MBO(マネジメント・バイアウト)とは?方法・目的、メリットを解説【事例15選】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

MBO(マネジメント・バイアウト)とはM&Aの一種であり、最近では実施されている件数が増加しています。M&Aを行う際、MBOを実施するメリットとは何でしょうか?この記事では、MBOについて、その方法や目的、メリットについて紹介します。

目次

  1. MBO(マネジメント・バイアウト)とは
  2. MBO(マネジメント・バイアウト)が増えてきた背景
  3. MBO(マネジメント・バイアウト)の目的
  4. MBO(マネジメント・バイアウト)の方法を解説
  5. MBO(マネジメント・バイアウト)のメリット
  6. MBO(マネジメント・バイアウト)のリスク
  7. MBO(マネジメント・バイアウト)の事例15選
  8. MBO(マネジメント・バイアウト)の問題点
  9. MBO(マネジメント・バイアウト)の相談先
  10. まとめ
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1. MBO(マネジメント・バイアウト)とは

MBO(マネジメント・バイアウト)とは

MBO(マネジメント・バイアウト)とは、M&Aの方法のひとつです。特に最近では、MBOは会社買収の方法として、多く用いられる手法となっています。

この章では、MBOとは何かについて紹介します。

MBO(マネジメント・バイアウト)の意味

MBOとは、現経営陣や経営に関与しているクラスの人が、株式を買い取って経営権を取得することを言います。主な目的としては、経営体制の見直しや上場廃止などがあります。

MBOでは、本業とのシナジー効果が弱い事業や会社について経営陣に経営権を取得させ、その対価として資金を手に入れます。

売却側は資金獲得と経営のスリム化が図れるため、本業に集中できるというメリットがあります。また中小企業でも、後継者が見つからないときに、MBOが行われている例があります。

MBOのスキームは、会社の幹部に引き継がせるときに会社を売却し、経営者にその対価を支払うという流れになります。

TOB(株式公開買付)との違い

MBOとよく似たM&Aの手法にTOBがあります。TOBはMBOと同様に対象となる会社の株式を取得して経営権を取得します。

2つの手法の違いは、対象となる会社の買収を行うのがその会社の経営陣か法人かという点です。

TOBの場合、買収を行うのは法人であるため、対象となる会社は買収する会社の傘下となり、全発行済み株式をすべて取得した場合は完全子会社になります。

一方、MBOの場合は、その会社の経営陣が買収を行うため、会社間の親子関係は生まれません。むしろ、対象会社から分離するため、経営を行うときの独立性が保たれます。

2. MBO(マネジメント・バイアウト)が増えてきた背景

MBO(マネジメント・バイアウト)が増えてきた背景

MBOが増えたきた背景は、MBOが行われる会社の規模によって異なります。

大企業がMBOを行う背景ですが、1980年代の高度経済成長期からバブル経済にかけて、企業は多角化を行い規模を大きくしていきました。

しかし、バブル崩壊後の不景気により資金効率を向上させるため、本業とはシナジー効果の弱い事業を分割する動きが徐々に増えてきました

また、近年は外国人株主による増配の圧力が高まってきたため、上場廃止を目的にMBOを行う企業も増えています。一方、中小企業がMBOを行う背景は後継者問題です。

一般的に後継者問題を解決する手段として、経営者の親族に引き継がせるか会社売却をするという選択があります。

またこれらの方法以外にも、後継者問題を解決し企業理念を変えないために、会社幹部へ引き継がせる方法としてMBOが増加しています。

3. MBO(マネジメント・バイアウト)の目的

MBOの目的とは?

