2024年04月06日更新
従業員承継とは?役員・従業員に引き継ぐメリット・デメリット、方法と注意点を解説
親族内での後継者不足は年々進行しており、それに伴い役員・従業員への事業承継件数が増加傾向にあります。本記事では、役員・従業員への事業承継に関する現状、メリット・デメリット、取り組む際の大まかな流れなどを解説するので参考にしてください。
目次
1. 従業員承継とは
従業員承継とは、自社の従業員や役員に会社を承継する行為のことで、数ある事業承継手法の一つです。自社を後継者に引き継ぐ方法は、従業員承継のほかにも親族内承継やM&Aを活用した承継などがあります。
これまでオーナー企業や中小企業は、主に親族内承継を行って会社を引き継ぐケースが多かったですが、近年は親族内に承継者がいない企業が増えています。
その対策として、親族以外の会社役員や従業員への事業承継が注目を集めている状況です。経営者は、会社のことを熟知している役員や従業員に事業承継をする場合、安心材料が多く、従業員承継にはさまざまなメリットがあります。
一方で、株式譲受の際に発生する多額の株式買取資金などの問題もあるため、メリット・デメリット双方をよく理解したうえで、事業承継手法を検討しましょう。
MBOとEBOの違い
ここでは、MBOとEBOの違いを見ましょう。
MBO(Management Buy Out)は、現経営者から、経営陣、役員クラスの従業員が事業承継する手法で、M&Aの一種です。一般的に、会社や事業の引き受け手が現経営陣となる特徴があります。
承継させる親族がいないケース、親族はいるが経営を継ぐ気持ちや任せられるノウハウがないケースなどで、社内の適正人物を後継者とするときに用いる手法です。
EBO(Employee Buy Out)は、従業員が事業承継する手法をさします。現場により近い人が経営に携わるので、社内から受け入れやすいこともあります。
2. 従業員承継の現状
役員・従業員への事業承継は近年非常に注目され、実行件数も上がっている事業承継の方法です。かつては、中小企業の事業承継といえば親族内事業承継が一般的でしたが、後継者不足に頭を抱える企業が増えており、足元では役員・従業員承継の件数が増加しています。
帝国データバンクが2023年に行った調査によると、中小企業では、自社の役員や従業員に対して内部昇格の形で事業承継を行った割合が全体の35.5%で、就任経緯として初のトップとなりました。
同年における親族内事業承継(同族承継)の割合が33.1%なので、昨今は親族内事業承継よりも役員・従業員への事業承継が主流となっています。
参照:帝国データバンク「全国「後継者不在率」動向調査(2023年)」
3. 従業員承継のメリット・デメリット
後継者不足に悩む企業が増加している中、役員・従業員への事業承継を選択するケースも増えています。具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。この章では、役員・従業員へ事業承継をするメリットおよびデメリットについて解説します。
役員・従業員に承継するメリット
まずは、役員・従業員に事業承継する主な6つのメリットを紹介します。
- 会社に詳しい人に承継できる
- 後継者育成に時間をかけられる
- 企業文化ごと引き継げる
- 多くの候補から後継者を選べる
- 後継者が株式取得のハードルを下げる
- 従業員や取引先からの理解を得やすい
それぞれ順番に紹介しますので、把握しておきましょう。
会社に詳しい人に承継できる
役員・従業員に事業承継する最大のメリットとして考えられるのは、会社に詳しい人に事業承継ができる点です。企業の役員・従業員は、会社の営業現場・作業現場などを熟知しています。
企業経営においては、経営者と現場の乖離が常に課題としてあげられますが、業務や現場をよく知っている古株の従業員や役員に事業承継できれば、スムーズに事業を継続してさらなる拡大も期待できるでしょう。
経営者の子息や息女などの親族に事業承継する場合は、事業承継を見据える段階になったタイミングで自社に入社するケースが見られます。もちろん、異なるケースもありますが、特に中小企業にその傾向があるでしょう。
しかし、現場のことをよくわからないまま事業を引き継ぐため、その後における経営がうまくいかないおそれが出てきます。会社のことを熟知している役員・従業員に事業承継をするメリットは大きいといえるでしょう。
後継者育成に時間をかけられる
