建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却!業界動向・相場・ポイントを解説【成功事例あり】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

当記事では建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却についてまとめています。建設・土木業界、施工管理会社のM&A動向や買収・売却の解説だけでなく、成功事例も紹介しています。建設・土木業界や施工管理会社がM&Aを実施するメリットなども併せて解説しています。


目次

  1. 建設・土木業界、施工管理会社とは
  2. 建設・土木業界、施工管理会社の特性
  3. 建設・土木業界、施工管理会社業界のM&A動向
  4. 建設・土木業界、施工管理会社業界のM&A・買収・売却時の形
  5. 建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却のメリット
  6. 建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却の相場
  7. 建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却のポイント
  8. 建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却の成功事例
  9. 建設・土木業界、施工管理会社M&Aの相談先
  10. まとめ
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1. 建設・土木業界、施工管理会社とは

建設・土木業界と施工管理会社

今回は、建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却についてまとめていきます。建設・土木業界の企業や施工管理会社をM&Aによって売却しようと考えている方や、買収して自社の事業成長につなげようと検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも建設・土木業界とは、建設業法で「元請、下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう」と定められている業界です。建設・土木業界は、工事の種類に応じて「29業種」に区分することができます。

さらに、工事全体を総合的に請け負う「総合建設業(土木工事業、建設工事業)」と、工事を部分的に請け負う「職別工事業(専門工事業)」の大きく二つに分類することが可能です。

「総合建設業」とはいわゆる「ゼネコン」と呼ばれているもので、「発注者」から請け負った建設・土木工事の総合的な企画や指導、調整などを行う職種です。

「ゼネコン」は、年間完成工事高1兆円を超える「スーパーゼネコン」や、2000億円を超える「準大手ゼネコン」、2000億円以下で売上高上位40社の「中堅ゼネコン」、都市圏以外の特定地域に強い地盤を持つ「地場ゼネコン」「地方ゼネコン」に分けることができます。

「施工管理会社」は、建築現場において、建築工程の管理や安全管理、品質管理などを担う会社です。発注者と打ち合わせをしたり、現場の技術者への指導を行ったりする、いわゆる「現場管理・監督業務」が主な業務となっています。

施工管理会社で働くためには、「施工管理技士」と呼ばれる国家資格を取得しなければいけません。施工管理技士には、「土木施工管理技士」や「建築施工管理技士」「管工事施工管理技士」などの種類があります。

2. 建設・土木業界、施工管理会社の特性

建設・土木業界、施工管理会社の特性

建設・土木業界や施工管理会社の特性としては、以下の3点が挙げられます。

  1. 受注生産
  2. 入札方式
  3. 下請構造

①受注生産

建設・土木業界、施工管理会社の特性の一つが「受注生産」方式をとっているということです。ゼネコンに発注されてくる工事内容は、発注者の様々な要望によって決定されており、工事の規模・構造などは多岐にわたります。

建設業界の工事・土木業界の工事など、同種類の工事であっても、同じ内容のものはほとんどありません

そのため、建設業者・土木業者などは、工事現場ごとに違う建設資材・建設機械を用意し、その工事現場に見合ったスキル・能力・経験をもった人材を調達する必要があります。

このようなことから、建設工事・土木工事などは、発注者からの請負契約をもって工事を行う受注生産方式を採用してます。

②入札方式

「公共工事」では、「入札参加資格」を保有している土木業者・建設業者・施工管理会社間で「入札」が行われるのが一般的です。この「入札方式」では、発注者が提示した予定価格(上限価格)の範囲内で、最も低い価格で入札した業者が落札することとなっています。

ただし、入札価格のみで土木業者・建設業者・施工管理会社を決定してしまうと、品質が担保されないなどの悪質なケースが目立ってしまいました。

そのため、入札価格以外に、建設物の強度や耐久性の向上、騒音や規制車線数の減少、交通確保・安全対策などの項目も評価対象として、公共工事の落札者を決定する「総合評価落札方式」の採用も進んでいます。

③下請構造

建設・土木業界、施工管理会社は、「工事発注者」から請負業者である「ゼネコン」に、「ゼネコン」から仕事を請け負う「下請業者」へと仕事が発注される「下請構造」となっています。

