M&Aによる巨額企業買収ランキング【2023年最新版】

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

2022年、上場企業によるM&A市場はリマンショック後の最多を2年連続更新しました。買収金額の大きいM&Aも多数あります。そこで、企業の買収金額に着目したM&A最新ランキングを作成しました。合わせてM&Aアドバイザリーの取引金額ランキングも掲載します。

目次

  1. M&A買収金額ランキングを発表!
  2. M&Aによる企業買収金額ランキング2022〜ベスト10
  3. M&Aによる企業買収金額ランキング2021〜ベスト10
  4. M&Aによる企業買収金額ランキング2020〜ベスト10
  5. M&Aによる企業買収金額ランキング2019〜ベスト10
  6. M&Aによる1,000憶円超リスト企業買収金額ランキング2022年
  7. M&Aによる企業買収金額ランキング番外編~海外企業買収額1兆円超リスト
  8. M&Aアドバイザリー取引金額ランキング2022
  9. M&Aによる巨大企業買収ランキングまとめ
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1. M&A買収金額ランキングを発表!

上場企業のM&A成立件数の増加は、2012(平成24)年から8年間連続していましたが、2020年はコロナ禍の影響により低下しました。しかし2021年877件、2022年949件と連続してM&A最多を更新しました。

2022年はロシアのウクライナ侵攻や円安による影響もあり足踏みする場面もありましたが、アフターコロナを見据え経済活動が活発になるにつれM&Aの件数も増えていきました。

2022年の1,000憶円を超える金額のM&Aは13件も成立しています。その金額上位10件のM&Aについて、ランキングとともに詳細を見ていきましょう。

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2. M&Aによる企業買収金額ランキング2022〜ベスト10

それでは早速、2022年のM&A企業買収金額ランキング・ベスト10を発表します。

順位 金額(円) 買収企業 被買収企業
1 約5,485億 武田薬品工業 Nimbus Lakshmi, Inc.
2 約5,140億 ソニー Bungie, Inc.
3 4,492億 HTSK 日立物流
4 約4,300億 Viterra Limited  Gavilon Agriculture Investment, Inc. 
5 4,276億 Bain Capital Private Equity, LP エビデント
6 約3,000億 オリックス ディーエイチシー
7 約2,672億 横浜ゴム Trelleborg Wheel Systems Holding AB
8 約2,500億 Fortress Investment Group LLC そごう・西武
9 1,680億 近鉄グループホールディングス 近鉄エクスプレス
10 約1,669億 OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.か INTERNATIONAL TRANSPORTATION INC.

※クロスボーダーM&Aの場合の金額は、全て発表当時にその時の為替レートで換算された数値を採用しています。
※公表日が2022年のランキングになります。

ランキング1位から順に、各M&Aの金額概要を見ていきましょう。

M&A企業買収金額ランキング第1位:武田薬品工業

2022年12月、武田薬品工業は、Nimbus Lakshmi, Inc.の全株式をNimbus Therapeutics, LLCから取得する取引について、米国連邦取引委員会からクリアランスを取得し、その他のクロージング条件を満たした後に株式譲渡契約の規定に従い完了しました。

武田薬品工業は複数の疾患領域において患者さんに大きな変革をもたらす可能性のある、高度に選択的な経口TYK2阻害薬TAK-279を後期開発パイプラインに迅速に追加できたことを非常に嬉しく思っています。本プログラムは免疫介在性疾患領域における当社の戦略および専門性に沿ったものであり、当社は開発計画のより多くの詳細を間もなく共有できることを楽しみにしていますとしています。

参考:経口アロステリックTYK2阻害薬NDI-034858の取得について
   Nimbus社のTYK2プログラムを有する子会社の株式取得(完全子会社化)完了について

M&A企業買収金額ランキング第2位:Sony Interactive Entertainment LLC

2022年1月、Sony Interactive Entertainment LLC(SIE)は米国の独立系ゲーム開発会社 Bungie, Inc.の全ての株式を取得するための確定契約 を締結したことを発表しました。

本買収により、SIEは、Bungieが有する世界屈指のライブ ゲームサービスへのアプローチと技術的専門性へのアクセスが可能となり、数十億人のプレイヤーに つながるというSIEのビジョンをさらに推進します。Bungieは引き続き独立したスタジオとして運営さ れ、独自のパブリッシングにより、プラットフォームを問わず、プレイヤーにゲームタイトルを提供するとしています。

参考:Sony Interactive Entertainment による Bungie, Inc.の買収に関する確定契約締結のお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第3位:HTSK

2022年4月、HTSKによる日立物流の普通株式に対する公開買付けに関して、本公開買付けが開始され た場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、本公開 買付けに応募することを推奨する旨の決議をしました。

今まで日立物流が築き上げてきた確固たる 事業基盤を活かしつつ、グローバルの人的・資本的リソース、ノウハウ、 ネットワークを活用し、オーガニック(既存の経営資源を活用した手法)・インオーガニッ ク(他社との提携・他社の買収等による手法)双方での成長戦略の推進を通じて、当社の 更なる事業成長及び企業価値の向上をめざしていくとのことです。

