EBITDAとは?EBITとの違いや計算式、メリットや問題点を解説【事例あり】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&Aを行う際、買収対象企業の価値を知る必要があります。EBITDAは企業価値を簡易的に知る指標として、M&Aが行われる初期段階で活用されています。当記事では、EBITDAの使い方や計算方法、メリットや問題点など初期段階のM&Aで役立つ指標について解説します。

目次

  1. EBITDAとは
  2. EBITDAとEBITの違い
  3. EBITDAの算出を含めたM&Aの相談承ります!
  4. EBITDAと営業利益の関係性
  5. EBITDAが世界で使われている理由
  6. EBITDAの活用ポイント
  7. EBITDAのメリット
  8. 企業価値評価の算定はM&A仲介会社にご相談ください!
  9. EBITDAの問題点
  10. EBITDAの正しい計算式
  11. EBITDAに関連する計算式まとめ
  12. EBITDAとフリーキャッシュフローの関係
  13. EBITDAの事例
  14. まとめ
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1. EBITDAとは

EBITDAとは

EBITDAとは「償却前営業利益」を表す経済用語です。税引前・利息払い前・減価償却費を営業利益に加えて算出します。

財務を分析する際に活用される概念の一つであり、本来、経営学やMBAといった経営のプロを目指す人々が学ぶ経営指標です。

そのため以前は、個人投資家や中小企業の経営者は知らなくても、差し支えはありませんでした。しかし昨今、株主総会などで企業経営者が株主である投資家へ、経営状態や決算書の説明をする際に用いることが増えてきました。

またM&Aを行う上で、EBITDAは役立つ指標であるため、その求め方を知りたいと考える経営者も増えてきています。

EBITDAは、対象企業のキャッシュフローを手早く客観的に求める事が出来るため、M&Aの際は簡易的に対象企業の企業価値を評価する際に活用されます。

手間なく計算出来ますが、あくまでも本格交渉前の目安として用いられるため、M&Aの初期段階で使用されることが一般的です。

EBITDAの意味(日本語訳)

EBITDAの意味

EBITDAは「Earnings Before Interest, Tax, Depreciation, and Amortization」の頭文字を1字ずつ取って表記した物です。

その意味を直訳すると「利息・税金・減価償却費および、償却費控除前の収益」になります。

つまり、EBITDAとは税引前・利息払い前・減価償却前の営業利益を表しており、キャッシュベースの利益を求める目的で活用されます。

減価償却とは

減価償却とは

減価償却とは、企業会計で用いられる計算方法の一つです。会社内で長期間に渡って使用される、パソコンや自動車などの固定資産を購入した際、該当資産を購入した費用を数年間に渡り償却していく手続きになります。

似たような物に必要経費と呼ばれる物がありますが、必要経費は単年処理、減価償却は複数年処理となります。

なお、対象の資産に応じて償却期間が定まっており、減価償却資産の耐用年数が一覧で分かる資料も公開されています。

また国税庁が公開している資料の中に「減価償却資産の償却率表」があり、耐用年数に応じた償却率が記載されています。

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2. EBITDAとEBITの違い

EBITDAとEBITの違い

EBITDAと似たような指標として、EBITがあります。どちらも一般的な指標ではありませんが、M&Aの広まりと共に目にする機会が増えてきた経営指標です。

実際、EBITもEBITDAと同様に、M&Aの検討段階で企業価値評価を知るために活用されます。

EBITとは

EBITとは「Earnings Before Interest and Taxes」の頭文字を1字ずつ取って表記されたものです。直訳すると「利息および、税金控除前の収益」となり、EBITDAと意味が異なることが分かります。

EBITは、税引前・支払い利息前の営業利益から、受け取り利息を引いたものになります。企業が借り入れを行っている際に発生する支払利息を営業利益から引くと、利益が減少してしてしまうため、支払い利息は差し引きません。

一方、受け取り利息は営業利益ではないため、差し引くことで純粋な利益を求めることがEBITを用いる目的です。特に、起業したばかりのスタートアップ企業評価を算定する際に活用されます。

EBITDAとEBITの主な違い

EBITDAとEBITの大きな違いは、計算方法の中身です。EBITDAは、支払い利息と減価償却費を加えた営業利益を求めます。

一方、EBITは支払い利息のみを加えて求められます。基本的な計算方法の形はほぼ変わりありませんが、構成する要素が変わります。

また、EBITDAとEBITとでは、評価する対象企業が変わります。どちらもM&Aの際に活用されるメリットがあり、計算式を形作る要素の違いにより、評価対象企業をはっきりと区分けすることができます。

