電気工事会社は事業譲渡/事業売却で課題解決!譲渡のポイントとメリットまとめ

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

電気工事会社の事業譲渡/事業売却についてお調べですね。事業譲渡/事業売却とは会社の事業のみを譲り渡すことです。 今回は「事業譲渡/事業売却はどんな利点があるの?」とお悩みの方に向けて電気工事会社が事業譲渡/事業売却をすべき理由を解説していきます。


目次

  1. 電気工事会社における事業譲渡/事業売却の特徴と現状
  2. 電気工事会社の事業譲渡/事業売却の売り手側のメリット
  3. 電気工事会社における事業譲渡/事業売却の買い手側のメリット
  4. 事業譲渡/事業売却の基本的な流れ
  5. 電気工事会社の事業譲渡/事業売却に必要な書類
  6. 電気工事会社の事業譲渡/事業売却で意識すべきポイント
  7. 電気工事会社の事業譲渡/事業売却の成功事例
  8. 【参考】電気工事会社が事業譲渡/売却を行う時の企業評価
  9. 電気工事会社の事業譲渡/事業売却は専門家に相談しよう
  10. まとめ
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1. 電気工事会社における事業譲渡/事業売却の特徴と現状

事業譲渡/事業売却 特徴

事業承継方法の一つとして、事業譲渡/事業売却を行う電気工事会社が増えてきました。

事業譲渡/事業売却とは、合併と買収を意味するM&A手法の一つです。他のM&Aでは会社ごと売却したり持っている株式を全て売ってしまうのに対して、事業譲渡では会社の一部事業を売ることになります

事業譲渡/事業売却の場合、会社自体は残るので法人格を残したい方、採算の取れそうな事業だけは持っておきたいという方におすすめです。

以下では、電気工事会社が事業譲渡/事業売却を行う理由について解説しています。事業譲渡/事業売却に興味をお持ちの方は、ぜひチェックしてください。

1-1.電気工事会社における事業譲渡/事業売却とは

電気工事会社が含まれる建設業では、後継者不足となっている企業がたくさんあります。

そのため特定の事業に後継者がいない場合、もしくは後継者が特定の事業だけ引継ぎを拒否した場合に事業譲渡/事業売却が行われやすいです。

また不要な資産を引き継ぐのを避けるため、後継者主導で事業譲渡を行う場合もあります。そしてある程度大きな会社になれば、事業の選択と集中のため事業譲渡/事業売却を検討するケースも多いです。

電気工事会社であれば、リフォーム業や住宅建設業などを行っていることもあるでしょう。電気工事業以外にも、建設関係の不要な事業を売却することで経営方針が立てやすくなります。

電気工事会社において事業譲渡/事業売却などのM&Aは活発になってきていますので、今後の経営に不安がある方は一度M&Aを検討してみると良いでしょう。

以上が、事業譲渡と電気工事会社における特徴でした。

オリンピックを目前にして、電気工事事業は特に注目されています。事業譲渡/事業売却を行う場合早めにM&A仲介会社などの専門家に相談することで、事業が高く売れるかもしれません。

ここからは電気工事会社が事業譲渡/事業売却を行うメリットについて詳しく解説していきます。売りたい事業がある方、今後電気工事事業を継続するか迷っている方はぜひ参考にしてください。

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2. 電気工事会社の事業譲渡/事業売却の売り手側のメリット

電気工事 事業譲渡/事業売却 メリット

会社の一部だけを売り渡す事業譲渡/事業売却には、多くのメリットがあります。

解説するメリットは、以下の3つです。

  • 後継者が欲しい事業だけを譲れる
  • 必要な事業だけを残せる
  • 法人格を残し別の事業を続けられる

特に複数の事業を行っている電気工事会社の場合、不採算事業を売却し事業の整理をすることで経営全体の見通しが良くなるでしょう。

ここからはメリットを一つずつ詳しく解説していきますので、ぜひ今後の経営に役立ててください。

メリット1.後継者が欲しい事業だけを譲れる

事業譲渡/事業売却なら、後継者のいない事業だけを売却することが可能です。複数の事業を持っている場合、人手不足や育成不足により全ての事業を一手に引き受けられる後継者は減ってきています。