企業がMBOを行う目的には、以下の5つが考えられます。
 

  1. 経営体制の見直し・経営権の完全取得
  2. メリットがない株式公開をやめる
  3. 情報公開の厳格化への対抗策
  4. 短期利益を追求する株主からの脱却
  5. 上場廃止

①経営体制の見直し・経営権の完全取得

MBOを行う目的1つ目は経営体制の見直し、経営権の完全取得です。経営体制の見直しは、先ほども紹介した通り、資金効率向上のために行われます。

例えば、ある事業についての経営自体に問題はないものの、本業とシナジー効果が弱かったとします。本業の資金繰りに悪化する傾向がみられた場合、対応策としてMBOを実施する例があります。

それにより会社は、MBOで得られた資金やその他の経営資源を集中させて、本業の改善に取り組もうとします

また、MBOにより分割させられた事業は、経営上の問題はないため従業員の雇用確保もでき、MBOを行っても大きな問題になることはありません。

経営権の完全取得については、以下②~⑤で紹介することを目的として、MBOを行う場合があります。詳しくは後ほど解説します。

②メリットがない株式公開をやめる

MBOを行う目的2つ目は、メリットがない株式公開をやめることです。株式公開とは自社の株式を上場することですが、公開にはメリットとデメリットがあります。

まずメリットとして挙げられるのは、資金調達ができる、知名度が上がるなどです。一方のデメリットには、コスト負担や社会的責任の増加などが挙げられます。

基本的には、メリットが上回ったときに株式公開を行いますが、逆にデメリットが上回った場合は、会社にとって損でしかないので、MBOを実施し上場廃止を行います

③情報公開の厳格化への対抗策

MBOを行う目的3つ目は、情報公開の厳格化への対抗策です。株主は会社の所有者であり、会社へ投資を行う人であるため、経営状態について報告する必要があります。

そのため場合によっては、企業秘密と考えられるような情報も共有する必要がありますが、情報共有者が多いということは、情報漏洩のリスクが高まることを意味します。

このような情報漏洩を防ぎ、機敏な企業経営を行うために、MBOで上場廃止を行う場合もあります

④短期利益を追求する株主からの脱却

MBOを行う目的4つ目は、短期利益を追求する株主からの脱却を行うためです。

短期利益を追求する株主は株価で判断を行うため、リーマンショックなどが起こったときには会社の業績関係なく、株価が下落したという理由で株式を売却します。

すると、会社の経営陣も株価に惑わされてしまうため、長期的な経営計画を立てにくくなります。そのような惑わしを排除するためにMBOを行い、上場廃止します。

⑤上場廃止

最後は、上場廃止です。上場廃止を行う理由は先ほどまでにいくつか紹介してきました。上場廃止を目的にMBOを行う場合は、自己株式の取得になります。

株式の自己取得とは、株式を自社で買い取って市場に流通している株式数を減らすことですが、すべての株式を自己取得できたときに、上場廃止することができます

4. MBO(マネジメント・バイアウト)の方法を解説

MBO(マネジメント・バイアウト)の方法を解説

MBOは、経営陣が株式を取得して会社の買収を行いますが、その資金調達や新会社の立ち上げ方は、どうするのでしょうか?この章では、以下の3つについて解説します。
 

  1. 企業価値を算出する
  2. 新会社の設立
  3. MBO(マネジメント・バイアウト)用の資金調達

①企業価値を算出する

MBOでは株式を取得しますが、その株式価格(株価)は企業価値によって算出されます。企業価値の算出方法は、大きく以下の3つに分類できます。
 

  1. コストアプローチ
  2. マーケットアプローチ
  3. インカムアプローチ

コストアプローチ

コストアプローチとは、企業の純資産をもとに企業価値を算出する方法です。コストアプローチによる計算方法には、以下の2つがあります。​​​​​​
 

  1. 簿価純資産額法
  2. 時価純資産額法

簿価純資産法とは、企業が公表している貸借対照表をもとに純資産を計算し、企業価値を算出する方法であり、客観的な企業価値を算出できるところがメリットです。

時価純資産法は、時価での純資産額をもとに企業価値を算出する方法で、簿価純資産法を時価に修正した方法です。時価純資産法は、MBO取引時の時価で企業価値を求めることができる点がメリットです。

マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、市場で取引されている価格を参考に企業価値を算出する方法です。マーケットアプローチでは以下のどちらかを用いますが、いずれの方法も上場していない中小企業の企業価値を求めるときに使われます。
 

