会社買収とは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説!

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取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

会社買収とは企業が他の会社を買取ることをさしますが、そのメリット・デメリットとはどのようなものでしょうか。当記事では、会社買収の仕組み、メリット・デメリットを徹底解説しています。また、会社合併との仕組みの違いについても触れています。

目次

  1. 会社買収とは
  2. 会社買収・M&Aの現状
  3. 会社買収の主な目的
  4. 会社買収の流れ
  5. 会社買収の仕組みを解説
  6. 会社買収のメリット
  7. 会社買収のデメリット
  8. 会社買収を行う際の注意点
  9. 会社買収を成功させるポイント
  10. 会社買収・M&Aの相談先
  11. まとめ
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1. 会社買収とは

会社買収とは

会社買収とは、自社以外の他の会社を支配する目的で、発行済みの株式を過半数以上買取ることをさします。

この項目では、会社買収とM&Aとの違い、会社合併における新設合併・吸収合併との違いなど、会社買収に関わる点について解説していきます。

会社合併との違い

会社買収と混同されやすい手法に会社合併がありますが、この2つには以下のような違いがあります。

  • 会社買収:自社以外の他の企業を買収する
  • 会社合併:2つ以上の会社が統合する

会社買収の場合、買収される側の会社は消滅するわけではありません子会社・グループ会社として存続し、買収側の傘下に入ります。

会社合併の場合は、売却側の会社は消滅し、一つの法人格を持ちます。そのため、資産・負債・権利や義務などの全てを承継します。

また会社合併は、新設合併・吸収合併の二つに分類されます。

  • 新設合併:片方の企業が解散し、その権利義務を新しく設立する企業が承継する方法
  • 吸収合併:片方の企業が解散し、その権利義務をもう片方の企業が承継する方法

M&Aと違いはあるか

M&Aとは、Mergers&Acquisitionsの略で、訳すると「合併と買収」の意味になります。そのため、M&Aと会社買収は、広義の意味で考えると同じ意味合いとなるのがわかります。

ただし、狭義の意味で考えると、上述しているようにM&Aとは会社買収だけでなく、合併も含めてM&Aであるため、単に会社買収とM&Aを比較した場合、全く同じ意味合いにはならないことも覚えておく必要があります。

買収とは

我が国でも企業買収であるM&Aが進んでいます。会社買収は、企業が他社の発行済株式を過半数買い取る方法であり、子会社化ともいわれます。ただし、発行済株式の半分以下の取得であっても、一定の要件に当てはまると子会社化になります。
 
一般的に株式会社の普通決議による決定事項は、株式の過半数の議決権を持っている株主が自由に決定できるため、M&A買収では通常、過半数である50%超の獲得を目指します。

また企業が他企業の議決権を有する3分の2以上の株式を獲得した場合は、特別決議による定款変更や組織再編の承認など、経営権の支配も可能です。

2. 会社買収・M&Aの現状

会社買収・M&Aの現状

日本企業の会社買収は、年々増加傾向にあります。その理由には、少子高齢化の問題などが挙げられます。

少子高齢化によって、日本国内における市場規模の成長が頭打ちになりつつあるため、国内需要だけでなくグローバル展開を行うことによって、企業の存続・発展を目指して企業側も対応を変化させています。

グローバル展開や会社規模の拡大を行うために、必要になってくるのが会社買収などのM&Aです。会社買収による統合を行えば、短期間で会社の成長を図るのが可能になります。

しかし、会社買収が活発になる一方で、買収防衛策などの対抗策を導入する企業が増えており、会社存続・市場拡大を目的とした会社買収のあり方が見直され始めていることも現状といえます。

3. 会社買収の主な目的

会社買収の主な目的

企業が会社買収を行う目的には、どのようなものがあるのでしょうか。会社買収を行う主な目的には、以下の3つが挙げられます。

  1. 事業の拡大や注力事業の強化
  2. 子会社化
  3. 節税対策

①事業の拡大や注力事業の強化

1つ目の目的は、事業の拡大・注力事業の強化です。会社買収を行うことで、買収先の技術獲得ができます。

技術の獲得により、今まで自社のみではできなかった製品の開発・販売だけでなく、営業ノウハウの獲得による営業基盤の強化などが行えます。その結果として、事業の拡大・強化ができます。

