M&Aの手法(やり方)とは?分類一覧、方法ごとのメリット・デメリットなど基礎知識も解説

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

M&Aの手法は大きく分けて9つあり、それぞれの手法に特徴があります。M&Aのやり方は、目的や状況に合わせなければなりません。本記事では、M&Aの各手法とその特徴、M&Aのやり方、メリット・デメリットなどを、事例の紹介と合わせて解説します。

目次

  1. M&Aとは
  2. M&Aの手法・方法一覧
  3. M&Aの手法・方法を用いる際の注意ポイント
  4. M&Aの手法・方法を用いる際の流れ(11ステップ)
  5. M&Aの手法・方法別に課される税金
  6. M&Aの手法・方法を用いる際にかかる経費
  7. M&Aの手法・方法を選ぶ際の判断基準
  8. M&Aの手法・方法まとめ
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1. M&Aとは

M&Aとは、「Mergers(合併)& Acquisitions(買収)」の略称で、事業や会社そのものの売買取引や企業間の組織再編行為の総称です。M&Aのスキーム(手法)は、合併と買収だけではありません。

M&Aのスキームには非常に多くの手法があり、それぞれの手法を企業の経営戦略や、対象企業の状況に応じて選ぶことが肝要です。まずは、M&Aの目的やメリット・デメリットを解説します。

M&Aの手法・方法を用いる目的

M&Aにおける最大の目的は、自社・対象企業の良い点を生かし、シナジー効果を最大限に引き出すことです。シナジー効果とは、日本語で相乗効果を意味します。お互いの企業の良い点を掛け合わせることで、1+1が2を超える成果を上げられるでしょう。

具体的には、以下のような目的でM&Aは行われます。

  • 事業の拡大
  • 新規事業への参入
  • 優秀な人材の獲得
  • 事業承継問題の解決

M&Aによって2つ以上の企業が統合すると、企業の規模や事業領域が拡大します。異業種の企業とM&Aを行うと、新規事業への参入が可能です。高い技術力や統率力などを持つ優秀な人材獲得も、M&Aにおける目的の1つとなっています。

M&Aで売り手側の目的となるのが、事業承継問題の解決です。昨今、日本では、少子化や価値観の多様化などの影響で、後継者不足に悩む中小企業が多くあります。M&Aで会社を売却すれば、その買い手が後継者(新たな経営者)となり、事業承継が実現します。

M&Aの手法・方法を用いるメリット

以前は、M&Aは大企業が行うものというイメージがありました。しかし近年では、中小企業でも企業の発展や存続のための戦略として、たくさんのM&Aが行われています。

M&Aのメリットにはどのようなものがあるのか、買収する企業のメリットと売却する企業のメリットに分けて見てみましょう。

買収のメリット

M&Aにおける買収する企業のメリットとして、まず、事業の拡大と新規事業への参入が挙げられるでしょう。事業の拡大や新規事業への参入を自社のみで行うと、事業拡大のための費用、人材の確保、新規参入のための商品やサービスを開発する費用など、膨大な予算がかかります。

人材の確保や商品・サービスの開発には、時間がかかるのが通例です。しかし、M&Aを行うことで、取引先や仕入れ先も獲得できるため、事業の拡大や新規参入をスピーディーに行えるでしょう。

弱い分野や事業に対し、強みを持っている企業とM&Aを行えば、技術・知識・ノウハウ・取引先・人材を獲得できます。優秀な人材を確保できれば、自社の成長のスピードが加速され、既存の事業を強化できるでしょう。

売却のメリット

M&Aで売却する側のメリットとして一番に挙げられるのが、事業承継問題の解決です。日本では後継者不足に悩む中小企業が非常に多く、近年はその解決手段としてM&Aが用いられるようになってきました。

M&Aによって会社が存続すれば、取引先との関係を続けられ従業員の雇用も守られるでしょう。M&Aは、経営基盤の安定化にもなります。大手企業の傘下に入れば、事業拡大や技術・サービスの向上だけでなく、財務面の心配がなくなり、安定した経営を行えるでしょう。

中手企業のオーナー経営者の場合、M&Aで株式譲渡を実施すれば相応の売却益が得られます。

M&Aの手法・方法を用いるデメリット

M&Aにはデメリットも存在します。M&Aを行うにあたり考えられるデメリットを、買収する側と売却する側に分けて確認しましょう。

買収のデメリット

買収によるM&Aを行う側には、M&Aの最終契約書締結が終わって実際に企業の統合を行う際に、企業文化が合わず思ったように統合を行えないデメリットがあります。

企業によって社内の雰囲気はさまざまなので、文化が合わず、意思決定の遅れや企業ガバナンスの弱体化を招くおそれがあるでしょう。これによって、優秀な人材が流出してしまう可能性も否定できません。