参考:HTSK 株式会社による 当社株式に対する公開買付けの開始予定に係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第4位:Viterra Limited

2022年1月、丸紅は子会社である丸紅米国会社を通じて保有する、穀物事業及び肥料事業を営むGavilon Agriculture Investment, Inc. (Gavilon)傘下グループを再編した後、同穀物事業を Viterra Limited の子会社(Viterra)へ譲渡することについて締結しました。

丸紅側は穀物事業における戦略の見直しのなかでGavilon 穀物事業の保有方針を検討してきましたが、足元の良好な事業環境・業績のもと、今般妥当な条件で同穀物事業を譲渡する機会が得られたことから、資産価値を最大化できると判断し本取引を決定いたしたとしています。

参考:Gavilonの再編及び株式譲渡に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第5位:Bain Capital Private Equity, LP

2022年8月、オリンパス株式会社と、オリンパスの完全子会社である株式会社エビデントは、オリンパスがBain Capital Private Equity, LPに対してエビデントを譲渡する契約を締結したと発表しました。

オリンパス株式会社側はエビデントの事業の特性に合った機動的かつ柔軟な意思決定を可能にすることが、同社のさらなる成長・拡大につながり、お客様に対してより革新的なソリューションを提供することが可能になると考え、エビデントの全株式をベインキャピタルに譲渡することが最適であるとの結論に至ったとしています。

参考:オリンパス、 子会社エビデントをベインキャピタルに譲渡 ~エビデントはさらなる成長とイノベーションを加速~

M&A企業買収金額ランキング第6位:オリックス

2022年11月、オリックス株式会社は、株式会社ディーエイチシーの大株主である𠮷田嘉明氏との間で株式譲渡契約を締結し、当社がディーエイチシーの株式を譲り受ける基本的な合意に達し達したと発表しました。

オリックスは、長年培った企業価値向上のノウハウを生かし、ディーエイチシーの円滑な事業承継、ならびに、同社のコンプライアンス体制やコーポレートガバナンスのさらなる強化を推進していくとしています。

参考:株式譲渡契約締結に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第7位:横浜ゴム

2022年3月、横浜ゴムはスウェーデンに本社を置く農業機械用や産業車両用タイヤなどの生産販売事業を展開するTrelleborg Wheel Systems Holding AB(以下、TWS)の全株式を取得することを、同社の株式を保有するスウェーデンのTrelleborg ABと合意し、株式売買契約を締結しました。

今回の買収により、タイヤ商品やサービスの研究開発、生産、販売、品質、ESGなど全ての領域において両社の強みを融合し、OHT事業のさらなる成長を図るとしています。

参考:

M&A企業買収金額ランキング第8位:Fortress Investment Group LLC

2022年11月、セブン&アイ・ホールディングスが保有する株式会社そごう・西武とFortress Investment Group LLC(フォートレス)の関連事業体たる特別目的会社である杉合同会社間で株式譲渡する契約を締結しました。

フォートレスは、本件譲渡に際して、株式会社ヨドバシホールディングスをビジネスパートナーとして、そごう・西武 の企業価値の最大化に努めるとのことです。

参考:当社子会社の株式譲渡及びそれに伴う子会社異動のお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第9位:近鉄グループホールディングス

2022年5月、近鉄グループホールディングスは、近鉄エクスプレスの普通株式を公開買付けにより取得することを決議いたしました。

近鉄グループホールディングスは本公開買付け後の経営方針としてバリューアップを実現すべく、グループ内の連携を加速させるとともに経営判断の意思決定を迅速化し、経営の効率化を進め、 対象者グループの各事業の持続的な成長に努めていくとしています。

参考:株式会社近鉄エクスプレス株式(証券コード 9375)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第10位:OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.

2022年10月、商船三井の連結子会社であるINTERNATIONAL TRANSPORTATION INC.(ITI 社)の株式をOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.へ譲渡することを決定したと発表しました。

商船三井はコンテナターミナル事業のポー トフォリオ戦略の見直しを進めておりましたが、今般、TraPac, LLC の持株会社である ITI 社の株式を譲渡することを決定したとしています。

参考:連結子会社の異動(株式譲渡)及び特別損益の計上に関するお知らせ

3. M&Aによる企業買収金額ランキング2021〜ベスト10

2021年のM&A企業買収金額ランキング・ベスト10を発表します。

順位 金額(円) 買収企業 被買収企業
1 約1兆 日立製作所 GlobalLogic
2 約8,800億 U.S. Bancorp MUFG Union Bank, N.A.
3 約8,100億 BCJ-52 日立金属
4 約7,830億 パナソニック Blue Yonder 
5 約6,262億 ルネサス エレクトロニクス Dialog Semiconductor Plc
6 約3,500億 LafargeHolcim Ltd ファイアストン ビルディング プロダクツ
7 約2,002億 インベスコ・グループ インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人
8 1,912億 ENEOS ジャパン・リニューアブル・ エナジー
9 1,655億 スターウッド・キャピタル・グループ インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人
10 1,600億 CVC Capital Partners 資生堂パーソナル事業

