事業承継・引継ぎ補助金とは?令和4年版の制度概要を解説【採択率・募集要項・申請書】

会計提携第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

本記事では、事業承継補助金の概要や令和4(2022)年版の制度概要を解説します。主として事業承継・引継ぎ補助金の実際の採択率や募集要項、申請書などのポイントについて、理解を深めたい経営者の方にとって必見の内容をまとめました。

目次

  1. 事業承継・引継ぎ補助金とは
  2. 事業承継・引継ぎ補助金の募集要項
  3. 事業承継・引継ぎ補助金の補助対象経費・補助率・上限額
  4. 事業承継・引継ぎ補助金の申請書のポイント
  5. 事業承継・引継ぎ補助金の採択率
  6. 事業承継・引継ぎ補助金の相談はM&A総合研究所
  7. 事業承継・引継ぎ補助金のまとめ
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1. 事業承継・引継ぎ補助金とは

事業承継・引継ぎ補助金とは、中小企業の事業承継を対象にした補助金制度のことです。中小企業庁が中小企業の円滑な世代交代と市場の活性化を目的に開始されました。

対象となる企業は、経営の世代交代に伴って経営革新などを実施する企業です。申請が認められれば、該当する事業を行った際に事業承継・引継ぎ補助金を経費に充てられるため、事業継承・M&Aなどが行いやすくなります。

そこで本記事では、事業承継・引継ぎ補助金の交付を検討される方に向けて概要を中心にまとめました。事業承継・引継ぎ補助金を申請する際に必要となる情報を網羅します。

定義

事業承継・引継ぎ補助金とは、中小企業庁が実施する補助金制度です。中小企業の事業承継・M&Aをサポートするために、補助金の交付を行います。ただし、無条件で補助金交付を得られるわけではなく、公募し採択されることによって交付が受けられる仕組みです。

事業承継・引継ぎ補助金制度を主導する中小企業庁は、事業承継・引継ぎ補助金制度(当時の制度名は事業承継補助金)が認知不足であると考え、2018(平成30)年4月に専用サイトを開設しました。これは中小企業の事業承継・M&Aの後押しを企図したものです。

事業承継・引継ぎ補助金は、以下3つのタイプに分かれます。

  • 経営革新事業
  • 専門家活用事業
  • 廃業・再チャレンジ事業

目的

中小企業庁が事業承継・引継ぎ補助金制度を設けた主な目的は、経営者の代替わりを促して、市場の動きを改善させることです。経営革新事業では、企業は事業承継・M&Aを終えた後で新しい事業、つまりは新しいサービス・商品の提供を義務づけられているため、市場が活発に動くことが予想されます。

新事業の実施や新サービス・新商品の開発と製造に必要な資金を事業承継・引継ぎ補助金が補ってくれるので、中小企業の事業承継・M&Aが促される仕組みです。審査で採択されて事業承継・引継ぎ補助金の交付が受けられれば、企業の新たな価値が創り出せるため、企業側にとっては会社の存続・事業の継続を支える制度といえます。

手続きの流れ

中小企業の事業承継やM&Aで中小企業庁から事業承継・引継ぎ補助金を受ける場合、どのような手続きをすればよいのでしょうか。手続きの仕方を知りたい方に向けて、手続きをまとめました。募集要項などに書かれている手続きの流れは、以下のとおりです。

  • 相談
  • gBizIDプライムアカウントの取得
  • jGrantsでの交付申請
  • 交付決定通知
  • 補助対象事業実施・実績報告
  • 補助金受取
  • 受取報告

相談

手続きを進めたい方は、初めに中小企業庁の認定支援機関である経営革新等支援機関に相談しましょう。

事業承継・引継ぎ補助金を受けるには、認定支援機関の確認を取る必要があります。確認を取る理由は、経営革新の中身や補助を受けて実施される事業などが募集要項を満たしているか調べるためです。

