M&Aを失敗する理由・事例25選【海外・日本企業】

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M&Aシニアアドバイザー
鎌田 実築

三菱UFJ銀行にて中堅中小企業法人担当として、企業再生支援、事業承継支援、資産活用コンサルティング等幅広く活動。その後M&Aアドバイザーとして複数の業種で成約実績を積み、規模・エリアも問わず幅広い相談に対応。

海外ではシェアの拡大など大規模なM&Aが行われています。もちろんM&Aは成功もあれば失敗もあります。日本国内外、規模に関わらず失敗は多く存在します。今回はそんなM&Aによる失敗とはなにか、失敗の事例を踏まえて解説していきたいと思います。

目次

  1. M&Aにおける失敗とは
  2. M&Aの失敗確率
  3. 買収側のM&Aの失敗要因
  4. 売却側のM&Aの失敗要因
  5. M&Aの失敗の理由・事例25選【海外・日本企業】
  6. M&Aの最新動向
  7. M&Aを失敗する理由まとめ
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1. M&Aにおける失敗とは

M&Aにおける失敗とは

企業のシェアを拡大し、売り上げや利益の増大を目的とした大規模なM&Aは海外ではよくあるケースとなっています。

現在、海外だけではなく、日本の大企業でも大規模なM&Aや中小企業のような問題を解決するための事業譲渡、個人事業のような小規模M&Aなど多くのM&A取引が行われています。

このM&Aとは日本でも海外でも関わらず、新規事業の参入によるノウハウの獲得やコストの削減、既存事業の強化を目的として行われるものですが、その目的を達成できれば成功、できなければ失敗となります。

多くのM&Aの失敗要因は、以下の3つに集約されます。

  1. 投資対効果が見合わない
  2. 損害が発生する
  3. 破産する場合もある

順番にM&Aの失敗要因をみていきましょう。

投資対効果が見合わない

投資対効果が得られないという要因はM&Aの失敗事例でも一番多い要因です。

不動産の購入と一緒で、競争相手がいる場合やどうしてもその企業が買収したい場合に価格が跳ね上がることがあります。

このような状況の時に勢いで買収先企業を決めてしまうと譲受をされてから、事業がうまくいっていても投資対効果がなかなか得られず失敗に終わってしまいます。

損害が発生する

買収時の評価額の査定が甘かったことが失敗の要因となり、買収した会社はのれんの減損などで巨額の損失を計上してしまうことがあります。

また、債務調査が甘くなってしまうと事業譲渡を受けたタイミングで債権も受け継ぐことになってしまう失敗事例もあります。

このような要因もあり、損害が発生し事業もうまく行かずに失敗してしまうケースもあります。

破産する場合もある

よくある失敗事例ですが、会社を買収する場合に専門家に財務やコンプライアンスの状況を調査してもらうのですが、その手続きを怠り発生するM&Aの失敗事例です。

このような失敗事例の結果としては、買収した企業の不正や不良資産に気づくことができず、最悪の状況では破産まで追い込まれることがあります。

M&Aは時として一つの企業を破産させてしまうほど効力があるものなのです。

M&Aを失敗させないためには?

M&Aを成功させたいのであればM&Aの専門家にアドバイスをしてもらうことが必須です。M&Aを実施するときには、法務・税務・会計と様々な専門知識が必要となります。

「誰に相談すべきかわからない!」とお悩みでしたら、M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所であれば、M&Aに詳しい公認会計士があなたのM&Aをフルサポートいたします。

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2. M&Aの失敗確率

M&Aの失敗確率

2016年に日本のM&A市場は15兆円と高い水準をマークしてから、ぐんぐん市場は伸び続けています。

このような状況を見るとM&Aはメリットが多く、会社の規模も拡大し成功できると考える方も多いかと思いますが、M&A市場では成功事例の方が話題になり、ニュースを埋めてしまうため実際の失敗事例を語る方は少ないのです。

