2019年07月26日更新
事業売却とは?手続きの流れやメリット・注意点を知って高値で事業売却しよう

事業売却とは、会社にある事業を売却することです。中小企業の資金調達や事業再生のための事業売却が増えています。今回は、メリットや注意点、手続きの流れを詳しく解説。高値で事業を売却する条件もお伝えします。事業売却を活用して自社をさらに成長させましょう。
目次
1. 事業売却とは
事業売却とは、会社にある事業を売却することです。
事業とは、設備や機械、知的財産やブランド、従業員などが含まれます。
つまり事業に必要なすべての財産が含まれるのです。
会社の中にある1つの事業を売却した場合でも、複数の事業を売却した場合でも、事業売却と呼ばれます。
会社売却とよく混同されますが、会社売却とは会社の全ての財産を売却することです。
このように、事業売却と会社売却では売却する対象が異なります。
事業売却をする時、どのような目的で行われるのか確認してみましょう。
1-1.事業売却の2つの目的
事業売却には2つの目的が挙げられます。
- 経営の効率化
- 事業再生
事業売却の2つの目的について詳しく確認しましょう。
目的1.経営の効率化
事業売却の目的のほとんどが、経営の効率化です。
複数の事業を持つ会社の場合、経営方針として選択と集中を迫られる場面があります。
1つの事業に絞って会社を成長させていこうという考え方です。
また、会社の財務状況が悪化した場合も、経営の効率化を図るために赤字事業を売却することがあります。
事業を売却して会社の経営を立て直す手段として事業売却が活用されるのです。
目的2.事業再生
事業売却は、事業再生のためにも行われます。
事業再生とは、業績不振や債務超過などの事業を立て直すことです。
会社に後継者がいない場合や、赤字だけど潰すと顧客や取引先への影響力が大きい事業を他社に売却することで事業や従業員を守ります。
つまり、自社で存続させることが出来ないので資金力のある別会社へ売却してしまい、事業を存続させるのです。
このように、赤字事業だけど事業を存続させないといけない場合に当てはまります。
1-2.事業売却の方法
事業売却をする場合、以下の2つの方法で手続きをすることになります。
- 事業譲渡
- 株式譲渡
それぞれどのような手法なのか確認しましょう。
手法1.事業譲渡
事業譲渡は、事業そのものを売却する方法のことを指します。
一般的に、事業売却と言えば事業譲渡のことを指す場合が多いです。
売却される事業の所有者が変わる手続きのため、売却後も会社自体は存続します。
事業に関わる全ての契約や権利を買い手企業に引き継がせるため、手続きはとても複雑です。
譲渡の対価は現金ですが、対価を受け取るのは会社になります。
経営者が資金を手にするには、社内で仕組みを作らなければならないため、注意しましょう。
手法2.株式譲渡
株式譲渡とは、自社の株式を譲渡して会社の経営権を譲渡することを指します。
株主が変わって経営権が移るだけのシンプルな事業売却の方法です。
株式譲渡は、対象企業の資産・負債を全て引き継ぐことになります。
株式を譲渡すると、売り手の経営者は現金を手に入れることが可能です。
そのため、株式譲渡で一部の事業を売却することは出来ません。
すべての事業、つまり会社自体を譲る手続きが株式譲渡なのです。
M&A総合研究所なら、事業売却の手法や相手企業探しまでを完全成功報酬型でフルサポート!お気軽にご相談ください。
2. 事業売却の事例
ここで、事業売却の事例を確認しましょう。
- 売り手:A社 インターネットサービス業 従業員30名
- 買い手:B社 化粧品メーカー 従業員200名
A社はインターネットサービス業として複数のWEBコンテンツ事業を展開していました。
他の事業立ち上げのため、採算の良くない美容系WEBコンテンツ事業を売却することを決意。
一方、B社は化粧品メーカーとして一定の顧客がいましたが、若年層にも顧客になってほしいと感じていました。
そこで目を付けたのが、若者向けのWEBコンテンツです。
