自動車整備業界のM&A・事業承継の最新動向と成功のポイントを専門家が解説

取締役副社長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

自動車整備業界におけるM&A・事業承継の最新動向を解説します。EVシフトや整備士不足が深刻化する現在、事業譲渡や売却のメリット、成功の秘訣、最新事例まで詳しく紹介。今後の業界再編を見据えた経営戦略の一助として、本記事の内容をご活用ください。

目次

  1. 自動車整備業界におけるM&A・事業承継・売却の基礎知識
  2. 自動車整備業界のM&Aおよび事業承継の最新市場動向
  3. 2026年現在の自動車整備業界でM&Aが加速する背景
  4. 自動車整備業のM&A・事業承継・譲渡・売却の事例19選
  5. 自動車整備業のM&A・事業承継の案件例
  6. 自動車整備業のM&A・事業承継を行うメリット
  7. 自動車整備業のM&A・事業承継を行う流れ
  8. 自動車整備業のM&A・事業承継時の売却の相場
  9. 自動車整備業のM&A・事業承継を成功させるポイント
  10. 自動車整備業のM&A・事業承継を行う際に仲介会社を使うメリット
  11. 自動車整備業のM&A・買収に積極的な企業
  12. 自動車整備業のM&A・事業承継に関する相談先
  13. 自動車整備業のM&A・事業承継についてまとめ
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1. 自動車整備業界におけるM&A・事業承継・売却の基礎知識

まずは、自動車整備業界の概要と、M&A・譲渡・売却・事業承継の基本的な意味を解説します。

自動車整備業とは

自動車整備業では、自動車の修理やメンテナンス、車検などの検査、およびそれに向けた整備を行います。具体的な業務は以下のとおりです。

  • 車検整備
  • 定期点検整備
  • 事故整備
  • その他整備(ETC機器・カーナビの取り付けなど)

自動車整備業で車検を執り行うには地方運輸局の認可が必要です。以下の2種類の工場があります。
  • 認証工場:工場内で車検は実施できないため、陸運局に持ち込んで検査を行う
  • 指定工場:工場内で車検可能な工場

自動車整備工場は、普通自動車・小型自動車・軽自動車の3種に分類されるのが一般的です。それぞれ必要となる人員や設備が定められています。

自動車整備業界における主要な4つの業態区分

自動車整備業は、業態が以下の4種に分類される点が特徴です。

  • 専業:自動車整備業の売上高が総売上高の50%超の事業者
  • 兼業:兼業部門(自動車販売、部品用品販売、保険、石油販売など)の売上高が総売上高の 50%以上(=自動車整備業の売上高が全体の50%未満)の事業者(ディーラーは除く)
  • ディーラー:自動車製造会社または国内一手卸売販売会社と特約販売店契約を結んでいる企業が行う自動車整備工場
  • 自家:自社が保有する車両の整備を専門に行う事業者(タクシー会社、バス会社、運送会社など)

自動車整備業の市場規模

最新の業界統計によると、自動車整備業界の総売上高は緩やかな減少傾向にあり、事業者数も廃業の増加に伴い減少が続いています。2024年10月から本格始動した「OBD車検(車載式故障診断装置を用いた検査)」への対応が完了した現在、高度なスキャンツール(診断機)を使いこなせる工場と、設備投資が困難な工場との間で二極化が鮮明になりました。電気自動車(EV)の普及や自動運転技術の進化により、従来の消耗品交換を中心とした収益モデルから、ソフトウェアのアップデートや電子制御システムの調整へと、現場で求められる役割が大きく変貌を遂げています。
 

自動車整備業の課題と展望

自動車整備業界は今まさに、構造的な変革期の中にあります。特定整備認証の取得や電子制御システムへの対応が必須となったことで、デジタル化への投資が困難な小規模工場の廃業が相次ぐ一方、最新設備と高度な技術力を有する拠点への集約が進んでいます。また、少子高齢化に伴う整備士不足はかつてないほど深刻化しており、人材確保を目的とした大手企業による中小工場の買収が加速しています。単なる「車の修理屋」ではなく、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に対応できる「モビリティサポート拠点」としての機能が、現在の市場で生き残るための絶対条件となっています。

M&Aとは

M&Aとは、事業譲渡株式譲渡など会社や事業を売買したり、合併会社分割など会社組織を再編したりする手法全般をさします。英語の「Mergers and Acquisitions」の略であり、日本語では「合併と買収」という意味です。

