食品製造業(調味料)のM&Aまとめ!過去事例や市場規模は?

取締役 営業本部長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

食品製造業(調味料)とは、砂糖・塩・酢・醤油・味噌・ソース・ケチャップなどの調味料を製造・販売している業種のことを指します。本記事では、食品製造業(調味料)の市場規模やM&A動向、M&A事例や行う際のポイントなどを紹介します。

目次

  1. 食品製造業(調味料)とは
  2. 食品製造業(調味料)のM&Aの過去事例
  3. 食品製造業(調味料)の市場規模
  4. 食品製造業(調味料)の特色とM&A動向 
  5. 食品製造業(調味料)M&Aの手法 
  6. 食品製造業(調味料)M&Aの流れ 
  7. 食品製造業(調味料)のM&Aのメリット 
  8. 食品製造業(調味料)のM&Aの成功のポイント 
  9. 食品製造業(調味料)のM&Aをする際におすすめの相談先 
  10. まとめ 
  11. 食品メーカー・食品加工・食品工場業界の成約事例一覧
  12. 食品メーカー・食品加工・食品工場業界のM&A案件一覧
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1. 食品製造業(調味料)とは

食品製造業とは、原材料から食品を製造し販売する業種です。そのうち食品製造業(調味料)とは、砂糖・塩・酢・醤油・味噌・ソース・ケチャップ・カレー粉・マヨネーズなど、調味料を製造・販売している業種を指します。

食品製造業(調味料)の国内市場規模は、高齢化による健康志向により縮小していくことが予測されます。そのため、大手企業は健康を意識した食品の製造に力を入れたり、海外展開を進めたりしています。

また、米国ではメディカルフード市場が大きく伸びるなど、消費者のニーズは変化し続けています。そのような変化に対応するため、M&Aを活用する企業も増加しています。

さらに、
品製造業(調味料)は成熟産業であることから、経営者の高齢化と後継者不足も深刻になっています。そのため、近年はM&Aを活用した事業承継も増えてきています。

2. 食品製造業(調味料)のM&Aの過去事例

本章では、実際に行われた食品製造業(調味料)のM&A事例から10例を紹介します。

【食品製造業(調味料)のM&Aの過去事例】

  1. ブルドックソースによるサンフーズのM&A
  2. 三井製糖によるシンガポールの精製糖販売会社のM&A
  3. 味の素による米国メディカルフード製造会社のM&A
  4. 日新製糖によるツキオカフィルム製薬のM&A
  5. 三谷商事によるベトナムの香辛料メーカーのM&A
  6. 味の素によるキュクレ食品社のM&A
  7. 日清オイリオグループによる攝津製油のM&A
  8. プレナスによる宮島醤油フレーバーのM&A
  9. 味の素によるジーンデザインのM&A
  10. 味の素によるアフリカの加工食品メーカーのM&A

1.ブルドックソースによるサンフーズのM&A

ブルドックソースによるサンフーズのM&A

ブルドックソース

出典:https://www.bulldog.co.jp/

食品製造業(調味料)のM&A過去事例1件目は、ブルドックソースによるサンフーズのM&Aです。

ブルドックソースは、2019年、お好み焼きソースなどの調味料を製造しているサンフーズを、株式譲渡契約により子会社化することを発表しました。

サンフーズは「ミツワソース」や「ヒガシマルソース」といったソースブランドを持っています。また、ブルドックソースも「ブルドックソース」や「イカリソース」といった高いブランド力を持つ商品を展開しています。

ブルドックソースは、自社のソースラインナップに「ミツワソース」や「ヒガシマルソース」を加えることで、グループのブランド力を強化しています。

2.三井製糖によるシンガポールの精製糖販売会社のM&A

三井製糖によるシンガポールの精製糖販売会社のM&A

三井製糖

出典:https://www.mitsui-sugar.co.jp/

食品製造業(調味料)のM&A過去事例2件目は、三井製糖によるシンガポールの精製糖販売会社のM&Aです。

2018年、三井製糖は三井物産と共同で、シンガポールを拠点に精製糖の販売を行っているSIS’88 Pte Ltd(SIS社)を株式譲渡契約により子会社化することを発表しました。

