中小企業の事業承継問題とは?現状やリスク、解決策を徹底解説

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

近年、中小企業の事業承継問題がクローズアップされています。その問題の解決策を探るべく、中小企業の現状、事業承継にまつわるトラブルや廃業の実態などを調べました。事業承継問題に直面している中小企業だけでなく、後継者が定まっていない全ての企業、必見です。

目次

  1. 中小企業の事業承継を取り巻く現状
  2. 中小企業を悩ます5つの事業承継問題
  3. 中小企業の事業承継に伴うリスク
  4. 中小企業の事業承継問題における解決策
  5. 事業承継問題の解決を支援する公的制度・施策
  6. M&Aによる事業承継について
  7. 事業承継問題に関する相談先
  8. 中小企業の事業承継問題まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 経験豊富なM&AアドバイザーがM&Aをフルサポート まずは無料相談
    プレミアム案件・お役立ち情報

1. 中小企業の事業承継を取り巻く現状

近年の中小企業を取り巻く環境は、厳しさが続いているといわざるを得ません。アベノミクスにより好景気になっているにもかかわらず、中小企業の売上・生産性がともに伸び悩んでいます。

好景気によって大手企業に人材が流れてしまうため、中小企業では必要な人数の従業員を確保しづらい傾向があります。特に一番厳しい状況ともいえるのが、中小企業の経営者の問題です。中小企業の経営者や事業承継の現状を紹介します。

経営者の高齢化

「全国社長年齢分析(2020年)」によると、2019(令和元)年の経営者の平均年齢は59.9歳でした。この調査は全国約95万社を対象に集計されています。30年前の1990(平成2)年では54歳だったものが、毎年記録が上昇し、ついに60歳寸前まで上がった状態です。

同調査では、年商額が小さくなるほど経営者の平均年齢が上昇する点も指摘しています。例えば、年商1億円未満の企業の経営者平均年齢は61.1歳と、すでに60歳を超えた結果でした。

つまり、今現在も高齢化が進行中である中小企業の経営者にとって、最大の問題はどのように事業承継を行うかということです。

廃業件数の増加

事業承継がなされず経営者が引退した場合、その企業は休廃業か解散をすることになります。中小企業庁発表の「2020年版中小企業白書」に用いられている東京商工リサーチ「2019年『休廃業・解散企業』動向調査」によると、2019年の休廃業・解散企業数は43,348社でした。

同年の経営不振や債務超過などによって倒産した企業数が8,354社(帝国データバンク調べ)ですから、その約5倍にものぼる数の企業が休廃業・解散しているのが現状です。

同調査の休廃業・解散企業の経営者年齢を見てみると、60代が27.5%、70代が39.1%、80代が16.9%であり、その合計は83.5%でした。このデータから、企業の休廃業・解散件数増加の一番の原因は、経営者の高齢化によるものであるとわかります。

親族外承継へのシフト

従来の中小企業の事業承継では、経営者の子供など親族への事業承継が多数を占めていました。昨今では新たな事業承継の方法として、M&Aなど親族外承継を行う選択肢も用いられています。

ただし、事業規模が小さいほど親族外承継には消極的、というデータがあるのも現状です。中小企業庁発表の小規模企業白書によると、後継者が決まっていると回答した企業のうち親族外承継と回答した小規模企業の割合は9.7%、個人事業者では4.9%にとどまっています。

政府は、M&Aなどの親族外承継についての情報を発信し、事業承継の選択肢の1つになるよう、さらに推進する考えです。

事業承継をM&Aで実施する場合、中小企業が自社のみでM&Aを実施しようとするのはトラブルのもとにもなりかねません。M&Aの手続きを進めるうえでは、専門的な知識が必要になるので、M&A仲介会社などの専門家によるサポートがおすすめです。

M&Aによる事業承継をご検討の際は、M&A総合研究所へご相談ください。豊富な知識と経験を持つアドバイザーがM&Aをフルサポートいたしますので、スムーズなM&A進行が可能になります。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
0120-401-970
WEBから無料相談
M&Aのプロに相談する