M&Aの失敗事例ですが、日本だと70%が失敗していると言われていて、大半はグローバル化など海外企業買収での失敗事例が多いようです。

このような失敗事例にはいくつかの共通する要因が含まれており、その要因を理解してM&Aを行った企業は成功を収めていてその割合は30%です。

そのほかの70%は失敗、または全くM&Aの効果を得られていない企業となります。

M&Aが失敗する要因は細かなところの配慮が足りていなかったり、トラブル対策ができていないことが要因としてあげられ、様々な理由があります。

もちろん予想だにしないトラブルなどが起こりうるのがビジネスの世界なので、しょうがない状況に陥ることもありますが、失敗の要因を理解していればそれを未然に防ぐこともできます。

次の章からは、そんなM&Aでの失敗する要因と対策をあげていきたいと思います。

3. 買収側のM&Aの失敗要因

買収側のM&Aの失敗要因

ここではM&Aの失敗要因を解説していきますが、まず「買収側」の失敗する要因と対策について解説していきます。

M&Aにおいて買収する側は物を買うのと同じなので、購入後はその企業とビジネスを共にしていくことを考えると絶対に失敗はしたく無いはずです。

なのでこのM&Aの失敗の要因をしっかりと理解してM&Aにて買収を考える方は慎重に行うようにしましょう。買収側のM&Aの失敗要因は以下のようなことが考えられます。

  1. ゴールが不明確
  2. 買収企業の選択ミス
  3. FAや仲介の言いなり
  4. デューデリジェンスの不足
  5. 根拠のない自信
  6. 根拠のない価格設定
  7. 責任の所在が不明確
  8. 従業員の離脱
  9. 簿外債務の見落とし
  10. 買収対象の業績悪化
  11. 買収後の放置

詳しく確認していきましょう。

ゴールが不明確

この失敗の要因として考えられるのは、「M&Aありきの経営戦略」となってしまっていることです。

M&Aとはあくまでも成功や目的を達成するための経営戦略の手段です。しかし、M&Aをすることを目的化してしまう企業が多く、M&Aの失敗事例ではよくあります。

この場合、M&Aにて企業買収することがゴールになってしまい、M&Aにて統合・買収をすれば事業がうまくいくと思ってしまっています。ですからM&A後のアフターケアや統合後の企業の動きが考えられておらず失敗してしまうのです。

買収企業の選択ミス

基本的にM&Aを検討した場合はM&A戦略を立案してから執り行っていくと思います。

M&AにおいてはこのM&A戦略の立案は一番重要なことで一番悩ましい物でありますが、このプロセスを疎かにすることは失敗の要因となり、必ずといっていいほど失敗します。

重要なのはM&A仲介業者やアドバイザーから買収企業リストなどで企業紹介を受けるのですが、先に立てたM&A戦略を細かく決めておかないと買収企業の選択をミスしてしまうということです。

買収企業の選択の失敗は、M&Aの最初の段階では失敗したこと気づきにくく、合併・買収後にリスクに気づくことがありその時にはもう手遅れになるというパターンが多いです。

このようなことが無いように必ずM&Aの事前準備として買収企業候補の細かな設定と重要視するポイントを理解しておきましょう。

FAや仲介の言いなり

M&Aにて買収を行う時の失敗要因としては、買収企業の選択をミスすることと関連することですが、ファイナンシャルアドバイザー(FA)M&A仲介のいいなりとなりM&Aを進める場合も失敗する要因となります。

このような失敗事例では、ファイナンシャルアドバイザーやM&A仲介が持ち込んできた案件に、言われるがままに買収してしまうことが多いです。

なぜ失敗するのかというと、M&A仲介は買収側の企業の本質的な事業の強みや重要視している部分を理解せずに案件を持ち出してくることがあるからです。

信頼できないファイナンシャルアドバイザーやM&A仲介に依頼しなければいいのですが、新規事業への参加などの場合、どうしても異業種になるのでそちらの事業に詳しいアドバイザーやM&A仲介を選んでしまうことも少なくありません。