さらに工事の規模によっては、一次下請・二次下請・三次下請などのように、多数の下請業者が関わることになります。

3. 建設・土木業界、施工管理会社業界のM&A動向

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建設・土木業界、施工管理会社業界のM&A

ここからは、建設・土木業界、施工管理会社業界のM&A動向について解説していきます。M&Aを成功させるポイントの一つは、M&Aを検討している業界のM&A動向をしっかりと理解することです。

例えば、その業界の市況があまり良くないタイミングでM&Aを実施しても、自社の本当の価値よりも低い価格で会社売却せざるを得なかったり、なかなか会社売却・事業譲渡相手が見つからなかったりするケースがあります。

M&Aを失敗させずできるだけメリットを享受するためにも、M&A動向に注目することは大切です。

M&A動向①:過去最多のM&A件数を更新中

これまでの建設・土木業界・施工管理会社業界は、その特性上M&Aによるスケールメリットが働きにくかったり、M&Aによって2社以上の企業が合併することで公共工事の入札参加機会が限定されてしまう、などのデメリットがありました。

そのため、M&Aの成功事例は少ない状況で、むしろ廃業によって企業数が減ってしまう状態にありました。

ただ、近年は商業圏内の拡大や人材不足解消の目的でM&Aが実施されたり、大和ハウスや積水ハウスなどのハウスメーカーが大手ゼネコンを買収するような事例も増えており、過去最多のM&A件数を更新中です。

M&A動向②:2020年に向けて業界再編が進む

現在、建設・土木業界・施工管理会社業界は、2020年の東京オリンピックに向けて業界再編が進んでいます。鉄道網や高速道路等のインフラ整備が進んでいるため、収益力を向上させるために、準大手建設会社を中心とした更なる業界再編が期待されています。

M&A動向③:人手不足が業界全体の悩み

現在の建設・土木業界・施工管理会社業界の動向として、「人手不足に悩まされている」ということが挙げられます。特に地方の建設・土木・施工管理会社では、若い人材が地元に定着してくれず、どんどん若手技術者不足が深刻化しています。

M&A動向④:地方では廃業数も多い

人材不足と相まって、地方の建設・土木・施工管理会社では廃業を余儀なくされている会社も多くあります。これは、収益力の低下や人材不足が影響していると考えられます。

この問題を解消する施策として、地方にある建設・土木・施工管理会社のM&A動向に注目が集まっています。

【関連】建設業界・ゼネコン業界のM&A動向〜M&A事例20選【2018年最新】

4. 建設・土木業界、施工管理会社業界のM&A・買収・売却時の形

M&A・買収・売却時の形

建設・土木・施工管理会社業界においてM&Aが実施され、会社売却・買収が行われたり、事業譲渡・譲受が実施されたりする際の「形」について説明していきます。近年の建設・土木・施工管理会社業界のM&A事例では、以下3つの形が見られます。

  1. 同業からのM&A・買収・売却
  2. 異業種・他業種からのM&A・買収・売却
  3. 海外からのM&A・買収・売却

①同業からのM&A・買収・売却

近年は、2020年の東京オリンピックによる「市場の活性化」や「深刻な人材不足解消」などの業界動向から、同業同士のM&Aが実施されるケースが見られます。

人材不足に悩み廃業が差し迫った地方の会社が、M&Aによって同業者に会社売却・事業譲渡をすることにより、人材不足等の問題を解消できます。また、買収した側も人材の確保や商圏の拡大が期待できます。

②異業種・他業種からのM&A・買収・売却

最近では、異業種・他業種からのM&A・買収・売却が増えてきています。例えば、ハウスメーカー大手企業の「大和ハウス工業」がハウスパーキング会社の「ダイヨシトラスト」を買収した事例があります。

このように、業界ごとの強みを生かして、事業を拡大しようとするM&Aが増えているという動向があります。

③海外からのM&A・買収・売却

海外からのM&Aという形で行われる買収・売却が徐々に増加しているという動向も注目すべきポイントです。2020年以降の国内需要に不安がある中で、海外需要を獲得しようと、M&Aを実施するケースが増えてきました。

【関連】M&Aの流れ・手順を解説!進め方、手続きのポイントは?