日本の製糖市場が縮小傾向にあるなか、三井製糖はアジアを中心とした海外展開を図っています。SIS社はシンガポールを拠点に東南アジアや中東に販売網を持っている会社です。

アジアや中東諸国では甘味需要の多様化が進んでいるため、三井製糖はSIS社をアジアと中東へ進出する拠点とし、グループのさらなる成長を図っています。

3.味の素による米国メディカルフード製造会社のM&A

味の素による米国メディカルフード製造会社のM&A

味の素

出典:https://www.ajinomoto.co.jp/

食品製造業(調味料)のM&A過去事例3件目は、味の素による米国メディカルフード製造会社のM&Aです。

味の素は2017年、米国のメディカルフード製造会社であるCambrooke Therapeutics, Inc(Cambrooke社)を、株式譲渡契約により子会社化したことを発表しました。

米国のメディカルフードの市場規模は大きく、成長率も堅調に推移しています。そのような環境下、Cambrooke社はメディカルフードで高成長を続けている会社です。

味の素は、Cambrooke社をグループに迎え入れることで、米国のメディカルフード市場に本格参入しています。また、海外展開を強化することで、世界でのシェア拡大を図っています。

4.日新製糖によるツキオカフィルム製薬のM&A

日新製糖によるツキオカフィルム製薬のM&A

日新製糖

出典:https://www.nissin-sugar.co.jp/

食品製造業(調味料)のM&A過去事例4件目は、日新製糖によるツキオカフィルム製薬のM&Aです。

日新製糖は、2018年、岐阜県で箔押事業などを行なっているツキオカフィルム製薬を、株式譲渡契約により子会社化したことを発表しました。

ツキオカフィルム製薬は箔押事業の他、食用純金箔事業やフィルム事業も展開しています。

日新製糖は、ツキオカフィルム製薬を子会社化することで商品ラインナップを拡充し、幅広い事業に応用できることを期待しています。

5.三谷商事によるベトナムの香辛料メーカーのM&A

三谷商事によるベトナムの香辛料メーカーのM&A

三谷商事

出典:https://www.mitani-corp.co.jp/

食品製造業(調味料)のM&A過去事例5件目は、三谷商事によるベトナムの香辛料メーカーのM&Aです。

2017年、三谷商事は子会社のブレード通商を通じ、ベトナムで香辛料の生産・販売を行なっているPacific Basin Partnership, Inc(PBP社)を、株式譲渡契約により子会社化したことを発表しました。

三谷商事は、今後需要拡大が見込める東南アジア、安定した需要のある北米への進出を進めています。

PBP社は欧米に香辛料を輸出しており、三谷商事の事業計画に合致することから、子会社化に至っています。

6.味の素によるキュクレ食品社のM&A

味の素によるキュクレ食品社のM&A

味の素

出典:https://www.ajinomoto.co.jp/

食品製造業(調味料)のM&A過去事例6件目は、味の素によるキュクレ食品社のM&Aです。

味の素は2017年、トルコで食酢や果実ソースなどを製造・販売しているキュクレ食品社を、株式譲渡契約により子会社化したことを発表しました。

味の素が2013年にキュクレ食品社の経営に資本参加してから、キュクレ食品社は順調に事業成長を遂げてきました。

味の素はキュクレ食品社を子会社化することで、トルコでのさらなる事業拡大と中東地域での事業展開を進めています。

7.日清オイリオグループによる攝津製油のM&A

日清オイリオグループによる攝津製油のM&A

日清オイリオグループ

出典:https://www.nisshin-oillio.com/

食品製造業(調味料)のM&A過去事例7件目は、日清オイリオグループによる攝津製油のM&Aです。

日清オイリオグループは、2017年、油脂事業・化成品事業を展開している攝津製油を、株式交換により完全子会社化したことを発表しました。

日清オイリオグループと攝津製油は、1959年に業務提携を結んで以来、長年協業関係にありました。

攝津製油は、日清オイリオグループの完全子会社となることで、両社の経営資源を効率的に活用できるよう体制強化を進めています。

8.プレナスによる宮島醤油フレーバーのM&A

プレナスによる宮島醤油フレーバーのM&A

プレナス

出典:https://www.plenus.co.jp/

食品製造業(調味料)のM&A過去事例8件目は、プレナスによる宮島醤油フレーバーのM&Aです。

2016年、プレナスは、福岡県で食品・調味料の加工販売を行っている宮島醤油フレーバーを、株式譲渡契約により子会社化することを発表しました。

宮島醤油フレーバーは調味料に関して高い情報力と技術力を持っており、プレナスは宮島醤油フレーバーを子会社化することで商品力を高めることができ、海外展開でも優位性を高めることができるとしています。