認定支援機関に関する疑問や質問がある場合は、次に紹介する機関へ問い合わせましょう。
 

エリア区分 認定支援機関の問い合わせ先 該当する地域
北海道エリア 北海道経済産業局
中小企業課
北海道
東北エリア 東北経済産業局
経営支援課
青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島
関東エリア 関東経済産業局
中小企業課
茨城・栃木・千葉・埼玉・東京・神奈川
群馬・新潟・長野・山梨・静岡
中部エリア 中部経済産業局
中小企業課
富山・石川・愛知・岐阜・三重
近畿エリア 近畿経済産業局
創業・経営支援課
福井・滋賀・京都・兵庫・大阪・奈良
和歌山
中国エリア 中国経済産業局
中小企業課
鳥取・島根・岡山・広島・山口
四国エリア 四国経済産業局
中小企業課
香川・徳島・愛媛・高知
九州エリア 九州経済産業局
中小企業課
福岡・長崎・佐賀・大分・熊本・宮崎
鹿児島
沖縄エリア 内閣府
沖縄総合事務局
中小企業課
沖縄

gBizIDプライムアカウントの取得

続いて、gBizIDプライムアカウントの取得をしてください。このときには必要書類を提出しなければならず、申請から発行までに1週間から3週間程度の期間が発生する点に注意しましょう。

jGrantsでの交付申請

その後、必要書類を用意したうえで、電子申請システム「jGrants(Jグランツ)」を用いて交付申請を行ってください。

交付決定通知

次に、交付決定通知を受け取ります。これはjGrants上で実施される手続きです。

補助対象事業実施・実績報告

その後、補助対象事業を進めましょう。事業の実施が完了したら、原則として30日以内に実績報告書等を提出しなければなりません。

補助金受取

補助金の受け取りは、口座で行われます。事業承継・引継ぎ補助金事務局が補助金交付請求書を受け取ると、指定した口座に補助金を振り込んでくれる仕組みです。補助金の申請書を提出した後で、法人や個人のビジネス口座から、事業承継・引継ぎ補助金を受け取ってください。

ただし、補助金の受け取りは、事業実績報告書を提出してから2〜3カ月の期間を要します。もしも交付までの間に資金を必要とする場合は、金融機関などへ赴き、つなぎ融資の相談を行ってください。金融庁がつなぎ融資についての相談を受けるよう金融機関などに働きかけてくれているので、融資が受けやすくなっています。

受取報告

事業承継・引継ぎ補助金を受け取った後も、事務局に報告する義務が残されています。申請した事業の状況を5年間報告しなければなりません(専門家活用事業、廃業・再チャレンジ事業の場合は、実績報告の提出)。収益も5年間、財務状況に関する資料を作ることが義務づけられています。

収益額によっては、収益の一部を返さなければいけません。補助金を受け取ってからも、報告や資料の作成、返納の義務などがあることを覚えておきましょう。

メリット

中小企業庁から交付される事業承継・引継ぎ補助金を受けると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。事業承継・引継ぎ補助金では主に以下2つのメリットが期待されます。

  • 事業承継資金対策
  • 事業承継計画の見直し

事業承継資金対策

事業承継・引継ぎ補助金を受けることで、事業承継後の資金をまかなえます。これなら、事業承継で起こる資金不足を補うことが可能です。

事業を承継する側は、株式・資産の対価を工面したり、相続税や贈与税を支払ったりと、金銭面で負担を強いられることが考えられます。そこで、事業承継・引継ぎ補助金の交付を利用するのが有効策です。

事業を承継しても、新しい商品・サービスを生み出したり、新型の設備を導入したりといった対策を講じることになるため、企業の成長と拡大が図れます。

事業承継計画の見直し

事業承継・引継ぎ補助金の交付を受けるには、事務局へ事業承継計画書を提出しなければいけません。中小企業庁は、会社を引き継いだり、企業の再編・統合を行ったりすることで、新しい市場の開拓・新商品を提供してほしいと思っています。

つまり、申請を認めてもらうには、事業を継承した後の計画が実現できる内容でなければいけません。

そこで、事業承継問題を抱える企業は、これまでの事業計画と向き合います。これなら、仮に申請が通らなかった場合でも、自社の財務状況や抱える問題点、事業承継に必要な費用などが把握可能です。