5. 建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却のメリット

M&A・買収・売却のメリット

続いて、建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却のメリットについてまとめていきます。M&Aの売却側・買収側でメリットが異なってくるので、両者を分けて解説していきます。

売却側

建設・土木業界、施工管理会社のM&Aにおける「売却側のメリット」について説明します。売却側のメリットとしては、以下の5点を挙げることができます。

  1. 従業員の雇用先を確保
  2. 後継者問題の解決
  3. 売却・譲渡による利益の獲得
  4. 債務や個人保証などの解消
  5. 廃業にかかる手間がなくなる

①従業員の雇用先を確保

売却側には、M&Aによる会社売却・事業譲渡によって「従業員の雇用先を確保できる」というメリットがあります。M&A動向の部分でも解説したように、特に地方の中小企業などは、人材不足や需要の減少などによって、廃業を余儀なくされるケースが多くみられます。

M&Aを実施して、会社売却や事業譲渡を実現できれば、買収側の企業で従業員を働かせることができるので、廃業によって従業員の雇用が無くなってしまう事態を防ぐことができます。

②後継者問題の解決

「後継者問題を解決できる」というものが、売却側のメリットとして挙げられます。建設・土木業界、施工管理会社に限らず、日本にある多くの中小企業は「後継者問題」に直面しています。

人材不足に加え、中小企業経営者の高齢化によって後継者問題が発生し、事業運営が難しくなる結果、廃業しなければいけないというケースもあります。M&Aを実施し会社売却・事業譲渡等を達成できれば、この後継者問題を解消することが可能です。

③売却・譲渡による利益の獲得

M&Aによって会社を売却したり事業を譲渡したりすると、売却利益・譲渡利益を獲得することができます。特に売却側の創業者は、まとまった資金(創業者利益)を獲得することができます。

④債務や個人保証などの解消

売却側はM&Aを実施することで、債務や個人保証を買収側に引き継ぐことができます。そのおかげで、債務や個人保証などを解消することが可能となります。

M&Aによって債務・個人保証などから解放され、まとまった資金を獲得できるため、このM&Aを機に経営から退き、安定した生活を送る経営者の方もいます。

⑤廃業にかかる手間がなくなる

M&A動向でも解説したように、特に地方の建設・土木・施工管理会社では、廃業せざるを得ない会社も多くあります。ただ、廃業を実施するためには「廃業手続き」が必要になり、非常に手間がかかります。

M&Aを実施して、会社売却・事業譲渡に成功すれば、廃業にかかる手間を省くことができます

買収側

続いて、「買収側のメリット」を解説していきます。M&Aによって、会社を買収したり、事業を譲受したりするメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  1. 事業エリアの拡大
  2. 新規事業に低コストで参入
  3. 下請け会社の設立
  4. 新規顧客・取引先・ノウハウの獲得
  5. 人材不足の解消

①事業エリアの拡大

建設・土木業界、施工管理会社がM&Aによる買収を実施することで、「事業エリアの拡大」が期待できます。都市圏の建設・土木・施工管理会社が地方の会社を買収すれば、その地方の地盤を獲得できるため、事業拡大につながります。

②新規事業に低コストで参入

M&Aによって「異業種」の会社を買収することで、「新規事業に低コストで参入できる」というメリットがあります。

通常、新規事業に参入しようとする場合、初めはノウハウや経験などが無いため、事業を成長させるために人件費等のお金や時間をたくさん費やす必要がでてきます。

しかし、すでにその市場での経験やノウハウを持っている会社を買収することで、新規事業参入時に必要な費用や時間を抑えることが可能となるのです。

③下請け会社の設立

建設・土木・施工管理会社をM&Aによって買収することのメリットに、「下請会社を設立できる」というものがあります。M&Aを実施して、建設・土木・施工管理会社を買収し、その買収した企業を自社グループの下請け会社とすることができます。