このようなことをなくすためにも、事前相談やM&A戦略を立案する場合には、細かなところまで打ち合わせ・相談するべきだと言えます。

デューデリジェンスの不足

M&Aのデューデリジェンス(DD)とは専門家に売り手企業の財務状況やコンプライアンスの状況を調査してもらうことを言いますが、このデューデリジェンス(DD)不足は必ずトラブルを生むことになります。

このデューデリジェンス(DD)の実施をした際には少なからずなんらかの知り得なかった事象が発覚します。

その際に細かなことだと見落としてしまったり、またはデューデリジェンス(DD)自体を高額だからと自社内部のスタッフで行ってしまうことがありますが、これはM&Aにおいて典型的な失敗する要因です。

デューデリジェンス(DD)費用は安いものではありませんが、それをかけずに後々都合の悪い事実が発覚しても対処しきれない場合があります。

このような失敗が無いようにM&Aにおいて買収する側は調査に時間とコストをしっかりとかける必要があります。

根拠のない自信

M&Aでは証券会社からの紹介案件だと失敗するケースが多く、付き合いのある取引先や顧客とのM&Aが成功すると勘違いしてしまうことによる失敗の要因も見られます。

この失敗の原因となるのが日本のM&Aではよくある「情緒」によるもので、M&Aはあくまでもビジネス上の取引であり、企業の将来を決めるものなので、情が入ることによりリスクを理解せず失敗してしまいます。

「数十年の付き合いだから」「優良顧客だから」などの根拠のない自信ではなく、事業がするかどうかは明確な根拠を基に推論しないとM&Aは失敗してしまいます。

なぜならM&Aは失敗する確率の方が高く、リスクを回避しないと事業そのものがなくなってしまう取引だからです。

根拠のない価格設定

オーナー系企業にありがちな失敗事例ですが、企業の評価ロジックを熟知しないまま、他社の買収事例から「ここならこの金額で買える」などの根拠のない価格目線が買収の際の金額交渉で足かせとなるパターンです。

特にこのようなパターンで多いのが価格交渉より前にデューデリジェンス(DD)などの費用がかかるプロセスをしてしまうとその費用が勿体無く感じてしまい少し高値で交渉されても応じてしまうというパターンです。

M&Aでの価格の算定や評価はファイナンシャルアドバイザー(FA)がしっかりと熟知しているのでデューデリジェンス(DD)の結果も踏まえて考えられるように専門業者に外注し根拠に基づいた金額交渉をしましょう。

責任の所在が不明確

M&Aにて買収・合併をした場合、当然買収側の企業の代表者がトップにたちます。

しかしこの状況になると形だけの代表者となるケースが多く、会社の責任を一身に背負う存在がいなくなるリスクがあります。

この要因として考えられるのは、M&A後、実務上は別の会社のままで各事業が前の事業を行い続けるという場合が多く、会社が重大なミスを犯してしまっても責任の所在が不明確となってしまいます。

このようなことから、M&Aを実施するときは、各事業ごとに責任の所在がどこにあるのかを明確にする必要があります。

従業員の離脱

この要因は失敗事例として表に出てこない場合が多いですが、この要因でのM&A失敗事例は日本のみならず海外でも多いケースです。

企業統合後に企業文化の違いから、買収企業の優秀な人材が離職してしまうことは多々あります。

またこのことから、予想していたシナジー効果が得られないなどM&Aの実施自体が失敗となることがあり、買収効果は薄くなるのです。

実際、M&Aにて買収を行う時に「会社は買って見ないとわからない」とよく言われますが、この要因には顕著に現れているかと思います。

この場合は、最終契約の前に統合後のプロセスをしっかりと組み立てることや、買収した会社側が強くなってしまうことを防ぐために、適切な権限委譲を行うことが必要です。

簿外債務の見落とし

M&Aでの契約の部分は、それまでに行ったプロセスを総まとめにするものであり、デューデリジェンス(DD)や専門家の調査で発覚した事象も含めて契約をしていくことになります。