②子会社化

2つ目の目的は、株式の移転により子会社化を行えます。

事業を清算したい・撤退したい場合などのケースでは、株式移転を行うだけで子会社ができるため、スムーズにグループ再編を進められます。

その他には、子会社化によりグループ化できるため、経営権の掌握や情報・技術の共有を行うのが可能です。

③節税対策

3つ目の目的は、会社買収による節税対策です。例えば業績不振で赤字となった会社には、法人税が課されません。

赤字損失は、繰越欠損金として翌年から黒字と7年間通算ができます。そのため、赤字会社の買収によって繰越欠損金と通算して黒字を抑えられるため税金を節税できます。

平成30年4月1日以降に開始する事業については、生じた欠損金の繰越可能期間は10年間に変更となり、欠損金が発生した翌年度以降に利益が出た場合には、マイナスを相殺できるようになりました。

4. 会社買収の流れ

会社買収の流れ

ここからは、会社買収の流れ・手順(フロー)について見ていきましょう。項目ごとにポイントを詳しく解説していきます。

  1. 事前準備
  2. アドバイザー選定・仲介契約
  3. 買収候補選定
  4. 秘密保持契約
  5. トップ面談・意向表明書提示
  6. 基本合意締結
  7. デューデリジェンスの実施
  8. 条件交渉
  9. 最終契約
  10. クロージング・統合プラン実施

①事前準備

会社買収を行う準備段階では、関係者の調整・ニーズの整理を行います。M&Aを行う目的や対象企業のイメージなど、会社買収前に確認しておきます。

その他に確認すべきことは、議決権の確保ができているかです。議決権の保有確率は、その後の運営に関わってくるため、忘れずに確認しておきましょう。

②アドバイザー選定・仲介契約

M&Aを行う目的などの確認ができたら、次はM&Aを進めるうえでのアドバイザーを選定し、契約を結びます。

アドバイザー業務を行う会社には、M&A仲介会社やコンサルティング会社があります。どの仲介会社に依頼するかは、会社買収の成功に関わる重要な要素となるため、各社の無料相談などを利用してから選定するようにしましょう。

③買収候補選定

仲介会社が決まったら買収候補へのアプローチが開始します。この段階では、希望条件に合う買収候補企業のリストを作成し、条件に合う企業を数社まで絞っていきます。

その後、ノンネームシート(NN)と呼ばれる企業概要(匿名)を作成し、買収候補企業に提示して打診していきます。

④秘密保持契約

ノンネームシートを使い、買収候補の企業に打診した結果、買収をする企業が興味を示し、さらなる情報の開示を求められれば、秘密保持契約を締結します。

秘密保持契約締結後、企業概要書(IM)と呼ばれる企業の詳細情報を提示します。この企業概要書には、会社名はもちろん事業内容・財務情報などが記載されているため、より一層の情報管理が必要です。

⑤トップ面談・意向表明書提示

買収候補企業が、具体的な検討段階に入ると代表同士・トップ同士の面談が行われます。面談時には、買い手・売り手の紹介や、会社買収に至った経緯、企業理念の共有などを行います。

この段階で信頼関係を結べれば、その後の流れがスムーズになります。

⑥基本合意締結

基本合意書(Lol)の作成は必須のものではありませんが、一般的にはM&Aの基本的条件が法的拘束力を有しない形で規定されます。

一般的な内容には、買収の基本的条件、交渉義務、独占交渉権、守秘義務、スケジュールの概略などが規定されています。

⑦デューデリジェンスの実施

デューデリジェンス(買収監査)は会社買収に当たって重要な項目です。ここでは、ファイナンシャルアドバイザー(FA)や仲介会社が主となり、買収候補会社の帳簿閲覧や、書面ではわからないような会社の状況を詳細にチェックするなどの手続きが行われます。

⑧条件交渉

デューデリジェンス後、交渉を断念せざるを得ないような問題がない限り最終契約に向けた条件交渉を行います。最終的な売却価格を決定するだけでなく、経営者・役員・従業員の処遇、遵守事項、守秘義務などの合意事項について交渉を行います。

