2022年08月27日更新
事業売却とは?手続きの流れやメリット・注意点を知って高値で事業売却しよう
事業売却とは、会社にある事業を売却することをさします。しかし、事業譲渡との違いを把握している経営者の方は少ないです。この記事では、事業売却・事業譲渡がどのようなものか解説します。事業売却の手続きの流れやメリット、注意点なども詳しく紹介します。
目次
1. 事業売却とは
事業売却とは、会社にある事業を売却することです。事業には、設備・機械・知的財産・ブランド・従業員など、事業に必要なすべての財産が含まれます。
会社にある1つの事業を売却した場合も、複数の事業を売却した場合も、事業売却と呼ばれます。会社売却とよく混同されますが、会社売却とは会社におけるすべての財産を売却することです。
事業売却と会社売却では、売却する対象が異なります。どのような目的で事業売却を行うのか確認しましょう。
事業売却の意義
事業売却は、会社が事業の全部あるいは一部を他社へ譲渡することです。
株式譲渡・会社分割・合併などのM&A手法と比べると、事業売却は契約により譲渡の対象となる事業を選べる点に特徴があります。資産や負債も、契約によって自由に選びやすいです。
会社分割との違い
事業売却と会社分割はM&Aの手法の1つであり、譲渡企業の事業の全部、または一部を別の会社に承継させるという点でも同じです。
事業売却と会社分割では、会社法上の組織再編に該当するかどうかの違いがあります。 会社分割は、会社法上の組織再編行為に該当します。 これに対して、事業売却は事業資産を個別に取引する売買行為で、会社法上の組織再編には該当しません。
また、会社分割は事業部門単位での包括承継となるので、事業譲渡では引き継げない許認可も買い手側が引き継げます。とはいえ、事業の種類によっては新たに取得が必要な許認可もあるので要注意です。
いずれの手法を選択するかは、会社の状況に合わせて決定すると良いでしょう。
合併との違い
事業売却と合併の主な違いは以下のとおりです。
- 会社の消滅の有無
- 権利義務が包括承継か個別承継か
- 従業員の承継方法
- 競業避止義務の有無
- 債務の承継
事業売却で売り手の法人格は消滅しませんが、合併では存続会社以外は消滅します。また、権利義務に関しては、事業売却では契約により債権債務を個別に引き継ぎますが、合併では消滅会社の権利義務を包括的に引き継ぐ点が大きな特徴です。
事業売却の2つの目的
事業売却では主に2つの目的が挙げられます。
- 経営の効率化
- 事業再生
これらの目的を解説します。
経営の効率化
事業売却の目的のほとんどが、経営の効率化です。複数の事業を持つ会社の場合、経営方針として選択と集中を迫られる場面があります。1つの事業に絞って会社を成長させる考え方です。
会社の財務状況が悪化した場合も、経営の効率化を図るために赤字事業を売却することがあります。事業を売却し会社の経営を立て直す手段として事業売却が活用されやすいです。
事業再生
事業売却は、事業再生のためにも行われます。事業再生とは、業績不振や債務超過などの事業を立て直すことです。
後継者がいなかったり赤字だったりする会社が廃業すると、顧客や取引先への影響力が大きい事業を他社に売却することで事業や従業員を守ります。自社の力で存続できないため、資金力のある別会社へ売却し、事業を存続させることが理想です。
このように赤字事業ですが、事業を存続させる必要がある場合に事業売却を選ぶことがあります。
事業売却の方法
事業売却をする場合、以下の手法を選んで手続きを行います。
- 事業譲渡
- 株式譲渡
それぞれどのような手法なのか解説します。
事業譲渡
事業譲渡とは、事業そのものを売却する方法をいいます。一般的に、事業売却といえば事業譲渡をさす場合がほとんどです。事業の所有者が変わる手続きなので、売却後も会社自体は存続します。
事業におけるすべての契約や権利を買い手が引き継ぐので、手続きが非常に複雑です。譲渡の対価は現金ですが、対価を受け取るのは会社です。経営者が資金を得るには社内で仕組みを作らなければならないため、注意しましょう。
株式譲渡
株式譲渡とは、自社の株式を譲渡して会社の経営権を譲渡することです。株主が変わって経営権が移るだけのシンプルな事業売却の方法です。
株式譲渡は、対象企業の資産・負債を全て引き継ぎます。株式を譲渡すると、売り手の経営者は現金を手に入れることが可能です。株式譲渡では一部の事業を売却できません。すべての事業、つまり会社自体を譲る手続きが株式譲渡です。
2. 事業売却を行う手続きの流れ
続いて、実際に事業売却するときの流れを解説します。事業売却をする際は、大きく9つのステップに分けられます。
- 社内で検討する