買収後、M&A対象会社の帳簿に記載されていない債務(簿外債務)があったり、買収したことにより訴訟が起きたりして、経営にダメージを与えるリスクの発生も考えられます。

これらのデメリットを予防するためには、対象企業に対して行うデューデリジェンス(買収監査)をしっかり行い、M&A統合後の適切なプロセス(PMI=Post Merger Integration)実施が大切です。

売却のデメリット

M&Aによって会社・事業を売却する側のデメリットとしては、自社が想定していた価額で会社を買収してもらえず、想定していたよりも安い金額で買収されるリスクがデメリットです。従業員の雇用条件が変わる可能性もあります。

雇用条件が悪化すると、モチベーションの低下や人材の流出につながるため、従業員の雇用条件も含めてM&Aの締結を行いましょう。企業にはそれぞれの文化や価値観があり、M&A実施後は、互いに融合・定着させるのが必要です。

しかし、文化や価値観があまりにも違う企業同士の場合は企業統合が難しい場合もあり、M&Aは避けた方がよいケースもあります。

2. M&Aの手法・方法一覧

M&Aの分類

上図はM&Aの手法を一覧にしたものです。以下では、上図にないものも含めて各M&A手法の概要を説明します。なお、上図に示されているとおり、単なる業務提携は資本の移動を伴わず、共同業務契約にとどまりますので、M&Aとは見なされません。

  1. 株式譲渡
  2. 株式交換
  3. 株式交付
  4. 株式移転
  5. 第三者割当増資
  6. 事業譲渡
  7. 合併
  8. 会社分割
  9. 資本提携
  10. TOB
  11. MBO

①株式譲渡

株式譲渡とは、対象企業の株式を買収することで、その企業の経営権を取得するM&A手法です。株式譲渡での対価には現金が用いられます。株式譲渡によるM&Aのメリットと特徴は、M&Aの手続き自体が容易であるためM&Aを早く行えることです。

株式譲渡によるM&Aのデメリットは、会社を丸ごと取得する包括承継であるため、負債なども引き受けてしまうリスクが避けられません。買収の際は、資金の準備が必要です。

②株式交換

株式交換とは、完全親子会社関係になる前提で買い手が売り手の株式を取得し、その対価として買い手の株式を交付する手法です。つまり、売り手側の株主は買い手側の株主へと立場が変わります。

株式交換によるM&Aのメリットと特徴は、資金を準備する必要がないこと、株主全員の賛成を得られなくても株主総会の特別決議の承認があれば実施できることなどです。

株式交換によるM&Aのデメリットは、株式譲渡と比較すると手続きが複雑なこと、買い手企業の株主構成が変わってしまうことなどが挙げられます。

③株式交付

株式交付とは、完全親子会社ではない親子会社関係になる場合(=売り手企業の全株式は取得しないケース)でも、株式交換と同様のやり方ができる手法のことです。2019(令和元)年の会社法改正で、新たに認められました。特徴・メリット・デメリットは株式交換と同様です。

④株式移転

株式移転とは、新しく親会社を立ち上げ、既存の会社は自社株式を親会社に移転され子会社となる手法です。いわゆるホールディングス体制(持株会社体制)を取る際に実施され、既存会社の株主は、対価として持株会社の株式を得ます。

株式移転のメリットは、買収するときに株式を交付できるので、買収資金は必要がありません。統合される各社の中身は同じであるため、内部統合が容易なこともメリットです。

デメリットは、事務的な手続きに手間がかかる点でしょう。企業数が増えるため管理費用が増え、株価が下落する可能性があることもデメリットといえます。

⑤第三者割当増資

第三者割当増資とは、特定の第三者に対し、売り手側企業の新株式、または所有する自社株式を交付する手法です。買い手としては買収ではなく出資であり、売り手は増資して資金調達したことになります。したがって、課税などは受けません。

買い手が取得する株式の割合によって、売り手企業の経営に及ぼす影響力が変わります。第三者割当増資によるM&Aのメリットと特徴は、手続きが容易であるること、株式の再売却を行う際も手続きが簡単であることなどです。

