キーマン条項(ロックアップ)とは?意味や期間、注意点を解説【具体例あり】

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企業情報第三部 部長
鎌田 実築

三菱UFJ銀行にて中堅中小企業法人担当として、企業再生支援、事業承継支援、資産活用コンサルティング等幅広く活動。その後M&Aアドバイザーとして複数の業種で成約実績を積み、規模・エリアも問わず幅広い相談に対応。

キーマン条項(ロックアップ)とは、M&A売却側の主要な人物がM&A成約後の一定期間、引継ぎなどに従事することを取り決めたものです。当記事では、キーマン条項(ロックアップ)の意味や期間、注意点について具体例を交えて解説しています。

目次

  1. キーマン条項(ロックアップ)とは?
  2. キーマン条項(ロックアップ)の意味
  3. キーマン条項(ロックアップ)の期間
  4. キーマン条項(ロックアップ)の注意点
  5. キーマン条項(ロックアップ)の具体例
  6. まとめ
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1. キーマン条項(ロックアップ)とは?

キーマン条項(ロックアップ)とは?

キーマン条項(ロックアップ)とは、売却側の社長や役員など事業運営の中心となる人物を、買収側企業に一定期間まで在籍させ引継ぎなどの業務を行うことを取り決めたものです。

キーマン条項(ロックアップ)を取り決める主な理由は、買収後の事業運営を差し障りなく進めるためです。売却側の運営の中心となっていた人物がいきなり抜けてしまうと、買収後の運営が想定通りに進まないことも考えられます。

買収側はそのような事態を避けるため、キーマン条項(ロックアップ)を売却側と取り決めることにより、M&A成立後の経営が円滑に進められるように体制を整えます。

キーマン条項(ロックアップ)の対象となる人物には、売却側会社の社長や役員のほか、キーマンとなる従業員などが挙げられます。

2. キーマン条項(ロックアップ)の意味

キーマン条項(ロックアップ)の意味

キーマン条項は英語では「Keyman Clause」と表記され、Keymanは組織などにおける重要な人物、Clauseは条項を意味します。ロックアップは英語では「Lock up」と表記し、日本語では施錠や固定といった意味があります。

つまり、キーマン条項(ロックアップ)は、組織における重要人物を一定期間拘束することを取り決めた条項という意味になります。

M&Aでは、キーマン条項(ロックアップ)によって、対象会社(売り手)の重要人物を一定期間買い手に在籍させて事業の引き継ぎなどを行い、買い手に起こり得る利益の損失回避を目的として定められます。

3. キーマン条項(ロックアップ)の期間

キーマン条項(ロックアップ)の期間

一般的に、キーマン条項(ロックアップ)がM&A契約に盛り込まれる場合、買収価格はその分だけ高くなる傾向にあります。

しかし、ロックアップの期間は売却側の社長(あるいは対象となる人物)は拘束されることになり、買収側にとっては適切な期間を設けなければM&A成約に至らない可能性もあります。

そのため、キーマン条項(ロックアップ)に定める期間は、十分な検討したうえで決定する必要があります。

キーマン条項(ロックアップ)期間の目安は?

キーマン条項(ロックアップ)期間は一般的に5年以内に定められることが多いですが、組織の大きさによっても期間は異なります。

引き継ぎ事項など必要な業務が少なければキーマン条項(ロックアップ)期間も短くなりますが、組織が大きく事業を引き継いで新しい体制が軌道に乗るまでとなれば、当然キーマン条項(ロックアップ)期間は長くなる傾向にあります。

買い手に望ましい期間

買い手企業にとっては、キーマン条項(ロックアップ)期間を1~3年で設定するのが望ましいとされています。

というのは、あまり長い期間を設定すると売り手の社長など対象となる人物の意欲低下が考えられ、かえって効率が悪くなる可能性もあるためです。

どのような引継ぎが必要かにもよりますが、キーマン条項(ロックアップ)期間は可能な限り短く設定するほうがよいでしょう。

売り手に望ましい期間

買い手企業と同様、売り手企業に望ましいキーマン条項(ロックアップ)期間も1~3年とされています。

キーマン条項(ロックアップ)期間は協議のうえで決まりますが、売却を決めた時点では納得していた期間でも、時間が経つにつれて考え方に変化が生じる可能性もあります。

また、キーマン条項(ロックアップ)期間中は拘束されることが決まっているため、新しく事業を始めたいと思っても自由に行動することはできません。そのため、キーマン条項(ロックアップ)期間はよく考えたうえで合意することが重要です。

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4. キーマン条項(ロックアップ)の注意点

キーマン条項(ロックアップ)の注意点

キーマン条項(ロックアップ)をM&A契約に盛り込む際は、いくつか注意すべき点があります。この章では、キーマン条項(ロックアップ)の主な注意点を解説します。

【キーマン条項(ロックアップ)の注意点】

  1. 一定期間は自由が奪われる
  2. 期間を長く設定しすぎない
  3. キーマン条項中は個人的な出資も禁止されることがある
  4. 買い手企業の信用度を確かめる
  5. アーンアウト条項の活用も視野に

1.一定期間は自由が奪われる

キーマン条項(ロックアップ)期間、売り手企業の社長など対象となった人物は、引継ぎのために業務に当たらなければなりません。

もしキーマン条項(ロックアップ)期間が5年であれば、その間は自由が奪われることになるため、契約にキーマン条項(ロックアップ)を盛り込む場合は、その点を納得したうえで取り決める必要があります。

2.期間を長く設定しすぎない

2つ目の注意点は、キーマン条項(ロックアップ)期間を長く設定しすぎないことです。あまりに長いキーマン条項(ロックアップ)期間を設定してしまうと、対象となる売り手企業の社長などの精神的負担が大きくなります。