この時に、デューデリジェンス(DD)で簿外債務が示唆されていなかったり、示唆されているのにも関わらず、簿外債務がないことを表明保証に加えない等を契約でカバーすることが必要になります。簿外債務が顕在化したときに売り手企業に請求することができなくなってしまい、買い手企業が負担することになるからです。

ポイントとしては契約条件交渉などの時はM&Aに関して専門的な弁護士に依頼し、細かな部分もしっかりと打ち合わせして契約を進めていくことが大切です。

買収対象の業績悪化

売り手企業は買い手企業に対してあえて対象会社が経営悪化している状況を伝える義務はないです。もちろん虚偽の情報を与えるのは違法になりますが基本的な経営状態以外にわざわざ悪化している状況を伝える必要はありません。

なのでM&Aでは業績状況を把握していないと、統合後に業績が悪化している事象が発覚し、結果として事業を拡大するなどの効果が得られなくなってしまい失敗になってしまいます。

また、売り手企業は虚偽の事実を伝えるのは違反になりますが、不利益な事実等に関しても開示しなければならない義務はありません。

このケースではデューデリジェンス(DD)はもちろんですが、市場動向も考えながら買収を進めていくことが重要になります。

買収後の放置

意外と多いのがこのケースです。

特に海外ではこのケースが多く、経営陣に買収後も引き継ぎ経営を任せてしまうものの、経営陣がインセンティブなどを失っており、企業経営が破綻してしまう可能性があります。ですから、しっかりとPMIの実施をしたり経営戦略の見直しをすることが大切です。

また、以下の記事ではM&Aの買い手が持つべき心構えについて紹介しているので、買収を検討している人は併せてご確認ください。

【関連】M&Aの買い手が持つべき心構えと狙い!失敗しないために詳しく解説

4. 売却側のM&Aの失敗要因

売却側のM&Aの失敗要因

M&Aでは売却側は事業や会社を譲渡することが目的となっていますが、買い手企業がいれば必ず売却がうまくいくとは限りません。

買い手企業がいても様々なプロセスの中で、交渉が破談してしまったり、後々トラブルとなる要因を対処しておかないと責任問題にもなりかねませんので、M&Aにて売却側の失敗する要因もしっかり理解していきましょう。

売却側のM&Aの失敗要因は以下のようなことが考えられます。

  1. 買収側の言いなり
  2. 情報漏洩による取引停止
  3. 株券・株主名簿の未整備
  4. 議事録の書類不足
  5. 合理性が無い条件変更
  6. 簿外債務の有無
  7. 不誠実な対応
  8. M&A手続き中の業績の悪化
  9. 株主と役員の意思が統一しない

順番に失敗の要因を確認していきましょう。

買収側の言いなり

M&Aを執り行う際に「弊社が買収すれば、シナジー効果があるため、これだけバリューアップできます。」といったように買い手企業が自信満々に乗り込んで行くこともあります。しかし、このようなM&Aですと条件の交渉が高圧的になりM&Aが成功するのは難しいです。

高圧的な態度の企業は、従業員の離反や反発などの問題が起きることが多く、よほどの場合でない限りは買い手側の条件には乗らない方がいいです。

情報漏洩による取引停止

売り手企業で失敗してしまうことが多いパターンです。

M&Aにおいて売却側の企業は情報漏洩に関しては特に厳重に管理する必要があり、M&Aの実行自体周囲に知られない方がいいケースも多く、顧客などがいる場合が不安を抱かせることがあります。