WEBコンテンツを見ているユーザーに向けて自社の化粧品をアピールすることで、売り上げが伸びるのではないかと考えました。
両者はM&Aアドバイザーから紹介され、話し合いを重ねました。
A社の美容系WEBコンテンツの顧客は狙い通りの年齢層だったため、B社は買収を決意。
A社も従業員をそのまま雇ってもらえるということにメリットを感じ、B社へ売却することに合意しました。
A社は多額の対価を得ることができ、新しい事業の立ち上げの資金にすることが出来たのです。
3. 事業売却をするメリット
ご紹介した事例のように、事業売却にはメリットがあります。
事業売却のメリットは、3つです。
- 資金を得ることが出来る
- 一部の事業のみを譲渡出来る
- 残したい従業員や資産を残すことが出来る
3つのメリットを順番に確認していきましょう。
メリット1.資金を得ることが出来る
当然ですが、事業売却をすると資金を得ることが出来ます。
対価が現金であることも魅力的です。
事業売却では、ある程度まとまった現金を得られるので、新授業の立ち上げ資金や借入金の返済などに充てることが出来ます。
ただし、経営者個人が資金を得られるわけではないので注意しましょう。
メリット2.一部の事業のみを譲渡出来る
事業売却をする場合、一部の事業のみを譲渡することが出来ます。
そのため、会社を存続させたままに出来るのです。
不採算部門だけを売却したり、メインの事業に集中するために他の事業を売却することが出来ます。
会社を存続させたまま組織の再編が行えるので経営者にとって大きなメリットとなるのです。
メリット3.残したい従業員や資産を残すことが出来る
事業譲渡で事業売却をした場合、会社に優秀な従業員や有益な資産を残すことが可能です。
事業売却をすると、両社で「事業の何を承継させるのか」を決めることが出来ます。
そのため、対象の事業に属する従業員や資産であっても、契約次第で残すことが出来るのです。
このように、全てを売却したくない場合でも事業売却は行えます。
4. 事業売却をする時の流れ
続いて、実際に事業売却する時の流れを確認していきましょう。
事業売却をする時には、大きく8つのステップに分けることが出来ます。
- 社内で検討する
- M&A仲介会社に相談する
- 買い手候補を選定する
- トップ面談を行う
- 基本合意契約を交わす
- デューデリジェンスを行う
- 最終合意契約を交わす
- 統合作業を行う
事業売却の流れを順番に確認していきましょう。
流れ1.社内で検討する
まずは、事業売却について社内で十分に検討しましょう。
特に以下の3つについては、方針を固める必要があります。
- 事業売却が最善の経営判断か
- どんな企業に事業を売却するか
- いつまでに事業売却を完了させるか
この3つの方針が固まっていないと、事業売却に成功はありません。
社内の経営陣としっかりと検討し、具体的に事業売却を進めていきましょう。
流れ2.M&A仲介会社に相談する
事業売却をすることが決まれば、M&A仲介会社に相談をしましょう。
M&A仲介会社には、M&Aアドバイザーが在籍しています。
M&Aアドバイザーとは、M&Aを総合的にコンサルタントしてくれる存在です。
事業売却はM&Aの1つに含まれるため、M&Aアドバイザーの存在が欠かせません。
自分だけで実行しようとすると、機密情報が漏れたり思いがけないトラブルに発展する可能性があります。
経験と実績のある信頼できるM&Aアドバイザーと契約し、具体的な戦略とスケジュールを立てていきましょう。
流れ3.買い手候補企業を選定する
M&Aアドバイザーから買い手候補企業を提案してもらいましょう。
このとき、ハッキリと事業売却の目的やどんな企業に売却したいかを伝えるようにしてください。
買い手候補企業が決まったら、提案資料を作成し、買い手候補へ打診します。
打診はM&Aアドバイザーが匿名で行ってくれるので安心です。
提案資料を見た買い手候補企業が興味を示したら秘密保持契約を両社で締結します。