※クロスボーダーM&Aの場合の金額は、全て発表当時にその時の為替レートで換算された数値を採用しています。
※公表日が2021年のランキングになります。

ランキング1位から順に、各M&Aの金額概要を見ていきましょう。

M&A企業買収金額ランキング第1位:日立製作所

2021年3月、日立製作所はデジタルエンジニアリングサービスのリーディンングカンパニーである米国グローバルロジックの買収を決定しました。

今回の買収により、日立のIT,エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフの5セクターならびにオートモティブシステム事業とのシナジーを創出し、鉄道、エネルギー、ヘルスケアなどの先進的な社会インフラのデジタルとランスフォーメーションを世界規模で加速します。そして、日立は顧客協創による社会イノベーション事業を通じて、お客さまの社会価値・環境価値・経済価値を向上させ持続可能な社会の実現を目指すとしています。

参考:日立がデジタルエンジニアリングサービスのリーディングカンパニー米国GlobalLogic社を買収

M&A企業買収金額ランキング第2位: U.S. Bancorp

2022年12月、三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG)および株式会社三菱 UFJ 銀行は、保有する MUFG Union Bank, N.A.の全株式を U.S. Bancorp(USB)に譲渡することを合意しました。

MUFGにとって米国市場の重要性は不変であり、今後はモルガン・スタンレーと の提携など MUFG の強みを生かせる法人取引に経営資源を集中するとともに、USB との業務提携を 通じて、新たな成長を実現することを目指しいくとしています。

参考:MUFG Union Bank 株式の譲渡および U.S. Bancorp 株式の取得の完了について

M&A企業買収金額ランキング第3位:BCJ-52

2021年4月、日立金属はBCJ-52による当社の普通株式に対する公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開 買付けに応募することを推奨する旨の決議しました。

BCJ-52は日立金属の執行役が引き続き、日立金属の事業運営に際して主導的な役割を果たすことを想定していますが、その他の当社の経営体 制、経営方針等については現時点で決定しているものはないとのことです。

参考:株式会社 BCJ-52 による 当社株式に対する公開買付けの開始予定に係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第4位:パナソニック

2021年4月、パナソニックは世界トップクラスのサプライチェーン・ソフトウェアの専門企業であるBlue Yonderの株式80%を取得し、2020年7月取得済みの20%株式と合わせ全株式を取得し、子会社化すると発表しました。

パナソニックはBlue Yonderの取得により、「現場プロセス事業」の進化をより一層加速させるとしています。

参考:世界トップクラスのサプライチェーン・ソフトウェアの専企業であるBlue Yonderの全株式取得を決定

M&A企業買収金額ランキング第5位:ルネサスエレクトロニクス

2021年2月、ルネサス エレクトロニクスはDialog Semiconductor Plcの発行済普通株式および発行予定普通株式のすべてを取得し、完全子会社化する手続きを開始することに関し合意したことを発表しました。

ルネサス エレクトロニクスは買収に必要な資金を調達するため、総借入限度額7,354億円のローン契約を締結しました。

参考:Dialog社買収に係るFacilities Agreement締結に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第6位:LafargeHolcim Ltd

2021年1月、ブリヂストンは米国グループ会社の子会社であるファイアストンビルディングプロダクツをスイスの建材メーカーLafargeHolcim Ltdに売却することを合意したと発表しました。

ブリヂストンは今後も、当社ビジョンの実現に向け、コア事業であるタイヤ・ゴム事業の稼ぐ力の再構築と、ソリューション事業への戦略的成長投資を進めてい進めていくとしています。

参考:ラファージュホルシム社、ブリヂストンアメリカス インクよりファイアストン ビルディング プロダクツを買収
 

M&A企業買収金額ランキング第8位:ENEOS

2021年10月、ENEOSホールディングスはゴールドマン・サックスが間接的に保有するジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社(JRE)の全株式取得を決定したと発表しました。

今後、ENEOSは、これまで培ってきたエネルギー事業者 としての知見と、JREの事業開発能力を結集して、日本を代表する再生可能エネルギー事業者を目指すとしています。

参考:社子会社によるジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社の株式取得 (連結子会社の異動を伴う孫会社化)に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第10位:CVC Capital Partners

2021年2月、資生堂は「TSUBAKI」や「SENKA」等をグローバルに展開するパーソナルケア事業をCVC Capital Partnersに譲渡すること、その後、同事業を運営する会社の株主として参画することを決定しました。

資生堂はパーソナルケア事業の更なる成長・発展のため、考え得る戦 略的オプションを幅広く検討した結果、対象事業については独立させ、マスビジネスに特化した柔軟な戦略や迅速な意思決定・価値創造力の高い人材の育成等、成長投資の強化を可能にする事業環境を整えることこそが、 対象事業・ブランドおよび社員のさらなる成長・発展、ひいてはお客さまやお取引先さまへの貢献につながるも のと判断したとしています。

