2022年08月26日更新
会社買収とは?仕組み、メリット・デメリット、成功事例を徹底解説【2022年最新版】
会社買収とは企業が他の会社を買い取ることをさしますが、そのメリット・デメリットはどのようなものでしょうか。この記事では、会社買収の仕組み、メリット・デメリットを徹底解説します。会社合併との仕組みにおける違いなどにも触れています。
目次
1. 会社買収とは
会社買収とは、自社以外の他企業を支配する目的で発行済みの株式を過半数以上買い取ることです。この項目では、会社買収とM&Aとの違い、会社合併における新設合併・吸収合併との違いなど、会社買収にかかわる点を解説します。
買収とは
日本でも企業買収であるM&Aが進んでいます。会社買収は、企業が他社の発行済株式を過半数買い取る方法です。子会社化ともいいます。発行済株式の半分以下における取得でも、一定要件に当てはまれば子会社化です。
一般的に株式会社の普通決議による決定事項は、株式における過半数の議決権を持つ株主が自由に決定できるため、M&A買収では通常、過半数の獲得を目指します。
企業が他企業の議決権を有する3分の2以上における株式を獲得した場合は、特別決議による定款変更や組織再編の承認など、経営権の支配も可能です。
買収では、買収側が発行する株式(株式交換)を用いることもありますが、ほとんどのケースでは金銭を利用します。
会社合併との違い
会社買収と混同されやすい手法に会社合併がありますが、この2つには以下の違いがあります。
- 会社買収:自社以外の他企業を買収する
- 会社合併:2つ以上の会社が統合する
会社買収の場合、買収される側の会社は消滅しません。子会社・グループ会社として存続し、買収側の傘下に入ります。会社合併の場合は、売却側の会社が消滅し一つの法人格を持ちます。資産・負債・権利や義務などの全てを承継するでしょう。
会社合併は、新設合併・吸収合併の2つに分類されます。
- 新設合併:片方の企業が解散し、その権利義務を新しく設立する企業が承継する方法
- 吸収合併:片方の企業が解散し、その権利義務をもう片方の企業が承継する方法
M&Aと違いはあるか
M&Aは、Mergers and Acquisitionsの略で、訳すと「合併と買収」です。M&Aと会社買収は、広義の意味で考えると同じ意味合いなのがわかります。
狭義の意味で考えると、上述の通りM&Aとは会社買収だけでなく合併も含めてM&Aであるため、単に会社買収とM&Aを比較した場合、全く同じ意味合いにはならないことも覚えておきましょう。
会社買収の主体・属性
企業を買収する主体は、他の事業会社におけるストラテジック・バイヤーと、投資ファンドに代表されるフィナンシャル・バイヤーに分類でき、それぞれ買収に対する目的や事業運営の観点で違いがあります。
ストラテジック・バイヤーは、戦略的投資家ともいい、主に事業強化・事業拡大を達成し、シナジー効果の創出を狙うのが目的です。事業のさらなる拡大を期してM&Aを行います。
フィナンシャル・バイヤーは、金融投資家ともいい、M&Aを通して経営者に対し経営助言を行い、対象会社の株価を引き上げ、数年の期間で株式を売却する買収者をいいます。
M&Aで競合する場合、どちらの買収者が有利になるか断言できません。ストラテジック・バイヤーはフィナンシャル・バイヤーよりも入札の際に資金を多く準備できるため、高い入札価額を提示するケースが多いでしょう。
一方、フィナンシャル・バイヤーも、積極的にLBOを活用した資金調達を行うため、どちらかが優位性を持っているとは判断できません。
2. 友好的買収と敵対的買収の相違点
会社買収には、友好的買収・敵対的買収の2種類があります。ここでは、2つの買収方法や違いを見ていきましょう。
友好的買収とは
友好的買収とは、買収先企業の経営陣と交渉のうえ、同意を得てから買収を行うことをさします。
株式譲渡や第三者割当譲渡など、企業間の合意が取れれば友好的買収です。TOB(株式公開買い付け)の場合も友好的TOBと称されます。日本国内のM&Aでは友好的買収のケースが大多数を占めます。
敵対的買収とは
敵対的買収は、友好的買収とは反対に、両社合意のもとにおける買収ではなく、名称の通り合意を得ず敵対的に会社買収を行うことです。
株式会社の仕組みとして、発行株式の過半数取得で経営権を得られます。日本での事例はまだ多くはないものの、敵対的買収を行う企業もあるでしょう。
友好的買収と敵対的買収の主な違い
