2021年03月17日更新
翻訳会社・通訳会社のM&A・買収・売却の完全マニュアル【相場/成功事例あり】

大手M&A仲介会社にて、事業承継や戦略的な成長を目指すM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、経営者が抱える業界特有のお悩みに寄り添いながら、設備工事業や建設コンサルタント、製造業、医療法人など幅広い業種を担当。
今回は、翻訳会社・通訳会社のM&A・買収・売却について解説しています。翻訳会社・通訳会社のM&A動向やM&A事例、M&Aによる「買収側のメリット」「売却・譲渡側のメリット」について知りたい方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
目次
1. 通訳・翻訳業界とは?現状を知ろう
そもそも通訳会社・翻訳会社とはどのような会社なのでしょうか。
「通訳」とは、異なる言語を扱う人同士が円滑にコミュニケーションをとれるように、言語上のサポートを提供することです。「通訳会社」はその名のとおり、通訳サービスを提供する会社です。
ビジネスの場で通訳サービスを提供する「ビジネス通訳」や、報道番組・ニュースなどで通訳サービスを提供する「放送通訳」、国際会議などの場面で貢献する「会議通訳」など、提供できるサービスは多岐に渡ります。
「翻訳」とは、ある言語で表現されたものを、他の言語に変換することで、翻訳サービスを提供する会社が「翻訳会社」です。翻訳には、映像翻訳や出版翻訳、産業翻訳などがあります。
通訳会社の業務内容
通訳の業務は大きく分けると以下のとおりです。
- 同時通訳
- 逐次(ちくじ)通訳
- ウィスパリング通訳
それぞれ簡単に説明していきます。
同時通訳
「同時通訳」は、ある発言者が話した内容を、数秒で違う言語に訳して伝える業務です。
通訳の主な業務の一つで、テレビやインターネットなどで外国の方の近くに通訳する人がいるのを見たことがある人も多いでしょう。
逐次通訳
「逐次通訳」は、ある発言者が話している内容のメモを取りながら聞き、話が一区切りついたタイミングで通訳する業務になります。
同時通訳に比べると、聞き取る時間があるため、通訳の正確性が上がるのが特徴です。
ウィスパリング通訳
「ウィスパリング通訳」は、同時通訳と流れは似ていますが、通訳する側は話の聞き手のそばにいて、発言者が話している内容を聞き手にささやくように伝える業務のことです。
これらの業務が通訳会社の基本となります。次に、翻訳会社についても見ていきましょう。
翻訳会社の業務内容
翻訳の業務のイメージは、翻訳者が社内で黙々と翻訳作業をするものと考える人も多いです。
しかし実際には、社内に何人もの翻訳者を在籍させひたすら翻訳作業をさせている会社は少なくなっています。翻訳会社のほとんどは翻訳業務を外部委託しているため、翻訳会社が直接業務を行うケースは多くありません。
つまり、翻訳会社は「翻訳仲介会社」ともいえます。「翻訳仲介会社」は、翻訳業務を受注し、それを外部の翻訳者に発注している会社のことです。
翻訳仲介会社は外部発注業務のほか、翻訳者が翻訳した内容をチェックする業務などを行うことがほとんどです。
それぞれの市場規模
2019年のエクセレットの情報によると、翻訳業界の市場規模は2,500億円~2,600億円といわれています。
この市場の中で、売上高が10億円を超えるような大手企業は全体の5%程度にとどまることから、中堅・中小企業が多くひしめく業界といえるでしょう。
ここで、通訳・翻訳業界で活躍する大手企業を表にまとめます。ちなみに、大手翻訳会社の多くが「産業翻訳」を得意としていることは覚えておいてください。
大手通訳・翻訳会社 | 事業内容 |
---|---|
ブレインウッズ |
翻訳サービス 通訳サービス 映像翻訳事業 外国語人材派遣・紹介事業 など |
ライオンブリッジジャパン |
産業翻訳サービス 海外展開のコンサル デジタルマーケティングサポート など |
サン・フレア |
翻訳サービス テクニカルライティングサービス など |
SDLジャパン |