⑨最終契約

条件交渉で両社の合意が得られれば、最終手続きで株式譲渡や事業譲渡などの譲渡内容、売買価格を定めた最終契約書を取り交わします。

⑩クロージング・統合後のプラン実施

最終契約書に問題がなければ、買い手側から譲渡代金を受け取り、クロージングとなります。代金を受け取った後はPMI(Post Merger Integration)と呼ばれる統合作業を行います。

買い手企業・売り手企業の従業員が現状を理解し、互いのノウハウ共有を行うことや、代表・役員同士の信頼関係の構築、経営方針の統合を行っていく必要があります。

このように会社買収を進めるにあたっては、専門的なノウハウを必要とする業務が多いため、専門家に相談するのがベストです。

例えばM&A仲介会社であるM&A総合研究所は、専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを活かしM&Aをサポートいたします。

さらに、M&A総合研究所はスピーディーなサポートを実践しており、最短3ヶ月で成約を実現した実績もございます。相談は無料で行っておりますので、気軽にご相談ください。

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5. 会社買収の仕組みを解説

会社買収の仕組みを解説

会社買収の仕組みについて見ていきましょう。会社買収にはさまざまな仕組みや方法があります。

株式取得・事業譲渡・会社分割などの手法、議決権の保有確率によっての違い、会社買収の種類・防衛策、税務処理について詳細を解説していきます。

会社買収の手法

会社買収とは、企業の発行する株式の過半数を取得し、会社の経営権を得ることで子会社化またはグループ化を行うことをいいます。

会社買収の手法には、その仕組みから株式取得・事業譲渡・会社分割などに分類されます。ここでは、それらの仕組みについて解説していきます。

株式取得

株式取得とは、相手先企業の株式取得によって買収を行う方法で買収する仕組みです。株式取得には、株式譲渡・新株引受・株式交換などの方法があります。

株式取得では、買収先企業との経営権の掌握が簡単になることや後継者問題の解決など、複数のメリットがあります。

事業譲渡

事業譲渡とは、M&Aの対象となる事業の一部または全てを第三者に譲渡する方法で買収する仕組みです。譲渡の対価として資金(現金)を受け取ります。

事業譲渡の場合は、簿外債務を引き継がないなどのメリットがあり、近年増えてきている手法の一つです。

会社分割

会社分割とは、分割会社(既存の会社)をその他の既存の会社(承継会社)もしくは新設会社に分割する方法で買収する仕組みです。会社が持つ事業に関して有する権利義務を他の会社に包括的に承継するM&A手法をさします。

会社分割では、資金を準備せずに実施可能税金負担が軽いなどのメリットがあります。

議決権の保有率

議決権とは、会社団体の意思決定に参加する権利のことをいいます。議決権の仕組み上、保有株式の割合に応じて行使できる内容が異なります。

ここからは、議決権で行使できる内容について、保有率ごとに解説していきます。

①100%の株式を保有

100%の株式を保有している場合、会社経営に関する意思決定を全て自身の一存で決定できます。

株式公開していない中小企業の場合、オーナー経営者が100%の株式を保有し、会社の意思決定を行うケースが大多数を占めるといわれています。

②66.7%の株式を保有

66.7%の株式を保有している場合、株主総会の特別決議を自身の一存で決定できます。

特別決議では、合併・会社分割・株式交換・株式移転・定款変更・監査役の解任などの会社運営にとって重要な事項を決められるため、中小企業の経営者は66.7%以上を保有するのが望ましいとされています。

③50%以上の株式を保有

50%以上の株式を保有している場合、株主総会の普通決議を自身の一存で決定可能になります。

50%以上の持株比率になると、経営するうえで十分な権利を行使できるため、経営権といわれています。

普通決議では、取締役や監査・会計監査人の専任決議や、解任権・報酬額の決議、配当余剰金の分配などを決められます。

④33.4%以上の株式を保有

33.4%以上の株式を保有する場合、株主総会の特別決議を単独で阻止できます。

そのため、33.4%以上保有する株主は、会社運営を行ううえで意識される対象となります。

⑤25%以上の株式を保有

25%以上の株式を保有する場合、相互保有株式の議決権停止を行えます。相互保有株式とは別名「株式持合」などと称され、会社買収の防衛策としても活用できるなどのメリットがあります。