友好的買収と敵対的買収の主な違いは「両社のM&Aに対する合意の有無」です。日本でのM&Aは株式公開をしていない中小企業が多いため友好的買収が一般的ですが、敵対的買収によるM&Aも行われています。
敵対的買収は買収者が入手できる範囲で実施されるため、友好的買収に比べると費用が高くなったりM&Aの成功確率が下がったりする傾向がある点も、友好的買収と敵対的買収の違いです。
3. 会社買収・M&Aの現状
日本企業の会社買収は、年々増加傾向です。その理由に、少子高齢化の問題などが挙げられます。
少子高齢化によって、日本国内における市場規模の成長が頭打ちになりつつあるため、国内需要だけでなくグローバル展開を行うことで、企業の存続・発展を目指して企業側も対応を変化させています。
グローバル展開や会社規模の拡大を行うために必要なのが会社買収などのM&Aです。会社買収による統合を行えば、短期間で会社の成長を図れます。
しかし、会社買収が活発になる一方で、買収防衛策などの対抗策を導入する企業が増え、会社存続・市場拡大を目的とした会社買収のあり方が見直され始めているのも現状です。
4. 会社買収の主な目的
企業が会社買収を行う目的には、どのようなものがあるのでしょうか。会社買収を行う主な目的は、以下4つが挙げられます。
- 事業の拡大や注力事業の強化
- 子会社化
- 節税対策
- 多角化によるリスクヘッジ
①事業の拡大や注力事業の強化
1つ目の目的は、事業の拡大・注力事業の強化です。会社買収を行うことで、買収先の技術を獲得できます。
技術の獲得により、今まで自社のみではできなかった製品の開発・販売だけでなく、営業ノウハウの獲得による営業基盤の強化なども可能です。その結果、事業の拡大・強化ができます。
②子会社化
2つ目の目的は、株式の移転により子会社化を行えることです。事業を清算したい・撤退したいなどのケースでは、株式移転を行うだけで子会社ができるため、スムーズにグループ再編を進められます。
子会社化によりグループ化できるため、経営権の掌握や情報・技術の共有も可能です。
③節税対策
3つ目の目的は、会社買収による節税対策です。例えば、業績不振で赤字となった会社には、法人税が課されません。
赤字損失は、繰越欠損金として翌年から黒字と7年間通算できます。赤字会社の買収によって繰越欠損金と通算して黒字を抑えられるため税金を節税できるでしょう。
2018(平成30)年4月1日以降に開始する事業は、生じた欠損金の繰越可能期間は10年間に変更となり、欠損金が発生した翌年度以降に利益が出た場合はマイナスを相殺できるようになりました。
④多角化によるリスクヘッジ
多角化によるリスクヘッジのために、買収を実施するケースもよく見られます。多角化とは、本業と関係のない事業を立ち上げる経営戦略のことです。
多角化戦略では、例えば、1事業の収益性が低下しても別事業で利益を得て、全体の業績悪化を防ぐ効果を見込みます。多角化によるリスクヘッジが目的のケースでは、自社の事業と関連性が低い事業を買収します。
5. 会社買収の流れ
ここからは、会社買収の流れ・手順(フロー)を見ていきましょう。項目ごとにポイントを詳しく解説します。
- 事前準備
- アドバイザー選定・仲介契約
- 買収候補選定
- 秘密保持契約
- トップ面談・意向表明書提示
- 基本合意締結
- デューデリジェンスの実施
- 条件交渉
- 最終契約
- クロージング・統合後のプラン実施
①事前準備
会社買収を行う準備段階では、関係者の調整・ニーズの整理を行います。M&Aを行う目的や対象企業のイメージなどは、会社買収前に確認しましょう。
その他に確認するべきことは、議決権の確保ができているかどうかです。議決権の保有確率は、後の運営にかかわるため、忘れずに確認しましょう。
②アドバイザー選定・仲介契約
M&Aを行う目的などの確認ができたら、次はM&Aを進めるうえでのアドバイザーを選定し、契約を結びます。
アドバイザー業務を行う会社は、M&A仲介会社やコンサルティング会社があります。どの仲介会社に依頼するかは、会社買収の成功にかかわる重要な要素となるため、各社の無料相談などを利用してから選定しましょう。
③買収候補選定
仲介会社が決まったら買収候補へのアプローチです。この段階では、希望条件に合う買収候補企業のリストを作成し、条件に合う企業を数社に絞ります。
その後、ノンネームシート(NN)の企業概要(匿名)を作成し、買収候補企業に提示して打診を行います。
