M&Aの実務を徹底解説!おすすめの本も紹介!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&Aは専門家の協力は必須ですが、自社の実務担当者となった場合は、最低限の実務の知識は知っておく必要はあります。そんなM&Aの実務の進め方について要点をまとめました。また、より詳しく学習しやすいおすすめの本をご紹介します。

目次

  1. M&A成功の秘訣は実務の事前準備
  2. M&Aの実務手順
  3. M&A実務プロセスに必要な書類
  4. M&A実務を学ぶのにおすすめの本5選
  5. M&Aの実務まとめ
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  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談

1. M&A成功の秘訣は実務の事前準備

M&A成功の秘訣は事前準備

M&Aは売る側も買う側も、大変大きな取引です。当然ながら、プロセスは複雑で様々な要素が入り、簡単に事が進むことは多くはありません。

従って、M&Aの実務に入る前に、まず最低限は以下のような、ご自身がM&A、会社売却をする動機や目的などをはっきりさせるプロセスが必要です。

なお、本記事では単に「売却」と記載していますが、これには「譲渡」などM&Aに含まれる他のスキームも含むものとします。

M&A、会社売却をするための動機を明確にする

M&Aの動機

M&A、会社売却は大きなイベントとなりますので、ある程度の時間をかけて粘り強く交渉をしたり買い手を探す方が、結果的にはM&A、会社売却を成功に導くことができる可能性が高くなります。

そこで大事になってくるのが、「どれだけ良い条件で売れるか?」という事で、それを突き詰めれば「どうして会社売却、M&Aをするのか?」という動機がとても大事になります。

最初の動機はしっかり記録しておくべき

M&Aの動機の記録

後継者不足や事業再編、セミリタイアなど、M&A、会社売却の動機は人それぞれです。

時間のかかる、時には厳しい交渉実務において、こうした動機はM&A、会社売却を成し遂げるためのモチベーションとして非常に重要です。動機は記録しておき、M&Aの各プロセスにおいていつでも見直せる状態にしておくことが大事になってきます。

M&Aの目標、目的を明確にする

M&Aの目標、目的を明確

動機がはっきりしたら、M&A、会社売却の目標と目的が大事になってきます。

具体的に、M&A、会社売却をしてどうなりたいのか?何が欲しいのか?といったことも記録しておき、行動の指針にすることです。

交渉の場面で非常に沢山の選択を迫られることなりますが、ここがぶれなければ迷いも少なく、判断力を欠くことなくプロセスを前に進められます。

目標としては、今後の会社運営面も含めて、少なくとも以下は設定しておくべきだと考えられます。

・M&A、会社売却で得たい資金の金額

・会社のガバナンスや経営者自身のその後の身の振り方などの会社運営について

・給与水準をや人事においての約束事、解雇の条件など、従業員をどうするかについて

・取引先との関係

M&Aのことについてまずは知る

M&Aのことについてまずは知る

動機と目的がしっかりと定まった後は、実務に向けて会社売却やM&Aについての知識を最低限でも良いので持つようにする必要があります。

基本的には専門家やM&A仲介業者の手を借りなければM&A、会社売却の実務は進みません。高い専門性と知識が豊富なM&Aのエキスパートが対応してくれるため、そのプロセスにおいて任せられるところは任せても大丈夫ですが、任せっきりにしてしまうと思わぬところで失敗をしてしまう可能性があります。

失敗しないM&A、会社売却の実務を進めるために、自身で少しはM&Aに関する知識を身につけておくプロセスは必須です。

2. M&Aの実務手順

M&Aの実務手順

動機や目的が定まったら、M&Aの実務に移ります。

ただ、M&A仲介業者などへ相談に行く前に、まず社内での検討を要する点もいくつかありますので、まずは社内における「M&Aの実務手順1」の「事前準備」から始まります。