  1. 類似会社比準法
  2. 類似取引方法

類似会社比準法とは、MBOの対象となる企業と類似した上場企業を選定し、それぞれの財務状況を比較して企業価値を算出する方法です。この方法では上、場されている株価をもとに、時価での企業価値を求める場合が多いです。

類似取引方法とは、MBOの対象となる企業と類似した企業の、M&Aの取引例をもとに企業価値を算出する方法です。

インカムアプローチ

インカムアプローチとは、将来予測される収益を考慮して企業価値を算出する方法です。代表的なインカムアプローチ法には以下の2つがあります。
 

  1. DCF法
  2. 配当還元法

DCF法とは、将来の5年間、企業が得られると予測されるフリーキャッシュフロー(企業が自由に使える資金のこと)を現在価値に割り引いて企業価値を求める方法で、企業価値を算出する方法として最もよく用いられています。

配当還元法とは、株式の配当をもとに企業価値を算出する方法です。企業価値の算出方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、併せてお読みください。

【関連】M&Aの企業価値評価とは?算出方法を詳しく解説!

②新会社の設立

MBOにより、子会社を分割させる場合は会社分割を行い、その子会社を独立させることで手続きは終了します。

しかし、一部の事業のみをMBOにより独立させたい場合、手続きは少し複雑になります。まず、事業売却させるための会社が必要となりますが、そのために買収する経営陣が新会社を設立させなくてはなりません

新会社を設立したあと、事業売却により事業を譲り受け、MBOの手続きは終了します。

③MBO(マネジメント・バイアウト)用の資金調達

MBOを行うのは自社の経営陣ですが、会社や事業の売買を行うほどの資産を保有していない可能性があります。

そのため、MBOを行うためには資金調達を行う必要があり、主な資金調達先には以下の3つがあります。

  1. 金融機関・ファンド
  2. ビジネスローン
  3. 日本政策金融公庫

①金融機関・ファンド

MBOの資金調達先として金融機関・ファンドが挙げられます。金融機関とは、銀行や証券会社のことを指し、ここから資金を借り入れます

メリットは、マイナス金利の影響で返済時の利息が低くなったことや、金融機関からの借り入れのハードルが以前よりも低くなったことです。

一方のファンドとは資産家から資金を集めて投資を行い、利益をあげる集団のことです。メリットは、成長が期待できる企業のMBOを行う場合、金融機関よりも比較的簡単に資金の融資が受けられることです。

【関連】投資ファンドのM&Aを分析!ファンドに買われた会社は買収後はどうなる?

②ビジネスローン

2つ目に紹介する資金調達先は、ビジネスローンです。ビジネスローンとは、法人向けの消費者金融のことであり、担保保証人なしで融資されるため、簡単に資金調達をすることができます。

しかし、金融機関よりも利息が高いため、将来の経営計画を考えた上でビジネスローンから資金調達をするべきかを検討しましょう。

3. 日本政策金融公庫

3つ目に紹介する資金調達先は日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫とは財務省所管の特殊会社で、中小企業を中心に低金利で資金の融資を行っています

また個人に対しても、創業支援や地域活性化支援を目的とする場合は融資を行っており、日本政策金融公庫の貸出条件に当てはまれば、経営陣1人がMBOを行う場合でも比較的簡単に資金調達ができます。

5. MBO(マネジメント・バイアウト)のメリット

MBOのメリットについて

MBOのメリットには、主に以下の5つが挙げられます。
 

  1. 経営権を手にしたことで意思決定は素早くなる
  2. 社内の結束力を高める
  3. スムーズな事業承継
  4. 上場廃止による買収リスク回避
  5. 企業秘密の保持が出来る

①経営権を手にしたことで意思決定は素早くなる

1つ目のメリットは企業の意思決定が素早くなることです。企業の最終的な意思決定は株主総会で決議を得る必要があります。例として、会社や事業の売買などが挙げられます。

当然ですが、株主総会を実施するまでには株主総会開催の周知のためにある程度の期間が必要になるため、重要な判断を行う際にはある程度時間がかかります。

しかしMBOを行っている場合、株主は経営陣が保有しているため、会社の重要な判断でも経営陣の会議で決めることができ、意思決定を素早くすることが可能になります。

②社内の結束力を高める

メリット2つ目は社内の結束力が高まることです。MBOは会社のスリム化を目的に行われることがありますが、会社がスリム化されると中間層の必要性がなくなるため、経営陣と従業員の距離が近くなります

