福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の動向!事例や費用相場も解説

企業情報本部長 兼 企業情報第一本部長
辻 亮人

大手M&A仲介会社にて、事業承継や戦略的な成長を目指すM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、経営者が抱える業界特有のお悩みに寄り添いながら、設備工事業や建設コンサルタント、製造業、医療法人など幅広い業種を担当。

福祉用具レンタル会社のM&Aでの売却・買収について分析しました。福祉用具レンタル会社の業界動向や福祉用具貸与事情、売却・買収相場やM&A事例、売却・買収を成功させるポイントやメリット、おすすめの相談先情報などを掲示します。

目次

  1. 福祉用具レンタル会社を取り巻く環境
  2. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の動向
  3. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の事例
  4. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継のメリット
  5. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の価格相場
  6. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継を成功させるポイント
  7. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継時におすすめの相談先
  8. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継まとめ
  9. 施工管理業界の成約事例一覧
  10. 施工管理業界のM&A案件一覧
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1. 福祉用具レンタル会社を取り巻く環境

福祉用具レンタル業界は、2000年に創設された介護保険制度の対象に含まれて以来、市場規模を増加させてきました。レンタル事業は、キャッシュフローが安定している上に、スケールメリットが得られやすいビジネスモデルのためM&Aに適しています

近年では、経営者の高齢化による事業承継・M&Aの増加を背景に、専業の福祉用具レンタル会社が積極的な規模拡大を行っている状況です。

福祉用具レンタル事業の市場規模

厚生労働省「各種調査研究事業等による数値」

厚生労働省「各種調査研究事業等による数値」

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000942765.pdf

公益財団法人テクノエイド協会が運営する「福祉用具情報システム(TAIS)」によると、高齢化に伴い、福祉用具レンタル業の企業数と商品数が年々増加しています。2020年時点では、登録企業数が815社、商品数が14,612点に達しています。

また、福祉用具の貸与を受けている人の数もこの20年間で5倍に増加しており、特に要介護1や要支援の認定を受けている人の利用が増加しています。

一方で、介護分野では慢性的な人材不足が深刻化しており、その対策として福祉用具レンタルサービスへの需要はますます高まると予想されています。この需要の増加に対応するため、業界内では競争が激化しており、多くの企業が事業拡大や経営基盤の強化を目的に、M&Aを活用する動きを加速させています。

参考:厚生労働省「各種調査研究事業等による数値」

福祉用具貸与の金額公表の義務化

介護保険制度改正に伴い、福祉用具貸与事業でレンタルする用具のうち、介護保険給付対象となる福祉用具貸与品は、全国平均貸与価格の公表と貸与金額の上限設定が義務化されました。

上限金額は厚生労働省から発表されています。上限金額を超えて介護保険の請求を行った場合は、超過分のみならず全額返戻となります。

競争が激化しており中小規模の業者には厳しい

収益性の高さが魅力となって、大手企業の新規参入が目立つ福祉用具貸与業界では、競争が激化しています。大手事業者が資本力を生かして利用者数を伸ばす一方で、中小規模の福祉用具レンタル会社は厳しい経営状況に立たされているのが現状です。

要介護高齢者の増加などもあり、今後も業界全体の競争は激化すると考えられます。

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2. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の動向

福祉用具レンタル会社をM&Aによって買収・売却する際は、業界の動向に注視して適切なタイミングで実施することが重要です。この項では、福祉用具レンタル業界のM&A動向を解説します。

収益性が高く新規参入も多い

福祉用具貸与事業は、特定地域で高いシェアを獲得できます。メンテナンスなどの設備や物流拠点などの規模の経済が働きやすいため、収益性が高い業界です。新規参入数が非常に多く、2001(平成13)年に約3,600社だった福祉用具レンタル会社の数は、2014(平成26)年には約7,000社にまで増加しています。

