M&Aにおける法律の手続きのポイント・注意点まとめ!

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

M&Aを行う際には、契約書の作成をはじめ、さまざまな場面で法律が関係します。弁護士に相談しながら法律に則り、M&Aを進めていくことが大切です。今回は、M&Aに関する法律と、その法律がどのようにM&Aに関わってくるのか、そして弁護士の役割を解説します。

目次

  1. M&Aと法律の関係性
  2. M&Aの法規制
  3. M&A契約書と法律の関係
  4. M&Aにおける弁護士の役割
  5. M&Aの法律に関する相談先
  6. M&Aにおける法律まとめ
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1. M&Aと法律の関係性

M&Aに関係のある法令は、数多くあります。しかし、自ら法令を全てチェックするのは難易度が高く、さらに通常の業務に支障をきたしてしまうため、非効率といえるでしょう。

一方で、法令の定めを遵守せずにM&Aを実行してしまうと、無効となってしまうケースも発生します。適用の可能性がある場合は、必要な法令がどれなのかを考える必要があるでしょう。

M&A進行に際して法律を確認する重要性

M&Aを行う際、会社設立、組織、運営、管理を規律する会社法が適用されます。

会社法では、M&Aにより不利益をこうむる可能性の高い債権者や従業員保護のため、さまざまな法律が定められています。会社分割の場合、労働者保護として労働契約承継法が制定されているでしょう。したがって会社法や労働契約承継法に沿って手続きを進めることが求められます。

それとは別に、取引などを規制する、金融商品取引法、独禁法、外為法(外国為替及び外国貿易法)などもあるでしょう。他にも許認可が必要となる業種もあります。

このように、M&A進行に際して必要となる法律は数多くあり、買い手や売り手の業種、規模、M&Aの手法などによって、法律を確認する必要があるでしょう。

M&Aに関係する主な法律

M&Aを行う際には、合意書や契約書など、さまざまな書類を作成します。いずれの契約書類においても、関連する法律について十分に注意しなければなりません。M&Aの際に関係してくる主な法律には、以下のようなものがあります。

  • 独占禁止法
  • 会社法
  • 金融商品取引法
  • 税法
  • 労働契約法
  • その他の雇用関係の法律
  • 民事再生法
  • 産業競争力強化法
  • 業種特有の法律
  • その他の関連法律

これらの法律は、M&Aを進めていくにあたって、さまざまな場面で関与してきます。どの法律もしっかりと頭に入れたうえで、実施するM&Aの内容に当てはめていくことが大切です。ここでは、M&Aに関する主な法律の概要を説明します。

独占禁止法

「独占禁止法」の言葉はよく耳にしますが、正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」です。「独禁法」と略されることもあります。独占禁止法は、市場経済の中でも一番基本となるルールです。

市場とは、物やサービスが売り買いされる場のことで、商品ごとに市場が存在します。そして、市場が成り立つ経済の仕組みこそが市場経済です。その市場経済で大切なのは、市場競争があることに他なりません。

世の中には数えきれないほどの商品がありますが、そのほとんど全てに競争があります。商品を販売している企業は、物やサービスの質を争い、どのくらいの価格で消費者に提供できるのかを競争しています。この競争によってさまざまな物やサービスが生まれ、消費者は選択できるでしょう。

もし、企業同士が手を組み、商品の値段を一律にし、どんどん値上げしたとしましょう。その場合でも、世の中にはその値段の商品しかないため、消費者が必要とすれば、どんな値段でも買うしかなくなります。

企業側が商品を独占する事態になると、このように消費者が搾取されてしまう危険があるでしょう。そこで、正しく市場経済の競争が成り立つために、独占禁止法があります。

会社法

「会社法」は、経済のグローバル化が進む真っただ中にあった、2006(平成18)年に施行されています。それまでは商法の中にある「第2編会社」「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律」「有限会社法」の3つが会社に関わる法律でした。

この3つが合わさり、分かりやすくまとめられたものが、現在施行されている会社法です。会社法には、会社の設立・運営・買収など会社に関するさまざまな法律が詳細に記載されています。