そのためM&Aにおいて情報漏洩が起こるとその取引自体が停止になってしまったり、最悪はその後の売却にも影響してくる場合があります。

株券・株主名簿の未整備

株式の譲渡などをM&Aで行う場合には、売り手側の企業はしっかと株券・株主名簿の整備をしておく必要があります。

M&Aをするのにこの株券・株主名簿が未整備の状態では、M&Aが成約して株式を譲渡するときにつまづいてしまい、取引が中断することもあります。

中小企業にありがちなケースですが、株券と株主に関する記録が全くされてなく、経営者が記憶しているだけの状態になってしまっているケースが多いです。

このようなことからM&Aにおいて売却側は事前に調査を行い、自社の株式の実態をしっかりと残していた方がいいです。

議事録の書類不足

この議事録は買収側の企業としては売却側の企業の動向をチェックする重要な書類です。

議事録を整備していない企業は役員登記等をしっかりと行っていない場合があるので信用を大きく落とし、売却までの交渉がうまくいかず、結果として失敗になることが多いです。

そのためM&Aをするときは、株式総会議事録・取締役会議事録の2つの書類に関しては必ず前もって整備しておき、未整備の状態で長期間放置されている場合は、司法書士など専門家に相談しましょう。

直近3期分まで整備しておけば議事録の調査で問題が生じることはあまりないでしょう。

合理性が無い条件変更

M&Aでは買い手企業と売り手企業の希望条件が異なることが多く、売り手は可能な限りのキャッシュを獲得する必要がありますし、買い手は極力費用を抑えなければなりませんので、この状況になるのは当然だと言えます。

このような交渉を繰り返していくのですが、M&Aが成約直前になり条件の変更を申し出ると変更に向けた十分な準備期間が得られることができないためM&Aは失敗となってしまします。

売り手企業でよくしてしまう合理性のない条件変更としては、買収に興味を示している企業が他に現れたりすると譲渡価格の引き上げを希望するなどが挙げられます。

簿外債務の有無

簿外債務はM&Aおいて買い手企業に深刻なリスクになり得るものなので、買い手企業は簿外債務に対して入念に調査を重ねます。

簿外債務は買い手企業の信用を失うことになりかねませんし、保証やデリバティブに関する債務なども売り手側は作らない方がいいでしょう。

悪意があってもなくても、買い手企業からすれば簿外債務には変わりありません。

不誠実な対応

この失敗の要因はM&Aを行う買い手企業と売り手企業の両方に言えることです。

売り手企業に関して言うと、希望条件が満たされないからといって情報提供を渋ってしまったり、直前に条件変更を申し出るなど不誠実な対応がたまに見られます。

必要な情報は全て提供し、その上で条件に不満がある場合にはM&Aアドバイザーに相談するのが懸命です。

M&A手続き中の業績の悪化

M&Aの成約にかかる期間としては3ヶ月から12ヶ月と言われており、この期間中に業績が悪化してしまうケースも日本国内・海外共に多く存在します。

ビジネスは季節やその年のトレンドなどにより売上高が左右するものも多く、M&A手続き期間でも、売却するものだからと気を抜いたり、売却のことばかり考えてしまうのはよくありません。

したがって、経営者も本業に力を入れて取り組みM&Aの手続きが終わるまで、両立することが大切です。

株主と役員の意思が統一しない

M&Aの売り手側・買い手側両社に言えることですが、特にこの失敗事例で多いのは売却側の役員との意見の不一致はM&Aの現場においてよくあることです。

役員と経営者の意思の不一致はM&Aを進める前に判明していれば大きな問題にはなりませんが、交渉の途中で判明してしまうことがあります。

この場合はスムーズな交渉ができなくなり、せっかく買い手候補の企業が見つかっているのにも関わらず売却ができずに失敗してしまいます。

最悪な場合は時期を逃すことによって企業が破綻するまで事業を続けることになりかねません。

以下の記事では、事業承継における失敗事例を解説していますので、検討している人はこちらも確認してみてください。

【関連】事業承継の失敗事例10選!失敗要因は?