- 事業売却に向けた準備
- M&A仲介会社に相談する
- 買い手候補企業を選定する
- トップ面談を行う
- 基本合意契約を交わす
- デューデリジェンスを行う
- 最終合意契約を交わす
- 統合作業を行う
事業売却の流れを順番に解説します。
①社内で検討する
まず、事業売却の実施を社内で検討します。経営者1人で事業売却の構想を練っても社内の協力がなければ成功できません。検討する内容は、以下のとおりです。
- 本当に事業売却が最善の経営判断か
- ほかの選択肢はないか
- どのような企業に事業売却をするか
- いつまでに事業売却をするか
- 売却する事業の範囲はどこまでか
しっかりと合意を得た状態で事業売却を進める必要があります。取締役会やキーパーソンを集めて検討しましょう。
②事業売却に向けた準備
次に、事業売却に向けた準備です。
買収側は売却側を探す準備として、決算書三期分の準備などを行います。売却側は、買収先の条件の絞り込みなどを実施します。
③M&A仲介会社に相談する
次に、M&A仲介会社へ相談します。M&A仲介会社とは、事業売却や会社売却のサポートを行う会社です。M&Aアドバイザーと呼ばれる専門家が在籍しています。
M&Aアドバイザーは、売却先の選定やアプローチ、交渉の立ち合いやアドバイスを実施します。事業売却をするための業界知識だけでなく、法務や税理、会計などのさまざまな知識を有するので、事業売却をスムーズに進めるためにもM&A仲介会社に相談しましょう。
M&A総合研究所では、知識や経験が豊富なM&Aアドバイザーが案件をフルサポートいたします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。
無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問合せください。
④買い手候補企業を選定する
M&A仲介会社に相談したら、買い手候補を選定してもらいましょう。社内検討で決めた事業売却の目的や買い手の理想像を伝えることで、事業売却の成功に近づきます。
気になる買い手候補を選出したら、M&A仲介会社が会社を売り込む提案資料を用いてアピールします。買い手候補が興味を持てば秘密保持契約を締結し、社名や詳しい内部情報が公開される仕組みです。買い手が交渉したい意思を示せば、トップ面談に移ります。
⑤トップ面談を行う
秘密保持契約の締結後、譲渡対象の事業内容や財務情報が記載されたIM(インフォメーション・メモランダム)の書類が買い手に共有されます。お互いに事業売却の話を進めたい場合は、経営者同士でトップ面談を行いましょう。
トップ面談では、売却・買収に至った経緯や経営者としての理念・経営方針を話し合います。トップ面談にはM&Aアドバイザーも立ち会うため、安心して臨めます。気になることがあればトップ面談で質問し、自社の事業を譲渡しても良いか判断してください。
⑥基本合意契約を交わす
トップ面談を繰り返し行った後、事業売却の条件に関して話し合い、基本合意契約を交わします。基本合意契約を交わす前に、買い手から意向表明書が提示されるかもしれません。
意向表明書とは、買収方法・買収価格・買収条件などの提案が書かれた資料のことです。意向表明書をもとに条件のすり合わせを行い、最終的に合意した内容で基本合意契約を交わしましょう。次のデューデリジェンスで問題がなければ、この条件で事業売却が成立します。
⑦デューデリジェンスを行う
基本合意契約の締結後、買い手によるデューデリジェンスが行われます。デューデリジェンスとは、譲渡対象となる事業の資産やリスクをあらかじめ買い手が調査することです。
過去の業績や売り上げはもちろん、法務・税務・会計など多角的に調査し、事前にリスクや課題を洗い出すことで買収後の解決策が立てられます。書類の提出や現場訪問の立ち合いなど、売り手に依頼されることがあるので、できるだけ迅速に応え正しい内容を報告してください。
⑧最終合意契約を交わす
デューデリジェンスで重大な問題がなければ、最終合意契約を交わして事業売却は成立します。最終合意契約締結に向けて、以下のことを両社で決めましょう。
- 売却価格
- 売却価格の受け取り方法
- 従業員の処遇
- 最終契約までのスケジュール
- 引き継ぎのスケジュール
基本的には、基本合意条約の内容が反映されます。しかし、デューデリジェンスによって新たにリスクが見つかれば条件が変更するかもしれません。
一度最終合意契約を交わすと覆すことは困難です。内容を把握し、納得したうえで最終合意契約書を交わしましょう。
⑨統合作業を行う
最後に統合作業を行います。統合作業とは、売却した事業で働いている従業員を買い手企業のシステムに統合させることです。社内の業務システムや人事評価システムなど、時間をかけてなじませなければなりません。