2006年の会社法制定を機に大きく変わった点としては、資本金1円から株式会社を設立できるようになったこと、会社の機関設計が自由になったことなどです。

なお、関連する法令として、「会社法施行規則」「会社計算規則」「企業内容等の開示に関する内閣府令」などがあります。

金融商品取引法

経済グローバル化の進行により、金融市場もグローバル化をたどりました。その中で会社法と同じく、2006年に題名変更され成立したのが「金融商品取引法」です。それまでは、証券取引法といった名前の法律でした。

金融商品取引法とは、有価証券の発行から売買などの金融取引を公正なものにするための法律です。この法律があることで、経済が円滑に回ります。

税法

この場合の「税法」とは、主として「法人税法」のことであり、法人税法とは、法人税に関する法律のことです。

会社が所得に対して支払いをしなければいけない税金は、法人税・住民税・事業税の3つがありますが、住民税と事業税は地方税であるのに対し、法人税は国税にあたります。

行政機関が法人税の手続きの際に明記した文書として存在するのが、「基本通達」です。企業の納税担当者は、この基本通達を参照し、個々に応じた適切な計算をする必要があります。

なお、法人税、住民税、事業税以外にも、企業が関連する税金は多様です。以下に、その多様な税金に関連する法律をまとめて列挙します。

  • 国税通則法
  • 国税徴収法
  • 所得税法
  • 相続税法
  • 登録免許税法
  • 消費税法
  • 印紙税法
  • 租税特別措置法
  • 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(復興財源確保法)
  • 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(租税条約実施特例法)
  • 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令(租税条約実施特例省令)

労働契約法

「労働契約法」は、労働者と企業の間に結ばれる雇用契約に関する法律で、2008(平成20)年に施行されました。アルバイトやパート、契約社員など雇用形態が多様化することに伴い、企業と労働者の間に結ばれる労働契約も、多様化しています。

労働契約法が施行されるまでは、多様化する労働契約を規制する法律がなかったため、企業側の都合により労働者が不利益を被ることがあり、個別間の労働に関する紛争が頻発していました。

労働契約に関する基本的な法律ができたことで、上記のような個別間の紛争を防止しています。

その他の雇用関係の法律

雇用に関する法律は、「労働基準法」「雇用対策法」「国民健康保険法」など、たくさんの法律があります。

これらの法律は、労働者を守るための法律であるとともに、職業によって必要となる能力を開発し、労働者の社会的な活躍を推進することも目的とした法律です。

労働者の職業能力が向上することにより、労働者側・企業側ともにメリットが豊富にあります。

特殊なケースの雇用関係の法律としてあるのが、「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律(労働契約承継法)」です。この法律の詳細は、「M&Aの法規制」の章の中で説明します。

民事再生法

企業における民事再生とは、経営が困難になったときに、ただ会社を倒産させるのではなく、借金を減らして経営を立て直すために行うものです。

経営が困難になった企業が民事再生を行うと、銀行からの融資は一切受けられなくなります。民事再生を行うためには、スポンサーとなってくれる企業があることが前提です。

経営が困難になった企業は、基本的に自社株式をスポンサーとなる企業に譲渡し、その譲渡代金を借金の返済にあてます。

近年、民事再生を実施した企業として有名なのがスカイマークです。スカイマークは民事再生の申し立て後、実質約1年2カ月で借金を完済し、経営を立て直せました。

産業競争力強化法

「産業競争力強化法」とは、日本経済全体の再興や経済・経営環境是正を定めた法律です。2014(平成26)年1月、アベノミクスの一環として施行されました。

従来は、類似する法律として「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(産業活力再生特別措置法)」がありました。しかし、産業競争力強化法の施行に伴い、重要部分は産業競争力強化法に引き継がれて、産業活力再生特別措置法は廃止されました。

業種特有の法律

各企業が行う事業内容によっては、その事業を行うために官公庁より許認可を得なければならないものが多数あります。具体的な許認可の内容や手続きを定めた法律も、その業種の数だけあるでしょう。

