2024年12月25日更新
建材卸売業界のM&A動向!会社売却のメリットや成功のポイント・事例15選を徹底解説【2024年最新】
本記事では、建材卸売業界の特徴やM&A動向、売却・買収の相場やM&Aを行うメリットをわかりやすく解説しています。そのほか、建材卸売業界の売却・買収を成功させるポイントや手続きの流れについても紹介しています。
目次
1. 建材卸売業界とは
建材卸売業界は木材・金属などの建設資材や外装建材を扱う企業が属しています。建材卸売業界のM&Aについて触れる前に、業界定義や特徴など基本的な情報を確認しておきましょう。
建材卸売業界の定義
建材卸業とは、メーカーから資材を仕入れ企業へ販売する事業をいいます。主に、以下の卸売で営む企業で構成されています。
- 建材(壁・天井・屋根などの外装となる材料)
- 建設資材(木材・金属等)
建材卸売業界の特徴
建材卸売業界には、以下4つの特徴があります。業界特性を把握しておくことはM&A時にも役立つことが多いです。ここでは、4つの特徴を解説します。
取扱商品が多種多様
建材卸業では顧客ニーズが多様化しており、品目が多岐にわたる特徴があります。
例えば、素材や形状1つとっても多くのニーズがあるため量産体制が難しく商品別の管理も難しい特徴があります。さらに、商品別の採算・在庫管理などにも工数がかかります。
ローカルビジネス
建材卸業は、工務店やハウスメーカーが取引相手となるため商圏内顧客の利用が多いビジネスモデルだといえます。
基本的に地域密着型になるため、それぞれの建材卸売業者も地域ごとに存在しています。新設住宅着工数・リフォーム件数に売り上げが大きく左右されてしまう難点もあります。
契約形態の多様化
一部の建材卸売業者は加工も請け負っていることがあるため、契約形態が以下のように多様化しています。
- 購買契約:規格品・市販品を対象とする売買契約
- 製造委託契約:最終的な製品の仕様を指定し、製造を委託する契約
- 材工一式契約:建築資材・工事作業を、建材卸業者が手配する契約
差別化が難しい
卸売業という性質上、加工を請け負っていない業者は商品の差別化ができません。
そのため、「いかに安く販売するか」という価格競争に巻き込まれやすくなっています。売り上げ総利益率が軒並み低い業界でありますが、リードタイムの短縮・アフターサービスなどで価格の差別化を図る業者も増えてきています。
2. 建材卸売業界の現状
建材卸売業界の市場規模
総務省・経済産業省の統計資料「2022年経済構造実態調査」によると、2022年における建材卸売業界の年間販売額は約23兆7315億8100万円であり、卸売業全体(約457兆293億円)の5.2%となっています。
参考:総務省・経済産業省「2023年経済構造実態調査」
新築は減少傾向
新型コロナの影響により2020年度の建材卸売の国内市場は大きく減少しましたが、2021年度はコロナ禍の反動や在宅時間が増えたことで住み替え需要が伸びたことなどで市場が拡大しました。
しかしながら、今後の国内人口は減少する見込みであり、さらに地価や建設コストが上昇して新築住宅の需要は高止まりしていることなどを踏まえると、中長期的には新築は減少傾向で推移すると考えられます。
参考:国土交通省「建築着工統計調査報告 令和4年度計」
リフォームの需要増加
国土交通省の調査によれば、2023年度第4四半期における建築物リフォーム・リニューアル工事の受注高は2兆9350億円であり、前年度同期に比べ6.5%の増加となりました。そのうち、住宅に係る工事受注高は1兆551億円であり、前年度同期に比べ30.5%増加しています。
また、2023年度の合計受注高は建築物リフォーム・リニューアル工事全体で11兆5545億円で、前年度に比べると1.2%減少していますが、住宅に係る工事受注高は4.6%増加の3兆9200億円となりました。
近年は、不動産取引価格の上昇で住み替えから持ち家リフォームへとシフトする動きがみられ、さらに団塊ジュニア世代が持ち家のリフォームタイミングに差し掛かっていることなどから、今後はさらにリフォームの需要が増加する可能性が考えられます。
参考:国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査報告(概要)」
地元密着型の中小企業が多い
