株式譲渡承認請求書とは?書き方・手続き方法【テンプレート/雛形あり】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

譲渡制限株式を譲渡する場合は、会社法により株式譲渡承認請求書の提出が必要です。事では、株式譲渡承認請求書の書き方や手続き方法について、わかりやすく解説しています。また、そのまま複写して使える株式譲渡承認請求書もテンプレート/雛形も用意しています。

目次

  1. 株式譲渡承認請求書とは?
  2. 株式譲渡承認請求書の書き方
  3. 株式譲渡承認請求の手続き方法
  4. まとめ
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1. 株式譲渡承認請求書とは?

株式譲渡承認請求書とは

出典: https://pixabay.com/ja/%E6%9B%B8%E3%81%8D%E8%BE%BC%E3%81%BF-%E3%83%9A%E3%83%B3-%E7%94%B7-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AF-%E7%B4%99-%E9%89%9B%E7%AD%86-%E6%89%8B-%E6%8C%87-%E9%9D%92%E3%81%84%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%84-1149962/

株式譲渡承認請求書とは、所有する株式を譲り渡す際に、株式の発行会社に提出する書類のことです。

会社は株式譲渡承認請求書の提出を求め、承認機関で譲渡の良し悪しを判断。会社の価値を損なわないようにしているのです。

株主の意思に任せて株式が譲渡されると、会社にとって好ましくない人物に株式が渡ったり、所有者を把握することが難しくなったりします。

そこで、株式の譲渡しを行う場合には、株式譲渡の承認を得ることと、定款に定めているのです。

株式譲渡自由の原則

株式の譲渡は、株式譲渡自由の原則(会社法127条)で、自由に譲渡することが認められています。ただし、法律や契約、定款で制限を定めている場合には、自由な譲渡を許されません。

株式譲渡承認請求書を提出するケースは、この株式譲渡の制限に該当するため、承認機関への請求を必要とするのです。

株式譲渡承認請求が必要な株式

株式譲渡承認請求書の提出を必要とする株式は、譲渡制限株式と呼ばれる株式です。会社法では、一部の株式にのみ、株式譲渡承認請求書を提出することを定めています。

そのため、譲渡する株式が譲渡制限株式なら、承認機関に譲渡制限株式の譲渡を請求することが求められるのです。

譲渡を希望する株主は、会社からもたらされる通知によって、株式の譲渡や買い取りに対応します。

譲渡制限株式を発行する会社

会社法(2条5号)では、発行する株式に譲渡制限をつけているかによって、会社の種類を分けています。ひとつは、公開会社。発行する株式のすべてや一部に、譲渡制限をつけていない会社を指します。

もうひとつが、非公開会社。発行する株式のすべてに、譲渡制限をつけている会社です。つまり、株式を発行する会社が非公開会社であれば、所有する株式は譲渡制限株式であるといえます。

 

会社の種類 株式の種類
公開会社 株式の全部または一部に譲渡制限がない
非公開会社 株式の全部に譲渡制限がある

第三者・親族への贈与にも使われる

株式譲渡承認請求書を必要とするケースには、第三者や親族に、株式を贈与する場合にも用いられます。贈与とは、自身が所有する財産を、相手の了承を得てから、無償で他者へと譲り渡すことです。

生前贈与とも呼ばれ、株式を所有するオーナーが、第三者や親族に事業を譲り渡すときに使われています。
贈与は譲渡と違い対価が発生しないため、後継者に負担をかけずに所有する株式を譲り渡すことができる点が、大きなメリットであるといえます。

【関連】事業承継を株式譲渡で行う方法!メリット・デメリットを解説!税金が安い?