具体的な業種や法令は膨大な数となるため、ここでは全ての法律を掲載できませんが、一例として建設業に関するものを挙げておきましょう。

建設業に関して取り仕切る法律が「建設業法」です。建設業法では、単なる許認可だけでなく業界の環境整備を促す内容なども条文に盛り込まれています。

その他のM&A関連法律

M&Aの実施内容によっては、ここまで挙げたもの以外にも関係してくる法律・法令はまだあります。以下に、その可能性のある法律をまとめて掲示しますので参考にしましょう。

  • 有限責任事業組合契約に関する法律(LLP法)
  • 投資事業有限責任組合契約に関する法律(LPS法)
  • 外国為替及び外国貿易法
  • 対内直接投資等に関する政令
  • 外国為替の取引等の報告に関する省令

2. M&Aの法規制

前章で掲示したM&Aに関連する法律を、実際にM&Aに当てはめて具体的に見てみましょう。M&Aを行う際に注意しなければいけないポイントも合わせて、詳しく解説します。

情報開示

企業の売買によるM&Aを行う場合、売り手側は買い手側に自社の情報開示を行う必要があります。買い手は、売り手側が企業名を伏せて提出するノンネームシートを見て、売り手にアプローチをかけるかどうか決定するのが一般的です。

しかし、ノンネームシートだけでは、売り手企業に関する詳細情報の確認はできません。そこで、NDA(Non-disclosure agreement=秘密保持契約書)を締結し、詳細の情報開示を求めます。

自社が買い手の場合のM&Aは、M&Aを成功させるために、売り手企業の情報を綿密に調査することが必要です。M&Aの情報開示に関する制度としては、法定開示と適時開示の2つがあります。

法定開示

M&Aで法定開示を求められる基準は、金融証券取引法に明記されています。M&Aを行う企業のうち、有価証券報告書を提出する義務があるのは、株式の譲渡により企業の買収を行う場合です。

有価証券報告書の提出義務がある企業は、場合に応じて、臨時報告書の提出も求められます。M&Aにおける臨時報告書の提出を求められるのは、子会社取得に関わるときなどが該当例です。

株式の買取によって、企業を買収するM&Aを行った際に提出が必要となる書類の目安としては、株式の保有数が考えられます。

M&Aによって保有株数が5%を超えた場合は、大量保有報告書を提出することが義務付けられており、公開買付制度が適用されるケースです。

M&Aによって保有株数が10%を超えた場合、臨時報告書の提出が義務付けられます。臨時報告書の提出先は、有価証券報告書の提出先と同じです。

M&Aによって保有株数が3分の1を超えた場合は、公開買付制度が適用され、保有株数が過半数を超えた場合は、親会社等状況報告書の提出が義務付けられています。

このように、M&Aによって保有した株数の割合によって、提出が義務付けられる書類が異なりますので注意しましょう。

適時開示

M&Aを行う会社が上場している会社の場合、金融証券取引法に則(のっと)り、法定開示に加えて、適時開示が求められます。

M&Aを行う際に適時開示が求められるのは、株式が発行されるときから、株式の譲渡、M&Aによって企業を譲渡するときなど、企業が上場している場合は、ほとんどの場面で必要です。

東京証券取引所では、M&Aの最終契約書を締結する前のプロセスである、基本合意書の締結時点でも、株式に関する事項が明記される場合は情報開示が求められます。

基本合意書の締結時点では、法的拘束力はないことが明記されている場合がほとんどですが、情報開示が求められることに注意しましょう。

M&Aを行う際に適時開示を怠ったり、不適正な情報を開示したりしてしまうと、口頭での注意だけでなく上場廃止の措置が取られるケースもありますので、十分に注意しましょう。

労働契約

M&Aがクロージングまで進み、PMIの実施を行うときに課題となるのが労働者の扱いです。M&Aを行ったときの雇用契約は、スキームにより異なります。逆にいえば、労働者のその後の契約を考えて、スキームを策定するのが必要です。

