フリーキャッシュフローとは?計算方法や目安を解説

Medium
企業情報第三部 部長
鎌田 実築

三菱UFJ銀行にて中堅中小企業法人担当として、企業再生支援、事業承継支援、資産活用コンサルティング等幅広く活動。その後M&Aアドバイザーとして複数の業種で成約実績を積み、規模・エリアも問わず幅広い相談に対応。

フリーキャッシュフローとは、会社が自由に使える現金のことです。フリーキャッシュフローがプラスであれば、金融機関などのono 融資に頼らなくとも事業展開が可能であることを意味します。本記事では、フリーキャッシュフローの計算方法や目安を解説します。

目次

  1. フリーキャッシュフローとは?
  2. フリーキャッシュフローから分かること
  3. フリーキャッシュフローの計算方法
  4. フリーキャッシュフローの目安
  5. フリーキャッシュフローを利用する場面
  6. まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 経験豊富なM&AアドバイザーがM&Aをフルサポート まずは無料相談
    プレミアム案件・お役立ち情報

1. フリーキャッシュフローとは?

フリーキャッシュフローとは?

フリーキャッシュフローとは、事業で生み出した利益のうち経費を差し引いた後の会社が自由に使うことができる現金のことです。

フリーキャッシュフローが多いほど資金が豊富であることを意味しており、借入金の返済や事業規模拡大の設備投資など、さまざまな資金運用が可能になります。

また、単純な資金運用としての使い道のほか、企業の経済状況を調査する際の指標としても使われています。フリーキャッシュフローを把握して経済状況を明示することができれば、M&Aを行う際の企業価値にも有効活用することができます。

フリーキャッシュフローを計算するうえでは、重要な要素が3つあります。この章では「営業活動」「投資活動」「財務活動」のキャッシュフローについて詳しく解説します。

営業活動のキャッシュフロー

営業活動のキャッシュフローは、商品の販売・仕入れや経費・人件費の支払いなどの営業活動から生じるキャッシュの量です。

企業の営業活動はキャッシュを獲得するために行っているものなので、営業活動のキャッシュフローはプラスであることが望ましいです。その反面、マイナスの場合は営業活動がうまくいっていないことを表しています。

ただし、企業の成長過程で一時的に営業活動のフリーキャッシュフローがマイナスになっていることもあります。そのため、マイナスの時は何が原因なのかを見極めることが大切です。

営業活動のキャッシュフローのうち業績を表すものは、営業利益や法人税等の支払、減価償却費などがあります。

特に営業利益は重要な要素であり、営業活動のキャッシュフローをプラスにしたい場合は営業利益の増加がポイントになります。

投資活動のキャッシュフロー

投資活動のキャッシュフローは、固定資産(土地・建物・設備など)の取得・売却などの投資活動から生じるキャッシュの量です。

投資活動のキャッシュフローの変動は、固定資産を取得した時はキャッシュが流出するためマイナスとなり、固定資産を売却した時はキャッシュを獲得するためプラスとなります。

企業の事業活動は固定資産の運用が必須なので、投資活動のキャッシュフローは基本的にマイナス状態であることがほとんどです。

企業の方針や業種によってはある年に投資が集中することもあり、その年の支出によりフリーキャッシュフローがマイナスを示していても、最終的にはフリーキャッシュフローがプラスになることもあります。

財務活動のキャッシュフロー

財務活動のキャッシュフローは、企業が営業活動を行うための資金調達や返済による増減を表すキャッシュの量です。

投資家や金融機関からの融資で資金調達を行うと一時的に事業資金を獲得することができますが、いずれは返済するべきキャッシュであることや利息が発生することからキャッシュフローは悪化します。

とはいえ、借入金がゼロで自己資本比率100%を目指すことが、必ずしも正しい選択であるとは限りません。調達した資金を元手に早期の事業成長を図ることができるので、一時的に負債を負う選択が求められることもあります。

大切なのは、財務活動のキャッシュフローの増減を確認し、企業の財務状況を正確に把握しておくことです。企業の返済能力を超えないように常に注意しておくことができれば、健全な状態を保つことが可能です。

【関連】M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?算定方法を解説【事例あり】

2. フリーキャッシュフローから分かること

フリーキャッシュフローから分かること

会社はフリーキャッシュフローがなければ自由に事業活動を行うことができません。フリーキャッシュフローの値は企業の経済状況の指標としても活用されており、プラスかマイナスかで大きく状況は変わります。

