譲渡制限株式とは?メリット・注意点を解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

譲渡制限株式とはどういった株式を表しているのでしょうか。譲渡制限株式を発行する事で、自社にはメリットとなる部分が数多く存在します。一方で、注意点もあります。ここでは、日本の企業で多く見られる譲渡制限株式とは何かについて解説します。

目次

  1. 譲渡制限株式とは
  2. 譲渡制限株式の発行パターン
  3. 譲渡制限株式のメリット
  4. 譲渡制限株式の注意点(デメリット)
  5. 譲渡制限株式会社の株式を譲渡する場合
  6. 譲渡制限株式の売却価格の決め方
  7. 譲渡制限株式会社にする手段
  8. まとめ
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1. 譲渡制限株式とは

譲渡制限株式とは

譲渡制限株式とは、譲渡するにあたり、制限が掛けられている株式を指します。譲渡制限株式は、会社法で定められた方式です。

この章では、譲渡制限株式を取りいれる理由や、公開会社・非公開会社の違いについて解説します。

株式譲渡制限を行う理由

譲渡制限株式が設けられた会社の株式を譲渡する場合、基本的には取締役会もしくは株主総会での承認が必要となります。

それでは、譲渡制限株式を取り入れる理由とは一体どういった事があるのでしょうか。その大きな理由には、以下の2点が挙げられます。
 

  • 会社が不利益となってしまう第三者に対して株式が渡らせないため
  • 株式の所有者を明確にさせるため

株式譲渡制限を取り入れる際は、注意すべき点もありますが、用途を考えて状況に合わせれば、株式譲渡制限を有効的に活用する事ができます。

公開会社と非公開会社の違い

公開会社という言葉を聞くと、株式を上場している会社というイメージが強いですが、会社法における公開会社と非公開会社の違いは以下のようになります。
 

  • 公開会社 = 譲渡制限株式を設けていない株式を最低1株発行している会社
  • 非公開会社 = 譲渡制限株式以外の株式を1株も発行していない会社

つまり、株式上場を行っているいない関わらず、譲渡制限株式がなければ公開会社、譲渡制限株式を発行しているのであれば非公開会社となります。

【関連】株式譲渡とは?手続きからメリット・デメリット、税金に関して解説【成功事例あり】

2. 譲渡制限株式の発行パターン

譲渡制限株式の発行パターン

譲渡制限株式を発行する方法として、以下の2種類があります。この章では、それぞれのパターンについて、詳しく解説していきます。
 

  1. 発行する全株式を対象に行う
  2. 発行する一部の株式を対象に行う

①発行する全株式を対象に行う

まず1つ目は、会社が発行している株式の全てに対して譲渡制限を設けるパターンです。株式会社では、発行する全ての株式において、会社法により「譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること」を設ける事が可能となっています。

全ての株式を譲渡制限株式にするためには、会社法の規制により、定款に決められた事項を定めなくてはなりません。つまり、定款に事項を定める事により、全ての株式に譲渡制限を設けることができるのです。

ちなみに、日本における株式会社が発行している株式の多くは、譲渡制限株式が設けられています。会社の株式が譲渡制限株式かどうかを確認するには、会社の定款と会社の登記簿謄本を見る事で確認する事ができます。

②発行する一部の株式を対象に行う

多くの場合は、会社が発行している全株式を譲渡制限株式にしていますが、譲渡制限株式とは全ての株式を制限しなくてはならないわけではありません。

つまり、一部の株式に対して譲渡制限をかける事も可能であり、この場合は複数種類の発行となります。

一部の株式を譲渡制限株式にする場合も、定款で事項を定める事を会社法により決められています。また、一部譲渡制限株式が一定量の場合は、譲渡が承認された株式の発行可能総数も記載する必要があります。

3. 譲渡制限株式のメリット

譲渡制限株式のメリット

譲渡制限株式には、どのようなメリットがあるのでしょうか。この章では、譲渡制限株式の6つのメリットについて解説します。

  1. 乗っ取りを予防できる
  2. 役員の任期を延長できる
  3. 取締役会を設置する必要がない
  4. 取締役会や監査役を置かなくても良い
  5. 後継者に株式を集める事が可能
  6. 株主総会の手続きを簡単にできる

①乗っ取りを予防できる

1つ目のメリットは、乗っ取りを予防できる事です。譲渡制限株式を設けていない場合、株式の取引は基本的に自由であるため、株主から株式を買い集めば経営者の意思と関係なく、会社を乗っ取ることができてしまいます。

こうした敵対的な乗っ取りに対して譲渡制限株式は非常に有効であり、全株式を譲渡制限株式にしておくことで、承認を得なければ株式譲渡は認められなくなり、結果的に望んではいない相手に対しての株式譲渡を阻止する事ができるのです。

経営者が経営以外の不安要素を取り除くためにも、譲渡制限株式の設定は大きなメリットといえます。ただし、譲渡制限株式であっても相手の出方によってはトラブルになりかねないため、乗っ取りには注意しておくようにしましょう。