参考:パーソナルケア事業譲渡に伴う会社分割(簡易吸収分割)等に関するお知らせ

4. M&Aによる企業買収金額ランキング2020〜ベスト10

2020年のM&A企業買収金額ランキング・ベスト10を発表します。

順位 金額(円) 買収企業 被買収企業
1 約4.2兆 NVIDIA ソフトバンクグループ
2 約2.3兆 セブン&アイ・ホールディングス Speedway LLC
3 1.2兆 Wuthelam Holdings Limited 日本ペイントホールディングス
4 約5,000億 三菱商事と中部電力 Eneco Groep N.V.
5 約2,380億 NEC Avaloq Group AG
6 約2,300億 Oscar A-Co 武田薬品工業
7 2,142億 ニトリホールディングス 島忠
8 1,636億 DCMホールディングス 島忠
9 1,319億 三井住友ファイナンス&リース ケネディクス
10 約1,300億 ソニー イレーション・ホールディングス

※クロスボーダーM&Aの場合の金額は、全て発表当時にその時の為替レートで換算された数値を採用しています。
※公表日が2020年のランキングになります。

ランキング1位から順に、各M&Aの金額概要を見ていきましょう。

M&A企業買収金額ランキング第1位:NVIDIA【中止】

2020年9月、NVIDIAとソフトバンクグループ株式会社(SBG)は、NVIDIAがArm LimitedをSBGおよびソフトバンク・ビジョン・ファンドから400億⽶ドルで買収することに最終合意したことを発表しました。

SBGは今回の売却に関して、当初計画していたArm単独での再上場とNVIDIAとの組み合わせについて検討した結果、後者のほうがArmの潜在的な可能性をより実現でき、当社の株主価値の向上に資すると判断しました。世界で最も普及しているコンピューティングプラットフォームを提供するArmとAIコンピューティングの第一人者であるNVIDIAの組み合わせにより、AI時代の世界をリードするコンピューティングカンパニーが誕生し、イノベーションを加速するとともに大型高成長市場へと事業を拡大していくものと期待しているとしています。

参考:当社⼦会社Arm Limited 全株式の売却に関するお知らせ
   NVIDIA、Armを400億米ドルで買収 AIの時代に世界をリードするコンピューティングカンパニーへ

M&A企業買収金額ランキング第2位:セブン&アイ・ホールディングス

2020年8月、セブン&アイ・ホールディングスの連結子会社である 7-Eleven, Inc.が、米国 Marathon Petroleum Corporationとの間で、主に Speedwayブランドにて運営するコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業を運営する複数の会社の株式その他の持分を取得する契約を締結したことを発表しました。

今回の買収により、セブン&アイ・ホールディングスは店舗ネットワークの戦略的拡充、財務上の効果、ESG 分野におけるリーダーシップの目標達成することを企図しているとしています。

参考:当社子会社による米国 Marathon Petroleum Corporation からの コンビニエンスストア事業等に関する株式その他持分取得についてのお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第3位:Wuthelam Holdings Limited

2020年8月、日本ペイントホールディングは割当先とした第三者割当による当社の新株式の発行を行い、アジア地域の塗料企業であるWuthelam Holdings Limitedの子会社になることを発表しました。合わせて、シ ンガポールで合弁事業を開始しました。

Wuthelam Holdings Limitedは成長性の高い本件対象事業の利益を取り込むとともに、圧倒的№1の「アジア×建築用」事業モデルが確立できます。加え て、本第三者割当で資本を増強し財務基盤を強化することは、株主価値の最大化に資する M&A をさ らに積極化することを可能とし、当社の今後の成長を大きく加速させることに繋がるとしています。

参考:当社と Wuthelam グループとで運営するアジア地域の合弁会社の持分追加取得、 インドネシア事業の持分取得(子会社化)、第三者割当による新株式の発行 及び親会社の異動に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第4位:三菱商事と中部電力

2020年3月、三菱商事と中部電力、欧州で総合エネルギー事業を展開するEneco社(以下「Eneco」)の売却入札に共同で参加し、2019年11月に優先交渉権を獲得ことを発表しました。

三菱商事は、Enecoの再エネに関する技術力・ノウハウを活用し、欧州及び欧州外で再エネ開発を更に加速させ、引続き経済価値、社会価値、環境価値の三価値同時実現に資する取り組みを強化していくとしています。
部電力は、Enecoへ参画し、培ってきた知見をEnecoと融合させ、相互にビジネスモデルを進化させることで、国内外のエネルギー事業におけるシナジー創出を図るとしています。

参考;オランダ総合エネルギー事業会社Eneco社の買収

M&A企業買収金額ランキング第5位:NEC

2020年10月、NECはスイスの大手金融ソ フトウェア企業である Avaloq Group AGを100%所有する持株会社である WP/AV CH Holdings I B.V.の全株式を取得することについて決議し、同社の株式を保有する Avaloq 社の持株会および Warburg Pincus が運営する特別目的会社などと株式 売買契約を締結したと発表しました。

