電気工事会社の事業承継の方法は?後継者がいなくても会社を残そう!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

電気工事会社の事業承継を考えたとき身近に後継者がいなくて困っている方も珍しくありません。しかし、M&Aを行えば自社を残すことができるので、すぐに諦めるのはもったいないです。今回は、電気工事会社の事業承継方法や成功のポイントを見ていきます。

目次

  1. 電気工事会社の3つの事業承継方法
  2. 電気工事会社が廃業するとどうなる?
  3. 電気工事会社の後継者がいなくてもM&Aで簡単に解決できる!
  4. 電気工事会社の事業承継の成功事例
  5. 電気工事会社が事業承継する流れ5ステップ
  6. 電気工事会社が事業承継に失敗する5ケースと対策
  7. 電気工事会社の事業承継でかかる税金と利用すべき制度
  8. 電気工事会社の事業承継は早めに専門家にご相談を!
  9. まとめ
  • 電気工事・管工事会社のM&A・事業承継

1. 電気工事会社の3つの事業承継方法

電気工事会社の3つの事業承継方法

電気工事会社の事業承継方法には、以下の3つがあります。

  1. 親族内承継
  2. 親族外承継
  3. M&A

この中のいずれかの方法を実施できるケースがほとんどなので、事業承継を諦める必要はありません。実は、事業承継は身近な人に引き継いでもらう以外にもやり方があるのです。

それぞれの方法について、順番に確認していきましょう。

方法1.親族内承継

まず挙げられるのが、親族内承継です。この方法は、自分の親族を後継者にします。

できるなら親族内承継で、電気工事会社を引き継ぎたいと思っている経営者の方は珍しくありません。親族に事業承継できれば、会社は身近なままなので安心してリタイアできるためです。

また、親族には贈与だけではなく相続でも財産を譲れるので、ギリギリまで働き続けることも不可能ではありません。さらに後継者がすぐに事業用資産を引き継いだ分の贈与税を支払えないときも、相続であれば時間の猶予ができます。

しかし、近年では親の会社を親族が承継するケースは減ってきています。その理由はさまざまですが、子供に自由に仕事を選んでほしいと考える経営者が増えてきているのも理由の1つです。

親族が乗り気であれば、親族内承継を選んで後継者教育に取り組みましょう。もしも親族内に後継者が見つからないなら、親族外承継かM&Aを検討してみてください。

方法2.親族外承継

親族内承継の次に検討するべきなのが、親族外承継です。親族外承継では、会社の従業員や役員を後継者に選びます。

一緒に働いてきてすでにノウハウや経営理念をある程度わかっている後継者が選べるのがメリットです。もしも社内に後継者にしたい人がいるなら、一度話し合ってみましょう。

注意するべき点は、事業承継の資金作りについてです。親族外承継では現経営者の財産を贈与して渡すことになります。そうなると贈与税という税金が発生し、後継者は納税しなければなりません。

後継者に納税する資金がなければ事業承継が行えないので、事前に節税対策と資金作りをしておくことが大切です。社内に後継者候補が見当たらない場合や、どうしても納税資金が準備できそうにないなら、M&Aを検討しましょう。

方法3.M&A

親族内承継と親族外承継が難しいときでも実行できるのが、M&Aによる事業承継です。M&Aとは、会社の合併や買収を意味します。

これは、他社と合併することや、他社に買収してもらうことで会社を引き継いで残す方法です。M&Aで事業承継をすれば事業規模も買い手とあわさって大きくなるので、これまで以上の事業の発展が期待できます。

M&Aと聞くと不穏なイメージがある方もいるかもしれません。しかし、日本でのM&Aは友好的なものが多く、買い手との話し合いによっては従業員の処遇も良くなるので安心してください。

もしもあなたの会社に価値を感じてもらえれば、高額な売却益を受け取れる可能性もあります。

帝国データバンクの調査では、建設業界全体で後継者不在の会社は約71%(2017年)となっており、全業界の中で最も高い数値です。後継者を自分で見つけることができそうにないなら、M&Aで事業承継をしましょう。

