2023年04月02日更新
事業承継のポイント7選!対策の必要性も徹底解説
事業承継とは、後継者へ事業を引き継ぐことです。事業承継を成功させるためには、いくつものポイントを押さえながら計画的に準備を進めていく必要があります。本記事では、事業承継を実施する際に押さえておくべき7つのポイントを解説します。
1. 事業承継とは
事業承継を成功させるためには、いくつものポイントを押さえながら、計画的に準備を進めていく必要があります。本記事では事業承継のポイントを紹介しますが、まずは事業承継とはどのようなものなのかを解説します。
事業承継について
事業承継とは、後継者へ事業を引き継ぐことを指し、事業承継の目的は会社を存続させていくことです。会社を存続させることは、その会社の技術・ノウハウや従業員の雇用、取引先の経営、顧客の生活などを守ることにつながり、ひいては地域経済を支えていくことにもつながるでしょう。
事業承継が行われず廃業する会社が増加していくと、地域経済にとどまらず日本経済が衰退していくことにもなっていきます。
事業承継には、親族間で事業承継を行う親族内事業承継・従業員などに事業承継を行う親族外事業承継・M&Aによる第三者への事業承継があり、近年はM&Aによる事業承継が急増しています。
これらの事業承継を会社ごとの事情に合わせながら活用することが、会社やその関係者、地域などを守ることにつながるでしょう。
事業承継の現状
中小企業経営者の平均年齢は、年々高くなっています。中小企業経営者の平均引退年齢は60代後半から70代前半程といわれており、多くの中小企業経営者が平均引退年齢を迎えています。
今後は、平均引退年齢を迎える中小企業経営者がさらに増えると見込まれており、その原因は後継者不足です。事業自体は堅調であっても、後継者がいないことで事業の引き継ぎも廃業もできず、経営者の高齢化が進んでいるのが現状です。
事業承継への着手が遅かったことが原因で十分な準備が間に合わず、結果的に廃業に至ってしまうケースも少なくありません。そこで、国や地方自治体では、中小企業の事業承継を促すためのさまざまな施策を進めています。その成果もあってか、中小企業による第三者事業承継の数は年々増加し続けています。
事業承継で引き継ぐものとは
事業承継によって引き継ぐ要素には「人」「資産」「無形資産」があるでしょう。人の引き継ぎとは、後継者へ経営権を承継すること、資産の引き継ぎは株式や事業用資産などの承継が該当します。
無形資産の引き継ぎとは、技術・ノウハウや経営理念、信用といった資産を承継することをさすでしょう。
事業承継では、これら3つの要素を引き継ぐため十分な時間が必要であり、後継者教育も含めると5年から10年の準備期間がかかるといわれています。
いずれ事業承継を実施するつもりであれば、時間と手間をかけて計画的に準備する必要があります。
人の承継
人の承継とは、後継者になる方への経営権の承継を指します。
会社の場合は、代表取締役の交代です。
適切な後継者の選定は、事業承継がうまくいくか否かの重要な部分ですので、なるべく早く進めましょう。
後継者を決める場合は、まず経営者としての資質がある人を選ぶことが大切です。
後継者が決定すれば、後継者の育成、対話、教育と順に承継を進めていきます。
準備期間としては5年〜10年は考えておく必要があります。
資産の承継
事業承継の際は、資産(財産)も引き継ぎます。
株式はもちろん、現金預金や保険積立金、貸付金などの非事業資産も引き継ぎます。
承継後の経営を安定させるためには、後継者や協力的な株主に、相当数の自社株や事業用資産を集中させることが大切です。
なお、事業承継の際は、借金や連帯保証人などの「負の遺産」も引き継ぎの対象ですので注意が必要です。
知的資産の承継
事業承継においては、株式や不動産などの有形の資産だけではなく、知的資産も承継の対象となります。
知的資産の主なものは以下のようなものです。
- 経営理念
- 従業員のスキル
- ノウハウ
- 経営者の信用
- 取引先との人脈や関係性
- 顧客情報
- 特許などの知的財産権
- 許認可 など
知的財産とは、会社にとって強みであると同時に非常に価値ある重要なものです。
特に中小企業にとって会社は信頼関係で成り立っていると言っても過言ではありません。
事業承継のスキーム
事業承継のスキームには親族内事業承継、親族外事業承継、M&Aによる事業承継があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。会社の個別事情に合わせて選択する必要があるので、それぞれの特徴をよく把握しておくことが大切です。