取り扱っている商材が多様な建材卸売業界は、地域に密着した中小企業が多い点も特徴です。大手の建材・住宅設備機器の卸売メーカーは、地場の商社と手を組むことで、細かい地域まで商圏を伸ばしています。
建材卸売業界のライバル
建材卸売業界では、激しい価格競争が行われています。価格競争のライバルは業界内だけではありません。以下に挙げる異業種からの価格競争が、建材卸売業界建材・住宅設備機器の卸・問屋業界にはあります。
住設機器メーカー
住設機器を取り扱っている大手メーカーでは、昨今のストック市場によるリフォームの売上上昇を見込み、需要を囲い込み始めています。その手法は、メーカーが店舗を開設したり、オンラインショップの開業でユーザーに直接販売したりする方法などです。
住設機器を取り扱っているメーカーには、直接販売での価格に対する優位性があるだけではありません。コマーシャルなどを積極的に行うことでエンドユーザーに認知され、市場でのシェアを広げられる強みもあります。
大手の住設機器メーカーが豊富な資金を投入して参入する動きに対して、建材卸売業界の主流となる地域の中小企業は、今まで培った人脈と販売網を駆使して対抗するしかありません。
家電量販店
建材卸売会社のライバルに家電量販店があります。家電量販店のなかには、住宅メーカーをM&Aにより買収し、住宅業界に参入している企業もあるほどです。
家電量販店には、日々多くのエンドユーザーが買い物に訪れているため、直接営業をかけられるメリットがあります。販売店は各地に点在しており、潜在的なユーザーを取り込める可能性も高いです。
家電量販店で住宅を契約すると、家電の割り引きやポイントサービスを得られるなど、住宅設備プラスアルファのメリットもあります。建材卸売会社からは、家電量販店参入による顧客の流出が危惧されています。
オンラインによるリフォーム事業
最近では、インターネットに関連している企業が、オンラインを活用してリフォームを行うサービスがみられます。こうしたサービスは今後、成長を見せるのではないかと注目を浴びている状況です。
例えば、Amazon.co.jpが積水ハウスグループ、大和ハウスリフォーム、ダスキンといったリフォームに関連した商品を取り扱う専門サイトを開設したり、ソーシャルゲーム大手のグリーがオンラインでリフォームサービスを開始したりしています。
こうしたサービスに対して、消費者もインターネットでリフォームを行える容易さからニーズがみられます。それだけでなく、インターネットで資材価格を提示されることにより、商社が扱う商材の値崩れにもつながるのではと危惧されています。
3. 建材卸売業界のM&A動向
ここでは、建材卸売業界におけるM&Aでの売却・買収動向を解説します。
事業承継がらみのM&Aが増加
日本の人口減少は非常に大きな問題です。人口減少は事業の担い手不足を招いています。地域に根ざした商社が多い建材卸売業界では、後継者不足が深刻な問題です。
後継者不足により事業承継ができない建材卸売業界の中小企業が、M&Aにより商社などの事業を売却する事例が多くみられています。M&Aによる売却や買収は、事業承継で有効的に働いているといえます。
同業他社による買収増加
建設業者である工務店などが、建材卸売会社をM&Aによって買収や事業譲受するケースが目立ってきています。
激化する価格競争を生き残るため、より消費者に近い工務店などが、建材卸売事業も手掛けることで、価格低下を実現させている状況です。取り扱う商材の販売価格をより押さえるために、大手資本に入るなどといった動向もみられます。
サプライチェーン拡大のためのM&A
建材卸売業はサービスなど他社との差別化が図りにくい業種です。他社との差別化が難しい場合、価格競争が激化しやすくなり、事業者にとっては厳しい状態となってしまいます。
業界内での過度な価格競争を避け、利益を確保するためにはサプライチェーン拡大も効果的です。建材卸売業はサプライチェーン拡大のを図るためにM&Aを行うケースも多く、商流の複数階層をおさえれば、利ざやのコントロール力を強化することができます。
建材卸売のM&AならM&A総合研究所へ
建材卸売業界のM&Aなら、M&A総合研究所にお任せください。建材・住宅設備機器の卸・問屋のM&A支援実績豊富なアドバイザーがフルサポートします。
料金体系は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ)です。無料相談は電話・Webより受け付けています。建材卸売業界のM&Aをご検討の際は、お気軽にご連絡ください。