この章では、会社のフリーキャッシュフローがプラスとマイナスの場合に分かる状態について解説します。

フリーキャッシュフローがプラスの会社について

フリーキャッシュフローがプラスの会社は、会社が使える資金があることを意味しており、プラス分の使い道について自由に決定することができます。

フリーキャッシュフローの使い道は企業の方針にもよりますが、追加投資や借入金の返済などが一般的です。

追加投資であれば、さらなる企業成長を図ることが可能です。外部からの資金調達に頼ることなく、既存事業の強化や新規事業立ち上げによる事業の多角化などを実施することができます。

借入金の返済にあてる場合は、自己資本比率を高めて財務状況の健全化を図ることができます。財務状況の悪化が長期にわたって続いていると企業として好ましくないので、余裕のあるうちに返済しておくのがよいでしょう。

フリーキャッシュフローがマイナスの会社について

フリーキャッシュフローがマイナスの会社は、会社が自由に使うことができる資金が少ないことを意味しています。

事業資金を自己資本でまかなうことが難しいため、投資家・金融機関からの融資や固定資産の売却などによる資金調達が必須です。

なお、プラスの会社と比較すると楽観できる状態ではありませんが、企業成長を目指すうえで一定以上の支出は必要経費となるため「フリーキャッシュフローがマイナス = 危険な状態」とは限りません。

特に、ベンチャー企業やスタートアップなどは先行投資の考え方が強い傾向にあるため、現段階でマイナスでも将来的にプラスに転じるケースが多いです。

積極的な投資が必要である場合は、フリーキャッシュフローがマイナスでも割り切ることも必要です。

【関連】M&Aの企業価値評価とは?算出方法を詳しく解説!

3. フリーキャッシュフローの計算方法

フリーキャッシュフローの計算方法

フリーキャッシュフローは、営業活動のキャッシュフローと投資活動のキャッシュフローを足した値です。

基本的に投資活動のキャッシュフローはマイナスな状態であるため、「営業活動のキャッシュフローから投資活動のキャッシュフローを差し引く」と捉えることもできます。

営業活動のキャッシュフローのプラス分が投資活動のキャッシュフローのマイナス分を上回っていれば、営業活動の収益で投資活動の支出を賄えていることを表しているため、健全な経営状況であることが分かります。

会社の成長には、事業活動のための設備導入や維持費用が必要です。特に、製造業の場合は土地や設備投資に多大な資金が必要になるので、正しい計算方法を把握しておくことが大切です。

【フリーキャッシュフローの計算方法】

  • フリーキャッシュフロー = 営業活動のキャッシュフロー + 投資活動のキャッシュフロー

なお、財務活動のキャッシュフローは、企業の財務状況を分析するために活用されます。企業成長を図るためには融資などの資金調達が必要不可欠なので、フリーキャッシュフローとのバランスをみながら状態を見極めることが重要です。

非上場企業のフリーキャッシュフローの計算方法

上場企業はキャッシュフロー計算書の作成が義務付けられているため、計算書に記載されている値から簡単に計算することが可能です。

しかし、非上場企業にはキャッシュフロー計算書の作成義務がないので、近い概念である資金繰り表を作成しているケースが多いです。

資金繰り表は資金の流れを把握することができるので、機能的にはキャッシュフロー計算書と同等であるといえます。

【フリーキャッシュフローの計算方法】

  • フリーキャッシュフロー = 税引後営業利益(営業利益 × (1 - 実効税率)) + 減価償却費 - 設備投資 - 運転資金増減額

上の式にそれぞれの値をあてはめることで、非上場企業の場合でも簡単に計算することができます。EBITDAによる評価倍率の概念に近いため、M&Aの際の企業価値評価においても有効活用することができます。

M&Aに関するご相談はM&A総合研究所へ

フリーキャッシュフローは、企業の経営状況を図る指標として有効活用されています。M&Aにおける企業価値評価の際もフリーキャッシュフローが大きく影響するため、専門家に相談することをおすすめします。

M&A総合研究所は、M&A・事業承継の仲介サポートを行うM&A仲介会社です。中堅・中小規模のM&A案件を中心に請け負っており、非上場企業のフリーキャッシュフローの計算に関しても豊富な経験と知識を有しています。

無料相談は24時間お受けしています。M&Aやフリーキャッシュフローにお悩みの際は、お気軽にM&A総合研究所までご連絡ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
0120-401-970
WEBから無料相談
M&Aのプロに相談する

4. フリーキャッシュフローの目安

フリーキャッシュフローの目安

フリーキャッシュフローがプラスならば資金に余裕があることを表しているので、フリーキャッシュフローは多ければ多いほど企業にとって望ましい状態といえます。

健全な状態と判断できるフリーキャッシュフローの目安は業種によっても変わりますが、事業資金を自己資本で賄えるくらいあれば十分な状態といえるでしょう。

しかし、企業は成長するために積極的な投資が必要なこともあります。将来的な収益価値を獲得するための一時的な支出ということもあるので、フリーキャッシュフローがゼロに近かったりマイナスだったりしても必ずしも悲観する必要はありません。

