電気通信工事・管工事業界のM&A動向!売買の費用・相場、メリット、最新事例、案件も紹介

執行役員 企業情報部 部長 兼 企業情報第一部 部長
辻 亮人

大手M&A仲介会社にて、事業承継や戦略的な成長を目指すM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、経営者が抱える業界特有のお悩みに寄り添いながら、設備工事業や建設コンサルタント、製造業、医療法人など幅広い業種を担当。

現在、日本ではM&A・買収・売却・事業譲渡は盛況にあり、それは電気通信工事・管工事業界も同様です。電気通信工事・管工事業界のM&A・買収・売却・事業譲渡について、動向、特徴、メリット、相場などを分析するとともに事例も掲示します。

目次

  1. 電気通信工事・管工事業界とは
  2. 電気通信工事・管工事業界の現状
  3. 電気通信工事・管工事業界のM&A動向
  4. 電気通信工事・管工事業界のM&Aで得られるメリット
  5. 電気通信工事・管工事業界のM&A事例14選
  6. 電気通信工事・管工事業界のM&A案件例
  7. 電気通信工事・管工事業界でM&Aをするときの相場
  8. 電気通信工事・管工事業界のM&Aで売却価額を上げる条件
  9. 電気通信工事・管工事業界のM&A動向まとめ
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    • 電気工事・管工事会社のM&A・事業承継

    1. 電気通信工事・管工事業界とは

    はじめに、電気通信工事業界と管工事業界のそれぞれの特徴を見てみましょう。

    電気通信工事とは

    電気通信工事とは「情報通信設備に関する工事」、つまり、電話・テレビ・インターネットなどを、建物内や施設内で利用できるように整備する工事のことです。具体的には、電気通信工事会社では以下のような事業を行っています。

    • 電気通信線路設備工事
    • 電気通信機械設置工事
    • 空中線設備工事
    • 放送機械設置工事
    • 情報制御設備工事
    • データ通信設備工事
    • TV電波障害防除設備工事

    このように、電気通信工事業者は、情報を伝達するために「電気を使用する設備」の設置や整備を専門的に行っているものです。電話やテレビのほかにも、防犯カメラや火災報知器なども取り扱っています。非常に幅広く、電気を使用する設備の工事を行っている業者です。

    管工事とは

    管工事とは、空気調和・給排水・冷暖房・冷凍冷蔵・衛生に関する設備などを設置したり、水・ガス・水蒸気などを配送したりするための「管」を設置する工事のことです。具体的な例としては、以下のような工事が挙げられます。

    • 冷暖房設備工事
    • 空気調和設備工事
    • 給排水・給湯設備工事
    • 衛生設備工事
    • 浄化槽工事
    • ガス管配管工事
    • ダクト工事

    電気通信工事との違いは、インターネット関係の工事なのか、管関係の工事なのかといった点です。このように、電気通信工事と管工事には仕事の内容に違いがあります。ここからは、電気通信工事と管工事業界の現状や動向を見ていきましょう。

    電気通信工事・管工事業界の特性

    続いて、電気通信工事・管工事業界の特性を確認します。電気通信工事・管工事業界の特性を押さえておけば、M&Aの際にも役立つはずです。

    電気通信工事・管工事業界には、「元請け・下請け形式」「自己建設形式」といった特性があります。それぞれの特性がどのようなものなのか、具体的に見ていきましょう。

    元請け・下請け形式

    電気通信工事・管工事業界は「元請け形式」が中心です。業界全体のうち、半数以上がこの元請け形式を採用しています。

    「元請け」であるゼネコンが工事依頼者から発注を受け、その工事を「下請け」のサブコンが請け負う形です。つまり、元請けであるゼネコンが、仕事をサブコンに流しています。

    自己建設形式

    電気通信工事・管工事業界の中には、「自己建設形式」を採用している会社もあります。「自己建設形式」とは、設備設置工事の計画立案から工程管理、品質管理や現場の安全管理などを、全て自分たちの会社で請け負う形式です。

    先ほどの「元請け・下請け形式」では、発注を受けた会社が仕事を請け負うことはありませんでした。しかし、自己建設形式の会社は、全てを自社でまかなう方法を取っています。

