非上場株式の譲渡にかかる税金!株価算定の方法、個人から法人、個人から個人への売却ケースも解説

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

非上場株式を譲渡するときは、株式譲渡益に対して税金がかかります。株式譲渡をする対象が個人か法人かによって、課税される税金が異なってきます。この記事では、それぞれの場合の株式譲渡益に対する税金や、株価算定方法を解説しましょう。

目次

  1. 非上場株式とは
  2. 非上場株式の譲渡にかかる税金の種類
  3. 非上場株式の譲渡にかかる税金パターン
  4. 非上場株式の算定方法
  5. 非上場株式を譲渡する手順・流れ
  6. 非上場株式を譲渡するメリットとデメリット
  7. 非上場株式の譲渡にかかる税金の相談先
  8. 非上場株式の譲渡にかかる税金まとめ
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1. 非上場株式とは

株式を売却したことによる譲渡益は所得税などの課税対象となります。事業承継時の非上場株式の譲渡益も同様に課税対象となるので覚えておきましょう。M&Aなどの事業承継を考えている中小企業の経営者は、株式譲渡による税金を勉強しておく必要があるでしょう。

税金を考えておかなければ、納税できなくて困ってしまう恐れがあります。そうなると、事業承継などの目的はスムーズに果たせなくなってしまいます。事前にどれくらいの税金がかかるのかを計算しておくことが大切です。

そこで、この記事では非上場株式を譲渡したときに課税される税金を紹介します。まずは、非上場株式の定義を見ていきましょう。

非上場企業と上場企業の主な違い

上場株式とは、誰もが証券取引所をとおして売買できる株式のことをいいます。証券取引所で売買している株式は、取引が可能であることを公開しているため、別名「公開株式」ともいうので覚えておきましょう。しかし、全ての株式が上場しているわけではありません。

上場株式以外には、非上場株式があります。非上場株式は証券取引所に上場しておらず、限られた人しか取引できない株式のことです。

取引を公開していないことから、別名「非公開株式」というので押さえておいてください。非上場株式は、基本的に中小企業の多くで採用されています。経営者やその親族が非公開株式を保有しています。

したがって、経営している会社が中小企業であれば、多くの場合は非上場企業でしょう。証券取引所に上場していない株式を扱っている状況といえます。

非上場株式の譲渡は可能か?

非上場株式は譲渡もできます。非上場株式を譲渡するタイミングは、決まっていません。相続や事業承継以外のときでも譲渡は可能です。

しかし、証券取引所ではなく、個人的なやり取りで取引することになるため、非上場株式の保有者とのコネがないと、基本的に譲渡できないといえます。

非上場企業の株式は、簡単に第三者が購入できないのです。もし購入できると、経営方針が大幅に変わるなど、大変な事態になってしまうこともあるでしょう。

譲渡所得とは

譲渡所得とは、株式の売却から得る利益のことをさします。売却代金から「取得費」と「手数料」を差し引いて算出したものです。ここでいう「取得費」とは、その株式を最初に取得したときにかかった費用のことです。

譲渡所得を算出する場合は、上場株式であっても、一般株式と同様に下記の式で算出します。

  • 総収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費+委託手数料など)=譲渡所得などの金額

株式譲渡で発生する譲渡所得税について

譲渡所得税は、上場株式・非上場株式関係なく、株式の譲渡によって得た利益に対して課税されます。2020年現在の譲渡所得税の税率は、20.315%です。この中には所得税、住民税、復興特別所得税が含まれています。

譲渡所得はほかの所得と損益通算できません。もし、株式譲渡で赤字になったとしても、ほかの所得の課税分を減らせないので注意が必要です。譲渡所得税の詳細は下記の記事に書いてありますので、興味のある方はご覧ください。

株式譲渡に関する税金は複雑です。したがって、少しでも不安がある場合は、専門家に早めに相談することが大切です。

M&A総合研究所では、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーが親身になってフルサポートいたします。無料相談を行っておりますので、ぜひM&A総合研究所へお気軽にお問い合わせください。

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2. 非上場株式の譲渡にかかる税金の種類

非上場株式の譲渡により利益が発生した場合、その利益は課税対象になります。そのときの算定時に出てくる項目は以下の6種類です。
 

  1. 譲渡所得税
  2. 法人税
  3. 相続税・贈与税
  4. 寄付金扱い
  5. みなし贈与課税
  6. みなし譲渡所得課税

事前に税金について考えておかなければ、あとで大きなトラブルになりかねません。これら6種類の税金を紹介します。

①譲渡所得税

譲渡所得税とは、株式を譲渡したときに課税される税金のことです。先ほども紹介したとおり、2020年現在の税率は20.315%となっています。譲渡所得税を分類すると以下の3つに分けられます。
 