④秘密保持契約
ノンネームシートを使い、買収候補の企業に打診した結果、買収する企業が興味を示しさらなる情報の開示を求めれば、秘密保持契約の締結です。
秘密保持契約締結後、企業概要書(IM)と呼ばれる企業の詳細情報を提示します。企業概要書には、会社名はもちろん事業内容・財務情報などが記載されているため、より一層の情報管理が必要です。
⑤トップ面談・意向表明書提示
買収候補企業が、具体的な検討段階に入るとトップ同士の面談が行われます。面談時には、買い手・売り手の紹介や、会社買収に至った経緯、企業理念の共有などを行いましょう。この段階で信頼関係を結べば、後の流れがスムーズになります。
⑥基本合意締結
基本合意書(Lol)の作成は必須ではありません。一般的に、M&Aの基本的条件は法的拘束力を有しない形で規定されます。内容は、買収の基本的条件、交渉義務、独占交渉権、守秘義務、スケジュールの概略などです。
⑦デューデリジェンスの実施
デューデリジェンス(買収監査)は会社買収で重要な項目です。ここでは、ファイナンシャルアドバイザー(FA)や仲介会社が主となり、買収候補会社の帳簿閲覧や、書面ではわからない会社の状況を詳細にチェックするなどの手続きが行われます。
⑧条件交渉
デューデリジェンス後、交渉を断念せざるを得ない問題がない限り最終契約に向けた条件交渉を行います。最終的な売却価格を決定し、経営者・役員・従業員の処遇、遵守(じゅんしゅ)事項、守秘義務などの合意事項における交渉を進めます。
⑨最終契約
条件交渉で両社の合意が得られれば、最終手続きで株式譲渡や事業譲渡などの譲渡内容、売買価格を定めた最終契約書を取り交わします。
⑩クロージング・統合後のプラン実施
最終契約書に問題がなければ、買い手側から譲渡代金を受け取り、クロージングです。代金を受け取った後は、PMI(Post Merger Integration)と呼ばれる統合作業を行います。
買い手企業・売り手企業の従業員が現状を理解し、互いのノウハウ共有を行うことや、代表・役員同士の信頼関係構築、経営方針の統合を行う必要があります。会社買収を進めるにあたり専門的なノウハウを必要とする業務が多いため、専門家に相談すると良いでしょう。
M&A総合研究所では、M&Aの専門的な知識や経験の豊富なM&Aアドバイザーが案件をフルサポートします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を受け付けていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
6. 会社買収の仕組みを解説
ここでは、会社買収の仕組みを見ていきましょう。会社買収にはさまざまな仕組みや方法があります。株式取得・事業譲渡・会社分割などの手法、議決権の保有確率による違い、会社買収の種類・防衛策、税務処理について解説します。
会社買収の手法
会社買収とは、企業が発行する株式の過半数を取得し、会社の経営権を得ることで子会社化またはグループ化を行うことです。会社買収の手法は、その仕組みから株式取得・事業譲渡・会社分割などに分類されます。ここでは、それらの仕組みを見ていきましょう。
株式取得
株式取得は、相手先企業の株式取得によって買収を行う仕組みです。株式取得には、株式譲渡・新株引受・株式交換などの方法があります。株式取得では、買収先企業との経営権における掌握が簡単になることや後継者問題の解決など、複数のメリットがあります。
事業譲渡
事業譲渡とは、M&Aの対象となる事業の一部または全てを第三者に譲渡する方法で買収する仕組みです。譲渡の対価として資金(現金)を受け取ります。
事業譲渡の場合は、簿外債務を引き継がないなどのメリットがあり、近年増えている手法の一つです。
会社分割
会社分割とは、分割会社(既存の会社)をその他の既存会社(承継会社)もしくは新設会社に分割する方法で買収する仕組みです。会社が持つ事業に関して有する権利義務を他の会社に包括的に承継するM&A手法をさします。
会社分割では、資金を準備せずに実施でき、税金負担が軽いなどのメリットがあります。
株式交換・株式移転
株式交換は、片方の株式会社が発行する全株式を、もう片方の株式会社に取得させる方法で買収する仕組みです。対価は一般的に株式が使われるので、双方企業の株式を交換します。