贈与を助ける相続時清算課税制度

株式を贈与によって取得した場合、贈与税を支払う義務が課せられます。贈与税の負担により、後継者への株式の贈与を控えるケースも少なくありません。

このような場合には、相続時清算課税制度を利用するといいでしょう。相続時清算課税制度とは、相続に合わせて、非課税とした贈与税を清算する制度です。

60歳を超える両親・祖父母から、20歳を超える子ども・孫への生前贈与で利用することができ、同じ人物からであれば2,500万円までの贈与が控除されます。

ただし、この制度を利用する場合は基礎控除の対象外となり、精算時に限度額を超える贈与があった場合は、超過分に対して20%の贈与税が課せられます。

相続時清算課税制度の注意点

この制度では、相続する資産と控除された贈与額が相続税の対象となり、税金の支払いを先送りされるものです。

つまり、控除された贈与の税金を支払う義務がなくなったわけではない点には、注意をしておきましょう。

また、贈与の控除は、限度額に達するまで何回でも適用されるため、数年に渡り贈与を行う場合には、相続時に多額の相続税が課せられる可能性がある点にも注意が必要です。

相続・贈与税の納付猶予制度を利用する

相続・贈与税の支払いを猶予してもらえる制度が新たに設けられました。平成30年度の税制改正により、事業承継税制に特例措置が加えられたのです。特例措置には次のような内容が挙げられています。

 

  • 猶予の対象は、相続・贈与によって取得したすべての株式
  • 猶予される税額は、全額を対象とする
  • 適用対象の拡大(譲渡人1名→譲受人3名まで、複数の譲渡人→譲受人1名)

事業承継税制の適用期間は、平成30年1月1日~平成39年12月31日までの相続・贈与とされています。また、制度の適用を受けるには、手続きが必要となるため、詳しい情報を知りたい場合は、財務省のページをご覧ください。

【関連】【平成30年改正】事業承継税制のメリット・デメリットまとめ!

上記のような、相続時清算課税制度相続・事業承継税制の贈与税納付猶予制度は、メリットが多いため有効に活用すべきですが、将来的に課せられる税金などについては注意をしておかなければなりません。

事業承継税制を利用する際は、会計士・M&A仲介会社など専門家のアドバイスを受けながら、進めていくほうがいいでしょう。

M&A総合研究所では、事業承継に豊富な知識・実績を持つ公認会計士が、一括サポートを行います。

無料相談を行っていますので、事業承継をご検討の方は、ぜひお気軽のお問い合わせください。

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2. 株式譲渡承認請求書の書き方

株式譲渡承認請求書の書き方

出典: https://pixabay.com/ja/%E5%A5%91%E7%B4%84-%E7%9B%B8%E8%AB%87-%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9-%E4%BC%9A%E8%AD%B0-%E3%83%98%E3%83%83%E3%83%89-%E7%A7%98%E6%9B%B8-%E6%89%8B-%E7%90%86%E8%A7%A3-%E9%85%8D%E7%BD%AE-408216/

株式譲渡承認請求書の冒頭で、譲渡への承認を要求する旨を記載したあとは、次のような項目を明記します。書き方に従って、株式の種類・数・譲渡相手を書いてください。
 

  1. 書き方① 株式の種類
  2. 書き方② 譲渡する株式数
  3. 書き方③ 譲渡の相手方

そのほかにも、書き方についての注意や、株式譲渡承認請求書のテンプレート/雛形にも触れています。
 
  • 株式譲渡承認請求書作成の注意点
  • 株式譲渡承認請求書のテンプレート/雛形

株式譲渡承認請求書の書き方・注意点・テンプレート/雛形の詳細は、次の通りです。

書き方① 株式の種類

ひとつ目に紹介する株式譲渡承認請求書の書き方は、株式の種類についての項目です。株式譲渡承認請求書に譲渡する株式の種類を、明記してください。

株式ごとに、付与されている権利が異なります。そのため、株式の種類が分かれている場合は、種類を分けた書き方を選びましょう。

株式の書き方には、次のような記載方法が用意されています。テンプレート/雛形に倣って、株式の種類を書き入れましょう。

【株式の種類・記入例】

  • ○○株式 ○○株
  • ○○株式 ○○株
 
  • 株式の種類 ○○株
  • 株式数   ○○株

また、株式の種類は「普通株」「優先株」「後配株」の3つに分けられています。

普通株

普通株とは、株主への権利を含まない株式のことです。日本で発行されている株式は、そのほとんどが普通株とされています。

優先株

優先株とは、ほかの株式よりも権利の受け取りが優先された株式を指します。会社法(108条1項1・2号)によれば、優先される権利は、株式の配当や、会社の清算後に分配される残余財産などです。

