マイクロM&Aとは?流れや成功ポイント、注意点を解説【完全マニュアル】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

規模の小さなM&Aでの売買に「マイクロM&A」があり、売買価額1,000万円以下の企業や店舗のM&Aのことをさします。通常のM&Aと進め方などでは共通する部分も多いですが、マイクロM&A特有の注意すべきポイントもあります。

目次

  1. マイクロM&Aとは
  2. マイクロM&Aの現状
  3. 資金の集め方
  4. マイクロM&Aの成功させる4つのポイント
  5. マイクロM&Aが得意なアドバイザーの特徴
  6. マイクロM&Aにおける注意点
  7. マイクロM&Aの流れ
  8. マイクロM&Aの事例紹介!
  9. マイクロM&A解説のまとめ
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1. マイクロM&Aとは

マイクロM&Aとは

マイクロM&Aは、1,000万円以下の企業や店舗、事業の売買のことです。

1,000万円以下の売却希望がどのようにして出るのかという観点から、具体的に以下、ご説明します。

マイクロM&Aの主な対象事業

1,000万円以下のマイクロM&A案件というと、主に以下3つが対象となります。
 

  1. 赤字経営で悩む小規模事業
  2. 後継者問題を抱える個人事業
  3. ベンチャー企業(マイクロM&Aの現状で後述)

赤字経営で悩む小規模事業

通常のM&Aでは、収益力や資産が大きな要素となる価額で行われますので、赤字垂れ流しのような状態ですとほとんど価値はつきません。特に、小規模であればなおさらです。

よって、1,000万円以下のマイクロM&Aの対象には、こうした事業が多くなります。


売却側にとっては赤字垂れ流しの状態であれば、安くても売却できれば良いというのはありますが、買収側の立場に立つと安く買収できてもその後がさらに重要になります。

買収側は、当面の赤字負担と、黒字化のための投資を行っていかなければなりません。つまり買収した価額以上の支出が待っているわけです。

後継者問題を抱える個人事業

通常、個人事業は企業に比べれば、当然事業規模が小さいですのでM&Aの価額も低いです。1,000万円以下は全然珍しくありません。

多いのは、後継者がいない個人経営の店舗が売却を考えているケースです。また最近では、後継者とはあまり関係ありませんが、個人で運営しているWebサイトがマイクロM&Aで売りに出されているケースも増えています。

買収側にとっては、後継者がいない個人事業については、チャンスであることが多いです。何年にも渡って経営している実績があれば、それは規模が小さくとも継続して利益を出していることがほとんどだからです。

買収後はあまり手を加えなくても、ある程度の期間は安定的に収益が上がることが期待できます。

スモールM&Aとの違い

マイクロM&Aは、1,000万円以下の企業や店舗、事業の売買のことを指すのは、最初に述べたとおりです。しかし、規模の小さいM&Aの案件にはと「スモールM&A」もあります。

ただし、「スモールM&A」も「マイクロM&A」もM&Aであることに違いはありません。両者は、案件価額の大小によって便宜的に名前をつけているだけです。

したがって、M&A仲介業者によってはそれぞれがどのくらいの価額の案件のことを指すのか、違っていることもあります。また、「マイクロM&A」という言葉は使っていないケースも多々あります。