  • 所得税
  • 住民税
  • 復興特別所得税

これらの3つの税金によって、譲渡所得税は構成されています。所得税や住民税、復興特別所得税を順番に確認していきましょう。

所得税

所得税とは、1年間で得た所得に対して課税される税金のことです。通常は所得が増えるにつれて税率が高くなる累進課税制度が適用されています。しかし、譲渡所得税の所得税は、利益額関係なく15%課税されます。

住民税

住民税は、住民のために使う税金のことです。通常の住民税の税率は約10%であり、所得が多い人ほど住民税額が高くなる累進課税制度が適用されています。しかし、譲渡所得税の住民税は、利益額に関係なく5%課税されます。

特別復興所得税

特別復興所得税とは、2011年の東日本大震災発生を受けて、復興のためだけに使用される税金のことです。給与所得などの所得税や住民税にも上乗せされて課税されています。譲渡所得税は、利益額に関係なく0.315%課税されます。

これら3つの税金を合わせて、譲渡所得税の税率は20.315%となるのです。税率を覚えるだけではなく、内容も覚えておけば、株式譲渡の際にも安心して納税ができるでしょう。

②法人税

法人税とは、会社などの法人が利益を上げたときに課税される税金です。非上場株式の譲渡益に対しても課税され、2020年現在の実効税率は15~42%となっています。

「なぜ法人税率にこのような幅があるのか」と疑問に思う人もいるでしょう。法人税率にばらつきが出る理由は、法人の規模や所得金額によって、適用される法人税が変わるためだといえます。正確に法人税を計算したいのであれば、専門家に相談することをおすすめします。

③相続税・贈与税

非上場株式を相続・贈与するときには相続税・贈与税が課税されます。これらの税も累進課税制度が適用されています。相続・贈与額が高いほど納税額は高くなるため注意が必要です。

高齢化により、若い人への財産移転があまり進行していないため、以下のような相続税や贈与税に対する税負担の軽減措置をとっています。株式譲渡をするのであれば、税金の軽減措置が利用できないか確かめておくとよいでしょう。

贈与税の特例と、事業承継時の非上場株式の相続・贈与を順番に確認していきましょう。

贈与税の特例

非上場株式などの財産を親族に譲り渡す場合、贈与であれば一定額の控除が認められています。相続時精算課税制度を利用すれば、総額で2,500万円分まで非課税となります。

ただし、相続時精算課税制度を利用した場合には、贈与段階の財産価値で相続税を計算するときに、課税対象に含まれる点には注意しなければなりません。2親等以内までの贈与のときに限られることに注意が必要です。

事業承継時の非上場株式の相続・贈与

事業承継時の非上場株式の相続・贈与については、事業承継税制という特例があります。非上場株式を相続・贈与する際に、同時にその会社の事業を引き継ぐ場合、その非上場株式に課税される相続税・贈与税は100%猶予されます

承継相手が親族でなくても適用されるので使いやすい制度です。しかし、相続税・贈与税の猶予を継続して適用するためには、事業を5年以上維持するなどの制約があります。

事業の引継ぎを考えている人にとっては、大きな負担の軽減になる制度でしょう。事業承継税制は積極的に利用を検討しましょう。事業承継税制は、下記の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

④寄付金扱い

寄付金扱いとは、法人が適正価格よりも安い価格で社外の個人に渡したときに発生する損金のことです。寄付金扱いの損金算入は可能なため、納税額を低くできます。例を挙げて説明するので見ておきましょう。

ある株式を10万円で取得し、その株式を売却するときの適正価格が100万円だったとしましょう。このときに株式を売却すると90万円の譲渡益となり、この金額をもとに税額を算出します。

この株式を社外の個人に60万円(適正価格よりも40万円安い価格)で売却したとします。この場合、会計上は譲渡益90万円となるのですが、安く売却した分の40万円は損金として計上できるのです。

