IT業界のM&A動向!会社売却のメリットや注意点・事例48選を徹底解説【2024年最新】

企業情報第二本部 第二部 部長
鎌田 実築

三菱UFJ銀行にて中堅中小企業法人担当として、企業再生支援、事業承継支援、資産活用コンサルティング等幅広く活動。その後M&Aアドバイザーとして複数の業種で成約実績を積み、規模・エリアも問わず幅広い相談に対応。

本記事では、IT企業に関する最新動向やM&A・企業売却・企業買収に関する現状などについて、厳選した事例とともに専門アドバイザーが解説します。IT企業のM&A・売却・買収において選び方もまとめました。

目次

  1. IT業界の動向
  2. IT企業のM&A動向
  3. IT企業のM&Aを行うメリット・デメリット
  4. IT業界のM&Aにおいての注意点
  5. IT企業M&Aの際の仲介会社の選び方
  6. IT企業の最新M&A事例17選【2024年】
  7. IT企業のM&A事例14選【2021~2022年】
  8. システム開発のM&A・売却・買収事例5選
  9. 人材派遣のM&A・売却・買収事例2選
  10. アプリ制作・ゲーム開発のM&A・売却・買収事例2選
  11. WEBサービスのM&A・売却・買収事例3選
  12. 海外のM&A・売却・買収事例3選
  13. エンジニア派遣・SES事業のM&A事例2選
  14. IT業界のM&Aアドバイザーコメント
  15. IT企業のM&A・売却・買収事例のまとめ
  16. IT業界の成約事例一覧
  17. IT業界のM&A案件一覧
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  • IT会社のM&A・事業承継

1. IT業界の動向

まずはIT業界の動向をおさらいします。

IT業界の市場規模

矢野経済研究所の「国内企業のIT投資に関する調査を実施(2022年)」によると、2021年度における国内民間企業のIT市場規模はIT投資額ベースで13兆5,500億円(前年度比4.5%増)と推計しました。

新型コロナウィルスによるテレワークやリモート対応、EC強化やAIを活用したコールセンターの活用などデジタルマーケティング関連に対す投資などが拡大しました。また、2021年度はコロナで停止していたプロジェクトの再開など回復傾向もみられました。

総務省「令和5年版情報通信白書」

総務省「令和5年版情報通信白書」

出典:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/pdf/n4100000.pdf

もう一つ、別の視点からIT業界を捉えたデータを紹介します。総務省が発表した『令和5年版 情報通信白書』によると、2021年の情報通信産業の名目GDPは52.7兆円でした。全産業の9.7%におよびます。

IT業界(情報通信産業)の雇用者数は405.8 万人(2019年時点)と報告されており、こちらは全産業の5.6%を占めています。以上のデータを踏まえると、現代社会におけるIT業界の存在意義は非常に大きい状況でしょう。

参考:
矢野経済研究所「国内企業のIT投資に関する調査を実施(2022年)」
総務省「令和5年版 情報通信白書」

IT業界に見られる特徴

IT業界に見られる主な特徴を紹介します。

多重下請け構造

IT業界の特徴として、多重下請け構造が問題となっています。ユーザー企業から仕事を受けた「元請け」から、開発・運営の「中小ITベンダー(二次請け)」に、「二次請け」が「三次請け」、「下流工程」に依頼するといったピラミッド型の構造です。

人材不足

もう一つの特徴はIT人材の不足です。

独立行政法人情報処理推進機構の調査結果(2019年度)では、ICT人材に対して「大幅に不足している」「やや不足している」とする回答が89.0%となり、人材不足が懸念されています。

IT業界は、人材のレベルアップも課題です。技術進歩が早いIT業界で生き残るためには、いかにして質の高い人材を確保するのかが求められます。

また、若年層の人口減少に伴い、2019年をピークにIT関連産業 への退職者は入職者よりも上回り、IT人材は減少に向かうとされています。さらに、高齢化が進展することも予想されています。その一方で、IT 需要予測から推計されるIT人材需要との需給ギャップから将来的に40~80 万人の規模で不足が生じる可能性が試算されています。

参考:経済産業省 「IT人材育成の状況等について」

【関連】IT企業・ソフトウェア業界のM&A・譲渡事例10選!案件や価格相場も紹介

2. IT企業のM&A動向

ここまで、IT企業のM&A事例を見てきました。次は、今後予測されるIT企業のM&A動向を確認しましょう。

M&A件数の推移

レコフのデータによると、国内でのM&A件数の中で、ソフトウェア・情報業界に占めるM&A件数は最も多く、2021年度は全体(4,280件)のうち約35%(1,525件)です。IT業界同士でのM&Aも多いですが、他業種とM&Aを実施するケースも増えています。

成長戦略としてのM&A

IT企業の経営者の譲渡時の平均年齢は54.5歳です。これはほかの業界の経営者と比較して、譲渡時の年齢が10歳程度、早いことがわかりました。

理由としては、成長戦略としてM&Aを実行する経営者が多いといったことが挙げられます。したがって、事業承継のためにM&Aを検討するだけでなく、M&AでEXITを目指す若い経営者が多い業界でもあるといえるでしょう。IT業界同士でのM&Aも多いですが、昨今は他業種とM&Aを実施するケースも増えています。

経営者の高齢化によるM&A

帝国データバンク「社長年齢」分析調査(2023 年)

出典:https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p240406.pdf

団塊の世代が後期高齢者に達している現在、社長の平均年齢も年々上がっています。IT業界は比較的社長の平均年齢が若いとされていますが、社長交代の時期が来ているといえます。

IT業界は60年程度の歴史があります。国内でも1980年代後半〜2000年に多くのエンジニアが起業したといわれています。当時30〜40歳で起業した経営者は事業承継を考えるタイミングとなっています。しかし、継承できる人材がいないためM&Aを活用していく企業が増えています。譲渡する企業のほとんどが黒字であり、市場としても拡大しているためM&Aが活発です。

人材不足解消のM&A

経済産業省「IT人材育成の状況等について」

出典:https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s03_00.pdf

IT業界は慢性的な人材不足に陥っています。新卒採用や中途採用では追いつかないうえ、実際に戦力とするには、研修の受講やスキルを身に付けさせる必要があります。質の良い人材を引き継げるM&Aが最適な方法です。
 

