コーポレートガバナンスとは?意味や目的・M&Aにおける必要性まで解説!

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

M&Aでは、さまざまな準備や知識が重要になりますが、その中でもコーポレートガバナンスを意識することが重要です。
コーポレートガバナンスについて意味や目的、必要性を理解している方が少ないのも現状なため、M&Aを検討する場合は必ず知っておきましょう。

目次

  1. コーポレートガバナンスとは?
  2. コーポレートガバナンスの目的とM&Aにおける必要性
  3. コーポレートガバナンスの課題
  4. コーポレートガバナンスを強化する方法
  5. コーポレートガバナンス強化の成功事例
  6. 企業価値を高めるにはコーポレートガバナンスの強化をしよう
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1. コーポレートガバナンスとは?

コーポレートガバナンスとは、企業にとって非常に重要な仕組みの1つですが、意味や必要性を理解している方は少ないのが現状です。

この記事では、コーポレートガバナンスの概要や意味、実施するメリットついて詳しく解説します。

コーポレートガバナンスの意味

コーポレートガバナンスとは、会社組織での不祥事などを防いで真っ当に運営できるように監視・統制する仕組みのことです。
別の言い方で「会社統治」と表現する場合もあります。

コーポレートガバナンスは、社外取締役や社外監査役などの社外の管理者によって経営などを監視することが一般的であり、上場企業では必要不可欠な取り組みの1つでもあります。

そのため、最近ではコーポレートガバナンスに取り組んでいる企業が増えてきています。

日本と海外のコーポレートガバナンスの違い

日本国内でのコーポレートガバナンスは、金融庁と東京証券取引所がガイドラインを公表しているため、上場企業の多くでは必要不可欠な取り組みです。

海外では、法律で定められている場合や従業員の参画が必要な場合などがあります。
さらに、日本国内よりも強制力や積極性があり法的な取り組みがある場合も多いです。

実際に、ドイツでは株式法に基づいて法的義務があります。

そのため、現状では日本と海外では法的拘束力や取り組み方など、様々な点において相違点が存在します。

コーポレートガバナンスとCSRとの違い

コーポーレートガバナンスとは、会社組織で不祥事などを防ぐために、社外の管理者が会社経営を監視する仕組みのことです。

CSRとは、「Corporate Social Responsibility」という言葉の略称で、「企業の社会的責任」という意味になります。
CSRとは、主に企業がボランティアや寄付、環境保全などの社会貢献に取り組むことで社内の不祥事を防ぐことは意味が異なります。

また、CSRは企業を長期的に持続させるための活動でもあります。

2. コーポレートガバナンスの目的とM&Aにおける必要性

コーポレートガバナンスを実施する目的は、企業価値の向上や不正、不祥事の防止などいくつかありますが、M&Aにおける必要性とは何があるのでしょうか。

ここでは、コーポレートガバナンスの目的とM&Aにおける必要性について解説します。

中長期的な企業価値の向上

1つ目の目的は、中長期的な企業価値の向上をさせることです。

コーポレートガバナンスに積極的に取り組むことによって、企業の信頼性や透明性が向上するので、新たな取引や出資、融資などが受けやすくなります。

その結果、中長期的に企業の財務状況がよくなり人材や資金確保がしやすく成長に繋がります。
 

【関連】M&Aの企業価値評価とは?算出方法を詳しく解説!

経営陣による不正・不祥事の防止

2つ目の目的は、経営陣による不正・不祥事の防止です。

社内全体だけでなく、経営陣による不正や不祥事も会社の価値や信頼性を低下させてしまう大きな要因の1つになるので、それらを事前に防ぐためにもコーポレートガバナンスは大切になります。

また、従業員や社外関係者の中には経営陣の不正や不祥事を見落としてしまう可能性が少なからずあるため、客観的な視点を取り入れて完璧に防止するためにも、コーポレートガバナンスの必要性は非常に高いのが現状です。

企業経営の透明性の確保

3つ目の目的は、企業経営の透明性の確保です。

コーポレートガバナンスは、経営状況や財務状況、リスク管理などの情報を適切に管理するための仕組みでもあるので、企業全体を知るためにも重要な仕組みです。

さらに、企業経営の透明性が確保されることにより、社内での不正や不祥事なども発生しにくくなるので、適切な経営が行えます。
 

株主などの利害関係者への説明責任を果たすこと

4つ目の目的は、株主などの利害関係者への説明責任を果たすことです。

企業が経営活動を継続させていくためには、株主などの利害関係者に対してしっかりと経営状況や利益の還元について説明する責任があります。
また、株主以外にも投資家や従業員、取引先なども関わっているため、経営者の独断ではなく企業全体を考えた意思決定が重要です。