役員・従業員への事業承継を選択すれば、後継者育成に十分な時間をかけることが可能です。
一従業員として実務を経験したうえで中間管理職として複数人を束ね、さらに役員として会社全体のマネジメントに深く携わるなど、長い時間をかけて事業承継に向けた準備を行えます。
事業承継直前にオーナーの親族が会社にやってくる、またM&Aによって第三者へ会社を売却する場合は、後継者としての会社理解を深める時間は相対的に少ないですが、役員・従業員への事業承継では、時間とコストをかけて後継者を育成できます。
企業文化ごと引き継げる
M&Aによって第三者へ会社を売却する場合、大きな課題として挙げられるのが企業文化・風土の融合の難しさです。
同業者同士のM&Aでも、企業ごとに雰囲気・風土・文化は全く異なる場合が多く、業務フローや人事制度、福利厚生制度の統合、社内での人間関係など、さまざまな側面で文化融合を行わなければなりません。
役員・従業員への事業承継であれば、会社のことをよく知っている人間が後継者となることから、企業文化にも深い理解があり、スムーズな事業承継を行える可能性が高いといえます。
そもそも、企業文化・風土を改革したり、何かと融合したりする必要も基本的にないので、企業文化の引き継ぎでは、M&Aなどの第三者への売却・譲渡による事業承継に比べて難易度は低いといえるでしょう。
多くの候補から後継者を選べる
親族への事業承継を検討する場合、限られた人間のみが後継者候補です。一方、役員・従業員への事業承継は、社員の数だけ選択肢があります。
事業承継は決して簡単な作業ではなく、誰に引き継げば会社が円滑に事業を行えるか、さらなる事業拡大が見込めるのかなど、経営者としての才覚を深く考察して後継者を選ぶ必要があります。
どの役員・従業員なら会社株式の買取が可能かといった、資金面なども考慮しなければなりません。実にさまざまな側面から後継者を決定する必要がありますが、後継者候補が多ければ柔軟な検討を行うことが可能です。
後継者候補の裾野を広げてじっくりと後継者を選定できる点が、役員・従業員への事業承継に取り組むメリットといえるでしょう。
後継者が株式取得のハードルを下げる
事業承継といえば、会社経営者としてその役職を引き継ぐことと、経営者が保有する発行済株式を買い取ることの2つが同時に行われるイメージもありますが、株式の買取は必ずしも行われるわけではありません。
例えば、現経営者が引き続き株式を保有しつつ、後継者が新経営者に就任し事業を継続するケースもあります。段階的に株式を買い取ることも可能です。
近年は、MBOの手法を使って、スムーズに役員・従業員へ株式を承継するケースも増えています。
従業員や取引先からの理解を得やすい
事業承継して経営者が交代する場合、従業員や取引先などからの理解が必要です。従業員からの反発や取引先からの不信感があると、会社運営が円滑にできません。
その点、役員・従業員に事業承継するケースであれば、周囲からの理解も得やすいでしょう。スムーズに受け入れてもらい、事業も円滑に進めやすいです。
役員・従業員に承継するデメリット
役員・従業員への事業承継はメリットばかりではありません。デメリットも存在するので、メリット・デメリットを把握したうえで検討する必要があります。
- 後継者によっては資金がない
- 会社の将来性に不安がある
- 親族からの反対がある可能性
- 先代経営者の影響が色濃く残るおそれがある
それぞれ順番に紹介しますので、把握しておきましょう。
後継者によっては資金がない
事業承継の際によく問題となるのが、株式買取資金の確保です。事業内容・事業年数・企業規模によっても異なりますが、経営者やオーナーの株式を買い取る場合は中小企業であっても数億円~数十億円かかることも少なくありません。
従業員として会社から給与をもらっているだけだった後継者は、株式買取が難しくなる可能性が高くなります。
先述したMBOなどの手法を講じて対策をするのは可能ですが、親族内での事業承継と比較すると資金面でのハードルは高いといえるでしょう。
会社の将来性に不安がある
会社のことを熟知している役員・従業員が後継者になるとしても、経営者として会社を動かしていくのと、従業員として働くのでは求められるスキルが異なります。
経営者としての才覚がなく、覚悟が中途半端であった場合、会社として存続していける可能性は下がってしまいます。長期スパンで後継者候補を選び、経営者としての素質やスキルを磨いて事業承継に備えることが必要です。
親族からの反対がある可能性