⑥3%以上の株式を保有

3%以上の株式を保有している場合であれば、会計帳簿閲覧権の行使が可能であり、会社の外部には閲覧が原則禁止され、仕訳帳や総勘定元帳などの会計帳簿を見られます。

ちなみに、1%以上の株式を保有している場合は、株主総会における議案提出権が認められています。

会社買収の種類

会社買収には、友好的買収・敵対的買収の2種類があります。ここでは、2つの買収方法や違いについて解説していきます。

①友好的買収

友好的買収とは、買収先企業の経営陣と交渉のうえ、同意を得てから買収を行うことをさします。

株式譲渡や第三者割当譲渡など、企業間の合意が取れていれば友好的買収といえます。また、TOB(株式公開買い付け)の場合も友好的TOBと称されます。

日本国内のM&Aでは友好的買収のケースが大多数を占めています。

②敵対的買収

敵対的買収は、友好的買収とは反対に、両社合意のもとの買収ではなく、名称のとおりに合意を得ず、敵対的に会社買収を行うことをさします。

株式会社の仕組みとして、発行株式の過半数取得で、経営権を得られます。日本での事例はまだ多くはないものの敵対的買収を行う企業もあります。

③友好的買収と敵対的買収の主な違い

友好的買収と敵対的買収の主な違いは「両社のM&Aに対する合意の有無」です。日本でのM&Aは株式公開をしていない中小企業が多いため友好的買収が一般的ですが、敵対的買収によるM&Aも行われています。

敵対的買収では買収者が入手できる範囲の中で実施されるため友好的買収に比べると費用コストが高くなる傾向があることや、M&A成功確率が下がる傾向がある点も、友好的買収と敵対的買収の違いです。

会社買収の防衛策

企業は敵対的買収から会社を守るために、買収防衛策をとれます。買収防衛策の方法は複数あります。ここではその方法について詳細を解説していきます。

  1. 企業価値を下げて防衛する
  2. 取締役会を守って防衛する
  3. 株主総会を守って防衛する
  4. 買収者を攻めて防衛する

①企業価値を下げて防衛する

1つ目の方法は、企業価値を下げることで買収を防ぐ方法です。「スコーチド・アース」や「クラウン・エンジェル」と呼ばれる仕組みです。

相手企業の買収意欲を削ぐためにメディアを使ったり、利益のある事業を分社化したりして、意図的に企業価値を下げることにより防衛する方法です。

その後の運営にリスクを伴いますが、経営陣の判断のみで実行できるメリットがあります。

②取締役会を守って防衛する

2つ目の方法は取締役会を守って防衛する方法です。「スタッガードボード」と呼ばれる方法で、取締役の改選時期をずらす方法です。

取締役を複数のグループに分けて選任時期を意図的にずらすことにより、一度に取締役を改選されないため、仮に買収をされたとしても、買収側に実質の経営権を掌握されるまでの時間稼ぎを行えます。

③株主総会を守って防衛する

株主総会での承認を得て、新株予約権を発行し、防衛する方法もあります。「ポイズンピル・ライツプラン」と呼ばれるもので、企業防衛を行うために新株予約権を発行し、買収を行おうとしている企業の持株比率を下げる防衛方法です。