福祉用具貸与事業はM&Aが増加傾向

収益性の高さや要介護高齢者増加に伴う需要拡大により、福祉用具レンタル業界への新規参入業者は年々増加しています。超高齢社会が進む日本では、今後も業界全体の需要が高まっていくと予測されています。新規参入や経営状況改善を目的としたM&Aが増加していくでしょう。

経営者の多くが引退年齢に達している

福祉用具レンタル業界では、大企業の新規参入も目立っています。しかし、全体で見ると、小規模の事業者が圧倒的な割合を占めています。

近年は、中小規模の福祉用具レンタル会社経営者の多くが、経営を退く年齢に達している状況にあり、事業承継を目的としたM&Aも増加傾向です。

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3. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の事例

ここでは、福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の事例と、その手段や目的などを紹介します。

トーカイによる介護センター花岡の買収

トーカイは、2024年12月3日、長野県諏訪郡の介護用品レンタル会社「介護センター花岡」を完全子会社化しました。トーカイは、病院リネンサプライや介護用品レンタル、環境美化用品のレンタルなどを行う企業で、介護用品レンタル事業を中長期成長の主力事業と位置付けています。

今回のM&Aにより、トーカイは長野県内の拠点を1カ所から5カ所に拡大し、山梨県では初の営業拠点を設置しました。これにより、地域でのサービス体制を強化し、顧客基盤の拡大を図ります。今後、グループ内連携を進め、利用者やケアマネジャーに向けた高品質なサービス提供と地域シェアの拡大を目指します。

長野県においてトップシェアを誇る 介護用品レンタル事業会社をグループ化

トーカイによる佐藤の福祉用具貸与・販売事業等の承継

トーカイは、2024年11月18日、佐藤(福岡県福岡市)の福祉用具貸与・販売事業および住宅改修事業を会社分割方式で承継することを発表しました。佐藤を分割会社、トーカイを承継会社とする吸収分割方式を採用します。

トーカイは病院リネンサプライや福祉用具の貸与・販売を行っており、九州地方でのサービス体制強化を進めています。一方、佐藤は福岡県内で地域密着型の事業展開により顧客基盤を築いています。

本承継により、トーカイは九州地方での顧客基盤とシェアを拡大し、競争力を強化する狙いがあります。トーカイグループとして、地域密着型のサービスを通じて、事業のさらなる成長を目指します。

会社分割(簡易吸収分割)による事業の承継に関するお知らせ

カスケード東京によるフォービスライフの買収

2022年2月、カスケード東京は、各種介護施設を運営するフォービスライフの株式を譲り受けました。これにより、カスケード東京のグループ会社となります。

カスケード東京は、首都圏を中心に、通所介護、居宅介護、整骨院・鍼灸・訪問鍼灸マッサージ、リラクゼーション事業、児童福祉支援事業などを運営している会社です。

フォービスライフは、主に江東区、江戸川区、杉並区で居宅介護、訪問介護、デイサービス、グループホーム事業などを行っています。それに加え、福祉用具貸与・販売を行っているため、シナジー効果が期待できるとし、この買収に至りました。

今後は、グループの介護施設と連携し、利用者にこれまで以上のきめ細やかな介護サービスを提供します。

ベスト・ケアーによるワイズの事業譲受

2022年1月、首都圏で居宅介護支援サービスなどを提供するベスト・ケアーは、ワイズから通所介護事業所3店舗と、鍼灸整骨院3店舗の事業を譲受することを発表しました。

ワイズは、リハビリ支援事業などを行っています。医療情報サイトの「m3. com」などを運営するエムスリーグループの連結子会社です。ベスト・ケアーは新潟市に拠点を置くNSGグループの一つです。居宅介護、訪問介護、福祉用具貸与・販売・障害者支援サービスなどを行っています。

コロナ禍を経て、単独での事業体制維持に課題があったため、ベスト・ケアーへ事業譲渡することを決めました。これにより、継続的な顧客への対応やさらなる事業拡大を目指します。