優先株は、普通株式だけでは株主を集められない場合に用いられています。業績が悪くても、権利が優先されるので、株式が集まりやすく、資金を確保しやすい手段として活用されているのです。

また、優先株のなかには、ほかの株式に換えられる・議決権がつけられていない株式も存在します。

後配株

後配株とは、普通株よりも権利の受け取りが後回しにされる株式のことです(会社法108条1項1・2号より)。そのため、株の配当や、残余財産の分配では、普通株のあとに権利の受け取りが行われます。

後配株を利用するケースは、会社を設立するときや、株主の利益を維持しつつ新たな資金を確保したりする場合などです。

書き方② 譲渡する株式数

2つ目に紹介する株式譲渡承認請求書の書き方は、譲渡する株式数の項目です。株式の種類と合わせて、譲渡する株式の数を記入します。

株式譲渡承認請求書のテンプレ―ト/雛形を参考に、以下のような並びで株式の数を明記してください。

【譲渡する株式数・記入例】

  • 譲渡する株式の種類と数 普通株式 ○○株

書き方③ 譲渡の相手方

3目に紹介する株式譲渡承認請求書の書き方は、譲渡する相手方の項目です。株式の種類・数とは項目を分けて、譲渡する相手方の住所と氏名を記入してください。

こちらも株式譲渡承認請求書のテンプレート/雛形を参考にして、必要事項を明記しましょう。

【譲渡の相手方・記入例】

  • (住所)東京都○○区○○町○○丁目○○番○○号
  • (氏名)○○太郎

株式譲渡承認請求書作成の注意点

株式譲渡承認請求書を作成する場合、次に挙げる2つの点に気をつけてください。
 

  • 書面には不承認時の対応を記載する
  • 実印を押印する

書面には不承認時の対応も記載すること

株式譲渡承認請求書を提出しても、会社の承認を得られるとは限りません。会社法139条によれば、株式譲渡承認請求書の提出を受けた会社は、承認機関において、承認・不承認の決議を行うとされています。

不承認が決議されると、株式譲渡承認請求書に記載された株式は、会社か、指定人によって買い取られます。そのため、書面には不承認とされた場合についても、株主の要望を記載しておく必要があるのです。

不承認の結果における要望は、書面の冒頭に書きましょう。株式の譲渡を明記したあとに、以下のような内容を加えます。

ふさわしい文面は、テンプレート/雛形に倣い、要望に合わせた書き方を選んでください。
 

  • 承認を得られない場合は、他の相手方を指定してください
  • 承認を得られない場合は、貴社か貴社が指定する相手方の買い取りを希望します

実印を押印すること

株式譲渡承認請求書では、印鑑の押印を必要とします。書類に捺印する印鑑には、実印を選びましょう。実印による押印を定めているわけではありませんが、以下のような理由から、株式譲渡承認請求書には、実印を押すことをおすすめします。

【実印による押印のすすめ】

  • 印鑑証明書の添付により、本人であることを証明できる

ただし、届出印を押せる場合には、実印を選ぶ必要はありません。株主名簿に登録してある届出印により、本人であることが確認されます。

また、株式譲渡承認請求書の押印には、実印・届出印のほかに、認印を押す場合もあります。とはいえ、認印には先に挙げた2つの印鑑のように、本人を証明する効力が備わっていません。そのため、届出印を押せない場合には、実印による押印をおすすめします。

株式譲渡承認請求書のテンプレート/雛形

株式譲渡承認請求書は、どのような文面で書かれているのでしょうか。株式譲渡を検討している方のために、株式譲渡承認請求書のテンプレート/雛形をまとめてみました。紹介するテンプレート/雛形を参考にして、株式譲渡承認請求書の書き方を学んでください。

どのテンプレート/雛形にも、次のような項目が必須とされています。
 

  • 株式の発行会社と代表者名
  • 譲渡する旨と、不承認における要望
  • 譲渡する株式の種類と数
  • 譲渡する相手方の名前と住所
  • 譲渡人の名前・住所・押印(届出印または、実印、認印)