その名のとおり「毒薬」であるため、株価を意図的に下げることで買収側の支配権を弱められます。

買収防衛策にしか基本的には適用できないのですが、訴訟に発展しやすいデメリットもあります。

④買収者を攻めて防衛する

敵対的買収の可能性があるときに、買収される側の会社が反対に買収を仕掛けることにより、買収防衛を行う方法もあります。「パックマン・ディフェンス」と呼ばれています。

買収される会社が、買収を仕掛ける会社の25%以上の株式取得により、買収を仕掛ける側の株主総会での議決権を失わせられるのです。これにより防衛を行えます。

しかし、莫大な資金がかかるケースが多く、中小企業では実施しにくいデメリットがあります。

会社買収の税務処理

会社買収の際、注意する項目に挙げられるのが税務処理です。会社買収の方法によって課せられる税金は変わります。

ここからは、会社買収にかかる税金や、会社買収の節税対策などについて解説します。

①会社買収でかかる税金

会社買収・売却時には税金がかかりますが、売却先の会社形態が個人・法人企業で異なる点は知っておきましょう。

売却側の株主が個人の場合、株主に対して、住民税・所得税が加算され、必要経費などを差し引いた額から譲渡所得が計算されます。

一方、法人の場合は、通常の税務処理と同様に法人税が加算され、仲介会社の手数料や必要経費を差し引いた額によって譲渡益が計算されます。

法人の場合は、さらに総合課税により約30%程度の税金と法人住民税がかかることになります。

②会社買収の際の節税対策

上記の場合、高い売却益を獲得できたとしても、税金が高額になっては元も子もありません。そこで考えておきたいのが節税対策です。

節税方法には複数ありますが、その一つの方法は退職金による節税方法です。これは、本来の譲渡所得の一部を退職金として受け取る方法です。

譲渡所得と退職金はそれぞれ別のものとして計算されるため、一定額以上であれば十分節税効果を得られます。

その他には、第三者割当増資による節税方法もあります。特定の第三者が引受ける形で新株を増やすことによって、持株比率が下がり結果的に節税を行えます。

会社買収の際に必要な経費

会社買収の必要経費は、大きく分けると次のように分類できます。まずは、デューデリジェンスの報酬、仲介手数料などにかかる費用です。

次に、買収手続きなどにかかる人件費、最後は、会社買収にかかる買収費です。しっかりと計画を立て、資金準備を行う必要があります。

このような必要経費だけでなく、会社買収に関する会社取得費に対しては税金がかかってくるため、会社買収の際には税金の支払いがあることも念頭に置いておく必要があります。

デューデリジェンスの報酬

M&Aを失敗させないためにも、デューデリジェンスは必ず行いましょう。デューデリジェンスは、買収先の経営状況や事業などさまざまな視点から調査し、リスクを把握したうえで買収の最終決定をします。

この調査には比較的高度な法務や財務、人材やITなど専門的な知識やノウハウが必要となるため、専門家の依頼費用が発生します。

仲介手数料

会社買収を行う場合、M&A仲介会社に依頼するのが必須です。M&A仲介会社の手数料や報酬については、会社によって違います。完全成功報酬型の会社があるなど、手数料の計算方法が分かれているので、依頼する際には事前確認しましょう。

買収手続きなどにかかる人件費

M&Aにおける会社買収を成功の導くためには、社内のプロジェクトチームは必須であり、それには別途人件費がかかります。

買収費

買収費は、対象企業を買収するための費用です。買収額はM&Aを実施するうえで、互いの交渉によって決まるため、金額は事前に決定しているものではありません。買収企業の業種や規模、企業価値によっても変動があります。

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6. 会社買収のメリット

会社買収のメリット

ここからは会社買収のメリットについてみていきます。会社買収のメリットとはどのような点でしょうか。下記ポイント順に解説していきます。

買収側のメリット

会社買収側のメリットについて見ていきましょう。買収側のメリットには、主に以下の4つが挙げられます。

  1. 人材・取引先・顧客などを獲得できる
  2. 施設や設備などを低コストで獲得
  3. 販路・事業の拡大
  4. 買収先企業とのシナジー効果

①人材・取引先・顧客などを獲得できる

会社買収を行うことにより、買収先の人材・取引先・顧客を獲得できます。

買収先の人材や取引先・顧客獲得により、時間をかけずに市場規模の拡大や販売チャネルの拡大・営業ノウハウの補充などができる点がメリットの一つです。

②施設や設備などを低コストで獲得

会社の規模を拡大しようとする際に、自社自身で施設や設備を整えようとした場合、時間もコストもかかります。会社買収を行うことにより、既存の施設や設備を獲得できるため、そこにかかる費用を抑えられます。

その他のコストとして、会社買収を行って規模の拡大ができれば、仕入れコストや販売コストなど多くのコストを抑えて営業できるのもメリットの一つです。

③販路・事業の拡大

会社買収によって買収先の会社の事業を取り込むため、規模を拡大できます。

また、別事業に新規参入するような場合でも、一から立ち上げるのとは違い、ノウハウや営業の基盤・販路を初めから準備できるため、失敗のリスクを減らせます。

④買収先企業とのシナジー効果

会社買収を行うことにより、それまで自社にはなかった技術やノウハウなどを取り入れられます。

また、営業方法や優秀な人材など、買収元と買収先の多くの良いところが組み合わさることにより、会社買収によるシナジー効果(相乗効果)を生み出せるのもメリットの一つです。