以上、電気工事会社が事業承継をする3つの方法でした。身近に後継者が見つけられなくても、M&Aで事業承継ができるので心配はいりません。

事業承継についてもっと詳しく知りたいなら、『事業承継とは?事業承継の方法・流れやポイントを徹底解説!』を参考にしてください。

しかし、「M&Aは難しそうだし、知らない人に会社を引き継がれるくらいなら廃業しようかな」と、お考えの方もいるのではないでしょうか。電気工事会社が廃業するとさまざまな損失があるので、事前に確認しておくべきです。

2. 電気工事会社が廃業するとどうなる?

電気工事会社が廃業するとどうなる?

電気工事会社が廃業すると、以下の4つの損失が生じてしまいます。

  1. 頑張ってくれた従業員の仕事がなくなる
  2. お世話になった取引先に迷惑がかかる
  3. 設備の廃棄などに費用がかかる
  4. 現経営者が精神的なダメージを負う

さまざまなところに影響が出るので、できる限り廃業は避けるべきです。廃業を決める前に、それぞれの損失について順番に見ておきましょう。

 

頑張ってくれた従業員の仕事がなくなる

電気工事会社を廃業してしまうと、今まで頑張ってくれた従業員の仕事が急になくなります。

事前に告知して転職先を探してもらうことになるでしょうが、必ずしも良い職場がスムーズに見つかるとは限りません。優秀な技術者なら転職自体はできる可能性は高いものの、スキルを活かせる環境かは確実ではないです。

従業員の仕事がなくなれば、従業員の家族などにも影響が出ます。そのため、廃業を従業員に告知することを心苦しく思う経営者は多いです。

廃業すると従業員を困らせてしまうのは避けられないことだと言えます。

お世話になった取引先に迷惑がかかる

電気工事会社を廃業してしまうと、お世話になった取引先にも迷惑がかかります。今まで定期的に仕事を受注してきた取引先がいるなら、今後は別の会社に依頼してもらわなければならないのです。

電気工事会社なら長い付き合いの取引先がいくつかあるということは珍しくありません。急に廃業するとなると、取引先には非常に大きな迷惑がかかります。もしも前の経営者からの付き合いがある取引先があるなら、廃業を伝えるのは非常に心苦しいはずです。

できるだけ迷惑をかけないように、廃業を決めた段階で取引先には伝えて今後の依頼先を探してもらうことが必要です。

設備の廃棄などに費用がかかる

電気工事会社の廃業には、設備の廃棄などに費用がかかることも知っておかなければなりません。

廃業することは無料ではできず、さまざまな費用が発生します。たとえば、電気工事会社なら資材や工具を廃棄する費用が必要です。

また、事務所があるなら入居時の状況に戻す原状回復費用も必要となることがあります。トータルでは6人以上の規模の会社なら、およそ半数が0円超え〜100万円未満の廃業費用を支払っているのです。

せっかくM&Aで事業承継ができるのに、安易に廃業を選ぶのは金銭面で非常にもったいないと言えます。

現経営者が精神的なダメージを負う

今まで経営してきた電気工事会社を廃業するということで、現経営者が精神的ダメージを負うことも避けられません。

「もうリタイアするからどうなっても構わない」と今は思っていても、いざ廃業手続きを行うときには残念に感じる経営者がほとんどです。

どの方法でも事業承継さえ行っておけば、会社は存続します。会社が続いていればリタイア後も安心して見守れるので、廃業は極力避けるべきでしょう。

電気工事会社が廃業することによって、以上のような損失が出てきます。親族内承継や親族外承継ができないとしても、M&Aで事業承継をするべきです。

事業承継をすれば、4つの損失すべてを回避することができます。M&Aも専門家のサポートを受ければ難しいことはしなくて良いので、安心してください。

3. 電気工事会社の後継者がいなくてもM&Aで簡単に解決できる!