事業承継が進まない理由

中小企業では、事業承継ガイドラインなどが公表されているにもかかわらず、事業承継が進んでいないのが現状です。最大の理由は、経営状況に対する将来の予測ができないためと考えられます。

今、行っている事業が黒字であったとしても、将来的にその事業を安定的に続けられるかどうかは確かに断定できません。事業承継では、その不安を後継者に押しつけることになるため、事業承継に消極的になっている経営者が多くいるのです。

したがって、事業承継を進めるためには、将来的に安定して経営が続けられるような施策を政府が行う必要があるでしょう。

2. 中小企業を悩ます5つの事業承継問題

ここからは、中小企業が事業承継を行う際に発生しやすいトラブルや問題などについて掲示します。

①後継者不在

事業承継を行う際に、後継者がいないと承継できません。帝国データバンクの「全国・後継者不在企業動向調査(2019年)」によると、後継者不在企業は65.2%です。事業承継において、後継者がいかに大きな問題かがわかります。現状の事業承継を、後継者が誰であるかによって分類すると、以下の3つです。
 

  • 親族内承継
  • 社内承継
  • 第三者承継(M&Aなど)

これらのうち、従来より広く行われてきたものの、昨今はトラブルや問題が生じがちである、親族内承継と社内承継について、その現状を見てみましょう。

親族承継の問題点

親族内承継を行う際に、そもそも身内に適切な後継者がいないケースが問題です。親族内承継を行うときの後継者として、経営者の子供というパターンが最も多いと思われます。しかし、子供らは別の会社に勤務している場合が多いのが現状です。

そのような場合、会社経営の経験どころか、その会社のことを何もわかっていないので、すぐに事業承継できません。

会社の経営者になると大きな責務を背負うことになります。大きな責務を背負ってまで会社を承継したくないと思う親族が増えてきている現状から、親族内承継の比率が以前よりも減少しています。

社内承継の問題点

従来から親族内承継が行えないときは、次善の策としてその会社の役員や従業員へ事業承継されてきました。一番の理由として、役員や従業員はその会社に長年勤めており、その会社の内情や事業のことをよく理解しているからです。

しかし、役員や従業員へ承継を行う際にも問題はあります。1つ目は資金の問題です。事業承継とは経営権の引き渡しであり、つまりは会社の株式を譲渡することになります。親族なら相続や贈与での株式譲渡となりますが、親族でない役員や従業員の場合、株式譲渡の方法は売買です。

したがって、役員や従業員が事業承継しようとする場合、本人に株式を買い取るだけの対価が払えないと、気持ちの問題とは別に事業承継を行えません。

2つ目は、事業承継後の問題です。役員や従業員へ事業承継を行うと、これまでの経営理念や社風を守ってくれることはメリットの1つとなります。しかし、それらを守り過ぎるとかえって会社が発展しない可能性もあります。

継がす不幸

親族や従業員に意志があっても、経営者がその人たちへの事業承継をためらうケースも多いです。ある調査では、事業承継を進められなかった経営者のうち、半分以上が「将来が不安で事業承継に消極的になったから」と回答しています。自分の経験を重ね合わせ、後継者へ不幸を継がす可能性を無視し切れないのでしょう。

②後継者の教育が難しい

事業承継を行う際に、後継者教育に苦戦している経営者は多いようです。経営者が後継者に求める能力としては、会社や事業の将来性を見通す能力の向上や、経営者としての資質を身につけるなどがあります。

しかし、これらの能力を身につけるためのマニュアルなどが存在するわけではありません。後継者を教育するためには、取締役などの重要な役職を与えて、実務を通して経営者としての能力を身につけさせる必要があります。一説では、経営の後継者教育には数年~10年程度かかるともいわれているほどです。

事業承継完了までに時間がかかる

事業承継完了までに時間がかかる問題点もあります。平均で5~10年ともいわれる事業承継完了までの期間の原因は、後継者を育成するために時間がかかるからです。

中小企業白書によると、後継者の育成期間は、5~10年と回答している中規模企業は47.4%、小規模事業者は39.9%といずれも最も多くなっています。中小企業の経営者は、自身が引継ぎを完了したいと考えている時期から逆算して、計画的に事業承継を行わなければなりません。