ただ、「スモールM&A」と「マイクロM&A」を分けて分類する場合、一般的には以下の定義づけになります。
 

  • マイクロM&A…1,000万円以下
  • スモールM&A…数千万円~10億円規模

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2. マイクロM&Aの現状

マイクロM&Aの現状

売り手が出てきた一方、マイクロM&Aでの積極的な買い手も増えてきました。

それは、以下2つの現状からになります。
 

  • ベンチャー企業を対象としたM&A
  • 起業家の増加による需要拡大

ベンチャー企業を対象としたM&A

かつてベンチャーは、IPOを目指すことが一般的でした、近年はM&Aを目指すベンチャーが増えています。

理由としては以下の通りです。
 

  • IPOの基準を満たすまで、早くても数年以上かかってしまう
  • 上場基準を満たすために、莫大な費用、業務が発生する

このハードルに比べたら、M&Aは短期間で実現可能で、さらにシナジー効果のある企業に買収してもらえれば、事業の成長が加速する可能性すらあります

ただし、創業から日が浅いベンチャーは収益基盤が整っていなかったり、買収側からすれば将来性を判断するのは難しくもあります。このため、M&Aの評価額がマイクロM&Aの範疇に入ってしまうことも多く、ベンチャーのマイクロM&Aが増えています。

起業家の増加による需要拡大

会社を設立して起業するとなると、各所への申告や店舗・従業員の確保等、手続きの時間や初期費用が必要となります。また、何もない状態から起業すると、サービスを立ち上げ、軌道にのり、安定した売上げを立てるにもかなりの時間を要します。

それが、M&Aによってすでに出来上がっている事業や会社を買う場合、投資する費用はかかりますが、人材や資産、ノウハウなどはすでにありますので、少ない時間で安定した経営を実施できる可能性は格段に高くなります。つまり、起業によるリスクが軽減されるわけです。

近年は、このM&Aのメリットを使った形の起業が増えてきています。もちろん、起業は個人が行う行為ですから、個人で売買できる範囲のマイクロM&Aの需要が増えました。

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3. 資金の集め方

資金の集め方

マイクロM&Aで買収したい場合の資金面についてです。自己資金の投入のほかに、以下2通りが主に考えられます。
 

  • 政策投資金融公庫
  • 制度融資

創業や事業承継の支援を前提としたものが多いですが、それぞれの中にに制度はいくつかあり、また時の政策により要件等が変わることがありますので、詳しくは調べて相談に行きましょう。

政策投資金融公庫

日本政策金融公庫は国の施策のもとの「国民生活事業」で、小規模事業者や創業したての企業に対しても、事業資金を融資しています。

事業承継やM&Aを理由に融資をしてくれる制度もありますので、M&Aによる起業・創業をする場合は、まず日本政策金融公庫を優先して検討すべきです。

制度融資

信用保証付きの自治体の制度融資を利用する方法もあります。

こちらの申込窓口は地銀・信金などの各種金融機関です。自治体及び信用保証協会の認定を経て、各金融機関から融資が実行されます。

ただし、日本政策金融公庫に比べると融資実行まで時間がかかり(通常2ヵ月~3ヵ月)、また要件が厳しめではあります。

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4. マイクロM&Aの成功させる4つのポイント

マイクロM&Aの成功させる4つのポイント

マイクロM&Aでの買収を成功させるポイントは以下の通りです。

①相手企業の信用を調査する

通常の新しい取引先などに対しては必ずすることと思いますが、もちろんM&Aにおいても、買収候補先が見つかったら信用調査は必須です。

まずは対象先のホームページなどから、概要・事業内容・業績など、必要な情報を調べ上げます。また企業相手の買収の場合、信用調査会社を利用し、報告書を手に入れることも手段の一つです

またこの点では、M&A仲介会社を利用すれば、仲介会社が取り扱っている表面上は出てこない情報を得ることもできます。結果、高い精度における企業分析と、分析にかかる時間の大幅短縮が可能です。

②買収後の事業展開を描ける

買収候補先の信用調査も大事ですが、単に買収して終わりではなく、M&Aの成否は買収後にかかっています。したがって、買収候補先を買収した場合の、買収後の事業展開を描けるかどうかも重要なポイントです。これは、買収後のイメージと言い換えても良いです。

個別具体的なイメージは業種によって様々異なってくる部分ではありますが、どんな業種のM&Aであっても共通するものとして、数字や量で測れない以下の部分のイメージを固めておきましょう。
 