株式の売却額や税率によっては、株式譲渡による税金が発生しない場合があります。このように、寄付金扱いはやや専門的知識が必要なので、慎重に利用しましょう。

⑤みなし贈与課税

みなし贈与課税とは、個人が株式を適正価格よりも低い価格で取得するときに発生する利益分に対して課税される税金のことをいいます。先ほどの例で、株式を受け取る側が個人の場合で説明しましょう。

適正価格は100万円に対して、取得した金額が60万円であるため、事実上40万円の利益が出たことになります。この利益に対して課税される税金がみなし贈与課税です。

⑥みなし譲渡所得課税

みなし譲渡所得税とは個人から法人へ株式を安価で譲渡したときに課税される税金のことで、精算の意味で使われます。この税金ができた理由は、課税逃れを防ぐためです。AからBへの贈与、BからCへの譲渡の例を用いて解説しましょう。

個人Aから個人Bへの贈与、個人Bから個人Cへの譲渡による株式譲渡の場合、取得原価は株券記載の金額をもとに納税額を算出します。個人Aが、10万円の株式を当時の適正価格20万円のときに個人Bへ贈与した場合、個人Aの利益はないので、税金は発生しません。

そのあと、個人Bから、この10万円の株式を適正価格100万円で個人Cへ売却するときの、個人Bの譲渡益は90万円(100万円-10万円)です。個人Aから法人Bへの贈与、法人Cへの譲渡による株式譲渡の場合、法人の取得原価は時価であり、その価格を会計上に記載して納税額を算出します。

個人Aから法人Bへは贈与のため、利益は0円です。法人Bから20万円で取得した10万円の株式を、適正価格100万円で法人Cに売却するとき、譲渡益は80万円(100万円-20万円)となります。

しかし、このような課税方法だと、個人Aが所有していた期間の利益10万円分に対して、所得税もしくは法人税が課税されないことになってしまいます。つまり、税逃れが発生してしまうのです。

そこで、個人が法人へ株式を譲渡する場合は、利益が発生しなくても、精算の意味で利益が発生したとみなして課税するルールになっています。この税金をみなし譲渡所得税といいます。個人から法人へ株式を譲渡する場合には注意しましょう。

ここまで、非上場株式の譲渡時に発生する税金を見てきました。ここからは、さらに詳しく非上場株式を譲渡する際の税金を見ていきましょう。

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3. 非上場株式の譲渡にかかる税金パターン

非上場株式を譲渡する側、譲受する側で課税される税金は異なってきます。この記事では、以下の4種類の譲渡方法を、譲渡側、譲受側でそれぞれ課税される税金について、例を挙げて解説します。

非上場株式を相続したときの被相続人と相続人が課税される税金も解説するので、確認してください。まずは、個人が個人に株式譲渡する場合から見ていきましょう。

個人が個人に株式譲渡するパターン

ある個人が20万円で株式を取得し、その株式を適正価格が100万円のときに、別の個人に売却したときを例に説明しましょう。

売り手に発生する税金

売り手にかかる税金には以下の3パターンが考えられます。
 

  1. 適正価格 100万円
  2. 時価と比べて安いパターン 50万円
  3. 時価と比べて高いパターン 150万円

適正価格の場合

適正価格の100万円で売却した場合、譲渡所得税(税率20.315%)が課税されます。
(100万円-20万円)×20.315%=16.252万円 がこの場合の納税額です。

時価と比べて安いパターン

時価より安い50万円で売却した場合も、譲渡所得税(20.315%)が課税されます。
(50万円-20万円)×20.315%=6.0945万円 がこの場合の納税額です。