新技術の獲得のためのM&A

新技術の獲得もM&Aの目的です。常に新技術が開発される業界であるうえ、AIやIoTなどの先端技術は研究に時間がかかります。M&Aであれば新技術を扱うチームをそのまま取り込めるため、新技術の開発に必要な費用や時間を省略できるでしょう。

経営基盤強化のM&A

経営基盤の強化を目的としたM&Aも多く見られます。中小・ベンチャーのIT企業は資金繰りが厳しく、融資も簡単に受けられません。新技術を開発して事業化するには一定以上の資金確保が必要になります。大手企業のグループに入ることで顧客基盤、組織力を活用し経営基盤強化を図るケースが増えています。

海外市場進出のためのM&A

事例でも紹介しましたが、海外市場進出のためのM&Aも増加しています。国内におけるIT業界の市場自体は好調です。しかし、全体的な国内市場は人口減少により縮小傾向にあるでしょう。M&Aにより海外におけるIT企業の人材・技術・ノウハウを取り込み、海外市場に進出するケースが増えている状況です。

IT企業と異業種のM&A

本記事の事例で紹介した伊藤忠商事とフリークアウト・ホールディングスの資本業務提携や、電通によるDigital Evolution Group LLCのM&Aなど、異業種・他業種からの参入も増加しています。

このほか、本記事では取り上げませんでしたが、資生堂による米国AI企業のMATCHCoやGiaran買収といった事例も報告されている状況です。

デジタル・トランスフォーメーション(DX)が進行し、特に大手企業ではIT技術を使用した新事業開発が急務となります。今後ますます異業種・他業種からの参入は増加するでしょう。

アドベンチャーによるラド観光のM&A事例のように、IT企業による異業種・他業種のM&Aも目立つ状況です。

上記の事例は、アドベンチャーが「skyticket」のオンライン予約サービスで得た広告・集客のノウハウを応用し、ラド観光の事業拡大を図る目的のもと実施されました。今後もこうした形態のM&Aが増加するでしょう。

【関連】【2020年最新】WEBメディアのM&A動向や売却・買収の事例、ポイントを解説!

3. IT企業のM&Aを行うメリット・デメリット

IT業界への需要の増加に伴い、M&Aも増加傾向にあります。M&Aを検討されているのであれば、失敗しないように費用などさまざまな事前チェックが必要です。自社に必要かどうかをよく見極め、検討するのが重要です。M&Aにおけるメリットとデメリットをよく理解しましょう。

メリット

後継者不足の解消

中小企業は経営者の高齢化が進んでいますが、子どもや社内に会社を継いでもらえる人材がないというケースが増えています。従業員や取引先、コスト面を考えると廃業も難しい選択になります。そんな後継者問題を解消するためにM&Aが活用されています。

人材不足の解消


IT業界の課題として人材不足があります。M&Aであれば人材不足を解消できることがメリットの一つです。新卒採用であれば、人材を育てなければなりません。M&Aであれば、一定のスキルをもった人材を確保できるでしょう。海外のエンジニア欲しさに、海外のIT企業を買収するケースさえあります。
 

技術・ノウハウの獲得

技術やノウハウを獲得できるのもメリットです。この業界のトレンドは変化しやすく、最先端の技術を確保するには、費用や時間がかかります。M&Aであれば、異業種からの参入も可能にします。

 

経営の安定化

M&Aによって大手企業の傘下になれば、資本投入されることで経営の安定化も可能となるでしょう。また、大手のグループに入ることで多重下請から脱却し安定した経営を行うことができます。

デメリット

簿外帳簿の引き継ぎ

IT企業に限らず、売り手の簿外債務を引き継ぐおそれがある点は、M&Aのデメリットの一つです。将来的に発生する偶発債務が相手企業にあった場合、のちのちトラブルにつながることもあります。
 

従業員の軋轢

M&Aでは、双方の従業員同士の軋轢(あつれき)にも注意が必要でしょう。特に、海外企業とのM&Aでは、社員が社風やルールに不満をもって退職してしまうケースもあるようです。

  • IT会社のM&A・事業承継

4. IT業界のM&Aにおいての注意点

IT業界のM&Aを進めていく際に他の業界と異なり注意点がいくつかあります。

エンジニアの技術スキルの確認

IT業界のM&Aでは人材に関してしっかり確認する必要があります。優秀なエンジニアを確保することがIT業界では競争力に繋がります。そのため買い手側は売り手側の企業の人材がどのような言語や技術スキルを持つ人材がいるかを調査することが一般的です。買い手側は最低限、売り手側企業のエンジニアが持つ資格や開発実績、経験・職務経歴書の開示をするのがよいでしょう。

また、企業価値評価ではエンジニア一人あたりの価格設定を行い人数をかけて売却価格を算定することもあります。買い手が求めるスキルを有しているエンジニアがいることが成約に繋がりやすいため、売り手にとってエンジニアの育成は重要になっていきます。

M&Aのスピード感

IT業界のM&Aの成約までの期間は比較的早い傾向にあります。そのため相手候補の選定からクロージングまでのスピード感を意識する必要があります。売り手と買い手に大きな相違がなければトップ面談〜クロージングまでに最短3ヶ月の場合もあります。買い手は買収を迷っていると他の企業に越されてしまうこともあるため注意しましょう。

従業員のモチベーション維持

M&Aでは従業員のモチベーションを維持することは大切です。労働条件の変更や風土の変化により社内のキーパーソンがM&Aをきっかけに辞めてし待っては買い手に迷惑をかけるだけでなく、取引を解消される可能性もあります。そのため従業員とはしっかりとコミュニケーションを取ることが大切です。特に事業譲渡の場合は従業員の雇用契約を結びなす必要があるため慎重に行うことが大切です。

5. IT企業M&Aの際の仲介会社の選び方

この章では、IT業界でM&Aを行うときの仲介会社の選び方や成功ポイントを解説します。

IT・ソフトウェア分野の専門的知識・M&A実績を持っている

仲介会社を選ぶ際は、IT・ソフトウェア分野の専門的知識やIT企業のM&A実績を持っていることが重要です。前述のとおり、IT業界では日々新たなマーケットが生み出されています。新分野における優秀な技術者の確保・新技術の獲得・経営基盤の強化などを目的とするM&Aが活発です。

M&Aの仲介会社を選ぶ際は、専門的知識をキャッチアップしていることが求められます。自社と同じ業界の仲介をどれだけ経験しているか、前職で類似業界を経験しているアドバイザーがいるか、といった確認を行いましょう。