親族内事業承継
親族内事業承継とは、経営者の子どもなど親族に事業を承継するスキームです。親族内事業承継を行うためには、まず親族のなかから後継者を決めます。
後継者以外の親族へは資産分配などを説明し、後継者への承継に関する同意を得ます。その後、役員や従業員に後継者が誰になるのかを伝え、後継者教育を施しながら段階的に権限を渡していくのが一般的です。
親族内事業承継の場合、親族への相続や贈与には細心の注意が必要となるため、適宜専門家に相談しながら、事業承継に必要な準備を進めていきます。親族内事業承継を円滑に完了させるには5年から10年はかかるつもりで、経営者が元気なうちに課題を一つひとつ解消しておくことがポイントです。
親族内事業承継のメリット・デメリット
メリット
創業者、経営者の親族への承継が従来続いている場合は、役員や従業員および内外の関係者からは既定路線として納得しやすい形となるでしょう。
また、後継者候補を親族に絞り込み、早期に決めることで社内での教育だけではなく、社外の経験を積ませるなど十分な育成期間を取ることができます。
デメリット
まず、後継者候補が複数存在する場合、後継者になれなかった方から恨みを買うなどしてトラブルが発生することがあります。
そのため、後継者以外の親族に対する配慮が必要となります。
また、後継者でない親族が、後継者に承継させる株式の評価額や事業関連の財産の評価額を巡って、トラブルになることもあります。
親族外事業承継
親族外事業承継とは、自社の役員や従業員、外部から経営者候補として迎え入れた人物などに事業を承継するスキームです。
親族外事業承継で後継者を決める場合は、役員や従業員の実務能力の高さだけで選ぶのではなく、リーダーとしての資質があるか、リーダーになる覚悟があるか、ほかの従業員や取引先からの人望があるかなどもしっかりと見極めることが大切です。
親族内事業承継と同じく、親族外事業承継でも早めに後継者候補を決めておき、時間をかけて育成することが事業承継成功のポイントとなります。
親族外事業承継のメリット・デメリット
メリット
まず、経営者として何のしがらみもなく、能力のある人材を見極めて承継することができます。
また、長期に渡り働いてきた従業員であれば、経営方針などの一貫性が保ちやすいのもメリットといえます。
また、社内で事業に関わっていた人が後継者となるので、ほかの従業員の理解を得やすいのもメリットでしょう。
デメリット
親族内承継と比較して、株式取得などの資金力が後継者候補に必要となります。
また、従業員を見渡したところで経営者の資質がある人材がいるとは限らないところがデメリットとなります。
さらに、経営方針や社内体制に関してはそのまま引き継いでもらえるでしょうが、一方で経営の改善や改革など会社の発展が難しくなる場合があります。
M&Aによる事業承継
社外の第三者へ事業を承継する際は、M&Aによって事業承継を行います。M&Aによる事業承継には専門的な知識が必要となるので、M&A仲介会社などの専門家に依頼するのが一般的です。よりよいM&A相手とより有利な条件でM&Aを成立させるためには、企業価値を高める施策を打っておくこともポイントです。
M&Aによる事業承継を行う際の代表的なスキームには、株式譲渡と事業譲渡があります。株式譲渡は、自社株式を買い手会社や個人に譲渡することで経営権を移行するスキームです。株主が変わるだけなので、事業承継後も事業に支障が出にくいメリットもあります。買い手にとっては、簿外債務などを引き継ぐリスクがあるでしょう。
事業譲渡は、会社や個人事業主の事業を事業承継先の会社や個人事業主へ譲渡するスキームです。事業譲渡の際は、事業全体を譲渡するケースと、特定の事業を譲渡するケースがあります。
譲渡する事業を柔軟に切り離せる点がメリットである一方、株式譲渡よりも手続きは煩雑になりがちです。
M&Aによる事業承継のメリット・デメリット
メリット
身近に後継者として適任者がいない場合でも、候補者を広く外部に求められます。
その結果、選択肢が広がり後継者不在による廃業という事態を
防げます。
また、第三者が経営者になるので、今までの社内にはなかった価値観やノウハウが導入されるので、会社が抱えている課題の解決につながったり、業績が向上したりする可能性があります。
デメリット
まったくの第三者から探すことになるので、希望の条件を満たす買い手を見つけるのにはある程度の時間がかかります。
