2022年06月06日更新
英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却!業界動向や相場、手法、案件探しも解説【成功事例あり】
本記事では、英会話教室・語学学校・英会話スクールのM&A・買収・売却に関して、業界動向・売却相場・よく利用されるM&A手法や手続きの流れなどを説明します。英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aを成功させるポイントも解説します。
目次
1. 英会話教室・語学学校とは
英会話スクール・英会話教室・語学学校は堅調な伸びを見せる業種の1つで、M&Aも今後さらに活発になると考えられています。この章では、英会話スクール・英会話教室・語学学校の市場規模や学習塾との違いなど、基本的な事項を取り上げます。
英会話教室・語学学校の市場規模
矢野経済研究所の「語学ビジネス市場に関する調査を実施(2021年)」によると、2020年における英会話スクール・英会話教室・語学学校の市場規模は、前年度と比べると10.8%減り、7,817億円でした。
しかし、幼児や子供を中心に生徒が戻りつつあるため、市場は回復すると考えられています。
参考:矢野経済研究所「語学ビジネス市場に関する調査を実施(2021年)」
英会話スクールとの違い
英語の語学学校を英会話教室や英会話スクールと呼ぶこともあるため、「これらの違いは何か」と思う方も少なくありません。しかし、基本的に英会話教室と英会話スクールの意味は同じであり、両者を区別して使うケースはそれほど見られません。
学習塾との違い
学習塾とは子供向けに学校教育の補足を行う施設であり、英会話スクール・英会話教室・語学学校とは性質が異なります。学習塾では英語以外にも国語・数学などの各教科を指導する一方で、英会話スクール・英会話教室・語学学校では英語を始めとする語学のみを教えます。
英会話スクール・英会話教室・語学学校では、就学前の児童や成人などを対象とする点が学習塾と異なります。
2. 英会話教室・語学学校の業界動向と課題
英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aを成功させるためには、業界動向や業界の課題を把握することが重要です。この章では、英会話スクール・英会話教室・語学学校の業界動向と課題を解説します。
英会話教室・語学学校の業界動向
近年、英会話スクール・英会話教室・語学学校では、グローバル化や外国語教育における改革の影響を受けてニーズが伸長し、市場規模が拡大しています。オンライン英会話などサービスの多様化も進んでいることから、今後とも市場が拡大する見込みです。
英会話教室・語学学校の課題
英会話スクール・英会話教室・語学学校では市場規模が拡大し堅調である一方で、競争が激化しており生き残りが厳しい状況です。いかにして他の英会話スクール・英会話教室・語学学校とサービスを差別化するかが、今後の課題といえます。
3. 英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却動向
ここでは、英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却に見られる以下4つの動向を解説します。
- 需要の増加に合わせてM&Aも増加傾向
- 学習塾グループによるM&Aも増加
- 講師不足を解消する目的のM&Aも見られる
- 後継者不在の問題を解消するためのM&Aも増加
①需要の増加に合わせてM&Aも増加傾向
英会話スクール・英会話教室・語学学校は市場規模が拡大し、需要の増加に合わせて新規参入や事業拡大を目指したM&Aが増加しています。
②学習塾グループによるM&Aも増加
近年は、城南進学研究社や京進といった学習塾グループが塾経営のノウハウを生かし、英会話スクール・英会話教室に参入するケースが多いです。
③講師不足を解消する目的のM&Aも見られる
M&Aは、事業拡大以外に、人材確保を目的として行われるケースも多くあります。この傾向は英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aでも同様であり、講師不足を解消する目的でM&Aを行うケースも見られる状況です。
④後継者不在の問題を解消するためのM&Aも増加
語学ビジネス市場では、後継者不在の問題に悩む経営者も多く見られます。後継者不在の問題は、語学ビジネス市場のみならず多くの中小企業が抱えている問題であり、実に半数以上の企業が悩まされている状況です。
とりわけ語学ビジネス市場では外国語を流ちょうに行えるスタッフが求められることから、他の業種と比べて後継者に求められるスキルが専門的であり、後継者不在に陥る企業が多いです。
4. 英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却相場