NECは今後、買収企業を含む自社のソフトウェアや技術を活用した SaaS 型のビジネスモデルをコア事業としてグローバル展開することで、デジタルガバメント領域およびデジタ ルファイナンス領域を中心に一層の事業成長および収益性向上を目指すとしています。

参考:スイスの大手金融ソフトウェア企業 Avaloq 社を傘下におく WP/AV CH Holdings I 社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第6位:武田薬品工業

2020年8月、武田薬品工業の連結子会社である武田コンシューマーヘルスケア株式会社(TCHC社)の全株式を、The Blackstone Group Inc. (Blackstone)とその関係会社が運用するプライベート・エクイティ・ファンドが管理する買収目的会社Oscar A-Co株式会社に譲渡することを決定し、同日、譲受会社との間で株式譲渡契約を締結したと発表しました。

武田薬品工業はBlackstoneの積極的かつ戦略的な投資のもと、独立した企業グループとして迅速かつ柔軟な意思決定を行うことで、TCHC社が市場ニーズに即応し、製品ブランドをより一層成長させ、さらに発展していくものと当社は確信しているとしています。

参考:武田コンシューマーヘルスケア株式会社株式のBlackstoneへの譲渡について 2020年8月24日

M&A企業買収金額ランキング第7位:ニトリホールディングス

2020年10月、ニトリホールディングスは島忠の普通株式を金融商品取引法に基づく公開買付けにより取得すること を決定いたと発表しました。

島忠がニトリホールディングスとは異なる価格帯の対象者の家具を広く全国で展開することは、統合後の対象者を含む当社グループとしてお客様の多様なニーズにお応えする上で、より幅広い選択肢を提供することで、お客様の一層豊かな暮らしの実現に貢献することに繋がっていくものと考えているとしています。

参考:株式会社島忠(証券コード:8184)の株券等に対する 公開買付けの開始予定に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第8位:DCMホールディングス【不成立】

2020年10月、DCMホールディングスは島忠との経営統合に合意し、本日開催の取締役会において、本経 営統合に係る経営統合契約を締結すること、対象者の普通株式の公開買付けにより取得することを決定したと発表しました。

DCMホールディングスはは本経営統合によるシナジーを最大限実現するため、両者間で業務提携を実施するとともに、対象者を含む公開買付者グループの企業価値を最大化させるため の経営体制を構築する方針としています。

参考:株式会社島忠普通株式(証券コード 8184)に対する 公開買付けの開始及び同社との間の経営統合契約の締結に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第9位:三井住友ファイナンス&リース

2020年11月、三井住友ファイナンス&リースが 100%出資するSMFLみらいパートナーズが 100%出資するSMFLみらいパートナーズインベストメント2号はケネディクスを公開買付けにより取得することを決定したと発表しました。

SMFLグループの充実した顧客基盤等のプラットフォームを最大限活用 すると同時に、筆頭株主ARAとの連携を強化することで対象者の競争力を向上させ取引機会等をより一層充実させることが可能と考えいるとしています。

参考:当社子会社による公開買付けの開始に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第10位:ソニー

2020年12月、ソニーの完全子会社であるSony Pictures Entertainment Inc.及び AT&T Inc.はFunimation Global Group, LLCが、AT&T の子会社でアニメ事業「Crunchyroll」を運営する Ellation Holdings, Inc.の持分の 100%を取 得するための確定契約を締結したことを発表しました。

本取引により、それ ぞれのコンテンツパートナーが利用できる配信網が拡大し、アニメファンを重視したサービス をより広く提供することが可能となるとしています。

参考:Sony Pictures Entertainment による アニメ事業「Crunchyroll」の運営会社 Ellation Holdings, Inc.の買収に関するお知らせ
 

5. M&Aによる企業買収金額ランキング2019〜ベスト10

それでは早速、2019年のM&A企業買収金額ランキング・ベスト10を発表します。
 

順位 金額(円) 買収企業 被買収企業
1 1兆2,096億 アサヒグループホールディングス CUB Pty Ltdなど123社(オーストラリア)
2 1兆1,806億 ソフトバンク LINE
3 9,640億 昭和電工 日立化成
4 5,837億 ノバルティス(スイス) シャイアー(武田薬品工業)
5 5,000億 三菱商事、中部電力 エネコ(オランダ)
6 4,800億 三菱UFJ銀行、東銀リース DVB Bank SE(ドイツ)
7 4,565億 ソフトバンク ヤフー
8 4,009億 Zホールディングス ZOZO
9 3,340億 大日本住友製薬 マイオバント・サイエンシズなど5社(イギリス・スイス)
10 3,213億 東京センチュリー アビエーション・キャピタル・グループ(アメリカ)

※クロスボーダーM&Aの場合の金額は、全て発表当時にその時の為替レートで換算された数値を採用しています。

ランキング1位から順に、各M&Aの金額概要を見ていきましょう。

M&A企業買収金額ランキング第1位:アサヒグループホールディングス

2019年7月、アサヒグループホールディングスは、ベルギーのAnheuser-Busch InBev SA/NVグループがオーストラリアで展開するビール製造販売事業を取得するため、その事業を行っている同グループ内の会社全ての株式を買収し子会社化する契約を締結しました。

