M&Aの手法と特徴をどこよりも詳しく解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&Aの手法は大きく分けて9つのものがあり、それぞれの手法に特徴があります。M&Aの手法は、M&Aをすすめるやり方にも大きく関わります。この記事では、M&Aの手法とその特徴、そしてM&Aのやり方について詳細に解説します。

目次

  1. M&Aとは
  2. M&Aの手法(大枠9分類)
  3. M&A手法の特徴(合併、買収)
  4. M&Aのやり方(11ステップ)
  5. M&Aに掛かる経費や税金
  6. M&A手法の選択方法・考え方
  7. M&Aの手法・特徴まとめ
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1. M&Aとは

M&Aとは

M&Aとは、「Mergers(合併)」と「Acquisition(買収)」の略で、企業による1つもしくは、複数の企業の合併や買収による統合のことを指します。しかし、M&Aのスキーム(手法)は、合併と買収だけではありません。

非常に多くの手法があり、それぞれの手法を企業の経営戦略や、対象企業の状況に応じた選ぶことが大切です。まずは、M&Aの目的・メリット・デメリット・市場動向について詳細に解説します。

M&Aの目的

M&Aにおける最大の目的は、自社の良い点を活かし、対象企業の良い点を活かし、シナジー効果を最大限に引き出すことです。シナジー効果とは、日本語で言うと相乗効果のことです。

お互いの企業の良い点を引き出し、悪い点をカバーし合うことで、より経済的効果を得ることができます。M&Aにおける細かい目的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 事業の拡大
  • 新規事業への参入
  • 優秀な人材の獲得
  • 事業承継問題の解決

M&Aによって2つ以上の企業が統合することによって、企業の規模が拡大し、事業が拡大します。同じ業界における、事業の規模が拡大するだけでなく、企業が属する市場の周辺の市場まで、事業を拡大することができます。

自社の事業が属する市場以外の市場をもつ企業と合併や買収によるM&Aをおこなうと、新規事業への参入ができます。M&Aによって、高い技術力や統率力をもつ、優秀な人材を獲得することもM&Aの目的の1つです。

M&Aにおいて売り手側の目的となるのが、事業承継問題の解決です。現在日本では、高齢化が進んでおり、団塊の世代が引退の時期であることも含め、後継者不足に悩んでいる中小企業は多くあります。事業承継問題の解決のため、M&Aは有効な手段です。
 

M&Aのメリット

M&Aのメリット

M&Aは、以前まで大企業がおこなうものといったイメージでしたが、近年では、中小企業でも、たくさんのM&Aがおこなわれています。

M&Aのメリットにはどんなものがあるのか、買収する企業にとってのメリットと、売却する企業にとってのメリットに分けて、解説します。

買収のメリット

M&Aにおいて、買収する企業にとってのメリットとして、まずはじめに、事業の拡大と新規事業への参入が挙げられます。

事業の拡大や新規事業への参入を自社のみでおこなおうとすると、事業拡大のための費用、人材の確保、新規参入するための商品やサービスを開発する費用等、膨大な予算がかかります。

また、すぐにできるわけではなく、人材の確保や商品やサービスの開発には、時間がかかることがほとんどです。

M&Aをおこなうことによって、事業の拡大や新規参入をスピーディーにおこなうことができます。M&Aをおこなうことによって、優秀な人材を獲得することも可能です。優秀な人材を確保することができれば、自社の経済成長のスピードが上がることが予想されます。

【関連】M&Aによる買収の目的は?目的別にメリット・課題を分類!