9.味の素によるジーンデザインのM&A

味の素によるジーンデザインのM&A

味の素

出典:https://www.ajinomoto.co.jp/

食品製造業(調味料)のM&A過去事例9件目は、味の素によるジーンデザインのM&Aです。

味の素は、2016年、核酸医薬品の開発・製造受託会社であるジーンデザインを、株式譲渡契約により子会社化することを発表しました。

ジーンデザインは核酸医薬品の開発・製造受託で高い技術や品質管理能力を持ち、さまざまな顧客から高い評価を得ています。

開発初期の小規模開発を得意とするジーンデザインに、開発後期の大規模開発を得意とする味の素グループの技術を合わせることで、幅広い開発・製造受託ができるようになりました。

10.味の素によるアフリカの加工食品メーカーのM&A

味の素によるアフリカの加工食品メーカーのM&A

味の素

出典:https://www.ajinomoto.co.jp/

食品製造業(調味料)のM&A過去事例10件目は、味の素によるアフリカの加工食品メーカーのM&Aです。

味の素は、2016年、アフリカで粉ミルク・粉末飲料・風味調味料などを生産販売しているプロマシドール・ホールディングス社(プロマシドール社)の株式を、株式譲渡契約により取得しました。

プロマシドール社はアフリカ36カ国で事業を展開している大手企業です。味の素グループは、中期経営計画でアフリカと中東での事業拡大を掲げており、プロマシドール社の販売基盤を獲得することで、アフリカでの事業拡大を図っています。

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3. 食品製造業(調味料)の市場規模

食品製造業(調味料)の市場規模はどのように推移しているのでしょうか。ここでは、食品製造業(調味料)の市場規模の特徴をみていきます。

事業所数は毎年減少している

食品製造業(調味料)の事業所数は、中小企業を中心に減少傾向にあります。成熟産業である食品製造業(調味料)は競争が激しい業界であり、消費者から求められる商品も多様化してきています。

そのため、調味料自体の市場規模は大幅に縮小しているわけではありませんが、消費者ニーズの変化についてゆけない中小企業が毎年廃業しています。

また、食品製造業(調味料)は輸入費や燃料費の高騰に影響を受けやすいため、多くの中小企業は利益の減少に直結してしまいます。そのため、世界の動向も中小企業の減少に影響しています。

市場規模は縮小している

前述のように、調味料自体の市場規模は横ばい程度で推移していますが、食品製造業全体の市場規模は減少傾向にあることから、食品製造業(調味料)の市場規模も今後縮小していくことが予測されます。

その原因のひとつが高齢化です。高齢化による健康志向の高まりから、調味料を控える人が増えています。

コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで販売されている食品も、健康のために砂糖や塩、カロリーなどを抑えた商品が多く並ぶようになりました。

国内市場の縮小をカバーするため、食品製造業(調味料)の大手企業は海外へ進出するケースが増えています。

安全や安心など消費者の要望が下がることはない

健康志向の高まりによって、食品製造業(調味料)の市場規模は今後減少していくことが予測されます。

一方で、消費者が求めるものは多様化しており、変化していく消費者ニーズに対応できるかどうかに今後の生き残りがかかっています。

M&A事例紹介でも取り上げたように、味の素は2017年米国のメディカルフード製造会社であるCambrooke社を子会社化しました。

メディカルフードは医薬品とサプリメントの中間のような食品で、すでに米国では大きな市場規模となっています。

日本でもメディカルフードが普及していくと、食品製造業(調味料)にも大きな影響が及ぶため、今後はそのような変化に対応できるかが重要になると考えられます。

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4. 食品製造業(調味料)の特色とM&A動向 

食品製造業(調味料)のM&Aを行う際は、業種の特色やM&A動向を把握しておくことが重要です。この章では、食品製造業(調味料)の特色とM&A動向について解説します。