③ワンマン経営による事業承継準備の遅れ

中小企業では、会社の所有権を持つオーナーと実際の経営を行う経営者が同一人物であるケースがほとんどです。そのため、会社で最も強い権限を持つのが社長という会社構造になっています。会社構造そのものが権力が社長に集中しやすくなっているので、ワンマン経営をする経営者が多くなりがちです。

ワンマン経営の会社では、社長の周りの役員や従業員がイエスだらけになってしまいます。経営者が優秀であればあるほど、そのような傾向は強まります。しかし、経営者も人間ですから、誤った意思決定を行うケースも当然あるのです。

事業承継は経営者個人の問題ではなく、会社経営全体の問題です。したがって、ワンマン経営となっている会社では、事業承継が遅れがちです。経営者が事業承継に積極的な場合であればそれほど問題にはならないものの、もし経営者が事業承継に関心がないと、事業承継はいつまでたっても進まない可能性があります。

④適した相談者の不在

事業承継を行うにあたっては、さまざまな専門知識が必要です。会社にとって事業承継問題は何度も何度も起こるものではありませんから、当然、会社内に事業承継について詳しい人はほとんどいないでしょう。

したがって、事業承継をするために何から始めたら良いのかわからないケースがほとんどです。そのようなとき、誰に相談したら良いかわからない経営者が多くいます。実際には、税理士や弁護士などに相談できますが、そもそも相談できるのを知らない場合もあります。

そうした適切な相談者の不在が事業承継を遅らせてしまいます。

⑤経営状況や将来に対する不安

会社の社長が変わると会社経営は大きな影響を受けます。上で説明したワンマン経営の会社であればあるほど、その傾向は強まります。

現経営者としては、できるだけ経営状況が良い状態で後継者に引継ぎたいと考えているでしょう。将来の見通しをきちんと立ててから、会社を承継したいと考えているケースも多いです。しかし、それほど簡単に会社の経営状況や将来の見通しは変わりません。

いつまでも改善を待っていると、事業承継のタイミングがどんどん遅れ、適切な準備ができなくなります。

3. 中小企業の事業承継に伴うリスク

中小企業の事業承継を行うにあたっては、そのリスクをきちんと認識しなければなりません。ここでは、中小企業の事業承継に伴うリスクとしてどんなものがあるのか説明します。

①負債・個人保証を承継するリスク

事業承継によって引き継ぐのは会社そのものですが、厳密には、会社の事業で使っている資産・負債・純資産を引き継ぎます。したがって、資金調達を借入に頼っている会社であれば、会社を引き継ぐと、それは借入も引き継ぐのです。会社の資金繰りが苦しい場合、これは後継者にとって死活問題です。

会社経営が苦しいケースでは、前社長の個人借入によって会社の資産を賄っているケースも少なくありません。この場合、個人借入によって調達した資産の引継ぎができないケースもあります。その資産を会社の事業で利用している場合、会社の事業が回らなくなるリスクがあるので注意が必要です。

②後継者と古参社員が対立するリスク

後継者と古参社員の対立トラブルも起こり得る問題です。古参社員は、先代経営者とともに会社を支えてきた自負があります。これに対して後継者は先代経営者よりも若いですから、経営戦略などについて世代間の認識の違いによる対立が発生するのです。

先代経営者が行ってきた従来方針を変えずに継続することが、会社の維持にベストと考える保守的な古参社員らも間違っているわけではありません。事業承継した会社をより発展させるべく、改革的な行動を取ろうとする若い後継者も、間違えているとはいえないでしょう。

ただし、そのままではトラブルは収まらず、事業に支障をきたすかもしれません。どうやってうまく折り合いをつけて行っていくか、後継者の手腕が問われるケースとなるでしょう。

③相続時に遺留分を求められるリスク

相続による事業承継において特に問題となりやすいのが、後継者以外に相続人がいる場合の事業用資産の遺留分です。

会社の資産は基本的に前経営者のものですが、それを事業承継によって相続する場合、複数の相続人がいると、相続人はその相続の権利を主張できます。相続人が一人であれば問題ないものの、複数の相続人がいる場合、たとえ前経営者が一人の後継者を相続人として指名していても、法的には、他の相続人も相続する権利を主張できる場合があります。

つまり、相続人によって事業用資産の相続の権利を主張されると、その事業用資産が相続できないリスクがあります。

【関連】事業承継の税金を徹底解説!相続税の節税対策はできる?