大手ゼネコンなどは、自分たちのグループ会社の下請け会社を持つことで、より効率的な受注・生産を可能にすることができます。

④新規顧客・取引先・ノウハウの獲得

M&Aによって建設・土木・施工管理会社を買収することで、新規顧客や新しい取引先、買収した企業に蓄積されたノウハウなどを獲得することができるというメリットがあります。

買収した企業の新規顧客・取引先・ノウハウを獲得できれば、自社の経営資源と組み合わせることでシナジー効果が生まれ、さらなる事業成長が期待できます。

⑤人材不足の解消

建設・土木・施工管理会社業界では「人材不足」が顕著に表れています。特に、地方ではこの人材不足が原因で、廃業に追い込まれてしまう会社もあります。M&Aを実施して、建設・土木施工管理会社を買収することにより、買収した企業の人材を確保することもできます。

「人材不足の解消ができる」というメリットはもちろんのこと、技術力を持った人材を確保することも期待できます。

【関連】M&Aのメリット・デメリットを徹底解説!【大企業/中小企業事例あり】

6. 建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却の相場

建設・土木業界、施工管理会社のM&A相場

建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却の「相場価格」について、気になる方も多いのではないでしょうか。実際、M&A対象企業の規模や資産価値によって売買価格は異なってくるため、一概に「いくら」という相場価格が決まっているわけではありません

「建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却の成功事例」の章では、事例による売買価格を紹介していますので、建設・土木業界、施工管理会社業界でM&Aが実施されると、およその売買価格がどのくらいなのか気になるという方は、チェックしてください。

【関連】M&Aの譲渡価格の相場はいくら?決め方を解説!

7. 建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却のポイント

建設・土木業界、施工管理会社のM&Aのポイント

次に、建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却における「ポイント」についてまとめていきます。このポイントも、「売却側」と「買収側」で意識すべき点が異なるので、それぞれ分けて解説していきます。

売却側のポイント

まずは「売却側のポイント」について説明していきます。売却側のポイントは以下の3つです。

  1. 過去の実績・受注記録などの確認
  2. 企業価値評価の確認
  3. 従業員の引継ぎ準備

①過去の実績・受注記録などの確認

M&Aを実施する際、売却側は「過去の実績・受注記録などの確認」を行うようにしましょう。M&Aの買い手からすると、過去の実績や受注記録が豊富な会社である方が、買収したいと感じるものです。

これまでの自社の実績・受注記録をまとめて、買い手企業に対してアピールできる体制を整えておくことが、M&Aの成功に近づくポイントと言えます。

②企業価値評価の確認

M&Aの売却側は、M&Aが失敗に終わらないように、「企業価値評価の確認」を必ず行うようにしましょう。

どのように「企業価値評価」が決定されているか、自社の価値がどのくらいと評価されているのかを確かめずにM&A手続きを進めてしまうと、本来の企業価値よりも低い評価価額でM&Aが実施されてしまう可能性もあります。

【関連】M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?算定方法を解説【事例あり】

③従業員の引継ぎ準備

M&Aによって会社売却をする際は、「従業員の引継ぎ準備」をしっかり行うように意識しておきましょう。

「従業員の引継ぎ準備」をしておかないと、M&Aが実施され、会社が売却された後で、雇用に関して問題が発生してしまったり、多くの従業員が退職してしまったりする可能性も考えられます。

買収側のポイント

次に、建設・土木業界、施工管理会社がM&Aを実施する際の「買収側のポイント」についてご紹介していきます。買収側がしっかりと確認をとるべきポイントは、大きく3つに分けられます。

  1. 仕事の内容
  2. 財務の内容
  3. 人材の内容

仕事の内容

買収側がM&Aを成功させるために「確認すべきポイント」の一つが「仕事の内容」です。買収対象の企業が、これまでどのような仕事に携わってきたのかを、しっかり調査する必要があります。

①過去の実績・受注記録などの割合を調査

【①過去の実績・受注記録などの割合を調査】
買収対象となっている企業の「過去の実績」「受注記録」を調査して、買収するに値する企業か、自社の事業拡大に貢献してくれる企業かを確かめる必要があります。