    【関連】管工事会社の事業譲渡・事業売却と株式譲渡はどちらが得する?手法を解説| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

    2. 電気通信工事・管工事業界の現状

    M&Aの動向を見る前に、電気通信工事・管工事業界がどのような業界なのか、詳しく確認しましょう。電気通信工事・管工事業界は、基本的に「公共工事」と「民間の設備工事」が収益源となっており、景気の影響を受けやすい業界です。

    電気通信工事・管工事業界では昨今、M&Aが活発に行われています。なぜなら、災害復旧工事やオリンピック・万博博覧会関連需要などで仕事が増加していた反面、人材不足や後継者不足によって倒産・廃業を余儀なくされている会社が増えているからです。

    ベテランを中心とする社員の高齢化

    電気通信工事・管工事業界全体は、ベテランを中心とした社員の高齢化が急速に進んでいます。長年にわたって培ってきた知識や技術が引き継がれずに引退を迎えてしまうケースも少なくありません。

    業界柄、丁寧に若手に技術を教えるのが多くないため、若手にスムーズな技術伝承をどのように行っていくのが課題といえるでしょう。

    慢性的な人手不足

    電気通信工事・管工事業界に限ったことではありませんが、若手の人材不足が慢性化しています。業界の長時間労働や休日の少なさ、危険な作業が多いといった雇用環境の悪いイメージが影響し、人材の確保が難しいのが実状です。

    人手不足解消のため、ICT(情報通信技術)やロボットを導入して作業効率を上げようといった動きも出てきています。慢性的な人材不足になると会社の存続も危うくなり、廃業に追い込まれる可能性もあるでしょう。どう解決するかが業界の課題といえます。

    多重下請け構造の進行

    業界全体で問題視されているのは、多重下請け構造の進行が加速していることです。電気通信工事・管工事業界のビジネスモデルは、大手企業が受注したものを下請けに発注、そして下請けがさらに別の会社に発注するといった多重下請け構造になっています。

    上層に中抜きをされるため、現場で作業を行う下請けの会社ほど、取り分が減ってしまうのです。

    後継者不在に悩む企業の増加

    M&Aによる同業他社の買収なども活発化しており、業界を再編する動きも盛んですが、電気通信工事・管工事業界では後継者不足が大きな課題なっています。

    特に、中小企業ほど後継者を見つけられず、会社や事業を残す手段として株式譲渡事業譲渡を使ったM&Aを選ぶ経営者は増加中です。一方、大企業では、取引先や従業員を増やす目的で株式譲渡・事業譲渡による買収を選択するケースが少なくありません。

    自社を売ろうと思っていたときに、大企業に買われる可能性もあります。なお、電気通信工事・管工事業界の株式譲渡や事業譲渡は、以下の記事で詳細を解説しています。参考までに合わせてご覧ください。

    【関連】電気工事会社の会社譲渡(株式譲渡)は可能?成功の秘訣も解説!| M&A・事業承継ならM&A総合研究所
    【関連】電気工事会社は事業譲渡(事業売却)で課題解決!譲渡のポイントとメリットまとめ| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

    3. 電気通信工事・管工事業界のM&A動向

    ここでは、電気通信工事・管工事業界のM&Aの特徴を確認しましょう。M&Aを実施する前に特徴を知っておくことで、どのような企業が買い手となるのか想定できます。電気通信工事・管工事業界のM&Aの特徴としては、以下の4点が代表的です。

    1. 関連する隣接業界によるM&Aが多い
    2. 異業種・他業種へのM&Aも増加している
    3. 国内需要低下に備えた海外M&Aを視野に入れる
    4. 後継者問題を踏まえた事業承継が増えている

    これらの電気通信工事・管工事業界のM&Aの特徴を把握し、自社のM&Aに役立てましょう。

    ①関連する隣接業界によるM&Aが多い

    電気通信工事・管工事業界では、関連する隣接業界によるM&Aが活発化しています。たとえば、中電工が杉山管工設備をM&Aによって子会社化した事例などです。電気工事会社が管工事会社の子会社化によって、首都圏における営業基盤強化を図りました。