売却のメリット

M&Aによって、会社を売却する側のメリットとして、一番に挙げられるのが、事業承継問題の解決です。前述したように、日本では、後継者不足に悩んでいる中小企業が非常に多くあります。

そして、日本の風潮として、取引先を守り、従業員を守り、経営理念を守っていくという考えがあり、会社を存続させたいと考える会社が多いのも事実です。事業承継問題に悩む企業にとって、M&Aは有効的な手段です。

一般的に、後継者の育成には5年から10年かかると言われています。その人材を今から探し、育成するのは困難を極めます。M&Aをおこなうことによって、取引先とのやりとりを続けることができ、従業員の勤労も守ることができます。そして、会社を存続させることができるのです。

M&Aのデメリット

M&Aのデメリット

物事には善し悪しがあるように、M&Aにもデメリットが存在します。M&Aをおこなうにあたって考えられるデメリットを、買収をする側の企業と、売却をする側の企業に分けて解説します。

買収のデメリット

買収によるM&Aをおこなう側のデメリットとしては、M&Aの最終契約書の締結が終わり、実際に企業の統合をおこなう際に、企業の風習や文化が合わず、思ったように統合をおこなえないといったデメリットがあります。

企業によって社内の雰囲気はさまざまですし、文化が合わないこともあります。また、もう1つのデメリットとして、買収をおこなった後に、隠れた債務が見つかるリスクがあることです。

M&A対象会社の帳簿に記載されていない債務があったり、買収したことにより訴訟が起きてしまったりして、債務が発生するリスクも考えられます。

これらのデメリットを予防するためには、対象企業に対しておこなうデューデリジェンス(買収監査)をしっかりおこなうことや、最終契約書締結後のPMI実施を確実におこなうことなどが大切です。

売却のデメリット

M&Aによって会社を売却する側のデメリットとしては、自社が想定していた価格では、会社を買収してもらえず、想定していた価格よりも安い価格で、買収されてしまうリスクがあります。

企業に関する詳細に調査をもとに、買収額が決まりますが、予想していたよりも安い価格で算定されてしまうことが、デメリットとして挙げられます。

また、買収の方法によっては、自社の従業員の雇用条件が悪くなってしまったり、従業員の理解を得られず、会社から離れてしまうリスクも考えられます。雇用条件があまり悪化しないように、従業員のこともしっかり考え、M&A契約書の締結をおこなうことが大切です。

M&Aの市場動向

M&Aの市場動向

現在のM&Aの市場動向としては、事業承継問題の解決のための、中小企業によるM&Aが増加していることが特徴です。高齢化が進んでいること、そしてM&Aがより後継者問題の解決のための手法として定着してきたことから、事業承継問題解決のためのM&Aは増加傾向にあります。

また、日本国内の企業による、海外企業の買収も増加していることも特徴の1つです。国内の企業と、海外の企業によるM&Aのことを、クロスボーダーM&Aと言い、国内企業による海外企業の買収のことをIN-OUTといいます。

IN-OUTが増加している理由としては、日本国内の経済市場が停滞・縮小傾向にあることが挙げられます。

2. M&Aの手法(大枠9分類)

M&Aの手法

M&Aの手法として、ここでは大きく9つに分けて解説します。大枠9分類は以下の通りです。

合併

  • 買収
  • 合弁会社設立
  • 資本参加
  • 生産提携
  • 販売提携
  • 技術提携
  • 新設分割
  • 吸収分割

これらのM&Aの手法はどのようなものなのか、そしてそれぞれのメリット・デメリットについて詳細に解説します。
 

資本提携

資本提携

M&Aの手法のうち、「合併」「買収」「合弁会社設立」「資本参加」は、資本提携によるM&Aの手法です。資本提携とは、企業が対象企業の株式を取得することです。お互いの企業が、株式の取得をし合う場合も、資本提携に含まれます。

M&Aの手法1.合併

合併とは、2つ以上の会社が、1つに統合されることです。合併はその中でも「吸収合併」と「新設合併」に分けることができます。これら2つの特徴については後述します。合併をおこなうことによるメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

1つ目に、買収とはことなり、合併をする際に特別に資金を準備する必要が無いことです。2つ目に、企業の規模が拡大することにより、経済的効果を得られる事が挙げられます。