  • 買収候補先との社風や企業文化の融合
  • 買収候補先と自社の従業員の協力体制
  • 買収候補先の事業の運営責任者

③PMIやシナジー効果を考える

PMIやシナジー効果を考えることも大事です。これは、描いた買収後の事業展開を、具体化していくためのものとも言えます。

PMIについて

PMIはPost Merger Integrationの略で、M&Aによる買収効果を確実にするための、統合プロセスとマネジメントのことです。PMIの対象となる要素は無数にありますが、代表的なものとして以下3点は具体的なスケジュールを持って詰めていかなければなりません。
 

  • 経営戦略(ビジョン、戦略、ビジネスモデル、マーケティング等)
  • 管理体制(組織、業務管理、人事制度等)
  • 運用体制(業務、システム、従業員意識等)

シナジー効果について

シナジー効果とは、自社と買収した事業が統合して運営される場合の価値が、それぞれの企業ないし事業を単独で運営するよりも大きくなる効果のことです。

シナジー効果も個別具体的には様々ありますが、どんな業種のM&Aでも共通して検討すべきものとして、以下4つが挙げられます。

このシナジー効果を、具体的な数字や量で検討し計画していく必要があります。
 

  • どのくらい売上が増えるか
  • どのくらいコストが削減できるか
  • 流通チャネルの拡大
  • 生産効率のアップ

④マイクロM&Aが得意なアドバイザーを探す

アドバイザーの選定にあたって、「担当者が話しやすい」「対応が早い」というような相手の人柄による部分が大事なのは、マイクロM&AだからといってスモールM&Aや規模の大きいM&Aと変わることはありません。

敢えてマイクロM&Aの場合のアドバイザー選びに重要な点を挙げると、個人経営などの小規模なM&Aの案件の実績や経験が豊富であることです

規模の小さいM&Aに特有の進め方や成約のためのポイントもありますが、アドバイザーの経験が豊富な案件の規模が異なると、そのポイントが大きくズレてしまうためです。

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5. マイクロM&Aが得意なアドバイザーの特徴

マイクロM&Aが得意なアドバイザーの特徴

マイクロM&Aが得意なアドバイザーの特徴は以下の通りです。マイクロM&Aで買収する場合のアドバイザーを想定しています。

過去にマイクロM&AやスモールM&A案件の実績がある

経験や実績に勝てるものはありません。「マイクロM&Aの成功させる4つのポイント」の部分でも載せましたが、マイクロM&AやスモールM&Aの経験や実績があるアドバイザーは、それだけでマイクロM&Aが得意であると言えます。

マイクロM&Aで買収可能な企業情報を豊富に持つ

マイクロM&Aに限らないですが、M&Aは多くの候補先の選択肢があった方が良いです。

そもそも自分が興味を持ったからといって、相手も興味を持ってくれるとは限りません。スモールM&Aやそれ以上のM&Aを含めてですが、お互いの希望がっマッチしてM&Aが成功する確率は、5%以下とも言われています。

たまたま1社だけあたって決まることも無きにしも非ずですが、ほとんどのM&Aは数の勝負でもあります。自分がしようとしている規模のM&A案件を持っていないアドバイザーにいくら相談しても、なしのつぶてになってしまう可能性があります。

したがって、マイクロM&AやスモールM&Aの案件情報を豊富に持っているアドバイザー選びも大事になってきます。

スムーズなやり取りが可能

こちらもマイクロM&Aに限った話ではないですが、M&Aの成功はスムーズなやり取りとスピードの速さも大事になってきます。

M&Aは数が大事な要素であることは述べた通りですが、仮に自分の希望する買収候補先が少なかったとしても、次から次へと対応のスピードが速いほど、同じ限られた時間でも良い案件に出会う可能性は上げられます。チャンスを伺える時間(タイミング)が増えるわけです。

良いアドバイザーは、このあたりの対応の早さの重要性をよく理解しています

一度相談したくらいではわからないところだと思いますが、相談した後には続けてやり取りを行う場面があると思います。その際には、担当者の対応の早さを気にしてみましょう。