    このように、設備工事として関連のある企業同士のM&Aによって、顧客の拡大や事業の強化をしようとする動向が見られます。

    ②異業種・他業種へのM&Aも増加している

    電気通信工事・管工事業界では、異業種・他業種へのM&Aも増加中です。たとえば、業界最大手のきんでんによる白馬ウインドファーム・白滝山ウインドファームのM&Aが挙げられます。

    きんでんは、東京オリンピック終了後の市場縮小に備えて、「風力発電事業」に参入したのです。このように、電気通信工事・管工事業界では異業種・他業種へのM&Aも増加しています。

    ③国内需要低下に備えた海外M&Aを視野に入れる

    電気通信工事・管工事業界でM&Aをするのであれば、海外M&Aも視野に入れましょう。なぜなら、電気通信工事・管工事業界は、東京オリンピックが終了した後、国内需要が低下していくと考えられているからです。

    国内需要低下に備えて海外市場に商機を見いだそうとしている企業も増えてくるでしょう。一方、新興国では、日本の電気工事技術を取得したいと考える会社が多いものです。海外の企業とM&Aを行うことによって、海外市場の開拓につなげられます。

    ④後継者問題を踏まえた事業承継が増えている

    電気通信工事・管工事業界では後継者の人材不足により、事業承継のためにM&Aを行う会社が増えています。残念ながら、新しく業界に入ってくる若い人材が少なく、業界全体が高齢化しているため、後継者問題に悩まされる企業が増えているのです。

    電気通信工事・管工事業界では、慢性的に人材不足が深刻化しており、大手企業は人材の囲い込みを始めています。知名度の低い中小企業は人材の確保ができず、経営状況が苦しくなるケースも少なくありません。

    帝国データバンクの「全国企業『後継者不在率』動向調査(2021年)」によると、建設業界全体で後継者不在の企業は67.4%となっており、全業界の中で最も高い数値です。

    経営者の高齢化や病気に伴い事業承継を行おうとしても、後継者候補が見つからず廃業を選択せざるを得ないケースも少なくありません。そこで、M&Aによる第三者への事業承継が注目を集めているのです。電気通信工事・管工事業界の事業承継の詳細は、以下の記事をご覧ください。

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    • 電気工事・管工事会社のM&A・事業承継

    4. 電気通信工事・管工事業界のM&Aで得られるメリット

    ここでは、電気通信工事・管工事業界のM&Aにおける売却側・買収側それぞれのメリットを紹介します。

    売却側のメリット

    電気通信工事・管工事業界で人材不足や後継者問題に悩む企業はM&Aにより売却すると、どんなメリットが得られるのでしょうか。まず、売却側の主なメリットを詳しく解説します。

    • 廃業せずに経営を続けられる
    • 大手傘下で経営を安定させられる
    • 従業員の雇用を確保できる
    • 売却利益を獲得できる
    • 廃業にかかる手間・費用の回避

    廃業せずに経営を続けられる

    M&Aの最大のメリットは、廃業せずに経営を続けられることです。M&Aを実施すれば、現在の経営者から買い手へと経営権が移ります。経営者は、そのまま引退するのも役員として残ることも可能です。

    特に電気通信工事・管工事業界では、後継者不足によって廃業を余儀なくされる中小企業は少なくありません。しかし、M&Aを実施すれば、会社の経営を安心して買い手に任せられるのです。会社経営が続けば、従業員の雇用や取引先との取引も継続されます。

    大企業とM&Aを実施すれば従業員の待遇がよくなることもあるため、従業員にもメリットは大きいでしょう。このように、廃業を避けられるのは、M&Aの大きなメリットです。

    大手傘下で経営を安定させられる

    大手企業とM&Aを実施すれば、その子会社として経営基盤を安定させられます。中小企業の電気通信工事・管工事会社には、人材不足の影響で売上が伸びず資金繰りに困っている会社も多いでしょう。しかし、親会社の資金力をうまく使えば、効率的な事業運営ができます。

    負債や個人保証がある場合も、M&Aの実施で買い手に引き継いでもらえるかもしれません。なお、引き継いでもらうには、包括承継である株式譲渡を活用しましょう。このように、大手企業とのM&Aの実施で、経営を安定化できます。