そのため、売却する会社も独立する会社も、社内の結束力を高めることができます。

③スムーズな事業承継

3つ目のメリットはスムーズな事業承継を行えることです。一般的に事業承継では、M&Aが成立すると利益を得ることができるもの同士で取引を行います。

しかし買収後の不透明な部分もあるので、自社が損をしないようにシビアなM&A交渉を行わなくてはなりません。

対してMBOの場合、交渉相手が自社の人間であるため、お互いの利益を考慮したM&A交渉を行うことができ、一般的な事業承継よりもスムーズに行うことができます。

④上場廃止による買収リスク回避

4つ目のメリットは買収リスクの回避です。独立した事業(会社)などで、その会社が将来性のある事業を行っていた場合、TOBなど強引な方法で買収に迫られるケースも考えられます

しかしMBOを行えば、すべての株式は経営陣が保有しているため、買収のリスクを回避できます。

⑤企業秘密の保持が出来る

5つ目のメリットは企業秘密の保持ができることです。先ほども紹介したように株主は会社の所有者であるため、企業秘密と思われる事項についても情報を共有しておかないといけない場合があります。

情報を共有する人が多いほど情報漏洩のリスクは高まります。その点、MBOを行うことで株主総会を行う必要がないため、企業秘密を保持することができます。

6. MBO(マネジメント・バイアウト)のリスク

MBO(マネジメント・バイアウト)のリスク

MBOのデメリットには、主に以下の5つが挙げられます。
 

  1. 少数の既存株主から反対を受ける可能性
  2. 経営の監視機能が減少
  3. 買収後に残る債務に注意
  4. 資金調達の選択肢が狭まる
  5. グループ内から離脱した場合は売上の減少の可能性

①少数の既存株主から反対を受ける可能性

MBOリスクの1つ目は、少数の既存株主から反対を受ける可能性があることです。

MBOは、全発行済み株式をすべて取得し、上場廃止を行う方法です。そのため、少数でも既存株主から反対を受けるとMBOを行うことはできません

対処方法としては、全部取得条項付種類株式型を利用した方法や、株式交換型を利用した方法が行われた事例があります。

②経営の監視機能が減少

2つ目のリスクは経営の監視機能が減少することです。株式会社では株主総会を行うことで経営を監視しています。

しかし、MBOを実施して上場廃止を行うと、株主がいなくなるため監視機能がなくなり、経営方針の考えが偏ってしまうリスクが発生します

③買収後に残る債務に注意

3つ目のリスクは、買収後に残る債務です。MBOを行うほとんどのケースでは、金融機関やファンドなどから資金調達を行うため、その債務は今後収益を上げて返済をしていく必要があります。

このようなリスクを回避するため、資金調達や売買金額の交渉は、将来の財務状況を踏まえて行うようにしましょう

④資金調達の選択肢が狭まる

4つ目のリスクは、買収後の経営を行う際の資金調達の選択肢が狭まることです。経営においての資金調達の方法は、主に負債となる借入金か、純資産となる株式からの資金調達です。

しかし、MBOを行うことで上場廃止となるため、株式からの資金調達を行うことができないため、企業価値や負債コストを考慮したうえでMBOを行う必要があります。

⑤グループ内から離脱した場合は売上の減少の可能性

5つ目のリスクはグループ内から離脱したときの売り上げの減少です。グループ内から離脱することは事業規模が減少するため、売り上げの減少につながります。

グループ内から離脱すると、資金繰り悪化などが想定されるため、MBO実施前には必ず検討しておきましょう

7. MBO(マネジメント・バイアウト)の事例15選

MBOの事例15選について

ここからは、MBOが行われた事例を15個紹介します。

①株式会社ADK

事例1つ目は、2017年に株式会社ADKが行ったMBOです。株式会社ADKは、ベイン系投資ファンドを通して、自社株の公開買い付けを行うことを発表しました。

この事例の買収価格は総額で1517億円でした。後に株式会社ADKは、ADKホールディングスに変更しましたが、上場は行っていません。

②日立工機

事例2つ目は、2017年に日立工機が行ったMBOです。MBO前は、親会社である日立製作所が親会社でしたが、投資ファンドを通して自社株の公開買い付けを行うことを発表しました。