EBITDAを用いる評価対象企業

EBITDAで評価される対象企業は、設備投資を数多く行っている企業です。設備投資費は一般的に、減価償却費として会計処理が行われます。

そのため減価償却費の割合が多く、利益率に影響を与えることになり、EBITDAを活用して減価償却費を加えた営業利益を求め、企業比較を行います。

EBITを用いる評価対象企業

EBITで評価される対象企業は、起業したばかりの企業です。起業したばかりであれば、資金調達を数多く行う事により借入金が増加します。そのため支払われる利息を加えた営業利益を求めます

またEBITは、M&Aを積極的に行う企業の評価を行う際にも活用されます。企業買収や事業の拡大を行うことを目的として、資金調達が行われます。

当然、借入金には利息がかかるため、M&Aを行う際、対象企業の価値を評価する上で、利息支払いを加えた営業利益を求めるEBITが用いられます

3. EBITDAの算出を含めたM&Aの相談承ります!

EBITDAの算出を含めたM&Aの相談承ります!

EBITDAは企業価値評価を簡易的に求める計算方法であり、会計の知識のない一般の方でも気軽に扱うことが出来ます。しかし、M&Aを行う際は、相談者の存在が重要になってきます。

M&A総合研究所は、会社売却・事業譲渡に精通した公認会計士がフルサポートでM&Aを成功に導きます

料金体系は完全成功報酬型を採用しており、手数料は業界最安値水準に設定しています。無料相談を随時お受けしていますので、EBITDAの算出やM&Aの相談は、どうぞお気軽にご連絡ください。

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4. EBITDAと営業利益の関係性

EBITDAと営業利益の関係性

EBITDAと営業利益は、密接に関係する指標です。そこで、営業利益とはどういったものなのかについて、計算方法も交えて解説していきます。

営業利益とは

営業利益とは該当する企業が、本業において得た利益を表します。もっと砕けな言葉で表現するなら、「本業の儲け」を表します。本業以外の事業を含めた利益ではありません。なお営業利益を求める計算方法は以下のようになります。

 

  営業利益 = 売上総純利益 ー 売上原価・販売費・一般管理費  


営業利益は損益計算書に記載する際、売り高から売上原価・販売費・一般管理費を差し引くことで求められます。当然ですが、営業利益が大きい企業であるほどメリットがある優良企業とされます。

また、計算方法を用いて営業利益を求めた結果、マイナスとなっていた場合は営業損失となります。

営業利益は、EBITDAを算出する際に重要な要素の一つですが、経常利益を利用してもEBITDAを求めることができます。しかし、営業利益と経常利益を使う場面は、それぞれ区分けされています。

営業利益と経常利益の主な違い

営業利益と経常利益の違いは「利益を生む事業はどこか?」ということです。営業利益は、本業において得た利益を表しますが、経常利益は本業と共に、展開している他事業で得た利益も含めて表します

複数の事業を展開する企業の価値をEBITDAにて評価する際は、営業利益を使わずに経常利益を使って計算式を作ります。

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5. EBITDAが世界で使われている理由

EBITDAが世界で使われている理由

EBITDAは世界基準の指標であり、日本でも諸外国に倣って使い始めています。なぜEBITDAは、海外で好んで使われており、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、EBITDAが世界で使われている理由、日本でEBITDAが使われるようになった背景について、説明します。

EBITDAが世界で信頼される理由

EBITDAは国が変わっても、同じ計算式で企業価値を求めることができます。例えば、国により金利水準や税率が違いますが、EBITDAは自国とは違う差異を取り除き、対象企業の価値を評価できます。 

営業利益や経常利益などが記載されている損益計算書も、企業価値を評価する際に用いられますが、営業利益だけでも、経常利益だけでも企業価値を評価する上で足りない要素があります。

また営業利益や経常利益は、減価償却の方法による違いや金利や有価証券売却益などの影響を受ける場合があります。こうした要素を排除できるのが、EBITDAにおけるメリットです。

また、税率・金利・会計基準など各国間では様々な違いがあります。しかし、EBITDAはそうした差異を最小限に抑え、自国基準で分かりやすく企業を評価できるため、特にグローバル展開を行っている海外企業がクロスボーダーM&Aする際、海外にある同業他社の状況を確認する際などに活用されています。