また、経営の一体性を保つのにも時間がかかるでしょう。
事業承継対策の必要性
中小企業では経営者の高齢化が進んでいるうえ、後継者の確保が難しい状況が続いています。そもそも事業承継に向けた準備の重要性を十分に認識しておらず対策を講じなかった企業が、の業績が悪化したり、最悪の場合は廃業に追い込まれたりするケースもあります。
中小企業にとって事業承継問題は最重要課題です。事業承継対策が必要とされる理由は、以下が挙げられるでしょう。
- 相続トラブルの発生を防ぐため
- 後継者を確保して会社・事業を存続させるため
- 税金問題を解決するため
事業承継対策は、相続のトラブルを防げます。相続問題の発生は親族同士のトラブルにとどまらず、取引先や社員なども不安となり、悪影響を与えるでしょう。結果として不安を感じた取引先・社員が会社から離れてしまうおそれもあるでしょう。
相続問題を理由に銀行からの信用を失うと、将来的に融資が受けられなくなる可能性もあります。事業の存続が難しくなってしまう可能性もあるため、しっかりと対策を練っておく必要があるでしょう。事業承継では経営者が培ってきた要素をそのまま引き継ぐ必要があるため、後継者教育にはノウハウの承継だけでも長期の準備期間が必要です。
昨今は相続税・贈与税の優遇措置が受けられる「事業承継税制」の活用することで、税金の悩みを解消して事業承継を進行できる制度が整っています。これらが、事業承継対策が必要となる理由です。
2. 事業承継のポイント7選
事業承継を成功させるには、ポイントを押さえながら戦略的に計画を進める必要があります。本章では、事業承継のポイントを7つ紹介します。
【事業承継のポイント】
- 10年計画で準備を進める
- 事業承継ガイドライン・事業承継マニュアルを確認する
- 誰に事業承継を行うか決める
- 計画的に後継者の育成を行う
- 資金繰りの対策を立てておく
- 経営権の分散に対する対策
- 専門家に相談する
①10年計画で準備を進める
事業承継のポイント1つ目は、10年など長期目線で事業承継の準備を進めることです。親族内事業承継や親族外事業承継の場合は、後継者選びや後継者教育に時間をかけるのが成功のポイントとなります。
M&Aによる事業承継の場合は、最適なM&A相手と最適なタイミングで取引を行い、有利な条件で交渉を進めていくためにも、企業価値の向上がポイントです。
そのためには、短期的にではなく、長期的かつ計画的に準備を進めていくようにしましょう。
②事業承継ガイドライン・事業承継マニュアルを確認する
中小企業庁では、中小企業経営者の円滑な事業承継を促すため、事業承継のポイントをまとめた「事業承継ガイドライン」、事業承継ガイドラインをわかりやすくまとめた「事業承継マニュアル」を作成しています。
事業承継ガイドラインと事業承継マニュアルには、事業承継の現状や事業承継計画の立て方、事業承継を成功させるための行動指針などが詳しく記載されています。
事業承継の準備を何から始めたらよいかわからない場合は、事業承継ガイドラインと事業承継マニュアルを読むことで、事業承継を成功させるポイントを押さえられるでしょう。
③誰に事業承継を行うか決める
誰に後継者として事業承継を行うかによって、必要な準備や注意しなければならないポイントは変わってきます。親族内事業承継や親族外事業承継の場合は、後継者として「事業を継続・成長させていける」資質を見極める必要があります。
後継者としての資質を見極めるポイントとしては、経営者となる意欲があるか、経営者となる覚悟はできているか、自社に合った経営理念・価値観を持っているか、実務能力を持っているか、従業員や取引先からの人望があるかなどが挙げられます。
帝国データバンクの「100年経営企業」のアンケート調査によると、100年以上事業を継続できた理由として、「取引先・顧客との信頼関係」 (73.8%)、「時代に合わせた事業内容・構成 の変化」(64.4%)と回答する企業が多くありました。時代に合わせた新たな価値を提供し続けることで、顧客から信頼を得てきた企業の姿が見て取れます。
M&Aによる事業承継のポイントとしては、自社の経営理念や企業文化を尊重してくれるか、誠実にこちらの意見にも耳を傾けてくれるか、トップ同士の相性は良いか、自社の事業に理解はあるかなどが挙げられます。
これらの条件を満たしたうえで権限を委譲していくには、ある程度の時間と専門家による助言が必要になることがほとんどです。これらの準備は早いに越したことはありません。
④計画的に後継者の育成を行う