第三者割当増資によるM&Aのデメリットは、資金が必要であること、出資比率が低ければ経営には関与できないことなどが挙げられます。

⑥事業譲渡

事業譲渡とは、売り手側の事業・資産・権利など選別して売買取引する手法です。買い手側は、対価を現金で支払います。事業譲渡によるM&Aのメリットと特徴は、一部の事業を選んで買収できるため、売り手側が抱える負債などは引き受ける必要がないことです。

事業譲渡によるM&Aのデメリットは、譲渡する事業・資産・権利ごとに手続きをしなければならないため、これが複雑であること、事業の許認可は譲渡対象にできないこと、事業譲渡で得た利益には法人税が課されることなどがあります。

⑦合併

複数の企業が1つに統合される手法が合併です。存続会社は統合された企業の事業や資産、権利全てを承継します。存続会社以外の企業の法人格は消滅して残りません。合併には、吸収合併と新設合併の2種があります。

合併を行うメリットは、以下の3つです。1つ目は、対価を株式交付にできるため、合併する際に資金を準備する必要がないことになります。2つ目は企業の拡大効果を得られること、3つ目は契約や許認可などを存続会社に引き継げることです。

合併によるM&Aのデメリットは、包括承継であるため、簿外債務などがあっても引き継がなければならない点でしょう。2つ以上の会社における株主が一緒になるため、経営戦略の差異が生まれる点なども挙げられます。

吸収合併

吸収合併を行う企業をA社とし、吸収される企業をB社とします。吸収合併の場合、A社が存続会社、B社が消滅会社です。A社はB社の株主に吸収合併をする際、株式などを対価として支払います。そして、B社が吸収されA社に統合となると、B社の株主はA社の株主になるでしょう。

A社はB社が持っていた権利などを取得し、B社は合併後に消滅しA社が存続します。吸収合併によるM&Aの特徴とメリットは、会社ごと統合するので、従業員や権利など事業ごとに細かく分ける手間がないことです。

対価は株式で払えばよいので特別に資金を用意する必要がありません。そのうえ、大規模な会社による小規模な会社の吸収合併では、取締役会決議のみで吸収合併を決定できる簡易合併という制度があり、簡単に実施できます。

新設合併

新設合併とは、既存企業が新設企業に吸収・統合される合併のことです。新設合併は手続きが複雑なため、合併の場合は、吸収合併が選ばれることがほとんどでしょう。

⑧会社分割

会社分割とは、売り手企業の事業部門を丸ごと切り出し、買い手企業がそれを取得・承継する手法です。会社分割の場合も、吸収分割と新設分割の2種があります。買い手は、対価に自社株式を用いることが可能です。

会社分割によるM&Aのメリットと特徴は、包括承継であるため許認可なども引き継げること、現金の準備が必要ないことなどが挙げられます。

会社分割によるM&Aのデメリットは、事業ごとに分割を行うためその事業が負債を抱えていた場合は、その負債も引き受けなければならないことです。特許などの手続きによっては、許可が下りない場合があります。

吸収分割

吸収分割とは、既存企業間で行われる会社分割のことです。吸収分割によるM&Aのメリットは、分割の際の支払いは現金だけではなく株式でも可能なため資金の準備が必要ないこと、そして分割する事業を選べることが挙げられます。

吸収分割によるM&Aのデメリットは、不要な債権なども引き継ぐリスクがあることです。

新設分割

新設分割とは、新設された企業が既存企業の事業部門を承継する会社分割のことです。新設分割によるM&Aのメリット・デメリットは、吸収分割の場合と同じになります。

⑨資本提携

資本提携は、資本の移動を伴うため、広義のM&Aとされています。資本提携の具体的な手法としては、第三者割当増資、株式の持ち合い、合弁会社の設立がありますが、第三者割当増資は説明済みですから、ここでは、株式の持ち合い、合弁会社の設立を見てみましょう。

株式の持ち合い

複数の企業が相互に相手企業の株式を所有することが、株式の持ち合いです。株式の取得方法としては、第三者割当増資が用いられます。近年は、単に株式を持ち合うだけでなく、業務提携と合わせ資本業務提携として行われる傾向が強いです。

合弁会社の設立

合弁会社設立とは、複数の企業が出資をして新たに会社を設立するものです。ジョイントベンチャーともいいます。合弁会社設立の主なメリットは以下の3点です。1つ目は、合弁を行う会社と協力して出資を行うため、出資のリスクを抑えられます