EBITDAが日本で信頼される理由

日本ではM&Aの数が増え始めたことで、EBITDAによる企業価値評価が広まり始めたと言えます。なお、日本の会計基準では「償却前営業利益」がEBITDAに該当するため、名前が活用されるようになったと解釈することもできます。

6. EBITDAの活用ポイント

EBITDAの活用ポイント

EBITDAを活用する際、把握しておきたいポイントを3点ご紹介します。通常、EBITDAを活用したいと考える際は、M&Aを行う準備段階になります。この点を念頭において読み進めてください。
 

  1. 銀行の融資決定の参考になる
  2. 企業価値評価としても使われる
  3. 個人投資家が投資先を選定する

なおEBITDAと同様に、EBITも同じ様なケースで活用されます。この点も踏まえてお読みいただくと、より深く理解できると考えます。

① 銀行の融資決定の参考になる

EBITDAは銀行の融資決定の際、簡潔に融資対象となるのかを評価するために活用されます。税引前・利息支払い前・減価償却費と営業利益は、基本的に公開されているため、時間をかけず簡単に融資対象と有無を評価できます。

なお、融資の本決定やM&A本契約の前には、EBITDAやEBITより精度や信頼性の高い指標が用いられます。

② 企業価値評価としても使われる

M&Aが広く一般的になると共に、実施はしないまでも検討をする企業も多くなりました。自社の売却や同業他社の買収など様々な検討をする際、企業価値を簡潔に求める手段として、EBITDAが活用されています。

特に、M&Aの初期段階で実施される企業価値評価の際、マルチプル法の流れでEBITDAやEBITが活用されます。

③ 個人投資家が投資先を選定する

EBITDAを個人で活用する場合、企業のキャッシュフローを簡単に求める事ができるため、投資先の選定を行う際にも活用して頂けます。

EBITDAは、元々経営指標の一つであり、M&Aの際に企業評価を客観的に見るために使われる指標です。会計の初心者でも簡単に求める事が出来るので、投資先を探る際にご活用ください。

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7. EBITDAのメリット

EBITDAのメリット

ここでは、簡易的に企業価値評価を行うことが出来る、EBITDAのメリットをご紹介します。国を跨いだクロスボーダーM&Aや海外に子会社を多く持つ企業などは、特にEBITDAのメリットを多く受けることができます。

  1. 会計基準の異なる国でも比較できる
  2. 減価償却費などの影響を排除できる

① 会計基準の異なる国でも比較できる

EBITDAは、会計基準の異なる国でも同じ計算式で活用することが可能です。元々、世界基準の会計手法・経営指標として広まり、日本でも活用される様になったことでも、汎用性の高さを理解することができます。

なお、金利や税率など国家間で違う数値を用いる場合は、差異が出現する部分を除き、共通する形にて計算式に当てはめていきます。こうした使い方が出来るのが、EBITDAのメリットの一つです。

その理由として考えられるのは、計算式を構成する要素が比較的簡単な点です。計算式に当てはめる段階で難しい値を求める様なことはせず、公開中やあらかじめまとめられた情報を使用できます。

つまり、会計基準が異なる国で使えるメリットは、計算式を構成する要素がシンプルであるが故と言えます。

②減価償却費などの影響を排除できる

EBITDAの最も大きいメリットは、減価償却費などの影響を受けにくい点です。EBITDAを求める計算式では、減価償却費を引く事なく営業利益に加えて算出します。この様にEBITDAが、減価償却費を扱うには理由があります。

EBITDAは「キャッシュフローベースの営業利益を算出する指標」です。最終利益として計上された利益は、本業で得た利益とは別に生まれた利息の支払い・税金を足し戻して計算します。減価償却費は現金を支払わない経費であるため、EBITDAでは足し戻しを行います

なお減価償却費は企業が決算発表後、3ヶ月以上経過した後に公開される決算短信などに含まれる損益計算書に記載されています。また営業利益も記載されているため、EBITDAの計算式を活用すれば、誰でも簡単にその企業の価値・キャッシュフローが確認できます

EBITDAは、個人投資家が投資対象の企業を選定する際にも活用できるため、簡単さは大きなメリットと言えます。実際に株式投資を行っている方は、ぜひ個人でEBITDA算出をお試しください。

8. 企業価値評価の算定はM&A仲介会社にご相談ください!