また後継者を見つけられたとしても、不採算事業をどう扱うかで引継ぎにトラブルが出てしまうケースも多いです。

例えば多額の負債を抱える事業を持ち続けることで、後継者候補が現在の経営体制に不満を抱き話し合いが進まない場合などが考えられます。不要な事業や引継ぎが大変な事業を早めに売ることで、後継者が見つかりやすくなるでしょう。

メリット2.必要な事業だけを残せる

事業の選択と集中を行うことができるのも、事業譲渡/事業売却のメリットです。

不採算事業を売り、利益の出そうな事業だけを残すことで必要な資源を見込みある事業に投入することもできます。事業譲渡/事業売却なら譲り渡す事業の範囲を買い手と売り手、双方の話し合いで決めることが可能です。

不採算事業を売ることで、まとまった資金を得られるほか会社の利益率のアップも期待できます。毎年赤字の事業があるという方は、一度事業譲渡/事業売却について検討してみるべきでしょう。

メリット3.法人格を残し別の事業を続けられる

事業譲渡の際に、会社の経営権を渡す必要はありません。

そのため事業譲渡/事業売却を行った後でも、引き続き会社全体の経営を行うことができます

会社の法人格も残ったままなので、売却で得た資金で新規事業に投資を行うことも可能です。もちろん売却で得られた資金を投入し、既存事業の強化を行うこともできます。

会社の信用とブランド力を生かし経営を続けていきたいという方は事業譲渡/事業売却を選ぶと良いでしょう。

以上が、売り手側から見る電気工事事業譲渡のメリットでした。事業譲渡は会社全てを渡すのとは違い、特定の事業を残しておくことができます。

会社の名前を残したい方、不採算事業だけを渡してしまいたい方は事業譲渡/事業売却を選択しましょう。

ここからは、買い手から見る事業譲渡/事業売却のメリットを解説していきます。買い手の視点に立ち、自社事業を効果的にアピールしたいという方はぜひチェックしてください。

3. 電気工事会社における事業譲渡/事業売却の買い手側のメリット

事業譲渡/事業売却 買い手

より高値での売却を狙うなら、買い手のメリットやニーズに沿った企業アピールを行うことが必要です。

ここからは買い手目線で見る事業譲渡/事業売却のメリットを3つ、詳しく解説していきます。

  • 負債を承継せず事業を引き受けられる
  • 事前に損害を予測できる
  • のれんを損金に入れられる

少しでも事業を高く売りたい方、なるべく早く買い手を見つけたい方はぜひ参考にしてください。

メリット1.負債を承継せず事業を引き受けられる

売り手が同意すれば、買い手は負債を負担せず事業だけを譲り受けることが可能です。会社を丸ごと買収した場合、負債などのマイナス資産も受け継ぐ必要があります。

しかし事業譲渡/事業売却の場合引き継げる事業の範囲は売り手との話し合いで決めるものです。そのため返済の見込みがあってもなくても、売り手が抱える負債の引継ぎを拒否することができます。

事業強化、新規事業への参入を考えている買い手にとって、負債なしで人材や取引先などを引き継げるのは大きなメリットだと言えるでしょう。

また事業譲渡/事業売却なら必要な事業だけを選んで引き継ぐことも可能です。

会社全てを譲り受けた場合、不要な事業もまとめて購入する必要があるため事業譲渡/事業売却は必要な事業が決まっている買い手にとって非常にお得だと言えるでしょう。

メリット2.事前に損害を予測できる

事業譲渡/事業売却の場合、損害を予測しやすいので株式譲渡など会社のすべてを引き受ける場合と比べ安心して買うことができます。

会社を丸ごと買う場合、売り手が帳簿に記載のない負債や債務を抱えていれば買い手に大きな損害が発生することも少なくありません。

もちろん売り手の帳簿などに不備が無ければ良いのですが、譲渡前に気づかなかった場合買い手が不測の負債や債務を負ってしまいます。

一方事業譲渡/事業売却の場合、引き受ける事業の範囲を細かく定めることが可能です。そのため調べが必要な範囲も会社全てを調査する場合と比べて狭く、不測の事態も起きにくいと言えるでしょう。