後継者を育成する際は、社内外で実務経験を積ませたり、現経営者のサポートをしたりなど、さまざまな経験を積ませることが必要になります。しかし、それだけでは後継者になる教育としては不十分です。
後継者育成では、企業理念や経営方針もしっかりと後継者の体に染み込ませていくと同時に、経営者になる覚悟も育てていくことがポイントです。
経営に対する価値観が現経営者と後継者で違いすぎた結果、会社が混乱してしまうケースは少なくありません。
そのような事態を避けるためにも、現経営者が強い権限を持っているうちに、後継者と丁寧にコミュニケーションを重ねていくこともポイントのひとつです。
⑤資金繰りの対策を立てておく
現経営者から後継者へ事業承継を行うと、贈与税や相続税が発生します。後継者にとって税金が精神的負担となって、事業承継をためらうケースもあります。事業承継の税金対策は経営者が亡くなってからでは難しくなるので、現経営者が元気なうちにあらゆる対策を打っておくことがポイントです。
現在は、事業承継税制の要件を満たせば、贈与税や相続税の納税猶予や免除を受けられます。事業承継税制は制度改正により以前よりも利用しやすくなっているので、積極的に利用するとよいでしょう。相続税や贈与税だけでなく、事業承継後に安定した経営を行っていくにはまとまった資金が必要となることがあります。
特に親族外事業承継の場合、役員や従業員へ有償で譲渡を行うケースが多いので、後継者となる役員や従業員は譲受資金を準備しなければなりません。そのような場合に備えて、現経営者が事前に金融機関などとしっかりと交渉をしておき、協力を得られる状態にしておくことも必要です。
⑥経営権の分散に対する対策
会社の経営権を安定させるために欠かせないのが、経営権の分散対策です。少数株主が残ったまま事業承継を行うと、少数株主からさまざまな要求・主張が行われたり、株主代表訴訟が行われたりするリスクが生じます。
M&Aによる事業承継の場合は、株式が分散しているとM&Aに時間がかかったり手間が増えたりするといった問題が生じることもあります。
これらの問題を生じさせないためにも、自社株式の生前贈与や安定株主の導入、遺言の作成、種類株式の発行、信託の活用など、あらかじめ必要な対策を講じておくことがポイントです。
⑦専門家に相談する
事業承継のアドバイスをもらいたい場合は、目的に合わせてさまざまな支援機関に相談しましょう。商工会・商工会議所・金融機関では、事業承継に向けた準備の仕方についてアドバイスがもらえます。
事業承継・引継ぎ支援センターやよろず支援拠点といった公的機関では、より具体的な事業承継の準備に関するサポートが受けられます。税理士・弁護士などの専門家からは、各専門分野に関するサポートが受けられるでしょう。
M&A仲介会社の場合は、M&Aによる第三者への事業承継を総合的にサポートしてもらうのが可能です。
3. 事業承継の流れ
事業承継は一般的に以下の流れで進めていきます。全体の流れを把握しておくと、必要な準備を効率よく進められ、成功率を上げることにもつながります。
【事業承継の流れ】
- 事業承継の準備
- 経営状況や経営課題の把握
- 事業承継に向けての経営改善
- 事業承継計画の策定
- 事業承継の実行
①事業承継の準備
事業承継を進める際のポイントとして、まず事業承継の準備の必要性を認識することが大切です。事業承継を実施するためには数多くの準備が必要であり、手間と時間を要します。事業承継によってさまざまな関係者に影響が出ることも考えられます。
なんとなく事業承継をしようとすれば、いつの間にか最適なタイミングを逃してしまったり、さまざまな関係者に迷惑をかけたりする可能性が出てくるでしょう。
まずは、商工会や商工会議所・金融機関・公的機関・M&A仲介会社などの専門家に相談して、事業承継の心構えから固めていくことがポイントです。M&Aによる第三者への事業承継の場合は、M&A仲介会社に相談すると一貫した戦略をトータルでサポートしてもらえるケースがほとんどです。
②経営状況や経営課題の把握
事業承継後も会社を維持・成長させていくためには、自社の経営状況や経営課題を把握しておくことがポイントです。経営状況や経営課題を把握するには、3つの点からチェックする必要があります。
まずは、事業の現状と課題の把握です。会社の強みや弱みを洗い出し、事業承継に伴って何に取り組まなければならないかを明らかにします。続いては、資産の現状と課題の把握です。中小企業の場合、オーナー経営者の資産と会社の資産があいまいなケースも多いので、資産を整理して後継者に残せる事業資産を明らかにしておくことがポイントです。