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6. マイクロM&Aにおける注意点

マイクロM&Aにおける注意点

マイクロM&Aならではの注意点もあります。マイクロM&Aで買収する場合を考えると、具体的には以下の通りです。

同じM&A目的のライバルを把握

マイクロM&Aは、小規模な事業や店舗が多く、1,000万円以下のM&Aとしては小さな金額での取引です。これはすなわち、M&Aの範疇としてはハードルが低くライバルも多いことを意味します。

また、M&A仲介会社に相談したり、様々な案件を眺めていると、誰でも欲しがるような案件に出くわす可能性も高いのがマイクロM&Aです。例えば、集客の見込める一等地にある飲食店や美容室などは、ライバルがいることが想定されます。

こうしたライバルのいそうな案件をどうしても買収したい場合は、とにかくスピードをもって交渉に手を挙げ、最初から売り手側に「ぜひ売りたい」と思わせるような条件を打診しながら入っていくことが大事になってきます

こうした案件は、M&Aでは珍しい売り手市場です。あまり買い叩くようなことをしていると、相手の熱も冷め、他の買い手を検討し頓挫しかねません。

デューデリジェンスの徹底

しっかりしたデューデリジェンスも大事です。デューディリジェンスは、M&Aにおける売り手側と買い手側の「情報の非対称性」の解消を目的に行うものです。

売り手側にとっては自分の経営情報はよく把握していますが、買い手側にはわからないことも多くあります。いわば、M&Aにおいては買い手側は情報弱者で、そこには「情報の非対称性」が存在しています。

このため、デューデリジェンスは買い手側の知りたいことと目的に沿って行います。知りたいことと目的をはっきりさせて、適切なデューデリジェンスを行いましょう

一般的には以下の項目について行いますが、費用もかかりますしマイクロM&AやスモールM&Aでは不要と考えられる、もしくは対象が無いこともあります。可能な限りは行った方が良いです、本当に必要かという観点も大事になってきます。

【財務】
書面で示された資産が実在しているか、書面に記載のない負債が隠れていないか、損益計算書は正しく作成されているか(粉飾はないか)など

【法務】
企業が締結しているさまざまな契約書はM&Aを進めるうえで妨げにならないか、法令を遵守した経営がなされているか、など

【労務】
就業規則、賃金規定、退職金規定などの各種規程や残業代や有給休暇、組織上の内規や稟議のルールなど

【ビジネス】
営業の進め方、在庫管理方法、集金方法など

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7. マイクロM&Aの流れ

マイクロM&Aの流れ

マイクロM&Aで買収する場合の流れは、スモールM&Aやその他通常のM&Aの流れと基本は同じです。以下は大事な要素と共通する部分のみを紹介しています。

ただし個人事業のマイクロM&Aでしたら、特段PMIという事柄を考えて行う必要はありません。

①事前準備をする

事前準備としては、当然ながら戦略を考えることと、それについて相談したりアドバイスを受けることまで行います。

対象企業へのM&A戦略は正しいか

まずM&A戦略の最初の一歩として、売却条件の検討と優先順位付けが必要です。

具体的には、以下の項目を一つ一つ決めていきます。
 

  • 全部の事業を売却するのか、それとも一部にするのか
  • 売却価格をいくらに設定するか
  • どんな方法で売却するか

また、この売却条件にもしっかり優先順位を決めておくことで、交渉がうまく進まないときにも、自社が譲れるものと譲れないものを明確にし、プロセスを前に進めやすくなります。

第三者やアドバイザーの意見を聞く

第三者やアドバイザーと言っても、M&A仲介会社に相談すればどちらも担ってもらえます。

M&A仲介業者に売却に関する条件希望をよく説明して、こちらの気持ちや考えまで十分に理解してもらっておくことが大事です。

M&A仲介業者からはそれをもとに、実現可能性などについてアドバイスをもらえます。

また、会社を売却する際に最も関心が高いのは、自社がいくらで売れるのかということですが、ほとんどのM&A仲介業者からはこの時点で、簡易評価によるおおよその金額を算定してもらえます。