譲渡・売却とは

譲渡・売却は同義語です。M&Aでは以下のような意味合いになります。

  • 会社譲渡=会社売却=株式譲渡:売り手(オーナー経営者など)は会社の株式を譲渡(売却)し、買い手はその会社の経営権を取得すること
  • 事業譲渡=事業売却:売り手の会社の事業や資産を選別して売買取引すること

事業承継とは

事業承継とは、事業の経営を後継者に引き継ぐことです。誰に事業承継するかによって、親族内事業承継・社内事業承継・M&Aによる事業承継の3種に分類されます。

親族内事業承継

親族内事業承継とは、自分の子供や配偶者、親類などの親族を後継者とする事業承継です。親族であれば安心感がありますが、近年は少子化の影響もあり、事業承継できる親族がいないケースも多く見られます。事業承継の割合としては減少傾向です。

社内事業承継

社内事業承継とは、会社の役員や従業員などを後継者とする事業承継です。親族に後継者不在の場合によく行われます。ただし、後継者は親族のように株式を相続できないため、株式を買い取る資金が必要です。後継者が事業承継を辞退するケースも見られます。

M&Aによる事業承継

M&Aによる事業承継では、M&A仲介会社などを通して、親族でも社内の人間でもない第三者に事業承継します。事業や会社を売却し、その買い手が後継者(新たな経営者)となるものです。

M&Aでは、多数の承継先候補から最適な相手を選べるのがメリットといえます。相手は今まで面識のなかった第三者なので、交渉は慎重に行う必要があるでしょう。

自動車板金・塗装業のM&A・売却・買収については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】【2023】自動車板金・塗装業のM&A・売却・買収!流れやメリットを解説

2. 自動車整備業界のM&Aおよび事業承継の最新市場動向

車検も実施できる自動車整備業を行うには、以下の2つが必須です。

  • 運輸局からの認可
  • 国家資格である整備士の在籍

自動車整備業に新規参入したい場合は、参入障壁である上記2項目、および設備を獲得できる意味で、M&Aは打ってつけです。具体的には、自社で整備も行いたい中古車販売会社などがM&Aを実施しています。

人材確保や営業エリア拡張、事業拡大などを目的に、同業大手がM&Aをすることも多く見られます。その場合の譲渡・売却側である中小自動車整備業者側は、単独での事業継続が困難なことなどを理由に事業承継している状況です。ニーズが合致してM&Aが成立しています。

自動車整備業界のM&Aで活用される主な譲渡手法

現在の自動車整備業界におけるM&Aでは、後継者不在に悩む専業整備工場が譲渡側となるケースが主流です。特に、OBD検査対応などのデジタル設備を自前で導入・維持し続けることが経営の重荷となっている企業が、資本力のある大手グループの傘下に入る事例が増加しています。専業工場のM&Aでは、土地や建物、認証設備を含めた会社全体を引き継ぐ「株式譲渡」が一般的ですが、近年では特定拠点のみを売却する「事業譲渡」を活用し、不採算部門の整理や経営資源の集中を図る戦略も目立っています。業界再編が進む中で、譲渡側は従業員の雇用の継続と、最新の技術環境の確保を同時に実現する手段としてM&Aを選択しています。

自動車小売業(ディーラー)のM&A・譲渡・売却については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】自動車小売業(ディーラー)のM&A・事業承継の動向を紹介!事例や相場も解説!

3. 2026年現在の自動車整備業界でM&Aが加速する背景

自動車整備業界において、なぜ今これほどまでにM&Aが活発化しているのか、その背景にある現在進行形の要因を詳しく解説します。
 

特定整備認証とOBD車検への対応コスト増大

2024年10月のOBD車検の本格運用開始を経て、現場では電子制御装置整備の重要性が極めて高まっています。最新の故障診断機を導入し、定期的にソフトウェアを更新し続けるためには多額のコストがかかります。これら最新設備への投資余力がない小規模事業者が、資本力のある大手と提携し、インフラを共有することで生き残りを図る「救済型M&A」や「アライアンス型M&A」が一般化しています。
 

若手整備士不足による採用難と高齢化

現在の整備業界における最大の経営課題は、技術の承継と人材の確保です。若者の整備士離れが深刻化する一方で、現役整備士の平均年齢は上昇し続けています。自社単独での新卒採用や中途採用が困難を極める中、技術力を持った即戦力の人材を確保する手段として、自動車整備業界のM&Aが積極的に活用されています。人材を「コスト」ではなく「資産」と捉える買い手企業が、優秀な整備士を抱える企業を高く評価する傾向が強まっています。
 