M&Aの実務手順1.事前準備

M&A実務の事前準備

社内でのM&Aの実務の事前準備として最初にやるべき手順は、売却条件の検討と優先順位付けです。

具体的には、以下の項目を一つ一つ決めていきます。

・全部の事業を売却するのか、それとも一部にするのか

・売却価格をいくらに設定するか

・どんな方法で売却するか


また、この売却条件にもしっかり優先順位を決めておくことで、交渉がうまく進まないときにも、自社が譲れるものと譲れないものを明確にし、プロセスを前に進めやすくなります。

加えて、どのように検討したらよいかわからない場合は、この段階でM&A仲介業者への相談するのもありですが、M&A仲介業者はあくまで外部の人間です。言いなりになるのではなく、少なくともこれら条件の最終決定権は自社にあることは肝に銘じておく必要があります。

M&Aの実務手順2.業界・企業分析

業界・企業分析

M&A、会社売却の相手企業は、単に事業を引き継いでくれるところではなく、M&Aの一連のプロセスが終わった後にも、技術の向上やコスト削減などのシナジー効果(相乗効果)の大きい企業の方が、当然ながら成功したM&Aと言えます。

そこで、どのような企業(どのような業種で、どのような地区か、どのような強み弱みを持つか)が最高の買収候補先企業となるかを検討する手順が必要です。

ただしシナジー効果(相乗効果)を検討するにあたっては、自社のこともよく理解していなければなりません。そこで、自社の業務プロセスや強み・弱みを十分理解するとともに、属する業界の特徴や機会・脅威なども改めて分析するプロセスも入ります。

M&Aの実務手順3.M&A仲介業者への相談

M&A仲介業者への相談

次に、M&A仲介業者を決めます。M&A仲介業者に売却に関する条件をよく説明して、こちらの気持ちや考えを十分に理解してもらっておくことも大事なプロセスです。

M&A仲介業者に相談をすると、売却の目的・希望条件などについてのヒアリングが行われ、実現可能性などについてアドバイスをもらえます。

また、会社を売却する際に最も関心が高いのは、自社がいくらで売れるのかということですが、ほとんどのM&A仲介業者からはこの時点で、簡易評価によるおおよその金額を算定してもらえます。

M&A相談はM&A専門の会計士にお願いすべき

M&A相談を誰にすればいいか分からない方はまず、M&A総合研究所にご連絡ください。
他の仲介会社であれば資格のないような営業職の方が対応します。M&A総合研究所はM&A専門の会計士が対応しますので安心です。

M&A総合研究所の強みを整理しておきます。

  • 会計士が仲介業務をするので安心(他の会社は会計知識のない営業がする)
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まずはお気軽にご相談ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所

M&Aの実務手順4.アドバイザリー契約締結

アドバイザリー契約締結

M&A仲介業者へ相談をする中で、売却の意思が固まったら、M&A仲介業者とアドバイザリー契約の実務に入ります。

アドバイザリー契約とは、不動産媒介契約でいう専任媒介契約のようなもので、当該M&A仲介業者にM&A業務の全てを委託する契約をいいます。状況によっては、M&A業務の一部を委託する契約を締結する場合もあります。

アドバイザリー契約の締結の手順を踏むと、M&A仲介業者から、自社のさまざまな資料について提出を依頼されます。

それをもとにM&A仲介業者は「ノンネームシート」と呼ばれるA4用紙1枚程度の売却希望企業の社名を伏せた簡単な説明資料と、「企業概要書」と呼ばれるA4用紙20~30枚程度の社名も掲載した詳細な説明資料の二つの資料を作成します。

M&Aの実務手順5.売買先企業の絞り込み

売買先企業の絞り込み

その後M&A仲介業者は、相手となる買収候補先企業をリストアップします。

リストアップの際のポイントは、業種・企業規模・地域・事業内容・資力などがあり、これらから条件に合う企業を30社程度です(中にはもっと多いリストアップを行うM&A仲介業者もあります)。