4. 建材卸売のM&Aメリット
建材卸売のM&Aにはどういったメリットが考えられるでしょうか。ここでは売却・譲渡側と買収側のメリットに分けて解説します。
売却側のメリット
建材卸売のM&Aでの売却側の主なメリットには、以下のようなものがあります。
後継者問題が解決
後継者がいないために廃業を考える経営者も少なくありません。その場合、M&Aで経営権を譲渡することで後継者問題は解決します。
特に地方での後継者問題は深刻です。課題に対処するために、M&Aによる譲渡に踏み込む動向もみられます。
雇用の継続
廃業や経営不振に陥った場合、従業員を雇用し続けることは困難です。こうした状況にもM&Aによる事業譲渡や会社売却(株式譲渡)を行うことで、従業員の雇用を継続させられるメリットがあります。
負債の解消と創業一族の利益確保
M&Aで会社を売却した場合、負債は買い手に引き継がれます。それに伴い、売却側経営者の個人保証や担保も解消されます。それだけでなく、創業者や経営者は、売却の対価として相応の現金を獲得できます。
買収側のメリット
建材卸売のM&Aでの買収側の主なメリットには、以下のようなものがあります。
営業拠点の拡大
買収側の大きなメリットは、商圏が拡大することです。特に地元に根ざしている商社が多い建材卸売は、顧客との関係性も強いので、該当地域でしっかりとした基盤が作れます。
スケールメリットを得られる
買収により企業が大きくなれば、スケールメリットが得られます。事業拡大がもたらすスケールメリットの一例としては、銀行からの融資や地域での知名度向上などです。
新たな顧客を獲得できる
同業他社との競争のなか、新たな顧客を得ることは簡単ではありません。M&Aで買収を実施すれば、売却側の持っている顧客を新たに獲得して事業を展開できます。
5. 建材卸売会社のM&Aの成功ポイント
建材卸売会社のM&Aを行うにあたり、重要なポイントを解説します。
早い時期からの準備
M&Aは成立までに多くの行程を経なければならず、準備段階を含めると半年から1年程度はかかるといわれます。海外M&Aや大型案件などの場合、成立までに数年かかるケースも珍しくありません。
また、相手先企業(交渉先)もすぐにみつからない可能性もあるため、M&A実施を検討し始めたらできるだけ早い段階から準備を進めていくことが成功に導くポイントのひとつです。
特に事業承継目的でM&Aを行う場合、経営者は自身が引退する時期に滞りなく事業を引き継げるよう、準備を進めていく必要があります。
自社の魅力の把握
M&A交渉は売り手側・買い手側がともに「この企業とともに事業を行っていきたい」「この企業に自社を任せたい」と決断しなければ、成立するものではありません。
M&Aでは面識のなかった企業同士が行うケースが多いため、自社の魅力・強みをしっかり伝える必要があります。正しくアピールするためには、事前に自社の強みや魅力を客観的な視点から把握しておくことが重要です。
また、強みだけでなく弱みや補完すべきポイントはなにかということも把握しておくと、相手先が判断しやすくなるので併せて確認しておくようにしましょう。
専門家への相談
M&Aを行ううえでは専門的な知識が不可欠であり、成功させるためにはノウハウや経験も必要です。また、通常の事業運営と並行してM&Aを進めていかなければばらないため、専門家へ相談してサポート下で進めていくと効率よく、かつ負担を軽減することができます。
M&A支援を行う専門家にはM&A仲介会社や金融機関などさまざまなところがあるので、自社に合ったところを選ぶことがポイントです。その際は、支援実績・得意業種・対応案件規模・手数料体系などをしっかり確認して選ぶようにしましょう。
情報漏洩への注意
M&Aでは交渉相手に自社の秘密情報を開示しなければなりません。開示する情報には事業内容・財務情報・取引先に関する内容・ノウハウや技術に関する内容など、当事者以外の第三者に漏洩すれば企業価値を大きく損なう恐れのあるものの多く含まれます。
また、M&A成立前にM&Aを行うことが従業員や取引先に知れれば、混乱を招いて契約中止や従業員の流出につながりかねません。M&Aを行う際は情報漏洩がないよう秘密保持契約を適宜結び、最新の注意を払うことが重要です。
タイミング
