総数引受契約書とは?記載事項や作成時の注意点を解説!雛形あり

Medium
この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

総数引受契約とは、募集株式を発行する際、特定の引受人に株式を引き渡す契約方法です。本記事では、総数引受契約書の記載事項や総数引受契約の手続き方法、総数引受契約書を作成する際の注意点などを解説します。また、総数引受契約書の雛形も併せてご紹介します。


目次

  1. 総数引受契約とは
  2. 総数引受契約書の記載事項
  3. 総数引受契約書の雛形
  4. 総数引受契約書を作成する際の注意点
  5. 総数引受契約書の手続きと必要書類
  6. まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談

1. 総数引受契約とは

総数引受契約とは

総数引受契約とは、募集株式の発行会社が、募集株式の引き受け人をあらかじめ決めたうえで募集株式を引き渡す契約のことです

総数引受契約では、1人の引き受け人にすべての募集株式を引き渡すこともできますし、複数人に引き渡すこともできます。

総数引受契約の目的

募集株式の発行会社は、総数引受契約によって手続きを簡略化することができます。募集株式を発行して出資を受ける場合、まだ出資者が決まっていないケースと、すでに出資者が決まっているケースがあります。

まだ出資者が決まっていないのであれば、募集株式の引き受け人を募集し、複数人いた場合は募集株式の割り当て配分を決めなければなりません。しかし、出資者が決まっているうえで募集株式を発行するのであれば、上記の手続きは不要です。

そのため、通常の手続きではなく、総数引受契約による手続きを行うことによって、手続きを簡略化し、出資を受けるまでの期間を短くすることができます。

総数引受契約の英語訳

総数引受契約は英語で「Underwriting Contract」または「Underwriting Agreement」と言います。

直訳すると、Underwritingは引き受け、ContractとAgreementは契約を意味します。

第三者割当増資との違い

第三者割当増資とは、総数引受契約を用いることができる募集方法のことです。出資を募る方法には、不特定多数から出資を募る公募増資と、特定の相手から出資を募る第三者割当増資があります。

総数引受契約は株式の引き受け人をあらかじめ決めたうえで行う契約方法なので、公募増資では用いることができません。

つまり、総数引受契約は第三者割当増資と別の手法ではなく、第三者割当増資を簡便に行うための方法であるといえます。

【関連】第三者割当増資の株価への影響の理由や事例を紹介!メリット・デメリット、算出方法も解説!

2. 総数引受契約書の記載事項

総数引受契約書の記載事項

総数引受契約書では、一般的に以下の事項を記載します。実際の記載方法については、後述する総数引受契約書の雛形の章でご紹介します。

  1. 募集株式の種類・株式数
  2. 募集株式の割当て方法
  3. 募集株式の払込み金額
  4. 増加する資本金・資本準備金に関する事項
  5. 払込み期日
  6. 払込みを取り扱う場所

①募集株式の種類・株式数

募集株式の発行では、引き受け人の要望などによって、さまざまな優先権を付与した種類株式を発行することがあります。そのため、総数引受契約書には募集株式の種類や株式数を明確に記載します。

②募集株式の割当て方法

募集株式の引き受け人は複数人いることもあるので、総数引受契約書には、募集株式の引き受け人の名前と、引き受け人ごとに割り当てる株式の種類・株式数を記載します。

③募集株式の払込み金額

総数引受契約書には、募集株式1株あたりの払込み金額も記載します。実際の払込み金額は、割り当てられた募集株式数に1株あたりの払込み金額を乗じた金額となります。

④増加する資本金・資本準備金に関する事項

資本金・資本準備金についての記載は必須ではないものの、総数引受契約書は変更登記の際に提出する書類でもあるため、増加する資本金・資本準備金に関する事項は記載した方が良い項目です。

⑤払込み期日

総数引受契約書には、払込み日を指定している場合は該当日を、払込み期間で指定している場合は最終日を記載します。

⑥払込みを取り扱う場所

総数引受契約書では払込日と共に、払込みを行う金融機関も指定します。変更登記では払込みがあったことの証明書類も必要となるので、払込みは余裕を持って行う必要があります。

【関連】株式譲渡した際、登記申請や定款変更は必要?

3. 総数引受契約書の雛形

総数引受契約書の雛形

以下は総数引受契約書の雛形です。総数引受契約書には法令で定められた形式がありませんが、以下の雛形は最低限必要となる一般的な記載事項です。雛形を基に、必要に応じて記載事項を追加します。


              募集株式の総数引受契約書
株式会社〇〇(以下甲)及び本引き受け人□□(以下乙)は以下の通り募集株式の総数引受契約を締結する。

第1条.甲は乙に対して、新たに発行する募集株式100株全てを割り当てる。乙は本契約に承諾し募集株式の総数の引受を行う。

第2条.募集事項

⒈募集株式の種類及び数
普通株式100株

⒉募集株式の払込金額
募集株式1株につき金10万円

⒊金銭の払込期日
令和5年4月11日

⒋増加する資本金
募集株式1株につき金5万円

⒌増加する資本準備金
募集株式1株につき金5万円

⒍払込取扱場所
東京都新宿区〇〇
□□銀行 △△支店

本契約成立の証として本書2通を作成し、署名又は記名捺印の上、各1通を保有する。

令和5年4月10日

甲:

乙:

4. 総数引受契約書を作成する際の注意点

総数引受契約書を作成する際の注意点

総数引受契約書を作成する際は、以下の点に注意が必要です。

  1. 株式の引受人・募集事項に注意
  2. 引受権に対する異議申し立てに注意
  3. 譲渡制限株式の取扱いに注意
  4. 表明保証条項に対する違反に注意

①株式の引受人・募集事項に注意

公開会社が募集株式を発行することにより、特定引受人が議決権の2分の1を超える場合は、総数引受契約で定めた代金支払い期日の2週間前までに、特定引受人の氏名や議決権数などを通知、または公告を行わなければなりません。

②引受権に対する異議申し立てに注意

上記の通知・公告から2週間以内に、少数株主が総数引受契約に対して異議申し立てを行った場合、会社側は支払い期日の前日までに株主総会を開催し、株主から総数引受契約への同意を得なければなりません。

ただし、現実的には株主総会の開催に時間がかかり、総数引受契約に弊害が生じる可能性もあります。そのため、当該会社はあらかじめ株主総会で株主の同意を得ておくという方法もあります。

また、やむを得ない事情がある場合は、株主総会を開催せずに手続きを進めることが特例として認められています。

③譲渡制限株式の取扱いに注意

公開会社は、上記のように支配株主の異動が伴う場合以外は株主総会の開催が必要ありません。

しかし、定款で株式譲渡制限が定められている非公開会社の場合は、株主が少数でも変わると経営に与える影響が大きいことから、募集株式の発行数に関わらず株主総会の開催が必要です。

④表明保証条項に対する違反に注意

特定引受人は表明保証に注意が必要です。表明保証とは、契約内容や提供した企業情報に間違いがないことを保証する書面です。

総数引受契約が完了した後、募集株式を発行した会社に契約違反などがあった場合、総数引受契約の特性上、返金請求が通らないことがあります。

トラブルを防ぎ円滑に総数引受契約を進めるためにも、M&A仲介会社などの専門家に相談することをおすすめします。

M&A総合研究所では、実務経験豊富なM&A専門の会計士が専任に就き、契約交渉や書類作成などフルサポートいたします。

無料相談を行っていますので
総数引受契約書の作成に関するご相談やM&Aに関するご相談の際は、お気軽にご連絡ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談WEBから無料相談

5. 総数引受契約書の手続きと必要書類

総数引受契約書の手続きと必要書類

総数引受契約では以下の手続きが必要です。

  1. 取締役会での決定
  2. 株主総会の特別決議
  3. 総数引受契約の締結
  4. 株式引受人による出資金の払込み
  5. 登記申請

①取締役会での決定

取締役会設置会社は、総数引受契約に関する決定を取締役会で行います。具体的には、募集株式の種類・発行数、引き受け人、定款の変更、株主総会の開催などの事項を決定します。登記申請の際には、取締役会議事録が必要となります。

②株主総会の特別決議

支配株主の異動や反対株主からの請求があった場合など、株主総会の開催が必要となった場合は、株主総会を開催して株主からの承認を得ます。変更登記の際には、株主総会の議事録が必要です。

③総数引受契約の締結

取締役会や株主総会で承認が得られたら、当事者間で総数引受契約を締結します。この時取り交わした総数引受契約書は変更登記の際に必要です。

④株式引受人による出資金の払込み

払込み期日を迎えたら、引き受け人は出資金を払込みます。払込み証明書や資本金への計上証明書は変更登記の際に提出します。

⑤登記申請

登記申請の際は、上記の書類や登記申請書など、募集株式の種類に応じた書類と共に登記申請を行います。契約内容によって必要書類が違うので注意が必要です。

【関連】株式譲渡制限会社とは?株主総会の許可がなければ株式譲渡できない?

6. まとめ

まとめ

本記事では、総数引受契約書の記載事項や作成時の注意点などについて解説してきました。また、総数引受契約書の雛形をご紹介しました。

総数引受契約とは、募集株式の発行会社が、特定の引き受け人に募集株式を引き渡す契約のことです。

総数引受契約書では、一般的に以下の事項を記載します。

  1. 募集株式の種類・株式数
  2. 募集株式の割当て方法
  3. 募集株式の払込み金額
  4. 増加する資本金・資本準備金に関する事項
  5. 払込み期日
  6. 払込みを取り扱う場所

総数引受契約書を作成する際は、以下の点に注意が必要です。
  1. 株式の引受人・募集事項に注意
  2. 引受権に対する異議申し立てに注意
  3. 譲渡制限株式の取扱いに注意
  4. 表明保証条項に対する違反に注意

総数引受契約では、以下の手続きが必要です。
  1. 取締役会での決定
  2. 株主総会の特別決議
  3. 総数引受契約の締結
  4. 株式引受人による出資金の払込み
  5. 登記申請

契約交渉や手続きの進行、書類の作成には専門的な知識と経験が必要です。M&A総合研究所では、会計の専門家が専任につき一括サポートを行うため、迅速で円滑な手続きが可能です。手数料は業界最安値水準となっているので、安心して依頼することができます。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. M&Aに強い会計士がフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
まずはお気軽に無料相談してください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

電話で無料相談WEBから無料相談
  • 02
  • 03
  • 04
  • 05

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