電気工事会社の後継者がいなくてもM&Aで簡単に解決できる!

電気工事会社の後継者がいなくても、M&Aをすることで簡単に解決できます。専門知識がなくても、M&A仲介会社に依頼すればほとんど手間はありません。

廃業手続きを自分で進めていく方が労力がかかるというケースも多いです。したがって、後継者がいない場合でもM&Aで会社を存続させましょう。

「自社を買いたいと思う人なんているのだろうか?」と、不安に思う方もいるかもしれません。しかし、電気工事の業界は現在M&Aで会社を売りやすいのでチャンスです。

電気工事会社の業界は人材不足のためM&Aしやすい

電気工事会社の業界は、人材不足になっているのでM&Aがしやすい状況です。

たとえば、第1種電気工事士は2020年に想定する需要よりも2万人ほど不足することが予想されています。これは、高齢な電気工事士が退職していくためです。

また、電気工事士になる人が減ることによって、将来的には第2種電気工事士も不足していくと考えられています。さらには電気主任技術者も知名度不足によって、入職率の低さが問題となっているのが現状です。

このように、業界では人材不足な傾向があるので、優秀な人材をM&Aをしてでも集めておきたいと考える経営者は珍しくありません。

あなたの会社にも買い手がつく可能性は高いので、安心して手続きを進めていきましょう。ここで、実際にあった電気工事会社の事業承継の成功事例を確認しておきます。

4. 電気工事会社の事業承継の成功事例

電気工事会社の事業承継の成功事例

電気工事会社の事業承継の成功事例として、以下の2つをご紹介します。

  1. 西日本電工がミライト・テクノロジーズに引き継いだ事例
  2. 塚田電気工事がTTKに引き継いだ事例

これらの事例を確認することで、電気工事会社の事業承継のイメージが掴めるはずです。それぞれについて、順番に見ていきましょう。

西日本電工がミライト・テクノロジーズに引き継いだ事例

ミライト・テクノロジーズ

出典:https://www.tec.mirait.co.jp/corporate/company-group.html

2017年8月に、西日本電工がミライト・テクノロジーズに事業を引き継ぎました。

西日本電工は電気設備工事や空調設備工事などの事業を行っていました。一方でミライト・テクノロジーズは、情報通信エンジニアリング技術を活用しながら電気設備事業やエネルギー事業などさまざまな事業を行っていた会社です。

西日本電工を子会社化して引き継ぐことによって、今まで以上の施工体制の強化を目指します。
 

引き継ぎ先企業 ミライト・テクノロジーズ
URL https://www.tec.mirait.co.jp

塚田電気工事がTTKに引き継いだ事例

TTK

出典:https://www.ttk-g.co.jp

2018年10月に、塚田電気工事がTTKに事業を引き継ぎました。

塚田電気工事は元請けを中心とした一般電気工事事業や電気通信工事事業などを行っていました。TKKは、情報通信設備工事事業を中心に行っていた会社です。

今後、電気工事事業を主力事業にするために、塚田電気工事を子会社化して事業の引き継ぎをしました。これによって、さらなる事業領域の拡大を目指します。
 

引き継ぎ先企業 TTK
URL https://www.ttk-g.co.jp


以上、2つの事例を紹介しました。

M&Aによって西日本電工や塚田電気工事の社長がすぐに交代するということはありませんでした。「すぐに引退したいわけではないが、将来のことを考えて行動しておきたい」というときでもM&Aによる事業承継は役に立ちます。

少しでも事業承継について意識しているのであれば、積極的に行動に移していきましょう。ここからは、電気工事会社が事業承継する流れを見ていきます。

5. 電気工事会社が事業承継する流れ5ステップ

電気工事会社が事業承継する流れ5ステップ

電気工事会社が事業承継する流れは、大きく分けて以下の5ステップです。

  1. 事業承継方法を決めて後継者を探す
  2. 事業承継の計画を立てる
  3. 技術者だけではなく経営者としても後継者教育をする
  4. 事業承継に必要な納税資金を準備する
  5. 事業承継を実行する