統合作業と同時にクロージングも進めましょう。クロージングとは、譲渡対価の受け取りや契約・権利・不動産の名義変更など事業売却で必要な手続きを完了させることです。
統合作業もクロージングも、売り手の経営者から積極的に協力しましょう。
3. 事業売却の成功事例
ここで、事業売却の事例を紹介します。2017年2月、東芝はグループ企業が運営する石炭火力発電事業をファンドへ売却し、財務体質強化を実施しました。東芝の孫会社が運営する石炭火力発電事業の三池発電所を、IDIインフラストラクチャーズ3号投資事業有限責任組合へ譲渡しています。
孫会社が新設分割による会社に事業を承継、新設会社の全株式を特別目的会社へ譲渡する方法で実施しています。東芝は財務が悪化し、事業売却による経営基盤を強化するため保有資産につき保有意義を見直して売却を進めました。本事業は九州のベース電源として高い収益力を持ちますが、今後市場などの環境変化に併せて設備投資や事業体制の拡大化が必要です。
東芝はこれを踏まえ、本事業の可能性を最大限に発揮し事業価値を最大化させるためにも、本事業を発電事業の第三者に譲渡するのが適当であると判断しました。孫会社は発電事業会社として2カ所の発電所を運営、事業者向けに電力を販売しています。そのうちの1つは技術開発の拠点機能も担い東芝グループで活躍しています。
4. 事業売却のメリット
紹介した事例のように事業売却にはメリットがあります。売却側と買収側に分けて、事業売却のメリットを解説します。
売却側のメリット
まずは、売却側のメリットです。
- 資金を得られる
- 一部の事業のみを譲渡できる
- 残したい従業員や資産を残せる
3つのメリットを順番に解説します。
資金を得られる
事業売却をすると、対価として資金を得られます。売却する事業には、ヒト・モノ・カネ・情報・ノウハウといった多くの財産が含まれているためです。
これらの財産に対して買い手は支払います。事業売却後における新規事業の立ち上げや借入金の返済に充てることも可能です。ただし、経営者が資金を受け取るわけではありません。事業売却の場合、法人が対価としての資金を受け取るので注意しましょう。
一部の事業のみを譲渡できる
事業売却をすると、会社の一部の事業のみを譲渡でき、残った事業で会社を存続できます。赤字の不採算部門のみを売却するなど、会社に不要な事業のみを売却できます。
多角経営している場合、選択と集中に迫られる局面も少なくありません。そのようなとき、事業売却をすれば会社を残したまま組織再編できる点はメリットです。
残したい従業員や資産を残せる
事業売却をすれば、残したい従業員や資産を会社に残せます。つまり、会社で必要なヒト・モノ・カネ・情報・ノウハウを残すことが可能です。
事業売却は会社売却と違い、売却する資産を選べます。決めた内容は契約書に記載し、譲渡するもの・しないものを明確にしなければなりません。買い手の同意が必要なため、交渉に時間がかかることも留意してください。
買収側のメリット
次に、買収側のメリットです。
- 取引対象の範囲を選べる
- 負債・債務の承継が不要
- 負債・債務の承継が不要
3つのメリットを順番に解説します。
取引対象の範囲を選べる
買収側は、取引対象の範囲を選べます。つまり、譲り受けたい事業の範囲を選択することが可能です。利益が見込める事業、譲り受けたい人材を選べるので、自社が求める部分のみを譲り受けられます。
会社の債務は引き継ぐ必要がなく、財務面のリスクを負う必要がありません。必要な事業のみ譲り受けることが可能な点は、大きなメリットといえます。
負債・債務の承継が不要
事業売却では、債務や負債などを引き継ぐ必要がありません。株式譲渡では会社全体が譲渡対象なので、売却側に債務があればその債務も引き継ぎます。
買収側にとって、負債・債務の承継が不要で将来性がある事業のみを選んで譲り受けられる点はメリットです。ただし、商号を継続して用いる際は、承継する事業により生じた債務を引き継ぐこともあります。
節税効果が見込める
買収側では、節税効果が見込めるメリットも得られます。事業売却では、のれんに相当する額の償却や有形固定資産の減価償却を買収側の損金として計上することが可能です。
計上額は課税対象外となり、節税効果が期待できます。
5. 事業売却を高値で行うための3つの条件
M&Aで会社や事業の売却額を上げる3つの条件を取り上げます。
- 事業の利益が出ている
- 独自の強みを持っている
- 健全な法務・財務状況である
1つずつ条件を解説します。
①事業の利益が出ている
事業売却の売却額で最も重要なポイントは、事業の利益が出ているかどうかです。過去3年〜5年の利益を見て事業の将来性が判断されます。