M&A・買収・売却の価格は最終的に売り手と買い手との交渉で決まるため、一概に相場を提示するのは非常に難しいです。英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却事例では取引額が公開されていないものが多く、実態がわかりにくい理由の1つとされています。
とはいえ、大手マッチングサイトの案件を見ると、小規模の英会話スクール・英会話教室・語学学校の売却相場は、数百万円や1,000万円~3,000万円程度の価格帯が多いことがわかります。
5. 英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却のメリット・デメリット
本章では、英会話教室・語学学校を対象とするM&A・買収・売却を行う際に生じる可能性のあるメリット・デメリットの中から、代表的なものをピックアップし解説します。
買収側のメリット・デメリット
買収側で期待される代表的なメリットは、以下のとおりです。
- 経営戦略をスピーディーに実行できる
- 弱点を補える
買収側にとって最も大きなメリットとして、経営戦略をスピーディーに実行できる点が挙げられます。会社を経営するうえで、さまざまな状況に対するスピーディーな対応が非常に重要ですが、M&Aによる買収では、短期間で新規事業に参入できるようになるなど、スピーディーな経営戦略を講じられる可能性が高まります。
上記に対して、代表的なデメリットは以下のとおりです。
- 簿外債務・偶発債務を承継してしまうおそれ
- 自社にふさわしい売却側が見つかるとは限らない
M&Aで引き継ぐ簿外(偶発)債務は、過度でなければ大きな問題に発展するおそれはないものの、M&A後に大きな問題が発覚することは避ける必要があります。これを実現するうえで、徹底的なデューデリジェンスの実施が求められます。
売却側のメリット・デメリット
続いて、売却側で期待される代表的なメリットは、以下のとおりです。
- 後継者不在の問題を解消できる
- 従業員の雇用を確保できる
- 譲渡利益を得られる
仮にM&Aではなく廃業を選択すれば、従業員の職を奪ってしまうおそれがあります。しかし、M&Aを行うと、従業員は職を失うことなく、かえって以前よりも待遇が良くなる可能性があります。
上記に対して、売却側では以下のようなデメリットの発生が問題となるおそれがあります。
- 従業員のモチベーションが低下し、離職につながる
- 良好な取引相手が見つかるまでに多くの時間がかかる可能性がある
M&Aを行うことで従業員は職を失くさずに済むメリットがあるものの、会社の評価システムの変化や環境の変化があることに不満を感じてしまい、離職につながってしまうおそれがあります。
6. 英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却手法を解説
M&Aには複数種類の手法があり、英会話スクール・英会話教室・語学学校を買収・売却する際は、いかなる手法を選ぶのか十分に検討する必要があります。この章では、英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却に用いられる主な手法を紹介します。
株式売却(譲渡)
株式譲渡(株式売却)とは、譲渡企業(下図のA社)の株式を譲受企業(B社)へ売却し、譲受企業が譲渡企業の経営権を得るM&A手法のことです。
株式譲渡は、英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aで最も広く利用されるM&A手法であるため、M&A手法を選ぶ際はまず株式譲渡から考えるのが一般的です。
事業売却(譲渡)
事業譲渡(事業売却)とは、英会話スクール・英会話教室・語学学校に関する事業資産を売却するM&A手法のことです。
株式譲渡と違って株式は譲渡しないため、譲渡企業(下図のA社)の経営権はそのまま残ります。事業譲渡は株式譲渡に続いて広く利用されているM&A手法です。
その他のM&A手法
英会話スクール・英会話教室・語学学校における株式譲渡・事業譲渡以外のM&A手法には、第三者割当増資・株式交換・株式移転・合併・分割・資本提携・業務提携などが挙げられます。
このうち、第三者割当増資・株式交換・株式移転・合併・分割は、主に大企業が利用するM&A手法であるため、株式譲渡や事業譲渡に比べると英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aで使われることは少ないです。
- 第三者割当増資
- 株式交換
- 株式移転
- 合併
- 分割
- 資本提携
- 業務提携
7. 英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却の流れ
英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aをスムーズに進めるには、あらかじめ流れを把握することが大切です。この章では、英会話スクール・英会話教室・語学学校におけるM&A・買収・売却の流れを解説します。