3つ目に、契約などの関係を、そのまま存続する会社に受けつぐことができることが挙げられます。

合併によるM&Aのデメリットとしては、契約などの関係もそのまま引き継がれる為、帳簿に記載されていない債務等があった場合でも、引き継がなければいけない点、2つ以上の会社の株主が一緒になるため、経営戦略についての差異が生まれてしまう点等が挙げられます。

M&Aの手法2.買収

買収とは、1つの会社が、1つまたは複数の会社を買収する形で統合することです。買収はその中でも、「株式譲渡」「株式交換」「第三者割当増資」「事業譲渡」「会社分割」「TOB」「MBO」など、細かく分類することができます。それぞれの特徴については後述します。

買収によるM&Aをおこなうメリットとしては、以下の3つが挙げられます。1つ目に、買収の対象となっている企業が持っている、技術や人材、資源などを、開発する手間をかけずに入手することができる点です。M&Aは時間の買収とも言われている理由がここにあります。

2つ目に、新規事業や市場への参入が容易であることが挙げられます。自社の事業が所属している市場以外の市場をもつ企業を買収することによって、自社で開発・販売するよりは、はるかに容易に新規事業への参入がおこなえます。

3つ目に、買収によるM&Aの売り手側にとっては、事業承継問題の解決になるという点です。後継者がいないために、廃業しなければいけない企業にとって、M&Aは非常に有効な手段です。企業を売却することによって、企業が培ってきた技術やノウハウを承継することができます。また、廃業をするにもお金がかかりますが、企業を売却すれば、手元にお金が残ります。

買収によるM&Aのデメリットとしては、買収をおこなった後に、帳簿に記載されていない隠れた債務がみつかるリスクがある点、M&A最終契約書締結後に行われるPMI実施が思ったようにいかず、うまく企業の統合ができないリスク、売り手側としては、想定していたよりも算定された企業の買収金額が低くなってしまうという点が挙げられます。

M&Aの手法3.合弁会社設立

合弁会社設立とは、日本国内の資本と、海外の資本が協力して出資をおこない、会社を設立することです。ジョイントベンチャーとも言われます。自社の事業を海外展開したいと思った時に必要となる手法です。合弁会社設立のメリットとして、以下の3つが挙げられます。

1つ目に、合弁をおこなう会社と協力して出資をおこなうため、出資のリスクを抑えることが挙げられます。

2つ目に、合弁をおこなう企業のもつ設備や、人材等を活用できることです。海外展開したいと思った時に、海外にある企業から設備や人材を活用できることは大きなメリットです。

3つ目に、合弁をおこなう企業と協力して会社を立ち上げるため、現地の人からの反発が少ないという点が挙げられます。現地のことについて詳しい企業とともに立ち上げることで、反発による訴訟などのリスクを避けることができます。

M&Aの手法4.資本参加

資本参加とは、関係を強化したい企業の株式を取得することによって、協力関係を結ぶことです。資本参加の場合は、合併や買収のように、会社そのものの形が変わるわけではありません。

株式を取得する際も、相手の企業の経営に関する支配権を持てる程の株の取得は、おこないません。資本参加によるM&Aのメリットとして、以下の3つが挙げられます。

1つ目に、資本参加をおこなった対象企業とともに、新規事業の立ち上げをおこなえることが挙げられます。

2つ目に、相手企業に株式を取得してもらえることによって、株式が向上する可能性があります。

3つ目に、お互いの経営の一部に参加することができるので、契約がおこなえる企業や、販売するためのルートが広がる可能性が挙げられます。

資本参加によるM&Aのデメリットとしては、資本参加は、買収や合併と違い、永続的なものではないという点、相手の企業との関わり方には、今後も注意しなければいけない点が挙げられます。