①テンプレート/雛形

ひとつ目のテンプレート/雛形は、押印する印鑑に届出印を採用した株式譲渡承認請求書です。株主名簿に登録されている届出印を押印する場合にのみ、使用できるテンプレート/雛形といえます。実印や認印を使用する場合には、別のテンプレート/雛形を選びましょう。

また、こちらのテンプレート/雛形は、譲渡する相手方を先に書き、株式の種類と数の項目を、2番目に記載しています。

②テンプレート/雛形

2つ目のテンプレート/雛形は、印鑑の種類を定めていない株式譲渡承認請求書です。押印する印鑑には、届出印はもちろん、実印・認印の使用も認められています。

ただし、実印を使用する場合は、印鑑証明書の添付を忘れないようにしましょう。

3. 株式譲渡承認請求の手続き方法

株式譲渡承認請求の手続き方法

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/1759749?title=%E8%A7%92%E5%8D%B0%E3%82%92%E6%8A%BC%E3%81%99%E5%8F%B8%E6%B3%95%E6%9B%B8%E5%A3%AB%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%85%83

株式譲渡承認請求を完了させるためには、株式譲渡承認請求書の作成・提出のほかに、どのような手続きが必要なのでしょうか。株式の譲渡を行う方は、次に紹介する7つの手続きを参考に、株式譲渡承認請求を終えてください。

手続き① 株式譲渡契約の締結

ひとつ目の手続きは、株式譲渡契約の締結です。会社に株式譲渡の承認を請求する前に、譲渡を行う当事者の間で、株式譲渡の契約を済ませておきます。よく見られる契約書の内容は、以下の通りです。
 

  • 株式譲渡を行う当事者の氏名と住所
  • 譲り渡す株式の種類と数
  • 譲渡額と対価の支払時期
  • 株式名簿書換請求への協力
  • 表明保証(株式所有の保証など)

株主の証明には、株主名簿記載事項証明書を活用しましょう。会社に証明書を請求して交付を受けてください。これで、譲り渡す側に株主の証明が行えます。

手続き② 株式譲渡承認請求

2つ目の手続きは、株式譲渡承認請求書の作成と提出です。書類に必要事項を記入し、届出印や実印などを押印、印鑑証明などを添付して、株式を発行する会社に提出します。

書類を出して、株式譲渡に対する、承認・不承認を求めてください(会社法136条)。

手続き③ 取締役会の開催

3つ目の手続きは、取締役会の開催です。株式譲渡承認請求書を受け取った会社が、承認・不承認の決定を行います。一般的に株式譲渡承認請求の決議は、取締役会の決議(取締役会を設置する会社)のほか、株主総会に普通決議によるとしています。

ただし、定款で定めを設けている会社なら、取締役会を設置していても、株主総会の普通決議で承認の決議を行うことが可能です(会社法139条1項)。

議事録の作成

株主総会で会社の運営に関わる決定が下された場合、議事録を残さなければいけません(会社法318条1項)。そのため、株式譲渡承認請求の承認で、株主総会の普通決議を行うと、議事録を作成する必要があるのです。

また、株主総会を開いた日から10年の間、作成した議事録を本店に置いておく必要があります(会社法318条2項)。さらに、株主総会を開いた日から5年の間は、議事録の写しを支店にも置いておくことも定められているのです(会社法318条3項)。

ただし、議事録が電磁的記録(データ)として作成され、法務省令の定めにより、支店での議事録の閲覧と謄写が行える場合には、会社法318条3項の規定は適用されません。

議事録の内容

このように、株式譲渡承認請求の決議で、株主総会を開く場合には、議事録の作成が必要とされるのです。では、議事録にはどのような事項を記録しておくのでしょうか。議事録の内容には、次に挙げる事柄を記載しましょう。
 

  • 株主総会が開かれた日時と場所
  • 要約した株主総会の経過と、議事の結果
  • 議長・議事録の作成者名
  • 出席した役員の氏名または名称
  • 議事録の案件名
  • 株主の総数
  • 発行した株式の数
  • 議決権を持った株主の数
  • 出席した株主の数
  • 出席した株主が持つ議決権の数
  • 株式譲渡の請求者と譲り渡す相手方の氏名・住所