その後、社名を出し、さらに詳しい情報が買い手候補へ開示されるのです。
流れ4.トップ面談を行う
秘密保持契約締結後は、事業内容・財務情報などを詳細に記載したIM(インフォメーション・メモランダム)という資料が買い手候補へ開示されます。
両者ともに売却・買収を進めたいという意志表示があれば、経営者同士のトップ面談を行いましょう。
トップ面談では、M&Aアドバイザーが間に入って進行してくれます。
売却・買収に至った経緯やお互いの経営方針を話したり、IMだけでは分からなかった疑問点を解消する場です。
「この経営者なら自社の事業を任せられる」と思えるまで、何度も繰り返しトップ面談を行いましょう。
流れ5.基本合意契約を交わす
基本合意契約とは、買い手候補企業が買収の意思を固めたことを証明する契約のことです。
まず、両社ともに売却・買収をしたいと意思が固まれば、買い手候補企業側から意向証明書が提出されます。
意向証明書とは、買収方法・買収価格・買収条件などの提案が書かれた資料です。
意向証明書に同意すれば、基本合意契約の締結に進みます。
基本合意契約を締結すれば、デューデリジェンスで問題がない限り、事業売却が決定したと考えて良いでしょう。
流れ6.デューデリジェンスを行う
基本合意契約の締結後、買い手候補企業はデューデリジェンスを行います。
デューデリジェンスとは、対象企業の資産やリスクを調査することです。
具体的には、法務・税務・会計などの詳細な資料の提出を求められた李、専門家が会社や工場などに訪問されたり、企業調査が行われます。
デューデリジェンスを行うことで、買い手候補企業が売り手企業の実態を詳細に知り、リスク予防・対策をすることが出来るのです。
流れ7.最終合意契約を交わす
デューデリジェンスで問題がなければ最終合意契約書を交わします。
最終合意契約書締結までに、以下の条件を決定しましょう。
- 買収価格
- 買収価格の支払い方法
- 従業員の処遇
- 最終契約までのスケジュール
最終的な買収価格はこの時に決定しましょう。
両社納得のいく条件が決定したら、その内容を最終合意契約書に記載します。
最終合意契約の締結をもって事業売却は完了です。
流れ8.統合作業を行う
最終合意契約の締結後、クロージングと統合作業を行います。
まずは、クロージングを済ませましょう。
クロージングとは、譲渡対価の決済や各契約や権利の譲渡などの細やかな手続きを完了させることです。
また、統合作業も進めていかなければなりません。
統合作業とは、売却した事業に属する従業員を買収会社のシステムに統合することを指します。
事業売却後、最低3ヶ月は統合作業に協力をしましょう。
5. 事業売却を高値で行うための3つの条件
事業を売却するのであれば、出来るだけ高い価格で売却したいはずです。
そこで、M&Aで会社や事業の売却額を上げるための3つの条件をお伝えします。
- 事業の利益が出ている
- 独自の強みを持っている
- 健全な法務・財務状況である
1つずつ条件を確認していきましょう。
条件1.事業の利益が出ている
売却したい事業が利益を出していることは、売却額を引き上げる大きな要素です。
過去から安定して利益を生み出しており、今後も継続できる事業だと判断されれば「投資したい」と買い手は思います。
そのために、しっかりと売り上げを伸ばし、無駄な経費を削ることが大切です。
「今後どれくらいの収入が見込めるのか」をしっかりとアピールしましょう。
条件2.独自の強みを持っている
わざわざお金を出して手に入れたいと思われるような独自の強みを持っていると、売却額を上げることが出来ます。
何も、技術力や権利に限りません。
固定客などの販売ネットワークや、営業力のあるセールスマンも独自の強みです。
人材・ノウハウ・販売先・取引先・技術・営業拠点・製造拠点といったの資材を見直し、自信を持ってアピールできる自社のセールスポイントを探してみましょう。
条件3.健全な法務・財務状況である
常に健全な法務・財務状況であることを目指しましょう。