自社と同規模の案件実績がある

M&Aの仲介業務では、案件の規模によって必要とされるスキルが異なります。仲介会社によっては、得意とする規模の案件に合わせた手数料体系を設定しているケースもあるでしょう。これまで担当してきた案件の規模を確認するのも重要です。

M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている


M&A仲介業務で求められる知識は、法務・会計・税務・労務など、会社に関するあらゆる範囲です。経験豊富な経営者と交渉できる実務経験やコミュニケーション能力なども求められます。これらの能力は即座に身に付くものではありません。

M&A仲介会社に依頼する際は、実務経験が豊富なアドバイザーに依頼すると良いでしょう。

手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい

M&A仲介の手数料は仕組みがわかりにくいため、場合によっては想定外に高い手数料を支払うケースもあります。これを防ぐために、報酬体系がシンプルで安価なM&A仲介会社を選びましょう

担当スタッフの対応・相性が良い

M&Aの成否や経営者の満足度を大きく左右する要素として、担当スタッフとの信頼関係も挙げられます。M&A仲介は、業務の性質上、担当者の能力に依存する部分が多いサービスです。

担当スタッフとの相性・信頼関係の構築が欠かせません。実際に、M&A仲介会社が担当した経営者にアンケートを取ると、担当スタッフが信頼できる人物であれば、満足度が高い傾向が見られます。

6. IT企業の最新M&A事例17選【2024年】

IT企業の最新M&A事例を17件ご紹介します。

POPERによるティエラコムのM&A

2024年3月、POPERはティエラコムとの間で学習塾領域における業務提携契約、ティエラコムの事業のう ち、学習塾経営支援システムる「BIT CAMPUS」に関する事業を会社分割により承継することを発表しました。

POPERは「Comiru」というプラットフォームを通じて、教育事業者や学習塾の講師が本来の目的である「教える」に専念できる環境を提供しています。今後もシステムの進化と教育機関の運営に関するノウハウの提供を重視しています。

ティエラコムは、自立教育を中心に、独自の教育メソッドや学習塾経営のノウハウを提供しています。当社のクラウドサービス「BIT CAMPUS」は、学習塾の運営を支援するために情報を一元化し、効率的な事務作業を実現しています。

本件により、ティエラコムの学習塾経営ノウハウを「Comiru」に提供し、また「BIT CAMPUS」の承継により、顧客基盤の拡大とシェア向上を図ります。両社の強みを活かし、学習塾の運営とシステムサポートの両面から業界の発展に貢献し、事業拡大を目指します。

参考:業務提携契約締結及び会社分割(簡易吸収分割)による事業の承継に関するお知らせ

SHIFTグロース・キャピタルによるM&A

2023年8月、SHIFTのグループ会社である株式会社SHIFTグロース・キャピタルは、株式会社ヒューマンシステム(の株式(持分比率100%)を取得することを発表しました。

SHIFTグループ内には、開発分野に得意な複数のグループ会社が存在し、品質保証やコンサルティングから生まれた開発ニーズの拡大や各社の事業強化により、クロスセルが進み、ソフトウェア開発の需要が増加しています。
ヒューマンシステムは幅広い業界でシステム開発や技術支援を行い、高い開発力と技術力を備えています。

ヒューマンシステムの参画により、ソフトウェア開発の需要拡大やサービス供給力の強化を図り、エンジニアの働く環境改善やキャリアアップ支援にも取り組む予定です。SHIFTグループは連携を強化し、お客様のニーズに合わせたソフトウェアサービスの提供価値向上を目指すとしています。

参考:株式会社ヒューマンシステムの株式取得に関するお知らせ

電気興業株式会社によるM&A

2023年8月、電気興業株式会社は株式会社サイバーコアの株式取得する株式譲渡契約および第三者割当増資の締結をし、AI領域の子会社とすることを決定を発表しました。

電気興業は、旧国策会社の第二会社としてスタートし、電気通信インフラの整備に従事しました。その後、高周波分野でも誘導加熱技術を採用し、73年間にわたり、通信・放送インフラの整備や自動車の安全性向上などに貢献してまいりました。

サイバーコアは画像AI技術の開発に特化し、独自の鮮明化や軽量化技術を確立。セキュリティ、リテール、公共交通、FA、自動車など幅広い分野に独自技術を提供。CVPRの国際コンペティションで優勝、NISTの顔認証技術ベンチマークでも世界9位の実績を持ち、その技術力は世界的に認められています。

今回の子会社化により、当社のアンテナ製造や設計で培った周波数帯対応の無線通信技術やセンシング技術と、サイバーコアの画像AI技術やセンシングAI技術を組み合わせ、両社の強みを活かした効率的なソリューションビジネスを展開します。これにより、幅広いお客様の課題解決に貢献し、社会への貢献を推進していくとしています。

参考:株式会社サイバーコアの株式取得(子会社化)

カプコンによるM&A

2023年7月、カプコンがソードケインズスタジオの全株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。

ソードケインズスタジオは、コンシューマゲーム開発における3DCG制作技術を強みとし、カプコンの大型作品においても制作実績があるスタジオです。
カプコンは、開発力・技術力の持続的強化を図り、今後も必要な技術力獲得などを視野に開発体制の拡充を図っていくとしています。

参考:株式会社ソードケインズスタジオの株式取得(完全子会社)

ココナラによるM&A

2023年6月、ココナラはポートエンジニアリングの株式を取得し、同社を完全子会社化することを決議したと発表しました。

ココナラは「自分のストーリー」を大切にするビジョンを掲げ、ECサービス「ココナラ」を運営・開発しています。2023年1月には、ITフリーランスと企業をつなぐ「ココナラエージェント」を開始し、月次稼働型のマッチングが可能となりました。企業のIT人材不足に対応し、ITフリーランス向け業務委託市場の成長に貢献していくことを目指しています。

一方、ポートエンジニアリングはITフリーランスエンジニアのエージェント事業を展開し、プラットフォーム「Futurizm」には約3,500名のITフリーランスエンジニアが登録しています。

今回のM&Aにより、ココナラのITフリーランスエージェント事業の拡大が早期に実現され、企業価値の最大化に貢献することが期待されるとしています。

参考:ポ―トエンジニアリング株式会社の株式の取得

エーアイによるM&A

2023年6月、エーアイはエイベックス傘下のコエステ株式会社の株式を取得し、子会社化することを決定したと発表しました。

エステ社は、音声合成技術を活用したコンテンツの企画・制作・開発・運用・流通事業等を行っており、主力商材である「コエステーション」の音声声合成クラウドサービスを中心に事業を拡大しています。