②適切な企業を選ぶ

自社の要望にピッタリ合う買収候補先が見つかることはあまりないですが、買収候補先を選定していきます。また、M&Aを進めていることが必要以上に漏れてはいけませんので、M&A仲介会社とは秘密保持契約を締結します。

信頼できる評価基準を設定する

M&A仲介業者からは、相手となる買収候補先企業をいくつかピックアップしてもらえます。

リストアップの基準としては、業種・企業規模・地域・事業内容・資力などから、自社の条件や希望に合いそうな企業です。

ただし、ここで当初思い描いていたのとは違う買収候補先が出てくるのはよくあることです。例えば「ここがこんなに優れた会社なら、当初考えた条件とは違うけどこっちの会社のほうが良いではないか?」などです。

こうした場合、評価基準を考えて固めていきながら、相手を選んでいくことになります。評価基準は相手をどう考えるかが中心で、業界でのポジションから取引先、売上や利益など、あらゆる面の中から相手に希望したい点です。

評価基準をもとに、買収候補先企業への持ち込みについての可否、ならびに持ち込みの順位付けをします。

秘密保持の徹底

M&A仲介業者を通して、買収候補先企業に自社の情報を持ち込んでもらうには、M&A仲介業者と秘密保持契約書を締結します。

M&Aで「会社を売りたい」という情報が売却希望企業の従業員や取引先などに漏れると、動揺などから業務に支障をきたす恐れがありますので、秘密保持契約書をきちんと締結した上で、情報を提供する手順が必須です。

また、通常は買収候補企先業もM&A仲介業者に対して秘密保持契約を結んでいますので、相手先からも情報が漏れたりする心配はしなくても大丈夫です。

③契約を結ぶ

面談から基本合意、そしてM&Aの最終契約に至る流れになります。

経営陣同士の面談

売却側と買収側のお互いが関心があるようでしたら、経営者同士のトップ面談となります。

ただし、一回の面談でに入ることはあまりなく、最初はあくまでも「交流」が中心であることがほとんどです。

その後、M&A仲介業者に「緩衝材」の役割を担ってもらいつつ、条件のすり合わせを行います。ここでいう条件とは、例えば売却金額や売却予定日などです。

条件交渉・契約

トップ面談や条件交渉を通じて、自社と買収候補先企業が双方とも概ねお互いを理解し、M&Aを進めることに合意ができたところで、買収候補先企業と基本合意書の締結です。

ただし基本合意書は、まだ仮契約の段階で、本契約ではありません。あくまでもM&Aの検討をお互いに続けることを確認するにとどまります。

基本合意書の後のデューデリジェンスを経て、M&Aの最終条件や細目事項の決定をし、M&Aの最終契約書の締結です。

最終契約書には、一般的に以下の項目が含まれます。
 

  • M&A取引(売却)価格
  • 退職金をどうするか
  • 従業員の処遇
  • 役員の処遇
  • 支払い方法
  • 連帯保証や担保提供の解除方法
  • 契約書に書いていない債務が発生した場合どうするかなど。
  • その他細目事項の決定(社宅をどうするか、骨董品やゴルフ会員権の取り扱い、役員人事等)

④PMIに取り組む

「マイクロM&Aの成功させる4つのポイント」で述べたPMIです。

売り手側と買い手側の統合後の新体制のもとで、統合後のシナジー効果を発揮するために計画し、経営戦略に落とし込んで徹底していきます。

経営戦略の徹底浸透

買収側は売却側を、どの程度の早さで自社および自社グループに統合していくか、またどのような手順・スキームで統合していくの検討から入り、それをプランとして作成します

ただし、あまり性急なPMIを考え実行してしまうと、現場の従業員労働に対するモチベーションの低下や、現場のオペレーションの混乱が生じることもあります。

したがって、経営トップや経営幹部の強力なリーダーシップとマネジメントと、現場の従業員が納得できるようなコミュニケーションのもとで、M&A後の経営戦略の徹底浸透を、まずは確実に行う必要があります。