コーポレートガバナンスに取り組むことで、これらのリスクを防ぐことができ、経営者の透明性や利害関係者との信頼関係が向上します。

社会的地位の向上

5つ目の目的は、社会的地位の向上です。

コーポレートガバナンスの取り組みによって企業価値や信頼性、統制力が向上すれば、経営状況や財務状況なども安定・向上します。
利害関係者や地域からの評判も向上することで、社会全体の評価が上がりCSRも実施しやすくなり社会的地位の向上に繋がります。

このようにコーポレートガバナンスは、企業の地位向上のためにも効果的な取り組みです。

3. コーポレートガバナンスの課題

企業の持続性や価値を高めるためにコーポレートガバナンスの実施を検討する企業は多くありますが、実施するためにはさまざまな課題があります。

ここでは、コーポレートガバナンスの主な課題を4つ解説します。

株主やステークホルダーの意思に左右される

1つ目の課題は、株主やステークホルダーの意思に左右されることです。

企業は、株主や企業の利害関係者であるステークホルダーに対して利益を還元する責任があるので、短期的な利益を求められてしまう可能性があります。

一方、企業経営において短期的な利益を目的に経営を行ってしまうと、中長期的な成長や利益の獲得が厳しくなってしまう可能性があるため、この課題は多くの企業が抱えています。

社内の体制構築にコストがかかる

2つ目の課題は、社内の体制構築にコストがかかることです。

コーポレートガバナンスを取り組むためには、社内体制や監視・統制するための仕組み作りが必要不可欠なため、そのために専門家や外部監査の依頼などのコストが発生します。

そのため、すぐに実践することが難しくなかなか取り組みが進まない場合が多くあります。

社外監査により事業のスピードが遅くなる

3つ目の課題は、社内監査により事業のスピードが遅くなることです。

これまで経営陣で意思決定を行った企業では、コーポレートガバナンスの取り組みで外部監査が入ることで、意思決定や事業のスピードが遅くなってしまいます。

また、外部監査の判断によっては経営陣の意向が中止される可能性もあるので、気軽に取り組みにくいのが現状です。

グループ会社にもガバナンスの整備が必要

4つ目の課題は、グループ会社にもガバナンスの整備が必要なことです。

グループ会社や子会社を抱える企業がコーポレートガバナンスに取り組む場合、その企業だけでなく子会社やグループ企業なども「グループガバナンス」として取り組む必要があります。
親会社のみが取り組んでいるだけでは、不正や不祥事を防ぎきれないので、グループガバナンスを実施して大掛かりな準備が必要になってきます。

4. コーポレートガバナンスを強化する方法

コーポレートガバナンスを強化させるためには、さまざまな方法があります。
ここでは、コーポレートガバナンスを強化する方法について主に6つ解説します。

内部統制の構築・整備

1つ目の方法は、内部統制の構築・整備です。

コーポレートガバナンスを強化するためには、内部統制をしっかりと構築・整備することがとても重要なので、内部統制の仕組みをしっかりと構築する必要があります。

内部統制を整備し適切に監視することが、不正や不祥事を予防するための基盤構築に繋がります。

社外取締役・監査役の設置

2つ目の方法は、社外取締役・監査役の設置です。

コーポレートガバナンスも強化には、経営陣の独断の意思決定を防ぐために外部の取締役・監査役を配置して、第三者視点からの監視体制を作る必要があります。

社外の第三者たちは、株主やステークホルダーなどの代弁を行う担当としての役割も果たすことが可能です。

執行役員制度の導入

3つ目の方法は、執行役員制度の導入です。

社内の執行役員は取締役とは別の人物が選ばれ、業務執行の責任・権限を保つことができるので、取締役と分離した意思決定を行うことができます。
分離した意思決定によって経営者の独断による実行がなくなるため、社内統制を強化させることができ、非常に友好的な強化方法の1つです。