4. 中小企業の事業承継問題における解決策

ここからは、中小企業の事業承継問題の解説策を見ていきましょう。解決策は大きく2つに分けられます。それは、後継者がいる場合と後継者がいない場合です。

後継者がいる場合は、経営レポートや事業承継計画の作成、後継者教育を行います。一方で後継者がいない場合は、M&Aを行うことになるので、そのための準備を行ったり、売却相手の探索を開始したりするなど、日常業務以上に忙しくなるでしょう。

なお、どちらの諸準備作業も、各自治体の事業承継ネットワーク内の支援機関に相談すると、作業のサポートを得ることが可能です。士業事務所への実務依頼以外は、基本的に無料でサポートが受けられるので、積極的に活用しましょう。

①事業承継の手法は複数の選択肢を検討する

事業承継にはさまざまな手法があります。したがって、経営者は事前にどの承継手法を取るべきかを考えなければなりません。どの手法が適切であるかは会社が置かれた状況によって異なります。

適切な後継者が親族内にいる場合には、親族内事業承継の手法が適切かもしれません。社内に事業承継の後継者がいないケースでは、社外に株式を譲渡する可能性を含めて検討する必要があります。

このように、事業承継の手法ごとにケースバイケースで対応しなければならない事項が存在します。事前に時間をかけてそのそれぞれの手法を検討したうえで、事業承継の方法を適切に選択しなければなりません。

②早い段階で準備に着手する

後継者による事業承継で5~10年、M&Aによる事業承継でも短い場合で約半年かかります。いずれにしても、事業承継を考えている中小企業の経営者は、早いうちから準備をするに越したことはありません。

③客観的な判断、従業員・相続人への配慮を意識する

事業承継を行った場合、その影響は従業員にも及びます。したがって、事業承継は従業員にも納得してもらったうえで行うのがベストです。ときには第三者の意見も取り入れながら、できるだけ客観的に事業承継を考えて行く必要があります。そうしないと、会社内で断絶が起こってしまいかねません。

各相続人にも配慮しておかなければなりません。複数の相続人がいるケースでは事業承継が問題となりやすい傾向にあります。後継者となる相続人だけに配慮すれば、良いわけではない点をきちんと認識しておく必要があります。

④経営状況・財務状態を明確化しておく

経営状況や財政状態は明確化しておかなければなりません。もし前経営者しか知らない簿外の負債がある状態で事業承継が行われれば、当然会社は大混乱に陥るでしょう。会社の業績が悪かろうがよかろうが、きちんと後継者に会社の置かれた状況を説明しておかなければなりません。

現状を認識できずにいれば、適切に対応できなくなります。この意味でも、経営者は後継者に現状を適切に説明し、一緒に対応を考えていく必要があるのです。

経営レポートの作成

経営者のレポートとは、自社の基本情報や経営環境、将来ビジョンを簡単にまとめたものです。後継者の教育を行う際に、経営者から見た自社の情報を共有しておくために記しておきましょう。

具体的な内容は、基本情報には経営理念や沿革など、自社についての再確認として記載しておきます。経営環境とは、経営者から見たSWOT分析の内容です。SWOT分析とは、自社の内部環境における強みと弱み、外部環境における機会と脅威を把握するための分析手法を指します。

将来ビジョンとは、現在行っている経営戦略の内容や、SWOT分析から考えられる今後の経営戦略を示すものです。

5. 事業承継問題の解決を支援する公的制度・施策

経営者の高齢化による企業の休廃業・解散リスクは、今後も増加していくと予測されています。この傾向は日本にとって、大きなデメリットです。

経済産業省と中小企業庁の試算によると、現状を放置したままの場合、2025(令和7)年までに約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われる可能性があるというデータが示されました。そこで、この傾向を止めるために、政府はいくつかの施策を実行に移したのです。