EV・自動運転技術の普及に伴う設備投資の必要性

ガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトが進み、自動運転技術が高度化する中、従来の工具だけでは対応できない修理案件が増えています。高電圧を取り扱うための専用設備や、センサー類の校正を行うエーミング作業のためのスペース確保など、施設の大規模な改修が求められる局面です。こうした構造変化に対応しきれない企業が、将来的な競争力喪失を危惧し、早めの段階で経営権を譲渡して安定した経営基盤を求める動きが加速しています。

4. 自動車整備業のM&A・事業承継・譲渡・売却の事例19選

この章では、自動車整備業関連のM&A・事業承継・譲渡・売却事例19例を紹介します。

  1. オートバックスセブンが近藤自動車工業を完全子会社化
  2. SPKがデルオートを完全子会社化
  3. D&Dホールディングスが室蘭ダイヤモータースを完全子会社化
  4. 福丸自動車工業と西和物流が資本業務提携
  5. 北のふるさと事業承継支援ファンドが和寒自動車工業の株式を取得
  6. 北海道トナミ運輸が道東自工を完全子会社化
  7. 旭自動車工業とONE&PEACEが資本業務提携
  8. Seibiiがグロービス・キャピタル・パートナーズなどから資金調達
  9. 林自工が札幌自動車整備センターを完全子会社化
  10. グッドスピードがホクトーモータースを子会社化
  11. VTホールディングスが光洋自動車を子会社化
  12. テーオーホールディングスが北見三菱自動車販売を子会社化
  13. ユー・エス・エスがジェイ・エー・エーを子会社化
  14. 伊藤忠商事がヤナセの株式を取得
  15. VTホールディングスがPEUGEOT CITROEN SOUTH AFRICA(PTY)LTDを子会社化
  16. サン・ガレージがVOLVOディーラー事業を帝欧オートに事業譲渡
  17. オートバックスセブンがKit Loong Tayaria Sdn. Bhd.と資本業務提携
  18. 三盛自動車販売が全事業をモトーレン静岡へ事業譲渡
  19. 北陸電話工事が電通自動車整備を子会社化

①オートバックスセブンが近藤自動車工業を完全子会社化

株式会社オートバックスセブン(9832)は、2024年4月9日に京都府久世郡久御山町にある近藤自動車工業株式会社の全株式を取得し、完全子会社化することを決定しました。

オートバックスセブンは、オートバックスグループのフランチャイズ本部として、カー用品の卸売・小売、車検・整備、車の買取・販売、板金・塗装などを行っています。

近藤自動車工業は、自動車の修理・整備、自動車の販売・リース、自動車用品および付属品の販売を手掛けています。

オートバックスグループは、「5ヵ年ローリングプラン」に基づき、「次世代技術に対応する整備ネットワーク」の構築を進めています。この一環として、新たな整備事業者とのネットワークを構築し、顧客接点を増やし、収益力の向上を図るため、近藤自動車工業を完全子会社化することにしました。

オートバックスセブンは、2024年5月1日付で近藤自動車工業の全株式を取得し、同社を連結子会社とします。

参考:近藤自動車工業株式会社の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ

②SPKがデルオートを完全子会社化

2021(令和3)年12月、SPKが、自動車修理・整備業を営むデルオートの全株式を取得し完全子会社化しました。SPKは、自動車部品の卸売・輸出入を展開する会社です。このM&Aは、両社の事業連携によるシナジー効果創出と、新規モビリティ事業の立ち上げを目的としています。

参考:株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

③D&Dホールディングスが室蘭ダイヤモータースを完全子会社化

2021年12月、三菱自動車のディーラーであるD&Dホールディングスは、室蘭ダイヤモータースの全株式を取得し完全子会社化しました。室蘭ダイヤモータースは、三菱自動車製品の販売・整備事業、自動車保険事業などを行っている会社です。

このM&Aは、両社の事業を掛け合わせ、北海道エリアの特性を生かしたさらなるビジネス展開を目的としています。

参考:室蘭ダイヤモータース株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

④福丸自動車工業と西和物流が資本業務提携

2021年8月、自動車整備業を展開する福丸自動車工業と、西和物流は資本業務提携を行いました。今後、福丸自動車工業は西和グループの一員として事業を継続します。西和物流は、関西・九州に主な拠点を置く、トラック貨物輸送や倉庫業を展開している企業です。