ココカラファインによるキコーメディカルの買収

2021年4月、ドラッグストアのチェーン店を展開するココカラファインが福祉用具レンタル事業などを行うキコーメディカルをM&Aを通じて取得しました。ココカラファインは、キコーメディカルの全株式を取得して、完全子会社化しています。取得額は非公開です。

本M&Aの目的として、ココカラファインのドラッグストア・調剤事業、介護事業において、シナジー効果が見込まれるとしています。

芙蓉総合リースによる日本信用リースの買収

2021年4月、全国で総合リース事業を展開する芙蓉総合リースは、介護福祉用具や医療機器のリース・販売事業の日本信用リースをM&Aにより取得しました。芙蓉総合リースは、従前から日本信用リースの30%の株式を保有していました。本M&Aにより100%子会社化します。

本M&Aの目的は、芙蓉総合リースグループ内の医療事業と福祉事業の取り組みを強化するため、としています。

栗原医療器械店によるセラピの買収

2021年4月、医療機器販売事業を行う栗原医療器械店は、新潟県を中心に福祉用具などの卸事業・レンタル事業を展開するセラピから、介護・福祉用具のレンタル事業を事業譲渡により取得しました。取得価格は非公表です。

本M&Aの目的は、栗原医療器械店の営業エリアや事業領域を拡大し、シナジー効果を得ることとされています。

ヤマシタによるケアプラザ田園の買収

2021年3月、福祉用具レンタル・販売事業を展開するヤマシタは、同じく福祉用具のレンタル・販売を行うケアプラザ田園をM&Aにより取得しました。ヤマシタはケアプラザ田園の全株式を取得し完全子会社化しています。ケアプラザ田園は従来通り地域向けのサービスを継続する意向です。

福祉用具レンタル・販売事業においてスケールメリットを出し、シナジー効果を創出することが目的と推測できます。

ソラストによる日本エルダリーケアサービスの買収

2020年8月、医療関連受託事業、保育事業、教育サービス事業、そして福祉用具貸与を含む介護事業などを行うソラストが、介護サービス事業を行う日本エルダリーケアサービスの全株式を取得し、完全子会社化しました。取得予定日は同年10月1日、取得価額は23億7,500万円です。

このM&Aによって、事業展開エリアの拡大と提供サービス内容の拡充が図られるとしています。

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  • 施工管理会社のM&A・事業承継

4. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継のメリット

福祉用具レンタル会社をM&A・事業承継することで得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。この項では、M&Aがもたらすメリットを、売却側・買収側・従業員側の3つに分けて解説します。

売却側のメリット

M&Aにより、福祉用具レンタル会社を売却する側が得られるメリットには、主に以下の5つが挙げられます。

【売却側のメリット】

  • 後継者問題の解決
  • 人材不足の解消
  • 介護報酬の改定による将来不安の解消
  • 売却益の獲得
  • 競争の激化による心理的な負担からの解消

後継者問題の解決

福祉用具レンタル会社をM&Aによって売却するメリットの一つ目は、後継者問題の解決です。福祉用具レンタル業界に限らず、国内にある中小企業の多くは後継者問題を抱えています。後継者となり得る人物がおらず、事業承継をスムーズに進められないケースが増加しているでしょう。

後継者問題を抱える企業にとってM&Aによる事業承継は有効な方法の一つです。第三者に事業を売却・譲渡することで、自社を存続できます

人材不足の解消

福祉用具レンタル業界を含めた介護業界全体では、人材不足が深刻化しています。要介護高齢者が増加している一方で、低い賃金水準や過酷な労働環境などにより人材確保が困難になっているのが要因です。

福祉用具レンタル会社の買収により、売手企業に在籍する人材を活用でき、人手不足の解消ができます。

介護報酬の改定による将来不安の解消

福祉用具レンタル会社を含む介護事業者にとって、不安要素の一つなのが、介護報酬の改定による報酬の引き下げです。

この不安を解消するために、M&Aによる会社売却を選択するケースもあります。M&Aによって福祉用具レンタル会社を売却できれば、3年に1度行われる介護報酬改定の不安から解消されるでしょう。