主なM&Aの手法には株式譲渡合併、会社分割、事業譲渡などが挙げられます。それぞれの場合によって、その後の労働者の契約も異なるので注意しましょう。

株式譲渡によるM&Aの場合は、株主が変わるだけなので労働契約はそのままであり、何も変更になることはありません。

会社分割によるM&Aの場合は、どのように分割するかによって異なりますが、労働契約が引き継がれる場合でも引き継がれない場合でも、労働者が不服に思うのであれば、異議申し立てを行えます。

M&Aを行う企業側は、労働者が納得できるようなM&Aスキームを策定することが重要です。

事業譲渡によるM&Aを行った際には、事業は買い手側の企業に引き継がれるものの、労働契約は引き継がれません。M&Aの買い手側企業が、個別に労働者と新しい契約を結ぶ必要があります。

M&Aの手法別注意点

M&Aにいくつもの手法があることはすでに述べたとおりですが、その手法ごとに、法律との兼ね合いで注意すべき点は異なります。M&A手法で区分けした法律上の注意点を見てみましょう。

株式取得・交換・移転の場合

株式の取得・交換・移転によるM&Aを行った場合に注意すべき法律は、金融証券取引法です。上場している企業が株式をもってM&A取引を行う場合は、適時開示を含む情報開示が義務付けられます。

株式の取得・交換・移転によるM&Aの場合、その結果としてM&Aを行う企業間に生じるのは親子関係です。M&Aによって保有する株式の割合に応じて、臨時報告書や親会社等状況報告書の提出が必要になります。

合併の場合

合併とは、会社法によると吸収合併新設合併に分けられ、M&Aを行う場合も、このどちらかを選びます。吸収合併では、M&A締結後になくなる会社が消滅会社、M&A締結後も残る会社が存続会社です。

吸収合併によるM&Aの場合は、存続会社が消滅会社のさまざまな権利を承継します。一方、新設合併の場合は、M&Aを行う2つの会社の権利を新設される会社が承継する方法です。

新設合併は、手続きが非常に難しいため、M&Aが行われる際には吸収合併が選ばれることが多いです。

会社分割の場合

会社分割によるM&Aを行った場合に注意すべきものは、労働関係の法律になります。会社分割によってできた会社を、それぞれA企業(もともとの会社)・B企業(新設会社)とすると、M&Aによる会社分割を行った場合、企業は労働者を自由にA企業・B企業に所属させることが可能です。

しかしこの際、A企業に所属した労働者がB企業への所属を望んだ場合、労働者は異議申し立てを行え、企業はそれに従う義務が生じます。

事業譲渡の場合

事業譲渡によるM&Aを行う際も、注意すべきものは労働関係の法律です。そして、事業譲渡の特徴としては、民事再生を行う際に、倒産の手続きの中で行われることが多い点でしょう。

民事再生を行う際に、スポンサーとなってくれる企業が必要であることは前述したとおりですが、このスポンサーに該当するのが事業譲渡によるM&Aを行う場合の買い手側です。

M&Aによって売り手が買い手に事業を譲渡し、その対価をもって民事再生を進めます。

独占禁止法による規制

独占禁止法とは、市場経済を活発にするために欠かせない法律です。譲渡や買収、合併などのM&Aを行う場合、独占禁止法は非常に関わりの深い法律といえるでしょう。

M&Aにおける独占禁止法は、大別して実体規制と届出規制の2つに分けられます。

実体規制

企業の買収や合併によるM&Aを行う際に、市場経済に影響を与えるような買収や合併は、独占禁止法による規制の対象です。

実体規制とは、その名のとおり実際に独占禁止法に違反するようなものではなくても、市場経済に影響を与える可能性が高いものは禁止されます。

届出規制

届出規制とは、M&Aを行うことによって一定の条件に当てはまる場合は、事前に公正取引委員会に書類を届出なければいけない規制です。一定の条件とは、以下の3つ全てに当てはまるケースを指します。