自社の実務としては、それを確認し、買収候補先企業への持ち込みについての可否、ならびに持ち込みの順位付けになります。

M&Aの実務手順6.秘密保持契約締結

秘密保持契約締結

M&A仲介業者を通して、買収候補先企業に自社の情報を持ち込んでもらうには、M&A仲介業者と秘密保持契約書を締結する実務が発生します。

M&Aで「会社を売りたい」という情報が売却希望企業の従業員や取引先などに漏れると、動揺などから業務に支障をきたす恐れがありますので、秘密保持契約書をきちんと締結した上で、情報を提供する手順が必須です。

秘密保持契約締結後は、まずは「ノンネームシート」で買収候補先企業の関心の有無を確かめます。関心があれば「企業概要書」を開示した上で、プレゼンテーションを行います。売却希望企業の条件や今後のスケジュールについても説明を行います。

また、通常は買収候補企先業もM&A仲介業者に対して秘密保持契約を結んでいます。したがって、自社の情報がM&A仲介業者を通じて買収候補先企業に提供されたとしても、売却交渉が行われている事実を第三者に開示・漏洩しないことや、開示された情報を買収の検討以外の目的に使用しないことは、買収候補先企業の契約上の義務になります。

M&Aの実務手順7.トップ面談

トップ面談

「ノンネームシート」や「企業概要書」を通じて買収候補先企業からM&A仲介業者あてに、自社に関心がある旨の連絡が来たら、経営者同士のトップ面談となります。

ただし最初はあくまでも「交流」の場であり、M&Aの「交渉」の場ではありません。お互いの人と成りを確認することが目的です。そこでまずは、それぞれの自己紹介や質疑応答が中心で、お互いの会社や工場などを見学も行われたりします。

そこからまた一歩先の手順として、M&A、会社売却の条件交渉に入ります。一回の面談でM&A、会社売却の条件交渉に入るかは、その時々によります。

ただし、条件交渉については直に交渉することが難しいこともありますので、M&A仲介業者に「緩衝材」の役割を担ってもらいつつ、条件のすり合わせを行います。ここでいう条件とは、例えば売却金額や売却予定日などです。

M&Aの実務手順8.基本合意書の締結

基本合意書の締結

トップ面談や条件交渉を通じて、自社と買収候補先企業が双方とも概ねお互いを理解し、M&Aを進めることに合意ができたところで、買収候補先企業と基本合意書を締結する実務です。

ただしこれは、手順としてはまだM&Aのプロセスの中の仮契約であり、本契約ではありません。基本合意書による契約は、あくまでもM&Aの検討をお互いに続けることを確認する契約です。

この契約の中には、売却予定金額や譲渡予定日、買収監査の進め方、独占交渉権の付与などが記載されます。

M&Aの実務手順9.デューデリジェンスの実施

デューデリジェンスの実施

M&A、会社売却の基本合意書の締結後、ただちにデューディリジェンスの実務に入ります。

デューデリジェンスの目的

デューデリジェンスの目的

デューディリジェンスは、M&Aにおける自社と買収候補先企業の情報の非対称性の解消を目的とする実務です。

自社の経営情報はよく把握していますが、買収候補先企業にしてみれば、自社の内部情報は持っていないので、経営実態を的確に把握することができません。いわば、M&Aにおいては買収候補先企業は情報弱者です。そこには「情報の非対称性」が存在することになります。

この非対称性を解消し、自社と買収候補先企業が対等な立場で検討・交渉を行えるようにすることが、デューディリジェンスの重要な役割かつプロセスです。したがって、デューデリジェンスは自社ではなく、買収候補先が知りたい事柄に沿って行う実務となります。

デューディリジェンスを通じて明らかにするもの

デューディリジェンスを通じて明らかにするもの

デューディリジェンスの実務を通じて明らかにするものは、買収候補先企業から見て、大まかには以下の通りです。

・そもそも買収は可能なのか

・買収価格は適正か

・買収後にやりたいことを妨げる事情はないか

・その他、この買収を行うべきでない特殊な事情はないか

デューデリジェンスで必須の項目

デューデリジェンスで必須の項目

そして、それを明らかにするために行う項目は、買収候補先企業の意向によってはたくさんありますが、主要で必須と言われるものは「財務」「法務」「労務」「ビジネス」のデューデリジェンスの実務になります。