メリット3.のれんを損金に入れられる

事業譲渡の場合、のれんに相当する額を損金として算入できるので税務上有利です。のれんとは、買収された企業の公正純資産額と買収価格との差額のことを指します。

買収された企業の純資産が100、買い手がこの企業を150で買った場合、のれんは差額の50です。

少し分かりにくいですが、買い手は売り手企業にシナジー効果やノウハウなど無形の価値を見込んで買収をしています。そのため通常、買い手は売り手の純資産より高い金額で企業を買い、純資産との差額を「のれん」として処理するのです。

のれんは無形資産の価値とも言え、工場や設備などに投資した時と同じく減価償却が必要になります。株式譲渡や合併などの場合、のれんは毎年一定額償却され税務には影響を与えません。

一方事業譲渡/事業売却の場合、のれんを税務上の費用である「損金」に加えることができます

のれんが5億円で、5年かけて償却を行う場合毎年1億円を損金として計上できるので、法人税の税率が30%の場合毎年3,000万円の節税が可能です。

5年間で見ると、

3,000万円×5年間=1億5,000万円

もの節税になるので、会社を丸ごと買うよりお得になります。

以上が、買い手から見る事業譲渡/事業売却のメリットでした。電気工事事業の譲渡/売却と言っても、買い手企業が電気工事事業をやっているとは限りません。最近は異業種のM&Aも多く行われていますので、電気工事事業をあまり知らない買い手に対しても、自社の魅力を伝える必要があります。

そうした際はここで紹介した買い手のメリットをチェックし、買い手の目的に沿える提案をするよう心がけてください。

ここからは、事業譲渡/事業売却の基本的な流れを解説していきます。先に事業譲渡/事業売却の流れを頭に入れ、なるべく短期間で譲渡を進めましょう。

4. 事業譲渡/事業売却の基本的な流れ

事業譲渡/事業売却 流れ

事業譲渡/事業売却には複雑な手続きが必要で、場合によっては成立まで半年または1年以上かかることもあります。譲渡をスムーズに行うため、事業譲渡/事業売却のやり方やそのポイントなどについて理解しておくことが大切です。

そこでここからは、事業譲渡/事業売却の基本的な流れを9つの手順に分けて解説していきます。

  1. 事前準備を行う
  2. 買い手を探す
  3. 秘密保持契約を結ぶ
  4. 基本合意契約を結ぶ
  5. デューデリジェンスを行う
  6. 事業譲渡契約を結ぶ
  7. 株主に公告または通知を行う
  8. 株主総会を行う
  9. 名義変更の手続きを行う

事業譲渡を始める前に、流れを押さえ必要な書類は早めに用意しておきましょう。

手順1.事前準備を行う

事業を譲渡すると決めたら、まずは会社内部の取引や資産についてまとめましょう。

会社の売上や資産の量と質は事業の売却額に大きな影響を与えますので、誤りの無いようできるだけ正確に算出しなければいけません。

また事業譲渡後のトラブルを防ぐため、不正な取引や会計が行われていないか改めてチェックしておくことも大切です。会社内部の整理がついたら、社内で譲り渡す事業の範囲を決めましょう。

手順2.買い手を探す

事前準備が終わり次第、M&Aの専門家に相談し買い手探しを始めましょう。

「事前準備がなかなか上手く行かない」という場合も、アドバイスをもらうため早めに相談しておくとスムーズです。

相談先としては銀行などの金融機関や地域の相談窓口などもありますが、M&Aについて詳しい知識を持つM&A仲介会社を利用すると良いでしょう。

M&A仲介会社は事業譲渡についての手続きに慣れており、小さな案件にも対応してくれるところが多いです。買い手探しを始めたい場合は、まずM&A仲介会社に相談してみましょう。