株式移転は、株式会社が発行する全株式を、新設する株式会社に取得させる方法で買収する仕組みです。株式交換と同じく、一般的に対価として株式が使われます。
株式交換も株式移転も、持ち株会社への移行を実施するために取る手段で買収資金が必要なくM&Aを行えることが大きなメリットです。買収後も別法人で存続するので、円滑な事業運営も実施できます。
第三者割当増資
第三者割当増資は、特定の第三者に新株を割り当てて発行する仕組みです。M&Aでは、財務状態が良くない会社の買収、資本提携、関連会社化を目的として主に使われます。既存の株主は株式を継続して保有するので、100%の株式を取得しません。
買収対象が公開会社の場合は、原則として取締役会の決議により第三者割当増資を行えるため、買収先における株主の同意なしで買収可能です。TOB規制の適用を基本的に受けないこと、資金を会社に直接入れられることがメリットといえます。
議決権の保有率
議決権とは、会社団体の意思決定に参加する権利のことです。議決権の仕組み上、保有株式の割合に応じて行使できる内容が異なります。ここからは、議決権で行使できる内容を保有率ごとに見ていきましょう。
100%の株式を保有
100%の株式を保有している場合は、会社経営に関する意思決定を全て自身の一存で決定可能です。株式公開していない中小企業の場合、オーナー経営者が100%の株式を保有し、会社の意思決定を行うケースが大多数を占めます。
66.7%の株式を保有
66.7%の株式を保有している場合は、株主総会の特別決議を自身の一存で決定できます。
特別決議では、合併・会社分割・株式交換・株式移転・定款変更・監査役の解任など会社の運営にとって重要な事項を決められるため、中小企業の経営者は66.7%以上を保有するのが望ましいです。
50%以上の株式を保有
50%以上の株式を保有している場合は、株主総会の普通決議を自身の一存で決定可能です。50%以上の持ち株比率になると、経営するうえで十分な権利を行使できるため、経営権といわれます。
普通決議では、取締役や監査・会計監査人の専任決議、解任権・報酬額の決議、配当余剰金の分配などを決められます。
33.4%以上の株式を保有
33.4%以上の株式を保有する場合は、株主総会の特別決議を単独で阻止可能です。33.4%以上保有する株主は、会社運営を行ううえで意識される対象となります。
25%以上の株式を保有
25%以上の株式を保有する場合は、相互保有株式の議決権停止が可能です。相互保有株式とは別名「株式持合」などと称され、会社買収の防衛策として活用できるなどのメリットがあります。
3%以上の株式を保有
3%以上の株式を保有している場合は、会計帳簿閲覧権の行使が可能です。会社の外部には閲覧が原則禁止され、仕訳帳や総勘定元帳などの会計帳簿を見られます。1%以上の株式を保有している場合は、株主総会における議案提出権が認められます。
会社買収の防衛策
企業は敵対的買収から会社を守るために、買収防衛策を取ることが可能です。買収防衛策の方法は複数あるので、それらの方法を見ていきましょう。
- 企業価値を下げて防衛する
- 取締役会を守って防衛する
- 株主総会を守って防衛する
- 買収者を攻めて防衛する
企業価値を下げて防衛する
1つ目の方法は、企業価値を下げることで買収を防ぐ方法で、「スコーチド・アース」や「クラウン・エンジェル」と呼ばれる仕組みです。
相手企業の買収意欲を削ぐためにメディアを使ったり、利益のある事業を分社化したりして、意図的に企業価値を下げて防衛します。後の運営にリスクを伴いますが、経営陣の判断のみで実行できるメリットがあります。
取締役会を守って防衛する
2つ目の方法は取締役会を守って防衛する方法で、「スタッガードボード」と呼ばれる方法です。取締役の改選時期をずらします。
取締役を複数のグループに分けて選任時期を意図的にずらすと一度に取締役を改選されません。仮に買収されても、買収側に実質の経営権を掌握されるまでの時間稼ぎを行えます。
株主総会を守って防衛する
株主総会での承認を得て、新株予約権を発行し防衛する方法もあります。「ポイズンピル・ライツプラン」と呼ばれ、企業防衛を行うために新株予約権を発行し、買収を行おうとしている企業の持ち株比率を下げる防衛方法です。
株価を意図的に下げることで買収側の支配権を弱められます。買収防衛策にしか基本的に適用できませんが、訴訟に発展しやすいデメリットがあります。
買収者を攻めて防衛する
