保険代理店の事業承継を徹底解説!注意点や相談先・事例を紹介!

保険代理店業界では、少子高齢化による今後の人口減少での市場縮小やネット型保険の台頭などで厳しい状況に置かれており、事業承継が難しい会社も増加しています。この記事では、保険代理店業界での事業承継の相談先などについて詳しく解説します。

目次

  1. 保険代理店業界の概要と動向
  2. 保険代理店会社の3つの事業承継方法
  3. 保険代理店会社の事業承継の相談先
  4. 保険代理店会社の事業承継の注意点
  5. 保険代理店会社の事業承継事例3選
  6. 保険代理店会社の事業承継まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 経験豊富なM&AアドバイザーがM&Aをフルサポート まずは無料相談

1. 保険代理店業界の概要と動向

保険代理店会社で、経営者の高齢化などにより事業承継の必要性が出てきたときには、どのように対処したらいいのでしょうか。この記事では、保険代理店業界の近年の動向と、事業を成功させるためのポイントなどについて詳しくみていきましょう。

保険代理店業界とは

保険代理店会社とは、生命保険会社や損害保険会社との間で代理店委託契約を結び、顧客との保険契約の締結や、保険料の領収などを業務として行う会社のことです。

保険会社は基本的に自社で販売している保険を直接販売することはなく、代理店を通してのみ販売しているので、保険代理店とは万が一の場合の備えのための保険に関して、保険会社と顧客を繋ぐ役目をしています。

保険代理店業界の市場規模と動向

業界動向サーチの分析によると、2021年から2022年の保険業界の業界規模は、生命保険が32.6兆円、損害保険が12.7兆円です。

少子高齢化による若年世代の減少により、生命保険の保険料収入は2016年から減少傾向が続いています。一方、損害保険は、さまざまなリスク回避の動きからか、ここ10年から右肩上がりで保険料収入が増加しています。

保険代理店は、保険会社1社のみを扱う専属代理店、複数の保険会社の保険を扱う乗合代理店の2つに分かれます。

近年は、複数の保険を比較できる乗合代理店が増加しつつあり、保険料が安いネット保険も拡大していることから、保険代理店間の競争が激化しています。保険代理店を巡る状況は厳しさを増しているようです。

参考:業界動向サーチ「生命保険業界の動向や現状、ランキングなどを解説」「損害保険業界の動向や現状、ランキングなどを研究

【関連】保険代理店の事業承継を成功へ導くM&A戦略|現状・手法・ポイントを専門家が解説

2. 保険代理店会社の3つの事業承継方法

保険代理店会社を事業承継する方法には、親族承継、従業員承継、M&Aの3つの方法があります。それぞれの方法の詳細についてみていきましょう。

親族承継

親族承継とは、現在の経営者の子や孫、兄弟姉妹の子など、親族に事業承継させる方法です。

他の方法と比べると、親族承継での事業承継は従業員や取引先などの関係者から心情的に理解してもらいやすいことや、後継者育成に長い時間をかけることができる、会社の経営権と財産を一体的に承継することが可能であるというメリットがあります。

一方で、近年、子供がいても親族承継ではなくM&Aをする会社が増えています。その背景には、会社の後継者となりうる人たちにとって、あとを継ぐ価値はないと判断されている事例が多くみられるようです。

保険代理店会社の親族承継での事業承継を目指すのであれば、後継者にとって後を継ぐ価値のある経営状態を保つことが必要です。

従業員承継

従業員承継とは、経営者の親族ではなく、血縁のない会社の役員や従業員に事業承継させる方法です。

長年、会社の業務に携わってきて会社の内情をよく理解している能力のある従業員が後継者となることで、経営方針の一貫性を保ちやすいというメリットがあります。

従業員承継の最大の課題は、会社の株式を買い取るための資金力です。

この点については、種類株式や持株会社化、従業員持ち株会を活用するなどの手法が広がっていることや、従業員承継でも事業承継税制の対象にできるようになったことで、以前よりも従業員承継を実施し易い環境が整っています。