相談しやすい仲介会社については、「9.電気工事会社の事業譲渡/事業売却は専門家に相談しよう」に詳しく書いてあるのでぜひチェックしてください。

手順3.秘密保持契約を結ぶ

M&Aを行うに当たって、秘密保持契約が必要になることもあります。

秘密保持契約とは、売り手企業の内部情報や事業譲渡を希望していることを外部に漏らさないという約束のことです。買い手は事業譲渡について具体的に話し合う際、売り手の内部情報を知ることになります。

しかし買い手がその情報を第三者に教えれば、ライバル企業などにまで内部情報が出回り、売り手が大きな損害を被ることになることも少なくありません。

特に事業譲渡について詳しい内容が決まっていない段階で「M&Aを検討している」という情報が出てしまうと、従業員や取引先に不信感を抱かせてしまいます。

そうした事態を防ぐため、事業譲渡などのM&Aでは最初の契約として秘密保持契約を結ぶことになっているのです。有力な買い手を見つけた場合、仲介会社などの指導のもと秘密保持契約を結んでおきましょう。

手順4.基本合意契約を結ぶ

M&A仲介会社を通じ買い手を見つけた後は、事業譲渡についての詳しい話し合いが必要となります。渡す事業の範囲はもちろん、双方の経営理念や今後の経営方針についても理解しあうことが大切です。

そしてお互いに事業譲渡について合意が取れれば、基本合意契約を結びます。

基本合意契約とは、事業譲渡の条件や手続きのスケジュールなどに関して買い手と売り手、双方が合意することです。

法的に定められた書類ではありませんが、この合意書を作ることで認識のズレを減らすことができます。記載する内容は事業の譲渡要件によって変わりますが、お互い納得できる内容になるようM&A仲介会社などの指導のもと丁寧に作成しましょう。

手順5.デューデリジェンスを行う

基本合意契約を締結した後、買い手はデューデリジェンスを行います。

デューデリジェンスとは、買い手が公認会計士などの専門家と共に売り手側の会社に問題がないかチェックすることです。売り手企業の実地調査に加え、会計、税務面で問題がないか細かく調査されます。

買い手がデューデリジェンスを行う際は、売り手側も出来る範囲で協力しなければいけません。例えば買い手が会社内の実地調査を行う場合、社内の案内や会社の内部制度に関する説明などを行いましょう。

もしデューデリジェンスの結果事業の価値が異なると判明した場合、基本合意確認した後であっても譲渡価格は修正されます。

手順6.事業譲渡契約を結ぶ

デューデリジェンスを終え、事業譲渡が確定したら取締役会で取締役による過半数の合意を得ましょう。取締役による合意が無ければ、手続きは進められないので社内の経営陣に事業譲渡について詳しく説明しておくことが重要です。

そして取締役会で合意を得た後は、いよいよ買い手との事業譲渡契約に移ります。

事業譲渡契約とは事業譲渡に関して売り手と買い手、双方が合意したことを表す契約のことです。記載内容はケースによって異なりますが、譲渡する事業の内容や財産の概要、引き渡し時期など譲渡に必要な事項を書くことになります。

表明したことと事実が異なる場合、損害賠償が請求されることもあるので間違いのないようきちんと確認することが大切です。

手順7.株主に公告または通知を行う

事業譲渡/事業売却を行うことが決まったら、早めに株主に通知行いましょう。

事業譲渡が行われる20日前までに、株主には事業譲渡を行うこと、株主総会を行うことを伝えなければいけません。株主の少ない中小企業の場合、基本的には個別通知で済ませますが同時に公告を利用することもできます。

公告とは、新聞やインターネット上で会社に関する重要なお知らせを発表することです。

公開会社である場合、株主総会で事業譲渡の契約が承認されている場合であれば、有料ですが公告のみで事業譲渡/事業売却のお知らせを済ませることもできます。公告は有料ですので、株主の人数に合わせて選択しましょう。

手順8.株主総会を行う

株主に事業を譲渡する旨を伝えた後は、株主総会の開催が必要になります。

そして株主総会では議決権の過半数を持つ株主が出席し、特別決議で2/3以上の賛成を得なければいけません。株主総会は事業譲渡の前日までに行いますので、早めに準備を行いましょう。