このM&Aは、さらなる経営基盤強化を目的としています。

参考:福丸自動車工業との資本提携について

⑤北のふるさと事業承継支援ファンドが和寒自動車工業の株式を取得

2021年8月、北のふるさと事業承継支援ファンドが、北海道上川郡で自動車整備業を営む和寒自動車工業の全株式を取得しています。譲渡金額は、1,515万6,000円でした。

北のふるさと事業承継支援ファンドは、北海道・北洋銀行、北海道銀行、北海道信用金庫、旭川信用金庫、北見信用金庫、北央信用組合、北海道中小企業総合支援センターが出資するファンドです。

和寒自動車工業の親族外事業承継にあたり、後継者の株式取得が可能になるまでの間、北のふるさと事業承継支援ファンドが一時的に株式を保有することになりました。

参考:「北のふるさと事業承継支援ファンド」投資先の決定について

⑥北海道トナミ運輸が道東自工を完全子会社化

2021年7月、北海道トナミ運輸は、北海道帯広に拠点を置く道東自工の全株式を取得し完全子会社化しました。道東自工は、自動車整備業を展開しています。北海道トナミ運輸は、トラック貨物輸送、引っ越し、サードパーティロジスティクスなどの事業を行う企業です。

このM&Aは、両社の機能を最大限に活用し、より高い安全品質・輸送品質の向上を目指し、シナジー効果を期待しています。

参考:株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

⑦旭自動車工業とONE&PEACEが資本業務提携

2021年6月、自動車販売・整備業の旭自動車工業と、新潟が拠点の自動車販売・買取・整備業グループ企業ONE&PEACEは、資本業務提携を結びました。これにより、ONE&PEACEの代表が旭自動車工業の代表取締役会長に就任します。

このM&Aは、両社のシナジー効果創出、自動車販売と関連サービスの強化が目的です。

参考:旭自動車工業株式会社との資本業務提携のお知らせ

⑧Seibiiがグロービス・キャピタル・パートナーズなどから資金調達

2021年6月、グロービス・キャピタル・パートナーズ(以下、GCPと略称)は、自動車出張整備サービスを展開するSeibiiの第三者割当増資を引き受けました。Seibiiの資金調達総額は、8億4,000万円です。GCPはリードインベスターを務めました。

この資金調達は、Seibiiが提供する自動車整備・修理などの出張サービス「セイビ―」の開発強化のためのエンジニア採用、認知拡大のためのマーケティング投資を目的としています。

参考:車の出張整備・修理の『セイビー』、シリーズAでグロービス・キャピタル・パートナーズなどから総額8.4億円を資金調達

⑨林自工が札幌自動車整備センターを完全子会社化

2021年3月、林自工は、札幌自動車整備センターの全株式を取得し完全子会社化しました。林自工は、自動車および建設機械の修理、部品の製作・加工・再生・販売を行う企業です。

このM&Aは、それぞれの事業領域や地域性における強みを生かしたシナジー創出と、サービス向上、グループのさらなる成長を目標としています。

参考:札幌自動車整備センター株式会社の全株式を取得し、グループ化のお知らせ

⑩グッドスピードがホクトーモータースを子会社化

2019(令和元)年10月、グッドスピードが、ホクトーモータースの全株式を取得し、完全子会社化しました。中古車小売販売台数の拡大を進めているグッドスピードは、店舗数やカーライフサポートの拡充などの戦略を行っています。

ホクトーモータースは、自動車整備業を営む会社です。このM&Aは、シナジー効果や企業価値の向上を目的として行われています。

参考:株式会社ホクトーモータースの株式取得に関するお知らせ

⑪VTホールディングスが光洋自動車を子会社化

2019年8月、VTホールディングスが、光洋自動車の全株式を取得し完全子会社化しました。VTホールディングスは、ホンダ・日産などの自動車ディーラーの持株会社になります。光洋自動車は、北海道でフォルクスワーゲンとアウディを販売するディーラーです。

このM&Aは、VTホールディングスの北海道でのシェア拡大を目的として行われました。

参考:VTホールディングス、光洋自動車の株式を取得(子会社化)-フォルクスワーゲンおよびアウディのシェア拡大

⑫テーオーホールディングスが北見三菱自動車販売を子会社化

2019年6月、テーオーホールディングスが、北見三菱自動車販売の全株式を取得し完全子会社化しました。テーオーホールディングスは、日産自動車のディーラーなどを展開するテーオーグループの持株会社です。

