2022年06月06日更新
M&Aのファイナンス手法・流れや目的を徹底解説【事例あり】
M&Aのファイナンス(買収ファイナンス)は、M&Aを行う際の資金調達・買収と統合・債権者や株主への還元といった流れを最適化するための方法です。本記事では、M&Aファイナンスの手法・ファイナンス手続きの流れ・買収ファイナンスの活用事例などを紹介します。
目次
1. M&Aのファイナンス
ファイナンス(コーポレート・ファイナンス)とは、企業が資金をどのように調達し、その調達した資金をどのように事業に投資して、事業投資によって得た利益をどのように投資家へ還元するのかを判断するための方法です。
ファイナンスの中でもM&Aによる買収をどのように行うか判断するための方法を、M&Aによるファイナンスもしくは買収ファイナンスと呼びます。
M&Aとは
M&Aとは、企業の合併と買収を表す行為です。企業がM&Aによる買収を活用すると、短時間で大きな成長を達成できます。
しかし、自己資金のみではM&Aによる買収をまかなえない場合、資金調達をしなければなりません。最適な資金調達方法や投資金額を判断するには、M&A(買収)ファイナンスを用います。
M&Aのファイナンスとは
ファイナンスの用語が持つ意味や、M&Aにおけるファイナンスの概要を見ていきましょう。
ファイナンスの用語が持つ意味
ファイナンスとは、資金調達・事業投資・債権者や株主への還元における流れを最適化するための方法をさし、エクイティファイナンスとデットファイナンスがあります。
前者は株式の発行などで資金調達を行うので自己資本が増え、後者のデットファイナンスは、銀行などから債券などを発行し資金調達するので負債が増加します。
ファイナンスの概要
M&Aでファイナンスするというのは、必要な買収資金を調達することです。手元資金で工面するケース・外部から資金調達するケースがあります。
買収の主体がファンドの場合、投資効率を上げるために自己資金と外部資金を併せて買収するケースもよく見られます。これをレバレッジドバイアウト(LBO)といい、M&AファイナンスはLBOファイナンスと同じ意味で用いることが少なくありません。
2. 資金調達の手段・種類
債権者から資金調達する方法には、資金調達を行う企業の信用力を担保に借入する「コーポレート・ファイナンス」と、資金調達によって投資を行う対象を担保に借入する「ノンリコース・ファイナンス」があります。
それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。
コーポレート・ファイナンス
コーポレート・ファイナンスとは、企業が貸し手から自社の信用力を担保に資金調達を行う方法です。コーポレート・ファイナンスは、企業の資金調達方法として一般的にイメージされる方法になります。
なお、本記事の冒頭で取り上げたコーポレート・ファイナンスと言葉は同一ですが、異なる意味で使われているため注意しましょう。
メリット
コーポレート・ファイナンスは借入を行う企業やスポンサーの信用力が担保となるため、ノンリコース・ファイナンスと比べると審査を通過しやすい点がメリットです。
自社の信用力を超える資金を借りられない特徴もありますが、見方によってメリットにもデメリットにもなります。
デメリット
コーポレート・ファイナンスでは、借入を行う企業の信用力を超える借入は行えません。
借入を行った企業が借入資金の返済ができなくなった場合、企業やスポンサーが持つすべての財産が担保として引当てられます。つまり、借入を行った企業は債権者への返済が完了するまで会社の財産を取り上げられてしまうのです。
ノンリコース・ファイナンス
ノンリコース・ファイナンスとは、借入を行う企業の投資対象を担保にする方法です。例えば、借り入れた資金で買収を行う場合、借入を行った企業ではなく、買収対象企業の信用力が担保となります。
ノンリコース・ファイナンスは、LBO(レバレッジド・バイアウト)やMBO(マネジメント・バイアウト)などのM&A手法で広く用いられる方法です。
メリット
ノンリコース・ファイナンスでは買収対象企業の信用力が担保となるため、買収を行った企業は自社の信用力以上の資金調達が可能です。
コーポレート・ファイナンスでは借入を行った企業に返済義務があり会社の総財産が担保として引当てられますが、ノンリコース・ファイナンスの場合は買収対象企業に返済義務が生じます。借入を行った買収企業には責任が生じなかったり、限定的に生じたりする点が特徴的です。
デメリット