これらのステップを順番に踏むことで、事業承継を完了できます。何をすれば良いのかわかれば、事業承継への不安も少なくなるはずです。それぞれのステップについて、順番に見ていきましょう。

事業承継方法を決めて後継者を探す

まずは、事業承継方法を決める必要があります。すでに述べた、「親族内承継」「親族外承継」「M&A」の中からできる方法を考えましょう。

お悩みなら、以下のように順番に考えれば簡単に決めることができます。

  1. 親族で事業承継に乗り気な人がいれば入社してもらい判断する(親族内承継)
  2. 社内で経営者にふさわしい人がいて乗り気なら経営陣に入れてみて判断する(親族外承継)
  3. 親族と社内で後継者候補がいなければM&Aを選択する
後継者候補が親族内や社内にいても、必ずしもふさわしいとは限りません。冷静に話し合い、実際に経営を少しでも任せてみるなどして様子を見てから決定するのが良いでしょう。

それぞれの方法での後継者選びのポイントも見ておきます。

電気工事会社を親族内承継する際の後継者選び

電気工事会社を親族内承継するのであれば、後継者候補が熱意を持って知識や能力をつけていけるかをまず考えましょう。

今まで電気工事業務をやったことがない人が電気工事会社の経営者になるのは簡単なことではありません。第1種電気工事士や第2種電気工事士、電気主任技術者などの専門性の高い従業員をまとめることができるように、じっくり教育をしてください。

せっかく事業承継をしても、従業員が不満を覚えて退職してしまっては成功とは言えません。

親族に思い入れのある会社を継いでほしいという気持ちはわかりますが、経営者として冷静な目線でふさわしい人物を判断してください。

電気工事会社を親族外承継する際の後継者選び

電気工事会社を親族外承継するのであれば、後継者候補が他の従業員や役員とうまくやっていけるのかをまず考えましょう。

社内から後継者を選ぶのは経営の実力がある人を選びやすいです。しかし、単に経営能力の素質だけで判断してしまうと、不満に思った他の従業員や役員が今まで通り働いてくれないこともあります。

また、技術者としては一流でも、経営者としては性格が向いていないということも珍しくありません。実際に経営陣に迎え入れて、安心して会社を任せられる経営者になれそうかを判断してください。

電気工事会社をM&Aで承継する際の後継者選び

電気工事会社を親族外承継するのであれば、後継者となる買い手の条件をまず考えましょう。その後、自社の強みを考えて最適な買い手を探していきます。

買い手の条件としてよく挙げられるのが、従業員の待遇が良いことです。せっかく事業承継するのに、今まで頑張ってくれた従業員の立場が悪くなるのを避けたいと考える経営者は少なくありません。

そして、電気工事会社の強みとしては技術者の数や工事実績、取引先の数が挙げられます。条件通りの買い手を見つけたら、自社の強みをうまく伝えて興味を持ってもらいましょう。

事業承継の計画を立てる

後継者候補が決まったら、事業承継の計画を立てていきます。たとえば、以下のような内容を決めると事業承継を進めやすいです。

  • 引き継ぐ資産など事業承継の概要
  • 経営理念
  • 中長期目標
  • 後継者教育の方法とスケジュール
  • 財産の分配方法

事業承継計画を立てる際は、無理のない内容にしなければなりません。現状を整理しながら、計画を立てていきましょう。

また、引き継ぐ資産は具体的に範囲を決めるべきです。経営者個人が持っている資産を事業で使っている場合、事業承継後はどのようにするのか考えてください。

技術者だけではなく経営者としても後継者教育をする

後継者候補には、安心して会社を任せられるように教育をしなければなりません。

電気工事会社の後継者ということでついつい技術的な面ばかり伝えたくなることも多いです。しかし、会社を動かしていく経営者としても教育しておくことが必要となります。

実際に経営陣に迎え入れて重要な判断をさせてみるなど、実務を通して教育していくのが効率的です。

また、民間企業や商工会議所による後継者教育セミナーもあります。外部の人からも教育を受けてバランス良く成長して欲しいなら、セミナーに参加してもらうのも良いでしょう。