【財務】
書面で示された資産が実在しているか、書面に記載のない負債が隠れていないか、損益計算書は正しく作成されているか(粉飾はないか)など

【法務】
企業が締結しているさまざまな契約書はM&Aを進めるうえで妨げにならないか、法令を遵守した経営がなされているか、など

【労務】
就業規則、賃金規定、退職金規定などの各種規程や残業代や有給休暇、組織上の内規や稟議のルールなど

【ビジネス】
営業の進め方、在庫管理方法、集金方法など

デューデリジェンスは誰が行うのか

デューデリジェンスは誰が行うのか

デューデリジェンスの実務は買収候補先企業からの依頼によって行われますが、財務や法務に関することは専門的すぎて買収候補先企業だけでは難しいため、それぞれ公認会計士や弁護士を中心としたデューデリジェンス専門のコンサルタントが実務を請け負います。

それ以外の労務やビジネスについては、買収候補先企業の人が調査の実務をするのが一般的です。よって、デューデリジェンスは以下の3チームで行うことが多いです。

・ビジネスデューデリジェンス

・財務デューデリジェンス

・法務デューデリジェンス

その他、案件によっては別途、専門家による人事労務デューデリジェンスチームやITデューデリジェンスチームなどが作られ、実務を行うこともあります(通常はこれらはビジネスデューデリジェンスチームに含まれる)。

デューデリジェンス結果の活用方法

デューデリジェンス結果の活用方法

デューデリジェンスの結果に基づいて、より具体的に今後の方針を決定する手順に入ります。

デューデリジェンスの結果は、今後の実務において、M&Aの最終契約書の基礎ともなりますし、株主に対する説明責任の役割も果たすことになります。

特に売却価格に関しては、M&A、会社売却において最も重要な部分ですので、しっかりと検討する必要がありますが、問題がないならば、最終契約締結の実務に向けて、売却価格及び条件の見直や、表明・保証などについての最終的な交渉のプロセスに進みます。

ただし、思わぬ問題が発覚したり、予想よりも収益性がないと見込まれた場合には買収候補先企業とのM&A、会社売却の最終合意が難しくなり、交渉が頓挫することにもなりかねません。

デューデリジェンスの課題

デューデリジェンスの課題

会社を売却する側はデューディリジェンスを受ける立場です。買収候補先企業に適正な情報と印象を与えることは、M&A、会社売却のプロセスの中で非常に重要な実務となりますので、適切な対応を心がけましょう。

ただし、デューディリジェンスでは、初期段階で開示した情報よりも詳細な情報を開示することとなり、受ける側の従業員にとってはかなり負担のある実務になります。開示資料の準備、プレゼンテーションのための資料作成と予行演習、質問対応、追加の資料要求への対応などを、日常業務を兼ねながら実務を行わなければなりません。

また中小企業の場合は、内部管理体制は完璧とは言えないため、要求された資料が作られていないケースも珍しくはありません。特に、法的に必要とされる書類を作成していない場合には注意が必要です。

資料の不足などが重なり、売却価格を毀損してしまっているケースも珍しくありません。

それを避けるには、M&A、会社売却に動いた初期の段階で、顧問税理士などと相談しながら瑕疵のない書類を整備するなどの手順を計画に入れておきましょう。

また、売却側だからといって、買収候補先企業の言いなりになる必要はありません。デューディリジェンスによって出された価格が妥当かどうかは、自社でも判断できるよう専門家とともに準備をしておくことが大切です。必要な場合は客観的な資料をともに反論・交渉を行い、調整します。