その施策の代表的なものである、事業承継税制、事業承継ガイドライン制定、事業承継ネットワークの3つを紹介します。

①事業承継税制

事業承継税制とは、中小企業で事業承継がなされた際に一定の条件を満たせば、相続税・贈与税が100%猶予され、さらに免除も可能になる制度です。

2008(平成20)年に創設された制度でしたが、運用面の難易度が高かったため、2018(平成30)年に改正されました。詳しい内容は、後述します。

事業承継税制への対応

前述したとおり、国は事業承継を支援すべく事業承継税制を改正しました。この改正により、従来は納税猶予だけであった相続税や贈与税が、手続きを踏むことにより免除を受けることも可能になりました。手続き自体も、運用しづらいようにいくつか見直しも行われました。

ただし、手続き面の見直しが行われたとはいえ、おそらくは多くの中小企業の場合、税理士など士業の専門家などに相談しないと準備が整えなさそうな難解さは残っています。猶予・免除となるには一定の条件も満たさなければなりません。

そして、この改正制度は、2027(令和9)年12月31日までの時限措置である点も大いに気になるところです。中小企業の株式譲渡の際に発生する相続税・贈与税が次世代から次々世代にわたって、猶予・免除されるといっても、期限付きではどこまで効力を発揮できるのか、疑問視もされています。

②事業承継ガイドライン

事業承継ガイドラインは、中小企業庁が中小企業の経営者に向けて公表した事業承継への指針です。事業承継ガイドラインの内容は、円滑な事業承継を実現するために以下5つのステップを経ることが重要であると明記されています。
 

  • 事業承継に向けた準備の必要性の認識
  • 経営状況・経営課題などの把握(見える化)
  • 事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)
  • 社内への引継ぎの場合は事業承継計画の策定を、社外への引継ぎの場合はM&A仲介会社などに依頼してマッチングを実施
  • 事業承継もしくはM&Aの実施

政府は、このようなガイドラインを示すことで、廃業せずに事業承継を行う中小企業の経営者が増えることに期待しています。

③事業承継ネットワーク

中小企業庁は、各自治体に対し事業承継ネットワークの構築を促しました。それと同時に、各自治体への委託事業として、事業承継・引継ぎ支援センターの設置も行っています。

事業承継ネットワークとは、各自治体が中小企業に事業承継とその準備を警鐘し、事業承継の初期段階から完了までを一体となってサポートする事業承継支援システムのことです。

中小企業庁が示している事業承継ネットワークのモデルケースでは、事業承継・引継ぎ支援センターがその中核となるよう目されています。各自治体とも、それぞれの地域の実情に則した事業承継ネットワークを構築しています。

④公的な相談窓口

事業承継の際に役立つ相談窓口として、国や自治体の機関も重要です。

中小企業庁は、中小企業の事業承継問題に積極的に取り組んでおり、事業引き継ぎ相談窓口や事業承継・引継ぎ支援センターを設けています。事業承継に悩む中小企業に対する情報提供やマッチング支援が主なサポート内容です。

国や自治体の窓口は各都道府県に設置されるなど、全国規模で整っているので、積極的に利用しましょう。無料で利用できる窓口もあります。

【関連】M&Aのスケジュールを解説!【買収までの流れ・手順】

6. M&Aによる事業承継について

親族にも社内にも会社の後継者がいない場合は、M&Aによって外部に売却することで事業承継を行います。

M&Aによる事業承継は、企業の外部者に現経営者が持つ株式を売却しなければならず、会社法上、その手続きには手間がかかります。通常、株主総会では、普通決議でさまざまな事項を決められますが、譲渡制限のある株式は株主総会の特別決議で株式の譲渡を認める決議をしなければなりません。

外部者が後継者候補となるので、相対的に候補者が増えるメリットがあります。事前に十分に会社の風土や文化との相性を考えたり、現経営者の意向をどれくらいくんで経営をしてくれたりするかなど確認しておく事項は多くなります。