    従業員の雇用を確保できる

    M&Aを行うと、従業員の雇用維持ができます。特に株式譲渡した場合、労働契約の変更はせずに従業員を引き続き雇用できることがメリットです。M&Aを選択すれば会社は廃業を避けられることはもちろん、従業員の雇用を守れます

    売却利益を獲得できる

    M&Aの株式譲渡や事業譲渡を行うと、売却利益を獲得できる可能性が高いです。たとえば、創業者が資本金1,000万円で会社を設立し1億円で売却した場合、9,000万円が創業者利益となり、税金などを支払っても多くの利益が手元に残るでしょう。

    会社規模や経営状況によっては多くの利益を得られるため、引退後の資金や新規事業への投資などにも運用できます。

    廃業にかかる手間・費用の回避

    どの業界にも当てはまることですが、後継者不足は年々深刻となっており、事業承継が進まず廃業に追い込まれるケースもあります。もし廃業に至った場合は、廃業手続きを行わなければなりません。

    廃業手続きは手間がかかるだけでなく、各種登記や証明書、設備処分や在庫の売り切りなど、多くの費用がかかります。しかし、M&Aを行えば、廃業せずに会社を存続できますから廃業にかかる手間や費用が発生しません

    また、廃業の場合とM&Aの場合では個人(オーナー経営者)の所得税の税率が違います。会社を清算する際の残余財産の配当は、みなし配当といいます。これは総合課税として所得税率が計算されるため、残余財産額が多いと税率が最大55%(住民税10%含む)です。

    一方、M&Aを株式譲渡で行った場合は、売却益に対して20.315%の税率(住民税5%含む、2022⦅令和4⦆年11月現在)になるため、純資産が多い企業ほどM&Aの方が節税となるでしょう。

    買収側のメリット

    電気通信工事・管工事業界のM&Aでは、買収側はどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、買収側の4つの代表的なメリットを解説します。

    • ブランド力アップにより雇用につながる
    • 相乗効果により売上アップにつながる
    • 新規事業への参入コストを抑えられる
    • 優秀な人材を吸収できる

    ブランド力アップにより雇用につながる

    有名企業・優良企業とM&Aを実施すれば、ブランド力がアップし雇用につなげられます。雇用がうまくできれば人材不足を解消でき、受注の量も増やせるでしょう。結果的に売上アップを目指せるのです。電気通信工事・管工事業界では、若い人材が不足しています。

    その理由は、電気通信工事・管工事業界で勤めたいといった若い人が少ないからです。わずかに就職希望者がいても有名企業や優良企業に集中するため、中小企業での採用は簡単ではありません。しかし、M&Aによってブランド力がつけば、雇用につなげられるはずです。

    相乗効果により売上アップにつながる

    電気通信工事・管工事会社と同業界・関連業界のM&Aを行うことで、相乗効果が期待できます。2社の持つ強みを掛け合わせることで、1+1以上の結果となるでしょう。たとえば、電気工事を請け負っているA社と通信工事を請け負っているB社がM&Aをしたとします。

    A社の顧客にB社のサービスを提供、あるいはその逆が可能となり、M&Aを実施するだけで顧客を瞬時に獲得できるのです。このように、M&Aの実施で相乗効果が生まれます。買い手企業だけでなく、売り手企業もメリットを享受できるものです。

    新規事業への参入コストを抑えられる

    新規事業への立ち上げを検討している場合、M&Aで企業を買収すると少ない労力で新規参入することが可能です。電気通信工事・管工事業は国からの建設業許可が必須となるため、事業を行う際は一定の要件を満たす必要があります。

    人材不足の中、新規の実務経験者や施工管理技士などの有資格者を確保するのは非常に難しいものです。しかし、豊富な実績と技術を持っている企業をM&Aによって買収すれば、新規参入にかかる労力やコストを抑えられるでしょう。

    優秀な人材を吸収できる

    企業の買収で、優秀な人材を確保するのが可能となります。近年は、電気通信工事・管工事業界への若者の入社希望者数も減少傾向であるため、人材を確保しようと考えると多くの時間と費用がかかる可能性も高いでしょう。

    買収する企業を検討する際は、優秀な人材を確保できるかをしっかり確認するのが肝要です。

    【関連】M&Aのメリット・デメリットを買い手・売り手ごとに徹底解説【大企業・中小企業・海外事例】| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