売却側のM&Aを行うタイミングは、事業承継に適した時期や、売上が危うくなってきた時期が望ましいです。あまりに大きな負債を抱えてからでは、売却先をみつけられない場合もあります。それ以外にも、相手がみつかっても、売却価格が低くなるのは必定です。
M&Aで買収する側の企業は、対象商社の利益を見極めることが望ましいです。今後、新築住宅は減少する一方で、ストック住宅の改修などは市場が一定以上伸びていくことが見込めます。ストックに強い商社を選択するのも良策です。
6. 建材卸売会社をM&Aで売却する流れ
建材卸売会社をM&Aで売却する場合、あらかじめ全体の流れを把握しておくと円滑に進めていくことができます。使用スキームによって必要手続きが異なる部分もあるので、担当のM&Aアドバイザーに相談しながら進めていくとよいでしょう。
検討・準備
M&A実施を検討し始めたら、まず「なぜM&Aを行うのか」「M&Aによってどのようなメリットを得たいのか」を明確にすることが重要です。
M&Aの目的を明確化することにより、どのような相手先が最適なのかが判断しやすくなるだけでなく、後々の過程で譲歩が必要となった場面でも判断を誤るリスクを大きく下げることができます。
また、M&A実行を決断する際は、自社の目的達成にはM&Aが最適なのかという点も含め、しっかり検討することが重要です。検討の結果、M&A実行を決めたら専門家へ相談し、具体的な準備を進めていきます。
マッチング
自社の希望条件を担当M&Aアドバイザーに伝えておくと条件に合う候補先やシナジーが見込める候補先をリストアップしてくれるので、そこから絞り込みを進める流れが一般的です。
最初の段階では十社~数十社程度のリスト(ロングリスト)を受け取ることが多いですが、そこから条件・エリア・業種・期待できるシナジーなどの要素から数社に絞り込んだリスト(ショートリスト)へと落とし込み、交渉したい候補先があったらM&Aの専門家を介して交渉を打診します。
なお、この段階では「ノンネームシート」と呼ばれる自社が特定されうる情報は伏せた資料を使用しますが、これは情報漏洩を防止するためです。企業概要書による詳細情報の開示は、M&A交渉に進むことが決まり当事者間で秘密保持契約を締結した後となります。
秘密保持契約とは
秘密保持契約とは、知り得た情報を目的以外に使用しないこと、第三者へ漏洩しないことを書面にし約束するものです。M&Aの場合、譲渡側・譲受側との間で締結し、双方が知り得た情報をM&A以外で使用しないこと、当事者以外の第三者へ漏洩しないことを書面にし締結します。
M&Aで相手側へ開示する情報には財務情報・詳細な事業内容・ノウハウ・取引先・顧客情報など重要なものが多く、万一これらが外部流出すれば企業価値を毀損する事態となりかねないません。そのため、M&A過程で重要情報を開示する際は、適宜秘密保持契約を締結します。
交渉・基本合意
次はいよいよ本格的な交渉へと進みますが、交渉に先駆けて「トップ面談」と呼ばれる場が設けられます。トップ面談は譲渡側・譲受側のトップ同士で行い、互いの人間性や企業理念など企業概要書ではわかりにくい部分を確認し、信頼関係を構築することが主な目的です。
トップ面談後、双方がM&A成立を目指す意向であれば、条件・M&A価額・完了までのスケジュールなどについて交渉を進め、大筋合意が得られた段階で基本合意書を作成し締結します。
なお、基本合意書はその時点までに合意した内容が記載されますが、基本合意書そのものには法的拘束力がないためこの時点でM&A成立が確約されるものではありません。
ただし、基本合意書に記載される一部事項(デューディリジェンスや独占交渉権に関する内容など)は例外的に法的拘束力を持たせるケースがほとんどです。
デューデリジェンス
デューデリジェンスとは譲受側が譲渡側に対して行う調査を指し、財務・法務・人事・IT・ビジネスなどさまざまな方面から専門家が買収リスクの有無や程度、問題点の洗い出しを行います。
譲受側はデューデリジェンスの結果によって、M&A(買収)の実行可否や価額・条件の妥当性を判断するため、譲渡側は追加資料の提出など協力を求められた場合は誠実に対応しなければなりません。
なお、デューデリジェンスによって大きな問題やリスクが発覚した場合などは、譲受側がM&A中止を判断する可能性もあります。
最終契約・クロージング