事業承継に必要な資金を準備する

事業承継を実行する前に、必要な資金を準備しておくことが大切です。

事業承継では現経営者から後継者に株式などの財産を渡さなければなりません。親族内承継や親族外承継ではその際に贈与税や相続税が発生します。

また、M&Aによる事業承継なら、所得税やM&A仲介会社への報酬が必要です。ケースによって必要な資金は大幅に異なり、計算し忘れが後から発覚すると事業承継が失敗することもあります。

なので、必要な資金の額と準備方法については専門家に相談した方が良いでしょう。親族内承継や親族外承継は税理士、M&AならM&A仲介会社に相談してみてください。

事業承継を実行する

ここまでの準備が整ったら、事業承継を実行します。

事業承継のタイミングに決まりはありません。たとえば親族内承継なら、現経営者が生きているうちに行うケースと、亡くなったときに相続で行うケースが考えられます。

後継者と話し合いながら、安心して任せられるタイミングを考えてみてください。事業承継後にケアができるので、生前に引き継いだ方がトラブルは少ないでしょう。

また、事業承継の実行前に、現経営者と後継者で取引先や従業員に挨拶をしておくことも大切です。急に経営者が変わると周囲が混乱するので、事前に告知しておいてください。

ちなみに、電気工事会社が事業承継をする際に準備すべき書類もあるので見ておきます。

電気工事会社が事業承継で準備すべき書類

電気工事会社の事業承継を実行する際には、登録電気工事業者承継届出書や添付書類を提出しなければなりません。提出先は、都道府県知事です。

事業承継の日から30日以内に出す必要があるので、事前に準備しておくとスムーズに提出できます。

添付書類は、相続なら登録電気工事業者相続証明書と承継に係る誓約書、承継者の住民票です。場合によって提出書類は大きく異なるので、地方振興事務所など都道府県の窓口に確認しましょう。

以上、電気工事会社が事業承継をする際に行うべき5つのステップを解説しました。順番に手続きを進めていけば事業承継は完了します。

しかし、手続きに不備があると事業承継は失敗してしまうので気をつけるべきです。ここからは電気工事会社が事業承継に失敗する5つのケースを具体的に見ていきます。

6. 電気工事会社が事業承継に失敗する5ケースと対策

電気工事会社が事業承継に失敗する5ケースと対策

電気工事会社が事業承継に失敗するのは、以下の5つのケースです。

  1. 条件が多すぎて後継者が見つからない
  2. 後継者の教育不足で経営がうまくいかない
  3. 取引先や従業員への説明が足りず離れられる
  4. 後継者に口を出しすぎて引き継ぎを拒否される
  5. 事業承継にかかる資金が準備できない

事業承継では、このような失敗がよくあります。事前に確認して、失敗を回避するべきです。それぞれのケースについて、順番に見ていきましょう。

失敗例1.条件が多すぎて後継者が見つからない

事業承継のよくある失敗が、後継者への条件が多すぎて誰も候補に挙がらないというものです。

今まで経営してきた会社を引き継いでもらうので、妥協したくないという気持ちは当然です。しかし、事業承継で大切なのは、後継者にある程度は任せることだとされています。

現経営者と後継者の方針が異なることで会社がより発展するという例も珍しくありません。したがって、条件がたくさんありすぎるときは、絶対に譲れない条件をさらにピックアップして買い手を探しましょう。