機械翻訳 翻訳ソフトウェア 翻訳サービス など |
翻訳センター |
翻訳サービス(特許翻訳・医療翻訳など) 機械翻訳 ビザ申請書類翻訳 など |
サイマル・インターナショナル |
通訳サービス 翻訳サービス 通訳・翻訳の人材派遣・紹介サービス など |
業界の現状
通訳会社・翻訳会社業界の現状はどのようになっているのでしょうか。業界の現状を知ることは、M&A・会社売買を検討するうえで重要な要素です。
現状がわからないままM&A・会社売買を進めてしまうと、目的とは全く異なる企業を買ってしまったり、相場からかけ離れた金額での売買が実行されたりするかもしれません。
そのような事態を避けるためにも、通訳会社・翻訳会社の現状をしっかり把握しておきましょう。
自動翻訳機以上のスキルが必要
近年では、Google翻訳をはじめとした「自動翻訳機」の性能が上がってきています。自動翻訳機は、手軽に・無料で利用できるツールであるため、簡単な通訳・翻訳が必要な場面では非常に重宝します。
一方で、通訳会社・翻訳会社には、この自動翻訳機以上のスキルが求められるようになってきています。自動翻訳機でこと足りるような質のサービスしか提供できなければ、通訳会社・翻訳会社の仕事が自動翻訳機に代替されてしまうからです。
海外展開する企業の増加に伴う需要
「グローバル化」が叫ばれ始めてから数年経過した現在では、多くの企業が「海外展開」を視野に入れています。海外展開を目指す企業の増加に伴って、通訳会社・翻訳会社の需要も増えてきているのが現状です。
東京オリンピックまでの需要増加
「東京オリンピック」が開催されるということもあり、海外からの観光客の増加が期待されています。
海外からの観光客の増加を見越して、日本語以外の言語での「表記」や、翻訳ソフト・ウェアラブル音声翻訳機能の開発などの需要が高まっていることで、通訳会社・翻訳会社の需要も増えています。
英語以外の言葉への需要増
近年では、アジア圏からのインバウンドの増加などが要因となって、「英語」以外の言語の「通訳・翻訳」需要が高まってきています。通訳会社・翻訳会社は、英語以外の言語における通訳・翻訳サービスの質向上が求められているのです。
2. 通訳会社・翻訳会社のM&A動向
ここからは、通訳会社・翻訳会社のM&A動向についてまとめていきます。
通訳会社や翻訳会社をM&Aによって買収したい・売却したいと考えている方は、現在の通訳会社・翻訳会社業界のM&A動向をしっかり把握しておきましょう。
通訳会社・翻訳会社のM&Aは、以下のパターンから理解できます。
- 同業他社とのM&A
- 大手業者による買収
- 異業種からの参入
それぞれの特徴を知り、自社が売買先としてどのようなパートナーを選ぶべきか考えてみましょう。
同業他社とのM&A
通訳会社・翻訳会社業界のM&A動向として、「同業他社とのM&Aが増えている」というものがあります。
というのも、通訳・翻訳サービスに対する需要の増加や、自動翻訳機の台頭などに伴って、業界では競争が激化しているからです。
通訳会社・翻訳会社業界は、中堅・中小企業が多いですが、競争が激化している市況において、中堅・中小企業にとっては経営環境が非常に厳しいという現実があります。この状況を打破するために、大手の通訳会社・翻訳会社に会社売却・事業譲渡をする中堅・中小企業が多くいるというわけです。
また、中堅・中小企業では、後継者不足に伴う「事業承継問題」に悩まされているケースもあります。
後継者不足は通訳会社・翻訳会社以外でも広く問題となっており、経営者の高齢化や少子化を理由に事業承継ができず廃業を選択する会社は少なくありません。
この事業承継問題を解消するために、大手企業に会社売却・事業譲渡をする中堅・中小企業も増えてきています。
大手業者による買収
大手通訳会社・翻訳会社が中堅・中小企業を買収するケースも増えています。
上記で説明したように、通訳会社・翻訳会社業界は競争が激化しているのです。そして、今後も需要が増加していくと予測されています。
すると、大手通訳会社・翻訳会社は、中堅・中小企業を買収することによって、買収した会社が持つ経営資源・顧客網などを活用しようという動きが強まります。