デューデリジェンス実施後、譲受側がM&A(買収)を実行すると判断したら、最終交渉を行います。最終交渉はデューデリジェンスの結果を踏まえて行うため、調査結果によっては基本合意締結時の条件や価額が変更される場合もあることを理解しておきましょう。
そして、最終交渉で取り決めた内容に譲渡側・譲受側の双方が合意した時点で最終契約を締結し、これを以てM&Aが成立します。M&A成立後はM&A対象の経営権を譲渡側から譲受側へ移転させ、対価の決済手続きを行うクロージングへと移行し、クロージング完了を以てM&A工程は完了です。
なお、クロージング実行は譲渡側がクロージング条件を満たしていることが前提となります。そのため、M&A成立からクロージング実行までは一定期間空ける場合が多いです。
7. 建材卸売業界のM&A成功事例15選
ここでは、建材卸売業界のM&Aにおける成功事例を紹介します。
①JKホールディングス
JKホールディングス株式会社(9896)は、大阪府大阪市に所在する太平洋建材株式会社の全発行済株式を取得する契約を締結しました。これにより、太平洋建材は2024年5月31日付でJKホールディングスの連結子会社となる予定です。
JKホールディングスは、合板の製造・販売、木材の加工・販売、合板二次製品・建材および住設機器の卸売など、多岐にわたる事業を展開しています。
太平洋建材は、大阪府を拠点に内装材および外装材の販売事業を展開しています。
太平洋建材を子会社化することにより、JKホールディングスグループの関西地区における基盤が強化され、内装建材販売事業で事業エリアを拡大することが可能となります。これにより、グループ全体としてさらに多様なサービスの提供が期待されます。
②ブルケン関東
2023年1月、JKホールディングス傘下のブルケン関東は日新電機から電設資材販売事業を譲受すると発表しました。ブルケン関東は健在や合板製造のJKホールディングスの子会社で、内外装建材・アルミ建材・住宅設備などの建材小売事業を手掛けています。
本M&Aで譲受するのは、江戸川区で電力・環境システム事業などを手掛ける日新電機の一部事業(電設資材販売事業)です。
JKホールディングスは電設資材販売事業を取得することで、中核である木質建材販売事業のほかに範囲を広げ、売り上げ拡大と企業価値向上を図るとしています。
参考:JKホールディングス株式会社「当社子会社による日新電機㈱の事業譲受および新営業所開設のお知らせ」
③アルコニックス
2022年4月、アルコニックスはリチウムイオン電池向けの金属部品を製造するソーデナガノの株式を取得し、連結子会社化すると発表しました。取得価額は、約88億3,700万円です。取得予定日は2022年11月30日の予定です。
アルコニックスは、非鉄金属、レアメタル、レアアースなどの製品の販売、原材料の輸出入などを行っています。このM&Aは、中期経営計画のビジョンである「商社機能と製造業を融合する総合企業」を加速させ、グループ内でのシナジー効果向上と、企業価値向上を目的としています。
参考:アルコニックス株式会社「株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
④サーラコーポレーション
2022年4月、サーラコーポレーションは連結子会社であった豊橋のアスコを吸収合併存続会社とし、エイ・エム・アイを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うと発表しました。アスコとエイ・エム・アイは、いずれも動物用医薬品等を販売しています。
今回のM&Aは、北関東地区で、アニマルヘルスケア事業の営業力強化、業務効率化により、収益向上とシェア拡大を図るために行いました。
参考:株式会社サーラコーポレーション「当社連結子会社間の吸収合併に関するお知らせ」
⑤伊藤忠エネクス
2022年3月、伊藤忠エネクスはホームライフ部の産業ガス販売事業を、連結子会社である伊藤忠工業ガスに承継させると発表しました。これは、会社分割によるものです。伊藤忠エネクスを分割会社とし、伊藤忠工業ガスを承継会社とします。
伊藤忠エネクスは、国内トップクラスのエネルギー商社です。伊藤忠工業ガスは、工業用・医療用など各種ガス容器の耐圧検査・充填・配送の製造物流事業などを展開しています。