企業価値評価の算定はM&A仲介会社にご相談ください!

EBITDAを用いて簡易的に企業価値評価を行った後、もっと詳しく求めたいけど難しいと感じた場合は、M&Aの専門家である仲介会社にご相談ください。

M&A総合研究所では、企業売却や譲渡に精通した公認会計士が企業価値評価法にて、正確な数値を算出します。

業界最安値水準の成果報酬にて、M&A専門の会計士がクロージングまでをフルサポートいたしますので、初めてのM&Aでも安心して進めることが可能です。

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9. EBITDAの問題点

EBITDAの問題点

簡単な計算式により、該当する企業の価値・キャッシュフローを算出できるEBITDAですが、簡易的がある故の問題点もあります。

ここでは、EBITDAを活用する上で注意しておきたい、2つの問題点について解説していきます。

  1. 投資に対する効果の側面しか見えてこない
  2. 支払利息や税金を控除していない

① 投資に対する効果の側面しか見えてこない

EBITDAは計算方法を構成する要素上、投資に対する効果の側面しか見えません。つまり、その効果を得るために必要になる設備への投資や投資額が反映されていません。

そのため、該当企業の正確な価値・キャッシュフローを知ることはできません。なお、この時EBITDAで算出できるキャッシュフローは、営業キャッシュフローと呼ばれます。

また、EBITDAでは見えてこない投資額は、投資キャッシュフローと呼ばれることがあります。基本的に、投資キャッシュフローはマイナスとなるため、EBITDAから算出された営業キャッシュフローから差し引かれ、フリーキャッシュフローが導き出されます。

その投資が数年後、価値の上がる投資であれば評価すべきですが、そうとは限らない点がEBITDAの問題点であるとされます。

したがって、毎年何かしらの設備投資を行う企業であれば、EBITDAのみで企業評価を導くのは危険であると言えます。

② 支払利息や税金を控除していない

EBITDAで算出された企業価値・キャッシュフローには、支払利息や税金の控除が行われていません。この点もEBITDAが簡単な計算式で算出されるが故の問題点と言えます。

そのため、EBITDAのみで該当する企業の価値やキャッシュフローを調べ、判断してしまうことは控えたほうがよいでしょう。

ちなみに、EBITDAは投資対象の企業を決める際にも用いられていますが、EBITDAのみの判断では投資企業を選ぶべきではないと、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットは苦言を呈しています。

10. EBITDAの正しい計算式

EBITDAの正しい計算式

ここでは、EBITDAの正しい計算式をご紹介します。企業が決算書で公開している数字さえあれば、算数を覚えたばかりの小学生でも算出できるのが、EBITDAの良さであり活用するためのメリットです。

EBITDAの計算方法

  • EBITDA = 税引前当期営業利益 + 減価償却費

上記のような簡単な計算式で、EBITDAは求められます。計算式に必要な数値さえ分かれば、簡単な足し算でEBITDAが算出できるのは、非常に大きなメリットです。

数字や会計の専門家でなくとも、簡易的に対象企業の価値や営業キャッシュフローを知る事ができることをご理解頂けるのではないでしょうか。

経常利益を用いてEBITDAを導く計算方法

EBITDAは、経常利益を用いても求めることが出来ます。厳密に言えば、正式のEBITDAとは別のものとなりますが、税引前当期営業利益が分からない場合の手段として、覚えておくとよいでしょう。
 

  • EBITDA = 経常利益 + 支払利息 + 減価償却費

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11. EBITDAに関連する計算式まとめ

EBITDAに関連する計算式まとめ

ここでは、EBITDAに関連した様々な計算式をまとめて解説します。EBITDAは簡易的な企業価値を算出する方法ですが、それを応用することにより、他にも様々な指標を計算することが可能です。

  1. EBITDAと企業価値を使って簡易買収倍率を求める計算
  2. 時価総額がEBITDAの何倍あるかを求める計算
  3. 利益率をEBITDAを使って求める計算
  4. 有利子負債を何年で返済できるをEBITDAを使い求める計算

① EBITDAと企業価値使って簡易買収倍率を求める計算

EBITDAと企業価値を活用することにより、EV/EBITDA倍率(簡易買収倍率)を求めることができます。EV/EBITDA倍率とは、負債などのマイナス要因も含めて、買収コストを何年で回収できるのかを予測する指標です。