今まで親族内のみで引き継ぎを行ってきた会社などの場合、役員・従業員への事業承継に反対を唱えられる可能性があります。
後継者候補が誰よりも会社のことを熟知している役員・従業員でも、これまで親族で守ってきた会社を他者に譲ることに対し、難色を示される確率は決して低くないといえるでしょう。
役員・従業員へ会社を引き継ぐことを検討する場合は、会社経営に関係する親族に対し十分な説明を行い、納得してもらう必要があります。
先代経営者の影響が色濃く残るおそれがある
従業員承継で注意すべき点として、後継者が前任の経営者の方針に固執し、そのまま踏襲する可能性があることも挙げられます。従業員承継はM&Aに比べて業務や社風の引き継ぎがスムーズに行われやすいですが、ビジネス環境が急速に変化する現代では、ときに大きな方針変更や革新が求められることもあります。
先代経営者の影響が色濃く残ると、必要なときに柔軟な対応を取ることが難しくなるおそれがあるでしょう。経営を引き継ぐ際は、現行の経営方針だけでなく、将来的に必要となる可能性のある大胆な策も含めて、承継計画に組み入れることが重要です。
4. 従業員承継の方法
この章では、役員・従業員への事業承継にはどのような方法があるのか解説します。主な事業承継の方法は以下の3つです。
【役員・従業員への事業承継の方法】
- 経営権を譲渡する
- 株式を贈与、遺贈する
- 株式譲渡・売却する
①経営権を譲渡する
役員・従業員への事業承継において、最も中心部分といえるのは経営権の譲渡です。これは、取締役会の決議などを経て行われるのが一般的であり、社長や代表取締役などといった肩書と業務を引き継ぎます。
後継者である役員・従業員は、経営権の譲渡を受ける前に、会社経営・マネジメントなどに関する知識を学んでおく必要があります。
②株式を贈与、遺贈する
事業承継において常に課題としてあげられるのは、会社株式をどのように譲受するかです。後継者である役員・従業員の資金的負担が少ない承継方法としては、経営者(オーナー)が株式を贈与、遺贈することが挙げられます。
通常数億~数十億円かかる株式の買取を実質ゼロコストで実施できるので、贈与税などは発生するものの、後継者の役員・従業員にとってはメリットの大きい承継方法といえるでしょう。
ただし、経営者(オーナー)には株式贈与にかかる益は発生しないため、経営者にとって資金メリットはないともいえます。株式売却益の確保を目的に事業承継を行う経営者にとっては、選択されにくい手法です。
③株式譲渡・売却する
株式の贈与あるいは遺贈よりも、株式を譲渡・売却するほうが、事業承継においては一般的な手法です。ただし、この場合は、後継者が株式買取に必要な資金を調達する必要がある点に注意しなければなりません。
特に役員・従業員への事業承継は、後継者の資金力だけでは買取が難しい場合もあります。段階的に株式の買取をさせる、MBOの手法を使って資金を調達するなど、対策を講ずる必要が出てくる可能性があります。
5. 従業員承継の流れ
この章では、役員・従業員への事業承継におけるフローを解説します。親族内事業承継と共通点もあれば相違点もあるので、円滑な事業承継が実行できるよう確認しましょう。
- 経営者や会社の資産・従業員の人数・売上などの状況
- 引き継ぐ候補者を選定していく
- 事業承継計画書を作成する
- 後継者を育成していく
- 役員や従業員、親族、取引先などに紹介する
- 会社の株式を譲渡する
- 引き継ぎを行う
①経営者や会社の資産・従業員の人数・売上などの状況
事業承継の第一歩は、事業承継後のイメージと現状のギャップを把握することが大切です。まずは、会社の資産や従業員の人数、売上高など基礎的情報の確認を行いましょう。
「自分の会社なのだから確認しなくてもわかっている」と考えてしまいがちですが、改めて客観的に確認することをおすすめします。事業承継をする前提で実態把握をすると、これまで見えてこなかったものが見えることもあるでしょう。
②引き継ぐ候補者を選定していく
次に、役員・従業員の中から後継者候補を選んでいきます。この際に大切なのは、初めから候補を絞りすぎないことです。役員・従業員への事業承継におけるメリットは、多くの候補者の中から次世代を担う人間を選べることです。
絞りすぎるとそのメリットを最大限享受できなくなってしまうので、初期段階では幅広に役員・従業員を選定し、時間をかけて適正を見ていく方法がよいでしょう。
③事業承継計画書を作成する