なぜなら、少しでもリスクが見えると売却額は大幅に引き下げられてしまうからです。
- 訴訟問題を抱えていないか
- 取引先との契約に問題がないか
- 会計処理が適正に行われているか
- 簿外債務がないか
買い手は、M&A前に必ず以上のような項目をチェックします。
そのため、常に健全な法務・財務状況であることを維持しましょう。
6. 事業売却をするときの注意点
事業売却をするのであれば、気を付けたい注意点が2つあります。
- 負債も一緒に承継されるとは限らない
- 譲渡益に税金が発生する
2つの注意点は非常に大事なポイントのため、必ず事業売却前に把握する必要があります。
しっかりと確認していきましょう。
注意点1.負債も一緒に承継されるとは限らない
事業売却をした場合、事業の抱える負債も一緒に承継されるとは限りません。
事業譲渡によって事業売却をすると、事業のどこまでを承継させるか契約で決めることが出来ます。
残したいものを残せる代わりに、買い手企業が買いたくないものを買い取ってくれない可能性もあるのです。
もし、「赤字事業だから売却しよう」という判断をしても、今抱えている負債は自社で賄わなければならないこともあります。
また、負債を継承すると買い手企業が承諾しても、債権者との交渉が必要です。
その手続きや交渉に時間やコストがかかる可能性があるので、注意しましょう。
ただし、株式譲渡をした場合は会社をそのまま譲渡することになるため、負債も一緒に承継されます。
この場合は、会社を存続させることが出来ません。
事業売却の手法は慎重に選びましょう。
注意点2.譲渡益に税金が発生する
事業売却で得た譲渡益には税金が発生します。
譲渡益とは、事業の売却額から諸経費を引いた額のことです。
M&Aアドバイザーへのコンサルタント費用や事業評価費用などが経費にあたります。
事業売却を行う際にはどれだけの税金が発生するのか確認し、売却額を決定するようにしましょう。
7. 事業売却で発生する税金
先ほど、「譲渡益には税金がかかる」とお伝えしましたが、もう少し詳しく確認していきましょう。
事業売却は、会社の事業を「売る」行為です。
そのため、事業売却をすると「利益」が発生し、それに税金がかかってしまいます。
株式譲渡か事業譲渡かによって、事業売却で課税される税金が異なるので詳しく確認していきましょう。
7-1.事業譲渡で発生する税金
事業譲渡で事業売却をした場合、譲渡益は法人税の対象です。
事業譲渡の場合、対価を受け取るのは会社となります。
そのため、譲渡益は通常の営業による利益として法人税の対象となるのです。
法人税は、譲渡益の19%~23.2%程度で、各企業によって税率は異なります。
また、事業譲渡による事業売却には消費税も発生します。
そのため、課税対象となる資産の8%分の消費税を支払わなければなりません。
7-2.株式譲渡で発生する税金
一方、株式譲渡で事業売却をした場合は株主が法人なのか個人なのかによって、発生する税金が異なります。
株主が法人の場合は、事業譲渡と同じように法人税を支払わなければなりません。
しかし、株主が個人の場合は譲渡益ではなく譲渡所得となるので注意しましょう。
この譲渡所得は所得税・住民税の対象となります。
所得税が15.315%、住民税が5%なので、譲渡所得の20.315%の税金を払う必要があるのです。
8. 事業売却に関わる会計処理方法
事業売却をした場合、会計処理も適切に行わなければなりません。
譲渡した事業は資産として扱います。
売り手企業と買い手企業に分けて、会計処理を確認していきましょう。
8-1.売り手企業の会計処理
まずは、売り手企業の会計処理方法を確認していきましょう。
事業の株主資本相当額と実際の売却対価との差額が発生した場合は、移転損益として扱います。
つまり、譲渡益=移転損益となるのです。
事業売却によって支出が発生した場合は、その事業年度の費用で処理しなければなりません。
具体的に仕訳の例を確認してみましょう。
- 譲渡資産の帳簿価格 500万円