北見三菱自動車販売は、北海道で三菱⾃動⾞の販売や自動車整備業を展開しています。このM&Aは、テーオーホールディングスの自動車販売事業の強化を目的として行われました。

参考:北⾒三菱⾃動⾞販売株式会社の株式取得(⼦会社化)に関するお知らせ

⑬ユー・エス・エスがジェイ・エー・エーを子会社化

2017(平成29)年8月、ユー・エス・エスが、ジェイ・エー・エーの株式の約66%を取得し子会社化しました。ユー・エス・エスは中古車のオークション運営会社です。ジェイ・エー・エーも中古車オークションを中心とした事業を運営しています。

このM&Aは、ユー・エス・エスがオークション事業を拡大・推進する目的で行っています。

参考:ジェイ・エー・エーを完全子会社化へ

⑭伊藤忠商事がヤナセの株式を取得

2017年7月、伊藤忠商事が、ヤナセの株式を取得し子会社化しました。伊藤忠商事は、さまざまな事業を展開する総合商社です。ヤナセは、自動車整備業や自動車販売などを営んでいます。伊藤忠商事は、もともとヤナセの株式の約40%を保有していました。

今回は、TOB(Yake Over Bit=株式公開買付け)により保有割合を約65%まで増やしています。ヤナセを連結子会社とすることで、より緊密化した連携を図ることが目的です。

参考:株式会社ヤナセ株券に対する公開買付けの開始に関するお知らせ

⑮VTホールディングスがPEUGEOT CITROEN SOUTH AFRICA(PTY)LTDを子会社化

2017年6月、VTホールディングスがPEUGEOT CITROEN SOUTH AFRICA(PTY)LTDの株式を取得し、子会社化しました。PEUGEOT CITROEN SOUTH AFRICA(PTY)LTDは、南アフリカでプジョーやシトロエンを販売している企業です。

このM&Aにより、VTホールディングスは、南アフリカでのプジョーの販路拡大を図るとしています。

参考:VTホールディングス、南アフリカ法人PEUGEOT CITROEN SOUTH AFRICA (PTY)LTDの株式取得を完了

⑯サン・ガレージがVOLVOディーラー事業を帝欧オートに事業譲渡

2017年5月、サン・ガレージが、VOLVOディーラー事業のボルボ・カーズ小田原を、ウイルプラスホールディングスの連結子会社である帝欧オートに事業譲渡しました。

サン・ガレージは、自動車整備業や販売などを手がける企業です。帝欧オートは、自動車整備業や輸入車販売などを展開しています。このM&Aにより、帝欧オートおよびウイルプラスホールディングスは、神奈川県での事業拡大などを図るとしています。

参考:当 社 子 会 社 に よ る 事 業 譲 受 に 関 す る お知らせ

⑰オートバックスセブンがKit Tayaria Loong Sdn. Bhd.と資本業務提携

2016(平成28)年9月、オートバックスセブンが、Kit Loong Tayaria Sdn. Bhd.の株式の20%を取得し資本業務提携を締結しました。オートバックスセブンは、カー用品チェーン「オートバックス」のフランチャイズ事業を展開する企業です。

Kit Loong Tayaria Sdn. Bhd.は、マレーシアでタイヤの販売を営んでいます。今回の資本業務提携は、マレーシアでのオートバックス製品の供給強化が目的です。

参考:マレーシア企業との資本・業務提携に関するお知らせ

⑱三盛自動車販売が全事業をモトーレン静岡へ事業譲渡

2016年4月、三盛自動車販売が、VTホールディングスが新規設立した完全子会社のモトーレン静岡に全事業を事業譲渡しました。三盛自動車販売は、静岡県のBMW正規ディーラーになります。

VTホールディングスは、ホンダ・日産などのディーラーを統括する持株会社です。今回の事業譲渡により、VTホールディングスは静岡県でのBMWの販売強化を図るとしています。

参考:当社子会社による営業の譲受けに関するお知らせ

⑲北陸電話工事が電通自動車整備を子会社化

2015(平成27)年6月、北陸電話工事が、電通自動車整備の全株式を取得し完全子会社にしました。北陸電話工事は、インフラ整備やシステム開発を営む会社です。電通自動車整備は、自動車整備業や自動車販売業などを営む会社です。