そのため、企業の経済状況を正しく把握するためには、数年分のフリーキャッシュフローを分析することが大切です。フリーキャッシュフローの使い道や経営戦略も考慮したうえで判断しなくてはなりません。

【関連】【企業価値算定】DCF法とは?計算式や割引率、メリット・デメリットをわかりやすく解説

5. フリーキャッシュフローを利用する場面

フリーキャッシュフローを利用する場面

フリーキャッシュフローは、企業の資金としてさまざまな場面に活用することができます。主な利用場面としては以下の3つが挙げられます。

【フリーキャッシュフローの利用場面】

  1. 新規事業資金
  2. 株主分配
  3. 返済

新規事業資金

フリーキャッシュフローの1つ目の使い道は、新規事業資金です。新規事業の目的や必要性を明示した事業計画を提示することができれば、株主からの了承を得て新規事業資金に回すことができます。

フリーキャッシュフローを新規事業資金に回すと株主への配当金は減少しますが、資金をうまく活用して新規事業を軌道の乗せることができれば、将来的な収益を確保することに繋がります。

新規事業立ち上げによる企業成長は株価上昇にも繋がるので、最終的には株主にとっても利益となることが多いです。

フリーキャッシュフローを有効活用するためにも、入念な事業計画を作成したうえで新規事業に取り組むことが大切です。

株主分配

フリーキャッシュフローの2つ目の使い道は、株主分配です。事業資金を確保したうえで余剰金がでた場合は、株主への分配にあてることができます。

株主分配が大きいほど株主にとっては嬉しいことですが、配当の権利落ちによる株価下落リスクに注意する必要があります。高配当すぎる場合はフリーキャッシュフローが悪化してしまう可能性もあります。

株主分配は、現金以外にサービスや製品で支払われることもあります。株主分配を目的に株主になっている投資家も珍しくないため、分配に力を入れる企業も多いです。

返済

フリーキャッシュフローの3つ目の使い道は、返済です。新規事業資金や株主分配に使ってもなおフリーキャッシュフローが手元に残る場合は、借入金の返済にあてる使い方が有効です。

投資家や金融機関からの融資を受けている場合は、常に利息が増加しています。ただ年月が経つだけでもキャッシュフローは悪化し続けているので、フリーキャッシュフローに余裕があるならばできる限り早めに返済しておくことが望ましいでしょう。

借入金の返済を進めると負債価値が減少し、企業価値のうちの株主価値の割合が高まります。自己資本比率が高まると倒産リスクが低くなり、健全な経営状況にあることを対外的に示すことができます。

自己資本比率の向上は、株価や企業価値の向上にも繋がりやすいため、間接的な企業成長を期待することができます。

【関連】M&Aのために資金調達する方法は?融資と増資、返済期間を解説

6. まとめ

まとめ

フリーキャッシュフローは多いほど自由に使える現金が多いことを意味します。持続的な企業成長を図るためには効果的な資金運用が重要なので、フリーキャシュフローに関する理解は不可欠といえるでしょう。

フリーキャッシュフローに関する分析が難しい場合は、専門家に助言を仰ぐのも1つの方法です。分析と同時に改善策を模索することも可能なので、早期に相談しておくことをおすすめします。

【フリーキャッシュフローまとめ】

  • フリーキャッシュフローとは事業で生み出した利益のうち経費を差し引いた後の会社が自由に使うことができる現金のこと
  • 営業活動のキャッシュフローは商品の販売・仕入れや経費・人件費の支払いなどの営業活動から生じるキャッシュ
  • 投資活動のキャッシュフローは固定資産(土地や建物、設備等)の取得・売却などの投資活動から生じるキャッシュ
  • 財務活動のキャッシュフローは企業が営業活動を行うための資金調達や返済による増減を表すキャッシュ

【フリーキャッシュフローの計算方法】
  • フリーキャッシュフロー = 営業活動のキャッシュフロー + 投資活動のキャッシュフロー
  • フリーキャッシュフロー = 税引後営業利益(営業利益 × (1 - 実効税率)) + 減価償却費 - 設備投資 - 運転資金増減額

【フリーキャッシュフローの利用場面】
  1. 新規事業資金
  2. 株主分配
  3. 返済

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

Documents
  • 02
  • 04
プレミアム案件・お役立ち情報

関連する記事

人気の記事

人気の記事ランキング

新着一覧

最近公開された記事