買収する関連会社はCUB Pty Ltdをはじめとする123社にもおよぶ大型M&Aであり、買収金額も約1兆2,096億円で2019年のランキング1位です。

アサヒグループホールディングスは、すでにオーストラリアでのビール事業を行っていますが、同国で同規模の事業を行っていてトップブランドのビール商品「Carlton」や「Great Northern」を有するCUB Pty Ltdなどを傘下に加えることで、市場での競争力をより強固にする目的で買収したとしています。

参考:AB InBev 社の豪州事業の株式取得及び新株式発行にかかる発行登録に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第2位:ソフトバンク

2019年11月、ソフトバンクグループ傘下でヤフーの親会社であるZホールディングスにより、ヤフーとLINEの経営統合という発表が行われました。大きな話題となりましたが、最終的な決定内容は単なる経営統合ではなく、合併株式交換、持株会社の設立など複数のM&Aの手法を駆使した内容です。

まず、ソフトバンクグループのソフトバンクとLINEの親会社である韓国のNAVER Corporationが50%ずつ出資し、ジョイントベンチャーを設立します。そして、その新設会社の傘下にZホールディングスが入ったうえで、さらにヤフーとLINE双方ともZホールディングスの100%子会社になることに決まりました。

いずれにしても、LINEがソフトバンクグループの傘下となったことに違いはありません。このM&Aでソフトバンク側が要した費用は約1兆1,806億円で、アサヒグループホールディングスの買収金額に肉薄する金額でした。

参考:Zホールディングス株式会社とLINE株式会社の経営統合に関する基本合意書の締結並びに当社子会社及びNAVER CorporationによるLINE株式会社株式等に対する共同公開買付けに係る意向表明書提出のお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第3位:昭和電工

2019年12月、大手化学メーカーである昭和電工が、同業種で上場企業の日立化成をTOB(株式公開買付け)を行うことによって子会社化する発表が行われました。日立製作所グループ一員である日立化成は日立製作所の子会社でしたが、同グループの経営戦略として当初より売却先を探しており、昭和電工がその相手に選ばれたということです。

発表時点において、昭和電工の時価総額が約4,500億円、日立化成はそれを倍近く上回る約8,500億円でした。つまり、資産規模の小さい方が親会社となる、逆TOBとでもいうような状況で注目を集めたのです。

そして、昭和電工の日立化成へのTOBは、2020年4月に実施され無事に完了しました。昭和電工が要した資金は時価総額の2倍以上で1兆円に迫る約9,640億円となっています。

参考:日立化成株式会社株式(証券コード 4217)に対する 公開買付けの開始予定に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第4位:ノバルティス(Novartis、スイス)

武田薬品工業は2018年に、7兆円近い金額でアイルランドの製薬会社シャイアーを買収しました。武田薬品工業としては、大きく膨らんだ事業領域の再編(選択と集中)と、同じく大きく膨らんだ有利子負債の削減(返済)を進める手立てとして、シャイアーの一部の事業を売却することにしたのです。

そして、2019年5月に発表され7月に実行されたのが、スイスのNovartisへの、シャイアーの眼科薬であるドライアイ治療薬「シードラ」事業の売却でした。M&Aのタイプとしては、クロスボーダーM&AのOUT-IN型になります。

売却金額は約5,837億円です。

参考:XiidraのNovartis社への譲渡およびTachoSilのEthicon社への譲渡について

M&A企業買収金額ランキング第5位:三菱商事、中部電力

2019年11月に発表されたのが、三菱商事と中部電力によるオランダの電力会社エネコの買収でした。内容は、三菱商事グループが80%、中部電力グループが20%を出資する共同出資会社を設立し、その新会社がエネコの全株式を買収し取得するというものです。

エネコは、単に発電事業だけでなく電力やガスの売買取引(トレーディング)、小売事業を手掛けています。事業対象はオランダ国内だけでなくベルギーやドイツ市場でも行っているのが強みです。電力・ガスの小売契約数は総計600万を超えており、契約件数のシェアはオランダで2位、ベルギーでは3位となっています。

この買収は2020年3月に完了し、金額は約5,000憶円です。

参考:オランダ総合エネルギー事業会社Eneco社の売却入札における優先交渉権獲得

M&A企業買収金額ランキング第6位:三菱UFJ銀行、東銀リース

2019年3月、三菱UFJフィナンシャル・グループ子会社の三菱UFJ銀行は、ドイツの大手銀行であるDZバンクの子会社DVBバンクから事業譲渡を受けると発表しました。三菱UFJ銀行が同じ銀行からの事業譲渡なので、その内容は銀行業かと思いきや、その内容は航空機ファイナンス関連事業です。