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5. M&Aの失敗の理由・事例25選【海外・日本企業】

M&Aの失敗の理由・事例25選【海外・日本企業】

M&Aは日本国内・海外で毎日多数の案件が出ております。

このM&Aの成功率は日本国内と海外では確率が異なっており、世界全体で見ても失敗事例は多いようです。

また、どこを基準に成功と失敗に分けられるかも企業ごとに異なっているのでここでは海外・日本におけるM&Aの失敗事例を解説していきます。

M&Aの失敗要因・事例①

2002年、アメリカ小売大手のウォルマート日本の西友(SEIYU)とのM&Aにて資本提携をしました。

しかし、西友は業績不振からその後も復帰できず、2005年に子会社化したものの業績は伸びずに2007年に1,000億円追加投資して完全子会社化となりました。

最終的な投資資金は2,470億円を超えたとされており、2002年に完全子会社化して入れば1,000億円で済んでいたと言われております。

M&Aの失敗要因・事例②

東芝のM&A失敗事例ですが、2006年に東芝アメリカの原発大手ウェスチングハウスとM&Aを実施しましたが2011年の東日本大震災の影響により世界的に原発の安全性に対しての懸念が強まり、当時の想定に反して収益を上げられない状況になってしまいました。

このM&Aで東芝はのれん代3,300億円が計上されたうちの2,600億円もの減損損失が生じてしまいました。

つまりこのM&Aの失敗の理由としては、買収先企業の収益化が悪化してしまったことだと考えられます。

M&Aの失敗要因・事例③

日本のM&A失敗事例としては丸紅によるガビロンの買収は記憶に残っています。

2012年に大手商社の丸紅はアメリカ穀物メジャーのガビロンを約2,880億円で買収して事業の拡大を図りましたが、中国向け大豆の輸出でトップだった丸紅がガビロンを買収したことにより、中国での寡占化が警戒され両社が一体となって中国でのビジネスを行うことを禁じられてしまい業績不振となりました。

結果としてはガビロンののれん代500億円の損失を出し失敗という結果になりました。

この失敗の理由としてはカントリーリスクが関係していて、海外進出などにおいては時々ある事例です。

M&Aの失敗要因・事例④

大手飲料メーカーのキリン(KIRIN)も海外企業のM&Aに失敗しています。

2011年にキリンはブラジルビール大手のスキンカリオールを約2,000億円で買収し、2015年には減損損失を1,100億円に計上しました。

日本国内では人口の減少が問題となっているなかで市場の縮小し売り上げが得られない状況になっていたので、新興国のブラジルに事業を進出させようとした目論見ですが、予想に反してブラジルの景気が低迷してしまいました。
 

M&Aの失敗要因・事例⑤

2003年には、海外M&Aにてイギリスのスーパー大手テスコが日本の中堅スーパーのつるかめランドを展開していた、シートゥーネットワークの買収を行いました。

このとき約300億円を投じていましたが業績が上がることはなく、日本進出からわずか8年の2011年に撤退しました。

最終的には、イオンが発行した株式の50%を1円で取得し傘下に収められました。

その時にテスコは日本法人の負債を請負、事業立て直しのために約50億円の追加投資を行い、全店舗の引き受けと従業員の雇用維持を条件にしています。

M&Aの失敗要因・事例⑥

製薬会社の第一三共も海外M&Aにて失敗をしています。

2008年に第一三共はインドの後発医薬品メーカーランバクシーを約4,900億円で買収し、当時は大規模M&A案件なので注目を浴びていました。

しかしデューデリジェンスが甘く、輸出規制などにより事業がうまく行かず、結果的に失敗に終わってしまいました。

M&Aの失敗要因・事例⑦

2014年、アメリカのマイクロソフトがフィンランドのベンダーであるノキアの携帯端末事業を約72億ドルで買収した際の事例です。

この時スマートフォンの販売事業は低迷しており、2015年には約76億ドルの減損損失をせざるをえない状況となってしまいました。

M&Aの失敗要因・事例⑧

日本国内のM&A失敗事例では2009年、世界最大手の家電メーカーのパナソニックは三洋電機を400億円で買収し子会社化しました。

その後、追加投資を行い2011年に完全子会社化していて、総投資額は8,100億円以上にもなると言われておりましたが、リチウム電池事業を読み外し、2013年3月期の個別決算では6,000億円以上の評価損を計上しています。