ノンリコース・ファイナンスの場合、借り手企業は貸し手側から厳しい審査を受けなければなりません。審査を通過して借入を行った後も、貸し手側から厳しい監視を受け続けます。
3. M&Aのファイナンス手法
M&A時の資金調達方法には、金融機関などから間接的に借入を行う「負債(デット)」と、株主から資金調達を行う「株式(エクイティ)」の方法があります。
負債の場合は「シニア・ローン(シニア・ファイナンス)」のほか、負債と株式の中間的なローンとして「メザニン・ローン(メザニン・ファイナンス)」もあるため把握しておきましょう。
ここでは、シニア・ローンとメザニン・ローンの特徴やメリット・デメリットを解説します。
シニア・ローン
シニア・ローン(シニア・ファイナンス)で借入を行った場合、借り手はシニア・ローンから優先的に返済しなければなりません。
資金調達の方法には負債と株式がありますが、返済の際には株式よりも負債が優先されます。この負債の中でも、シニア・ローンは、他の負債に優先して返済しなければなりません。
つまり、借り手は資金調達した資金を事業投資に回して利益を得たら、はじめにシニア・ローンの返済を行う必要があります。
メリット
シニア・ローンは返済可能性の高いローンであるため、貸し手からすると安心して貸し出しを行いやすいローンです。優先的に返済されるので信用度が高いため、シニア・ローンは低い金利で貸し出されます。借り手からすると少ない金利負担で借りられる点がメリットです。
デメリット
シニア・ローンは信用度の高いローンなので、借り手にも相応の信用力が求められます。審査の厳しさが借り手にとってデメリットとなるでしょう。
メザニン・ローン
メザニン・ローン(メザニン・ファイナンス)とは、シニア・ローンよりも返済順位の低いローン(劣後ローン)のことです。負債の中では返済順位の低いローンですが、株式よりは優先的に返済されます。
メザニン・ローンは、シニア・ローンの申請をしたものの希望額に届かなかった場合に、不足金額分を埋める目的などで用いられるローンです。
メリット
メザニン・ローンは金利が高く設定されているので、貸し手からすると途中で返済が滞ってもカバーできる余裕があります。メザニン・ローンはシニア・ローンと比べると審査が厳しくないため、借り手は資金調達しやすい点がメリットです。
デメリット
メザニン・ローンの金利は高く設定されているため、貸し手はシニア・ローンと比べて信用力の低い相手に貸し出すケースが多いです。返済が滞ったり返済されなかったりする可能性も高くなります。借り手は金利が高いぶん、返済期間が長くなるほど負担も大きくなる点がデメリットです。
4. M&A・買収におけるファイナンスの流れ
ここでは、M&A・買収におけるファイナンスの流れを見ていきましょう。
シニア・ローンの一般的な流れ
シニア・ローンでは主に以下の手続きを踏みます。
- 守秘義務の締結
- インディケーションレターの取得
- コミットメントレターの取得
- タームシートの合意
- 買収契約・ローン契約の締結
- 融資の実行・買収の実行
- 担保設定・保証の差入れ
- ローン返済・債務の管理
それぞれの手続き内容を紹介します。
①守秘義務の締結
借入を行う企業は、金融機関と守秘義務契約(または秘密保持契約)を結びます。これにより、借り手企業は金融機関による情報漏えいや情報の目的外利用などを防ぐことが可能です。
②インディケーションレターの取得
金融機関は、借り手企業から提供された資料などをもとに分析・判断し、条件交渉を行ったうえでインディケーションレター(参考資料)を作成します。
インディケーションレターはあくまでも金融機関からの提案資料で、合意書や契約書の役割を持ちません。
③コミットメントレターの取得
借入を行う企業と金融機関は、融資条件に関する交渉を行います。その後に、金融機関は合意内容をもとにコミットメントレター(誓約書)を提示して融資の意思を伝える段取りです。
④タームシートの合意
借入を行う企業と金融機関は、融資に関する条項を記載したタームシートをもとに合意形成を行います。
⑤買収契約・ローン契約の締結
借入を行う企業と金融機関の間で合意がなされると、両者でローン契約を結んだうえで買収契約も結びます。
⑥融資の実行・買収の実行
ローン契約と買収契約どおりに金融機関が融資を行うと、企業側は買収手続きを進める流れです。
⑦担保設定・保証の差入れ
金融機関は企業へ融資を行う際に債権を回収するため、担保権の設定・差入保証金の受取・担保提供の受入などを求めます。
⑧ローン返済・債務の管理
買収完了後からローン返済が始まりますが、金融機関は債権を回収するため、厳しい制約を課しながら徹底したモニタリングを行うのです。