エーアイとコエステは、音声合成事業でともに国内で切磋琢磨した企業であり音声合成事業が合同することで、顧客への安定的なサービス提供の継続や、成長スピードの速い音声合成市場での競争力の強化等、大きなシナジーを見込めるもとしています。

参考:コエステ株式会社の株式取得(子会社化)

EMシステムズによるM&A

2023年6月、EMシステムズはJMDCから株式会社ユニケソフトウェアリサーチ及びその管理目的会社の全株式を取得することを決議したと発表しました。

これにより、当社グループにおけるITを活用したサービスをより一層拡充していくことで、更なる顧客基盤の拡大、薬局現場におけるデジタルトランスフォーメーションを具現化していくとしています。

EMシステムズは国内の2万軒以上の薬局にサービスを提供しており、統計情報を活用した業務支援やキャッシュレス化などのデジタルトランスフォーメーションを推進しています。

JMDCは、2020年9月より当社との業務提携と子会社への出資を通じ、薬局データの蓄積と活用に取り組みました。現在、5千軒以上の薬局からデータ利活用の許諾を得ております。
一方、ユニケは2018年5月に子会社化し、医療の効率化や薬局のデジタルトランスフォーメーションを進めています。特に都市圏で2,500軒以上の薬局にシステムを提供し、地域に密着した基盤を持つと同時に、国民医療費の健全化を目指す活動も行っています。

参考:子会社等の異動(株式取得)に関するお知らせ

CIJによるM&A

2023年6月、CIJは日伸ソフトウェア株式会社を子会社化することを決したと発表しました。

CIJの事業環境は、ソフトウェア開発を主軸としており、お客様からのIT需要は盛んです。システム開発の技術的・量的ニーズは増加していますが、同時に労働人口の減少やDXへの需要も高まっています。この背景から、IT人材の確保や優れた開発技術者の育成が重要な課題です。

日伸ソフトウェアは1984年の設立以来、制御系や通信系など幅広い分野のソフトウェア開発に従事し、システム設計から保守運用までの経験豊富な実績を有しています。また、基幹系システム構築における業務ノウハウも強みとしています。

日伸ソフトウェアの子会社化により、技術者のスキルアップや顧客層の拡大に注力し、相互の成長・発展を目指し、お客様への提供価値を向上させることを目指していくとしています。

参考:日伸ソフトウェア株式会社の株式取得(子会社化)

エレコムのM&A

2023年5月、エレコムは岩崎通信機株式会社の100%連結子会社であるgroxi株式会社の全株式を譲り受け契約締結について決議したと発表しました。

エレコムはネットワーク関連機器を開発・販売しています。
groxi社は、ネットワークの設計や構築・保守・運用に関するサービス提供しています。

これにより、ネットワーク関連分野にてシナジー効果を発揮することで、ハードとソフトを組み合わせ最適なトータルソリューションを全国ワンストップで提供できる企業グループとなり、付加価値の高いサービスを提供するとしています。

参考;groxi株式会社(岩崎通信機グループ)の 株式の取得(子会社化)

ラクスによるM&A

2023年5月、ラクスはHOYAのクラウド勤怠管理・給与明細閲覧サービス事業を子会社化することを決定したと発表しました。

ラクスはクラウド型勤怠管理システム「楽楽勤怠」により複数のクラウドサービスで企業の業務効率化に貢献し、高い売上高成長と利益の創出を実現しています。長期ビジョンである「日本を代表する企業になる」ため、既存サービスの成長と新たなクラウドサービスの追加を通じて持続的な事業成長を目指しています。
HOYAのクラウド勤怠管理・給与明細閲覧サービス事業(以下、取得事業)は2006年のリリース以来、中堅規模の企業を中心に、多様な企業の勤怠管理業務の効率化に貢献してきました。

取得事業のサービスや価格と相互に補完し合う特徴を持ち、企業ターゲットが区別されています。当社のノウハウとリソースの投入により、取得事業の売上と利益率の向上を実現し、クラウド型勤怠管理システム市場におけるシェアの向上が期待されるとしています。

参考:HOYA 株式会社の新設分割会社の株式取得(子会社化)

コアコンセプト・テクノロジーとのM&A

2023年5月、コアコンセプト・テクノロジーはピージーシステムの株式取得(子会社化)することを発表しました。

株式会社ピージーシステムは、地方企業や官公庁・自治体向けの各種システム開発及び運用・保守や、システム開発会社へのエンジニア派遣等を手掛けています。

株式会社コアコンセプト・テクノロジーは、この取引により、地方拠点の拡大とリソースの確保による事業拡大を図るとしています。

参考:株式会社ピージーシステムの株式取得(子会社化)

rakumoによるM&A

2023年5月、rakumoは株式会社アイヴィジョンの全株式を取得し、完全子会社化することを決定したと発表しました。

イヴィジョン社は、IR動画や会社紹介・サービス紹介動画を中心とした映像制作・配信事業を提供しており、リッチコンテンツとして訴求性が高いものを提供しています。

rakumoのサービス開発・運営において、更なる成長を目指すため、アイヴィジョン社を子会社化することで、企業価値の向上を目指します。今後は、アイヴィジョン社のサービスを活用し、弊社グループの事業拡大に取り組んでいくとしています。

参考:株式会社アイヴィジョンの株式の取得(子会社化)

ヤマシタヘルスケアホールディングスによるM&A

2023年5月、ヤマシタヘルスケアホールディングス株式会社は、クロスウェブ株式会社の全株式を取得し、子会社化することに基本合意したことを発表しました。

クロスウェブ株式会社は、ットワーク及びシステムインフラ構築事業を主体とし、医療機関向けの情報システムの開発・提供を行っています。

この取引により、当社グループは医療機関に対するサービスを提供するためのネットワーク及びシステムインフラ構築事業を強化し、持続的な成長と企業価値最大化を目指すとしています。

参考: 株式取得(子会社化)の基本合意

テクノホライゾンによるM&A

2023年4月、テクノホライゾン株式会社は、ウェルダンシステム株式会社の全株式を取得することを決定しました。

テクノホライゾン株式会社は、教育現場において、書画カメラや電子黒板などのICT機器を展開し、学びの環境づくりを支援しています。
一方、ウェルダンシステム株式会社は、スクールマスターZeusというシステムを開発しており、教育現場における校務の改善を支援しています。