業務提携

業務提携

M&Aの手法のうち、「生産提携」「販売提携」「技術提携」は、業務提携によるM&Aの手法です。業務提携とは、資本の提供はおこなわずに、業務提供の対象企業と協力して事業をおこなうことです。業務提携をおこなう分野によって、生産・販売・技術に分けられます。

M&Aの手法5.生産提携

生産提携とは、業務提携のうち、生産に関する分野での、提携のことを言います。需要が高い商品やサービスだが、生産が間に合っていないなどといった時に利用されます。委託とは違い、生産提携の場合、生産に関してお互いに協力します。

生産提携によるM&Aのメリットとしては、その商品に関する技術的なノウハウを教えるわけではないので、技術面の情報の流出は防げること、お互いに協力し合うことにより、生産量が格段にあがること等が挙げられます。

生産提携によるM&Aのデメリットとしては、生産量に対する利益の分配について、齟齬が生じる可能性があることが挙げられます。

M&Aの手法6.販売提携

販売提携とは、業務提携のうち、販売に関する分野での、提携のことを言います。

開発した商品を販売する際に、自社がもつ販売ルートや販売店舗だけではなくい、販売提携をおこなう企業がもつ販売ルートや販売店舗も活用したほうが、お互いに経済的利益があがると考えられる場合に提携を結びます。

販売提携によるM&Aのメリットとしては、お互いが持っている販売ルートを最大限に活用することができる点が挙げられます。

販売提携によるM&Aのデメリットとしては、生産提携と同じように、相手企業の販売ルートから得られた収益はどう分配するのか等、収益の分配についての検討が必要である点が挙げられます。

M&Aの手法7.技術提携

技術提携とは、業務提携のうち、技術に関する分野での、提携のことを言います。商品やサービスの開発をする際に、自社の技術だけではなく、業務提携をおこなう対象企業の技術も取り入れることで、より良い商品やサービスを開発するために提携を結びます。

技術提携によるM&Aのメリットとしては、技術提携をおこなうことによって、幅広い知識や技術をもって商品やサービスを開発できるため、以前にはなかった良い商品を開発できる可能性がある点が挙げられます。

技術提携によるM&Aのデメリットとしては、自社と提携をおこなう対象企業が共同で開発をおこなうため、自社の技術が流出する危険性があることが挙げられます。

分割

分割

M&Aの手法のうち、「新設分割」と「吸収分割」は、会社の分割によるM&Aのことを言います。分割とは、自社の事業のうちの1つもしくは、いくつかを、新設もしくは吸収される形で分割するM&Aの手法です。

M&Aの手法8.新設分割

新設分割とは、自社がもつ事業のうち、分割する事業を、新しく会社を分割して設立する形で、事業の分割をおこなうことです。

新設分割によるM&Aのメリットとしては、新設分割をおこなう際に、対価として支払うのは、現金ではなく株式でも可能なため、資金の準備が必要ないこと、分割する事業を選べること等が挙げられます。

新設分割によるM&Aのデメリットとしては、分割された事業を受け継ぐ際に、債権も一緒に受け継いでしまうリスクがあること、手続きが複雑なためコストや時間がかかることが挙げられます。

M&Aの手法9.吸収分割

吸収分割とは、自社がもつ事業のうち、分割する事業が、すでに事業を展開している企業に吸収される形で事業の分割をおこなうことです。

吸収分割によるM&Aのメリットとしては、新設分割と同じく、分割の際の支払いは、現金だけではなく株式でも可能なため、資金の準備が必要ないこと、そして分割する事業を選べることが挙げられます。

吸収分割によるM&Aのデメリットとしては、不要な債権なども引き継いでしまうリスクがあることが挙げられます。

3. M&A手法の特徴(合併、買収)

M&A手法の特徴(合併、買収)

M&Aの手法とその特徴について、ここでは、合併と買収に絞って、詳細に解説します。合併には、「吸収合併」と「新設合併」があります。また、買収には、買収方法によって、「株式譲渡」「株式交換」「第三者割当増資」「事業譲渡」「会社分割」「TOB」「MBO」に分けることができます。