売却益の獲得

M&Aを実施して福祉用具レンタル会社を売却することで、売却益を得られます。M&Aの取引金額は対象企業の規模などによって異なりますが、市場動向や交渉などにより億単位の売却益を獲得できる可能性があります。今後の投資に有効な資金となるでしょう。

競争の激化による心理的な負担からの解消

福祉用具レンタル会社を取り巻く環境は大きく変化しています。なかでも新規参入の増加に伴い競争は激化しています。この影響により、経営状況が悪化している中小事業者も少なくありません。

競争の激しい状況で自社の将来を考えることは、経営者にとって非常に大きな心理的負担です。M&Aを実施して、福祉用具レンタル会社を売却できれば、競争の激化による心理的負担から解放されます。

買収側のメリット

続いて、福祉用具レンタル会社を買収する側のメリットを解説します。

【買収側のメリット】

  • 人材不足の解消
  • 新サービスの導入へ向けたノウハウの獲得
  • 利用者数増加への対応

人材不足の解消

M&Aを実施して福祉用具レンタル会社を買収することで、人材不足を解消できるメリットもあります。福祉用具レンタル会社を含めた介護事業者の多くは、深刻な人材不足に悩まされていますが、M&Aによる買収を行えば自社の人材の増強が可能です。

新サービスの導入へ向けたノウハウの獲得

要介護高齢者の増加に伴い福祉用具レンタルの需要も高まっています。福祉用具貸与事業の新サービスを導入しようと考える企業も増加傾向です。

しかし、新規参入する場合はノウハウやスキルの習得に時間がかかってしまう問題が生じます。これでは、市場の流れに乗り遅れる可能性は否定できません。

そのようなケースでは、M&Aを実施して福祉用具貸与事業を展開している会社を買収すれば、ノウハウも獲得できることとなり、新規参入をスムーズに進められます

利用者数増加への対応

M&Aによって福祉用具レンタル会社を買収すれば、福祉用具レンタルの利用者数増加にも対応できます。増加傾向にある需要に自社のみで対応するのは限界があるため、獲得できるはずの顧客を逃してしまうかもしれません。

福祉用具レンタル会社を買収して設備の充実を図ることで、利用者数の増加にも対応できます。

従業員にもたらすメリット

M&Aを実施することは、福祉用具レンタル会社だけでなく、従業員にとってもメリットがあります。ここでは、M&Aが従業員にもたらす3つのメリットを見てみましょう。

【従業員にもたらすメリット】

  • 雇用先の確保
  • 働き方・処遇の改善が期待できる
  • 再教育・キャリアアップへの期待

雇用先の確保

競争激化による経営難や後継者問題によって、福祉用具レンタル会社が廃業・倒産を選択した場合、経営者は自社の従業員を解雇しなければなりません。M&Aで会社が売却された場合、売却側企業に勤める従業員は買収側企業に引き継がれます

廃業・倒産のリスクにさらされていた企業の従業員は、新たな雇用先を確保できます。

働き方・処遇の改善が期待できる

厳しい労働環境や、低賃金などの問題に直面している介護従業者にとって、働き方・処遇の改善は仕事を続けていく上で重要な要素となります。M&Aによって大手企業のグループ傘下となると、従業員の働き方・処遇の改善にも期待できるでしょう。

再教育・キャリアアップへの期待

M&Aによって福祉用具レンタル会社が買収され、資本力がある企業の傘下となれば、従業員教育体制の変化にも期待できます。したがって、キャリアアップを希望する従業員には、願ってもないよい環境になるはずです。

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5. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継の価格相場

福祉用具レンタル会社の売却を検討する場合、自分の会社がどのくらいの価格で売却できるのかは気になるところでしょう。実のところ、福祉用具レンタル会社のM&A・売却・買収価格の相場はいくらだと、一概に断言はできません。