本件は、連結子会社と行うため、株式の割り当てなどの対価の交付は行いません。このM&Aは、経営資源を集約し、一元化を図ることで効率的に事業を推進することを目的としています。
参考:伊藤忠エネクス株式会社「会社分割(簡易吸収分割)による当社産業ガス販売事業の 連結子会社への承継に関するお知らせ」
⑥タムラ建材
2021年11月、福岡県久留米市のタムラ建材は、同県同市のタムラから建築資材販売事業を譲受しました。タムラ建材は、JKホールディングスの連結子会社であるブルケン・ウエストが、このM&Aのために同年10月に設立した会社です。取得価額は公表されていません。
JKホールディングスグループは、総合建材卸売、フランチャイズ、合板製造・木材加工、総合建材小売、建設工事、旅行・保険・金融業、倉庫・運送業などを行っています。グループとして福岡県および九州地区での建材卸売事業を拡大させることがM&Aの狙いです。
参考:JKホールディングス株式会社「当社子会社設立および㈱タムラ事業譲受に関するお知らせ」
⑦ダイキアクシス
2021年10月、愛媛県松山市のダイキアクシスは、愛媛県新居浜市のアルミ工房萩尾の全株式を取得し、完全子会社化しました。取得価額は非公表です。アルミ工房萩尾は、住宅サッシ・エクステリア建材の施工・販売を行っています。
ダイキアクシスは、建材・住宅設備機器の販売・施工、排水処理装置の設計・施工・維持管理、合成樹脂製品などの製造・販売・設計・施工、バイオディーゼル燃料の精製・販売、飲料水の製造・販売、太陽光発電による売電事業などを行っている企業です。
ダイキアクシスとしては、シナジー効果によって、より質の高い商材・サービス提供を可能としています。
参考:株式会社ダイキアクシス「株式会社アルミ工房萩尾の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
⑧コンドーテック
2021年10月、大阪府大阪市のコンドーテックは、愛知県名古屋市の栗山アルミの株式75.7%を取得し、子会社化しました。取得価額は非公表です。コンドーテックは、産業資材・鉄構資材の製造・仕入・販売、電設資材の仕入・販売を行っています。
栗山アルミは、非鉄金属の押出、アルミ押出型材などの製造開発、型材・板材・ステンレスなどの加工、アルミニュームの表面処理加工などの事業を行っている企業です。コンドーテックとしては、今後に需要が見込まれるアルミ商材をグループ内に取り込むことがM&Aの目的でした。
参考:コンドーテック株式会社「栗山アルミ株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
⑨前田工繊
2021年9月、福井県坂井市の前田工繊は、東京都新宿区のセブンケミカルの全株式を取得し、完全子会社化しました。取得価額は非公表です。前田工繊は、土木資材・建築資材・各種不織布の製造・販売を行っています。
栗山アルミは、外壁用の防水材や保護・仕上げ材の製造・販売を行っている企業です。前田工繊としては、グループとしてシナジー効果が得られるとともに、事業領域の拡大も実現すると判断しました。
参考:前田工繊株式会社「株式会社セブンケミカルの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
⑩ナイス
2021年8月、神奈川県横浜市のナイスは、群馬県高崎市のヤマダホールディングスと資本業務提携契約を締結し、ヤマダホールディングスが引き受け手となる第三者割当増資を実施しました。ヤマダホールディングスはナイスの株式18.49%を取得し、筆頭株主となっています。
ナイスが調達した資金は39億2,070万円です。ナイスは、企業グループとして建築資材事業、住宅事業、建築工事事業、情報サービス事業、コンサルティング事業などを行っています。
ヤマダホールディングスは、電化製品の小売販売事業、住宅建設事業、金融事業などを行っているグループの持株会社です。ナイスとしては、自社とは異なる経営資源を持つパートナーとの提携によって、企業価値向上を目指すための決断です。
参考:株式会社ナイス「株式会社ヤマダホールディングスとの資本業務提携、 第三者割当による新株式の発行及び主要株主の異動に関するお知らせ」
⑪西武ホールディングス
2021年7月、東京都豊島区の西武ホールディングスは、100%子会社である埼玉県所沢市の西武建材の全株式を埼玉県さいたま市の東和アークスに譲渡しました。譲渡価額は公表されていません。