売却側のメリット

次は、売却側のメリットについて見ていきます。売却側のメリットには、主に以下の5つが挙げられます。

  1. 株主の交代により経営の健全化
  2. 後継者問題の解決
  3. 従業員の雇用確保
  4. 大資本での経営の安定化
  5. 売却益の獲得

①株主の交代により経営の健全化

会社を経営していく中で、長期的に安定させることは容易なことではありません。特に中小零細企業では経営を盤石に続けていくことは難しいのです。

しかし、会社売却によって大手企業との統合により、確かなノウハウと経営実績の中で、健全な運営を行えるメリットがあります。

②後継者問題の解決

昨今の中小零細企業で抱える問題が後継者不足による倒産の問題です。実際に後継者不足により、やむなく会社を倒産するケースもあります。それだけ後継者の確保するのは難しいです。

会社売却では、昨今の事業を買収元の企業が引き継ぐため、後継者問題を解決し、継続的な運営を行えるメリットがあります。

③従業員の雇用確保

前述したように後継者の確保ができない場合や、経営不振で会社倒産せざるを得ない場合には従業員も職を失ってしまいます。

そのような場合に会社売却を行えれば、引き続き会社は存続するため、従業員の雇用を確保でき、従業員も安心して勤務できます。

④大資本での経営の安定化

会社を運営していくうえで資本は必要不可欠なものです。資金に不安があると、経営がうまくいっているときは良いですが、そうでないときは経営が苦しくなってしまいます。

結果的に、経営が難しくなって倒産となると、そこの会社の代表だけでなく、従業員やその家族にも大きな影響を与えてしまいます。大手企業へ会社を売却し、統合によって潤沢な資金の中で経営を行えるため、経営を安定させられるメリットがあります。

⑤売却益の獲得

会社売却を行うと売却益を得られます。将来性のある会社や実績のある会社の場合、売却益は大きくなりやすい傾向があります。

売却によって得た資金によって新規事業を始める、勇退後の老後資金にする、アーリーリタイヤ(早期退職)資金として活用するなど、会社売却による売却益のメリットはさまざまな形があります。

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7. 会社買収のデメリット

会社買収のデメリット

会社買収の際はメリットだけでなく、デメリットも考えて行う必要があります。会社買収のデメリットとはどんなものがあるのか、買収側・売却側の両面から解説していきます。

買収側のデメリット

まずは買収側のデメリットについて見ていきましょう。買収側のデメリットには、以下の4つが挙げられます。

  1. 統合プロセスの失敗
  2. 簿外債務などの発覚
  3. 優秀な人材の退職
  4. 期待したシナジー効果が得られない

①統合プロセスの失敗

買収側のデメリットの1つ目は、会社買収を行った後に計画していた統合プロセスを十分に実行できず、M&Aが失敗に終わってしまう可能性があることです。

通常は、買収成約前に統合プロセスを計画し、それを実行に移すことによってM&A効果的なものが重要です。

しかし統合プロセスの計画が不十分などの理由により、統合後にスムーズな運営ができないケースもあります。

従業員や取引先などに混乱が生じ、経営が成り立たなくなるケースもあるため、会社買収を行う前は入念な統合プロセスの計画・仕組みの形成・準備を行うのが重要です。

②簿外債務などの発覚

2つ目のデメリットは、買収後に簿外債務などが発覚するケースです。会社買収を行う際は、買収先の経営状態を把握してから買収を行うのが一般的です。

しかし、経営・財務状態を把握したつもりでも、買収後に簿外債務などが発覚し、思わぬ負債を抱えてしまうケースもあります。

簿外債務などの発覚により統合後の会社運営に悪影響を与えないように、入念にデューデリジェンスを行うのが重要です。

③優秀な人材の退職

3つ目のデメリットとして、優秀な人材が退職してしまうことです。会社買収後の経営方針の変更や、統合後の人間関係悪化などの理由により、優秀な人材の放出につながってしまうケースもあります。