手順9.名義変更の手続きを行う

株主総会で賛成が得られたら、都道府県からの認許可をもらいましょう。登録電気工事業者の地位を承継した場合、所定の書類を提出しなければいけません。

承継に関する書類は買い手が用意しますが、事業承継により都道府県に通知した事項が変更となる場合変更から30日以内に「変更通知書」を提出する必要があります。

詳しい手続きについては、M&Aの専門家に相談しましょう。

そして最後に、譲渡対象になっている財産の名義変更を行います。土地などの資産名義を買い手の会社に変更しておかなければ、事業を行うことができなくなるケースも多いです。

現場に行く際の事業用車などに関しても、きちんと名義変更を行ってください。

このほか公正取引委員会への届け出(売上が200億円を超えている企業のみ)や、臨時報告書の提出が必要な場合もあります(有価証券報告書を提出している企業のみ)。

電気工事会社の事業譲渡に必要な手続きについて、アドバイザーに相談しながら進めていきましょう。

ここまでが、電気工事事業を引き継ぐ際の手順でした。

手順をあらかじめ知っておくことで、事業譲渡までのスケジュールが立てやすくなります。早くても3カ月はかかる手続きですので、必要なものは今のうちから準備しておきましょう。

ここからは、都道府県の認許可を受けるための書類について詳しく解説しています。各都道府県のページで必要書類をダウンロードできるので、事業譲渡の日取りが決まったら書いておきましょう。

5. 電気工事会社の事業譲渡/事業売却に必要な書類

事業譲渡/事業売却 書類

登録電気事業を承継する場合、都道府県へ書類の提出が必要となります。電気工事会社として事業を行っている場合、すでに都道府県に「電気工事業者」として登録を行っているはずです。

事業譲渡/事業売却に当たっては、承継の日から30日以内に登録電気工事業者承継届出書(書類整理番号4)及びその添付書類を提出する必要があります。期日までに忘れないよう書類を提出しておきましょう。

事業譲渡/事業売却に必要な書類は以下の通りです。

  • 登録電気工事業者承継届出書
  • 電気工事業譲渡証明書
  • 承継に係る誓約書(個人用)または承継に係る誓約書(法人用)
  • 承継者(個人)の住民票または承継者(法人)の登記簿謄本
  • 承継後存続する登録証

個人の場合と法人の場合で提出する書類が異なりますので、注意してください。また提出先都道府県によっては別の書類が必要となることもあります。

事業承継を行う際には、登録電気工事業者関係の書類についての確認もしておきましょう。

以上が、電気工事会社の事業譲渡/事業売却に伴い必要となる書類です。

必要な手続きを忘れていると、電気工事会社として経営が出来なくなるかもしれません。M&Aの専門家に相談しつつ、早めに書類準備を進めておきましょう。

以下では、電気工事会社が事業譲渡/事業売却で注意すべきポイントについて解説していきます。トラブルを防ぎ譲渡後も会社を円滑に運営するため、事前にチェックしておいてください。

6. 電気工事会社の事業譲渡/事業売却で意識すべきポイント

事業譲渡/事業売却 ポイント 電気工事

不要な事業だけを手放せる事業譲渡/事業売却は便利なM&A手法です。

しかし手続きのスピードにばかり目を向けていると、譲渡後大きなトラブルに発展することも少なくありません。

電気工事会社が事業譲渡/事業売却を行う際に気を付けておくべき点は、以下の3つです。

  • 従業員の処遇を考えておく
  • 譲渡範囲をきちんと決めておく
  • 税金の支払い額を計算しておく

一度事業譲渡/事業売却を行ったら元の条件では買い戻せませんので、事前にしっかりチェックしてください。

ポイント1.従業員の処遇を考えておく

買い手と従業員の処遇について話し合うことで、従業員の離職を防ぐことが可能です。人手不足が深刻な建設業では、仕事に慣れた人材の離職が会社全体に大きなダメージを与えることも少なくありません。

事業譲渡後の従業員の処遇に関しては、大きく分けて2つの選択肢があります。

  • 買い手企業に転籍させ、買い手の指示のもと仕事をしてもらう
  • 自分の会社が行う別の事業に従事させる
買い手企業に転籍させた場合、従業員は引き続き譲渡事業に関する仕事を行うことが可能です。