その理由は、福祉用具レンタル会社の規模や経営成績、保有資産や負債などによって、取引価格の参考になる企業価値が変わるからです。

企業価値評価の算出方法

M&Aが実施される際は企業価値評価が行われ、価格交渉における判断材料として利用されます。企業価値評価の算出方法は、主に以下の3つです。

  • コストアプローチ
  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

コストアプローチ

コストアプローチとは、福祉用具レンタル会社の純資産を基準として企業価値を評価する算出方法です。この算出法では、すでに帳簿に記帳されている内容を元にして企業価値を算定するため、客観性に優れています。

コストアプローチの具体的な算出方法としては、時価純資産価額法と修正簿価純資産法の2つが代表的です。

インカムアプローチ

インカムアプローチは、対象となる福祉用具レンタル会社において、将来期待できる収益やキャッシュフローを、それに伴うリスクなどを考慮した率によって割り引いて、企業価値を評価する方法です。

インカムアプローチの具体的な計算方法としては、DCF(Discount Cash Flow)法と収益還元法などがあります。

マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、株式市場で成立している価格を元にして、企業価値を評価する方法です。マーケットアプローチの具体的な算出方法には、類似業種比準方式や類似会社比準方式などがありまます。

企業価値評価の算出は個人でもできるのか?

先に説明したように、企業価値評価は複数の算出方法で求められます。どの算出が適切かを判断するためには、専門的な見解が必要になります。それぞれの算出方法は複雑であるため、企業価値評価を個人で算出することは極めて困難でしょう。

したがって、福祉用具レンタル会社の企業価値評価を算定する場合は、M&A仲介会社などの専門家に依頼することをおすすめします。

M&A総合研究所では、M&Aに精通したM&Aアドバイザーが多数在籍しており、適正な企業価値評価が可能です。ご相談は随時無料で受け付けていますので、福祉用具レンタル会社のM&Aをご検討の方や企業価値評価を知りたい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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6. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継を成功させるポイント

福祉用具レンタル会社のM&Aを成功させるためには、どのような点を意識して進めていけばよいのでしょうか。ここでは、福祉用具レンタル会社のM&A・売却を成功させるポイントを解説します。

【福祉用具レンタル会社のM&A・売却を成功させるポイント】

  1. M&A・事業承継の準備は計画的に行う
  2. 会社売却の目的を明確にしておく
  3. 買収先に伝える条件を決めておく
  4. 立地・顧客・利用者など強みをまとめる
  5. M&Aの専門家に相談する

①M&A・事業承継の準備は計画的に行う

福祉用具レンタル会社のM&A・売却を成功させるためには、計画的なM&A・事業承継の準備が重要です。M&A・事業承継には複雑な手続きが必要である上、交渉の内容によっては柔軟な対応が求められる場合もあります。

入念な準備を怠ったまま手続きを進めてしまうと、交渉がスムーズにいかず、最悪の場合は交渉決裂となるかもしれません。M&Aを行う際は、予期せぬトラブルが起こることも頭に入れておき、事前にしっかりとした準備をしておくようにしましょう。

②会社売却の目的を明確にしておく

福祉用具レンタル会社のM&Aを成功さるためには、会社売却の目的を明確にしておくことも大切です。M&A実施の目的は、「後継者問題を解消したい」「一つの事業に集中したい」「資金調達したい」など、会社ごとに異なります。

目的を明確にすることは、適切なM&Aスキームを選択する上での判断要素です。交渉がスムーズに進められるため、結果として受けるメリットを最大化することにもつながるものです。

③買収先に伝える条件を決めておく

M&Aは手続きが完了すれば成功するわけではありません。M&A実施後にスムーズな事業運営が行われることも大切です。

例えば、従業員の処遇・報酬体系など、譲れない条件をあらかじめ伝えておけば、M&A完了後も従業員が安心して働ける環境を用意できます。M&A実施後にスムーズな事業運営ができるよう、買収先に伝える条件をあらかじめ決めておくようにしましょう。