それぞれの特徴について詳しく解説します。

M&A手法の特徴1.合併

合併は、1つの企業が、1つもしくは複数の企業を吸収する形で統合をおこなうものを吸収合併と言い、2つ以上の会社が、新しい会社をつくり、そこに統合する形でおこなうものを新設合併と言います。このとき、吸収され無くなる会社を消滅会社といい、残る会社を、存続会社と言います。

1-1.吸収合併

吸収合併とは、をおこなう企業をA社とし、吸収される企業をB社とします。吸収合併の場合、A社が存続会社、B社が消滅会社となります。A社は、B社の株主に、吸収合併をおこなう際には、株式などを対価として支払います。

そして、B社が吸収されA社に統合になると、B社の株主は、A社の株主になります。そしてA社は、B社がもっていた権利などを取得します。B社は合併後消滅し、A社は存続します。

吸収合併によるM&Aの特徴とメリットは、会社ごとまとめて統合することになるので、従業員や権利など、事業ごとに細かく分ける手間がないこと、対価は株式で払えばよいので、特別に資金を用意する必要が無いこと等が挙げられます。

また、大規模な会社による、小規模な会社の吸収合併の場合は、取締役会決議のみで、吸収合併を決定することもできる簡易合併という制度があるため、簡単におこなうことができます。

1-2.新設合併

新設合併とは、合併とおこなう会社をA社・B社とすると、A社とB社がもっている事業で、C社を新設し、C社に統合する方法です。この場合、A・B社は、消滅会社となり、C社が存続会社となります。

A・B社の株式を保有している株主は、新設合併後は、C社の株式を保有することになります。新設合併は手続きが複雑なため、合併の場合は、吸収合併が選ばれることがほとんどです。

【関連】合併(吸収合併)と買収の違いは?M&A手法を徹底解説!

M&A手法の特徴2.買収

M&A手法の特徴2.買収

買収には、買収の手法によって、7つの手法に細かく分けることができます。それぞれの手法に、メリット・デメリットがあり、特徴が異なります。企業を買収する側を買い手、企業を売却する側を売り手として解説します。

2-1.株式譲渡

株式譲渡は、売り手側が保有している株式を、買い手側に譲渡する代わりに、現金を受け取ります。その後、買い手側は、売り手側の経営の権利を取得します。株式譲渡によるM&Aは、たびたび民事再生の手法としても用いられます。

株式譲渡によるM&Aのメリットと特徴としては、M&Aの手続自体が容易であるため、M&Aを早くおこなうことができること、売り手が所有している資産等をそのまま引き受けられること等が挙げられます。

株式譲渡によるM&Aのデメリットとしては、売り手が所有している資産などをそのまま引き受けることによって、負債なども引き受けてしまうリスクがあること、買収の際には資金の準備が必要であること等が挙げられます。

2-2.株式交換

株式交換は、買い手側が新株式または自社の株式を交付する代わりに、売り手側は自社の株式を譲渡します。これにより、買い手側が売り手側を買収する形になり、売り手側の株主は、買い手側の株主となります。買い手側の株主は、変わらず買い手側の株主のままです。

株式交換によるM&Aのメリットと特徴としては、株式の交換による買収のため、資金を準備する必要が無いこと、株主全員の賛成を得られることができなくても、スクイーズアウトにより、子会社にすることができること等が挙げられます。

株式交換によるM&Aのデメリットとしては、株式譲渡と比較すると、手続きが複雑なこと、子会社となる売り手側の企業が持っている債権も引き受けなければならない点等が挙げられます。

2-3.第三者割当増資

第三者割当増資とは、売り手側の企業が、新株式を買い手側に発行するか、売り手側の株式を買い手側に交付することによって、買い手側より代金をもらいます。売り手側は経営資金を手にすることができ、売り手側の株主は、そのまま売り手側の株主として存続します。