M&Aの失敗要因・事例⑨

1990年、総合エレクトロニクスメーカーの富士通がイギリスの国策IT事業をであったICLを1,890億円で買収し完全子会社化しました。

そのM&Aの結果、電算機で世界2位となり成功したように思われましたが、業績は悪化してしまい、2007年3月期の個別決算で2,900億円の評価損を計上しました。

M&Aの失敗要因・事例⑩

2001年、非鉄金属メーカーの古賀電工がアメリカの光ファイバー事業のルーセント・テクノロジーを22.27億ドルで買収し世界ファイバー業界で2位にまで上り詰めました。

しかし一時期はM&Aが成功したように見えた事業はピークの時の5分の1まで売り上げが減少して2004年3月期には1,000億円の評価損を計上しました。

M&Aの失敗要因・事例⑪

2002年、大手の家電メーカー日立はアメリカのIBM社からハードディスク事業を20億ドルで買収しました。

買収前後からHDDの価格破壊が進み、毎年100億円規模の赤字が発生し、2011年に同じ事業を行うアメリカのウェスタン・デジタルに約48億ドルで買収しましたが、9年間にもわたる累積赤字や工場への追加投資を考えれば採算割れしている可能性が高いと言われております。

M&Aの失敗要因・事例⑫

かなり有名な話にはなりますが、1989年に三菱地所によるロックフェラーセンターの買収も海外M&Aにて失敗した事例の一つです。

当時約2,200億円でマンハッタンのロックフェラーセンターを買収した三菱地所ですが、不動産市場の冷え込みで時価は暴落し、最終的にはこの物件の大半をアメリカに売り戻し、1,500億円の損失を計上しています。

M&Aの失敗要因・事例⑬

2006年にセブン&アイホールディングスは1,300億円を投じて野村プリンシパル・ファイナンスから株式を65%取得し、その後に株式交換により完全子会社化しました。

またそのあとにも累計で2,300億円を投資しましたが、業績は伸びることなく評価減を行い、2010年2月期個別決算で670億円の評価損益を計上しています。

M&Aの失敗要因・事例⑭

NTTコミュニケーションズは2000年に6,000億円を投資して、アメリカのベリオを買収しました。

NTTグループとしてはM&Aにて悲願の海外進出をでき成功を感じていましたが、業績は悪化していく一方でわずか1年後の2001年9月中間期で5,000億円の減損損失を計上しています。

M&Aの失敗要因・事例⑮

2012年にグリーが設立5年で売上高が5億円のゲーム会社ポケラボを138億円で買収しました。

その後はヒット作に恵まれず、2015年6月期に63億円の減損損失を計上し、それと同時にアメリカのソーシャルゲームプラットフォーム会社へ出資した90億円も減損損失しています。

M&Aの失敗要因・事例⑯

HOYAはペンタックスをM&A中に紆余曲折しながら2007年に1,000億円で買収しました。

その後吸収合併をしますが、業績は上を向かずに2009年の3月連結決算では304億円の減損損失を計上し、2011年にデジカメ事業がリコーに売却されています。

M&Aの失敗要因・事例⑰

2004年に、新生銀行はM&Aにて第三者割当増資を引き受けて、アプラスの350億円で普通株式の67%、優先株式を300億円でUFJ銀行から取得しました。

その後も優先株式を受けましたが、過払金訴訟の影響を受けて、業績が悪化し1,010億円の減損損失を計上しています。

M&Aの失敗要因・事例⑱

2014年にDeNAは住まいに特化したまとめサイトを手がけるiemo(イエモ)と女性向けファッションのまとめサイトをM&Aで50億円で買収しました。

2年後に信憑性に乏しい記事が掲載されていたり、盗用が指摘されるなど、10サイトの休止と謝罪会見まで開かざるをえない状況になってしまい、M&Aの失敗事例となっています。