2つ目は、合弁を行う企業同士の強みを活用できることです。3つ目に、新規分野への参入や海外進出などが行いやすいことが挙げられます。

⑩TOB

TOB(Take Over Bit=株式公開買付)とは、上場企業の株式に対し市場外で株式を買付することです。株式公開買付では、買付価額と買付数、買付期間を公表し株式の買付を行います。

TOBのメリットは、大量の株式を買収できることや、買収価額を宣言して行うため予算が立てやすいことです。TOBは、予定した株式数の申し込みがなければ取引のキャンセルができます。

TOBのデメリットは、TOBを実施する側とTOBをされる側に敵対する意思があった場合、TOBを行う側が損をしてしまう、あるいはTOBが成功しない可能性があることです。

⑪MBO

MBO(management buyout)とは、会社の取締役が自社の株式を買収することによって経営権を取得する方法です。MBOの目的は、上場を廃止することで敵対的TOBから自社を守ったり、中小企業では事業承継問題を解決したりするために利用されます。

MBOのメリットと特徴は、経営の効率化や迅速な意思決定ができるようになることです。一方、MBOのデメリットは、自社が発行している株式を株主から買収するのは難しい点が挙げられます。

3. M&Aの手法・方法を用いる際の注意ポイント

M&Aを成功させるには、入念な準備が必要です。この章では、M&Aの手法を用いる際の注意ポイントを解説します。

  1. シナジー効果・メリットの獲得が期待できるか
  2. 取引価額は適切か
  3. 実施タイミングは適切か
  4. 取引後の経営統合プロセスは万全か
  5. M&Aアドバイザーの実績・ネットワークは十分か
  6. 自社のリスクを認識して共有できているか

①シナジー効果・メリットの獲得が期待できるか

シナジー効果・メリットの獲得は、企業価値向上や事業の発展につながります。シナジー効果が期待できる相手を探すのはとても重要です。このような相手を探すには、信頼できるM&Aアドバイザーを選ぶことが大切になります。

ネットワークが十分にあり、信頼できるアドバイザーを選んでください。買収側の場合、買収条件をしっかり設定しましょう。シナジー効果が期待できても、条件によって目的が果たせないこともあります。

②取引価額は適切か

M&Aの手法を用いる際は、取引価額が適切かどうか注意しましょう。売却する側の企業評価をしっかりと行い、買収価額が適切かどうか判断します。デューデリジェンスは、専門家に依頼するのをおすすめします。

そして、財務面はもちろんのこと、税務・法務・人事・ITもデューデリジェンスを行ってください。潜在的な債務などのリスクも把握して、許容できる範囲を考慮し金額設定を行います。

③実施タイミングは適切か

M&Aでは、株式譲渡や事業譲渡の手法が多いです。TOBは、金融商品取引場の価格より高価格で株式を取得します。会社を売却する側は高く株式を売りたいと考えますが、買収する側はできるだけ安価に買いたいと考えるものです。

したがって、両社が納得する価格で売買が成立する適切なタイミングを計りましょう。

④取引後の経営統合プロセスは万全か

M&Aの手法を用いる際は、M&A後の経営統合プロセス(PMI)に注意しましょう。PMIは、M&A後の事業運営や新しい組織体制を構築するために必須です。会社を買収する側と売却する側の企業文化は異なります。システムの運用や意思決定など、さまざまな点で異なります。

デューデリジェンスの段階から売却側企業の情報収集を行い、PMIがスムーズに実施できる統合計画を策定することが重要です。

⑤M&Aアドバイザーの実績・ネットワークは十分か

依頼するM&Aアドバイザーは豊富な実績があるのか、十分なネットワークを有しているかなど、事前にしっかりと内容を確認してから依頼する必要があります。無料相談を実施している会社も多いので、それを活用し比較検討して選定しましょう。

⑥自社のリスクを認識して共有できているか

売り手・買い手の双方が、自社のリスクを認識して共有できているかが大切です。そのためにはお互いに敬意を持ち、信頼関係を構築する必要があります。都合の悪い事実やリスクがあれば、早い段階からM&Aアドバイザーに相談するのが肝要です。

共有が遅れてしまうと、相手側の心証が悪くなり、破談となる可能性が高まります。

4. M&Aの手法・方法を用いる際の流れ(11ステップ)

M&Aを実施する方法は、11のステップに分けられます。11のステップは、以下のとおりです。

  1. 事前準備
  2. アドバイザー選定
  3. アプローチ
  4. 秘密保持契約
  5. IM提示
  6. トップ面談
  7. 基本合意書締結
  8. デューデリジェンス
  9. 条件交渉
  10. 最終契約とクロージング
  11. PMI