以前から北陸電話工事と電通自動車整備は資本業務提携を締結していました。今回の完全子会社化により、連結業績の向上とグループ内製化を図るとしています。

参考:電通自動車整備株式会社の株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ

自動車部品製造業のM&A・売却動向については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】自動車部品製造業のM&A・事業承継の動向!相場や事例・相談先も紹介

5. 自動車整備業のM&A・事業承継の案件例

ここでは、実際に公表されている自動車整備業のM&A(売却)による事業承継希望案件例を紹介します。

  • 【自動車整備/指定工場】大型車対応可能・無借金

【自動車整備/指定工場】大型車対応可能・無借金

業態 自動車整備業
エリア 四国地方
売上高 5,000万円〜1億円
営業利益 赤字経営
M&Aスキーム 株式譲渡
譲渡希望額 1,000万円〜5,000万円
詳細情報 https://masouken.com/list/660

6. 自動車整備業のM&A・事業承継を行うメリット

ここでは、自動車整備業のM&A・事業承継を行うメリットについて、売却側・買収側に分けて確認します。

売却側のメリット

自動車整備業でのM&A・事業承継で、売却側が得られる主なメリットには以下のようなものがあります。

  • 後継者不在問題を解決し事業承継が実現する
  • 廃業を免れることにより従業員の雇用が守られる
  • オーナー経営者であれば相応の売却益を獲得できる
  • 株式譲渡であれば負債は買い手が引き継ぐため、個人保証や担保差し入れが解消される
  • 大手企業傘下となれば資金やブランド力などが活用できるようになり経営の安定化・発展が望める

買収側のメリット

自動車整備業でのM&A・事業承継で、買収側が得られる主なメリットは以下のとおりです。

  • 貴重な人材(整備士)を獲得できる
  • 設備を割安で獲得できる(新品と比較した場合)
  • 運輸局認可を獲得できる(認証工場・指定工場を買収した場合)
  • 事業規模拡大・事業エリア拡張ができる(買収側が同業者の場合)
  • 低コストで新規参入できる(買収側が異業種の場合)

M&Aのメリット・デメリットについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】M&Aのメリット・デメリットとは?企業買収の効果やリスクを買い手・売り手ごとにわかりやすく解説!

7. 自動車整備業のM&A・事業承継を行う流れ

ここでは、自動車整備業でM&A・事業承継を行う大まかな流れを売却側、買収側に分けて見てみましょう。

売却側の流れ

自動車整備業の売却側が最初に行うことは、売却相手探しです。ここでは大別して4つの選択肢があります。

  • M&A仲介会社などM&Aの専門家と契約し売却相手を探してもらう
  • 顧問税理士や取引金融機関などに相談し売却先候補を紹介してもらう
  • 各都道府県にある事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関に相談する
  • M&Aマッチングサイトに情報登録するとともに、買収希望登録者の中から候補を探す

売却先候補が見つかった後は、以下のようなプロセスが一般的です。
  1. 秘密保持契約書の締結
  2. 経営情報を開示し具体的な交渉を開始
  3. トップ面談
  4. 大筋で合意が形成された場合、基本合意書締結
  5. デューデリジェンス(買収側による売却側企業の監査)
  6. 最終交渉
  7. 最終交渉で合意できれば最終契約書を締結
  8. クロージング(契約内容の履行)

上記のプロセスを自社単独で行うのは非常に困難です。M&Aマッチングサイトで相手が見つかった場合でも、その後の交渉・手続きなどはM&A仲介会社などに依頼するのが一般的な流れとなっています。

買収側の流れ

自動車整備業の買収側が最初に行うことは、買収先探しです。買収側の場合、以下の3つの選択肢になります。

  • M&A仲介会社などM&Aの専門家と契約し買収先を探してもらう
  • 顧問税理士や取引金融機関などに相談し買収先候補を紹介してもらう
  • M&Aマッチングサイトに情報登録するとともに、売却希望登録者の中から候補を探す

買収先候補が見つかった後の大まかなプロセスは、前項の売却側と変わりません。ただし、基本合意書締結前の交渉時に、意向表明書(買収条件を表明する書類)を提示する場合もあります。デューデリジェンスは買収側が実施するものです。

売却側の財務・税務・法務・労務・事業などについて、それぞれの専門家を起用して精密な調査を行います。経営上のリスクの確認、買収価額決定のための情報収集、クロージング後に実施するPMI計画策定のための情報収集などが目的です。