メザニン・ファイナンスを利用した場合の流れ
メザニン・ファイナンスを利用する場合、メザニン投資家は事前にデューデリジェンスを行い、交渉に向けた準備をします。条件交渉がまとまれば企業側の経営陣と基本合意契を結ぶとともに、株主間協定も結ぶ段取りです。
合意が得られた場合はさらにデューデリジェンスを徹底して行い、修正点などがあれば調整を行います。デューデリジェンスに問題がなければ株主間協定を結び、各種契約書を取り交わしたら出資が実行される仕組みです。
5. M&A・買収におけるファイナンス利用の目的
M&A・買収におけるファイナンス利用の目的は、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、主な目的を2つ紹介します。
- 事業拡大・事業の獲得
- 株式価値の引き上げ
それぞれの項目を順番に見ていきましょう。
①事業拡大・事業の獲得
買収ファイナンスを利用する目的の一つが、事業拡大です。買収ファイナンスを利用すると、自社の資金だけでは実現できない大規模な企業の買収が可能になります。
買収ファイナンスを利用した事業拡大の有名な事例の一つが、ソフトバンクによるボーダフォンの買収です。2006年3月、ソフトバンクは、当時携帯電話業界で国内3番手だったボーダフォン日本法人を17行の金融機関からノンリコースローンによる借入を行うなどして買収しました。
買収金額の総額は1兆7,500万円におよびましたが、ソフトバンクが負うリスクは2,000億円にとどまっています。その後、ソフトバンクの携帯電話事業は急成長し、買収ファイナンスは成功を収めました。
ソフトバンクグループは、さまざまな買収ファイナンスを巧みに活用して急成長を遂げた企業です。
②株式価値の引き上げ
買収ファイナンスは事業目的だけでなく、投資目的でも活用されます。買収した企業の企業価値を短期間で向上させて株式価値を上げれば、比較的短期間で売却利益を獲得可能です。
買収ファイナンスによる投資は、投資ファンドが広く用いる手法といえます。有名事例の一つが、リップルウッド・ホールディングスによる日本テレコムの買収です。
2003年8月、PEファンドのリップルウッドHDは買収ファイナンスを利用し、日本テレコムを取得しました。2004年にはソフトバンクがリップルウッドHDから日本テレコムを買い取り、リップルウッドは大幅な売却利益を獲得しています。
6. M&Aのファイナンス利用に関する注意
金融機関から借入を行っている企業がM&Aを行う場合、注意しなければならない点もあります。ここでは、特に注意すべき3点を見ていきましょう。
- 連帯保証の取り扱い
- 連帯保証外しを考慮する
- 自社の利益を見極める
- 海外M&Aでは現地の法律を考慮する
- 自身でM&A仲介会社を見つける
それぞれの注意点を順番に紹介します。
①連帯保証の取り扱い
企業が金融機関から借入を行う場合、会社代表や親会社が連帯保証するケースがほとんどです。しかし、借入を行っている会社をM&Aで売却する場合、金融機関から連帯保証の解消を拒否されるケースがあります。
金融機関はできるだけリスクを減らしたいためですが、企業側にとってはデメリットです。国もこの点を問題視しており、企業からM&Aを理由とする連帯保証の解消を相談された場合はなるべく応じるか、応じられない場合は丁寧な説明の実施を促しています。
従来に比べると、連帯保証の解消に応じる金融機関が増加していますが、応じてもらえないケースもあることを把握しましょう。
②連帯保証外しを考慮する
注意点の一つ目でも取り上げましたが、M&Aを行う際は連帯保証外しも考慮しながら準備を進めなければなりません。連帯保証を外すには、繰上げ返済によって借入金を返す方法があります。
繰上げ返済金を確保するには、買い手企業に支払ってもらったり、他の金融機関から融資してもらったりする方法を採用するケースが多いです。
繰上げ返済金の確保には時間がかかる場合があるほか、応じてくれる金融機関を探す手間が発生します。返済時期が早いほど負担も軽減できるため、早い段階から準備しましょう。
③自社の利益を見極める
自社の利益となるM&Aファイナンスが提案されているかどうか見極めることも大切です。M&Aファイナンスは金融機関から提案されることが少なくありません。しかし、その提案が自社のためにならないこともあるのです。
自社で検討した内容があれば、その内容と相違がないかチェックしてください。金融機関は金融機関自身の利益も考慮するため、内容が金融機関寄りでないか確認し、自社の状況に応じた資金調達方法を取り入れましょう。