②役員の任期を延長できる

2番目のメリットは、役員の任期を延長できる事です。基本的には取締役や会計参与の任期期間は2年、監査役などは4年と定められいます。

しかし、譲渡制限株式会社であれば、定款にそれぞれ10年まで任期延長を記載する事が可能です。

役員たちが長く活躍する事で、会社経営が安定するなどメリットがある一方で、人材の育成や若返りなどといった点で弊害が出る可能性もあります。

③取締役会を設置する必要がない

3番目のメリットは、取締役会の設置が不要である点です。

譲渡制限株式を設けていない会社では、取締役会の設置が義務付けられていますが、譲渡制限株式会社には取締役会を設置する義務がありません

④取締役会や監査役を置かなくても良い

4つ目のメリットは、取締役会や監査役を置かなくても良い点です。先述のように、譲渡制限株式を設けていない会社は取締役会の設置する義務があり、取締役が3人以上かつ監査役または会計参与が1人以上必要であると定められています。

一方、譲渡制限株式会社であれば、取締役会の設置義務がないため取締役1人でも経営を行えるメリットがあります。

また、譲渡制限株式会社では、取締役や監査役などの役員になる資格を株主に制限する旨を、定款に定める事も可能となっています。

⑤後継者に株式を集める事が可能

5つ目のメリットは、後継者に株式を集める事が可能になる点です。譲渡制限株式では、株式が意図しない第三者に渡る事を防げるため、後継者に株式を集める事ができ、会社経営者の存在を明確にすることができます。

ただし、一点集中の株式にするのではなくある程度の分散を行うなど、リスクに対しての対処は必要でああることも覚えておきましょう。

⑥株主総会の手続きを簡単にできる

6つ目のメリットは、株主総会の手続きを簡単にできる点です。譲渡制限株式を設けていない会社では、株主総会を開催するときはその2週間前に書面などで通知する事が原則として定められいます。

一方で、譲渡制限株式を発行している会社の場合は、1週間前または条件によりさらに短期間での株主総会の招集が可能です。

加えて株主総会の通知は、書面などによる通知だけではなく、口頭による通知も認められているので、非常に簡単に株主総会を招集する事ができます。

【関連】譲渡制限株式の株主の相続の対処法!名義書換や売渡・買取請求に関しても解説!

4. 譲渡制限株式の注意点(デメリット)

譲渡制限株式の注意点(デメリット)

一方で、譲渡制限株式における注意点となるデメリットとは、どこにあるのでしょうか。譲渡制限株式をはこうする場合は、以下3点に注意しておかねばなりません。

  1. 決算公告が必要となる
  2. 相続の際に乗っ取りの可能性がある
  3. 株式買取請求権に注意

①決算公告が必要となる

まず、譲渡制限株式の会社となる場合の注意点は、決算公告の必要性です。株式に譲渡制限を行う時には、その旨を公告する必要があるのです。

決算公告の手続きは、会計的手続きとして、場合によっては時間のかかる場合もありますので注意しておきましょう。

②相続の際に乗っ取りの可能性がある

後継者が経営者の所有する株式を相続した場合、他の株主が後継者に対して株式の売渡請求を行う事ができます

譲渡請求を行い株主総会が招集された場合、相続人となる後継者は売渡請求に対する議決権がありません。

つまり、後継者がどんなに大量の株式を所有していたとしても、売渡請求に反対を行う事が出来ないということになります。

そのため、相続人以外の株主が賛成票を投じ、株主総会により売渡請求が議決されてしまえば、本来意図していない後継者が誕生してしまいます。

こうように、譲渡制限株式の場合、相続時に乗っ取りが起こる可能性があるため注意が必要です。

③株式買取請求権に注意

譲渡制限株式では、株式買い取り請求権についても注意しておく必要があります。「株式買い取り請求権」とは、会社を買い取る事や買い取ってもらう相手を指定する権利を指します。

また、第三者に株式が譲渡された後、株主には株式譲渡を認めさせる権利もあり、これを「譲渡承認請求権」といいます。

先述のとおり、譲渡制限式株式は譲渡時に承認が必要ですが、実は、株式に譲渡制限がついていても、株主が第三者に株式を譲渡する行為は違法ではありません

そのため、株式に譲渡制限を設けていても、譲渡されてしまう可能性があるのです。万一譲渡されてしまうと、重大なトラブルにもなりかねない点には、注意しておく必要があるでしょう。

【関連】株式譲渡制限会社とは?株主総会の許可がなければ株式譲渡できない?