- 譲渡負債の帳簿価格 200万円
- 付随費用 50万円
- 譲渡価格 400万円
貸方 | 借方 | ||
譲渡負債 | 200万円 | 譲渡資産 | 500万円 |
現預金 | 400万円 | 移転損益 | 100万円 |
付随費用 | 50万円 | 現預金 | 50万円 |
このように、譲渡益は移転損益として会計処理をします。
8-2.買い手企業の会計処理
続いて、買い手企業の会計処理方法を確認していきましょう。
買い手企業の会計処理は、のれんを加味しなければなりません。
買い手企業の個別財務諸表に、買収した事業の純資産(資産・負債)を時価で入れ、のれんを計上する必要があります。
のれんとは、買収した事業の純資産の時価と取得原価の差額のことです。
通常、買収した事業の資産と負債の時価よりも取得原価の方が高い価格になります。
なぜなら、買収した事業のブランド力・ノウハウ・従業員の能力・特許などには純資産に反映されていないため、その分を上乗せして取得原価が決まるからです。
のれんは、無形固定資産として計上します。
具体的に仕訳の例を確認してみましょう。
- 譲受資産の時価 500万円
- 譲受負債の時価 100万円
- 取得原価300万円
貸方 | 借方 | ||
譲受負債 | 100万円 | 譲受資産 | 500万円 |
取得原価 | 300万円 | のれん | 100万円 |
このように、譲受資産から譲受負債・取得原価の差額をのれん代として処理します。
M&A総合研究所なら、M&Aに詳しい公認会計士が専任でフルサポートいたします。お気軽にご相談ください。
9. 事業売却をするなら必ずM&A仲介会社に相談しよう
事業売却を検討するなら、必ずM&A仲介会社に相談しましょう。
その理由を説明するために、事業売却における役割とM&A仲介業者の役割や相談するメリット、気になる費用について解説していきます。
順番に確認していきましょう。
9-1.M&A仲介会社の役割
まずは、M&A仲介会社の役割から見ていきましょう。
M&A仲介会社には、M&Aを総合的にサポート・アドバイスをする役割があります。
M&A仲介会社の行う業務は大きく4つあります。
- スケジュールと戦略の決定
- 売却先の選定
- 売却条件の交渉
- 弁護士や会計士などの紹介
1つずつ詳しく確認していきましょう。
業務1.スケジュールと戦略の決定
まずは、会社や事業の売却までのスケジュールを組み立てます。
いつ売却したいのかという顧客の要望に合わせて、工程ごとに日程を決めていくのです。
事業売却は検討から成立まで、約3ヶ月~1年かかります。
その間に、企業評価・提案書作成・売却先選定・面談・条件交渉・基本合意・相手企業調査・最終締結・クロージングと、さまざまな工程をこなさなければなりません。
また、出来るだけ早く売却する方法や、より高い価格で売却する方法を考えることも必要です。
これらを踏まえて、「どのような企業にどのようなアピールをするか」を細かく設定していきます。
その中で改めて自社の強み・弱みを再認識することになるでしょう。
このように、過去の事例や持っている情報をフルに活用し、スケジュールと戦略を決定していきます。
業務2.売却先の選定
スケジュールと戦略を立てた後は、売却先を選定していきます。
条件に合う企業の紹介や、選定のアドバイスをしてもらうことが可能です。
M&Aでは、目的や売却の条件によって、選ぶべき企業は変わります。
自分では同業他社へ売却した方が良いと思っていても、「A社が異業種開拓したいと思っている」という情報を元にA社へ売却提案をすることだってあるのです。
また、自分の持つネットワークではアプローチ出来ない遠方の企業や大手企業にも仲介会社を通すことで、事業売却が実現することもあります。
このように売却先選びは事業売却においてとても重要です。
必ず頼れる仲介会社を選びましょう。
業務3.売却条件の交渉
売却先の候補が決まると、売却の条件交渉をしてくれます。