    5. 電気通信工事・管工事業界のM&A事例14選

    電気通信工事・管工事業界の動向や特性を確認しましたが、その中でも述べたとおり、電気通信工事・管工事業界でもM&Aは活発に行われています。

    どのようなM&Aが行われているのか、以下の事例を確認してみましょう。各事例では、手法や目的に関しても解説しています。しっかり内容を確認し、より具体的にM&Aをイメージできるでしょう。

    1. アイナボホールディングスとマニックス
    2. 協和日成とガイアテック
    3. 東海管工とイシイ設備工業
    4. コムシスホールディングスと朝日設備工業
    5. TTKと塚田電気工事
    6. 協和エクシオとLeng Aik Engineering Pte Ltd グループ
    7. 北海道エア・ウォーターと丸電三浦電機
    8. 四電工とアイ電気通信
    9. コムシスホールディングスとNDS
    10. 九電工とエルゴテック
    11. ミライト・テクノロジーズと西日本電工
    12. 関電工と佐藤建設工業
    13. 中電工と杉山管工設備
    14. きんでんとAntelec Limited

    ①アイナボホールディングスとマニックス

    アイナボホールディングスは2021(令和3)年8月、マニックスの全株式を取得し完全子会社化しました。アイナボホールディングスは、関東、東海、関西を中心に、戸建住宅事業、大型物件事業、タイル工事、空調工事、衛生設備工事などを展開する企業グループの持株会社です。

    対象会社のマニックスは、兵庫県、大阪府、岡山県、広島県を中心に、住宅設備機器、管工機材の販売および施工事業を行っています。

    今回のM&Aにより、双方の営業地域が補完関係にあるのを生かし、情報交換を行うとともに、販売チャネルの共有化などによる販売網の拡大により、さらなる業容拡大をすることが目的です。

    ②協和日成とガイアテック

    協和日成は2021年3月、ガイアテックの全株式を取得し完全子会社化しました。協和日成は、ガス工事、建築・設備工事、電設・土木工事を事業など総合設備工事会社として、首都圏を中心に施工サービスを提供しています。

    対象会社のガイアテックは、東京ガス供給エリアにおけるガス設備工事を中心に、温水式床暖房、プロパンガス設備工事、太陽光発電設備、ガス機器の販売および設置工事などの幅広い事業を行っている企業です。

    今回のM&Aにより、経営資源の共有、事業連携の強化を進め、持続的成長と企業価値向上を目指します。

    ③東海管工とイシイ設備工業

    東海管工は2021年2月、イシイ設備工業に株式譲渡し子会社となりました。東海管工は空調・冷暖房、給排水・衛生設備工事などを手がける創業60年の企業です。後継者不在の中、従業員が安心して働ける環境確保を目的にM&Aを行いました。

    イシイ設備工業は、群馬県を中心に事業展開をしている管工事業者です。今回のM&Aにより、経営資源の拡充によって、事業エリア拡大と事業発展を目指します。

    ④コムシスホールディングスと朝日設備工業

    2020(令和2)年10月、コムシスホールディングスは、M&A手法の1つである株式交換によって、朝日設備工業を完全子会社化しました。

    コムシスホールディングスは、NTTグループ向けの通信インフラネットワーク構築事業や電線類の構築事業などの情報通信工事事業、電気設備工事事業および情報処理関連事業などを行っているグループの持株会社です。

    一方、岐阜市にある朝日設備工業は、管工事・水道施設工事の会社で、東海地区ではトップクラスの実績があります。

    コムシスホールディングスとしては、朝日設備工業と同業種および関連業種を行うグループ会社NDSがあり、両社間におけるシナジー効果が得られることと、グループとして東海エリアにおける業績拡大が見込めることが、M&Aの目的です。

    ⑤TTKと塚田電気工事

    2018(平成30)12月、TKKは、株式交換の実施で塚田電気工事を完全子会社化しました。TKKは、情報通信設備工事を中心事業とする会社でミライト・ホールディングスの子会社です。