具体的には、「民間工事・公共工事の割合はどのくらいか」「建築・土木工事の割合はどのくらいか」などをチェックすることが重要です。

【②難しい工事実績がある】
「難しい工事実績があるか」をチェックすることも、買収側が意識すべきポイントの一つです。難易度が高い工事実績が豊富な企業は、M&Aによって買収するに値する企業と考えることができます。

【③得意先の有無】
M&Aのメリットを享受するためには、買収対象企業が「得意先」を確保しているかどうかを確かめることも重要となってきます。得意先を複数抱えている企業を買収できれば、自社の事業規模の拡大が期待できるためです。

【④事業エリアの調査】
買収対象企業の「事業エリア」をしっかり調査することも大切です。自社が展開している事業エリアを補完できるか、自社が未開拓の事業エリアをM&Aによって確保できるかをしっかりと考慮することがM&Aのポイントの一つです。

財務の内容

買収側が意識すべきポイントとして、売却・譲渡企業の「財務の内容」があります。売却・譲渡を希望している企業の財務状態をしっかり確かめておくことで、M&Aの失敗を事前に防ぐことができます。

【①デューデリジェンスの徹底】
M&Aの失敗を防ぐために、買収側は「デューデリジェンス」を徹底するようにしましょう。「デューデリジェンス」を確実に実施することで、「簿外債務の引継ぎ防止」や「粉飾決算等の不正の見極め」が可能となります。

【②元請け率や赤字受注比率の調査】
M&Aを実施する際は、「元請け率」「赤字受注比率」の調査を行うようにしましょう。これらをしっかり調査しておけば、M&A後もスムーズに事業運営を行っていくことができます。

【③工事ごとの原価管理】
売却・譲渡企業がこれまで、工事ごとの原価管理を適切に行えていたかをチェックすることも、M&A成功の大切なポイントの一つです。

【④長期・短期の借入状況】
売却・譲渡企業の「長期・短期の借入状況」がどうなっているのかを調査しておくことで、必要以上の負債を引き継ぐリスクを未然に防ぐことができます。

【⑤重機・設備の保有】
M&Aを実施する前に、売却・譲渡側企業が保有している重機や設備を確認しておきましょう。なぜなら、売却・譲渡側企業が利用していた重機や設備などが「リース」である可能性が考えられるためです。

【関連】M&AにおけるDD(デューデリジェンス)項目別の目的・業務フローを徹底解説!

人材の内容

売却・譲渡側企業の「人材の内容」も、買収側が事前に確認しておくべきポイントです。どのような人材を確保できるかの判断材料となるためです。

【①有資格者の人数】
建設・土木・施工管理業界では、「建設施工管理技士」「土木施工管理技士」「建設機械施工技士」といった資格があります。これらの資格を有していないとできない仕事などもあります。

売却・譲渡側企業に在籍している人材の中で、このような資格を有している者が何人いるのかは、M&Aの重要なポイントとなってきます。

【②労務問題や雇用形態】
M&Aを実施してすぐは、売却・譲渡側企業の雇用主たちが会社を退職してしまうことが良くあります。その理由の一つは、新しい職場環境や雇用形態が合わないことです。

M&Aを実施する際は、売却・譲渡側企業の労務問題や雇用形態をしっかり調査し、M&A後の人材流出を防ぐための対策を講じることも大切です。

【③優秀な技術者】
「有資格者の人数」と同様、売却・譲渡側企業に「優秀な人材がいるか」どうかも、M&Aのポイントの一つと言えます。M&Aによって優秀な人材を確保することができれば、自社の成長が期待できるからです。

【④従業員の年齢層】
売却・譲渡側企業に在籍している「従業員の年齢層」がどのくらいかも、チェックすべきポイントの一つと言えます。

【⑤現場作業員の稼働率】
建設・土木・施工管理会社のM&Aにおいて、「現場作業員の稼働率」も、M&A実施前に確認しておきたいポイントの一つです。現場作業員の稼働率が高い方が、単純に仕事の生産性が高まると考えられます。

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8. 建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却の成功事例

建設・土木業界、施工管理会社のM&A成功事例

ここからは、建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却の成功事例についてご紹介していきます。それぞれの事例の「M&A手法」と「M&Aの目的」についても解説していきます。