社内規定の明確化・浸透化

4つ目の方法は、社内規定の明確化・浸透化です。

コーポレートガバナンスを強化するためには株主やステークホルダーだけでなく、その企業に勤める従業員にも社内規定や経営方針などを説明する必要があります。

社内全体が経営判断の基準や意思決定の過程などを知ることができれば、さらなるコーポレートガバナンスの強化に繋がります。

役職に応じた研修の実施

5つ目の方法は、役職に応じた研修の実施です。

社内で役職を持つ人物がしっかりと自分の役割や必要な知識などを理解しておくことで、社内全体の統制・管理がスムーズに行えるようになります。
さらに、経営陣の意思決定や方針についても理解を深めやすくなるため、部下の従業員にも浸透しやすくなります。

そのため、役職に応じて適切な研修を実施することも重要です。

コンプライアンス研修の実施

6つ目の方法は、コンプライアンス研修の実施です。

コーポレートガバナンスの強化には、コンプライアンスの理解や関心などがとても重要なため、定期的なコンプライアンス研修を実施し従業員や経営陣に不正や不祥事のリスク・重大性について知ってもらうことが大切になります。
さらに、コンプライアンスに対する理解を深めることは他社との取引やコミュニケーションでも大切になるため、徹底して行うことが重要です。
コンプライアンスの基本的な考え方や知っておくべきことなどを詳しく知りたい方は、下記のサイトをご覧ください。

【関連】コンプライアンスの基本的な考え方

5. コーポレートガバナンス強化の成功事例

コーポレートガバナンスを実施したことによって、企業持続性や価値などを向上させることに成功した企業が多く存在しています。
これからコーポレートガバナンスを実施する企業は、実際の成功事例を参考にして自社に取り入れてみることをおすすめします。

ここでは、多くの成功事例の中から主に6つの成功事例を紹介します。

ソニー

1つ目の成功事例は、ソニーです。

ソニーは、取締役会のほとんどが社外取締役を担当しており、中長期的な企業価値の向上や健全で透明性の高い経営を意識したコーポレートガバナンスを意識しています。

ソニーはほとんどが社外監査役を担当しているので、偏りや独断の意思決定などを防ぐことに成功しています。

オムロン

2つ目の成功事例は、オムロンです。

オムロンは、1996年とかなり昔からコーポレートガバナンスに取り組んでおり、現在でもさまざまな企業や地域社会に評価されている企業の1つです。

実際にオムロンは、「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2018」で、経済産業大臣賞を受賞しているほど高い評価を得ています。

資生堂

3つ目の成功事例は、資生堂です。

資生堂は、企業の持続的な成長を目指すための基盤を作るために、コーポレートガバナンスを実施しています。
資生堂もオムロンと同様に、「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2019」で経済産業大臣賞を受賞しました。

さらに、資生堂のコーポレートガバナンスでは経営判断の迅速性の維持も保つための取り組みを行なっています。

キリンホールディングス

4つ目の成功事例は、キリンホールディングスです。

キリンホールディングスは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」で2027年に向けた取り組みを実現するために、コーポレートガバナンスを実施しています。

さらに、株主や投資家に情報開示やコミュニケーションを積極的に行い、意思に左右されないような取り組みもしています。

コニカミノルタ

5つ目の成功事例は、コニカミノルタです。

コニカミノルタは、監視機能を徹底して運用するために監査側の観点からコーポレートガバナンスを実施し、企業価値の向上を目指しました。
企業価値を向上させるための取り組みとして、取締役会、執行役、指名委員会、監査委員会、報酬委員会の5つに分離させて、意思決定や経営判断を行うような仕組みにしています。

そのため、コニカミノルタのコーポレートガバナンスは、コニカミノルタ独自のガバナンスを追求し続けています。

良品計画

6つ目の成功事例は、良品計画です。

良品計画は、ステークホルダーとの良好な関係と企業価値の中長期的な向上を目指して、コーポレートガバナンスに取り組んでいます。
良品計画は監査役制度を採用しており徹底した情報開示や内部監査部門と連携した監査を行なっています。
 

6. 企業価値を高めるにはコーポレートガバナンスの強化をしよう

企業価値を高めて中長期的に企業を存続させていくためには、コーポレートガバナンスを強化し社内統制を徹底して管理することが大切です。

ただ、コーポレートガバナンスに取り組むためには、さまざまな準備や課題があるため、それらのポイントも十分に意識して実施しましょう。

これからコーポレートガバナンスに取り組む場合や強化させていく場合は、ぜひ参考にしてみてください。

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