しかし買い手によっては事業譲渡後に引き継いだ従業員の労働条件を大きく変えたり、全く別の仕事を任せたりするケースも少なくありません。

また従業員によっては「別の会社で働きたくない」「労働環境が変わるのが嫌」という理由から、譲渡前に離職を選択することもあります。

一方自分の会社の別事業に異動させた場合、従業員は今までと変わらない労働条件で働くことができます。

しかし別事業に異動させれば仕事内容が変わってしまいますので、仕事内容を重視する従業員の場合会社に大きな不満を持ち離職することもありえるでしょう。

どちらを選ぶにしても、従業員の処遇を経営者だけで決めるのはおすすめできません。事業譲渡に伴う雇用契約については、従業員の同意が必須となります。

事業を譲渡する前に、今後どんな働き方をしたいか授業員本人に確認を取る必要があるでしょう。

ポイント2.譲渡範囲をきちんと決めておく

事業譲渡では、買い手と売り手との間で譲渡範囲をきちんと決めておく必要があります。会社全てを売る場合、経営権や負債などは全て買い手のものとなるため細かい条件について話し合わなくてよいケースも多いです。

一方事業譲渡では、事業のどこまでを売るのかきちんと決めなければいけません

売却の条件を具体的に考えるポイントは、以下の通りです。

  • 従業員を何名転籍させるのか
  • 資産をどの程度渡すのか
  • 事業の範囲はどれくらいか
  • 負債は引き継ぐのか

後になって「引き継いだ」「引き継いでいない」と認識のズレでトラブルになると、買い手との関係が一気に悪化してしまいます。事業譲渡に当たっては、売り手と買い手双方が渡す事業や資産について理解しておく必要があるでしょう。

ポイント3.税金の支払い額を計算しておく

事業譲渡/事業売却には大きな税金がかかります。

おおよその税金負担は、以下の通りです。

  • 個人が株式譲渡を行う場合…譲渡益に対して20.315%
  • 法人が株式譲渡を行う場合…譲渡益に対して約30%
譲渡益は、譲り渡す資産と負債の差額です。譲渡益が1億円の場合、個人では約2,000万円、法人では約3,000万円もの税金を支払わなければいけません。

また個人の場合も法人の場合もこれに加え、売却代金から不動産などの資産を引いた額に対し8%の消費税がかかります。

例えば課税対象の資産が1億円の場合、消費税の支払い額は800万円です。

「事業を売って得た利益はすべて会社に入る」と考えるのではなく、事前に税金がどれくらいかかるのか計算しておくべきでしょう。事業譲渡の場合、税に関する特別な制度がなく節税は非常に難しいです。利益を減らそうと会計を不正に行ったり、必要以上に物資を買い込むとペナルティを受けるかもしれません。

脱税や所得隠しなどを行った場合、信用を失うだけでなく加算税や延滞税など追加の税金が発生する可能性もあります。

課税額や節税について考えたい場合、公認会計士や税理士などの専門家に早い段階で相談しておくことが大切です。

以上が、事業譲渡/事業売却の際注意しておくべきポイントでした。

事業の範囲や税金についてきちんと理解しておかなければ、大きなトラブルにつながりかねません。事業譲渡/事業売却を行う際はM&A仲介会社などの専門家に相談し、売り手、買い手双方が納得した上で契約を結びましょう。

ここからは電気工事会社の事業譲渡/事業売却成功事例について解説していきます。事業譲渡/事業売却に至った理由などを押さえ、電気工事会社の今後について前向きに考えていきましょう。

7. 電気工事会社の事業譲渡/事業売却の成功事例

事業譲渡/事業売却 電気工事 成功事例

電気工事会社での事業譲渡/事業売却事例は多数あります。

しかし中小企業などの場合、具体的な会社名が出ていないことも多く「本当に事業譲渡/事業売却をしている会社はあるのだろうか」と不安になる方も多いでしょう。

一例ですが、電気工事会社での事業譲渡/事業売却は以下のようなイメージです。

(売り手)電気通信工事会社A

  • 事業内容:電気通信工事、ネットワーク回線工事
  • 年商:1.2億
  • 上場:未上場
  • 社長年齢:60歳
(買い手)電気通信工事会社B
  • 事業内容:電気通信工事
  • 年商:10億
  • 上場:未上場
  • 社長年齢:52歳
A社は複数の電気工事事業を行って来ましたが、事業を引き継げる人物が見つからず電気工事事業の売却を決断しました。