現経営者は保有する自社株を売却するので、その売却益を得られます。

M&Aによる事業承継を行うメリット

M&Aを行うメリットはいくつかあります。

まず1つ目は、現経営者が株式売却による利益を得られる点です。株式を第三者に売却するので、その売却益を得られます。2つ目のメリットは、M&Aによって会社が成長できる可能性が高いことです。

事業承継によるM&Aの場合、自社よりも事業規模の大きな会社に買収されるのがほとんどです。この場合、買収先である会社とのシナジー効果によって自社も成長できる可能性があります。資金力が大きく、ノウハウを多く持っている会社に買収されることで事業成長できる可能性が高まるのです。

7. 事業承継問題に関する相談先

事業承継を行うにあたっては、一人で悩まずに相談するのが重要です。

気軽に相談できる商工会・商工会議所はもちろん、高度に専門的な事柄については士業専門家に相談すると良いでしょう。無料で相談にのってくれる機関もあるので積極的に利用しましょう。

①商工会・商工会議所

商業・工業を営む事業者によって構成されている地域の商工会議所は、中小事業者に向けてさまざまなサポートを提供している機関です。事業承継支援の相談にも乗ってくれます。

相談窓口として機能するのは、地域に密着したネットワークがあるので、他社との事例共有や交流などもでき、自社の事業承継にも参考となる情報を得られます。

②士業専門家(弁護士・会計士・税理士)

高度に専門的な相談が必要な場合に力強い味方となってくれるのが士業専門家(弁護士・会計士・税理士)です。事業承継と関わる法律事項は弁護士に、会計処理は会計士・税理士に、税務は税理士にと、内容によって相談先を変えるようにしましょう。

事業承継全般の相談に乗ってもらうよりは、特定の事項のついて高度な知識が必要な場合に頼りになるのが士業専門家といえます。相談だけでも相談料が必要になるケースもあるのでその点は注意しましょう。

③公的機関

日本では、中小企業の事業承継が重要な課題として認識されているので、中小企業庁もその対応を積極的に行っています。そのサポートとして、事業引き継ぎ相談窓口(日本全国に設置され、事業承継に関する情報提供やアドバイスを行っている)や事業承継・引継ぎ支援センター(専門的な支援を受けられるが、都市部のみに展開)があります。

いずれも無料で利用できるサービスではあるものの、事業承継を完了させるまでには至らないケースがほとんどです。事業承継のファーストステップとしての相談役として活用できるでしょう。

④金融機関

地方銀行など、地域密着型の金融機関でも、近年では事業承継サービスを展開しています。もちろん、大手のメガバンクや日本銀行でも事業承継の支援サービスを展開していますが、最終的には、事業承継の専門家を紹介されるケースがほとんどです。

金融機関は、あくまでも中小事業者と専門家を仲介する位置づけです。金融機関は中小企業にとっては身近な存在なので、相談しやすいでしょう。しかし、専門的なサービスを提供しているわけではない点に注意です。

⑤M&A仲介会社

事業承継の手法として、M&Aを選択するときに味方になってくれるのがM&A仲介会社です。

M&Aにはさまざまな専門知識が必要となるので、多くの専門家が関わらなければなりません。それをパッケージサービスを提供しているのが、M&A仲介会社となります。

M&Aに特化したサービス内容となるので、自社の事業承継手法としてM&Aを選択する場合にはまず相談したい相談相手ですが、事業承継のコストは割高となるのでその点は留意が必要です。

ただし、相談するのは無料、完全成果報酬制を採用している仲介会社もあります。

8. 中小企業の事業承継問題まとめ

中小企業の事業承継問題を解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

中小企業の事業承継を行うためには、基本的にかなり時間がかかります。年齢が60代や70代になってからでは、廃業という選択肢しかなくなるかもしれません。事業承継を行う気持ちが少しでもあるならば、今から準備を開始しましょう

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 譲渡企業様完全成功報酬!
  2. 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

プレミアム案件・お役立ち情報

関連する記事

人気の記事

人気の記事ランキング

新着一覧

最近公開された記事