MBO後、日立工機は工機ホールディングスの傘下に入っています。なお、工機ホールディングスは上場を行っていません。

③マネースクウェアHD

3つ目に紹介する事例は、2016年にマネースクウェアHDが行ったMBOです。同じグループ会社の投資ファンドを通して自社株の公開買い付けを行うことを発表しました。株式の買い取り価格は1250円でした

このMBOの目的は取引サービスの向上、先行投資、人材確保のために非上場を行ったと公表されています。

④アートコーポレーション

4つ目に紹介する事例は、2011年にアートコーポレーションが行ったMBOです。住友信託銀行から借り入れを行い、自社株の公開買い付けを行うことを発表しました。

引っ越し事業を行っているアートコーポレーションはMBOを行う前、2期連続で減収でした。この状況を踏まえて、社長のリーダーシップの下で、抜本的な経営改革を行うため、MBOを行い、上場廃止をしました

⑤株式会社アデランス

5つ目に紹介する事例は、2016年に株式会社アデランスが行ったMBOです。投資会社インテグラルを通して、自社株の公開買い付けを行うことを発表しました。

当時、アデランスは経営不振に陥っていました。そのため、経営に関して実績のある人を社長に抜擢し、経営改革の集中、再建を確実に進めるために、MBOを行い、上場廃止をしています

⑥株式会社U-NEXT

6つ目に紹介する事例は、2010年に株式会社U-NEXTが行ったMBOです。この事例では、会社分割により株式会社U-NEXTが誕生しています。

分割前の会社であるUSENのU-NEXT事業(テレビ向け有料映像配信サービス事業)を会社分割により子会社化し、USENが保有している株式会社U-NEXTの株式を、MBOにより譲渡を行うことで完全に独立した会社となりました。

背景としては、U-NEXT事業のユーザー数が思うように伸びなかったことやUSENの本業の事業に専念することがあり、MBOが実施されました

⑦日本風力開発

7つ目に紹介する事例は、2015年に日本風力開発が行ったMBOです。投資ファンドのベインキャピタルを通して、自社株の公開買い付けを行うことを発表しました。

日本風力開発は、業績悪化が目立っていたのですが、ベインキャピタルの協力を得て、財務体質の改善化を図ります。買い取り金額は買付時期の株価の25%を上回る580円でした

⑧幻冬舎

8つ目に紹介する事例は、2010年に冬幻社が行ったMBOです。この事例ではTKホールディングスという冬幻社の関連会社を通して、自社株の公開買い付けを行うことを発表しました。

当時の背景には、新ジャンルの開拓や紙とデジタルを用いた新ビジネスの構築が求められていました。そのため、上場を維持するためのコストも事業開拓への資金にするために上場廃止を決定しました

⑨ローランド

9つ目に紹介する事例は、2014年にローランドが行ったMBOです。買付価格は1株1875円でした

ローランドは高価格の電子楽器の販売を行っていたのですが、価格競争が激しくなり、業績が低迷していました。ローランドの経営改革を行うためにMBOを行い、上場を廃止しています。

⑩ホリプロ

10個目に紹介する事例は、2011年にホリプロが行ったMBOです。買い取り金額は買付時期の株価の68%を上回る1050円でした。

テレビ視聴率の低下などの影響もあり、ホリプロの業績は近年低下していました。タレントマネジメント事業の見直しや不採算事業の見直しなどの必要があるのですが、短期的な業績を求める株主を経営から排除することを目的としてMBOを実施しています

⑪CCC

11個目に紹介する事例は、2011年にCCCが行ったMBOです。買い取り金額は買付時期の株価の30%を上回る600円で、総額は約700億円でした。

CCCはレンタルショップチェーン店「TSUTAYA」を運営する会社で、近年は業績が低下していました。短期的な利益を生まない事業も行うためにMBOを実施し、上場廃止しています