後継者の教育不足で経営がうまくいかない

後継者の教育不足で経営がうまくいかなくなるということもよくある失敗例です。

後継者教育には、5年程度はかかると考えておいた方が良いとされています。焦って事業承継をしても、後継者や従業員、取引先などあらゆる人が困ってしまうのです。

現経営者が高齢な場合や病気の場合など、急いで事業承継をしたいならM&Aで経営に慣れた買い手に事業を引き継いだ方が安定した経営が望めるでしょう。

取引先や従業員への説明が足りず離れられる

事業承継について取引先や従業員への説明が足りずに離れていかれることもあります。

特に中小規模な電気工事会社の場合、現経営者の人柄に惹かれている人は多いはずです。その場合、十分な説明のないまま後継者に事業承継をしてしまうと、周囲は納得しません。

最悪のケースでは、取引先に一気に取引をやめられることや、従業員が大量離職することが考えられます。そのようなことを避けるために、後継者が確定したら少しずつ関係者に説明していきましょう。

取引先や従業員の不安を聞き取りケアすることでも、事業承継が失敗する確率は大幅に下げられます。

後継者に口を出しすぎて引き継ぎを拒否される

後継者のやることに口を出しすぎて、引き継ぎを拒否されるということも考えられます。思い入れのある電気工事会社の経営について、現経営者はさまざまな希望があるはずです。

しかし、後継者本人も会社をより発展させるために多くのことを考えています。したがって、一方的に意見を押し付けるのはやめておくべきです。

相手の意見を冷静に聞きながら、どうすれば会社が良くなるのかを話し合いましょう。どうしても話がまとまらないときは、後継者を信じて任せてみるのも重要だと言えます。

事業承継にかかる資金が準備できない

後継者はいるのに、事業承継にかかる資金が準備できそうにないということもあります。

事業承継には多くのお金が必要なので、準備せずに支払おうとするのは非常に難しいです。特に親族内承継や親族外承継で必要となる納税資金は、高額になりやすいとされています。

たとえば相続で財産を後継者に引き継ぐ際に課税対象額が1,000万円なら、10%の税金がかかるのです。引き継ぐ財産が現金ならそのまま納税できますが、売ることのできない株式や事業用資産では難しいと言えます。

どうしても資金が準備できないなら、M&Aで会社を外部に引き継いでもらい、後継者として考えていた人を役員待遇にしてもらえないか話し合うのも良いでしょう。ただし、諦める前に利用を検討するべき制度もあるので、この後の『7.電気工事会社の事業承継でかかる税金と利用すべき制度』で見ていきます。

以上、電気工事会社が事業承継に失敗する5ケースと対策でした。この中でも特に難しい問題が、最後に挙げた資金についてです。

せっかく後継者がいるのに金銭面で諦めるしかないのは悔しいことだと言えます。事業承継は制度をうまく使えば必要な資金を大幅に抑えることができるので、確認しておきましょう。

7. 電気工事会社の事業承継でかかる税金と利用すべき制度

電気工事会社の事業承継でかかる税金と利用すべき制度

電気工事会社を親族内承継か親族外承継する際に気になるのが、贈与税と相続税です。後継者に現経営者が保有する株式や事業用資産を譲る際に、税金の発生は避けられません。

M&Aなら所得税が発生しても譲渡利益から支払うことができます。しかし、事業承継の贈与税と相続税はそうはいかないので事前に準備するべきです。

贈与税と相続税の税率はそれぞれ以下なので、おおよその納税額を試算してみましょう。
 

課税額 贈与税の税率 控除額
200万円以下 10% 0円
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円
 
課税額 相続税の税率 控除額
1,000万円以下 10% 0円
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

原則、贈与税の基礎控除額は110万円、相続税は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。贈与や相続を受けた額から基礎控除額を引けば、課税額になります。