会社運営を行ううえで優秀な人材の退職は大きな痛手となるため、買収後に従業員の不満を募らせないように従業員の十分な理解を得られよう、統合後の経営方針を策定するのが必要です。

④期待したシナジー効果が得られない

4つ目のデメリットは会社買収後、計画どおりに会社運営ができずに、期待したシナジー効果が得られないのが挙げられます。

シナジー効果を期待しすぎた結果、思った利益を上げられずに、会社買収時の費用対効果が低くなってしまう場合も多くあるのが現状です。

十分なシナジー効果を期待して会社買収を行うケースが多いものの、シナジー効果を過度に期待しすぎないのも統合後の運営には必要です。

売却側のデメリット

次は売却側のデメリットです。

  1. 従業員の退職
  2. 経営者が一定期間束縛される可能性
  3. 買い手が現れない可能性
詳細を説明していきます。

①従業員の退職

売却側の1つ目のデメリットとして、従業員の退職が挙げられます。買収側の会社運営に馴染めないケースや、会社売却に対しての反発によって従業員が退職してしまうケースも考えられます。

従業員の退職を出してしまわないよう、会社買収後もスムーズに会社運営を行っていくための準備や計画を行う必要があります。

②経営者が一定期間束縛される可能性

売却時の2つ目のデメリットは、会社売却のための準備や交渉に経営者が一定期間束縛されてしまう可能性があることです。

会社売却を行いたいと思ったとしてもすぐに売却できるわけではなく、買収側の経営者との交渉や、アドバイザーとの打合せなどに時間がかかってしまい本業に割く時間をとられてしまう可能性があります。

束縛されている期間で本業が疎かになってしまい、会社運営に悪影響が出てしまうことも少なくありません。従業員と協力しながら進めていくのが必要です。

③買い手が現れない可能性

売却側の3つ目のデメリットは、買い手が現れない可能性があります。時間を割いて、M&Aを進めていたとしても、買い手が現れなければ売却を行えません。

多くの企業の中から買い手を見つけるために、自社の企業価値を上げるのが必要です。自社の強みやアピールポイントは何なのかを十分に把握して交渉を行うことや、債務・不要在庫の整理などを行い、根気よく売却先を探すのが重要です。

8. 会社買収を行う際の注意点

会社買収を行う際の注意点

会社買収を行う際の注意点について解説していきます。会社買収の際には安易に買収を行うのではなく、注意点をクリアしていることを確認してから、買収を行いましょう。

その注意点を下記3つに分類し解説していきます。

  1. 小規模企業の会社の買収
  2. 企業文化が違う会社の買収
  3. 経営が不透明な会社の買収

①小規模企業の会社買収を行う際

小規模企業の買収を行う際は、その後の経営方針や経営状況をきちんと確認しましょう。どの程度の資金・負債があるのか、改善する見立てはあるのかなどをきちんと把握する必要があります。

その他に、小規模企業の場合は従業員同士の距離感が近く情報も大部分が共有しやすい状況になりやすいため、安易な交渉で買収を行うのではなく、従業員などとの信頼関係もきちんと考えながら買収を進めていくのが重要です。

②企業文化が全く違う会社の買収を行う際

企業文化の全く違う会社を買収する場合に注意すべきところは、社員の流出なくスムーズに事業を継続できるかどうかです。

会社の運営にとって重要である社員が、企業文化の違いから嫌気がさし、大量に退社してしまうような事態が起こっては大きな損失となります。それだけでなく、赤字会社の買収を行い、繰越欠損金を使用しての資金繰りを考えている場合、社員が20%以上退職すると繰越欠損金は消滅するため、同様に注意が必要となります。

③経営が不透明な会社の買収を行う際

経営が不透明な会社を買収対象として検討している場合に注意すべきところは、「簿外債務がないか」です。決算書や帳簿にのっていない債務を「簿外債務」といいますが、買収後にこれらが発覚した場合には、決算書に記載していない場合でも支払う必要が出てきます。