⑫ウェザーニュース

12個目に紹介する事例は、1986年にウェザーニュースが行ったMBOです。アメリカの海洋気象調査会社オーシャンルーツの日本法人の社長石橋氏が陸上・航空部門のMBOを実施しました。

そのあとの1993年には親会社であったオーシャンルーツを吸収合併し、世界最大の民間気象会社となっています

⑬サンスター

13個目に紹介する事例は、2007年にサンスターが行ったMBOです。買い付け総額は約243億円であり、そのほとんどを野村證券系列の銀行から借り入れを行っています。

サンスターは海外事業に力を入れており、短期的な業績に左右されないためにMBOを実施し、上場廃止を行っています

⑭ギャガ・コミュニケーションズ

14個目に紹介する事例は、2009年にギャガ・コミュニケーションズが行ったMBOです。

2005年、USENはギャガを子会社化し、翌年完全子会社化しています。映像コンテンツ事業に注力していましたが、多額の損失を計上し、再構築策を打ち出していました

しかし、最終的には事業再編を行い、MBOによりギャガの売却を行うことになりました。

⑮吉本興業

最後に紹介する事例は、2009年に行われた吉本興業によるMBOです。この事例では、市場に出回っていた吉本興業の株式を投資ファンドを通して公開買い付けを行い、買い取った株式を吉本興業とかかわりの深い会社に割り当てました

目的は吉本興業と株主との連携を強化し、収益をあげることや東アジア進出であると発表されています。

8. MBO(マネジメント・バイアウト)の問題点

MBO(マネジメント・バイアウト)の問題点

MBOを実施する際には、買い取りを行う経営陣と株主の間で問題があることが指摘されています。この章では、その問題点のうち以下の2点をご紹介します。

①MBOのタイミング決定が買収側にあること

1つ目の問題点は、MBOのタイミングを経営陣が決めることができることです。株式の買い取り価格の基準は、MBO実施日の株価を基準にして決められます。

会社の内情を知っている経営陣であれば、大まかな株価の動きを予測できるため、株主にとって不利になるような時期にMBOを実施する可能性があるというのがこの問題点です。

②MBOの価格を買収側が決められること

2つ目の問題点は、MBOの価格を経営陣が決められることです。先ほども述べたように、株式の買い取り価格は、MBO実施日の株価を基準にして決められるのですが、通常は株価に加えてプレミアム価格が付与されて買い取り価格が決められます。

日本企業の場合、MBOによるプレミアム価格は10~50%ですが、この価格はMBOを行う経営陣によって決められます。

この価格が低すぎる場合、株主から集団訴訟を起こされるというケースもあり、大きな問題となっています

9. MBO(マネジメント・バイアウト)の相談先

MBO(マネジメント・バイアウト)の相談先

MBOも買収や売却を行うM&Aの一種であるため、メリットだけでなくデメリットについても、把握しておかなければなりません。

買収後に債務が残るなどのリスクを回避するためにも、MBOを実施する際にはM&A仲介会社などの専門家に相談されることをおすすめします。

M&A総合研究所はMBOについて豊富な実績があり、M&A専門の会計士がフルサポートを行います。無料相談を行っていますので、MBOなどについてご検討の方や相談のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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10. まとめ

まとめ

中小企業のMBOは事業承継が目的で行われることが多いです。取引相手は経営者を引退する社長の場合が多いですが、相手のことを考えて自身に不利なMBOを行うと、今後の経営が困難になる可能性があります。
 

  • MBOの目的について
  • →上場廃止や経営権の取得などが目的です。
  • MBOの方法について
  • →株価の算定、資金の調達方法を考える必要があります。
  • MBOのメリット・デメリットについて
  • →意思決定を迅速に行うことができるが、監視機能が弱くなっているので注意が必要です。

MBOを検討・実施する際は、取引相手が身内であっても、M&A専門家に相談するようにしましょう。M&A総合研究所では、MBOの豊富な実績・知識を持つM&A専門の会計士が、一括サポートを行います。

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