事業承継後の理想に関するイメージの可視化、スケジュールや課題の抽出などをまとめた事業承継計画書の作成は、円滑な事業承継を実行するうえで非常に有益なツールです。
特に役員・従業員への事業承継の際は、親族内事業承継と比べて、現経営者とのミスコミュニケーションや価値観相違が起きてしまう確率が上がる傾向にあります。
親族内事業承継でも事業承継計画書を作ることはもちろん有益ですが、役員・従業員への事業承継ではよりその効果が高くなるでしょう。
④後継者を育成していく
計画書の作成によって、事業承継のスケジュールや課題が明確になりました。ここから選定された後継者候補の育成を行います。
ここで選ばれた役員・従業員は、会社に関連する内容をすでに熟知している(もしくはそのうち熟知する)と考えられるので、ここでいう育成とは、会社経営や人材マネジメント、経済学、といった領域の教育を行うことです。
経営者として会社に携わるのと、役員・従業員として携わるのでは必要なスキルが全く異なります。他社がどのような経営をしているのか、優れた経営とはどのようなものなのか、といったことに知見をもつべきでしょう。
同業や近隣における会社同士の経営者会に参加するのもよい方法です。経営者同士がつながりを持つことで多くの刺激があり、次期経営者としての責任や自覚が生まれやすくなります。
この点は親族内事業承継も同様ですが、役員・従業員への事業承継ではより時間とコストをかける必要があるでしょう。
⑤役員や従業員、親族、取引先などに紹介する
事業承継のスケジュールが確定したら、会社役員や従業員、取引先、会社に関係している親族などに後継者の紹介を行います。
役員や親族はすでに取締役会決議や株主総会などをとおして、役員・従業員への事業承継を把握しているケースも多いですが、手法・目的・将来のビジョンなどについて改めて説明し、より理解を深めるとよいでしょう。
⑥会社の株式を譲渡する
現経営者が保有している株式を、後継者である役員・従業員に譲渡します。贈与や遺贈といった方法もありますが、現経営者による株式売却(役員・従業員の株式買取)が一般的です。
会社規模や業種によって株式評価額は大きく異なりますが、大半のケースでは多額の資金が必要になるので、役員・従業員側の資金調達面も含めて対策を講じる必要があります。
現経営者側には多額の株式売却益が発生するので、税金対策なども一緒に検討しておくと、より円滑な事業承継ができるでしょう。
⑦引き継ぎを行う
取締役会、株主総会、株式譲渡などすべての手続きが完了したら、現経営者から役員・従業員へ引き継ぎを行います。事業承継後は各種登記手続きが必要となるため、事前によく確認し、遅滞なく行いましょう。
6. 従業員承継の注意点
以前はマイナーだった役員・従業員への事業承継ですが、近年は多くの企業が検討・実行するようになりました。しかし、まだ役員・従業員への事業承継に対するノウハウや知見は普及されていない現状です。
この章では、役員・従業員への事業承継に取り組む際の注意点を解説します。
- 関係者への理解・認知を行う
- 後継者の教育は必須
- 候補者の中から適切な後継者を選ぶ
- 本人からの了解を得る
- 資金面のサポートを行う
- 個人保証に対する理解を深める
①関係者への理解・認知を行う
従業員承継に限った話ではありませんが、事業承継に関しては企業関係者へ丁寧に説明を行う必要があります。
特に、親族内に事業従事者や株主がいる場合、役員・従業員への事業承継は対立の原因になりうるおそれも十分に考えられます。
前述したとおり、親族からの反対がある可能性は十分あるので、役員・従業員への事業承継を選んだ理由や、事業承継後の企業像といった内容をしっかりと伝え、深度ある理解を得るよう努めましょう。
②後継者の教育は必須
最初から親族内承継を行う予定で親族内後継者が入社してくる場合、後継者は経営者としての教育を長い期間受けており、先代の経営者としての振る舞いや仕事ぶりを幼い頃から見ているので、経営者としての素質や覚悟は自然に身についている場合があります。
役員・従業員への事業承継の場合は、経営者としてのスキル・才覚を十分に教育していく必要があるでしょう。
後継者候補が、役員・従業員として会社に従事するのではなく、将来の会社代表を担う存在であることを認識させ、経営者たる人間になるよう示唆することが大切です。
③候補者の中から適切な後継者を選ぶ
役員・従業員へ事業承継を行うメリットとして、多くの候補から後継者を選べる点があります。それはある意味、その中から適切な候補者を選任しなければいけないことを意味します。