競合他社の大手通訳会社・翻訳会社との競争で優位に立つためにM&Aが活発化します。特に専門性のある中小企業を積極的に買収し、より幅広い範囲の顧客を獲得しようと考える大手通訳会社・翻訳会社は少なくありません。
こうした大手企業による買収も動向の一つとして知っておかなくてはならないのです。
異業種からの参入
人材派遣会社などがM&Aを実施して、通訳会社・翻訳会社を買収するケースも増加しています。
インバウンド需要の増加、事業の海外展開などを考える異業種の企業が、通訳会社・翻訳会社が持つ「通訳スキル・翻訳スキル」を求めて、通訳会社・翻訳会社を買収するのです。
例えば、以降の「M&A事例」でも紹介していますが、実際に、ある人材派遣会社は通訳・翻訳会社を買収しています。買収側の人材派遣会社は、自社のサービス拡大・充実を目指し、M&Aを実施しました。
このように異業種からの参入もあり、市場の激化はさらに続いていくと予想できるでしょう。
3. 通訳会社・翻訳会社におけるM&A・売却・買収の相場
M&A・売却・買収の価格は会社の業績や経営者の考え方によっても変わりますので、明確な相場は存在しません。もちろん会社を買収するのであれば最低でも数百万円は必要になりますが、細かな金額は売り手と買い手との話し合いで決まっていきます。
実際にどれくらいの金額で売却希望が出されているのか知りたいという場合は、多数の案件を持つM&A仲介会社に相談した方が良いでしょう。
ある程度の目安とするために傾向については確認してみてください。
通訳会社・翻訳会社におけるM&A相場の傾向
通訳会社・翻訳会社は東京オリンピックを前にしてさまざまな業界から注目されており、他の業種のM&Aに比べて買収金額は高めになる傾向があります。
また売り手市場にあり会社の売却事例が少ない通訳会社・翻訳会社では、少数の売り手に多数の買い手が殺到しており売り手の取り合いが激しい状況です。
通訳会社・翻訳会社を買収したい方は、予算を多めに用意し早めにM&A仲介会社などに相談しましょう。
早く動き出すことで、希望に合ったパートナーを見つけられる可能性が高まります。
4. 通訳会社・翻訳会社がM&Aするメリット
ここからは、通訳会社・翻訳会社がM&Aを実施することで得られるメリットについて解説していきます。
通訳会社・翻訳会社の買収を検討されている方、または自分の通訳会社・翻訳会社を売却しようと考えている方は、参考にしてみてください。
売却・譲渡側のメリット
M&Aによって通訳会社・翻訳会社を売却・譲渡する側のメリットは以下のとおりです。
- 後継者問題が解決する
- 雇用の維持が可能になる
- 負債を解消できる
- 買い手のリソースで経営基盤を整えられる
- まとまった売却利益が得られる
ここからはそれぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
後継者問題が解決する
M&A・会社売買によって、通訳会社・翻訳会社を売却・譲渡するメリットの一つが「後継者問題を解決できる」点です。「M&A動向」の部分でも解説しましたが、近年は、中堅・中小企業が「後継者問題」に悩まされるケースが増えてきています。
後継者がなかなか見つからないことで、廃業を余儀なくされる中堅・中小企業も多く存在します。後継者問題に悩まされる中堅・中小企業は、M&A・会社売買によって大手企業に会社を売却・譲渡することにより、「後継者問題」を解決できるのです。
大手企業の傘下に入ることができれば、大手企業が持つ経営資源を活用して、自社の収益を改善することも可能で、従業員の雇用を守ることもできます。
雇用の維持が可能になる
中堅・中小企業の通訳会社・翻訳会社は、後継者が見つからず廃業を余儀なくされると、従業員の雇用を維持できなくなってしまいます。
M&A・会社売買によって大手企業のグループ会社になることができれば、自社の従業員の雇用を維持できます。
負債を解消できる
メリットとして、「負債を解消できる」という点も見逃せません。