④立地・顧客・利用者など強みをまとめる

福祉用具レンタル会社のM&A・売却を成功させるためには、自社の強みを整理して資料としてまとめおくことも重要です。立地の良さ・顧客網の広さ・利用者の多さなどは、交渉時の有利な材料になるため、あらかじめ洗い出して資料にまとめておきましょう。

客観的な資料を用意しておくことにより、強みを正確に伝えられ、より有利な価格交渉も可能になります。

⑤M&Aの専門家に相談する

福祉用具レンタル会社のM&A・売却を成功させるためには、M&Aの専門家に相談することが重要です。M&Aを成功させるためには、会計・税務・M&Aに関する専門的知識が必要です。複雑な手続きや交渉を進めなければなりません。

M&A・会社売却に詳しい専門家を活用すれば、安心してM&Aを進められるだけでなく、成功させる確率も高くなります。

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7. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継時におすすめの相談先

福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継時におすすめの相談先をご紹介します。

金融機関

金融機関(投資銀行、商業銀行、証券会社など)は、M&Aにおけるファイナンシャル・アドバイザーとしての役割を果たす場合があります。外資系投資銀行は大規模なM&Aに強く、成功報酬は2億円以上が一般的です。

日系証券会社や商業銀行(メガバンクの場合は2千万円以上、地方銀行では数百万円以上)も同様に報酬が発生します。

金融機関は高度な専門知識を持ち、資金調達に関する相談がしやすい点が強みです。ただし、中小企業が対象の場合、金融機関の専門性が活かしにくいことや、成功報酬が高額であることが課題です。

公的機関

商工会議所などの公的機関は、中小企業向けにM&A業務を提供しています。「事業承継ガイドライン」でもM&Aが中心的手法として推奨されています。

商工会議所は中小企業の業務経験が豊富で、文化や悩みに対する理解があるため、中小企業間のM&Aに適しています。会員であれば、M&A相談や初期手続きが無料で利用可能です。

ただし、商工会議所のサービスを利用するには会員登録が必要で、その際に費用が発生します。この点が主なデメリットです。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、M&A業務を専門的に取り扱う企業で、各社の能力や得意分野が異なるため、自社に適した仲介会社を選ぶことが重要です。

仲介会社は広範なネットワークを活用し、M&Aの相手候補先を幅広く探せる点が強みです。また、金融機関と比較して報酬が安価な場合が多いのもメリットです。

一部の仲介会社は、成功報酬を優先するあまり、M&A成立を急がせたり、十分な相談対応を行わないケースがあります。このため、慎重な選定が求められます。

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8. 福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継まとめ

福祉用具貸与事業の需要は今後も高まるとみられています。新規参入を図る企業も多いため、福祉用具レンタル会社のM&A・事業承継は売り手市場です。しっかりと戦略を立ててM&A・事業承継の手続きを進めることで、より高い価格で取引できる可能性が高くなるでしょう。

本記事の概要は以下のとおりです。

【売却側のメリット】

  1. 後継者問題の解決
  2. 人材不足の解消
  3. 介護報酬の改定による将来不安の解消
  4. 売却益の獲得
  5. 競争の激化による心理的な負担からの解消

【買収側のメリット】

  1. 人材不足の解消
  2. 新サービスの導入へ向けたノウハウの獲得
  3. 利用者数増加への対応

【従業員にもたらすメリット】

  1. 雇用先の確保
  2. 働き方・処遇の改善が期待できる
  3. 再教育・キャリアアップへの期待

M&A・事業承継を進める際は、企業価値評価や交渉など専門的知識や経験が必要になる要素が多いため、M&A専門家のサポートを受けながら行うのが成功のカギともいえるでしょう。

9. 施工管理業界の成約事例一覧

10. 施工管理業界のM&A案件一覧

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