株主総会の出席は、当時開催した場所に居なくても認められることがあります。遠方からテレビ電話などで参加をしていれば、決議に出席したとみなされるので、議事録を作成するときには注意をしてください。

議事録の案件名

議事録の案件名には、「議案 株式譲渡承認の件」と明記しましょう。議事録の案件名を記載したあとは、議事の内容を簡潔に書き記す文章を続けてください。

議事録への押印

会社法では、議事録に印鑑を押す義務の定めはありません。実印などの印鑑を押したり、署名を書いたりする必要がないのです。とはいえ、一般的には定款によって、実印などの印鑑を押印する人物を定めています。

実印などの印鑑を押す人物には、議長と出席した役員を指定していることが大半です。そのため、株式譲渡承認請求の議事録では、記録の作成と押印が必要だといえます。

【関連】株主総会議事録「株式譲渡承認の件」の書き方や注意点【雛形あり】

手続き④ 株式譲渡の承認・非承認の決定

4つ目の手続きは、株式譲渡の承認・非承認の決定です。承認機関で、株式譲渡承認請求の決議が行われます。承認機関が不承認の決議を行った場合には、内容を通知するまでの期間が定められています。

承認の請求を受けてから、2週間以内に不承認の内容を知らせなければいけません。定めた期間を超えてしまうと、株式譲渡の請求は、承認されたものとみなされます(145条1号)。

手続き⑤ 株式名義書換請求

5つ目の手続きは、株式名義書換請求です。承認機関で株式の譲渡しが承認されれば、株式を発行する会社から、承認の知らせが届きます(139条2項)。通知を受け取ったら、会社に対して、株主名簿の書き換えを請求してください。

株式の譲渡が認められても、株主名簿では譲り渡す側の名義のままで、譲受側への変更が行われていません。そのため、承認の通知を受けたら、株式名義書換請求を行う必要があるのです。

また、株式名義書換請求書の提出は、譲渡・譲受側が共同して行うとされています(133条2項)。一般的には、譲渡に関わる双方の署名・捺印(実印)・印鑑証明が必要です。

株式名義書換請求書の作成

株式名義書換請求書を作成する場合、書面に記載する内容には、次のような事項を明記しましょう。
 

  • 請求先の会社名
  • 書換を希望する株式の種類と数
  • 譲渡人・譲受人の氏名(法人名)と住所
  • 双方の押印(実印・印鑑証明を添付)
  • 株式を発行する会社の場合には、株券番号

印鑑の種類に、決まりはありません。ただ、実印を用いることで、譲渡人・譲受人による押印が証明されます。そのため、株式譲渡承認請求書と同様に、実印を押し、印鑑証明を添付した提出方法をおすすめします。

手続き⑥ 株式譲渡を実行

6つ目の手続きは、株式譲渡の実行です。株式名簿の書き換えを終えてから、株式譲渡契約に基づき、株式の譲渡を完了させてください。

手続き⑦ 株主名簿記載事項証明書の交付

7つ目の手続きは、株主名簿記載事項証明書の交付です。株式を譲り受けた側は、会社に対し、証明書を発行してもらいましょう。株式名簿記載事項証明書を所持することで、株主の証明が行えます。

株式譲渡が不承認だった場合

ここまでは、株式譲渡承認請求の承認について、手続きの流れを説明しました。では、株式譲渡承認請求が不承認だった場合、会社はどのような対応で譲渡を希望する株主に応えるのでしょうか。

株式譲渡承認請求書を提出し、承認機関により不承認の決議が出ると、譲渡を希望する株式は、会社か指定人により、買い取りが行われます(会社法140条1・4項)。

①会社が買い取る場合の流れ

会社が株式を買い取る場合は、株主総会の特別決議により、株式を買い取ることと、買い取る株式の数を決定します(会社法140条2項)。もちろん、株式譲渡を求めた株主は、決議の当事者のため、議決権の行使を禁じられています。

ただし、当事者以外の株主すべてが、議決権を行使できない場合に限り、株式譲渡を求めた株主に議決権の行使が認められるのです(会社法140条3項)。

会社が株式の買い取りを決定すると、譲渡を求めた株主への通知が行われます(会社法141条1項)。通知の内容は、以下の通りです。

 