この取引により、テクノホライゾン株式会社は、教育現場により深くかかわり、教育の質を高めることができるようになると期待されています。

参考:ウェルダンシステム株式会社の株式取得

Orchestra HoldingsによるM&A

2023年4月、Orchestra Holdingsが株式会社ヴェスの全株式を取得し、資金を借り入れることを決定したことを発表しました。

Orchestra Holdingsはは連結子会社であるSharing Innovationsを中心にデジタルトランスフォーメーション(DX)事業を手掛けており、クラウドやオープン系のプロダクト・技術を駆使して、幅広い業種のクライアント企業のDX化を支援しています。

ヴェスは、20年以上にわたり約1万2,000件以上の検証実績を持ち、ソフトウェアテストサービス市場での高い知見とノウハウを有しています。当社グループに参加することで、市場アクセスの拡大と品質向上が期待され、一気通貫のサービス提供体制や顧客紹介などのシナジーも見込まれています。

Orchestra Holdingsはエンジニア採用や育成に強みを持ち、これらのノウハウをヴェスでも活用し、体制の強化と拡大を図る考えです。ヴェスの参加により、エンジニアのキャリアパスの拡充やグループ内リソースの活性化、生産性向上が期待されます。

参考:株式会社ヴェスの全株式取得

freeeによるM&A

2023年4月、freee株式会社は、取締役会にて、Why株式会社を完全子会社化する決議を行ったと発表しました。

freee株式会社は「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに、統合型クラウドERPを中核とするサービスの開発・提供を行っています。一方、Why株式会社は「ヒトの仕事をクリエイティブなものにする」をビジョンに、作業自動化ツール「Bundle」を提供しています。

この取引により、、Bundleの提供を加速し、アカウント管理のプロダクトやノウハウを活用して従業員データ管理機能を強化し、人事労務領域のサービスを発展させるとしています。

参考:Why株式会社が完全子会社としてグループジョイン

セガサミーホールディングスによるM&A

2023年4月、セガサミーホールディングスは、Rovio Entertainment Oyjを買収することを決定したと発表しました。

Rovio社は、モバイルファーストのゲーム会社であり、世界中でモバイルゲームの企画、開発、パブリッシングを展開しています。特に「Angry Birds」ブランドは、2009年に大ヒットしたモバイルゲームから始まり、アニメやキャラクターグッズなどの幅広いエンタテインメントとして展開されており、累計50億ダウンロードを達成しています。

この買収により、セガはモバイルゲーム領域の強化を通じてコンシューマ事業のグローバル展開を加速させるとしています。

参考:Rovio Entertainment Oyjの買収

7. IT企業のM&A事例14選【2021~2022年】

IT企業における2021〜2022年最新のM&A・売却・買収事例として以下の14事例をご紹介します。

それぞれの事例を順番に見ていきましょう。

GMOインターネットによるM&A

GMOインターネットは2022年2月にイエラエセキュリティを買収しました。

GMOインターネットグループは、インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業、暗号資産事業などを展開するインターネット関連事業を行う東証1部上場企業です。

対象会社のイエラエセキュリティは、サイバーセキュリティ事業を軸として、Webアプリ、スマートフォンアプリ、IoT(モノのインターネット)機器を対象としたセキュリティ脆弱性(ぜいじゃくせい)診断サービスなどを行っています。

今回のM&Aにより、GMOインターネットは電子認証・印鑑事業に加え、サイバーセキュリティ事業に本格参入を目指します。
 

譲渡・売却価額 92億6,200万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 サイバーセキュリティ事業への参入
M&Aの実行日 2022月2月28日

参考:国内最大規模のホワイトハッカー組織を有する株式会社イエラエセキュリティの子会社化

スカラによるM&A

スカラは2022年2月にエッグなどグループ4社を買収しました。

スカラは、4つのテーマである「医療と健康」「農業と⾷」「教育」「地⽅創⽣」から、IT/AI/IoT技術を有し、新規事業の創出・システム開発事業を行っています。

対象会社のエッグは、ふるさと納税のシステムやフレイルの早期発見システムの開発など、全国の⾃治体と取引関係を有するソフトウェア開発会社です。

今回のM&Aにより、シナジー効果創出を目指すとともに事業成⻑を目指します。
 

譲渡・売却価額 10億600万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 ふるさと納税システム、フレイルの早期発見システム取得
M&Aの実行日 2022年2月28日


参考:株式会社エッグの株式の取得(子会社化)

メディアドゥによるM&A

メディアドゥは2022年1月に連結子会社であるNetGalley UK Ltd.を通してSupadü Limitedを買収しました。

メディアドゥは、デジタルコンテンツ流通・システム開発・提供、メディアコンサルティング、各種研究開発を行っています。子会社のNetGalley UK Ltdは、書籍のWebマーケティングツール「NetGalley」の提供をしています。

対象会社のSupadü Limitedは、出版社向けウェブサイト構築とeコマースプラットフォームの提供を行っていました。

今回のM&Aにより、メディアドゥは持続的な事業成長とともに、企業の価値創出を目指します。
 

譲渡・売却価額 8億7,400万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 メディアデータ管理プラットフォームの取得
M&Aの実行日 2022年1月31日

野村総合研究所によるM&A

コンサルティングや金融ITソリューションなどの情報サービスを手掛ける野村総合研究所は、ITテスティングの専⾨家集団としてITシステムの品質向上のコンサルティングなどを行っているPlanit Test Management Solutions Pty Ltdの持株会社であるSQA Holdco Pty Ltdを買収しました。

SQA Holdco Pty Ltdは、テスト専門家が1,000名以上在籍している企業です。オーストラリアに本店があります。主にITシステムの品質向上に関わるコンサルティング業や、テスト自動化ツールなどのサービスを展開しています。オセアニアの政府公共機関や金融機関などが顧客です。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 Planit社が持つ独⾃のノウハウやサービス、顧客基盤を獲得
オセアニアの事業規模拡大
M&Aの実行日 2021年4月末をめどに行う予定


参考:SQA Holdco Pty Ltdの株式取得(子会社化)