M&A・会社売買を実施すると、売却・譲渡側企業が抱える負債は、買収・譲受側企業が引き継ぐことになります。
すると、M&A・会社売買によって買収・譲受側の企業に「負債が移転」されることで「負債から解消される」のです。
必ずしも負債を引き継いでもらえるとは限りませんが、売却の内容に負債も含めるように交渉するようにしましょう。
買い手のリソースで経営基盤を整えられる
M&Aや会社売却により大手企業の傘下に入ることで、経営基盤が安定します。今後通訳会社・翻訳会社が経営を続けていくためには、十分なお金が必要です。
しかし中小企業の場合は十分な資本金がなく、経営が不安定になってしまうことも少なくありません。M&Aを行うことで大手の傘下に入れば、経営体制が変わり大手企業の安定した資本力を活かせます。
まとまった売却利益が得られる
M&Aを実施して会社や事業を売却すれば、まとまった利益を得られます。売却のタイミングや会社の規模によっても異なりますが、売り手市場の今であれば売却利益が数千万円に上ることも少なくありません。
会社が売却で大きな利益を得ることで、経営を安定させ新たな事業を行うことも可能になります。また売却利益を老後の生活資金とする経営者も非常に多いです。
お金のことを考えるなら、廃業よりもM&Aによる売買を選択する方が良いでしょう。
買収側のメリット
続いて、M&A・会社売買の買収側のメリットについてまとめていきます。
買収側のメリットは、以下のとおりです。
- 専門性を強化できる
- 経験ある通訳者・翻訳者を得られる
- スケールメリットを拡大できる
- エリア・事業の拡大で経営基盤を強化できる
通訳会社・翻訳会社を買収するメリットにはどのようなものがあるか知りたい方は、チェックしてみてください。
専門性を強化できる
通訳会社・翻訳会社を買収するメリットの一つに、「専門性を強化できる」というものがあります。業界の現状やM&A動向の部分で説明したように、競争が激化する通訳会社・翻訳会社業界において、「専門性の強化」は差別化戦略です。
例えば、近年需要が高まってきている「中国語・韓国語・ベトナム語・タイ語」といった言語の通訳・翻訳を得意とする会社を買収できれば、専門性の強化が実現し、他社との差別化が可能となります。
経験ある通訳者・翻訳者を得られる
M&A・会社売買によって通訳会社・翻訳会社を買収できれば、「経験ある通訳者・翻訳者を獲得できる」というメリットを得られます。
M&A動向の部分で「大手通訳会社・翻訳会社による買収が増えている」と説明しました。この理由の一つが、「人材確保」を実現することで、自社の事業拡大を図っているからです。
スケールメリットを拡大できる
M&A・会社売買をするメリットの一つに「スケールメリットの拡大」というものが挙げられます。
例えば、M&A・会社売買を実施して、会社の規模が大きくなると、「販売網を拡大」したり、「自社の通訳・翻訳ノウハウ」と「買収した会社の通訳・翻訳ノウハウ」を組み合わせて活用することで、コスト削減・コストパフォーマンスの向上を実現したりできます。
エリア・事業の拡大で経営基盤を強化できる
売り手だけでなく、買い手もM&Aや会社売買を行うことで経営基盤を安定させることが可能です。業界の現状・M&A動向でも触れているように、近年は通訳会社・翻訳会社業界の競争が激しくなっています。
M&A・会社売買によって、他の通訳会社・翻訳会社を買収できれば、ライバル会社を減らすことができ、顧客網の拡大・事業展開などを「短い時間・少ない費用」で実現できるため、自社の「経営基盤」を安定できます。
5. 通訳会社・翻訳会社のM&Aが成功するためのポイント
ここからは、通訳会社・翻訳会社のM&Aを成功させるためのポイントについて説明していきます。
- タイミングを逃さない
- 相場を調べておく
- 手法を正しく選ぶ
紹介するポイントは通訳会社・翻訳会社のM&Aに限った話ではなく、他業界のM&Aの際にも当てはまるポイントといえるのでM&Aを検討している方はぜひチェックしてください。
タイミングを逃さない