PMIとは、「Post Merger lntegration」の略で、M&A後の経営統合プロセスのことを意味しますが、PMIがM&Aの成否を決することになります。PMI計画策定にはM&A仲介会社など専門家のサポートを得るといいでしょう。

8. 自動車整備業のM&A・事業承継時の売却の相場

自動車整備業のM&A・事業承継時の売却相場は、一般的な認証工場・指定工場の場合、数千万円から2億円程度で売買されることが多いようです。

自動車整備業はサービス内容で強い独自性を出すのはやや難しいので、整備士の充実、自動車メーカーとの連携や地域性などをアピールすると、売却価額が上昇する可能性もあります。

売却価額の算定方法

売却価額の算定方法としては、純資産を参考にする方法似た業種の上場企業の株価を参考にする方法割引キャッシュフローを参考にする方法などがあります。一般的に、市場での株価が存在する上場企業に比べて、非上場企業の算定はやや難しくなるのが実情です。

売却価額に影響を与えるポイント

企業価値評価の方法の1つに、年買法(年倍法)があります。これをもとに、売却価額に影響を与えるポイントを、純資産と将来性の観点からまとめました。

純資産

純資産でのポイントは以下のとおりです。

  • 評価を上げるポイント:整備工場の建物、敷地(自己所有の場合)、時価が高額である点
  • 評価を下げるポイント:銀行などからの借入が多い、回収できない売掛金・未払い残業代・退職金引当金などがある

将来性

将来性でのポイントは以下のとおりです。

  • 評価を上げるポイント:優良顧客を多く持つ、好立地、指定工場、認知度がある、一級整備士など優秀な整備士がいる、業務・人材育成などのシステムが確立されている点
  • 評価を下げるポイント:顧客とのトラブルや労使関係のトラブル、将来的に損害賠償に発展する問題などがある

M&Aの企業価値評価(バリュエーション)については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】M&Aのバリュエーションとは?企業価値評価の算定方法やメリット・デメリットを解説【事例・動画あり】

9. 自動車整備業のM&A・事業承継を成功させるポイント

ここでは、自動車整備業のM&A・事業承継を成功させるためのポイントについて、売却側・買収側に分けて説明します。

売却側のポイント

自動車整備業のM&A・事業承継を、売却側が成功させるポイントは以下の5点です。

  • 事前の準備・計画を練る
  • 契約成立までは従業員・取引先などに情報を漏らさない
  • 自社の強み・有資格者の人数などを提供資料用にまとめる
  • M&A・事業承継の目的を明確にする
  • 専門家に相談する

事前の準備・計画を練る

自動車整備業のM&A・事業承継を成功させるには、事前の準備・計画をしっかりと練ることが重要です。具体的には、会社の現状分析や問題点の洗い出し、後継者教育や事業承継計画書の作成などを行います。

特に後継者教育は数年間かかる場合もあるので、できるだけ早い時期から準備しておくことが、自動車整備業の事業承継を成功させる秘訣といえるでしょう。

契約成立までは従業員・取引先などに情報を漏らさない

たとえ会社や社員のためにM&A・事業承継を実行するとしても、従業員や取引先は不安を感じることもあります。自動車整備業のM&Aによる事業承継では、契約成立まで従業員・取引先などに情報を漏らさないほうがよいでしょう。

自社の強み・有資格者の人数などを提供資料用にまとめる

自動車整備業のM&Aによる事業承継では、相手に自社の強みをアピールすることが重要になります。言葉で説明するだけでなく、事前に資料を用意しておくと相手は理解しやすいものです。

自社の強みや有資格者の人数など、数値的なデータも活用して、わかりやすい資料を用意しておきましょう。

M&A・事業承継の目的を明確にする

自動車整備業のM&A・事業承継では、M&A・事業承継の目的を明確にしておくことが必要です。M&A・事業承継の目的としては、後継者不在の解決・事業の選択と集中・アーリーリタイアなどがあります。

目的を明確にすると、譲れない条件と妥協してもよい条件がはっきりするので、相手との交渉も進めやすくなるでしょう。

専門家に相談する

自動車整備業のM&A・事業承継には専門的な知識が不可欠であるため、自社のみで行うことは難しいといえます。したがって、M&A仲介会社などの専門家に相談し、サポートを受けながら進めていくことが一般的です。成功する確率も高くなります。