時価と比べて高いパターン

時価より高い150万円で売却すると、適正価格で上げた利益には譲渡所得税が、それよりも多い利益分には贈与税(この記事では10%と仮定します)が課税されます。

(100万円-20万円)×20.315%+(150万円-100万円)×10%=21.252万円が、この例における納税額です。

買い手に発生する税金

買い手にかかる税金も、売り手のときと同様の株式の価格を仮定して解説します。
 

  1. 適正価格 100万円
  2. 時価と比べて安いパターン 50万円
  3. 時価と比べて高いパターン 150万円

適正価格時の例

適正価格で譲り受けた場合、利益額は0円となるため納税の必要はありません

時価と比較して安い場合

株式を購入することで買い手に利益が生じるため、みなし贈与税(この記事では10%と仮定します)が課税されます。

(100万円-50万円)×10%=5万円 がこの場合の納税額です。

時価と比較して高い場合

時価よりも高価で株式を取得した場合は、利益が発生しないため、納税の必要はありません

個人から法人への株式譲渡

この場合も先ほどと同様の例を挙げて解説します。ある個人が20万円で取得した株式を、売却時適正価格の100万円で法人に売却するとします。

売り手に発生する税金

売り手にかかる税金には、株式の価格によって以下の3パターンが考えられ、以下のような価格であると仮定します。
 

  1. 適正価格 100万円
  2. 時価と比べて安いパターン 50万円
  3. 時価と比べて高いパターン 150万円

適正価格の場合

適正価格の100万円で売却した場合、譲渡益に対して譲渡所得税(20.315%)が課税されます。
(100万円-20万円)×20.315%=16.252万円 がこの場合の納税額です。

時価と比べて安いパターン

時価よりも安価な価格50万円で売却した場合、みなし譲渡所得税(20.315%)が課税されます。納税額は以下のようになります。

(100万円-20万円)×20.315%=16.252万円 となり、適正価格のときと同じ納税額です。納税分の損失が出ています。

時価と比べて高いパターン

時価よりも高価な価格150万円で売却した場合、適正価格で利益を上げた分には譲渡所得税(20.315%)が、それよりも多い利益分には贈与税(10%)が課税されます。

(100万円-20万円)×20.315%+(150万円-100万円)×10%=21.252万円

買い手に発生する税金

買い手(法人)にかかる税金も、売り手のときと同様の株式の価格を仮定して解説します。
 

  1. 適正価格 100万円
  2. 時価と比べて安いパターン 50万円
  3. 時価と比べて高いパターン 150万円

適正価格の場合

適正価格で譲り受けた場合、利益額は0円となるため、納税の必要はありません

時価と比べて安いパターン

株式を購入することで買い手に利益が生じるため、法人税(この記事では30%と仮定します)が課税されます。

(100万円-50万円)×30%=15万円 がこの場合の納税額です。

時価と比べて高いパターン

法人が株式譲渡により損失が出る場合は寄付金扱いにでき、損金に算入できます。
50万円-100万円=△50万円 が損金算入額です。

法人から個人への株式譲渡

この場合も、先ほどまでと同じ例を用いて解説します。ある法人が20万円で取得した株式を、適正価格100万円のときにある個人に売却します。

売り手に発生する税金

売り手(法人)にかかる税金には、株式の価格によって以下の3パターンが考えられます。以下のような価格であると仮定します。
 

  1. 適正価格 100万円
  2. 時価と比べて安いパターン 50万円
  3. 時価と比べて高いパターン 150万円

適正価格の場合

適正価格の100万円で売却した場合、譲渡益に対して法人税(30%)が課税されます。
(100万円-20万円)×30%=24万円 がこの場合の納税額です。

時価と比べて安価な場合

適正価格のときよりも安価な価格で譲渡した場合、法人は株式譲渡により損失が出るため寄付金扱いにでき、損金に算入できます。

50万円-100万円=△50万円 が損金算入額です。

時価と比べて高価な場合

高価な場合も適正価格のときと同様に、譲渡益に対して法人税(30%)が課税されます。

(150万円-20万円)×30%=39万円

買い手に発生する税金

買い手(個人)にかかる税金も、売り手のときと同様の株式の価格を仮定して解説します。
 

  1. 適正価格 100万円
  2. 時価と比べて安価な場合 50万円
  3. 時価と比べて高価な場合 150万円

適正価格の場合

適正価格で譲り受けた場合、利益額は0円となるため、納税の必要はありません

時価と比べて安いパターン

株式を購入することで買い手に利益が生じるため、税金を納める必要があります。法人から個人への利益が出る株式譲渡の場合の税金は、所得税(一時所得)です。所得税(一時所得)の税率をこの記事で15%と仮定すると、納税額は以下のようになります。