M&A成功のポイントの一つとして「タイミング」が挙げられます。M&Aを誤ったタイミングで実施したり、タイミングを逸したりすることで、希望の条件でM&Aができないケースがしばしば見られます。
タイミングを間違えてしまうと、相場価格よりも「高い金額で買収・低い金額で売却」しなければいけなくなったり、後継者獲得のチャンスを逃したりする可能性があります。
特に売り手市場の通訳会社・翻訳会社においては、タイミングを逃し希望にあったパートナーを見つけられないという状況に陥りやすいです。
M&Aを決定するタイミングは、業界の景況・業界のM&A動向などによっても異なってきます。M&Aを検討されている方は、M&A対象企業の業界景況・M&A動向をしっかりと調べておく必要があるといえます。
相場を調べておく
M&Aを成功させるためには、「相場」をしっかりと調べて理解しておくことが重要です。相場価格を調べないままM&Aを進めてしまうと、「相場よりも高い価格で買収」してしまったり、反対に「相場よりも低い価格で売却」してしまったりする可能性があります。
また、M&Aの相場価格自体は、対象の業界や会社の規模によって異なってくるのも特徴です。
そのため、通訳会社・翻訳会社のM&A事例、同規模のM&A事例をあらかじめ確認して、適切な相場価格をある程度理解することが、M&Aを成功させるためのポイントといえます。
相場に関してはM&A仲介会社が多数の事例を持っていますので、近い規模のM&Aでどれくらいの売買価格になったか聞いてみると良いでしょう。
手法を正しく選ぶ
M&Aを成功させるためには、「適切なM&A手法」を利用することが大切です。「M&Aの手法」とは、「合併」「株式取得」「事業譲渡」「会社分割」などです。
それぞれの手法によって売買する範囲や目的が異なりますから、自社に合ったものを選ばなくてはなりません。
ですから、M&A仲介会社などの専門家に依頼し、どの手法でどのように進めるべきかなどの相談をするのがおすすめです。
もしそれぞれの手法について知ってから選びたいという方は、以下の記事を参考にしてみてください。
それぞれの手法にはメリットとデメリットがあり、会社の状況によってもベストな手法は異なってきます。M&Aや会社売買を実施する際には、M&A仲介会社などの専門家に相談したうえ、目的に合った手法を選ぶことが大切です。
M&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所にお任せください。支援実績豊富なM&Aアドバイザーが親身になってフルサポートいたします。
当社は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ)となっております。無料相談はお電話・Webより随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお気軽にご連絡ください。
6. 通訳会社・翻訳会社のM&Aの成功事例
ここからは、通訳会社・翻訳会社のM&Aの成功事例について紹介していきます。
M&Aの事例を見ることで、通訳会社・翻訳会社業界の具体的なイメージを持つ参考にしてみてください。
TAKARA&COMPANYがベネッセホールディングスの通訳・翻訳事業を行う子会社を子会社化
最初に紹介する事例は、2020年3月にTAKARA&COMPANYが、ベネッセホールディングスの100%子会社であるサイマル・インターナショナルの完全子会社化において、ベネッセ社との株式譲渡契約を締結したM&Aです。
TAKARA&COMPANYは、通訳・翻訳事業を行いアジアでの拠点網を拡げています。サイマル・インターナショナルは、通訳・翻訳で政府官公庁、財界、企業での国際コミュニケーション活動をサポートしており、2,000人を超える多言語に対応する登録通訳者が在籍しています。
このM&Aで、TAKARA&COMPANYは、グローバルビジネスの強化、持続的な成長の実現を見込んでいます。
M&A事例:同業他社のM&A
次に紹介するM&A事例は、通訳会社・翻訳会社同士のM&Aです。売却側・買収側の情報やM&Aスキーム、M&Aによる双方のメリットについて説明していきます。