西武建材は、建築材料や鉱物・金属材料などの製造・卸売業を営んでいます。東和アークスは、建築材料や鉱物・金属材料などの製造・卸売業を行っている企業です。
西武ホールディングスとしては、グループ内のノンコア事業の売却を計画的に進めており、今回の株式譲渡もその一環となります。
参考:株式会社西武ホールディングス「子会社株式譲渡に関するお知らせ」
⑫小野建
2019年10月、福岡県北九州市の鉄鋼・建材商社である小野建は、大阪府門真市の鉄筋販売・切断・加工・鉄筋工事を行う森田鋼材の全株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。
小野建は所在地の福岡県だけでなく、全国展開で事業を行っています。森田鋼材をグループに加えることによって、京阪神エリアの事業展開を強化できると判断しました。
小野建の会社設立は1949年、森田鋼材は1958年と、どちらも長いキャリアがあり、それぞれが培ってきたノウハウや技術の交流も大きなシナジーになるとしています。
参考:小野建株式会社「森田鋼材株式会社の株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ」
⑬キムラ
2018年3月、住宅資材の卸売の事業や不動産事業などを手掛けている札幌市のキムラは、帯広・十勝地区で住宅用足場や仮設材のレンタル、施工を行っているテクノ興国の全株式を取得し、完全子会社化しました。
キムラとしては、帯広市を含む十勝地域において、足場レンタル事業のさらなる展開が期待できるとしています。
参考:株式会社キムラ「株式会社テクノ興国の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」
⑭OCHIホールディングス
2017年12月、建材・生活・加工・その他の4つの事業を手掛けている福岡県福岡市のOCHIホールディングスが、長野県で建材・住設宅設備機器の卸売と建築工事を手掛ける丸滝の全株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。
OCHIホールディングスとしては、丸滝を中心に甲信越地域の事業展開を広げるとともに、人材と技術の交流や事業サポートを行うことでグループシナジーを向上させるとしています。
参考:OCHIホールディングス株式会社「株式会社丸滝の株式取得に関するお知らせ」
⑮サンゲツ
2017年12月、内装材販売の商社であるサンゲツは、シンガポールで内装材量販売を手掛けるGoodrich Global Holding Pte. Ltd.の過半数の株式を取得し、子会社化することを発表しました。
株式を買収されたGoodrich Global Holding Pte. Ltd.は、東南アジアを中心に6カ国12事務所を展開しており、内装材料の販売市場で多くのシェアを持っています。サンゲツはこのM&Aによって、日本・米国・中国の市場に加えて東南アジアまでも販売圏域にしました。
参考:株式会社サンゲツ「Goodrich Global Holdings Pte. Ltd.社の 株式取得に関するお知らせ」
住宅建設業界のM&A動向については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
8. 建材卸売業界のM&Aまとめ
建材卸売会社がM&Aする場合のメリットは、売却側・買収側の双方にあります。ただし、売却・買収の価格相場は変動するのが一般的です。M&A仲介会社などの専門家と相談しながら、タイミングをしっかりと見極めてM&Aを進めることが非常に重要です。
9. 建材・住宅設備機器の卸業界の成約事例一覧
10. 建材・住宅設備機器の卸業界のM&A案件一覧
【成長企業/自走可能/EBITDA6,000万円】木工家具製造業×中部地方
工業製品製造/その他の製造業/建設・土木・工事・住宅/中部・北陸案件ID:2404公開日:2024年11月13日売上高
10億円〜25億円
営業利益
5000万円〜1億円
譲渡希望価格
2.5億円〜5億円
大型建築物の木工家具の製造を手掛けている会社です。 空間デザインなどと非常に相性の良い、デザイン性の高い製品を製造していることが特徴で、 自社内で設計から家具の施工まで一貫して対応可能となり...