たとえば、500万円分の資産を贈与で譲るとしたら、「(500万円-110万円)×20%=78万円」が贈与税です。

試しに計算してみて、金額に驚いた方もいるのではないでしょうか。納税額を後継者が準備できそうにないときに利用を検討するべき制度を見ておきましょう。

電気工事会社が事業承継の際に行いやすい節税方法

電気工事会社が事業承継の際にまず検討するべき節税方法は、以下の2つです。

  1. 事業承継税制
  2. 暦年贈与制度

2つの制度は幅広いシーンで利用しやすいものです。それぞれの制度について、順番に見ていきましょう。

事業承継税制

事業承継税制とは、中小企業の事業承継をサポートするための制度です。非上場株式を後継者に譲る際の税金が猶予されます。

したがって、現時点で納税資金を準備できない場合でも事業承継が可能です。また、条件を満たせば税金が免除されることもあるので、積極的に利用しましょう。

通常は相続税100%、贈与税80%の猶予ですが、現在は特例措置によってどちらも100%です。特例措置は2028年までで手続きは2023年までに行えば適用されます。

事業承継税制の利用には、都道府県知事の認定を受けることなどさまざまな条件があります。利用できる確率を高めるためにも、早めに事業承継に詳しい税理士などの専門家に相談すると良いでしょう。

相談する前に事業承継税制についてもっと詳しく知りたいなら、『【中小企業庁】事業承継税制とは?相続税・贈与税の納税猶予(特例)を徹底解説!』を参考にしてください。

暦年贈与制度

暦年贈与制度とは、1年間のうち110万円以内の贈与なら税金が発生しないというものです。したがって、事業承継までに時間があるなら、少しずつ財産を後継者に渡せば納税額を大幅に抑えられます。

電気工事会社を引き継ぐにあたって、そこまで渡す資産がないのなら暦年贈与制度でも対応可能です。

ただし、毎年同じ額だけ贈与し続けると連年贈与とみなされて、すべて合計した額に贈与税がかかることもあります。なので、暦年贈与を利用して節税する場合も税理士に相談した方が良いでしょう。

以上、電気工事会社の事業承継でかかる税金と利用すべき制度でした。せっかく後継者がいるのに金銭面で諦めるのはもったいないです。

まずは、制度を利用して解決できないかを考えてみましょう。そして、解決が難しいのであればM&Aでの事業承継を進めていってください。その際には専門家に相談することで納得できる事業承継ができます。

8. 電気工事会社の事業承継は早めに専門家にご相談を!

電気工事会社の事業承継は早めに専門家にご相談を!

電気工事会社の事業承継は、早めに専門家に相談しましょう。

「自分の会社はそこまで規模が大きくないから引き継ぎにも時間がかからないだろう」「まだまだ自分は働けるから事業承継については後回しにしよう」などと、考える経営者は少なくありません。

しかし、いざ事業承継をしようと思ったタイミングでもっと早めに取り掛かればよかったと考える経営者が非常に多いのも実情です。

中小企業庁の調査で、事業承継のタイミングをちょうど良い時期だったと考える経営者の年齢層は40代だと明らかにされました。したがって、50代以降で事業承継について少しでも関心があるなら、早めに行動に移していくと後悔もしなくなるでしょう。

事業承継に関する疑問やお悩みは、お気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください。

M&A総合研究所は事業承継目的の案件の経験も豊富です。電気工事会社の経営者の方のお悩みもたくさん解決してきた実績があります。

電気工事会社の事情に詳しい専門家が親身にサポートいたしますので、まずは無料相談のご連絡をいただけますと幸いです。実際にM&Aを進める際も完全成功報酬制でリーズナブルにご依頼いただけます。

もしもさまざまなM&A仲介会社を確認してから相談先を決めたいなら、『M&A仲介会社・企業ランキングTOP25!大手上場企業あり!』も参考にしてください。

9. まとめ

電気工事会社の後継者がいない場合、すぐに諦めるのはちょっと待ってください。

事業承継の方法には、親族内承継や親族外承継以外にM&Aもあります。あなたの電気工事会社を引き継ぎたいと考えている人がいないかを確かめてから、廃業を検討しなければもったいないです。

事業承継は身近な人を後継者にしなければならないわけではありません。幅広い視野で後継者を探し、今まで経営してきた電気工事会社を残しましょう。

M&Aをお考えでしたら、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。

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