アクシスによるM&A

ITソリューションを提供するアクシスは、金融や通信などさまざまな業界へシステム開発サービスを行っているヒューマンソフトを買収しました。
 

譲渡・売却価額 4億1,500万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 アクシスはマンパワーのさらなる強化と事業の多角化を目指す
ヒューマンソフトは経営基盤の強化・取引先の拡充などによる利益率向上と事業の成長を見込む
M&Aの実行日 2021年4月1日

駅探によるM&A

乗り換え案内などのサービスなどを展開する駅深は、主にスマートフォン向け広告配信システムの開発や運用を手掛けるマーベリックを買収しています。

駅探は、経路検索サービスなどをメインに行っているIT企業です。今回の買収は、駅探がマーベリックから分社して設立をするサークアの全ての株式を取得する方法です。
 

譲渡・売却価額 7億8,000万円
M&Aの手法 新設分割と株式譲渡を合わせた手法
M&Aの目的 Webメディアのマネタイズのノウハウ・人材・AI技術などの獲得
アドテクノロジー領域の獲得
多角化による事業リスクの分散
グループのポートフォリオを強化
M&Aの実行日 2021年4月1日(株式譲渡の実行日)


参考:株式譲渡契約締結(子会社の取得)

テリロジーによるM&A

海外のセキュリティ対策のハードウェア・ソフトウェア製品、ネットワーク関連製品の販売を行うテリロジーは、中堅・中小企業を顧客基盤とするシステム開発会社であるクレシードを買収しました。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 企業価値の向上・シナジー効果の獲得
M&Aの実行日 2021年3月29日

 

日本郵政と楽天の資本業務提携

全国の郵便局や物流のネットワークを通して郵便や保険などの事業を手掛ける日本郵政は、Eコマースや金融など多数のサービスを行う楽天と資本業務提携しました。
 

譲渡・売却価額 出資額:約1,499億円
M&Aの手法 資本業務提携・第三者割当増資
M&Aの目的 物流やDX、モバイルなどいろいろな領域で連携を強める
M&Aの実行日 2021年3月29日(出資金払込み日)


参考:日本郵政グループと楽天グループ、資本・業務提携に合意

CAICAによるM&A

金融分野のシステム開発をメインとするCAICAは、暗号資産の取引所運営や取引所運営にかかわるシステム開発や販売などを手掛けるZaif Holdingsを子会社化しました。
 

譲渡・売却価額 約37億円
M&Aの手法 株式譲渡・第三者割当増資
M&Aの目的 スピーディーな経営判断を可能にする
暗号資産ビジネスの強化
M&Aの実行日 2021年3月15日


参考:株式会社CAICAによる当社の連結子会社化について

ミックウェアによるM&A

車載ソフトウェアやプラットフォーム・ナビゲーション開発を手掛けるミックウェアは、主に受託のソフトウェア開発を行うエイチアイを買収しています。
 

譲渡・売却価額 4億5,000万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 車載ソフトウェア開発事業をより強め発展させる
M&Aの実行日 2021年3月1日


参考:エイチアイを買収・完全子会社化

でらゲーによるM&A

スマートフォンゲームの企画・開発・運営をはじめ映像制作も手掛けるでらゲーは、ゲームやデジタルコンテンツのプロデュース事業を行うモブキャストゲームズのタイトル「キングダム乱ー天下統一への道ー」を買収しました。
 

譲渡・売却価額 0円
M&Aの手法 ゲームタイトルのみの買収
M&Aの目的 損失を解消
M&Aの実行日 2021年1月28日

土木管理総合試験所によるM&A

社会インフラに関わる調査やコンサルティング業を行う土木管理総合試験所は、主に熱流体解析ソフトウェアの開発や気流・温熱環境解析などのコンサルティング技術を保有しているアドバンスドナレッジ研究所の株式すべてを取得して子会社化しています。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 企業価値の向上
M&Aの実行日 2021年1月18日


参考:株式会社アドバンスドナレッジ研究所の株式の取得(子会社化)

ビーネックスグループによるM&A

技術者派遣や、ITソフト業界で長い歴史をもつシステム開発を行うビーネックスグループは、金融や流通、製造業界などでシステム開発を行うアロートラストシステムズを傘下に持つレフトキャピタルを買収しました
 

譲渡・売却価額 13億3,500万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 ビーネックスグループは顧客層の拡充や、さらなるエンジニアのスキルアップを見込む
レフトキャピタルは技術者確保を狙う
M&Aの実行日 2021年1月6日

トゥルースによるビーイングに対するTOB

ビーイングの会長である津田氏が代表を務める会社であるトゥルースは、土木積算ソフトを建設業向けに販売を行う企業であるビーイングに対してTOBを行いました。

  • 買付価格:1株900円
  • 買付株式数(買付後の所有割合):4,064,911株(88.17%)
  • 買付期間:2021年2月9日〜2021年3月24日
  • 決済日:2021年3月30日
参考:有限会社トゥルースによる当社株式に対する公開買付け

8. システム開発のM&A・売却・買収事例5選

続いて、システム開発分野のM&Aとして、以下の5事例を紹介します。
それぞれの事例を順番に見ていきましょう。

テクノスジャパンによるLirikの完全子会社化

2024年7月、テクノスジャパンの連結子会社であるTecnos Global Company of America, Inc.(TGCA社)は、同じく連結子会社であるLirik, Inc.(Lirik社)の残りの株式5%を追加取得し、Lirik社を完全子会社化することを決定しました。

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 Lirik社のCEOであるAnand Ghalsasi氏は、売却代金でテクノスジャパンの自己株式を取得し、グループ全体の企業価値向上を目指す方針。今回のM&Aは、テクノスジャパングループの企業統治と資本政策の一環として行われた。
M&Aの実行日 2024年7月

テクノスグループ、シリコンバレーのクラウドインテグレータLirik(リリック)社を買収

ソラコムによるキャリオットの買収

2024年7月、ソラコムは、フレクトのCariot事業を承継する予定の新会社「キャリオット」の株式を一部取得し、子会社化(合弁会社化)することを決定しました。

ソラコムはIoTプラットフォーム「SORACOM」を提供し、フレクトはクラウド技術によるDX支援や「Cariot」サービスを提供しています。

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 モビリティ業界の課題解決を目指し、Cariot事業の成長を加速させる
M&Aの実行日 2024年7月