④海外M&Aでは現地の法律を考慮する
M&Aの海外案件が増え、それに伴ってM&Aファイナンスもグローバル化している状況です。売却側が海外法人のケースや海外に子会社があるケースなども少なくありません。
海外案件は、海外の法律が影響することもあります。海外の法律が影響することを理解していれば問題ありませんが、気がつくことなく進めるケースもあるので注意が必要です。
ローン契約や買収契約などを結ぶときは、各国の法律事務所などと連携して、海外の法律を踏まえた契約内容にしなければなりません。
⑤自身でM&A仲介会社を見つける
借入を行っている金融機関がM&Aに関するサポート業務を実施していることがありますが、依頼するM&A仲介会社は自身で見つけましょう。
金融機関によるM&A仲介会社の紹介サービスは、仲介会社からの紹介料で成り立っているケースが多いです。この場合、金融機関は自身の利益を最優先にM&A仲介会社を紹介している形となります。
自社に最適なM&A仲介会社ではなく紹介料の支払い額が高いM&A仲介会社を紹介されるケースもあるのです。自社に最適なM&A仲介会社に依頼できなければ、M&Aで想定したメリットが得られなかったり、M&A自体に失敗したりします。
できるだけ自身の目で吟味し、状況に適したM&A仲介会社に依頼しましょう。
7. M&A・買収を行う企業の有効策となるファイナンスアウト条項
この章では、M&A・買収を行う企業の有効策のファイナンスアウト条項について見ていきましょう。
金融機関から買収側が資金を調達し、借入が行えることを踏まえて買収を実施する条項を、ファイナンスアウト条項といいます。
この条項を入れると、借入が行われなければ買収とならないので、買収側にメリットがあることが特徴です。借入がなければ売却側は買収されないので、ファイナンスアウト条項を入れると売却側が借入を行うことに協力的になります。
ファイナンス条項は買収側にプラスになることが多いため、ファイナンス条項を入れられるのは、買収側と売却側が対等である場合か買収側が有利な位置にいる場合です。
8. M&A・買収のファイナンス利用事例
ここでは、M&Aにおいて買収ファイナンスを利用した事例を紹介します。
- 昭和電工による日立化成の買収ファイナンス
- ダイセンホールディングスによる買収ファイナンス
- ゴールドマン・サックスによる買収ファイナンス
- すかいらーくによる買収ファイナンス
- ライブドアによる買収ファイナンス
- リップルウッドによる日本テレコムの買収ファイナンス
それぞれの事例を順番に見ていきましょう。
①昭和電工による日立化成の買収ファイナンス
まずは、2019年12月の昭和電工による日立化成の買収ファイナンスで、M&Aファイナンスを生かした事例になります。
SPC(特別目的会社)を作り、みずほ銀行から4,000億円を借入(ノンリコースローン)、同銀行と日本政策投資銀行から優先株出資を受けるスキームで、かなりの大型案件です。
昭和電工も、SPCへの出資資金をみずほ銀行から借入ました。ノンリコースローンは日立化成の信用力で借入ています。
②ダイセンホールディングスによる買収ファイナンス
当然ですが、買収ファイナンスに失敗するケースもあります。2012年9月、ダイセンホールディングスは、投資ファンドのネクスト・キャピタル・パートナーズから「さとうべネック」の株式を買い取りました。
その後、ダイセンホールディングスはさとうべネックを担保にSBIキャピタルソリューションズから買収資金を借り入れ、ネクスト・キャピタル・パートナーズから株式を買い取る際の資金に充てています。
しかし、さとうべネックは業績悪化により買収資金の返済が不可能となり、ダイセンホールディングスの買収から8カ月で倒産しました。
③ゴールドマン・サックスによる買収ファイナンス
2007年5月、ゴールドマン・サックスは、投資ファンドのTPGキャピタルと組んで買収ファイナンスを活用し、携帯電話関連会社のオールテルを買収しました。
ゴールドマン・サックスはオールテルの株式価値を短期間で上昇させており、2008年にはベライゾン・ワイヤレスに譲渡して多額の売却益を獲得しています。
本件以外にも、ゴールドマン・サックスは、自身が買収ファイナンスを活用して買収するほか、買収ファイナンスを活用してM&Aを実施する企業に資金を提供することで、数多くの成功事例を生み出しました。
④すかいらーくによる買収ファイナンス
買収ファイナンスは、経営陣が自社の株式を市場から取得して上場廃止に持ち込むMBO(マネジメント・バイアウト)の際にも用いられます。