シナジー効果を発揮させる

シナジー効果には様々考えられますが、新規顧客の獲得やサービス向上、共通する業務の一本化によるコスト削減などが挙げられます。M&Aにおいては、このシナジー効果が発揮できるかが、成否の鍵となるとも言えます

このシナジー効果発揮の為にやることとしては、例えば以下のようなものです。
 

  • 財務面での無駄を省く作業
  • 統一的な経営システムの構築
  • 企業文化や風土の融和施策
  • 社員一人一人の能力を引き出しモチベーションをあげる施策

もちろんPMIの計画において、これらをしっかり実行する為の具体的な計画を描いておくことが、計画の実行とシナジー効果発揮の大前提となります。

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8. マイクロM&Aの事例紹介!

マイクロM&Aの事例紹介!

マイクロM&Aで成約した案件事例をいくつか、一覧でまとめています。

売買価格は1,000万円以下のものです。マイクロM&Aのおおよその金額感や、どういった業務内容が売買されているのか、おおよその見当がつかめます。
 

業務内容 拠点 売却理由 売上/利益 売買価額 備考
ペットサロン2店舗 岐阜県 本業への集中 不明 1,000万円  
和食居酒屋 東京都 本業への集中 約3,600万円/約240万円 950万円 総額1,500万
猫カフェ 関西 新規事業への集中 約1,300万円/約300万円 850万円 税別、敷金なし
学童保育所 東京都 新規事業への集中 約1,200万円/不明 750万円  
ラーメン店 埼玉県 事業承継 約2,400万円/約600万円 650万円 税別
ネイルサロン 東京都 不明 約2,400万円/約240万円 500万円 税別、保証金別途
脱毛サロン2店舗 東京都 他事業への集中 約2,200万円/約△250万円 500万円  
脱毛エステサロン 東京都 家庭の事情 約2400万円/約150万円 500万円  
認可外保育 埼玉県 他事業への集中 約3,300万円/約240万円 500万円 税別

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9. マイクロM&A解説のまとめ

マイクロM&A解説のまとめ

規模の小さなM&A案件には、「スモールM&A」と「マイクロM&A」があります。

スモールM&Aは、数千万円~10億円規模の案件のことを言います。一方でマイクロM&Aは、1,000万円以下の企業や店舗、事業の売買のことです。対象となる事業が最初から限定されているわけではありませんが、1,000万円以下の売買価額の範疇に入るのは、その多くが飲食店などの店舗です。

また店舗でなくても、赤字経営や後継者問題の理由から、マイクロM&Aでの売却になることもあります。また最近では、ベンチャー企業がマイクロM&Aで売買される事例も増えてきました。

マイクロM&Aと言えども、大まかなM&Aの流れはその他のM&Aの流れと変わりません。ただし、アドバイザー選定にあたっては、マイクロM&Aが得意なアドバイザーを選ぶことが重要になってきます。

マイクロM&Aが得意なアドバイザーかどうかを判断するには、過去にマイクロM&AやスモールM&A案件の実績があり、マイクロM&Aで買収可能な企業情報を豊富に持っていることを目安とするべきです。

マイクロM&Aの流れは大きく以下の通りです。
①事前準備をする
 →対象企業へのM&A戦略は正しいか
 →第三者やアドバイザーの意見を聞く
②適切な企業を選ぶ
 →信頼できる評価基準を設定する
 →秘密保持の徹底
③契約を結ぶ
 →経営陣同士の面談
 →条件交渉・契約
④PMIに取り組む
 →経営戦略の徹底浸透
 →シナジー効果を発揮させる

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