相談先にはM&A仲介会社・金融機関・公的機関などの選択肢があるので、自社に合ったところを選びましょう。

買収側のポイント

自動車整備業のM&Aを買収側が成功させる最大のチェックポイントは、売却側の整備士の在籍人数とそれぞれの年齢です。引退年齢が近い少数の整備士しかいない自動車整備会社よりも、貴重な人材である若手整備士が多く在籍している会社を選びましょう。

整備士資格者だけでなく、車検検査員の有資格者が在籍していれば、さらにポイントは高いです。もう一つのポイントとして、売却側自動車整備会社の財務状況を細かく確認する必要があります。

自動車整備業の場合、設備投資に資金がいるため、大きな借入をしているかもしれません。業績と見合った債務かどうかよく勘案し、買収価額に反映させる必要がありますから、財務デューデリジェンスは念入りに行いましょう。

中小企業M&Aの流れや成功ポイント、注意点、現状については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】中小企業M&Aとは?動向や中小企業でよく用いられる背景など解説!

10. 自動車整備業のM&A・事業承継を行う際に仲介会社を使うメリット

自動車整備業のM&A・事業承継を行う際に、仲介会社を使う主なメリットは以下の3つです。

  1. 交渉や書類作成にかかる手間を軽減する
  2. M&A・事業承継先の選定・仲介を行う
  3. M&A・事業承継の戦略を考える

①交渉や書類作成にかかる手間を軽減する

M&A・事業承継を実行するには、相手との交渉に時間を割くだけでなく、多くの書類を作成するための手間も必要です。こういった交渉や書類作成をM&A仲介会社に任せることによって、手間を軽減して本業への支障を最小限に抑えられます。

②M&A・事業承継先の選定・仲介を行う

M&A・事業承継先は、マッチングサイトなどを利用して自分で探すことも可能です。しかし、専門家であるM&A仲介会社に頼んだほうが有利といえます。M&A仲介会社は、独自のネットワークで多数の案件を保有しており、経験も豊富なので、最適な承継先を選定できるからです。

③M&A・事業承継の戦略を考える

M&A・事業承継のスキームには、株式譲渡・事業譲渡など多くの種類があります。その中から自社に合った戦略を考えなければなりません。M&A・事業承継の戦略選定には、専門的な知識や見解も必要となるため、M&A仲介会社と相談しながら進めていく必要があります。

11. 自動車整備業のM&A・買収に積極的な企業

ではここからは自動車整備業のM&A・買収に積極的な企業を2つご紹介します。

  • オートバックスセブン
  • プレミアグループ

オートバックスセブン

オートバックスセブンは、カー用品の販売や整備を行うフランチャイズビジネスを全国展開している企業です。

M&Aによるフランチャイズ店の子会社化を中心に、子会社化同士の再編を行うことで国内外で事業投資を積極的に進めています。

プレミアグループ


プレミアグループは、カーライフを様々な面からサポートする事業を展開している企業です。

主力事業は中古自動車向けのクレジット・ワランティ事業ですが、積極的なM&Aにより自動車整備事業を強化していくことを目標としています。また、将来的には当たらな事業分野の開拓を図り、カーライフのトータルサポートを実現していく予定です。

12. 自動車整備業のM&A・事業承継に関する相談先

自動車整備業のM&A・事業承継にお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、自動車整備業のM&A・事業承継の支援経験が豊富なM&Aアドバイザーが、専任となって案件をフルサポートします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。自動車整備業のM&A・事業承継をご検討の際は、お気軽に無料相談をご利用ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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13. 自動車整備業のM&A・事業承継についてまとめ

自動車整備業のM&A・事業承継は、事前にしっかりと準備をして、有資格者の数など強みをアピールすれば、より高い価額での売却が見込めます。

後継者不在や経営者の高齢などで廃業に追い込まれないためにも、M&A・事業承継の準備を早い段階から進めておくことが重要です。本記事の概要は以下のようになります。

・事業承継の種類
→親族内事業承継、社内事業承継、M&Aによる事業承継

・自動車整備業のM&A・事業承継を行う際に仲介会社を使うメリット
→交渉や書類作成にかかる手間を軽減する
→M&A・事業承継先の選定・仲介を行う
→M&A・事業承継の戦略を考える

・自動車整備業のM&A・事業承継を成功させるポイント
→事前の準備・計画を練る
→契約成立までは従業員・取引先などに情報を漏らさない
→自社の強み・有資格者の人数などを提供用資料にまとめる
→M&A・事業承継の目的を明確にする
→専門家に相談する

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