2006年6月、ファミリーレストランチェーン大手のすかいらーくは、MBOを実施して上場を廃止しました。
すかいらーくの経営陣は、自社株を市場から取得するための資金を買収ファイナンスにより用意し、少ない自己資金でのMBOに成功しています。
⑤ライブドアによる買収ファイナンス
ライブドアは、買収ファイナンスを巧みに活用して急成長した企業です。2005年3月に、フジテレビジョンの買収を狙ってLBO(レバレッジド・バイアウト)を活用し、フジテレビジョンの財産を担保にして多額の資金調達に成功しました。
結果的にフジテレビジョンの買収は実現せず、ライブドアは粉飾決算によりフジテレビジョンとの関係が途切れてしまいます。
しかし、上記の出来事で、ライブドアが用いた買収ファイナンスはさまざまなメディアで取り上げられ注目を浴びました。
⑥リップルウッドによる日本テレコムの買収ファイナンス
次は、2003年8月のリップルウッド・ホールディングスによる日本テレコムの買収ファイナンスにおける事例で、LBOが用いられました。
アメリカの2大銀行であるシティグループ、J.P.モルガン・チェースにプラスして、みずほコーポレート銀行や東京三菱銀行、三井住友銀行など日本の大手銀行もこの融資に応じています。
9. M&Aファイナンスについて学べる本・書籍
M&Aのファイナンスに関する知識・情報は、本・書籍から吸収することも可能です。M&Aの実施にあたりファイナンスの利用を検討している場合や、M&Aファイナンスをより詳しく学びたい場合は、本・書籍を活用すると良いでしょう。
ここでは、M&Aファイナンスを学べる本・書籍として、以下の2冊を紹介します。
- 『M&Aファイナンス』(笹山 幸嗣・村岡 香奈子 著/金融財政事情研究会)
- 『日本のLBOファイナンス』(日本バイアウト研究所 著/きんざい)
『M&Aファイナンス』は、M&Aファイナンスの実務書として必要な項目をほとんど網羅している良書です。M&A実務本の中でも、ファイナンスと法的実務に特化しています。
ある程度の実務経験を持つ人が興味を持つ情報が多く掲載されている一冊です。特にM&Aのファイナンスを深く理解したい人におすすめですが、M&A自体に興味がある人であれば読み物としても楽しめる構成となっています。
『日本のLBOファイナンス』は、ファイナンスの実務家にとって必携の一冊です。LBO実施におけるファイナンスについて、基本的な解説だけでなく市場発展に向けた課題や将来の展望におけるメッセージも掲載されています。
日本の大手銀行・メザニン・ファンド・バイアウト・格付機関などの実務家が結集してまとめた、LBOファイナンスの本格的な専門書です。
10. M&Aのファイナンスに関する相談は仲介会社がおすすめ
M&Aでファイナンスを有効利用するには、専門家によるアドバイスが必要です。借入を行う金融機関からの紹介ではなく、できるだけ自身で専門家を見つけて相談すると良いでしょう。
M&A総合研究所では、豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが、案件をフルサポートいたします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。
無料相談を随時受け付けておりますので、M&Aのファイナンスでお悩みの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
11. M&Aのファイナンスまとめ
本記事では、M&Aのファイナンス手法を解説しました。ポイントは以下の点です。
【買収ファイナンスで借り入れるローンの種類】
- シニア・ローン
- メザニン・ローン
【担保提供主体ごとのファイナンス手法】
- コーポレート・ファイナンス
- ノンリコース・ファイナンス
【M&Aにおける買収ファイナンスの利用目的】
- 事業拡大・事業の獲得
- 株式価値の引き上げ
M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所
M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴
- 譲渡企業様完全成功報酬!
- 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
- 上場の信頼感と豊富な実績
- 譲受企業専門部署による強いマッチング力
M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。