役員・従業員としては素晴らしい人材であっても、経営者としての素質がない場合も考えられるでしょう。あらゆる候補者の強み・弱みをしっかり把握したうえで、「経営者として適している人材なのか」の判断が重要です。
④本人からの了解を得る
後継者候補となる役員・従業員本人の意向を確認し、後継者になることについて了解を得ることはとても重要です。
企業勤めをする万人が経営者になりたいと考えているわけではなく、後継者を希望する役員・従業員でも、株式買取にかかる資金手当が厳しいなどの理由で引き継ぎはできない、と考えるケースもあるでしょう。
したがって、従業員への事業承継を検討する際は、後継者本人の意向確認と、後継者になることへの了解を得ることが大切です。
⑤資金面のサポートを行う
役員・従業員への事業承継で最も高いハードルの一つが、株式買取の資金調達です。MBOなどさまざまな対策があっても、どうしても資金繰りに不安を抱えてしまう役員・従業員は少なくありません。
事業承継後に経営が傾いてしまうことや、取引金融機関が突然取引を中止し資金調達ができなくなってしまうことも考えられます。現経営者が資金面でのサポートを表明するだけで、後継者である役員・従業員は安心して事業承継を検討できるでしょう。
⑥個人保証に対する理解を深める
経営者は、金融機関からの資金調達などの場面で個人保証を取り扱う場合が非常に多いため、知識・知見は十分ありますが、役員・従業員の場合は業務を行ううえ個人保証などについてかかわる機会がほとんどありません。
近年は、個人保証への考え方も変わってきているので、借入などの際の保証差し入れ件数も減ってきてはいますが、知っておくべき事項であるのは変わりありません。
会社経営とりわけ中小企業経営においては、会社と個人(経営者)は不可分であり、個人保証もしっかりと理解を深める必要があります。
7. 中小企業庁による従業員承継ガイド
全国の中小企業が抱える最も大きな課題の一つが事業承継関連であり、管轄の中小企業庁はこれまで、事業承継に関するさまざまな施策を打ち出してきました。
同庁ホームページには事業承継ガイドラインが公表されており、事業承継対策の必要性や事業承継計画を作成するメリットなどについて書かれています。
その中で、従業員などへの事業承継は大見出しの一つとして紹介され、従業員などへの事業承継におけるパターンや注意点を触れています。役員・従業員への事業承継を検討する際は、一度目を通すとよいでしょう。
8. 従業員承継の相談先としておすすめの仲介会社
役員・従業員への事業承継をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は、中小企業のM&A仲介を得意とするM&A仲介会社です。
M&A総合研究所では、M&Aのみならず、さまざまな手法を用いた事業承継サポートを行っており、役員・従業員への事業承継に関する支援実績も豊富です。M&Aアドバイザーが親身になって案件をフルサポートします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を受け付けていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
9. 従業員承継のまとめ
本記事では、役員・従業員への事業承継を解説しました。かつては全国の数%しか実施していなかった役員・従業員への事業承継も時代の変化とともにその件数は増えていき、昨今では親族内事業承継と同程度実施されています。
役員・従業員への事業承継を検討する際は、メリットおよびデメリットをしっかりと理解し、ほかの事業承継方法と比較したうえで取り組むことが成功の鍵といえるでしょう。
円滑な承継と企業の永続、従業員の雇用維持が果たせるよう、事業承継は常に情報を集めていくことも大切です。
M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所
M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴
- 譲渡企業様完全成功報酬!
- 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
- 上場の信頼感と豊富な実績
- 譲受企業専門部署による強いマッチング力
M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。