1つ目は、M&Aを行う際に、買い手側の企業が属している企業グループの国内売上高が200億円を超えていることです。2つ目は、M&Aを行う際に、株式発行会社(売り手側)およびその子会社の国内売上高の合計額が50億円を超えているケースが該当します。

そして最後に、株式の譲渡や買収によるM&Aを行うことによって、買い手側企業が、買い手企業の属する企業集団における株の保有の割合が、新しく20%または50%を超える場合です。

以上の3つに当てはまる場合は、公正取引委員会に事前に届け出なければなりません。実際に取引ができるのは、届出を行ってから30日後です。

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M&Aを実施するにあたっては、ここまで述べてきたように、税務、財務、法務、労務と多岐にわたる法知識が欠かせません。それらを全て社内スタッフのみで対応するのは難しいため、M&A仲介会社などの専門家によるサポートを受けつつ進めていくほうがよいでしょう。

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3. M&A契約書と法律の関係

M&Aを行う際には最低でも、秘密保持契約書・基本合意書・最終契約書の3つの契約書を交わします。秘密保持契約書とは、M&Aを本格的に進めていくに当たり、前提となる契約です。

基本合意書とは、M&Aの場合では法的拘束力をもたないことがほとんどですが、買い手売り手の意見が合意したことを示す重要な書類になります。M&Aにおける最終契約書は、クロージングの際に取り交わされるもので、これにより正式にM&Aが決まります。

秘密保持契約書

M&Aにおける秘密保持契約書は、企業とM&A仲介会社や、企業同士の間に結ばれる契約です。M&Aで秘密保持契約を結ぶ場合、記載しなければいけない秘密情報の規定は、法律で明確には定められていません。

弁護士に相談するなどして、個々で決めていく必要があります。M&Aにおける秘密保持契約書の内容を決めていくにあたって注意しなければいけないのが、秘密内容を開示する側と、その開示を受ける側では、立場の違いから内容の希望にズレが生じる点です。

弁護士や専門家に相談することで、この対立をうまく調整していかなければなりません。

基本合意書

M&Aにおける基本合意書は、M&Aをしたいといった希望レベルの状態から、M&Aを実施する確固たる意思の表明に段階が変わったことを意味します。企業間で基本的な条件の調整を行った後に、締結される合意書です。

基本合意書の名前のとおり、M&Aにおける基本的な条件が記載されています。M&Aの基本合意書の主な内容は、M&A取引の内容・独占交渉権があるかどうか・売買の条件・守秘義務などが通例です。

独占交渉権や守秘義務など、法律に関係があるような内容が含まれていますが、M&Aにおける基本合意書には法的拘束力はほとんどありません。法律で規定されるものではなく、あくまでも当事者間の取り決めの証として締結します。

最終契約書

M&Aにおける最終契約書は、基本合意書と比較すると法的拘束力があるのが特徴です。最終契約書の内容は、M&Aの内容によって異なります。

会社法にはM&Aに関する手法の決まりはないため、企業間で決定されるでしょう。最終契約書の主な内容は、前提条件・売主義務・表明保証・保証条項などが挙げられます。

M&Aにおける最終契約書は非常に複雑になるので、弁護士や専門家に相談しながら、決めていくことが大切です。

前提条件

M&Aの最終契約書における前提条件の項目では、M&Aがクロージングするための条件が記載されます。ここに記載されている条件をクリアできないと、クロージングのプロセスに進めません。

M&Aの売り手としては、前提条件の内容は少ない方が望ましく、買い手としては、前提条件に含まれる内容が多いほうが望ましいため、弁護士などと相談し調整しましょう。

売主義務

M&A最終契約書における売主義務には、M&Aの売り手側がM&Aを行った際に守らなければならない義務が記載されています。

売主義務も、M&Aの売り手としては義務となる内容が少ないほうが望ましいですし、買い手としては守ってもらう義務が多いほうが望ましいため、弁護士などと相談して調整することが必要です。