会社の連帯保証金や、未納になっている税金・借入金などが簿外債務に当たるケースが多いため事前の確認が必須です。

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9. 会社買収を成功させるポイント

会社買収を成功させるポイント

会社買収を成功させるポイントにはどのようなポイントがあるのか、下記の成功ポイントについてまとめています。

  1. デューデリジェンスの徹底
  2. 友好的な買収
  3. 会社買収・専門家への相談

①デューデリジェンスの徹底

会社買収を成功させるためにはデューデリジェンスの徹底が重要となります。デューデリジェンスとは買収監査と呼ばれており、買収企業のリスクの他、資産価値などのリターンを知るための調査のことを意味します。

会社買収には、時間と費用がかかります。そのため、かけた時間とコストを確実に実りのあるものにするためにデューデリジェンスを徹底して行うことでリスク回避ができ、より会社買収の成功率を引き上げられます。

デューデリジェンスの中身には、財務関連・法務関連などの調査の他、ビジネスデューデリジェンスといって市場全体の調査なども含まれます。

②有効的な買収

会社買収を成功させるためのポイントの2つ目は友好的な買収を行うことです。敵対的な買収を行うよりも、両社の同意のもと、統合後も寄り添って友好的に運営していく方が、成功に結び付きやすいのはいうまでもありません。

特に、中小零細企業の場合には、友好的な買収を行う方が、双方にとってシナジー効果を生み出しやすいため友好的な買収を行うのが、会社買収の成功のポイントです。

③会社買収・専門家への相談

会社買収を成功させるためには専門家に相談するのが一番です。前述したデューデリジェンスの徹底を行う際にも個人で調査を行うのは限界もあり、容易ではありません。

確実に成功させるために、専門家に調査を依頼した方が、より詳細で質の高い情報を得られます。

それだけではなく、専門家による洗練されたアドバイスや、経験や実績をいかした交渉により、買収を円滑に進めるのが可能です。会社買収を行う際には専門家に相談するのが成功の近道となります。

【関連】会社買収にかかる費用の目安を徹底解説!M&A仲介手数料が安い会社は?

10. 会社買収・M&Aの相談先

会社買収・M&Aの相談先

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11. まとめ

まとめ

今回は会社買収についてまとめてきました。

会社買収とは、その名のとおり、自社以外の企業を買収するケースをいいます。買収される側の会社は消滅するわけではなく、もしくは子会社・グループ会社として存続し、買収側の傘下に入ります。

【会社買収を行う目的】

  • 事業の拡大や注力事業の強化
  • 子会社化
  • 節税対策
【会社買収の方法】
  • 株式取得
  • 事業譲渡
  • 会社分割
また、保有株式の割合によって議決権の保有率が変わり、1%以上の株式を保有すれば議決権を持つのが可能です。

しかし会社運営を行ううえでは、決定権の仕組み上、最低33.4%以上の保有、中小企業などでは50%以上の株式を保有するのが望ましいです。

その他、会社買収には友好的買収・敵対的買収があり、日本での会社買収の多くは友好的買収です。敵対的買収に対しては、さまざまな買収防衛策によって会社を防衛するケースもあります。

【買収防衛策】
  • 企業価値を下げて防衛する
  • 取締役会を守って防衛する
  • 株主総会を守って防衛する
  • 買収者を攻めて防衛する
会社買収では、メリット・デメリットを十分に知ったうえで買収を行うのが重要です。

【会社買収のメリット】
  • 人材・取引先・顧客などを獲得できる
  • 施設や設備などを低コストで獲得
  • 販路・事業の拡大
  • 買収先企業とのシナジー効果
【会社買収のデメリット】
  • 統合プロセスの失敗
  • 簿外債務などの発覚
  • 優秀な人材の退職
  • 期待したシナジー効果が得られない
会社買収を成功させるポイントをしっかり押さえることも重要となります。

【会社買収の成功ポイント】
  • デューデリジェンスの徹底
  • 友好的な買収
  • 会社買収・専門家への相談

会社買収をスムーズに進めて成功させるためには、専門家のアドバイスが必要不可欠となります。また、アドバイスだけでなく、専門家による徹底したデューデリジェンスや、友好的な買収に向けた交渉などを行うのが可能です。

M&A総合研究所では、会社買収に精通したM&Aアドバイザーが専任で就くため、交渉からクロージングまで一括サポートを行います。

無料相談を行っていますので、会社買収をご検討の方は、お気軽にご連絡ください。

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