  • 株式を買い取ること
  • 買い取る株式の数

また、会社は通知に合わせて、一株当たりの純資産額×買い取る株式の数で算出された金額を、本店がある地域の供託所に納めなければいけません。さらに、供託を証明する書類を株主へ交付する義務も設けられています。

株式譲渡が承認されるケース

不承認の通知を受けてから、40日を超えても買い取りの通知が送られてこなかった場合には、株式譲渡が承認されたものとみなされます(会社法145条2項)。

株券発行会社の場合には注意が必要

株券を発行する会社の場合、株式の譲渡を求めた株主は、供託を証明する書面を受けてから1週間以内に株券を供託所に納めなければいけません。供託所は、会社の供託金が納められたところです。

さらに、株主には遅れることなく、供託の完了を会社に知らせることが義務づけられています(会社法141条3項)。株券を供託しなければ、株式の買い取りが解除されてしまうので、注意をしてください(会社法141条4項)。

②指定買取人が買い取る場合の流れ

指定した人物が買い取りを行う場合は、株主総会や取締役会(取締役会を設置する会社)の決議によって、買取人が指定されます(会社法140条4・5項)。ただし、定款に定めを設けている場合は、その他の機関での決議が可能です(会社法140条5項)。

指定された買取人は、譲渡を希望した株主に対して、以下の内容を知らせます(会社法142条1項)。
 

  • 指定買取人が株式の買い取りを行うこと
  • 買い取る株式の種類と数

指定買取人も会社と同様に、通知に合わせ、供託所(会社の本店がある地域)に、一株当たりの純資産額×買い取る株式の数で算出した額を納めます。加えて、供託の証明書を株主に交付することが求められているのです(会社法142条2項)。

株券発行会社についての注意点も、会社による買い取りと同じです。交付を受けてから1週間以内に、株券を納めなければ、株式の買い取りは解除されてしまいます(会社法142条3・4項)。

株式譲渡が承認されるケース

不承認の通知をしてから10日以内に、指定した買取人による株式の買い取りを伝えなければ、株式譲渡を承認したとみなされます。

指定された買取人は、会社による買い取りと比べて通知を行うまでの期間が短いため、期間の違いを把握しておくことが必要です(会社法145条2号)。

不承認時の売買価格の決め方

株式譲渡承認請求が不承認とされた場合、株式は会社か、指定人によって買い取りが行われます。では、株式の売買価格は、どのようにして決まるのでしょうか。不承認における株式の売買価格は、以下のような行為によって決められます。

 

  1. 協議
  2. 裁判所への申し立て

【関連】株式譲渡の金額・価格の決め方!低額譲渡・高額譲渡の注意点も解説!

協議により決定

株式の買い取りを通知すると、会社か指定買取人と、株主(または株式を譲り受ける人)の間で、売買価格が協議されます(会社法144条1項)。

裁判所に申し立てて決定

協議を行っても売買価格が決まらない場合は、裁判所に申し立てをします。申し立てを受けた裁判所が、株式の売買価格を決定するのです(会社法144条4項)。申し立ては、会社・指定買取人からでも、株主・譲り受ける側のどちらからでも行えます。

申し立ての期間は、株式の買取通知を受けてから、20日以内です(会社法144条2項)。期間内に申し立てがなかった場合は、裁判所が売買価格を決定。一株当たりの純資産額×買い取る株式の数から、金額が算出されます(会社法144条5項)。

4. まとめ

まとめ

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/97064?title=%E6%A1%88%E5%86%85%E3%82%92%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A5%B3%E6%80%A73

株式譲渡を行う際は、株式譲渡承認請求書の作成以外にも、株式譲渡の契約を結んだり、株式名義書換請求をしたりと、譲渡を行うまでにいくつもの手続きが必要です。

株式譲渡承認請求書の作成については、登記時でも雛形を用意していますが、作成にあたっては専門的な知識も不可欠となるため、M&Aの専門家によるアドバイス・サポートを受けて進めることをおすすめします。

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