    TTKは電気工事事業の拡大・展開を目指しており、シナジー効果創出や事業領域の拡大を目的に、このM&Aを実施しました。

    ⑥協和エクシオとLeng Aik Engineering Pte Ltdグループ

    2018年11月、協和エクシオは、シンガポールのLeng Aik Engineering Pte Ltdグループ(レング エイク エンジニアリングPte Ltdグループ)が発行している全株式の株式譲渡を受ける買収で完全子会社化するM&Aを実施しました。

    協和エクシオは、ネットワーク・通信、電気・土木環境インフラ事業を展開する企業です。シンガポール市場へ参入し、すでに参入していたフィリピン・タイとともに、アジアでの都市インフラ事業やシステムソリューション事業の拡大を目的に、M&Aを実施しています。

    ⑦北海道エア・ウォーターと丸電三浦電機

    2018年7月、北海道エア・ウォーターは、丸電三浦電機が発行する全株式を株式譲渡によって取得し完全子会社化するM&Aを実施しました。北海道エア・ウォーターは総合ガス企業です。一方、丸電三浦電機は札幌を中心に電気通信工事などを展開してきました。

    北海道エア・ウォーターは、病院設備の総合監視業務や、広範囲な各種設備工事の受注が見込まれるとしています。なお、2020年より、北海道エア・ウォーターの社名は、エア・ウォーター北海道に変更されました。

    ⑧四電工とアイ電気通信

    2018年7月、四電工は株式譲渡によって、アイ電気通信が発行する全株式を取得し完全子会社化するM&Aを実施しました。四電工は、電力通信工事や建設設備工事事業を展開する会社です。

    四電工は、電気通信工事分野で高い技術力や安定した収益基盤を保有しているアイ電気通信の子会社化で、グループ全体の技術力や施工力の向上、より付加価値の高いサービスの提供を実現します。

    ⑨コムシスホールディングスとNDS

    2018年5月、コムシスホールディングスは、株式交換の実施でNDSを完全子会社化しました。上述したように、コムシスホールディングスは、報通信工事事業、電気設備工事事業および情報処理関連事業などを行っているグループの持株会社です。

    一方、NDSは、東海・北陸地方でのNTTグループ向けサービスや電気通信工事などを展開してきました。コムシスホールディングスは、NDSをグループに加えることで、電気通信工事業でも対応エリアの拡大・事業分野の拡大を図っています。

    ⑩九電工とエルゴテック

    九電工とエルゴテックのM&Aに関しては、以下のような経緯で行われました。

    • 2018年2月、両社間で資本業務提携契約を締結し、九電工がエルゴテックの株式23%取得
    • 同年3月、九電工がエルゴテック株式を追加取得、所有率53.2%で子会社化
    • 2019(平成31)年3月、九電工がエルゴテック株式を追加取得、所有率97.7%
    • 2020年2月、九電工がエルゴテック株式を追加取得、所有率100%で完全子会社化

    九電工は、九州地方を中心に総合設備業を展開している福岡の企業です。九電工は、エルゴテックが持つ全国各地での工事実績に魅力を感じ、営業範囲の拡大や、実績のある人材の獲得を目的としてM&Aを実施しました。

    ⑪ミライト・テクノロジーズと西日本電工

    2017(平成29)年8月、ミライト・テクノロジーズは、株式譲渡によって西日本電工の株式99.1%を取得し子会社化しました。ミライト・テクノロジーズは、情報通信機器・設備の建設、保守点検を行う西日本の企業です。

    一方、西日本電工は熊本の太陽光発電・電気設備を行っていました。ミライト・テクノロジーズは、電気通信工事や空調設備工事、太陽光発電設備工事といった新規事業の展開を目的としています。

    ⑫関電工と佐藤建設工業

    2016(平成28)年9月、関電工は、佐藤建設工業が発行する全株式を株式譲渡による取得で完全子会社化するM&Aを行いました。関電工は、電気設備工事をはじめとした設備工事業を行う企業です。

    関電工としては、同領域で強みを発揮している佐藤建設工業の子会社化で、技術と優秀な人材の獲得を目的にM&Aを実施しました。関電工では人材不足が深刻化しており、特に、送電線工事に従事する作業員が減少していたことがM&Aに至った要因です。

    ⑬中電工と杉山管工設備

    2016年8月、中電工は、杉山管工設備の全株式を株式譲渡による取得で完全子会社化するM&Aを実施しました。中電工は、電気・空調・情報通信などのさまざまな設備を提供する工事会社です。