従業員株主を実施する場合には、親族株主がいる場合に、事業承継前後にトラブルが起きやすいので、事前の根回しを十分に行ってこくことが大切です。

M&A

M&Aは、親族や従業員ではない、第三者に会社を売却して、他社に事業承継してもらう手法です。株式譲渡や事業譲渡などの手法で実施します。

親族や従業員に適切な後継者がいない場合でも、事業承継を行って従業員の雇用や事業を守り続けることができる手法として近年注目を集めている方法です。経営者は多額の売却益を得られるというメリットもあります。

M&Aを成功させるためには、買収側にとって買う価値のある会社にしておくことと、最適な売却先を見極めることです。また、最適な相手を見つけて合意に至るのに1年以上かかることも珍しくないので、早めに準備を始めるようにしましょう。

【関連】生命保険を活用した事業承継対策とは?メリット・注意点を専門家が解説

3. 保険代理店会社の事業承継の相談先

保険代理店会社の事業承継について考え始めたらどこに相談したらいいのでしょうか。事業承継の相談先を紹介します。

M&A仲介会社

事業承継の相談先として最もおすすめなのがM&Aの仲介会社です。M&Aは事業承継の方法の1つであるので、親族承継や従業員承継の相談もできます。

事業承継に必要な法律や財務についての高度な知識が必要な手続きのサポートや、M&Aの場合には最適な売却先探しなどを行ってくれるでしょう。

M&Aについては多くの案件や顧客を抱えているので、他の相談先よりも売却先が見つけやすく、最適な相手を見極める確かな目も持っています。費用はかかりますが、確実に事業承継、特にM&Aを進めたいという場合におすすめです。

金融機関

以前は、金融機関では中小企業の事業承継は扱っていなかったのですが、近年、後継者問題で廃業する企業が増加したことから、金融機関でも扱うところが増えてきました。

地銀や信金など、地域密着型の金融機関であれば、地域の産業界に強固なネットワークを持っています。地元での業界の枠を超えたM&Aの売却先探しに最適でしょう。また、事業承継についての法的手続きの相談も可能です。

まずは、取引先の金融機関に相談してみることをおすすめします。

公的機関

事業承継について相談できる公的機関としては、中小企業庁が全都道府県に設置している事業承継・引き継ぎセンターや、各地の商工会議所、商工会などの相談会などがあります。

事業承継・引き継ぎセンターでは、原則無料で事業承継の法的手続きのサポートや、M&Aのマッチングを実施しています。M&A仲介会社と比べると、M&A仲介の案件は少ないのが難点ですが、費用をかけたくない場合におすすめです。

商工会議所や商工会でも、事業承継についての相談会やセミナーを実施することがあります。会員であれば、事業承継についての相談会などに参加してみるといいでしょう。

税理士・会計士・弁護士など

事業承継の手続きには、税務、会計、法律の高度な知識が必要なことから、必ず手続きを進める上で税理士、会計士、弁護士が関わります。そのために、税理士事務所などで事業承継の相談を受け付けているところもあるのです。

すべての事務所が事業承継を扱っているわけではありませんが、まずは会社の顧問の税理士や会計士、弁護士に相談して、扱っているところを紹介してもらうのもいいでしょう。

【関連】M&A・事業承継対策における生命保険の活用法|メリット・デメリットや注意点を解説

4. 保険代理店会社の事業承継の注意点

保険代理店会社の事業承継を成功させるための注意点にはどのようなポイントが有るのでしょうか。事業承継成功に必要な4つの注意点について解説します。

M&Aの専門家に相談をする

保険代理店会社の事業承継を検討し始めたら、まずは事業承継やM&Aの専門家に相談しましょう。

事業承継を行うためには、親族承継や従業員承継であっても、事業承継計画の作成や税金対策など、法律や税務に関する専門的な知識が必要な手続きなどが多くあります。

また、M&Aを行う場合には、専門性の高い手続きに加えて、売却先探しも行わなければいけません。

事業承継やM&Aの経験がない人や会社では、どこかの時点でつまずいてしまう可能性が高いので、M&A仲介会社などに必ず相談することをおすすめします

M&Aのご相談はお気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください

M&A仲介会社選びにお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、各業界のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任となって案件をフルサポートします。

M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ)随時、無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
0120-401-970
WEBから無料相談
M&Aのプロに相談する