なお、EV/EBITDA倍率(簡易買収倍率)は、外国人投資家が活用することが多いと言われています。純粋な数値だけで投資金の回収が何年で行えるのかを判断出来るため、合理的な判断ができ、それがメリットと考えられています。

計算方法

  • EV(企業価値) = 時価総額 + 有利子負債 - 現金
  • EV/EBITDA倍率 = EV(企業価値) ÷ EBITDA

数値の見方

EV/EBITDA倍率を求める際はまず、EV(企業価値)を求める必要があります。EV(企業価値)は、企業の時価総額と有利子負債を合計したのち、現金をマイナスすることで求めることが出来ます。

なお、EV/EBITDA倍率には目安があり、6倍から7倍程度だと言われています。7倍を超える企業は割高、6倍以下の場合は割安の企業と言うことになります。

また、有利子負債とは利子が発生する負債を意味し、借入金・社債などがこれに該当します。企業価値を求める際は、有利子負債の存在も重要な要素となります。

簡易買収倍率は企業価値評価を知る方法の一つです。しかしM&Aを行う際、他にも様々な企業価値評価方法を用いて、総合的に判断していきます。

② 時価総額がEBITDAの何倍あるかを求める計算

企業の時価総額がEBITDAの何倍になるかを求めることで、何年分のキャッシュフローで企業の買収金額の回収を行うことが出来るかを予測できます。

計算方法

  • EBITDA倍率 = 時価総額 ÷ EBITDA

数値の見方

対象企業を時価総額で買収した際、当期純利益の何年分で買収額を回収することができるのか?この問いに答える上で活用される指標は、PER(株価収益率)と呼ばれるものです。

このPERの利益を示す部分をEBITDAに変えて計算したものが、EBITDA倍率となります。なお、PER(株価収益率)とは、その株が割安なのか?割高なのか?を知るために投資家が活用することの多い数値です。

株式投資は安く良い物を買うことで大幅な利益を生むことが出来るため、PER(株価収益率)を活用して端的な数値を求めます。

③ 利益率をEBITDAを使って求める計算

EBITDAを用いることで、利益率(EBITDAマージン)を求めることが出来ます。EBITDAマージンとは、営業利益率の営業利益部分をEBITDAに代替したものとなります。

利益率とは事業の収益性や競争力を数値で見る指標です。ここには、企業や事業の規模や成長率は考慮されておらず、効率性を純粋に求めています。

計算方法

  • 利益率(EBITDAマージン) = EBITDA ÷ 売上高

数値の見方

EBITDAから売上高を割ることで、利益率を求めます。利益率が分かることで、買収対象の企業の効率の良さを知ることができます。

④ 有利子負債を何年で返済できるをEBITDAを使い求める計算

EBITDAを使うことで、対象企業が抱える有利子負債を何年分のEBITDAで返済できるのかを求められます。買収しようとしている企業には、有利子負債があることが分かっている際、紹介する計算式で簡易的な購入の判断できます。

なお有利子負債倍率(EBITDA有利子負債倍率)とは、経営が安全に保たれているかを判断する数値でもあります。計算で得られる情報・数値は、キャッシュフローに対する借入金の割合を知ることが出来ます。

計算方法

  • 有利子負債倍率(EBITDA有利子負債倍率) = 有利子負債 ÷ EBITDA

数値の見方

今現在ある有利子負債、つまりは借入金などが償却前営業利益(EBITDA)の何倍あるのかを求めることで、返済予測年度が分かります。

有利子負債倍率は、M&Aを頻繁に行う企業が投資家向けのプレゼンテーションを行う際に公開します。それにより、返済に対する計画性を発信します。

12. EBITDAとフリーキャッシュフローの関係

EBITDAとフリーキャッシュフローの関係

EBITDAはM&A・買収対象企業のキャッシュフローを完結に求める指標ですが、フリーキャッシュフローとは異なります。

この章では、EBITDAとフリーキャッシュフローの違いについて、解説していきます。

フリーキャッシュフローとは

EBITDAとフリーキャッシュフローの違いを解説する上で、もっとも重要なのが、フリーキャッシュフローの意味になります。

フリーキャッシュフローとは、営業キャッシュフローから投資金を差し引いたもので、経営者の経営判断により自由に使うことが出来る利益になります。つまり、まったく自由に個人的な使い方ではなく、あくまでも経営する企業の発展に繋がるような使い方が求められます。