そのため、事業承継・引継ぎ補助金の申請書を提出することは、事業承継計画の見直しを促してくれるといえます。

認定支援機関とは

事業承継・引継ぎ補助金を受け取りたい企業・個人は、認定支援機関に相談して、事業承継・引継ぎ補助金の交付に関する調査を依頼しなければなりません。

認定支援機関とは、中小企業の経営に関する専門的なアドバイスを行う機関のことです。正確な名称は、経営革新等支援機関といいます。中小企業等経営強化法第32条第1項に基づいて、中小企業庁が認定をしている機関です。

経営革新等支援機関は、経営支援についての知識を持つことに加え、現場で実務を行ってきた機関に限られます。具体的には、全国の商工会議所、金融機関、税理士・公認会計士・弁護士などの士業事務所や経営コンサルタントなどです。

2022(令和4)年11月現在、全国で39,025機関が経営革新等支援機関認定を受けています。不定期ですが随時、認定機関は増えているので、探せば近隣で見つかる可能性があります。

参考:中小企業庁「経営革新等支援機関認定一覧について」

【関連】事業承継・引継ぎ補助金とは?採択率や申請書、事例を解説【令和4年度当初予算案】| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

2. 事業承継・引継ぎ補助金の募集要項

事業承継・引継ぎ補助金の募集要項として、以下の要点を抜粋して掲示します。

  • 公募期間
  • 補助金の種類・要項

公募期間

2022(令和4)当初予算の事業承継・引継ぎ補助金の公募期間は、2022年7月25日~2022年8月15日です。以降の公募期間は、2022年11月現在で未定とされています。過去の公募実施内容から鑑みて、二次募集・三次募集が実施される可能性もありますが、現時点では明らかになっていません。

補助金の種類・要件

ここでは、補助金の種類およびその要件をそれぞれ順番に解説します。

まず、経営革新事業を申請する際は、主に以下の条件を満たさなければなりません。

  • 経営資源の承継の実施
  • 経営資源を活用した経営革新の実施
  • 地域経済への
  • 右記のいずれか1つの該当(中小企業基本法等の小規模企業者、直近決算期の営業利益または経常利益が赤字の者、新型コロナウイルス感染症拡大以前と比べて売上高が減少している者、再生計画等を策定中の者か公募終了日から遡って3年以内に再生計画等が成立している者のうち、一定の支援を受けている者)
  • 「Ⅱ型:経営者交代型」「Ⅲ型:M&A型」で申請する場合、後継者に経営等の経験や知識があること

専門家活用事業を申請する際の要件は以下のとおりです。

  • 事業再編や事業統合の実施
  • 地域経済のけん引
  • 経営革新の実施(買い手側)

最後に、廃業・再チャレンジ事業を申請する場合の要件を紹介します。「廃業・再チャレンジ事業」のみの単独申請では、廃業後に地域の新たな需要や雇用の創出に役立つような新しいチャレンジが求められます。これに対して、併用申請の場合、併用する補助対象者の要件を満たさなければなりません。

このように、補助金の種類によって満たすべき要件が異なるため注意しましょう。もしも補助金の申請に伴いM&Aをご検討の際は、M&A総合研究所へご相談ください。豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが徹底サポートし、理想的なM&A実現を目指します。

通常は半年~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3カ月で成約するなど、機動力もM&A総合研究所の特徴です。当社は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ。譲受企業様は中間金がかかります)となっております。無料相談はお電話・Webより随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお気軽にご連絡ください。

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3. 事業承継・引継ぎ補助金の補助対象経費・補助率・上限額

本章では、事業承継・引継ぎ補助金の対象経費・補助率・上限額を下表にまとめました。
 

  対象経費 補助率 上限額 下限額
経営革新事業 設備投資費用、人件費、改築工事費用など 3分の2(400万超:2分の1) 600万円 100万円
専門家活用事業 M&A支援業者に支払う手数料、デューデリジェンス費用など 3分の2
廃業・再チャレンジ事業 廃業支援費、在庫廃棄費、解体費など 150万円 50万円