【九州エリア/希少部材使用】家具製造・販売業
その他の製造業/建設・土木・工事・住宅/建築・内装リフォーム/九州・沖縄案件ID:2343公開日:2024年10月18日売上高
5000万円〜1億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
希少部材を使用した家具の製造・販売業
【業歴50年以上×九州地方】オーダー家具製造業
その他の製造業/ECサイト(カートあり)/建設・土木・工事・住宅/九州・沖縄案件ID:2246公開日:2024年09月12日売上高
5000万円〜1億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
5000万円〜1億円
オーダー家具・別注家具の製造販売
【純資産アンダーでの譲渡】中部地方×機械工具の卸売業
工業製品製造/工業製品卸・小売/その他の卸・小売/中部・北陸案件ID:2231公開日:2024年09月09日売上高
5億円〜10億円
営業利益
譲渡希望価格
1億円〜2.5億円
機械工具(消耗品)を幅広い顧客(メーカー、二次卸売など)に販売する。
【東海エリア・高い利益率】鉄鋼建築資材の卸売業/運送業
工業製品卸・小売/建設・土木・工事・住宅/中部・北陸案件ID:2133公開日:2024年08月07日売上高
10億円〜25億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
5億円〜7.5億円
住宅用の鉄鋼資材全般の卸~運送業
【マルチプル1倍/北陸地方】ビル建材・搬送資材のアルミ・ステンレス製品メーカー
工業製品製造/中部・北陸案件ID:2083公開日:2024年07月24日売上高
5億円〜10億円
営業利益
1億円〜2.5億円
譲渡希望価格
1億3,000万円
金属製品メーカー(アルミ、ステンレス、鉄) ビル建材、搬送資材
【インテリア商社/内装工事×首都圏】有名外資ホテルやテーマパークなどが主要顧客
繊維・衣料卸・小売/その他の卸・小売/建築・内装リフォーム/関東・甲信越案件ID:2026公開日:2024年07月09日売上高
5億円〜10億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
約10社の海外インテリアメーカーとの日本総代理店契約を保有し、 誰もが知る外資ホテル、テーマパーク、外資ブティックなどの主要顧客を持つ インテリア商社・内装工事を手掛ける企業です。
【純資産アンダー/中国地方×製造業】LED照明・電気自動車の電子部品製造業
工業製品製造/その他の製造業/中国・四国案件ID:1977公開日:2024年06月26日売上高
2.5億円〜5億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
1億円〜2.5億円
オーダーメイドLED照明の製造、電気自動車などに使用される電子部品の製造
【北海道】複数拠点を有する建材卸売業
その他の卸・小売/建築・内装リフォーム/倉庫・物流・運送・宅配/北海道案件ID:1951公開日:2024年06月17日売上高
5億円〜10億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
5億円〜7.5億円
建材の卸売
【関西地方/業歴20年以上】高品質なブランド木材の製材事業を手掛ける会社
建設・土木・工事・住宅/建築・内装リフォーム/近畿案件ID:1830公開日:2024年04月30日売上高
5000万円〜1億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
6,500万円以上
品質の高いブランド木材を利用し、関西エリアを中心に事業展開する製材事業者
【自社製材品を使用した木造建築】東海地方の注文住宅建築・リフォーム業
その他の製造業/住宅・不動産・ビルメンテナンス/建築・内装リフォーム/中部・北陸案件ID:1671公開日:2024年03月08日売上高
2.5億円〜5億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
注文住宅建築業・リフォーム業・製材業
【首都圏・技術者集団】建築積算業
住宅・不動産・ビルメンテナンス/建設・土木・工事・住宅/建築・内装リフォーム/関東・甲信越案件ID:1591公開日:2024年02月07日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
対象企業は、首都圏にて建築積算業務の専門企業であり、全国にて豊富な実績を誇る企業様でございます。
【粗利50%以上/大手企業との取引有】建築用金具製造業
工業製品製造/建設・土木・工事・住宅/建築・内装リフォーム/中部・北陸案件ID:1508公開日:2024年01月04日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
応相談
建築用金具製造・金属加工業
【北海道の薪ストーブ、輸入暖炉販売】顧客に合わせた設計、設置、メンテンナンスまで一貫して対応
その他の卸・小売/建設・土木・工事・住宅/建築・内装リフォーム/北海道案件ID:1264公開日:2023年09月20日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
希望なし
薪ストーブ、暖炉の輸入販売、設置、メンテンナンス
M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所
M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴
- 譲渡企業様完全成功報酬!
- 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
- 上場の信頼感と豊富な実績
- 譲受企業専門部署による強いマッチング力
M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。