①事前準備

M&Aを行うための事前準備として重要なのが、目的の明確化です。M&Aにおける最大の目的は、対象企業と協力して、シナジー効果を最大限に引き出すことにあります。自社はどのような企業を目指しているのか検討することが大切です。

目的の明確化は、最終契約書締結後のPMI実施を想定して検討すると、より具体的な目的を取り決められます。M&Aの目的を決めたら、その目的をM&Aを行うチーム全体で共有するのも重要です。

②アドバイザー選定

事前準備として目的の明確化を終えたら、M&Aのアドバイザーを選定します。M&Aのアドバイザーは、M&A仲介会社から選定するのが一般的です。M&Aアドバイザーの選定を終えたら、業務委託契約を締結します。

業務委託契約はFA(ファイナンシャルアドバイザリー)締結とも呼ばれ、この契約を結ぶことにより正式に企業のM&Aアドバイザーとして就任します。アドバイザーが決まったら取引候補となる企業の選定ですが、M&A仲介会社を利用することで適切な相手を選べるでしょう。

ただし、昨今はM&A仲介会社も急増していることから、アドバイザー選びに迷ってしまうかもしれません。そのような場合​​​​​​には、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。

M&A総合研究所には、M&Aの専門知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを生かしてM&Aをフルサポートいたします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談を行っておりますので、M&Aをご検討の際には、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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③アプローチ

M&A仲介会社のリサーチで候補先が決定したら、アプローチを実施します。ここでのアプローチとは、会社を売却する側の企業にM&Aを実施する意思を問うことです。なお、このプロセスでは、具体的な会社名などは明かされていません。

④秘密保持契約

対象会社へのアプローチを終えてM&Aの意思を確認できたら、秘密保持契約(NDA契約)を締結します。M&Aは企業にとって非常にデリケートな問題なので、情報がもれないように細心の注意を払わねばなりません。

秘密保持契約は、売り手側が自社の機密情報を守るため、そして買い手側も自社の情報を守るために締結するものです。

⑤IM提示

秘密保持契約を締結したら、IM(Information Memorandum)の提示です。IMとは、企業に関する詳細な情報が記載された資料をさします。IMは、基本的に、売り手側のM&A担当者やアドバイザーが作成するものです。

情報を公開する範囲は売り手側が決定します。しかし、基本的にはM&Aの実施にあたりメリットとなる内容が多く記載されることがほとんどです。

⑥トップ面談

IMの内容をもとに、M&Aの条件を社内で検討をしたら交渉開始です。基本的に条件交渉は、M&A仲介会社が行います。交渉の過程で実施されるのが、トップ面談です。売り手・買い手双方の経営トップが直接会って話をします。

条件交渉はM&A仲介会社が行いますから、トップ面談では経営ビジョンや企業風土などを話し、お互いの人物像を見極めるのも狙いです。

⑦基本合意書締結

M&Aの条件が大筋で合意できたら、基本合意書の締結です。基本合意書には、M&Aのスキームや買収価額など、さまざまな基本的な内容が記載されます。ただし、基本合意書は現時点での合意内容確認書という位置付けです。したがって、法的拘束力はありません

M&Aの成約は保証されていない点には、注意が必要です。

⑧デューデリジェンス

基本合意書の締結を行ったら、デューデリジェンスの実施です。デューデリジェンスとは、買収監査のことで、企業を買収するにあたり大きなリスクはないか、買収価額は適正かなどを買収側が調査します。PMI計画策定に必要な情報収集も欠かせません。

財務・税務・法務・労務・IT・事業などの分野ごとに、士業などの専門家を起用して行います。

⑨条件交渉

デューデリジェンスで得られた情報をもとに、条件の最終交渉です。デューデリジェンスで発覚したリスクや技術の情報をもとに、買収価額や権利の譲渡など、M&Aに関する細かい条件の交渉を行います。

売り手側は高く買収してもらいたい、買い手側は安価で入手したいと考えるのが一般的なため、お互いの意見を尊重しつつ条件の交渉を行うことが重要です。

⑩最終契約とクロージング

最終条件交渉によりM&Aの条件が決定したら、最終契約書の締結です。最終契約書の締結により、法的拘束力をもってM&Aは成約します。クロージングとは、契約書に記載された内容を相互に履行することです。