M&Aの失敗要因・事例⑲

LIXILはドイツの水栓器具を取り扱うグローエを2016年にM&Aにて完全子会社化しました。

当初はガバナンスの強化などを視野にいれ事業を進めていく方針でしたが、グローエの中国子会社にて不正会計が発覚し、M&Aは失敗となっています。

周囲からは調査の甘さや多国籍企業を買収するリスクについての考えの甘さがあったと言われています。

M&Aの失敗要因・事例⑳

これは匿名企業事例ですが、売り上げの減少が続く会社の社長はM&Aで売却に向けて順調にプロセスを進めていところ、大手企業から事業計画の提案受けたため、交渉段階まで進んでいたM&Aを断り、大手企業とのプロジェクトを進めることにしました。

ですが途中で大手企業からプロジェクトの中止を受けて慌てて次の売却先を見つけることになってしまう失敗事例がありました。

この失敗の要因としては機会を逃したことでM&A市場の変化があり、失敗に繋がるという事例です。

M&Aの失敗要因・事例㉑

日本郵政は2015年にオーストラリアの物流子会社のトールを買収しました。

日本郵政は上場を前に成長戦略を立てる必要があり、そこでたまたま出ていたトール社を買収したと言われており、実際に日本郵政も買収後に経営陣を送り込むことなく、放置状態が続き結果として、4,000億円以上の減損損失を計上しました。

M&Aの失敗要因・事例㉒

日本板硝子はM&Aにて2006年に6,160億円でイギリスのガラス大手のピルキントンを買収しました。

当時ピルキントンは年商2倍以上の企業でしたが、リーマンショックや欧州債務危機に伴い、需要の減少で急速に業績が悪化しました。

それから2014年に3期連続で赤字決算を迎えることになりました。

M&Aの失敗要因・事例㉓

1989年、今では成功の面影が強い大手企業ソニーですが、コロンビアピクチャーをM&Aにて5,000億円で取得しました。

それからヒット作というものは中々出て来ない状態が続き、多額の減損処理が続いている状態であるようです。

M&Aの失敗要因・事例㉔

M&Aにて売却先を決めた、A社の経営者が従業員にいつM&Aを打ち明けようか考えていたところ、外部からその情報が漏れて、従業員の不信感は募り、人材の流出し、売却の話も打ち切りとなってしまったケースです。

M&Aに関わる人は専門家でなくても、情報の管理には常に気を使わないといけません。

M&Aの失敗要因・事例㉕

C社はM&Aにて高いシナジー効果が得られると期待し、D社を買収しました。

しかし、社内のシステムをAC社のものにするように強制すると、D社の優秀な人材が流出してしまい、シナジー効果を得られないというM&A失敗事例があるのです。

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6. M&Aの最新動向

M&Aの最新動向

最近では日本におけるM&A市場の急成長が見られています。

この背景には、後継者不足による事業承継、中小企業によるスモールM&A、大手企業がスタートアップのベンチャー企業を丸ごと取り込むようなM&Aが多く見られます。

現代では流通も便利になり、新たな事業や物がすぐにできてしまう世の中であり、その事業同士を合併させ事業を拡大したり、新たな事業立ち上げへのコストを削減するためM&Aはあらゆる場所で活用されています。

まだまだ成長段階のM&A市場なのでこれからも成長し、より失敗が少なく、M&Aにて成功を収める企業が多くなることを予感させます。

7. M&Aを失敗する理由まとめ

M&Aを失敗する理由まとめ

M&Aにおいて失敗する要因は必ずどこかにあります。

失敗事例から推測するとやはり、こまめなチェックが足りていなかったり、コストを使わずにM&Aを行おうとするケースが多く存在します。

M&Aは企業の将来を左右する経営戦略でもあり、従業員や関係者にも被害が及ぶこともあります。

よってM&Aを実施するときは必ずこまめなチェックや合理的な取引を行えるように専門家のアドバイスや第三者からの意見も取り入れるようにすることがM&Aを成功させる切り札になります。

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