早めに検討する

親族承継や従業員承継の場合には、後継者の育成に長い時間が必要です。できれば10年以上、短くても5年程度の育成期間がないと、他の従業員や取引先は不安になるでしょう。現在の経営者が引退する時期から逆算して、早めに後継者育成を始める必要があります。

M&Aは社内での承継と比べると短期間で実行可能ですが、それでもできれば数年の準備期間をかけるのが理想です。経営者がまだ元気で判断力がしっかりしているうちにM&Aの準備を始めて、好条件で売却できるタイミングで売却できるようにしましょう。

資金・税金の対策を徹底する

従業員承継の場合には、後継者が会社の株を購入する資金をどうするのか、資金繰りの問題が生じます。また、親族承継の場合には多額の相続税や贈与税が、M&Aの場合には売却金に対する所得税や住民税が発生します。

資金や税金に対する事前の対策なしに事業承継をしてしまうと、承継後に会社の資金が枯渇してしまうことにもなりかねません。事業承継をする前から、事前の対策を取っておきましょう。

情報漏洩に気を付ける

事業承継の実施の公表は、後継者や会社の売却が完全に決定してから発表するようにしましょう。

事前に情報が漏れてしまうと、従業員や取引先の間に不安が広がってしまい、退職や取引停止を招く恐れがあります

特に、M&Aの場合には、会社が他社に売却されるということで、親族承継や従業員承継よりも関係者に不安が広がりやすいので、情報がもれないようによく気をつけましょう。

【関連】小規模企業共済とは?メリット・デメリットや加入方法などをチェック!

5. 保険代理店会社の事業承継事例3選

保険代理店業界で事業承継を行った事例を紹介します。

西華産業が東西実業の保険代理店事業をエムエスティ保険サービスにM&Aで事業承継した事例

2023年2月10日に、機械総合商社の西華産業株式会社から、同社の子会社である東西実業株式会社の保険代理店事業のすべてを、三菱UFJ銀行系の総合保険代理店であるエムエスティ保険サービス株式会社へ事業譲渡によって事業承継することを発表しました。

西華産業株式会社としては、収益構造を改善するための経営資源の選択と集中に取り組む一環としての事業譲渡だとのことです。

参考:当社子会社の事業譲渡に関するお知らせ

光村印刷が光村商事倉庫の保険代理店事業をエムエスティ保険サービスにM&Aで事業承継した事例

2021年7月29日に、東京都品川区に本社を置く印刷会社の光村印刷株式会社から、同社の連結子会社である物流会社の光村商事倉庫の保険事業を、エムエスティ保険サービスへ事業譲渡によって事業承継することを発表しました。

光村印刷としては、収益構造改革に取り組む中での経営資源の選択と集中の一環としての事業譲渡だとのことです。

参考:連結子会社の一部事業譲渡に関するお知らせ

くろがね工作所がくろがね興産の保険代理店事業をエムエスティ保険サービスにM&Aで事業承継した事例

平成22(2010)年3月31日に、大阪市に本社のあるオフィス家具などの製造メーカーの株式会社くろがね工作所から、同社の連結子会社であるくろがね興産株式会社の保険代理店事業をエムエスティ保険サービス株式会社へ事業譲渡によって事業承継することを発表しました。

くろがね工作所としては、構造改善施策を進める一環としての事業譲渡だとのことです。

参考:事業譲渡に関するお知らせ

【関連】廃業による従業員への解雇通知のタイミングは?退職金・年末調整・手当も解説

6. 保険代理店会社の事業承継まとめ

保険代理店業界では、後継者不足などから将来の会社存続に不安を感じる経営者も増えているようです。しかし、親族承継ができなくても、従業員承継やM&Aといった方法での事業承継も可能です。

保険代理店会社の事業承継に不安を感じている方は、ぜひ一度、事業承継問題も詳しいM&Aの専門家へ相談してみましょう。

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 譲渡企業様完全成功報酬!
  2. 最短43日、平均7.0ヶ月のスピード成約(2024年9月期実績)
  3. 上場の信頼感と豊富な実績
  4. 譲受企業専門部署による強いマッチング力
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

>>完全成功報酬制のM&A仲介サービスはこちら(※譲渡企業様のみ)

関連する記事

新着一覧

最近公開された記事