(100万円-50万円)×15%=7.5万円

時価と比べて高いパターン

時価よりも高価で株式を取得した場合は、利益が発生しないため、納税の必要はありません

法人から法人への株式譲渡

この場合も、先ほどまでと同じ例を用いて解説します。ある法人が20万円で取得した株式を、適正価格100万円のときにある法人に売却します。

売り手に発生する税金

売り手にかかる税金には、株式の価格によって以下の3パターンが考えられます。以下のような価格であると仮定します。
 

  1. 適正価格 100万円
  2. 時価と比べて安いパターン 50万円
  3. 時価と比べて高いパターン 150万円

適正価格の場合

適正価格の100万円で売却した場合、譲渡益に対して法人税(30%)が課税されます。

(100万円-20万円)×30%=24万円

時価と比べて安いパターン

この場合、取得原価からの売却益に対して法人税(30%)が課税されます。

(50万円-20万円)×30%=9万円

さらに適正価格からの損失分に対しては、損金に算入可能です。株式の適正価格や税率によっては株式譲渡による税金が発生しない場合があります。

50万円-100万円=△50万円
 

時価と比べて高いパターン

高価な場合も適正価格のときと同様に、譲渡益に対して法人税(30%)が課税されます。

(150万円-20万円)×30%=39万円

買い手に発生する税金

買い手にかかる税金も、売り手のときと同様の株式の価格を仮定して解説します。
 

  1. 適正価格 100万円
  2. 時価と比べて安いパターン 50万円
  3. 時価と比べて高いパターン 150万円

適正価格の場合

適正価格で譲り受けた場合、利益額は0円となるため、納税の必要はありません

時価と比べて安いパターン

株式を購入することで買い手に利益が生じるため、法人税(30%)が課税されます。

(100万円-50万円)×30%=15万円

時価と比べて高いパターン

法人が株式譲渡により損失が出る場合は寄付金扱いにでき、損金に算入できます。

50万円-100万円=△50万円 が損金算入額です。

非上場株式を相続した場合

ここからは、非上場株式を相続した場合も見ていきます。まずは、相続人にかかる税金を見ていきましょう。

相続人に発生する税金

非上場株式を相続した場合にかかる税金は相続税です。非上場株式の評価方法は後ほど紹介しましょう。

相続税は、基本的に相続した財産を合わせて計算し、その額を法定相続人に分配してから算出します。そのため、相続の際に非上場株式だけを特別扱いして納税額を算出することはありません。

相続人に発生する税金

相続人とは、相続する方のことをさします。非上場株式の相続について、相続人に課税される税金はありません

株式譲渡の手続きに必要とする書類


株式譲渡を行う際は、税金の手続きはもちろんのこと、株式譲渡に必要な書類も用意しなければなりません。下記のような書類が必要となります。

  • 株式譲渡承認請求書
  • 株主総会招集通知
  • 株主総会議事録
  • 株式譲渡承認(不承認)通知書
  • 株式譲渡契約書(SPA)
  • 株式名義書換請求書
  • 株主名簿
  • 株主名簿記載事項証明書交付請求書
  • 株主名簿記載事項証明書
  • 取締役会設置会社の場合は取締役の決定書

ただ、上記は一例なので、実際に手続きを行うときは、M&Aの専門家に確認しましょう。

【関連】事業承継の相続税対策に悩む経営者に!節税対策を徹底解説!

4. 非上場株式の算定方法

非上場株式に適用となる価値評価方法はいくつか種類があります。ここでは、以下の3種類を紹介します。
 

  1. 配当還元方式での評価
  2. 類似業種比重方式
  3. 純資産価格方式

非上場株式の価値評価方法は、下記の記事で詳しく紹介しています。興味のある方はぜひご覧ください。

①配当還元方式

まずは、配当還元方式で評価を行う場合を見ていきましょう。

特徴

配当還元方式とは、1株当たりの配当金額と資本金をもとに計算する方法です。この計算方法では、ほかの2つの計算方法よりも評価額が小さく出る特徴があります。

メリットとデメリット

配当還元方式は、会社の非上場株式を会社の経営に関係ない人たちが持っているときに使用します。つまり、評価額が小さく出るため、株式の払戻額が小さくなり、余計な金額を払う必要がなくなることがメリットといえるでしょう。

デメリットはその逆で、評価額が小さく出るために、ほとんど使われないことです。売却益を高くするための計算方法として配当還元方式は使用されません。

②類似業種比重方式

次に類似業種比重方式の場合を見ていきましょう。

特徴

類似業種比重方式は、自社と同じ業種の会社の株式価格を参考にして評価額を算出する方法です。

メリットとデメリット

この計算方法のメリットは、客観的な視点で非上場株式を評価できる点です。M&Aの契約額の交渉が難航しているときに、類似業種比重方式での価格を参考に交渉できます。

デメリットは、M&Aを行う企業の規模が小さすぎる場合や、特殊な業界の企業のM&Aのときに、非上場株式の評価額を正確に算出できない点でしょう。

③純資産価額方式

最後に、純資産価額方式の場合も見ておきましょう。

特徴

純資産価額方式は、その会社の純資産額をもとにして非上場株式の評価額を決める計算方法です。ほとんどのM&Aでは、この計算方式が採用されています。

メリットとデメリット

メリットは、最もわかりやすい計算方法であるため、買い手側・売り手側ともに納得しやすい点です。一方で、財務諸表に記載されている資産しか評価できません。ヒトやノウハウなどは評価されていないため、売り手側が損をする可能性が高いでしょう。

【関連】M&Aの企業価値評価とは?算出方法を詳しく解説!