そのため、フリーキャッシュフローを元手にして、戦略的な買収や事業展開など行ったり、有利子負債の返済に当てるなどされます。

フリーキャッシュフローが生まれることで、取引のある金融機関では融資が断られるような経営戦略を自社資金のみで行うことができます

EBITDAとフリーキャッシュフローの違い

EBITDAは償却前営業利益です。投資金なども含めて、どれくらいのキャッシュがあるか表す指標です。

一方、フリーキャッシュフローは自由に使える自社資金を表すため、近しい存在ではありますが大きく異なります。

EBITDAとフリーキャッシュフローの関係

フリーキャッシュフローは、EBITDAの中に内包されている物です。例えるなら、親子関係のような状態にあります。

なお、フリーキャッシュフローがどれだけあるかを求める計算式は複数あり、EBITDAを元にして算出するることも可能です。
 

フリーキャッシュフローの計算方法

  • フリーキャッシュフロー = EBITDA ー 設備投資費 ー運転資本増加額

13. EBITDAの事例

EBITDAの事例

ここでは、EBITDAの事例ということで、実際に公開されている企業の連結キャッシュフロー計算書をご紹介します。

公開されている資料では、細かな数値が記載されており、その企業のEBITDAを知ることができます。
 

  1. 三菱重工
  2. バンド-化学株式会社
  3. 国際石油開発帝石株式会社
  4. 株式会社ダイセル
  5. 凸版印刷株式会社

① 三菱重工

2017、2018年の連結キャッシュフロー計算書を見ることができます。
https://www.mhi.com/jp/finance/finance/cf/

② バンド-化学株式会社

内容はシンプルですが、2017、2018年度のEBITDAを知ることができます。
https://www.bandogrp.com/ir/financial/cashflow.html

③ 国際石油開発帝石株式会社

2015年3月期から2019年3月期の連結キャッシュフロー計算書を見ることが出来ます。また通期とは別に、四半世紀のものも公開されており、様々な形でEBITDAを知ることが出来ます。
https://www.inpex.co.jp/ir/financial/cashflow.html

④ 株式会社ダイセル

2015年3月期から2019年3月期までの連結キャッシュフロー決算書が確認できます。分かりやすいEBITDAを見ることができます。
https://www.daicel.com/ir/cashflow.html

⑤ 凸版印刷株式会社

印刷会社最大手の一つである凸版印刷株式会社の連結キャッシュフロー計算書です。2017年度、2018年度のEBITDAを知ることができます。

https://www.toppan.co.jp/ir/financial/statements/index3.html

14. まとめ

まとめ

EBITDAはあくまでも簡易的な営業利益を求める指標です。そのため実際にM&Aを行う際には、前段階でEBITDAを活用することをおすすめします。

その後、交渉やデューデリジェンスなどを行う上で、より詳細に営業利益を算出してください。

【EBITDAの算出方法及びEBITDAを活用した計算式】

  1. EV(企業価値) = 時価総額 + 有利子負債 ー 現金
  2. EV/EBITDA倍率 = EV(企業価値) ÷ EBITDA
  3. EBITDA倍率 = 時価総額 ÷ EBITDA
  4. 利益率(EBITDAマージン) = EBITDA ÷ 売上高
  5. 有利子負債倍率(EBITDA有利子負債倍率) = 有利子負債 ÷ EBITDA

なお、EBITDAの算出・買収企業の選定・M&A戦略の策定・実際の交渉やデューデリジェンスなど、M&Aに関するすべての業務は、個人で行うには非常に難しいものです。

そのため、M&Aをご検討している際は、専門家であるM&A仲介会社へのご相談のおすすめします。また、事業譲渡や事業承継といった売り手側のM&Aも、仲介会社をご利用いただくとスムーズに行うことが可能です。

M&A総合研究所は独自のネットワークにより、買い手先との仲介も行い、希望通りのM&Aを実現するため徹底的にサポートいたします。

着手金・中間報酬は無料の完全成功報酬を採用しており、手数料は業界最安値水準に設定しているので、コスト面でも安心してご利用いただけます。

電話・メールによるご相談は、24時間年中無休でお受けしていますので、EBITDAの算出・M&Aのご相談は、どうぞお気軽にご連絡ください。

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