5. 譲渡制限株式会社の株式を譲渡する場合

譲渡制限株式会社の株式を譲渡する場合

譲渡制限株式会社で株式譲渡を行う場合、どのような手続きが必要なのでしょうか。一般的な流れは以下のようになり、それぞれ必要な手続きを行う必要があります。
 

  1. 株式譲渡の承認請求
  2. 取締役会・臨時株主総会での承認
  3. 株式譲渡承認の通知
  4. 株式譲渡承認の締結
  5. 株主名義の書き換え請求
  6. 株主名簿記載事項の証明書の交付

①株式譲渡の承認請求

株式譲渡において、譲渡される側と譲渡する側の間で株式譲渡契約に対する締結が行われた後、「株式譲渡承認請求」を会社に行います。

「譲渡承認請求」は、譲渡する側・される側のどちらから請求しても構いませんが、譲渡される側が行う場合は共同で行うとされています。

大切なのは、譲渡内容を書面として発行しておく事です。「譲渡承認請求」を書面にする事は義務付けられている行為ではありませんが、トラブル回避のためにも譲渡を予定している株式の数や譲渡される側の指名などを記載しておくようにしましょう。

②取締役会・臨時株主総会での承認

譲渡制限株式における譲渡の承認は、原則として取締役会または株主総会で決定されます。

また、取締役会などを行わない事を定款で定めておけば、特に取締役会など必要とせずに、承認を決定する事もできます。

③株式譲渡承認の通知

譲渡制限株式の譲渡の承認が決定されると、会社は2週間以内譲渡承認を請求したものに対して通知を行う義務があります。

もし、2週間以内に通知を行わなかったとしても、「みなし承認」と呼ばれる形式により、譲渡の承認が決定されたものとされます。

④株式譲渡承認の締結

株式譲渡の承認通知を受けると、株式を譲渡する側とされる側で、一般的には株式譲渡契約を締結が行われます

場合によっては、承認を実行条件としたうえで契約締結を承認前に行う事もあります。

⑤株主名義の書き換え請求

株式譲渡契約締結の後に、譲渡する側がとされる側が共同で、株式を発行している会社に対して株主名簿の書き換え請求を行います

株式発行会社は株主名義の書き換え請求にのっとり、株主名簿の書き換えを行います。

⑥株主名簿記載事項の証明書の交付

株主は、株式を発行している会社に対して、株主を証明する「株主名簿記載事項証明書」の交付を請求する事が可能です。

この証明書の交付により、自分が株式発行会社の株主であるという事を、会社から証明されます。この証明書は「株主証明書」とも呼ばれています。

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譲渡制限株式の譲渡を行う際は、さまざまな手続きを間違いのないよう進めていかなければなりません

必要な作成書類も多いため、M&A仲介会社など専門家のサポートを受けながら進めていくことをおすすめします。

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6. 譲渡制限株式の売却価格の決め方

譲渡制限株式の売却価格の決め方

譲渡制限株式を売却する場合、売却価格の決め方とは、どういった方法があるのでしょうか。この章では、以下3つの方法について、詳しく解説します。
 

  1. 当事者間の協議により決定
  2. 裁判所への申請申立で決定
  3. 法が定める供託価格で決定

①当事者間の協議により決定

まず、譲渡する当事者同士の協議により売価が決定されます。株式の売却価格は定められた計算方法により算出されます。

当事者の協議により売却価格が決定されない場合は、次の手段へと移行します。

②裁判所への申請申立で決定

株式譲渡の価格協議が整わない場合は、裁判所への申請申し立てで、売却価格を決定する方法があります

裁判所への申請には複雑な手続きを経なくてはならないため、M&A専門家などにサポートしてもらいながら行うといいでしょう。

③法が定める供託価格で決定

価格競技が整わず、さらに裁判所に申立てがない場合は、会社法に定めら供託された価格で売買の価格が決定されます。

【関連】無償の株式譲渡の税金や手続き・契約書の書き方を解説!

7. 譲渡制限株式会社にする手段

譲渡制限株式会社にする手段

譲渡制限株式会社にする方法には、大きく分けて「自分自身で行う」「M&A仲介会社などの専門家に依頼する」の2種類があります。

譲渡制限株式会社にするためのには、必要な手続きを間違うことなく、進めていかなければなりません。

しかし、それらの手続きには専門的な知識を必要とするものも少なくないため、M&A仲介会社などの専門家にサポートをしてもらいながら進めていくことをおすすめします。

M&A総合研究所では、譲渡制限株式会社にする一切の手続きを、M&A専門の公認会計士がサポートいたします。

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8. まとめ

まとめ

譲渡制限株式には、多くのメリットがありますが、同時にデメリットが存在するため、取り扱いには注意しておくことが大切です。

また、手続きを行う際は、M&A仲介会社などの専門家のサポートを受けながら進めていくようにしましょう。

【メリット】

  1. 乗っ取りを予防できる
  2. 役員の任期を延長できる
  3. 取締役会を設置する必要がない
  4. 取締役会や監査役を置かなくても良い
  5. 後継者に株式を集める事が可能
  6. 株主総会の手続きを簡単にできる

【デメリット】
  1. 決算公告が必要となる
  2. 相続の際に乗っ取りの可能性がある
  3. 株式買取請求権に注意

譲渡制限株式会社に関する手続きに関して、ご相談のある方は、お気軽にM&A総合研究所の無料相談をご利用ください。

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