- M&A仲介会社などに相談
- M&A先の選定・交渉
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
①M&A仲介会社などに相談
英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aを行う際は、専門的な知識や経験および売買先を探すネットワークが必要不可欠です。特に経営者のみで自社に適した売却先を探すのは難しいため、まずはM&A仲介会社などの専門家に相談することをおすすめします。
②M&A先の選定・交渉
M&A仲介会社に相談し、「どのようなM&Aを行いたいのか」「相手先に希望する条件」などを伝えると、M&A仲介会社はそれを踏まえてM&A先をピックアップします。その候補先の中から交渉を進めたい相手先を決定すると、M&Aの成立に向けた交渉が進む段取りです。
③基本合意書の締結
M&A先の候補が決まったら、双方の経営者が実際に会って面談し、M&Aを行えるかどうかを検討します。その後、交渉が進んでM&Aに関する諸条件が固まったら、基本合意書を締結し合意内容を書面にします。
④デューデリジェンスの実施
基本合意の段階では、買い手企業はまだ売り手企業の詳細を把握していません。とりわけ財務内容などは買収時に重要となるため、最終契約を締結する前に十分に調査する必要があります。
買い手企業が売り手企業の内容を調査する作業は、「デューデリジェンス」と呼ばれています。デューデリジェンスは、財務・法務・税務など多岐に渡ります。買い手にとって費用と手間がかかるものの、M&Aを成功させるうえで必須のプロセスです。
⑤最終契約書の締結
デューデリジェンスを実施し、売り手企業に問題がないことが判明すれば、最終契約書を締結してM&Aを確定させます。
⑥クロージング
最終契約書を締結したら、株式や事業資産などを譲渡して代金の支払いを行い、契約内容を実行する「クロージング」の作業です。このクロージングによって、M&A取引の手続きは完了します。
8. 英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却の成功事例
この章では、英会話スクール・英会話教室・語学学校におけるM&A・買収・売却の成功事例から、以下の6例を紹介します。
- 京進によるダイナミック・ビジネス・カレッジのM&A
- 城南進学研究社によるアイベックのM&A
- KDDIによるイーオンホールディングスのM&A
- ヒューマンアカデミーによる米・カナダ語学学校運営会社のM&A
- 京進によるコペル・インターナショナルのM&A
- レアジョブによるリップル・キッズパークのM&A
①京進によるダイナミック・ビジネス・カレッジのM&A
2018年12月、京進は株式譲渡の手法によりダイナミック・ビジネス・カレッジを連結子会社としました。ダイナミック・ビジネス・カレッジは日本語学校を運営し、京進は学習塾を運営する会社です。
これにより、京進は新規事業として日本語教育事業を展開し、その他の語学事業にもシナジー効果が発揮することを狙っています。
②城南進学研究社によるアイベックのM&A
2018年8月、城南進学研究社はアイベックの株式を取得し、子会社化しました。城南進学研究社は城南予備校などを運営する会社で、アイベックは企業向けの英会話スクール・英会話教室などを手掛ける会社です。
城南進学研究社における社会人教育への進出などが、本件M&Aの目的とされています。
③KDDIによるイーオンホールディングスのM&A
2018年1月、KDDIはイーオンホールディングスの全株式を取得し、完全子会社化しました。KDDIは「au」ブランドのモバイル通信やインターネットサービスなどを手掛ける会社で、イーオンホールディングスは英会話スクール・英会話教室のイーオンなどを展開する持株会社です。
本件M&Aの実施により、KDDIの通信技術とイーオンホールディングスの英会話スクール・英会話教室サービスを融合させ、バーチャル英会話などの新しいサービスの提供を目指しています。
④ヒューマンアカデミーによる米・カナダ語学学校運営会社のM&A
2017年5月、ヒューマンアカデミーはカナダとアメリカの語学学校運営会社3社をM&Aで子会社化しました。ヒューマンアカデミーは、英会話スクール・英会話教室を始めとする教育事業を展開する会社です。
留学事業の強化および小学校英語教師の育成事業などが、本件M&Aの目的です。
⑤京進によるコペル・インターナショナルのM&A
2017年4月、京進はコペル・インターナショナルの全株式を取得し、完全子会社化しました。京進は学習塾や英会話スクール・英会話教室などを運営する会社で、コペル・インターナショナルは「コペル英会話教室」を運営する会社です。