表明保証

M&Aの最終契約書における表明保証とは、最終契約書に記載されていることが正確であり、うそ偽りはないことが記載されている項目です。表明保証に記載されている内容は、下記で説明する保証条項に深く関わりがあります。

保証条項

M&A最終契約書における保証条項とは、この最終契約書に記載されている条件や義務、表明保証が守られなかった場合には、どのような補償が行われるのかを記載した項目です。

M&Aの買い手は、前提条件や売主義務が守られなければ損害を被ることになります。損害を被った際に、どのような内容でM&Aの売り手に損害賠償請求ができるかを記載してある項目です。

4. M&Aにおける弁護士の役割

M&Aを進めていくにあたって、弁護士の役割は非常に重要です。ここまで述べてきたように法律が深く関わってくるため、弁護士に相談しながら進めていくことは欠かせません。M&Aのプロセスの中で、弁護士の役割が特に重要になるポイントを解説します。

契約書作成

M&Aの取引で弁護士の役割が必要になるのが、契約書の作成です。M&Aの中で最低限必要となる契約には、秘密保持契約書・基本合意書・最終契約書の3つがあります。

それぞれの契約書は、法律に則(のっと)って作成し締結していく必要があるため、弁護士の指示を仰ぎましょう。M&Aの買い手側が望む条件と、売り手側が望む条件には差異がありますので、弁護士に相談しながら契約書を構成していく必要があります。

法務デューデリジェンス

法務デューデリジェンスとは、M&Aの買い手が調査した売り手の情報が正しいものかどうか、法律に則(のっと)り弁護士に相談して調査してもらうことです。

弁護士に相談して、しっかり調査してもらうことで、M&Aの実施にあたって、法律に関わる重要な問題がないかがわかります。

場合によっては法務デューデリジェンス結果をもとに、売買価格の見直しなどを行うことになるかもしれません。M&Aの買い手側として損害を被ることがないために必要なプロセスです。

その他一連の流れ

その他、M&Aのスキーム策定を行う場面をはじめ、さまざまなプロセスで、弁護士に相談しながら進めていくことが大切です。ただし、弁護士によって得意とする分野は異なりますから、M&Aを専門とする弁護士に担当してもらわなければ意味がありません。

【参考】弁護士事務所が手掛けるM&A実務

M&Aでは、M&A仲介会社が主体となって関わるケースが多いといえるでしょう。弁護士事務所がM&Aを行う場合、企業の代理人として関与するケースが一般的です。その場合、資金繰りに関連して事業再生などを検討し、M&Aを実施するケースが考えられるでしょう。

ただし、弁護士事務所でM&Aを行う場合、候補先をリサーチするのは困難であるため、通常は相談者の取引先、あるいはM&A仲介会社に依頼することが多いとされています。

弁護士事務所がM&Aを行う場合は、法的な部分を担当し、利益相反を避けるため売り手か買い手の一方の代理人となって業務を行います。他にも、法務デューデリジェンスの実施や、法的な手続きを手掛けるなどもあるでしょう。

5. M&Aの法律に関する相談先

弁護士の中には、M&A支援やM&A仲介も行っているケースもあるでしょう。M&Aはさまざまな法律が絡むものであるため、法律の専門家である弁護士に相談・依頼できると心強いです。

M&A仲介会社の場合は、M&A案件の業務を事業として行っています。さまざまな案件に携わっているため、知見や実績などを豊富で、M&Aの相談をスムーズに進められるでしょう。相談だけでなく、手続き、アフターフォローまで幅広い対応が可能です。したがって、M&Aの法律に関する相談は、専門家へアドバイスを求めるのが得策といえるでしょう。

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6. M&Aにおける法律まとめ

M&A実施の際には、独占禁止法・会社法・金融商品取引法などをはじめとして、非常に多くの法律が関わってきます。企業内のM&A担当者だけで進めていくことは困難です。

法務担当の弁護士だけでなく、財務・税務・労務の全ての面に通じているM&A仲介会社を起用するのが、M&Aを最も安全に進められる方策といえるでしょう。

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