当然ですが、買い手は出来るだけ安い価格で買収したいと思っていますし、リスクになるものは買収対象から外したいと考えます。
「この条件でなければ買わない」と言われると、売り手は圧倒的に不利な立場です。
しかし、M&A仲介業者は売り手の味方となって、交渉をしてくれます。
要望の伝え方や折れるべき条件など、的確にアドバイスしてくれるのです。
初心者ではわからないことも、過去の事例を参考にアドバイスしてもらえます。
業務4.弁護士や会計士などの紹介
会社に弁護士や会計士がいない場合、事業売却に強い専門家を紹介してもらえます。
専門知識を持っている人にしか出来ないことも事業売却では多いです。
特に、契約書の作成や企業価値の適正な判断、会計処理は専門知識がなければ出来ません。
しかし、中堅・中小企業だと顧問弁護士や選任の会計士がいないことも多いです。
頼れる人がいないと困っていても、仲介会社の持つネットワークで専門家を紹介してもらうことが出来ます。
9-2.M&A仲介会社を活用するメリット
「買い手は自分のネットワークの中から見つかりそうだし、大丈夫」と思っていても、確実にM&A仲介会社を頼るほうがスムーズに事業売却することが出来ます。
事業売却を行う際に、仲介会社を利用するメリットは3つです。
- 経営者が本業に専念できる
- 取引の適正さを確保できる
- 思わぬトラブルを回避できる
以上の3つのメリットを順番に見ていきましょう。
メリット1.経営者が本業に専念できる
事業売却の検討から実際に成約するまでをサポートしてもらうことで、経営者は本業に専念することが出来ます。
事業売却には多くの知識や情報が必要です。
また、検討から成約まで3ヶ月~1年の期間がかかってしまいます。
その間、事業売却だけにかかりきりになってしまうと、本業がおろそかになり、収益性が低くなる可能性も出てくるのです。
そうなると、事業売却の取引額も下がってしまいます。
M&A仲介業者を通すことによって、本業に支障を出さず事業売却も成功させることが出来るのです。
メリット2.取引の適正さを確保できる
M&A仲介会社がいることで、取引そのものが適正であるかを判断することが出来ます。
売り手は出来るだけ高く売りたいと思っていますし、買い手は出来るだけ安くで買いたいと思っているものです。
そうしたときに、第三者の視点から適正な金額を判断してくれるだけでスムーズに交渉が進みます。
多くの事業売却を見てきたM&A仲介会社だからこそ、取引が適正であることを判断することが出来るのです。
メリット3.思わぬトラブルを回避できる
M&A仲介会社を通して契約することで、思わぬトラブルを回避することが出来ます。
もし、仲介会社なしで話がまとまったとしても、最終の契約で思わぬトラブルが発生する可能性があるのです。
例えば、最終の契約直前でこのように決裂してしまうことがあります。
買い手:
「思っていたよりもノウハウや技術力が不足している。決算書にはない含み損や回収不能債権もある。だから買収価格を大幅に引き下げたい。」
売り手:
「最終締結前に言うのはおかしい。事実はちゃんと提示していたし、従業員や会社を守るためにも売却価格は変更できない。」
このように、お互いが譲れない主張をしあっている間に決裂してしまうことがあるのです。
仲介会社は、考えられるトラブルを回避したうえで契約書を交わす手伝いをしてくれます。
不慣れが原因で起こるトラブルは非常に多いです。
M&Aの専門家である仲介会社を頼ることでスムーズな契約が成立します。
9-3.M&A仲介会社の手数料相場
実際にM&A仲介会社を利用しようと思っても、気になるのは発生する費用です。
M&A仲介会社の手数料は、一概に「〇円です」と言い切ることが出来ません。
M&A仲介会社によって大きく発生する費用が異なりますが、一般的にレーマン方式という成功報酬体系を採用していることが多いです。
(1)レーマン方式とは
レーマン方式とは、M&Aの売却額によって手数料の割合を計算する方法です。
手数料の割合は一定ではなく、M&A仲介会社によって異なります。