食品製造業(調味料)の特色

食品製造業(調味料)の特色は、景気の波に大きく左右されない点です。調味料は生活必需品であるため、不景気時でも出荷金額が大幅に落ちることはありません。

逆に、景気がよくても出荷額が大きく伸びることもなく、短期的な景気の波に影響されにくい業界です。

また、中長期的には大きく変化を遂げてきた業界でもあります。調味料の種類は数十年の間に多様化が進み、技術も進化し続けています。

食品製造業(調味料)のM&A動向 

食品製造業(調味料)のM&Aは以下のように推移しています。

【食品製造業(調味料)のM&A動向】

  1. 国内市場の縮小に対しクロスボーダーM&Aの数が増加 
  2. 事業再生型のM&Aも増加 

1.国内市場の縮小に対しクロスボーダーM&Aの数が増加 

大手企業は、国内市場の縮小に対応するため、クロスボーダーM&Aを積極的に行っています。

先に取り上げたM&A事例でいうと、三井製糖がシンガポールを拠点に精製糖の販売を手掛けるSIS社にM&Aを行ったり、三谷商事がベトナムで香辛料の生産・販売を行なっているPBP社にM&Aを行うなど、アジアをはじめとした海外企業へのM&Aが目立ちます。

特に、東南アジアと中東は調味料分野で今後大きな成長が見込めることから、多くの大手企業が注目しています。

2.事業再生型のM&Aも増加

食品製造業(調味料)は成熟産業であり、国内市場は今後縮小していく可能性が高いことから、中小企業にとっては厳しい環境となっています。そのため、事業の立て直しを図る中小企業に対して、事業再生型のM&Aも増加しています。

市場は厳しい環境にはありますが、調味料を製造している中小企業のなかには独自の強みを持ち、大手企業との差別化を図れている会社もあります。

そのような強みを持った会社であれば立て直しが可能と判断され、事業再生型のM&Aによって復活を遂げるケースもみられます。

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5. 食品製造業(調味料)M&Aの手法 

食品製造業(調味料)のM&Aでよく用いられるのは、株式譲渡事業譲渡です。この章では、各M&A手法のメリットとデメリットを簡単に紹介します。

株式譲渡 

株式譲渡は、食品製造業(調味料)のM&Aで非常によく用いられる手法です。その理由のひとつは、手続きの手軽さにあります。

株式譲渡は、売り手から買い手へ株式を譲渡することで手続きが済むため、その期間、売り手企業の組織体制などに大きな負担を与えることがほとんどありません。

そのため、なるべく少ない負担で手続きを完了させたい場合は株式譲渡が用いられます。ただし、買い手は思わぬ負債などのリスクを背負う可能性もあるので、事前によく調査を行う必要があります。

事業譲渡

事業譲渡も食品製造業(調味料)のM&Aでよく用いられている手法です。事業譲渡が用いられる理由のひとつに、譲渡する事業を選べる点があります。

株式譲渡とは違い、事業譲渡は事業部門・事業資産ごとに選択して譲渡するため、売り手と買い手は柔軟な戦略が可能です。ただし、手続きの負担は株式譲渡よりも大きくなりがちな点には注意が必要です。

その他 

株式譲渡や事業譲渡のほかに、株式交換・株式移転合併などの手法が用いられることもあります。株式交換や株式移転はグループ内の会社を完全子会社化する際に多く用いられ、合併は大手企業同士がひとつの法人格に完全統合する際に用いられることがあります。

いずれの手法にもメリット・デメリットがあるので、M&Aの専門家に相談して自社の現状に最も合った手法を選ぶ必要があります。

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6. 食品製造業(調味料)M&Aの流れ 

M&Aを行う際は、全体の流れをあらかじめ把握しておくと、準備や手続きをスムーズに進めることができます。食品製造業(調味料)のM&Aは、一般的に以下の流れで進められます。

【食品製造業(調味料)M&Aの流れ】

  1. M&A仲介会社・M&Aの専門家に相談 
  2. M&A先の選定・交渉 
  3. トップ同士の面談 
  4. 基本合意書の締結 
  5. 買収側によるデューデリジェンスの実施 
  6. 最終契約書の締結 
  7. クロージング 