株式の取得割合にもよりますが、買い手側は、売り手側の株主とともに、売り手側の企業の経営権をもらいます。

第三者割当増資によるM&Aのメリットと特徴としては、手続きが容易なため、早くM&Aをすすめることができること、再売却をおこなう際も、手続きが簡単であること等が挙げられます。

第三者割当増資によるM&Aのデメリットとしては、株式の買収するための資金が必要であること、売り手側のもっている負債も、買い手側が引き受けなければいけないこと等が挙げられます。

2-4.事業譲渡

事業譲渡とは、売り手側がもつ事業のうちのいくつかを、買い手側に売却することです。買い手側は、売り手側のもつ事業を買収する際に、代金を支払います。

事業譲渡によるM&Aのメリットと特徴としては、一部の事業のみを選んで買収することができるため、売り手側が抱えている負債などは、引き受ける必要が無いことが挙げられます。

事業譲渡によるM&Aのデメリットとしては、譲渡する事業ごとに手続きをおこなわなければいけないため、手続きが複雑であること、事業を譲渡することによって得られた利益には、法人税が課されること等が挙げられます。

2-5.会社分割

2-5.会社分割

会社分割は、会社を分割する際に、新しい会社を設立し、新しい会社に分割する事業のみを譲渡する新設分割と、すでに事業をもつ企業に、分割する事業を売却する、吸収分割があります。

会社分割によるM&Aのメリットと特徴としては、会社の中の部門や事業など分割したいもののみを選ぶことができること、特別に資金の準備が必要ないこと等が挙げられます。

会社分割によるM&Aのデメリットとしては、事業ごとに分割をおこなうため、その事業が負債を抱えていた場合には、その負債も引き受けなければいけないこと、特許などの手続きによっては、許可が降りない場合があること等が挙げられます。

2-6.TOB

TOBとは、株式公開買付のことです。株式公開買付とは、いくらの株をどのくらいの数、いつまでに買収すると宣言し、かぶしきの買付をおこなうことです。

TOBによるM&Aのメリットとしては、大量の株式を買収することができること、買収価格を宣言しておこなうため、予算がたてやすいこと、TOBはキャンセルができるため、予定している数の株式を買収することができなかったら、取引のキャンセルができること等が挙げられます。

TOBによるM&Aのデメリットとしては、TOBをおこなう側と、TOBをされる側に敵対する意思があった場合、TOBをおこなう側が損をしてしまう可能性があることが挙げられます。

2-7.MBO

MBOとは、マネジメントバイアウトの略で、自社が発行している株式を購入することによって、自社事業の一部等を買収し、経営権を取得する方法です。MBOは、敵対的TOBから自社を守ったり、事業承継問題の解決のために利用される手法です。

MBOによるM&Aのメリットと特徴としては、株式の買収によって、経営権を強化することができたり、中期的な成長戦略として有効な点等が挙げられます。MBOによるM&Aのデメリットとしては、自社が発行している株式を株主から買収するのは、難しいという点が挙げられます。

4. M&Aのやり方(11ステップ)

M&Aのやり方(11ステップ)

M&Aをおこなうための手法は、11のステップに分ける事ができます。11のステップは、以下の通りです。
 

  1. 事前準備
  2. アドバイザー選定
  3. アプローチ
  4. 秘密保持契約
  5. IM提示
  6. トップ面談
  7. 基本合意書締結
  8. デューデリジェンス
  9. 条件交渉
  10. 最終契約とクロージング
  11. PMI


以上のプロセスを、重要な点を抑えて進めていくことで、M&Aを成功に導くことができます。ここでは、M&Aの11のステップについて詳細に解説します。
 

M&Aのやり方1.事前準備

M&Aをおこなうための事前準備として重要なのが、目的の明確化です。M&Aの最大の目的は、対象企業と協力して、シナジー効果を最大限に引き出すことです。そのためには、自社はどんな企業を目指しているのか、そのためにM&Aは有効なのかを検討することが大切です。