単純に売り上げを見るのではなく利益が注目されるため、しっかりと売り上げを伸ばし経費削減を行いましょう。将来性をアピールするため今後5年間の事業計画を提示することも有効です。
②独自の強みを持っている
独自の強みを持っていると、事業売却の売却価格を引き上げられます。例えば、独自の技術力や特許などです。
優秀な営業マンや固定客、販売ネットワークを事業の強みとしてアピールできます。買い手に「お金を払ってでも手に入れたい」と思わせる強みを探すために、自社分析を行いましょう。
③健全な法務・財務状況である
常に健全な法務・財務状況をキープすれば、事業売却の売却価格を高められます。デューデリジェンスの詳しい調査によって少しでもリスクが見えると、買い手による提示額は大きく引き下げられるためです。具体的には、以下のリスクを排除しましょう。
- 訴訟問題
- 簿外債務
- 会計処理や確定申告の不正
- 従業員や取引先との不適切な契約
マイナス要素はすべてなくし、健全な経営状況を保ってください。
6. 事業売却をするときの注意点
事業売却をする際に、気をつけるべき注意点が3つあります。
- 負債も一緒に承継されるとは限らない
- 譲渡益に税金が発生する
- 売却手法によって株主による承認が必要になる
非常に大事なポイントのため、事業売却前に把握しましょう。
①負債も一緒に承継されるとは限らない
事業売却を行う際、負債も一緒に承継されるとは限りません。事業売却の手法である事業譲渡は、承継範囲(譲渡範囲)を両社の話し合いで決めるためです。
赤字を理由に売却を決断した場合でも、現在の借入はそのまま会社に残ることも可能性として考えなければなりません。事業売却で負債も承継したいなら、しっかりと時間をかけて買い手と交渉しなければならないことを覚えておきましょう。
どうしても負債を手放したい場合は、株式譲渡の手法を検討する必要があります。株式譲渡では、会社の持つ資産・負債をすべて譲渡し、負債も必ず承継させられるためです。ただし、会社の存続はできないため、メリット・デメリットを考えて手法を決めましょう。
②譲渡益に税金が発生する
事業売却によって得た譲渡益に対して税金が発生します。譲渡益とは、事業の売却価格から事業の純資産や経費を差し引いた額です。事業を売却したことで得た利益をさします。
M&A仲介会社への業務委託やコンサル料は、経費として差し引くことが可能です。事業売却をする前に、どれくらいの税金が発生するのか確認しましょう。
③売却手法によって株主による承認が必要になる
事業売却の手法によっては株主による承認が必要とされます。会社の経営は代表取締役や取締役が実行しますが、会社を所有しているのは株主です。会社にとって重要な事業の売却を実施する場合は、株主の承認が求められます。
株主の多くから同意を得るためには、事業売却の説明を実施しなければなりません。
7. 事業売却の取引価格
事業売却では、売却側・買収側の交渉により取引価格が決まります。売り手企業や事業の価値評価を行い、それを交渉のベースとするのが一般的です。この評価方法をバリュエーションと呼んでいます。
バリュエーションには専門的かつ複雑な算定方法が数多く存在しており、M&A仲介会社などの専門家に依頼し、複数の算定方法を組み合わせて算定結果を導き出すのが一般的です。事業譲渡の算定結果で得られる金額を簡単に表現すると、以下のとおりです。
- 事業時価純資産額+のれん代(営業権)
8. 事業売却で発生する税金
事業売却は、会社の事業を売る行為です。事業売却をすると利益が発生して税金がかかります。株式譲渡か事業譲渡かによって、事業売却で課税される税金が異なるので詳しく解説します。
事業譲渡で発生する税金
事業譲渡で事業売却をした場合、譲渡益は法人税の対象となります。事業譲渡の場合、対価を受け取るのは会社です。法人税は、譲渡益の19%~23.2%程度で、各企業によって税率は異なります。
事業譲渡による事業売却には、消費税も発生します。課税対象となる資産における10%分の消費税を支払わなければなりません。
株式譲渡で発生する税金
株式譲渡で事業売却をした場合、株主が法人か個人かによって発生する税金が異なります。株主が法人の場合は、事業譲渡と同じように法人税を支払わなければなりません。
株主が個人の場合は、譲渡益ではなく譲渡所得となるので注意してください。譲渡所得は所得税・住民税の対象で、所得税が15.315%、住民税が5%なので、譲渡所得における20.315%の税金を払う必要があります。
9. 事業売却に関する会計処理方法
事業売却をした場合は、会計処理も適切に行わなければなりません。売り手企業と買い手企業で会計処理方法が変わるので、それぞれの会計処理を解説します。