最悪の場合、契約に反してでも引き継ぎをやめてしまう事態も考えられるため、必要な引継ぎ業務量を検討したうえで、長くてもキーマン条項(ロックアップ)期間は5年以内を目安に設定するようにしましょう。

3.キーマン条項(ロックアップ)中は個人的な出資も禁止されることがある

3つ目の注意点は、キーマン条項(ロックアップ)期間中は個人的な出資であっても禁止されるケースがあることです。

もし、キーマン条項(ロックアップ)期間中に、売り手企業の社長(対象者)などライバル関係にある会社へ出資すれば買い手企業の優位性が失われかねないため、キーマン条項(ロックアップ)に個人的な出資の禁止が盛り込まれるケースもあります。

M&A後に個人的な出資を考えているのであれば、M&A契約を締結する前にキーマン条項(ロックアップ)期間の個人的な出資が禁止されているか否かを確認しておくようにしましょう。

4.買い手企業の信用度を確かめる

キーマン条項(ロックアップ)を取り決める際は、買い手企業の信頼度を確かめておくことも大切です。キーマン条項(ロックアップ)に同意すれば、定めた期間が過ぎるまで買い手企業のもとで引き継ぎに従事しなければなりません。

契約を交わした以上、キーマン条項(ロックアップ)期間中は買い手企業の指示に従い業務を進めることになるので、内容に同意する前に買い手企業の信頼度や働く環境などをよく確認しておくことが大切です。

5.アーンアウト条項の活用も視野に

特に買い手企業が意識しておきたい注意点として、アーンアウト条項の利用を検討することが挙げられます。

アーンアウト条項とは、キーマン条項(ロックアップ)期間中に売り手企業の社長(対象者)が、一定の目標を達成したときに買収価格の一部を支払う取り決めです。

M&A契約にキーマン条項(ロックアップ)だけでなくアーンアウト条項も盛り込めば、売り手企業の社長(対象者)のモチベーションを保つことにもつながります。

【関連】アーンアウトとは?アーンアウト条項付きのM&Aのメリット・デメリット【事例あり】

M&Aのご相談はM&A総合研究所へ

M&A契約にキーマン条項(ロックアップ)を盛り込むかどうかは、取引価格だけでなくM&A後の活動にも影響を及ぼします。

盛り込む場合は期間や内容についてさまざまな角度から検討する必要があるため、専門家に相談することをおすすめします。

M&A総合研究所は、中堅・中小規模の案件を扱うM&A仲介会社です。豊富な実績を有するアドバイザーがご相談からご成約をフルサポートいたします。

弊社には弁護士も在籍しておりますので、法的な面においても安心してM&Aを進めていただくことができます。

料金システムは完全成果報酬型(レーマン方式)となっており、成功報酬以外の費用はかかりません。無料相談はお電話・メールフォームより24時間お受けしていますので、M&Aをご検討の際はぜひ一度M&A総合研究所へご相談ください。

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5. キーマン条項(ロックアップ)の具体例

キーマン条項(ロックアップ)の具体例

キーマン条項(ロックアップ)の期間や内容をどのようにすべきか、また、盛り込むかどうかは最終的に当事者間で決めることになります。最後に、キーマン条項(ロックアップ)の具体例を2つ紹介します。

①キーマン条項(ロックアップ)期間中に売り手企業の経営者が引き継ぎをやめたケース

1つ目は、キーマン条項(ロックアップ)期間が長かったために、売り手企業の経営者が引き継ぎをやめてしまったケースです。

この事例では、M&A契約にキーマン条項(ロックアップ)期間を5年とすることを盛り込んでいましたが、期間が長かったため引き継ぎに関する意欲が下がってしまい、結果的に契約に反したとして違約金を支払って同意内容を解消することになりました。

②取引価格アップよりも自由を選んでキーマン条項(ロックアップ)を盛り込まなかったケース

2つ目は、M&A後に引継ぎ業務のために拘束されることを避けるため、M&A契約にキーマン条項(ロックアップ)を盛り込まなかったケースです。

通常、キーマン条項(ロックアップ)をM&A契約に盛り込めば取引価格はその分高くなり、この事例の場合は取引額は10億円のアップが見込めました。

しかし、売り手企業の経営者は売却価格が下がっても自身の時間的自由を優先したいと考え、キーマン条項(ロックアップ)を盛り込まない形でM&A契約を締結しました。

6. まとめ

まとめ

キーマン条項(ロックアップ)をM&A契約に盛り込めば、売り手企業は売却価格のアップが見込め、買い手企業は円滑な業務引き継ぎが可能になります。

しかし、キーマン条項(ロックアップ)を定めれば、買い手企業の社長(対象者)は一定期間拘束されることになるため、あまり長く設定してしまうと意欲低下を招くことも考えられます。

キーマン条項(ロックアップ)期間は可能な限り短く設定し、買い手はアーンアウト条項を盛り込むことも検討するとよいでしょう。

【キーマン条項(ロックアップ)とは】

  • 売却側の社長や役員など事業運営の中心となる人物を、買収側企業に一定期間まで在籍させ引継ぎなどの業務を行うことを取り決めたもの
  • 一般的に1年~5年程度の期間を定めることが多い
【キーマン条項またはロックアップの注意】
  • 一定期間、売り手企業の対象者は自由が奪われる
  • 期間を長く設定しすぎない
  • キーマン条項中は個人的な出資も禁止されることがある
  • 同意する前は買い手企業の信用度を確かめる
  • 買い手企業はアーンアウト条項の活用も視野に入れる

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