目的の明確化は、最終契約書締結後のPMI実施を想定して検討することで、より具体的な目的を取り決めることができます。M&Aの目的を決める事ができたら、その目的を、M&Aをおこなうチーム全体で共有することも重要です。

M&Aのやり方2.アドバイザー選定

事前準備として、目的の明確化を終えたら、M&Aのアドバイザーを選定します。M&Aのアドバイザーは、M&A仲介会社より選定することが一般的です。M&Aアドバイザーの選定を終えたら、FA契約を締結します。

FA締結とは、ファイナンシャルアドバイザリー契約のことで、この契約を結ぶことによって、正式に企業のM&Aのアドバイザーとして就任することになります。アドバイザーが決まったら、買収の候補となる企業をいくつか選定します。

M&A仲介会社を利用することで、自社のM&Aの目的の元、適切な候補先を選定することができます。

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M&Aのやり方3.アプローチ

M&A仲介会社からの提供で、候補先が決定したら、アプローチをおこないます。ここの場面でのアプローチとは、会社を売却する側の企業にM&Aをおこなう意思があるのかを、問うものです。

このプロセスでは、具体的な会社名などは明かさず、アプローチをおこなうことがほとんどです。この際に提示される資料には、会社名が明記されていないためノンネームシートと呼ばれます。

M&Aのやり方4.秘密保持契約

対象会社へのアプローチを終え、M&Aをおこなう意思があることが確認できたら、秘密保持契約を締結します。NDA契約とも言います。M&Aは企業で働く従業員にとっては非常にデリケートな問題であるため、必要以上に情報がもれないように、最新の注意を払って締結します。

秘密保持契約は、売り手側が自社の機密情報を守るため、そして、買い手側も自社の情報を守るために締結します。

M&Aのやり方5.IM提示

秘密保持契約を締結したら、IMの提示をおこないます。IMとは、インフォメーション・メモランダムの略で、企業に関する詳細な情報が記載された資料のことを指します。IMは、基本的には、売り手側のM&A担当者やアドバイザーが作成します。

IMの作成においては、どの程度まで情報を公開するかは、売り手側が決定します。基本的には、M&Aをおこなうにあたって、メリットとなる内容が多く記載されている事がほとんどです。

M&Aのやり方6.トップ面談

トップ面談

IMの内容をもとに、M&Aの条件について社内で検討をおこなったら、いよいよトップ面談をおこないます。お互いにM&Aの条件について話し合い、M&Aをおこなう意思が固まったタイミングで行われることがほとんどです。

大企業のM&Aにおけるトップ面談であれば、ニュース等で話題になることもありますが、中小企業のM&Aにおけるトップ面談であれば、お互いの意思を再確認する、とても重要な機会となります。

M&Aのやり方7.基本合意契約

トップ面談を終え、M&Aの内容について、基本的な同意が得られたら、基本合意書を締結します。基本合意書には、M&Aのスキームや、買収価格など、さまざまな基本的な内容が記載されています。

M&Aをおこなうお互いの企業の同意の元、捺印をおこないます。この時点で締結する基本合意書には、法的拘束力が無いことがほとんどですが、基本合意書の締結をおこなうことで、簡単にM&Aをキャンセルされるリスクを避けることができます。

M&Aのやり方8.デューデリジェンス

基本合意書の締結をおこなったら、デューデリジェンスを実施します。デューデリジェンスとは、買収監査のことで、企業を買収するにあたって、大きなリスクはないか、買収価格は適正か、等を調査します。買い手側が売り手側におこなうのが一般的です。

デューデリジェンスは、人事・財務・技術等、さまざまな視点から、売り手側企業について調査することによって、隠れた債務がないか、どんな技術を持っているのかなど、面談やIMでは不足していた情報を補います。