株式会社キャリオットの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

リミックスポイントとLIDDELLの資本業務提携

2024年7月、リミックスポイントは、LIDDELLとの資本業務提携を決定し、契約を締結しました。リミックスポイントはエネルギー、レジリエンス、メディカル事業を展開しており、LIDDELLはSNS・インフルエンサーマーケティングを主力とする企業です。
 

譲渡・売却価額 -
M&Aの手法 資本業務提携
M&Aの目的 医療機関向けのマーケティング需要が増加する中、両社の専門知識と経験を活かし、最適なマーケティング施策を提供して収益向上と企業価値の向上を目指す
M&Aの実行日 2024年7月

資本業務提携契約の締結に関するお知らせ

ハイブリッドテクノロジーズによるドコドアの買収

2024年7月、ハイブリッドテクノロジーズは、ドコドアの株式を取得し、子会社化することを決定しました。2024年7月17日に80%の株式を取得し、将来的に100%を取得予定です。ハイブリッドテクノロジーズはDX支援を行い、ドコドアはデジタルマーケティング事業を展開しています。
 

譲渡・売却価額 242百万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 対応領域の拡大と新たな顧客獲得を目指し、ドコドアのエンジニア採用力を活かしてサービス提供体制の強化を図る
M&Aの実行日 2024年7月

ドコドア株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

セラクによるマインドの買収

2024年7月、セラクは、マインドの株式を取得し、子会社化することを決定しました。セラクはITシステムの構築・運用を行う企業で、マインドはソフトウェア開発や労働者派遣事業を手掛けています。

セラクは、ローコード開発プラットフォーム「intra-mart」の開発元であるイントラマート社と協業を進めています。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 マインドの熟練エンジニアを迎えることで、DX事業の強化と収益性の向上を目指す
M&Aの実行日 2024年7月

株式会社マインドの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

9. 人材派遣のM&A・売却・買収事例2選

続いて、人材派遣のM&Aとして、以下2つの事例を紹介します。
それぞれの事例を順番に見ていきましょう。

アピリッツによるY’sの子会社化

2022年6月、アピリッツは、Y’sの全株式を取得し、完全子会社化することを決定しました。

Y’sの取締役CEOは引き続き経営に関与します。取得価格は約3億7590万円です。

アピリッツはWebシステム開発やオンラインゲーム事業を展開しており、Y’sはIT人材派遣やWEB制作を手掛けています。

このM&Aにより、アピリッツはY’sの人材育成ノウハウとデジタル人材を活用し、企業価値の向上と中期的な成長を目指します。

株式会社Y’sの株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ

JACリクルートメントによるバンテージポイントの会社化

2020年2月、JACリクルートメントは、香港のVantagePoint Asia Limitedの日本法人であるバンテージポイントの全株式を取得する契約を締結しました。

JACリクルートメントは、世界11ヵ国で人材紹介事業を展開する大手企業です。VantagePoint Asia Limitedは、コンサルティング業界と外資系金融機関に特化した人材紹介を行っています。

今回のM&Aにより、JACリクルートメントは、日本国内でのサービス拡充とグローバル化の加速を図ります。

株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメントによる株式会社バンテージポイントの全株式取得について

10. アプリ制作・ゲーム開発のM&A・売却・買収事例2選

続いて、アプリ制作・ゲーム開発のM&Aとして、2つの事例を紹介します。
それぞれの事例を順番に見ていきましょう。

コロプラとCBI社との資本業務提携

2024年6月、コロプラは、フランスのCrypto Blockchain Industries, SA(CBI社)と資本業務提携を結び、コロプラのグループ会社であるBrilliantcrypto社がCBI社との間でブロックチェーンゲームのパブリッシング契約を締結しました。

コロプラは、ゲーム開発やブロックチェーン事業を展開しており、CBI社はメタバースプラットフォーム「AlphaVerse」などを開発・運営しています。

この提携により、コロプラはCBI社の普通株式を取得し、Brilliantcrypto社が開発する『Brilliantcrypto』の世界展開を加速させることを目指します。Brilliantcrypto社は、PC版『Brilliantcrypto』の配信を欧州連合(EU)、イギリス、南米で行うための契約を締結しました。

【コロプラグループ】メタバースの開発等を行う 仏・CBI社との資本業務提携およびパブリッシング契約の締結により『Brilliantcrypto』の世界展開を加速

テンダによる熱中日和の子会社化

2022年11月、テンダは、熱中日和の全株式を取得し、子会社化することを決定しました。

テンダはクラウドサービスやスマートフォン向けのソーシャルゲーム開発を手掛けており、BtoC領域の強化を目指しています。一方、熱中日和はコンピュータソフトやゲームソフトの受託開発に強みを持ち、特にロールプレイングゲームの企画力に優れています。

今回のM&Aにより、テンダは熱中日和の企画開発力を取り込み、オンラインゲーム事業のビジネスモデル強化を図ります。

有限会社熱中日和の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

11. WEBサービスのM&A・売却・買収事例3選

続いて、WEBサービスのM&Aとして、以下3つの事例を紹介します。

ノンピによるYUKIYAMESHIの子会社化

2024年7月、オイシックス・ラ・大地グループのノンピは、YUKIYAMESHI(東京都目黒区)を子会社化しました。

ノンピはキャラクターカフェ運営や法人向けケータリングを行い、YUKIYAMESHIは料理家・寺井幸也がプロデュースするデリ・ケータリング事業を運営しています。

このM&Aにより、国内ケータリング需要の増加への対応、環境や健康に配慮したサービス提供、売上向上などのシナジー効果を目指します。

ケータリングサービスを展開するノンピがYUKIYAMESHIを子会社化。人気料理家・寺井幸也がCSSO(Chief Sustainability Story Officer)に就任。

LINEヤフーによるゼットラボの吸収合併

2024年7月、LINEヤフーは、完全子会社であるゼットラボを吸収合併することを決定しました。

この合併により、ゼットラボは解散します。LINEヤフーは、インターネット広告やイーコマースなどを展開し、ゼットラボはコンピュータのハードウェア・ソフトウェアの製造・販売を行っています。合併の目的は、開発体制の効率化と経営資源の最大活用を図るためです。

当社完全子会社であるゼットラボ株式会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

クラウドワークスによるソニックムーブの買収

2024年7月、クラウドワークスは、ソニックムーブの全株式を取得し、連結子会社化することを決定しました。クラウドワークスはクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」を運営し、ソニックムーブはWebやアプリの企画・開発を行っています。