しかし、一般的に採用されている水準がありますので売却額ごとに見てみましょう。
売却額 | 手数料の割合 |
5億円以下の部分 | 5% |
5億円超・10億円以下の部分 | 4% |
10億円超・50億円以下の部分 | 3% |
50億円超・100億円以下の部分 | 2% |
100億円超 | 1% |
このように、レーマン方式は売却額に合わせて手数料の割合が変わります。
10億円×4%と、単純に売却額に手数料の割合を掛ければ良いという訳ではないので、注意して下さい。
例を見ながら計算方法を確認していきましょう。
(2)レーマン方式の計算例
一度、レーマン方式で費用を算出してみましょう。
このようにレーマン方式での報酬額算出は複雑です。
また、あくまでも一例のため、M&A仲介会社によって手数料の割合が変わります。
レーマン方式での報酬であった場合には、手数料の割合を確認して、実際に計算してみましょう。
10. M&A仲介業者は「M&A総合研究所」がおすすめ
事業売却を考えているなら、『M&A総合研究所』へ相談しましょう。
M&A総合研究所は、着手金無料でM&Aのコンサルタントをしてくれます。
完全成果報酬のため、最終譲渡契約を締結するまでの費用は一切発生しません。
M&A総合研究所へ相談をするおすすめの理由は以下の3つです。
- 事業売却の手法を相談できる
- 迅速に買い手候補を紹介してくれる
- 公認会計士がフルサポートしてくれる
それぞれ詳しく確認していきましょう。
理由1.事業売却の手法を相談できる
自社にとってどのM&Aの手法で事業売却することが適切かを判断してくれます。
ほとんどの経営者は、M&Aを何度も行いません。
自分の持っている知識だけで「株式譲渡がベストだ」などと判断し、話を進めていくことにはリスクがあります。
そのため、専門的な知識を持ち、総合的な判断ができるM&Aアドバイザーに得られるメリットやリスクを教えてもらうことが大切です。
M&Aアドバイザーに相談しながら、慎重にM&Aの手法を決定していきましょう。
理由2.迅速に買い手候補を紹介してくれる
M&A総合研究所に相談すると、多くの買い手候補を紹介してくれます。
なぜなら、M&A総合研究所は全国の都市銀行・地方銀行・信用金庫・証券会社と提携しており、M&Aに積極的な会社とのネットワークを豊富に持っているからです。
「この基準に当てはまる企業を紹介してほしい」とM&Aアドバイザーに伝えることで数社の買い手候補を提案してくれます。
また、「A社とだったらこういったシナジー効果があるので、高値で事業売却出来る可能性が高い」など、経験を活かしたアドバイスまでしてくれるのです。
シナジー効果とは、買い手企業の強みと売り手企業の強みが組み合わさることによって、より大きな強みが生まれることを指します。
M&A総合研究所の独自ネットワークでたくさんの買い手候補会社を紹介してくれるので、事業売却の成功確率がグッと上がるのです。
理由3.公認会計士がフルサポートしてくれる
M&A総合研究所では、公認会計士がM&Aアドバイザーとしてフルサポートしてくれるので心強いです。
M&Aについて知識が豊富な公認会計士が付いてくれることで、企業価値評価やデューデリジェンス、交渉にかかる時間が短縮されます。
そのため、他のM&A仲介会社と比べて早い3~6ヶ月という期間でクロージングすることが出来るのです。
専門知識を持っている公認会計士がフルサポートしてくれるM&A総合研究所だと、安心して案件を任せることが出来ます。
11. まとめ
事業売却とは、会社にある事業を売却することです。
メリットや手続きの流れ、注意点を把握したうえで、事業を売却するべきかしっかりと検討しましょう。
また、事業売却を決めたのであればM&A仲介会社に必ず相談して下さい。
上手くM&A仲介会社を頼りながら、自社の成長のために事業売却を成功させましょう。
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