    中電工は、杉山管工設備の子会社化で、関東圏における電気工事や管工事事業の拡大を図りました。

    ⑭きんでんとAntelec Limited

    2016年5月、きんでんは、インドのAntelec Limited(アンテレック)が発行する株式の51%を株式譲渡による取得で子会社化するM&Aを実施しました。きんでんは、大阪に本社を置く関西電力グループの総合設備エンジニアリング企業です。

    Antelec Limited傘下にあるインド国内の企業や国外の企業が所有する顧客網を獲得して、海外における事業体制を構築するのを目的にM&Aを実施しました。なお、2018年5月には、きんでんはAntelec Limitedの残りの全株式も取得し完全子会社としています。

    以上が、電気通信工事・管工事業界でのM&Aの成功事例でした。非常に多くのM&Aが行われていることがおわかりいただけたはずです。事例によってM&Aの目的も異なるので、自社のかなえたい目的がどのようなものかを明確にしておくことが大切であるといえます。

    以下の記事でも、電気工事会社のM&A事例を扱っておりますので、参考までご覧ください。

    【関連】電気工事会社のM&A・売却・買収事例38選、業界動向も紹介【2022年最新】| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

    6. 電気通信工事・管工事業界のM&A案件例

    ここでは、実際に公表されている電気通信工事・管工事業界のM&A・売却希望案件例を紹介します。

    • 【有資格者多数・無借金】近畿地方/電気通信工事業(共同受信設備)
    • 【電気工事/特定建設業】入札資格Aランクの無借金企業

    【有資格者多数・無借金】近畿地方/電気通信工事業(共同受信設備)

    業態 電気通信工事業
    エリア 近畿地方
    売上高 1億円〜2億5,000万円
    営業利益 1,000万円〜5,000万円
    M&Aスキーム 事業譲渡
    譲渡希望額 5,000万円〜1億円
    詳細情報 https://masouken.com/list/650

    【電気工事/特定建設業】入札資格Aランクの無借金企業

    業態 電気工事業
    エリア 青森県
    売上高 1億円〜2億5,000万円
    営業利益 1,000万円〜5,000万円
    M&Aスキーム 株式譲渡
    譲渡希望額 5,000万円〜1億円
    詳細情報 https://masouken.com/list/426

    7. 電気通信工事・管工事業界でM&Aをするときの相場

    電気通信工事・管工事業界の中小企業がM&Aをするときの相場は、おおよそ3,000万円〜5,000万円程度です。しかし、企業の規模や譲り渡す資産・負債、従業員の有資格者数などによって、大きく売却価額は変動します。

    概算で目安を知りたい場合は、「時価純資産+2〜5年分の営業利益」で計算しましょう。ただし、これは、あくまでも1つの目安に過ぎないことは覚えておいてください。詳しく自社の企業価値を調べたいときは、専門家に相談するのをおすすめします。

    企業価値とは、M&Aでの売却価額に直結する数字です。M&A総合研究所では、「企業価値算定サービス・カンタン会社査定シミュレーター」を提供しています。こちらは、ごく短時間で行える、無料で企業価値を算定するサービスです。

    相談に対しても随時、無料で承っておりますので、電気通信工事・管工事業界のM&Aをご検討される際には、M&A総合研究所までお気軽にお問い合わせください。

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    8. 電気通信工事・管工事業界のM&Aで売却価額を上げる条件

    電気通信工事・管工事会社をM&Aで売却するなら、誰でもできるだけ売却価額を上げたいものです。それでは、どうすれば売却価額を上げられるのか、代表的な条件を確認しましょう。

    1. 若手人材や有資格者が多い
    2. 工事実績が豊富にある
    3. 魅力的な取引先がある
    4. 同業界か関連業界から買い手を選ぶ
    5. 電気通信工事・管工事業界に詳しいM&A仲介会社へ相談する

    ①若手人材や有資格者が多い

    若手人材や有資格者が多いと、売却価額が上昇する傾向にあります。なぜなら、電気通信工事・管工事業界全体の課題として人材不足があるからです。特に有資格者の高齢化は深刻でしょう。