1.M&A仲介会社・M&Aの専門家に相談 

M&Aを検討し始めたら、まずはM&A仲介会社などの専門家に相談することで、適切な方向性を指し示してもらえます。

M&Aの専門家選びは迷うものですが、まずは相談しやすい専門家に気軽に相談してみるところから選別していくのも方法のひとつです。

2.M&A先の選定・交渉 

M&A支援を受ける専門家が決まったら、専門家からM&A先の選定と交渉を支援してもらいます。M&A先の選定は重要であり、自社に合ったM&A先を紹介してもらえるかどうかがM&Aの成功・失敗を左右します。

3.トップ同士の面談 

M&A先が絞り込めたら、売り手と買い手のトップ同士で面談を行います。トップ同士の面談は互いの相性などを確認する貴重な場でもあります。M&A相手としてふさわしいかを、慎重に判断することが大切です。

4.基本合意書の締結 

基本合意書はM&Aの条件などをまとめた書面です。最終契約書の締結までに内容が修正される場合もありますが、交渉のベースとなる重要な書面です。

基本合意書を作成する際は、内容に問題がないかを法律の専門家などにしっかりと確認してもらうとよいでしょう。

5.買収側によるデューデリジェンスの実施 

デューデリジェンスは、買い手がM&Aのリスクを見極めるために欠かせないプロセスです。

デューデリジェンスの準備や実施には手間と時間がかかりますが、丁寧に行うことが後々のトラブルを防ぐことにつながります。

6.最終契約書の締結

最終契約書の締結によってM&Aの契約は完了します。しかし、最終契約書が締結されたからといって、M&A手続きが必ずしも完了するわけではありません。

M&A相手に間違った会社情報を提示していないか、報告していない重大な情報はないかなど、契約書締結後も確認が必要です。

7.クロージング 

クロージングが完了したら、M&A後の統合プロセス(PMI)を進めていきます。クロージング完了後から統合プロセスが完了するまで、数ヶ月から数年かかるケースもあります。

M&A後の統合を焦りすぎることなく、戦略的に進めていくことが成功方法のひとつです。

7. 食品製造業(調味料)のM&Aのメリット 

食品製造業(調味料)がM&Aには、どのようなメリットがあるのでしょうか。この章では主な5つのメリットについて解説します。

【食品製造業(調味料)のM&Aのメリット】

  1. 後継者問題の解決につながる 
  2. 従業員の雇用先を確保できる 
  3. 大手企業の傘下に入ることで経営が安定する 
  4. 個人保証や担保が解消できる 
  5. 売却・譲渡益が獲得できる 

1.後継者問題の解決につながる 

成熟産業であり、経営者の高齢化が進んでいる食品製造業(調味料)では、後継者問題を抱えている中小企業が多く存在します。

M&Aを活用することで、後継者がいない企業であっても後継者問題の解決を図ることが可能になります。

2.従業員の雇用先を確保できる 

廃業するとなれば従業員は解雇しなければなりません。従業員は次の仕事先を探さなければならず、なかなかみつからないケースもあるかもしれません。

しかし、M&Aを活用して会社を引き継ぐことができれば、従業員が働く場所も同時に確保することができます。

3.大手企業の傘下に入ることで経営が安定する 

自社単独の経営では行き詰まりを感じた場合でも、大手企業の傘下に入ることができれば、打開できる可能性があります。

ただし、そのためには、大手企業が買収したくなるような強み・魅力を作っておくことが大切です。

4.個人保証や担保が解消できる 

多くの中小企業経営者は金融機関と個人保証を結んでいたり担保を入れていますが、これが事業承継の際に弊害となることがあります。M&Aを活用することで個人保証や担保を解消できる可能性があります。

