が悪化する可能性
  • 希望どおりの条件で譲渡できないことがある
  • 買収側が見つからない恐れ

上記のデメリットは、M&Aのマッチングや交渉プロセスでの失敗が原因です。マッチングや交渉を円滑に行うためにも、M&A・売却・買収・譲渡を実施する際は、専門家にサポートを依頼することをおすすめします。

買収側のデメリット

造船業・重機・プラント業界のM&Aにおける買収側のデメリットは、主に以下のとおりです。

  • 期待したシナジー効果・メリットが得られないリスク
  • 生産性が下がり買収費用のみ増える可能性
  • 売却側の人材が流出する恐れ
  • 簿外債務・偶発債務が発覚しトラブルが生じることがある

上記のデメリットは、M&Aにおける経営統合プロセスの失敗が原因といえます。経営統合を成功させ事業運営をスムーズに進めるためには、売却側と同じく専門家のサポートを得ましょう。

10. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡の成功ポイント

造船業・重機・プラント業界でM&Aによる売却や買収、譲渡を成功させるには、大切なポイントがいくつか存在します。売却側と買収側に分け、成功に導くためのポイントを解説します。

売却側のポイント

造船業・重機・プラント業界のM&Aで売却側が成功するためには、以下5つのポイントを押さえて行うことが重要です。

  • 権利や特許を含めてアピールポイントを持つ
  • 施設・設備が充実している
  • 税務・財務面がきちんと管理されている
  • 立地環境が良くメリットがある
  • M&Aの専門家に相談する

権利や特許を含めてアピールポイントを持つ

M&Aを成功させるためには、自社特有のメリットなどアピールポイントを持つことが大切です。権利や特許などの知的財産もアピールポイントの1つとなるため、積極的にアピールしましょう。

施設・設備が充実している

施設や設備もM&Aに大切な要素です。購入が難しい設備や他社では構築できない施設があれば、M&Aは成功しやすいです。

税務・財務面がきちんと管理されている

税務や財務面の管理をしっかり行っている企業は、相手先からの信頼が得やすくなりM&Aの成功率も高まります。自社の税務・財務面に曖昧な要素があれば、事前にチェックしましょう。

立地環境が良くメリットがある

取引企業が近い・物資の調達が容易などの立地環境におけるメリットも、成功のポイントといえます。

M&Aの専門家に相談する

M&Aを成功させるためには、知識・経験・交渉力などさまざまな要素が必要です。専門的な知識を必要とする場面もあるため、社内スタッフだけでM&Aを進めるのではなくM&A仲介会社などの専門家に相談しながら進めましょう。

M&Aの専門家に相談しながら進めれば、安全で安心かつスムーズな取引が見込めます。

買収側のポイント

造船業・重機・プラント業界のM&Aで買収側が成功するためには、以下3つのポイントを押さえて行うことが肝要です。

  • デューデリジェンス(売却企業の精密監査)の徹底
  • 統合プロセス(PMI=ポスト・マネジメント・インテグレーション)の計画的な実施
  • M&Aの専門家に相談する

デューデリジェンス(売却企業の精密監査)の徹底

買収候補企業のデューデリジェンスを徹底しなければ、買収後に簿外債務が発覚するおそれがあります。買収によるトラブルやリスクを最小限に抑えるためにも、デューデリジェンスは専門家に依頼して徹底的に行ってください。

統合プロセス(PMI=ポスト・マネジメント・インテグレーション)の計画的な実施

M&Aが成功するか否かは、統合プロセスに左右されるともいわれます。M&Aの成約までが円滑に進んでも、統合プロセスがうまくいかなければ、想定したシナジー効果が発揮できない可能性もあるでしょう。

統合プロセスの実施は非常に難易度の高い行程であるため、細心の注意を払って進めなければなりません。M&A仲介会社によっては、統合プロセスのサポートも行うケースがあるため、事前に相談してみましょう。

【関連】M&Aにおける人事DD(デューデリジェンス)からPMIまでを徹底解説!| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

M&Aの専門家に相談する

デューデリジェンス・統合プロセスの実施は、M&Aを成功させるために欠かせない行程ですが、どちらも専門的な知識・経験が必要であるうえに難易度も高いです。M&Aを進めるうえで、専門的な知識・経験が必要不可欠といえます。

造船業・重機・プラント業界におけるM&A・売却・買収・譲渡をスムーズに進めて成功させるには、M&A仲介会社など専門家に相談しサポートを受けながら行いましょう。

【関連】M&Aの相談先9選!メリットデメリットや選び方とよくある相談内容を紹介 | M&A・事業承継の理解を深める

11. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡における注意点

造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡を実施する際に、注意すべきことは主に以下の3点です。

  1. M&Aを実施する目的を明確化し、それが複数ある場合は優先度をつける
  2. 慌てて交渉相手選びを行わず、慎重に決める
  3. 成功率を上げるためにもM&Aの専門家に相談する

昨今、M&A仲介会社の数が急増しています。依頼するM&A仲介会社を選ぶときは、慎重に行いましょう。ほとんどの会社が無料相談を実施しているため、納得できる会社と出会うまでしっかり相談するのもよいです。

【関連】M&A仲介会社おすすめの選び方と手数料や注意点を解説!| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

12. 造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡のまとめ

本記事では、造船業・重機・プラント業界のM&A・売却・買収・譲渡に関する情報を提供しました。造船業・重機・プラント業界は、将来に対する不透明感があるものの、今後の展開によっては伸びが期待できる業種ともいえます。

M&Aを成功させるには専門的な知識・経験が求められるため、M&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼することがおすすめです。

13. 造船業・重機・プラント業界業界の成約事例一覧

14. 造船業・重機・プラント業界業界のM&A案件一覧

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