M&Aの実務手順10.最終契約締結

最終契約締結

デューデリジェンスの結果をもとに、M&Aの最終条件や細目事項の決定をし、M&Aの最終契約書案を作成する実務に入ります。

この段階で、M&Aの最終条件の決定を行うために、以下ののような事項について決定しなければなりません。 また、デューデリジェンスで指摘された事項があればその内容を条件にどのように反映させるかも検討する実務も入ります。

・M&A取引(売却)価格
・退職金をどうするか
・従業員の処遇
・役員の処遇
・支払い方法
・連帯保証や担保提供の解除方法
・契約書に書いていない債務が発生した場合どうするかなど。
・その他細目事項の決定(社宅をどうするか、骨董品やゴルフ会員権の取り扱い、役員人事等)

また、M&Aのクロージングに向けて、スケジュールの調整や場所の手配の実務、株券の準備が必要な場合は株券の準備の実務、最終契約書の製本の実務、売却後の引き継ぎ計画の実務の他、様々な実務も、M&A仲介業者や各専門家のサポートを得ながら進めていくことになります。

M&Aの実務手順11.クロージング

M&Aクロージング

M&Aにおいて、株式譲渡であれば株式の譲渡、事業譲渡であれば事業の譲渡を完了させるための実務のことをクロージングと言います。すなわち、株式の譲渡又は事業の譲渡の手続きと、それに対する譲渡代金の決済手続のことです。

M&Aにおいては、最終契約締結のプロセスと同時にこのクロージングの実務が行われることもありますが、多くの場合は、最終契約書を締結した後日(1ヶ月程度後が多い)にクロージングの実務が行われます。

これは、通常M&Aの最終契約書には様々な前提条件が規定され、これらの条件が満たされた場合にクロージング日において、M&Aが実行されると定められていることによります。

最終契約締結日からクロージング日までは、これらの前提条件を満たす実務を行うための期間です。前提条件が満たされていることを確認してから、M&Aのクロージングになります。

これにより、M&Aそのものの実務のプロセスは完了です。

3. M&A実務プロセスに必要な書類

M&A実務プロセスに必要な書類

どのようなM&A、会社売却の場合でも、ほぼ以下の書類を準備することは必須の実務です。

ただし、通常はしっかり管理されているか、簡単に取得できるものが中心です。

会社の基礎資料

会社の基礎資料

会社の概要を説明する資料になります。M&Aにおいては以下のものが必要です。

・会社案内・会社経歴書・工場案内等
・定款(最新のもの)
・会社商業登記簿謄本(法務局より最新の履歴事項全部証明書)
・株主名簿
・議事録(株主総会、取締役会、経営会議等 添付資料含む)

財務関係

財務関係

確定申告にあたって必要となるものが中心です。税理士事務所に相談しましょう。

・決算書・期末残高試算表・勘定科目内訳明細 3期分
・法人税・住民税・事業税・消費税申告書 3期分
・減価償却資産台帳(直近期末分)
・月次試算表(直近期1年分及び進行期分)
・支払保険料内訳・租税公課内訳(総勘定元帳の写しなど) 3期分
・固定資産課税明細書(最新分)
・土地・建物の登記簿謄本(法務局より最新の全部事項証明書)
・事業計画

営業・製造関係

営業・製造関係

自社の営業実態を詳細に説明する資料になります。M&A、会社売却においては、通常公開しないものも提出する必要があります。

・製品・サービスのカタログ
・店舗・事業所の概況(所在地、人員数等)
・採算管理資料(部門別・商品(製品)別・取引先別等) 3期分 要約したもの
・売上内訳(部門別・商品(製品)別・取引先別等) 3期分 要約したもの
・仕入内訳(部門別・商品(製品)別・取引先別等) 3期分 要約したもの

人事・労務関係

人事・労務関係

中小企業においては、きちんと作成・管理されていないケースも多い書類です。そのような場合はM&A、会社売却に取り掛かったら、できる限り揃えるように準備が必要です。

・組織図(組織別人員数もわかるもの)
・主要役員・部門長の経歴書
・従業員名簿(生年月日・入社年月日・役職・取得資格がわかるもの)
・社内規程(特に就業規則、給与、資金規程、退職金規程)
・給与台帳(直近期末分)