事例①:大林組による大林道路株式会社のM&A

建設業界最大手である「株式会社大林組」は、舗装工事・土木工事・建築工事等の請負業務などを行う「大林道路株式会社」を「公開買い付け」によって完全子会社化しました。買い付け金額は「24,668,468,880円」となっています。

M&Aの手法

この事例のM&A手法は「株式取得」です。もともと連結子会社としていた大林道路を完全子会社とすることを目的としたM&Aでした。

M&Aの目的

両社は、グループとしてこれまでも連携してきましたが、2020年以降の国内建設事業の縮小を予測したうえで、グループ企業の経営基盤強化や事業効率向上を目的に、大林道路を完全子会社化するためのM&Aが実施されました。

事例②:長谷工コーポレーションによる株式会社総合地所のM&A

「株式会社長谷工コーポレーション」は、子会社の不二建設株式会社を通して、不動産分譲事業・マンション管理事業などを展開する「株式会社総合地所」を子会社化しました。

M&Aの手法

このM&AにおけるM&A手法は「株式取得」です。株式会社長谷工コーポレーションは、株式会社総合地所の株式を取得することで子会社化しました。

M&Aの目的

このM&Aの目的は、長谷工グループの施工実績と、総合地所が持つデベロッパーとしての経験・ノウハウが融合することで、顧客ニーズに適したサービスを提供することです。

事例③:鹿島建設によるフロアノイ・ディベロップメント・カンパニーのM&A

「鹿島建設株式会社」は、北米にある子会社カジマ・ユー・エス・エー社(KUSA)を通じて、アメリカ南部で賃貸集合住宅の開発や建設などの事業を行う「フロアノイ・ディベロップメント・カンパニー」を買収しました。

M&Aの手法

この事例のM&A手法は「買収」です。鹿島建設がフロアノイ・ディベロップメント・カンパニーとの間で「買収に関する売買契約」を締結しました。

M&Aの目的

鹿島建設は、フロアノイ・ディベロップメント・カンパニーが持つ住宅分野の開発プラットフォームの獲得と、アメリカ市場での収益源の多様化を目的にM&Aを実施しました。

事例④:徳倉建設による九州建設のM&A

中部地区の総合建設会社である「徳倉建設株式会社」は、九州地区の総合建設会社である「九州建設株式会社」をM&Aによって子会社化しました。

M&Aの手法

このM&Aでは、「株式取得」によって実施され、九州建設株式会社の子会社化が行われました。

M&Aの目的

徳倉建設は、九州地区の共同営業体制、建築・土木の技術的補完体制、海外を含めた工事施工要員の人材交流などによって、グループ内でシナジー効果を発揮することを目的にM&Aを実施しました。

事例⑤:ヒノキヤグループによるハウジーホームズのM&A

「ヒノキヤホールディングス」は、静岡県で注文住宅・建売分譲住宅を手掛ける「ハウジーホームズ」を子会社化しました。

M&Aの手法

「ヒノキヤホールディングス」は、「株式取得」によって「ハウジーホームズ」の全株式を取得することで子会社化しました。

M&Aの目的

ヒノキヤホールディングスは、「地場ビルダー」をグループ傘下にすることで、東海地方での営業展開の強化と情報網の網羅を目的にM&Aを実施しました。

事例⑥:トヨタホームによるミサワホームのM&A

日本のハウスメーカーである「トヨタホーム」は、住宅の設計・製造・施工・販売などを行う不動産会社の「ミサワホーム」を子会社化しました。

M&Aの手法

トヨタホームは「TOB」と「第三者割当増資」による「株式取得」によって、ミサワホームを子会社化しました。この株式取得に対して、トヨタホームはおよそ110億円を投じています。

M&Aの目的

国内の住宅市場の縮小に懸念を抱いているトヨタホームは、お互いが保有している技術や経営資産などを組み合わせ、収益改善を目的にM&Aを実施しました。

事例⑦:大和ハウス工業によるアッカインターナショナルのM&A

物流施設開発事業を手掛けている「大和ハウス工業株式会社」は、eコマース事業を行っている「株式会社アッカ・インターナショナル」を子会社化しました。

M&Aの手法

大和ハウス工業株式会社は、「株式取得」によって、株式会社アッカ・インターナショナルを子会社化しました。

M&Aの目的

大和ハウス工業は、アッカ・インターナショナルが保有する「アパレル業界向けのノウハウ」を獲得することにより、他の物流ソフト機能を組み合わせた「次世代物流センター」の構築を目的にM&Aを行いました。