子供向けサービスに強い京進と、大人向けサービスに強いコペル・インターナショナルの協働によるシナジー効果の獲得および京進の首都圏への進出などが本件M&Aの目的とされています。
⑥レアジョブによるリップル・キッズパークのM&A
2016年12月、レアジョブはリップル・キッズパークの全株式を取得し、完全子会社化しました。レアジョブはオンライン英会話スクール・英会話教室「レアジョブ英会話」を運営する会社で、リップル・キッズパークは子供向けオンライン英会話スクール・英会話教室「リップル・キッズパーク」を運営する会社です。
レアジョブは、オンライン英会話スクール・英会話教室の事業拡大を目的として、本件M&Aを実施しています。
9. 英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却を成功させるポイント
英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却を成功させるには、以下のポイントを押さえることが大切です。
- M&A・買収・売却戦略を入念に準備する
- 経営状態を把握しできる限り黒字化する
- 人材の流出などが起こらないように慎重に進める
- 簿外債務などの問題が起こらないように確認する
- 相性の良いM&A仲介会社を見つける
①M&A・買収・売却戦略を入念に準備する
M&Aでは、準備不足のために失敗してしまうケースが多く見られます。英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aは、本格的な手続きに移行する前の段階で、戦略を入念に準備することが大切です。
②経営状態を把握しできる限り黒字化する
英会話スクール・英会話教室・語学学校を買収する側は、「できれば黒字経営の会社を買収したい」と考えます。売却する側はM&Aの手続きに移行する前に、自社の経営状態を把握したうえで、できる限り黒字化しておくことが重要です。
③人材の流出などが起こらないように慎重に進める
M&Aは従業員の労働環境を大きく変える取引であるため、不満を持った従業員が退職するケースも少なくありません。英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aは、講師などの人材流出などが起こらないよう慎重に進める必要があります。
④簿外債務などの問題が起こらないように確認する
英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aで買い手が懸念する点の1つに、簿外債務・偶発債務の存在が挙げられます。買収後に売り手の簿外債務が発覚すると買い手にとって大きな損失となり、場合によっては将来の経営にも大きな悪影響を与えます。
売り手は事前に自社の財務・会計をチェックし、簿外債務などの問題が起こらないように確認しましょう。
⑤相性の良いM&A仲介会社を見つける
英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aでは、仲介会社などの専門家に相談し、サポートを受けながら進めることをおすすめします。M&A仲介会社はそれぞれ異なる強みや特徴を持つため、自社と相性の良いM&A仲介会社を見つけることが大切です。
10. 英会話教室・語学学校のM&A・売却案件の探し方
英会話教室・語学学校におけるM&A・売却案件の探し方として、マッチングプラットフォームを活用する方法があります。
最近はマッチングプラットフォームの数が増加傾向にあり、質も向上しています。時間や場所を気にせずに案件を探せるため、積極的に活用を検討してみると良いでしょう。
11. 英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却に関する相談先
英会話スクール・英会話教室・語学学校のM&Aをお考えの際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、M&Aの豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが案件をフルサポートします。
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12. 英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却まとめ
英会話スクール・英会話教室・語学学校は市場規模が拡大しているため、M&Aは今後さらに活発になると考えられます。M&Aの手続きやポイントを知ることが、英会話スクール・英会話教室・語学学校経営者にとって今後重要となるでしょう。
もしも不明な点があれば、M&A仲介会社などの専門家に相談し、サポートを得ることをおすすめします。
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