契約関係

契約関係

各種の契約関係の書類です。契約があるものは準備しておく必要があります。

・土地・建物の賃貸借契約書
・銀行借入金残高一覧(返済予定表、差入担保一覧)
・保険積立金の解約返戻金資料(直近期末時点の金額)
・株式・ゴルフ会員権等の保有数量がわかる資料(取引残高報告書、現物集計など)
・金融商品・デリバティブ(為替予約、スワップ、仕組み債等)の最新時価資料
・取引先との取引基本契約書
・生産・販売委託契約書
・リース契約一覧
・連帯保証人明細表
・株主間協定書
・その他経営にかかわる重要な契約書

その他重要事項(許認可関係)

許認可関係

許認可はM&Aのスキームによっては買収先に引き継げない場合もありますが、自社の活動の根拠になるものなので、準備が必要です。

・事業活動に必要な全ての免許、許認可、登録、届出の各書類

4. M&A実務を学ぶのにおすすめの本5選

M&A実務を学ぶのにおすすめの本5選

M&A、会社売却は、専門的なことは専門家に任せる必要があるにしても、大きな決断の当事者になる以上は、当然ながらM&Aの基礎的な知識と実務の流れは知っておく必要があります。

事前準備の段階で、知っておくべきM&A実務の基本を学ぶことができる本を5つ紹介します。

M&A実務を学ぶのにおすすめの本1

『トップM&Aアドバイザーが初めて明かす 中小企業M&A 34の真実』

『トップM&Aアドバイザーが初めて明かす 中小企業M&A 34の真実』
藤井一郎、東洋経済新報社 (2013/6/21)

著者は、中小企業のM&Aを手掛けるインテグループ株式会社の代表取締役社長で、主に以下の点について明らかにしながら、『売り手』『買い手』『仲介会社』それぞれの視点からの中小企業M&Aの実際をまとめた本です。

・大企業のM&Aと中小企業のM&Aでは何が根本的に違うのか?
・M&Aの成功率は低いのか?
・M&Aで人気のある業種、人気のない業種はあるのか?
・オーナー社長はどういう理由で会社を売却しているのか?
・会社を売却するベストタイミングはいつか?
・売却しやすい会社とはどういう会社か?
・M&Aで従業員の雇用は守られるのか?
・買い手の買収理由や買収戦略には、どのようなものがあるか?
・シナジーとは何か? どのようなシナジーがあるか?
・売り手および買い手のM&A成功のポイントやおかしやすいミスとは?
・仲介会社とアドバイザリー会社の違いとは?
・仲介会社は何を基準で選ぶべきか?

また、中小企業の経営者がなぜM&Aで会社を売るのか、また買い手企業はどういう戦略で買収しているのか、その立場と思考行動経路を、かなり本音に踏み込んで解き明かしながら説明されています。

簡単すぎる訳ではないですが、説明は極めて論理的で、M&Aの本の中では読みやすい一冊です。実務の事前準備の段階で、どういう考え方をもってこれからM&A実務を進めていくべきなのか、大変参考になります。

M&A実務を学ぶのにおすすめの本2

200万円でもできるM&A~百年企業を育てる最強のM&A活用術~

『200万円でもできるM&A~百年企業を育てる最強のM&A活用術~』
萩原直哉、スモールサン出版 (2013/5/31)

著者は中小企業のコンサルティングを行っている株式会社オプティアスの代表取締役です。この会社は中小・零細企業を専門としたM&Aアドバイザー業務も行っています。

著者は以前、信用調査会社に勤めており、その間に1,000をはるかに超える企業の経営者と面談をされた経験があるようです。現職のM&Aアドバイザー業務でもこの経験を生かしており、また本書でも従来はあまりスポットの当たりづらかった、中小企業の小規模なM&A実務についての実践的な内容が中心です。