補助金の種類および金額によって割合が異なるため注意しましょう。

4. 事業承継・引継ぎ補助金の申請書のポイント

事業承継・引継ぎ補助金の申請を行うためには、募集要項と交付申請の手引きに書かれている書類を用意・提出する必要があります。

ここでは、令和4年当初予算の事業承継・引継ぎ補助金を例に挙げて、申請書のポイントを紹介します。

必要書類

事業承継・引継ぎ補助金の交付を受けるためには、事業承継・引継ぎ補助金事務局への応募書類と採択後の申請書類が必要となります。ここでは、補助金の種類ごとに必要な書類を解説します。

確定申告・決算書関係(3事業共通)

法人には直近3期分の決算書(貸借対照表、損益計算書)が、個人事業主には税務署の受付印が押された直近3期分の確定申告書B(第一表・第二表)および所得税青色申告決算書(全4枚)がそれぞれ求められます。

補助対象者の要件関係(経営革新)

コロナ禍による売上減少で補助対象者の要件を満たす場合、売上高減少を証明できる書類と宣誓書が求められます。再生計画で要件を満たす場合、公募申請時に再生事業者であることを証明する書類の提出が義務付けられています。

後継者の要件関係(経営革新)

Ⅱ型・Ⅲ型の申請時に事業承継が済んでいなければ、後継者に関する以下の書類のうち1つを選び提出しなければなりません。

  • 経営経験を証明する書類
  • 同業種での実務経験を証明する書類
  • 創業および引継ぎ関する一定の研修等の受講経験を証明する書類

認定経営革新等支援機関による確認書(経営革新、廃業・再チャレンジ)

これは経営革新事業と廃業・再チャレンジ事業のみで求められるものです。様式は事務局の指定があり、認定経営革新等支援機関の署名が求められます。

常時使用する従業員1名の労働条件通知書(専門家活用)

常勤従業員が1名以上在籍していることを確認するもので、個人が特定できる部分は墨消ししなければなりません。【Ⅱ型】売り手支援のケースで補助対象が不動産業であれば提出が求められます。

M&Aに着手したことの証憑(廃業・再チャレンジ)

M&Aに着手したことの証明として、以下のうち1つを選び提出しなければなりません。

  • 事業承継・引継ぎ支援センターへの支援依頼書のコピー
  • M&A仲介業者や地域金融機関などM&A支援機関との業務委託契約書の写し
  • M&Aマッチングサイトへの登録完了が確認できるWEBページもしくは電子メールのコピー

内容のポイント

事業承継・引継ぎ補助金(特に経営革新事業)の申請に通過するには、主に以下のポイントを押さえておく必要があります。

  • 独創性
  • 実現可能性
  • 収益性
  • 継続性

独創性

1つ目のポイントは、事業の独創性です。事務局は、自社や個人が培った技術・ノウハウなどを生かし、新しいサービス・商品などを提供し、新しい市場をつくりだすことを条件としています。そのため、事業計画は市場に登場していない商品やサービス、技術などを生み出す内容であることが望ましいです。

実現可能性

2つ目のポイントは、実現の可能性です。曖昧な計画では、事業の継続・成功には結びつきません。事業を成立させるためには、しっかりとした事業計画が必要です。対象事業の進め方や取り組む方法を、わかりやすく表しましょう

そのほかにも、事業に必要な人材・消費者へ届ける販売網の確保も明らかにすることが望ましいです。これで、実現可能な事業だと認識されます。

収益性

3つ目のポイントは、収益性です。実現可能な事業であっても、対象となる顧客・市場を間違えていては想定した利益を得ることはできません。

事業を計画するときは、しっかりと顧客・市場を見極め、適切な方法でサービス・商品を提供しましょう。こうすれば利益が得られると判断され、交付申請の通過を引き寄せられます。

継続性

ポイントの4つ目は、継続性です。補助金を交付しても、すぐに売上と利益が減ってしまえば、地域の活性化を促すことができません。事務局に認められるには、はっきりとした事業内容・事業計画を考えなければなりません。長い期間、売上と利益を計上できる計画を練りましょう。

事業が思うように進まないときの対応策も考えておく必要があります。予想外の事態が起きても、事業を続けられる対策を立てていれば、事務局の評価を上げることが可能です。

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5. 事業承継・引継ぎ補助金の採択率

最後に、制度の利用を考えている方のために、平成30年度に実施された事業承継・引継ぎ補助金の採択率を調べました(紹介データは平成30年度に実施された事業承継補助金のもの)。