5. 非上場株式を譲渡する手順・流れ

非上場株式を譲渡する際の流れは以下のとおりです。
 

  1. 株式譲渡制限の有無を確認
  2. 株式譲渡承認請求
  3. 取締役会・臨時株主総会の開催・承認
  4. 株式譲渡の承認を通知
  5. 株式譲渡契約の締結
  6. 株主名義の書き換え

まず、株式に譲渡制限があるかどうかを確認するところから始まります。保有している株式の発行会社の定款を見て確認しましょう。次に、対象企業に対して、株式譲渡を承認するかどうかの決定を請求します。

株式譲渡承認請求を受け取った対象企業は、取締役会や臨時株主総会を開き、承認するかどうかを決定する流れです。非上場株式を譲渡する流れの特徴は、ここまでの流れといえるでしょう。

6. 非上場株式を譲渡するメリットとデメリット

次は、非上場株式を譲渡するメリットとデメリットを紹介します。ここでは、M&Aにおけるメリットとデメリットを譲渡側と譲受側に分けて紹介しましょう。

譲渡側のメリットとデメリット

譲渡側のメリットとしては、M&Aの手続きが非常にシンプルであることです。上場している株式会社がM&Aを行う場合や、株主総会で特別決議を得る場合に、債権者保護手続きを行う必要があります。しかし、非上場株式の譲渡の際には、これらのような手続きの必要はありません。

一方、デメリットは、非上場株式の評価額を間違える可能性があることです。非上場株式の評価額は上場株式と異なり、計算式を用いて算出します。算定する計算式を間違えると、売却益が小さくなる可能性があるので気をつけなければなりません。

譲受側のメリットとデメリット

譲受側のメリットも譲渡側と同様にM&Aの手続きが非常にシンプルであることです。非上場株式の譲渡で成立するM&Aであれば、譲受側は株主総会の特別決議を行う必要はありません。したがって、スムーズに手続きを進めていけます。

一方、デメリットは包括承継であることです。M&Aの交渉が成立すると、譲渡会社のトラブルも引き受ける必要があります。非上場株式の譲渡によるM&Aでもデューデリジェンス(企業監査)は実施しましょう。

デューデリジェンスを丁寧に行うことで、株式譲渡で譲受側にまわった場合のリスクを一気に減らせます。デューデリジェンスの際には専門家に立ち会ってもらい、後悔しないように幅広い点をチェックしてください。

【関連】M&AにおけるDD(デューデリジェンス)項目別の目的・業務フローを徹底解説!

7. 非上場株式の譲渡にかかる税金の相談先

非上場株式を譲渡する際、少しでも悩みがあるようなら専門家に相談することをおすすめします。株式譲渡は簡単な方法だといわれることも多いですが、それでも専門家でなければ手続きに不備は出やすいでしょう。

非上場株式を譲渡する際の税務関係やM&Aの処理にはさまざまな知識が必要になります。したがって、M&Aでの非上場株式の譲渡に迷ったらM&A総合研究所までご相談ください。

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8. 非上場株式の譲渡にかかる税金まとめ

非上場株式の譲渡にかかる税金を紹介してきました。株式譲渡はM&Aの中でもよく行われる方法です。税金を理解しておくと安心でしょう。

この記事をまとめると以下のようになります。

・非上場株式を譲渡したときにかかる税金について
→利益が出れば税金を払う必要があるが、個人から法人へ譲渡するときのみなし譲渡所得税には注意する

・M&Aを行うときの非上場株式譲渡について
→M&Aを行う際には非常に簡便であるが、トラブルがないように注意が必要である

基本的に利益が出た場合、申告や納税の必要があります。申告漏れの場合、追徴課税の可能性があります。税金やM&Aの専門家に相談するようにしましょう。

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