事業譲渡にあたっては、三菱UFJ銀行だけでなく、三菱UFJフィナンシャル・グループの持分法適用会社である東銀リースも加わります。そして、実際の事業は東銀リースが新設する会社が受け継ぐ模様です。

事業譲渡手続きは、2019年11月に完了しています。この買収に三菱UFJ銀行と東銀リースが要した資金は当初約7,000億円と発表されていたものの、最終的には約4,800億円でした。

参考:DVB バンクの航空機ファイナンス関連事業の買収について

M&A企業買収金額ランキング第7位:ソフトバンク

2019年5月、ソフトバンクがヤフーを連結子会社化する発表が行われました。ソフトバンクとヤフーは同じソフトバンクグループの一員であり、ソフトバンクは従来からヤフー株12.08%を持っています。

今回は、ヤフーからの約4,565億円の第三者割当増資を引き受けることによって、持株率を44.64%に引き上げて連結子会社化するということです。

ヤフーはその後、社名を「Zホールディングス」に商号変更し持株会社になりました。従来のヤフーが行っていた事業は新設会社である「ヤフー」に移され、新ヤフーはZホールディングスの子会社となっています。そして、この後、上述したLINEとの経営統合が発表されたのです。

参考:ヤフー株式会社(証券コード:4689)による自己株式の公開買付け及び当社子会社による応募の結果に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第8位:Zホールディングス

2019年9月、上述の第7位で誕生したZホールディングスが、社長の言動で話題を集めていたZOZOを、TOB(株式公開買付け)によって連結子会社化すると発表しました。事実上のヤフーとZOZOとの経営統合的状態となったわけです。

そして2019年11月、ZホールディングスのZOZOへのTOBは無事にに完了しています。このTOBで使われた金額は、約4,009億円でした。

ソフトバンクグループの成長戦略は積極的なM&Aです。これまでも国内外で大型M&Aを実現させてきました。2019年にLINEとZOZOをグループに加えた、ソフトバンクグループの今後の動向に注目です。

参考:株式会社ZOZO株式に対する 公開買付けの結果及び子会社の異動に関するお知らせ

M&A企業買収金額ランキング第9位:大日本住友製薬

2019年11月、大日本住友製薬は、イギリスとスイス両方に本社を持つ製薬ベンチャーのロイバントサイエンシズとの間で、戦略的提携契約を締結した発表がありました。

その内容は、ロイバントサイエンシズへの株式10%以上の出資、ロイバントの製薬子会社5社の全株式取得、ヘルスケアテクノロジープラットフォームの取得への対価として、約3,340億円支払うというものです。

なお、契約にはロイバントサイエンシズの他の子会社6社の株式取得に関する、一定条件下での交渉権も含まれています。

参考:Roivant Sciences との戦略的提携に関する正式契約の締結

M&A企業買収金額ランキング第10位:東京センチュリー

2019年9月、東京センチュリーは、アメリカの航空機リース大手であるAviation Capital Group LLC(アビエーション・キャピタル・グループ、カリフォルニア州)を買収すると発表しました。

従来より24.5%の株式を保有していましたが、現地法人を通じて残りの全株式を取得し完全子会社化するものです。この取得金額には約3,213億円要する旨が発表されています。

Aviation Capital Groupの企業規模は、直近の売上高が約1,120億円、当期純利益約284億円、純資産約3,450億円です。

参考:米国航空機リース会社Aviation Capital Group の完全子会社化について

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6. M&Aによる1,000憶円超リスト企業買収金額ランキング2022年

2022年に日本企業が関連したM&Aで、買収金額が1,000憶円を超えたものはトップ10ランキング以外にも3件あります。そちらについても一覧表を用意しましたので以下をご覧ください。
 

金額(円) 買収企業 被買収企業/内容
約1,669億 日本製鉄 日鉄物産
1,157億 KKR & CO. INC. 三菱商事・ユービーエス・リアルティ
約1,000億 Carrier Corporation 東芝キヤリア

M&A企業買収金額1000億以上:日本製鉄

2022年12月、日本製鉄は日鉄物産の普通株式を公開買付けにより取得することを決議しました。

日本製鉄は、本取引を通じて日鉄物産の株式を非公開化することにより、対象者グループとの連携を一 層強化・加速させ、互いの企業価値の向上を図るため最適な経営体制の構築に取り組んでいく方針です。

参考:日鉄物産株式会社株式(証券コード 9810)に対する 公開買付けの開始予定に関するお知らせ

M&A企業買収金額1000億以上:KKR & CO. INC.