事例⑧:大林組によるケナイダン社のM&A

「株式会社大林組」は、カナダの建設会社である「ケナイダン社」をM&Aによって買収しました。

M&Aの手法

この事例におけるM&A手法は「株式取得」です。大林組は、カナダに設立した100%出資子会社の現地法人「大林カナダホールディングス」を通じて、ケナイダン社の出資持分の51%を取得しました。

M&Aの目的

このM&Aは、大林組が自社の経営資源とケナイダン社が保有するノウハウや技術力等が組み合わさることで、シナジー効果が発揮され、カナダ市場への事業拡大を実現することを目的に実施されました。

事例⑨:パナソニックによる株式会社松村組のM&A

大手家電メーカーの「パナソニック株式会社」は、ゼネコンの「株式会社松村組」を完全子会社化しました。

M&Aの手法

パナソニックは、2017年に松村組が発行する株式の過半数を「株式取得」し、その後2018年にすべての株式を取得しました。

M&Aの目的

パナソニックが保有する先進技術や企画設計力と、松村組の施工能力を掛け合わせることで、付加価値の高い住空間の提供を実現し、事業拡大していくことを目的に、このM&Aが実施されました。

事例⑩:タカラレーベンによる日興建設のM&A

デベロッパーの「株式会社タカラレーベン」は、総合建設業を行う「日光建設株式会社」を買収しました。

M&Aの手法

この事例のM&A手法は「株式取得」です。タカラレーベンは、日光建設の全株式を取得することでM&Aを実施しました。

M&Aの目的

日光建設は横浜エリアに広く情報を持っていたため、タカラレーベンはグループ会社の横浜エリアの情報収集力を強化する目的で、このM&Aを実施しました。

【関連】M&Aの手法・株式譲渡の手続きを徹底解説!

9. 建設・土木業界、施工管理会社M&Aの相談先

建設・土木業界、施工管理会社M&Aの相談先

当記事内で、建設・土木業界や施工管理会社のM&Aを進めす際に、買収側・売却側ともに「確認すべきポイント」が多いことを説明しました。

特に「デューデリジェンス」を徹底しないと、M&Aを実施した後に「簿外債務の存在が明らかになった」「負債をたくさん引き継ぐことになってしまった」などの状況に陥る可能性があります。

そのため、M&Aを実施する際は、M&Aの専門家に仲介を依頼することをおススメします。M&A仲介会社である【M&A総合研究所】は、「国内最安値水準の仲介手数料」でM&A仲介サービスを提供しています。

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【M&A総合研究所】では、M&A・事業承継の仲介実績も豊富で、専門的知識を持ったスタッフが、M&A手続きを一から専任サポートしています。

【M&A総合研究所】への相談は無料となっているので、M&Aの実施を検討している建設・土木・施工管理会社の方は、お気軽にお問い合わせください。

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10. まとめ

まとめ

今回は、建設・土木業界、施工管理会社のM&A・買収・売却についてまとめました。当業界でM&Aの実施を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

【M&Aによる売却側のメリット】

  1. 従業員の雇用先を確保
  2. 後継者問題の解決
  3. 売却・譲渡による利益の獲得
  4. 債務や個人保証などの解消
  5. 廃業にかかる手間がなくなる

【M&Aによる買収側のメリット】

  1. 事業エリアの拡大
  2. 新規事業に低コストで参入
  3. 下請け会社の設立
  4. 新規顧客・取引先・ノウハウの獲得
  5. 人材不足の解消

【売却側が意識すべきポイント】

  1. 過去の実績・受注記録などの確認
  2. 企業価値評価の確認
  3. 従業員の引継ぎ準備

【買収側が意識すべきポイント】

  1. 仕事の内容
  2. 財務の内容
  3. 人材の内容

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