そのほか、財務の現状と課題の把握も重要でしょう。小規模な会社ほど財務管理が大ざっぱなケースも少なくありません。しかし、それでは事業承継の際に金融機関からの資金調達や取引先との関係性に問題が生じる可能性があります。事業承継の実施に向けて、適切な財務管理を徹底しておくことも大切なポイントです。
③事業承継に向けての経営改善
経営状況や経営課題の洗い出しが終わったら、事業承継に向けて実際に経営改善を進めていきます。現経営者は、後継者がスムーズに事業を継続できることを念頭に置いた経営改善を行うことがポイントです。
近年は、親族が会社の将来性に不安を感じていることから、後継者となることを拒否するケースもあり、親族内事業承継が減少する原因の一端ともなっています。
事業承継の経営改善は、業績の改善やコストの削減など数字に直結する面だけでなく、技術やノウハウ、人材、コンプライアンスなどの改善もポイントとなるでしょう。
これらの改善は目に見えにくく時間がかかることも多いことから、専門家の力を借りながら進めていくことも方法のひとつです。
④事業承継計画の策定
事業承継計画とは、事業承継の具体的な行動を設計した計画書のことです。事業承継計画書を策定する際は、目先の計画だけでなく、10年先を見据えた計画を立てることがポイントです。
現経営者がひとりで事業承継計画書を作成するのではなく、後継者とともに事業承継計画書を作り上げること、後継者はただの計画ではなく具体的なアクションにつなげられるでしょう。
事業承継計画策定の流れとしては、まず会社の中長期目標を設定します。そして中長期目標を基に、経営者と後継者、会社の具体的な行動を設定します。
完成した事業承継計画書は、適切なタイミングで関係者にも公開し、事業承継計画を進めるための協力を得ることもポイントです。
⑤事業承継の実行
親族内事業承継や親族外事業承継の場合は、事業承継計画書を基に事業承継の準備が整ったら、適切なタイミングで後継者へ株式や事業用資産、経営権の承継を進めていきます。
M&Aによる第三者事業承継の場合は、M&Aの専門家からサポートしてもらいながら買い手候補とのマッチングを実施し、マッチングが成立したら買い手とM&A手続きを進めていきます。
事業承継は、手続きが完了した後のポスト事業承継が重要です。ポスト事業承継は事業承継計画通りに進むとは限らないため、専門家のアドバイスももらいながら状況に応じて柔軟に対応していく姿勢も大切です。
4. 事業承継チェックシートについて
多くの経営者の方が行っている事業承継ですが、事前に確実な計画を練って取り組みたいところです。
その計画の段階から、課題を解決しながら事業承継を進められると人気になっているのが、「事業承継チェックシート」です。
その名の通り、事業承継を実行する上で必要なポイントをチェック項目で確認できるシートです
。
事業承継は、税金対策をはじめ、後継者・M&A先探し、後継者育成やさまざまな手続きが必要になり、やるべきことが少なくありません。
やり残しがないように、確実に対応できるようにサポートしてくれるのが、この事業承継チェックシートです。
5. 事業承継M&Aのポイントに関する相談先
事業承継の相談先は目的や事業承継の種類などによって選び分ける必要があります。M&Aによる第三者への事業承継の場合、M&A仲介会社がおすすめです。M&A仲介会社は独自のネットワークを持っているので、幅広い買い手候補から適切な相手を探せます。
M&A仲介会社は交渉力にも長けています。第三者事業承継では譲渡側と譲受側の信頼関係も重要です。M&A仲介会社は、双方の条件を取りまとめて交渉を進めていくことが可能です。
しかし、M&A仲介会社は会社によってそれぞれ特徴が大きく異なりますので、自社に合ったM&A仲介会社を選ぶようにしましょう。M&A総合研究所では、豊富な支援実績を持つM&Aアドバイザーが担当し、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートします。
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6. 事業承継のポイント7選まとめ
事業承継の準備には5年から10年が必要といわれているため、余裕をもって取り組んでいくことが大切です。
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