売り手企業の会計処理
まずは、売り手企業の会計処理方法です。事業売却後に、事業売却によって生じた損益を仕訳処理します。ここからは、具体的に仕訳の例を確認しましょう。
- 譲渡資産の帳簿価格:1,000万円
- 譲渡負債の帳簿価格:600万円
- 付随費用:50万円
- 譲渡価格:1,500万円
借方 | 貸方 | ||
譲渡負債 | 600万円 | 譲渡資産 | 1,000万円 |
付随費用 | 50万円 | 現預金 | 50万円 |
現預金 | 1,500万円 | 移転損益 | 1,100万円 |
譲渡益や譲渡損は移転損益の科目で会計処理をします。実際には譲渡資産名は詳細に科目を入れるため、アドバイザーと相談しながら会計処理を進めてください。
買い手企業の会計処理
続いて、買い手企業の会計処理方法を解説します。事業売却の会計処理では、「のれん」の計上が重要です。のれんとは、買収した事業のブランド力・ノウハウ・従業員の能力・特許などの価値をさします。
会計処理方法は、買収した事業の純資産(時価)と取得にかかった金額の差額分を計上します。具体的に仕訳の例を解説します。
- 譲受資産の時価:700万円
- 譲受負債の時価:300万円
- 取得原価:1,500万円
借方 | 貸方 | ||
譲受資産 | 700万円 | 譲受負債 | 300万円 |
のれん | 1,100万円 | 現預金 | 1,500万円 |
「のれん」は、20年以内の期間で均等償却します。売却後も毎年処理するため、その点も留意してください。
10. 事業売却を行うなら必ずM&A仲介会社に相談しよう
事業売却をする際は、M&A仲介会社に相談しましょう。初めての事業売却は、労力と時間がかかるうえ失敗のリスクも大きいためです。売却先の選定や交渉などを、自社内で完結させるのは難しいです。しかし、M&A仲介会社に相談すれば、以下の業務を任せられるので安心です。
- 事業売却完了までのスケジュールと戦略の決定
- 買い手企業の選定
- 売却条件の交渉サポート
- アドバイザーなど専門家の紹介
M&A仲介会社は、事業売却成立までの道筋を示してくれます。経営者と2人3脚で事業売却を進めるので頼れる存在です。M&A仲介会社に依頼すると、以下のメリットも得られます。
- 事業売却関連の業務を任すことで、本業に集中して収益性を上げられる
- 企業価値の正しい算定により適正な取引が実現する
- 上手な交渉により売却価格を最大限まで引き上げられる
- 事業売却で想定されるトラブルを事前に避けられる
- 事業売却後のトラブル・リスクを減らせる
M&A仲介会社に相談するメリットは多いです。事業売却の成功率を上げるためにも、M&A仲介会社を活用しましょう。
11. 事業売却の相談は「M&A総合研究所」がおすすめ
事業売却をお考えの際は、M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問合せください。M&A総合研究所をおすすめする理由は、主に以下の3つです。
- 事業売却の手法を相談できる
- 迅速に買い手候補を紹介してくれる
- 専任のアドバイザーからサポートが受けられる
①事業売却の手法を相談できる
事業売却の手法をご相談していただくと、適切な手法を判断できます。事業譲渡を検討していても、税金、手続き、負債状況の観点など、最適な手法はケースバイケースです。
専門知識を持つM&A総合研究所にご相談いただければ、それぞれの手法におけるメリット・デメリットを説明いたします。
②迅速に買い手候補を紹介してくれる
M&A総合研究所では、迅速に買い手候補を紹介いたします。買収に積極的な会社の情報が常にありますので、多くの買い手候補の紹介が可能です。社内検討で決めた買い手の理想像をお伝えいただければ、条件に合う企業を紹介いたします。
同業会社の買い手を探しがちですが、「Aという会社が新規事業を進めている」など、通常では知り得ない情報をもとに紹介いたします。
③専任のアドバイザーからサポートが受けられる
M&A総合研究所では、知識や経験が豊富なM&Aアドバイザーが案件をフルサポートいたしますので、安心してお任せいただくことが可能です。
最短3カ月でM&Aを成約した実績を有するなど、機動力にも強みがあります。
12. 事業売却のまとめ
事業売却とは、会社にある事業を売却することです。事業売却を決めた場合は、M&A仲介会社に相談してください。上手にM&A仲介会社を頼りながら、自社を成長させるために事業売却を成功させましょう。
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