一方B社は今後電気工事事業が拡大すると見込み、さらなる事業展開と人材の獲得を目指しています。そこで電気工事に関連するA社の資産や従業員をB社に移し、両者が納得できる譲渡となりました。

この例のように、事業を手放す理由として後継者や人手不足もあります。買い手と売り手、双方の目的をきちんと理解することで円滑な事業譲渡/事業売却が可能になるでしょう。

以下では、事業を譲渡する場合の企業評価について解説していきます。売却額の目安にもなりますので、自社の状況に合わせ大体の評価額を把握しておきましょう。

8. 【参考】電気工事会社が事業譲渡/売却を行う時の企業評価

事業譲渡/事業売却 電気工事 企業評価

事業譲渡においては、譲り渡す事業の価値によって売却額が変わります。しかし未上場企業の場合、「どうやって事業の価値を出せばよいのだろう」と悩んでしまうことも多いでしょう。

企業評価の方法は様々ですが、中小企業で多く使われているのが

  • 事業価値=譲渡事業の時価資産+3~5年分の営業利益

という式です。

「譲渡企業の時価資産」とは、渡す譲渡に関連する資産の額です。電気工事会社の場合、事業に使う機械や工具、事業を行う拠点などが挙げられるでしょう。

営業利益とは、売上総利益から販売費および一般管理費を引いたものになります。

この式に当てはめると、譲渡事業の時価資産が5,000万円、営業利益が1,000万円の場合事業の価値は8,000万円~1億円ほどです。

営業利益の3~5年分が将来的な収益とみなされるので、事前に計算しておくと買い手との話し合いがスムーズに進むでしょう。

以下では、M&Aをさらにスムーズに進めるためのポイントについて解説していきます。おすすめのM&A仲介会社も紹介していますので、「事業譲渡/事業売却について詳しく知らない」という方もまずはチェックしてみてください。

9. 電気工事会社の事業譲渡/事業売却は専門家に相談しよう

事業譲渡/事業売却 専門家

事業承継のためM&Aを行いたいと考える電気工事会社は多数ありますが、買い手探しから契約まで全て自社で行うのは非常に難しいことです。

特に異業種とのM&Aの場合、お互いの業務に対する認識の違いからトラブルが起こってしまうことも少なくありません。

M&Aに少しでも興味があるなら、最初にM&A仲介会社に相談するのが良いでしょう。M&A仲介会社はM&Aの専門家で、買収相場や手続きに関する知識も豊富です。

また買収価格がアップするよう経営に関するアドバイスも行ってくれるので、「少しでも高く会社を高く売りたい」という方は事業承継に向けて動き出す前に相談しましょう。

相談は基本的に無料となっており、仲介会社によっては着手金なしで買い手探しを行ってくれるところもあります。自社の経営について不安のある方、M&Aに興味があるという方は仲介会社の利用を検討するのが良いです。

M&A仲介会社をお探しなら、M&A総合研究所にご依頼ください。

M&A総合研究所は相談料、着手金、中間報酬無料となっており、少額のM&Aにも対応しています。小さな会社であってもM&Aは可能なので、まずは相談してみることが大切です。

事業承継について少しでも不安があるなら、M&A総合研究所で仲介の手数料や成功事例などを詳しくチェックしてみてください。

10. まとめ

事業譲渡を行うことで、法人格を残したまま会社を存続させることができます。

M&Aによる事業承継には様々な方法がありますが、電気工事事業以外の特定の事業だけを残したいという場合は事業譲渡/事業売却を選ぶのがおすすめです。

電気工事会社における事業譲渡/事業売却はM&Aに詳しい専門家に相談し、早めに自社の希望に沿った買い手を探すようにしましょう。

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