    できるだけ若手人材を確保し事業継続させたい、有資格者を確保して受注量を上げたいと考えている会社が多くいるのです。20代の若手従業員や有資格者が多ければ多いほど、売却価額は高まるでしょう。

    買い手企業へアピールする際は、従業員のリストを作っておくとわかりやすく魅力を伝えられます。年齢や所有資格、工事の経験などを書いておくとよいでしょう。特に以下の資格は、買い手にとって魅力的に映ります。

    • 一級電気工事施工管理技士
    • 第一種電気工事士
    • 一級管工事施工管理技士
    • 電気通信工事施工管理技士

    電気通信工事施工管理技士は、2019年に新たに設置された施工管理技士です。携帯電話やインターネットをつなぐための工事を監理するための資格となっています。現代社会のニーズに合った資格ですから、持っている従業員がいる場合、会社の魅力はさらに高まるでしょう。

    ②工事実績が豊富にある

    電気通信工事・管工事会社のM&Aでは、工事実績数がアピールポイントです。特に、難易度の高い工事実績や官公庁の工事実績があれば、売却価額を押し上げられるでしょう。

    • 学校
    • 美術館
    • 病院
    • 鉄道関係

    上記のような建物の工事は難しいとされており、アピールできるポイントです。難しい工事ができるのは、優秀な技術者が社内にいることの証明です。技術力やノウハウ・経験をアピールするためにも、過去の工事実績もリストにしておくとよいでしょう。

    ③魅力的な取引先がある

    魅力的な取引先があると、売却価額は高くなる傾向にあります。なぜならば、電気通信工事・管工事の数は限られているからです。確かに建物はたくさん建てられていますが、実際に取引するのはゼネコンや設計事務所、官公庁になります。

    1つ大きな取引先があれば、継続的な売上が見込めるでしょう。M&Aで買収した後も売上が見込めるため、M&Aでの売却価額は高くなる傾向にあります。魅力的な取引先との継続的な取引は、会社の信用を高めてくれるものです。

    買い手企業がその取引先に新しいサービスを売り込むことも可能になるため、売却価額は高くなります。

    ④同業界か関連業界から買い手を選ぶ

    電気通信工事・管工事業界か、その関連業界である建設業界から買い手を選ぶと、売却価額が高くなるでしょう。それは、同業界や関連業界から買い手を選ぶことで、相乗効果の期待が高まるからです。

    たとえば、建設会社による電気通信工事・管工事会社の買収で、一貫した建設・工事サービスを提供できるようになります。事業領域を広げることで、顧客に一気通貫サービスを提供し売上拡大が見込めるのです。

    このような理由から、同業界か関連業界から買い手を選ぶことをおすすめします。

    ⑤電気通信工事・管工事業界に詳しいM&A仲介会社へ相談する

    電気通信工事・管工事業界に詳しいM&A仲介会社へ相談すると、売却価額が高くなります。その理由は、電気通信工事・管工事業界に詳しいM&A仲介会社であれば、対象会社をしっかり分析し、魅力を的確に買い手企業に伝えられるからです。

    会社の魅力を上手にアピールできることで、「多額のお金を出してでも買いたい」と思ってくれるような買い手企業を見つけられるでしょう。したがって、電気通信工事・管工事業界に詳しいM&A仲介会社へ相談するのをおすすめします。

    昨今はM&A仲介会社も増えており、どのM&A仲介会社にしていいか迷うような場合には、M&A総合研究所にご相談ください。

    中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所には、電気通信工事・管工事業界に詳しいM&Aアドバイザーが在籍しており、専任となってM&Aをフルサポートします。

    料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談をお受けしていますので、電気通信工事・管工事会社のM&Aを検討される際には、お気軽にお問い合わせください。

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    9. 電気通信工事・管工事業界のM&A動向まとめ

    電気通信工事・管工事業界ではM&Aが活発に行われています。それは、人材不足や後継者不足によって、廃業危機にさらされている中小企業が増えているからです。

    電気通信工事・管工事業界の中小企業にとって、人材不足や後継者不足、経営の不安を解消するためにもM&Aは賢い経営選択といえます。専門家の力を借り、できるだけ高い価額で売却してM&Aを成功させましょう。

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