このM&Aにより、クラウドワークスはエンジニアやデザイナー領域での付加価値の高い提案が可能となり、フリーランス人材がソニックムーブの案件に参画することで、両社の成長を目指します。

株式会社ソニックムーブの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

12. 海外のM&A・売却・買収事例3選

IT企業の海外M&Aとして、以下の事例を紹介します。

IBMによるStreamSetsとwebMethodsの買収

2024年7月、IBMは、Software AG社からStreamSetsとwebMethodsのソリューションを買収したと発表しました。

IBMは、システムインテグレーターとして世界最大級の企業です。StreamSetsはIBMのAI/データ・プラットフォーム「watsonx」に新たなデータ・インジェスト機能を追加し、webMethodsはIBMのAutomationソリューションにIntegration Platform as a Service (iPaas) 機能を提供します。このM&Aは、IBMのソフトウェア・ポートフォリオ強化を目的としています。

IBM、StreamSetsとwebMethodsの買収を完了

ソニー・ピクチャーズによるアラモ・ドラフトハウス・シネマの買収

2024年6月、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)は、アメリカの映画館チェーン「アラモ・ドラフトハウス・シネマ」を買収したと発表しました。

SPEは、映画やテレビ番組の制作・配給、デジタルコンテンツの配信などを行うグローバル企業です。アラモは北米で7番目に大きな映画館チェーンですが、コロナ禍で経営破綻し、再建を進めていました。

この買収により、SPEは劇場上映や体験型エンターテインメントの強化を図り、アラモは新設される「ソニー・ピクチャーズ・エクスペリエンス」部門の下で運営されます。

ソニー・ピクチャーズ、米映画館運営アラモ・ドラフトハウスを買収

VoodooによるBeRealの買収

2024年6月、フランスのVoodooは、リアルな日常写真をシェアできるソーシャルプラットフォームを運営するBeRealを約844億円で買収しました。

Voodooはスマートフォン向けゲームを手掛ける企業で、今回の買収により、自社の専門知識とテクノロジーを活用してBeRealを成長させ、消費者向けアプリの多様化を図ることを目指しています。

【関連】IT・ソフトウェア業界のM&A事例25選!業界動向・M&Aの流れ・成功のポイントまで

13. エンジニア派遣・SES事業のM&A事例2選

続いて、エンジニア派遣・SES事業のM&A事例を2つご紹介します。

クレスコによるエニシアスのM&A

システム開発および設計、IT分野でのコンサルティングなど展開する会社である「クレスコ」は、アプリケーション開発、Salesforceの開発支援、SES事業などを運営するIT企業である「エニシアス」を買収しました。

M&Aは2020年4月に実施され、買収価額は2億8,000円です。

FPGによるケンファーストの買収

全国約5,000の会計事務所、約140の証券会社、地方銀行と提携しリースアレンジメント事業や不動産事業などを行う企業である「FPG」は、金融業界で用いる基幹システムの開発やSES業務などを展開するIT企業である「ケンファースト」を買収しました。

本M&Aは2020年4月に実施され、買収金額は5億7,500万円です。

14. IT業界のM&Aアドバイザーコメント

企業情報第二本部 第二部 部長
鎌田 実築

三菱UFJ銀行にて中堅中小企業法人担当として、企業再生支援、事業承継支援、資産活用コンサルティング等幅広く活動。その後M&Aアドバイザーとして複数の業種で成約実績を積み、規模・エリアも問わず幅広い相談に対応。

IT業界の全体像

IT業界は、システム・ソフトウェア開発、アプリ・WEB制作、情報処理、通信等、情報技術を専門とした業界です。発展を続ける当業界は多様化が続き、これからも市場拡大が予想されており、M&Aについても最も盛んに行われている業種とも言われております。
M&Aが多く行われる業界となっている理由として、業界の特徴が2つが挙げられます。

IT業界の特徴

まず一つ目の特徴は、「慢性的な人材不足」です。IT業界は技術の進歩が速いため、新たな技術を扱える人材が常に求められます。また、比較的新しい産業と捉えがちのIT業界ですが、既に60年を超える歴史があり、中心メンバーの世代交代が必要な中小IT企業も多く見られます。

企業の大小、売り側買い側を問わず、優秀な人材を持った企業とM&Aをすることで、自社の成長・発展に必要な人材を効率的に確保することが可能となるため、この選択肢を選ばれる企業が増えている一つの理由になっています。

二つ目の特徴は、「多重請負型構造」です。IT業界は建設業界や自動車業界と同様に、多重請負のピラミッド構造になっています。多重請負型とは大手が請け負った案件を数多くの下請け企業に委託、この下請け企業が孫請け企業に委託し、業務を行うという構造です。そのため下請けや孫請け企業は案件の単価が下がり薄利となり、従業員の待遇も大手のそれと比べると悪くなります。

この様な構造は、大手にとって必要な時だけ発注出来るというメリットがありましたが、前述の人材不足の影響もあり、常に必要な技術を持つ下請けであれば、M&Aをすることで、発注先を確実に確保出来るようになります。また、多重請負構造において、孫請け企業以下の階層で委託を受けていた企業側は、M&Aにより大手企業のグループ会社となることで、多重請負のピラミッドを脱し、大手企業により近い単価で委託を受けられ、従業員の処遇も改善が見込めます。売り側買い側双方にメリットがあるため、これらも多くのIT企業がM&Aを選択する理由になっています。

IT業界の今後の展望

最後に今後のIT業界の展望としては、更なる業界の多様化に伴い、M&Aが益々増えていくものと予想しています。
IT業界は、人材で成り立っています。また、必要とされる人材は、技術の進歩と共に、目まぐるしく変化しています。M&Aにおける中小企業についても、同じことが言えます。

そのため、将来的にM&Aを検討している中小企業経営者様は、業界での自社の立ち位置を常に把握し、市場に確りと必要とされている時期を逃さずにM&Aの決断をすることが、良い結果に繋がるものと考えられます。
 

15. IT企業のM&A・売却・買収事例のまとめ

IT企業のM&Aは活況を呈しています。今後のIT業界におけるM&A動向は、ますます勢いを増すことが予想されます。異業種・他業種からの参入や、異業種・他業種へのM&Aが増加するでしょう。

IT企業のM&Aによる売却・買収は専門知識が必要となるため、M&A仲介会社のサポートを受けながら進めることをおすすめします。

16. IT業界の成約事例一覧

17. IT業界のM&A案件一覧

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