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M&Aのやり方9.条件交渉

デューデリジェンスで得られた情報を元に、条件の交渉をおこないます。デューデリジェンスは、買収価格が適正であるのかも検討することが大切です。

デューデリジェンスで発覚したリスクや、技術についての情報を元に、買収価格や権利の譲渡など、M&Aに関する細かい条件の交渉をおこないます。

売り手側にとっては高く買収してもらいたいですし、買い手側にとっては安価で入手したいと考えるのが一般的なため、お互いの意見を尊重しつつ、条件の交渉をおこなうことが大切です。

M&Aのやり方10.最終契約&クロージング

条件交渉により、M&Aの条件が決定したら、最終譲渡契約書を締結します。最終譲渡契約書の締結により、法的拘束力をもってM&Aを締結することになります。最終契約書の締結をもってM&Aの契約に関する面はクロージングとなります。

M&Aにおけるクロージングは、今後の経営戦略にとって、スタートラインになります。ここから、どのように成長していけるかが、M&Aを成功に導くポイントです。

M&Aのやり方11.PMI

最終譲渡契約書を締結したら、PMIの実施をおこないます。PMIの実施とは、実際に企業と企業がおこなう統合作業のことです。主に人事面での調整をおこない、よりよい職場環境をつくれるように努力します。

M&Aの失敗要因としてPMIをしっかりおこなわなかった例が多くあります。M&Aのステップで最初におこなう目的の明確化でも解説したように、PMIの実施はM&Aにとって非常に重要なポイントです。適切なPMI実施をおこなうことで、より多くのシナジー効果を引き出すことができます。

5. M&Aに掛かる経費や税金

M&Aに掛かる経費や税金

M&Aをおこなうにあたってかかる経費には、たくさんのものがあります。まず最初にかかってくるのが、M&A仲介会社やアドバイザーに払う料金です。公認会計士や弁護士に依頼することが多く、企業の規模によっても代わってきます。

同じく公認会計士や弁護士に支払う料金として、デューデリジェンス実施に係る料金です。デューデリジェンスは、企業の規模が大きければ大きいほど、調査の内容は複雑になりますし、それだけ時間がかかります。

デューデリジェンス依頼する専門家の1時間あたりの依頼料2~5万円×実施に係る時間で計算されるのが一般的です。株式の譲渡によって得られた金額は「譲渡所得」に計上され、所得には税金がかかります。

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6. M&A手法の選択方法・考え方

M&A手法の選択方法・考え方

M&Aの手法は非常に多く、それぞれにメリット・デメリットがあり、どんあ場合のM&Aにも適切な手法が存在するわけではありません。自社が考える経営戦略と、M&Aをおこなう対象企業の状況などを考え、手法を選択する事が大切です。

必ずしも売却することがデメリットというわけでもありません。例えば、事業承継問題に悩みを抱える企業であれば、M&Aをおこなうことによって、事業を承継でき、手法によっては、従業員をまもり、自社のもつ契約などもそのまま守ることができます。

このように、買い手側・売り手側ともにメリットとデメリットを考え、適切な手法を選択することが重要です。

7. M&Aの手法・特徴まとめ

M&Aの手法・特徴まとめ

M&Aの最大の目的は、お互いの協力によってシナジー効果を最大限に引き出すことです。M&Aの手法には、大きく分けて9種類のものがありますが、それぞれのメリット・デメリットを把握し、自社のおこなうM&Aには何が適切なのかを選択することが大切です。

また、M&Aのやり方には11のステップがあり、それぞれのステップで重要な点があります。重要な点を見逃さず、リスクを回避することで、M&Aを成功に導くことができます。

M&A総合研究所なら、M&Aのプロフェッショナルである公認会計士が担当して、M&Aをフルサポートしてくれます。M&Aについて悩んでいることがあるなら、一度相談してみると良いでしょう。

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