5.売却・譲渡益が獲得できる 

中小企業経営者が経営からリタイアするにあたって、その後の生活費などが気になるところでしょう。

廃業の場合、リタイア資金が得られないばかりか廃業にお金がかかることもありますが、M&Aを活用すれば売却・譲渡益が得られます。

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8. 食品製造業(調味料)のM&Aの成功のポイント 

食品製造業(調味料)のM&Aを成功させるには、以下のポイントを押さえておく必要があります。

【食品製造業(調味料)のM&Aの成功のポイント】

  1. M&Aをする際はタイミングを逃さない 
  2. 自社の情報を正確に揃える 
  3. M&Aの成約まで情報の漏洩に注意する 
  4. M&A先とのシナジーを提案する 
  5. M&Aの専門家に相談する 

1.M&Aをする際はタイミングを逃さない 

いくら魅力的な会社でも、最適なM&Aのタイミングを逃せば会社の評価が下がってしまったり、買い手がみつからない可能性もあります。

M&Aを検討し始めたら早めに準備に取りかかり、いつでもM&Aが実行できるよう万全な状態に整えておくことが大切です。

2.自社の情報を正確に揃える 

M&Aの時間がかかったり交渉途中で破断してしまう要因のひとつとして、M&A相手に提示している情報が不完全であることが挙げられます。

不完全な情報提示は相手の不信感を買う可能性があるだけでなく、後々トラブルになるケースもあります。

3.M&Aの成約まで情報の漏洩に注意する 

M&Aの成約までに情報漏洩が起これば、売り手・買い手間の信頼関係は大きく損なわれることになります。

情報漏洩は思わぬところから起きる可能性があるので、どのように情報を保護すべきかなど、M&Aの専門家からアドバイスをもらいながら徹底していく必要があります。

4.M&A先とのシナジーを提案する 

M&Aが成立するには、売り手と買い手双方が明確なメリットを実感できる必要があります。

M&A相手にどのような事業シナジーがあるかをこちらから提案することで、相手は明確なビジョンを描きやすくなります。

5.M&Aの専門家に相談する

幅広いネットワークと数多くの経験を持っている専門家であれば、短期間でスムーズにM&Aを完了させることも可能です。

多く存在する専門家のなかから、自社にあったところを選べるかということはM&Aの結果を大きく左右する程重要です。

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9. 食品製造業(調味料)のM&Aをする際におすすめの相談先 

食品製造業(調味料)のM&Aを成功させるには、M&Aの専門家によるサポートがおすすめです。また、食品製造業に詳しく、食品製造業のM&A支援経験のある専門家に相談すると、より的確なM&A支援が受けられます。

現在M&A仲介会社は数多くあり、それぞれ特徴に大きな違いがあります。そのため、自社に最適なM&A仲介会社選びが大切です。

M&A総合研究所には、豊富な経験を持ったアドバイザーによるフルサポートを行っております。業種・規模を問わずM&A・事業承継に迅速かつ丁寧に対応いたします。

また、完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)の料金体系となっており、着手金は譲渡企業様・譲受企業様とも完全無料ですので、初期費用をご心配することなくご依頼いただけます。

無料相談は随時お受けしておりますので、M&A・事業承継でお悩みの際は、M&A総合研究所までお気軽にご相談ください

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10. まとめ 

食品製造業(調味料)は成熟段階にあり、国内市場は縮小していく見込みがされています。中小企業にとっては厳しい環境となっており、今後は、事業の立て直しを図るためにM&Aを活用するケースも増加すると考えられます。

M&Aを成功させるためには、実施タイミングを逃さないことも重要となるため、実施を検討している場合は早めの準備が必要です。

【食品製造業(調味料)の市場規模】

  1. 事業所数は毎年減少している 
  2. 市場規模は縮小している 
  3. 安全や安心など消費者の要望が下がることはない

【食品製造業(調味料)M&Aの流れ】
  1. M&A仲介会社・M&Aの専門家に相談 
  2. M&A先の選定・交渉 
  3. トップ同士の面談 
  4. 基本合意書の締結 
  5. 買収側によるデューデリジェンスの実施 
  6. 最終契約書の締結 
  7. クロージング 

【食品製造業(調味料)のM&Aのメリット】
  1. 後継者問題の解決につながる 
  2. 従業員の雇用先を確保できる 
  3. 大手企業の傘下に入ることで経営が安定する 
  4. 個人保証や担保が解消できる 
  5. 売却・譲渡益が獲得できる

【食品製造業(調味料)のM&Aの成功のポイント】 
  1. M&Aをする際はタイミングを逃さない 
  2. 自社の情報を正確に揃える 
  3. M&Aの成約まで情報の漏洩に注意する 
  4. M&A先とのシナジーを提案する 
  5. M&Aの専門家に相談する

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