採択された企業のほかにも、事業承継と起業を比較できるよう創業する方に向けた補助金・創業補助金についても取り上げています。

  • 採択率
  • 採択された企業
  • 創業補助金の採択率

採択率

平成30年度に実施された事業承継補助金の採択結果と採択率は、以下のとおりです。
 

事業承継支援のタイプ 募集期間 申請数 採択結果 採択率
後継者承継支援型(Ⅰ型) 一次募集 481 374 約78%
二次募集 273 224     約82%
三次募集 75 55 約73%
  一次募集 220 119 約54%
  二次募集 43 25 約58%

全募集通算では約73%の採択率です。後援者承継支援型のみでは約79%、事業再編・事業統合支援型では約54%の採択率となっています。

事業承継支援タイプによって、採択数と採択率には大きな差が生じました。理由は、議決権と事業開始の有無にあります。後継者承継支援型の募集要項では、事業を引き継ぐときに、手にしている対象企業の議決権が過半数に達していなくても問題ありません。

事業を引き継ぐときに別の事業を行っていなくても、申請書の提出が認められます。そのため、事業再編・事業統合支援型に比べて、申請の数が多く、採択率が高くなりました。

そのうえ、後継者承継支援型は親族や従業員への事業承継などでも利用できるので、平成30年度に改正された事業承継税制も活用していた可能性もあります。相続・贈与税の猶予が受けられるため承継後の資金不足が払拭され、採択率が高まったとみられます。

企業例

中小企業庁は事業承継補助金をどのような企業に交付したのでしょうか。後継者承継支援型と事業再編・事業統合支援型から1つずつ、具体例を取り上げます。

後継者承継支援型は親族内継承などに適用され、事業再編・事業統合支援型には事業譲渡株式譲渡合併などのM&Aが当てはまります。

後継者承継支援型の企業例

後継者承継支援型
対象事業 機械部品の製造
応募者 経営者の親族
経営革新 電気集塵システムの購入により、生産性を高めました
外部から新しい人材を雇い入れています

事業再編・事業統合支援型の企業例

事業再編・事業統合支援型  
対象事業 同業者が営んでいる自動車整備業
応募者 自動車整備業を営む法人
事業承継の方法 M&Aによる事業譲渡
経営革新 新しい整備機器を購入して、販売経路の拡大を図りました

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創業補助金の採択率

中小企業への支援には、創業する方に向けた創業補助金(地域創造的起業補助金)という制度があります。この制度も事業承継補助金と同じく、市場の活性化が目的です。平成30年度に行われた募集では、次のような採択結果が出ました。
 

対象の制度 申請数 採択結果     採択率
創業補助金(地域創造的起業補助金) 358     120 約34%
後継者支援型(一次~三次募集) 829     653 約79%
事業再編・事業統合支援型(一次・二次募集)     263     144     約54%

結果は一目瞭然ですが、創業補助金の採択率は事業承継補助金よりも低いことがわかりました。ゼロから事業を始めるケースと事業を引き継ぐ場合とでは、事業承継を選んだ方が補助金を受けやすいといえます。

創業・起業に関しては、新規で会社を設立することにこだわらないフレキシブルな発想の転換をすることが求められます。つまり、後継者のいない中小企業から事業や会社を引き継ぎ経営を行っていく第二創業と呼ばれるチャレンジ方法もあり、M&Aもその1つです。

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6. 事業承継・引継ぎ補助金の相談はM&A総合研究所

事業承継・引継ぎ補助金を活用したM&Aをご検討の際は、M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、支援実績豊富なM&Aアドバイザーが、親身になってフルサポートいたします。

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7. 事業承継・引継ぎ補助金のまとめ

本記事では、令和4年当初予算版を中心に、事業承継・引継ぎ補助金を解説しました。事業承継・引継ぎ補助金は、令和4年版の内容をベースに今後も継続されていく中小企業のための制度です。内容を把握し、経営革新等支援機関に相談しながら、制度適用を得て経営に活用しましょう。

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