2022年3月、三菱商事は連結子会社である三菱商事・ユービーエス・リアルティの当社が所有する全株式をKKR & CO. INC.の間接子会社である76株式会社に譲渡することを決定したと発表しました。

三菱商事事業ポートフォリオの入れ替え・強化に継続的に取り組んでおり、不動産運用事業においては私募REIT、私募ファンド、海外運用事業を主な成長領域として更なる事業展開を進める会社方針の下、MC-UBSRの当社所有全株式をKKRに売却することが最適と判断したとしています。

参考:子会社の株式譲渡に関するお知らせ

M&A企業買収金額1000億以上: Carrier Corporation

2022年2月、東芝は連結子会社である東芝キヤリア(TCC)について Carrier Corporation譲渡することを決定し、株式譲渡契約を締結したと発表しました。

東芝はグローバルな販路を有し20年以上に渡り緊密な協力関係にあるキヤリアをTCCのパートナーとすることが最適と判断したとしています。

参考:空調事業を担う子会社の移動に関するお知らせ

上場企業のM&A動向から考察する中小企業のM&A

手掛けている事業も経営状況も順調そうに見える大手企業が、屋台骨を左右しかねない巨額のM&Aを実施する理由を考えてみましょう。国内企業同士のM&Aにせよ、海外企業とのM&Aにせよ、そのキーワードは、人口減少を受けての近い将来の市場縮小予測に他なりません。

飽和状態から、さらに縮小していくであろう国内市場においては、シェア争いで優位性を得るため業界再編が進行中です。そして、今後も業績拡大を目指していくのであれば、事業の海外展開は外せない戦略となっています。それゆえに、現在M&Aは活発化し積極的に実施されています。

中小企業においても、この流れの中にあります。いつ、その当事者となってもおかしくないのが今の時勢です。したがって、M&Aを実施する場合、自社にはどのようなケースが望ましいのか、常日頃から考察しておくとよいでしょう。

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7. M&Aによる企業買収金額ランキング番外編~海外企業買収額1兆円超リスト

M&A企業買収金額ランキングの番外編として、過去に日本企業が海外企業に行った1兆円を超える規模のM&Aを調べました。該当するケースは8例です。その内容を以下の一覧表でご確認ください。
 

実施年 金額(円) 買収企業 被買収企業
2018年 6兆8,000億 武田薬品工業 シャイアー(アイルランド)
2016年 3兆3,000億 ソフトバンク ARMホールディングス(イギリス)
2020年 2兆3,232億 セブン&アイ・ホールディングス Speedway LLC(アメリカ)
2006年 2兆2,530億 日本たばこ産業 ギャラハー(イギリス)
2006年 1兆9,172億 ソフトバンク ボーダフォン日本法人(イギリス)
2012年 1兆8,121億 ソフトバンク スプリント・ネクステル(アメリカ)
2014年 1兆6,793億 サントリーホールディングス ビーム(アメリカ)
2019年 1兆2,096億 アサヒグループホールディングス CUB Pty Ltdなど(オーストラリア)
2020年 1兆1,851億 Wuthelam Holdings Limited(シンガポール) 日本ペイントホールディングス
2011年 1兆1,086億 武田薬品工業 ナイコメッド(スイス)
2021年 1兆0,422億 日立製作所 GlobalLogic Worldwide Holdings, Inc.(アメリカ)

なお、巨額M&Aと比較すると少なく見えてしまいますが、2022年の日本企業が関わったM&Aで買収金額が100億円を超えていたのは、75件もありました。もはやM&Aは企業の成長戦略として、切っても切れない状況にあるといえるでしょう。

【関連】国内M&A市場の展望・トレンドまとめ!

8. M&Aアドバイザリー取引金額ランキング2022

M&Aには欠かせない存在が、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーです。そこで、2022年のM&Aアドバイザリーの取引金額ランキングをここに掲載します。

掲載にあたっては、リフィニティブ(旧トムソン・ロイター)が発表している「M&Aリーグテーブル」を参照しました。なお、このランキングは情報が公開されている上場企業のものだけであり、非上場のM&Aアドバイザリーは含まれておりません。
 

順位 ランクバリュー(億円) M&Aアドバイザリー名 取引案件数
1 36,521 三菱UFJモルガン・スタンレー 40
2 27,435 野村證券 95
3 24,208 三井住友ファイナンシャル・グループ 112
4 20,866 UBS 13
5 19,849 JPモルガン 15
6 19,436 みずほフィナンシャルグループ 117
7 17,394 ゴールドマン・サックス 155
8 12,985 BofAセキュリティーズ 8
9 12,450 デトロイト 127
10 8,996 エバーコア・パートナーズ 14

表を見れば一目瞭然ですが、取引金額と取引案件数は必ずしも比例していない点がわかります。特に外資系の場合、案件数は少なくても取引金額は高い傾向です。つまり、1件あたりの取引額が高額であるということに他なりません。

参考:日本M&Aレビュー2022年

【関連】M&A業界の動向まとめ!マップ形式で紹介!

9. M&Aによる巨大企業買収ランキングまとめ

2022年において日本企業が関わったM&Aの買収金額に着目し、情報をまとめました。大手企業によるM&Aでの思い切った金額には驚愕してしまいますが、それだけ現在の事業市場がひっ迫してきている表れなのかもしれません。

金額規模の話は別として、中小企業の場合も今後の生き残り戦略、あるいは市場での優位性の確保などの意図でM&Aは積極化していくと考えられます。ビジネスはタイミングが重要です。乗り遅れて後悔しないようM&Ani関する情報にもアンテナを張っておきましょう。

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