売却側と買収側
この事例の売却側企業は、「翻訳サービス」を主な事業内容とする企業です。売上高はおよそ1億円です。後継者不在による廃業を防ぐために売却を希望しました。
一方、買い手企業も「翻訳サービス」を主な事業内容としている企業です。売上高は「数十億円」を超えており、事業規模を拡大する目的でM&Aを実施しました。
スキーム:株式譲渡
売却側の企業は、後継者不足を解消するために売却を検討していました。買い手企業は、売却側企業が持つ顧客網や翻訳者人材に魅力を感じ、「株式譲渡」によって、M&Aを実施したのです。
双方のメリット
このM&A事例による売却側のメリットは、後継者不足問題を解消できたことです。従業員の雇用も守ることができました。一方、買い手側は、売り手企業が持つ「顧客網」や「スキル・ノウハウを持つ翻訳者」を獲得するというメリットを得ました。
M&Aは、こうした双方にメリットがあることが大きな特徴といえます。
M&A事例:人材派遣会社によるM&A
続いて紹介する事例は、人材派遣会社による通訳・翻訳会社のM&Aです。近年では、人材派遣会社をはじめとした異業種による通訳・翻訳会社のM&Aが増えてきています。
例えば、人材派遣会社は通訳・翻訳会社を買収することで、サービス内容の拡大・充実を目指すことなどが可能です。
売却側と買収側
売却側の企業は、「通訳・翻訳サービス」を提供する企業でした。売上高は約10億円で、業界での実績も十分です。買収企業は、上場している人材派遣会社です。売上高は約2,000億円にもおよびます。
スキーム:株式譲渡
売却側の企業は、業界でも実績が豊富で、ブランド力も高い通訳・翻訳会社でした。そこに魅力を感じた「買い手の人材派遣会社」は、「株式譲渡」のスキームを利用して、M&Aを実施したのです。
双方のメリット
人材派遣会社が通訳・翻訳会社を買収したこの事例では、両社にM&Aのメリットがありました。
売却側の通訳・翻訳会社は、後継者不足に悩まされていましたが、売却することで後継者を選出してもらうことができたのです。これにより、会社は今後も存続していくことになります。
一方、買収側の人材派遣会社は、売却側企業の「スキル・ノウハウを持った翻訳者」の獲得に成功し、サービスの拡大・充実が実現しました。
ここで紹介した事例以外にも、多くの企業がM&Aを実施しています。
しかし、必ずしも成功するとは断言できません。M&Aには専門知識を必要とすることから、失敗するとトラブルが起きてしまうことがあるからです。
ですから、予想外のトラブルなどを未然に防ぐためにも専門家への相談をするべきでしょう。
7. 通訳会社・翻訳会社のM&A・売却・買収は専門家に相談しよう
M&Aを検討する場合は、M&A仲介会社に相談してみましょう。
特に、通訳会社・翻訳会社は事業の種類も豊富ですから、しっかりと相手企業を見極める必要があります。自社だけで売買する相手を見つける方法でも問題はありませんが、お互いの相乗効果をうまく得られない可能性もあります。
相談をすることで複数の企業を紹介してもらうことができ、自社にとってメリットの多いM&Aに近づけることができます。
M&A仲介会社をお探しの場合は、M&A総合研究所にご依頼ください。M&A総合研究所では、知識・実績ともに豊富なM&Aアドバイザーによるフルサポートを行っています。
当社は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ)となっております。無料相談はお電話・Webより随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお気軽にご連絡ください。
8. まとめ
今回は、通訳会社・翻訳会社のM&Aについてまとめてきました。
通訳会社・翻訳会社のM&Aを検討されている方は、M&A仲介会社の利用を検討してみましょう。より安心・スピーディーにM&A手続きを進められます。
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