中小企業ならではの、ピンチな場面での守りの戦略としてのM&Aだったり、限られた経営資源の中でのなまなましい現場のM&Aの実務に力点を置いた内容です。

大変読みやすくわかりやすいので、M&Aの実務に進む前段の検討段階で読んでおくと良いと思われます。

M&A実務を学ぶのにおすすめの本3

M&Aの契約実務

『M&Aの契約実務』
藤原総一郎他、中央経済社 (2010/7/1)

シンプルなタイトルの、弁護士の共著によるものです。

M&Aで締結される最終契約の概要の解説と、典型的な契約条項の法的性質、意図・趣旨・条項の相互関係などが、体系的に書かれています。

また、守秘義務契約や基本合意書など、前段階で交わされるM&Aの契約書についても整理されています。

M&Aの契約実務に関する、抑えるべきポイントはほぼ網羅されていて、かつとても解り易く、しっかりと解説されている一冊です。M&Aの企業実務担当者として知っておくべき内容は、これ一冊で十分かと思われる内容です。

実務で疑問点があれば、まずは本書をヘルプ的に使っても良しという感じで、かなり実務寄りになります。

M&A実務を学ぶのにおすすめの本4

公認会計士と弁護士が教える「専門家を使いこなす」ためのM&Aの知識と実務の勘所

『公認会計士と弁護士が教える「専門家を使いこなす」ためのM&Aの知識と実務の勘所』
木村直人他、日本法令 (2015/3/19)

M&Aを経験することは、そうあることではありません。企業側のM&A実務担当者となっているのは、初めてM&Aの実務に直面している人であることがほとんどです。

こうした場合にありがちなのが、実務をM&Aの専門家に『丸投げ』です。

本書は、M&Aを専門家に依頼する側が、M&Aに関する実務の基礎知識を身に付け、専門家が何を行っているのかを理解し、さらに一歩進んで「専門家を使いこなすことができるように」という視点で書かれています。

また、「専門家を使いこなす」場面ですから、内容はデューデリジェンスの実務に重きを置いています。デューデリジェンスにおいて弁護士や会計士がどのような点に着目し、どのような作業を実施しているのか、そのあたりの基礎知識と裏事情が書かれています。

デューデリジェンスの実務においては、ぜひ頭に入れておきたい内容の一冊と言えます。

M&A実務を学ぶのにおすすめの本5

M&Aドキュメント 事業売却

『M&Aドキュメント 事業売却』
藤田浩、商事法務 (2004/03)

少し古い本ですが、現実のM&Aの流れを参考に物語形式で記述した本です。ハウツー本ではわかりにくいM&A実務の流れも、本書は小説形式で書かれているので読みやすいです。

文章は簡潔でかなり読みやすく、内容も入門書の部類ですが、事業売却の実務の流れは時系列できっちりと書かれています。まだM&A実務の全体の流れがいまいちわからない段階で読んでおくと、楽しみながら流れのツボを一挙に押さえることができる一冊です。

また、物語形式ですので、何となくM&Aの実務の現場の雰囲気を予習しておくことができます。これは、他のM&Aの実務的な本には無い、本書の特徴と言えます。

5. M&Aの実務まとめ

M&Aの実務まとめ

M&Aを検討するにあたっては、実務の前にまず動機と目的をはっきりさせることが重要です。これが、M&Aの交渉の要となります。

実際の実務に入ったら、専門家に任せるべき点は任せてよいですが、自社の実務においては最低限の知識と手順はしっかり入れておく必要があります。でなければ、売却側として価格を必要以上に下げざるを得ないなどの不利益が発生する場合もあります。またそれが、M&Aに携わる専門家を有効に使っていくことにも繋がります。

提出書類は、通常はしっかり管理されているものばかりですが、かなりの量になりますので一気にとっさの対応は難しいところです。M&Aの実務が動き始めたら基本的に必須の書類は、手順を踏んで準備しておく必要があります。

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