売り手であれば、株式の引き渡しや株主名簿の書き換え、登記内容変更手続きなど、買い手であれば、対価の支払い、資産や権利の引き継ぎ手続き、各種届出などが該当します。

⑪PMI

最終譲渡契約書を締結したら、PMIの実施です。PMIの実施とは、売り手企業と買い手企業の経営統合を行います。具体的には、業務システム、管理システム、ITシステム、組織の再編成と人員の再配置、社内規定、人事制度、企業風土などの統合です。

PMIの失敗はM&Aの失敗を意味します。したがって、PMIの計画策定は入念に準備を行い、万全なものを用意しなければなりません。

5. M&Aの手法・方法別に課される税金

この章では、M&Aでよく利用される株式譲渡、事業譲渡、合併や会社分割などの組織再編行為に課される税金を解説します。

株式譲渡

株式譲渡では、M&Aで会社を売る側の株主が、会社を買う側に株式を売却して売却代金を取得します。課税の対象は売却代金を受け取った株主です。株主が個人の場合は、受け取った利益である株式譲渡所得に分離課税されます。

この所得税は、売却した翌年の確定申告での納税です。税率は所得税・住民税を合わせて20.315%(2022年3月現在)です。給与・事業収入などの所得が高い場合でも、納税額を抑えられます。

事業譲渡

事業譲渡の売却当事者は売り手側の法人です。したがって、売り手企業が課税されますが、個人のような分離課税はなく、他の損益と通算した金額に対し、法人税が課されます。2022(令和4)年3月現在の法人税の実効税率は約31%です。

ただし、仮に事業譲渡益を超える金額の損金がある場合、会社の決算は赤字ですから、課税を受けません。節税のために、事業譲渡を実施する時期を調整してみてもよいでしょう。

組織再編行為

合併や会社分割などの組織再編では、税制適格要件という規定があります。この税制適格要件を満たした合併や会社分割であれば、課税は受けません。

6. M&Aの手法・方法を用いる際にかかる経費

M&Aの実施にかかる手数料には、以下のようなものがあります。

  • 相談料:正式依頼前の相談時に発生する費用。無料の会社が多い。
  • 着手金:業務依頼契約締結時に発生する費用。発生しない会社が多い(完全成功報酬制では発生しない)。
  • 月額報酬:業務依頼契約締結時からM&Aが成約するまで毎月発生する顧問料。発生しない会社が多い。リテイナーフィーともいう。
  • 中間金:基本合意書締結時に発生する費用。成功報酬の一部を前払いする扱いの会社が多い。完全成功報酬制では発生しない。
  • 成功報酬:M&A成約時に発生する費用。計算方法が各社で異なるため事前確認が必要。
  • デューデリジェンス費用:買収側のみが負担する費用。

注意したいのは、成功報酬以外の費用は、M&A成約しなかった場合でも返却されないことです。したがって、完全成功報酬制の会社がシンプルで安心できるともいえます。

7. M&Aの手法・方法を選ぶ際の判断基準

M&Aの手法を決める際は、専門家と協議し、事業や法務、税務などで最もメリットが出る手法が選択されるでしょう。一般的に企業が規模拡大を目指すための手法として、合併、株式譲渡、株式交換などが選択されるケースが多くあります。

一方で、不採算事業からの撤退や事業縮小を進めるために、会社分割、事業譲渡を選択するケースも多いです。資本業務提携は、将来の経営統合に備える方法として選択される場合もあります。

M&Aにおける支払い対価は、事業譲渡、株式譲渡、第三者割当増資では、現金のみです。一方、株式交換、株式交付、株式移転、会社分割では、対価として株式を交付します。合併の場合は、現金と株式交付のどちらも可能です。

このようにM&A手法によって支払い対価の内容が違うため、手持ち資金との兼ね合いでM&A手法を決める場合もあります。。

8. M&Aの手法・方法まとめ

M&Aにおける最大の目的は、お互いの協力によってシナジー効果を最大限に引き出すことです。M&Aの手法はさまざまありますが、それぞれのメリット・デメリットを把握し、自社の行うM&Aには何が適切なのか選択しましょう。

M&Aのやり方には11のステップがあり、それぞれのステップで重要な点があります。それぞれのM&Aのやり方を理解しつつM&Aアドバイザーのアドバイスを聞いてリスク回避を行い、M&Aの成功率を上げましょう。

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