敵対的買収の可能性があるときに、買収される側の会社が反対に買収を仕掛けることで、買収防衛を行う方法です。「パックマン・ディフェンス」と呼ばれています。
買収される会社が、買収を仕掛ける会社における25%以上の株式を取得して、買収を仕掛ける側における株主総会での議決権を失わせて防衛を行います。莫大(ばくだい)な資金がかかるケースが多く、中小企業は実施しにくい点がデメリットです。
会社買収の税務処理
会社買収の際、注意する項目に挙げられるのが税務処理です。会社買収の方法によって課せられる税金は変わります。ここからは、会社買収にかかる税金や、会社買収の節税対策などを見ていきましょう。
会社買収でかかる税金
会社買収・売却時には税金がかかり、売却先の会社形態が個人か法人企業かで異なることを覚えておきましょう。売却側の株主が個人の場合、株主に対して住民税・所得税が加算され、必要経費などを差し引いた額から譲渡所得が計算されます。
一方、法人の場合は、通常の税務処理と同様に法人税が加算され、仲介会社の手数料や必要経費を差し引いた額によって譲渡益が計算されるでしょう。総合課税により30%程度の税金と法人住民税がかかります。
会社買収の際の節税対策
高い売却益を獲得できても、税金が高額になっては元も子もありません。そこで考えておきたいのが節税対策です。
節税方法は複数ありますが、その一つに退職金による節税方法があります。これは、本来の譲渡所得における一部を退職金として受け取る方法です。譲渡所得と退職金はそれぞれ別のものとして計算されるため、一定額以上であれば十分節税効果を得られます。
その他、第三者割当増資による節税方法もあり、特定の第三者が引受ける形で新株を増やすことで、持ち株比率が下がり結果的に節税を行えるでしょう。
会社買収の際に必要な経費
会社買収の必要経費は、大きく分けると下記に分類できます。
まずは、デューデリジェンスの報酬、仲介手数料などにかかる費用です。次に、買収手続きなどにかかる人件費、最後は、会社買収にかかる買収費です。しっかりと計画を立て、資金準備を行う必要があります。
これらの必要経費だけでなく、会社買収に関する会社取得費に対して税金がかかるため、会社買収の際は税金の支払いがあることも念頭に置いてください。
デューデリジェンスの報酬
M&Aを失敗させないためにも、デューデリジェンスは必ず行いましょう。デューデリジェンスは、買収先の経営状況や事業などさまざまな視点から調査し、リスクを把握したうえで買収の最終決定を行います。
この調査には高度な法務や財務、人材やITなど専門的な知識やノウハウが必要となるため、専門家への依頼費用が発生するでしょう。
仲介手数料
会社買収を行う場合、M&A仲介会社に依頼することが欠かせません。M&A仲介会社の手数料や報酬は、会社によって違います。完全成功報酬型の会社があるなど、手数料の計算方法が異なるので、依頼する際は事前に確認しましょう。
買収手続きなどにかかる人件費
M&Aによる会社買収を成功に導くためには、社内のプロジェクトチームが必須です。それには、別途人件費がかかります。
買収費
買収費は、対象企業を買収するための費用です。買収額はM&Aを実施するうえで、互いの交渉によって決まるため、金額は事前に決定しません。買収企業の業種や規模、企業価値によっても変動があります。
7. 会社買収のメリット
会社買収のメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。メリットを順番に解説します。
買収側のメリット
会社買収側のメリットは、主に以下の4つです。
- 人材・取引先・顧客などを獲得できる
- 施設や設備などを低コストで獲得
- 販路・事業の拡大
- 買収先企業とのシナジー効果
人材・取引先・顧客などを獲得できる
会社買収を行うことで、買収先の人材・取引先・顧客を獲得できます。買収先の人材や取引先・顧客獲得により、時間をかけずに市場規模の拡大や販売チャネルの拡大、営業ノウハウの補充などができる点がメリットの一つです。
施設や設備などを低コストで獲得
会社の規模を拡大しようとする際、自社で施設や設備を整えようとすると時間やコストがかかります。会社買収を行えば、既存の施設や設備を獲得でき費用や時間を抑えられるでしょう。
会社買収を行って規模の拡大ができれば、仕入れコストや販売コストなど多くのコストを抑えて営業できるのもメリットです。
販路・事業の拡大
会社買収によって買収先の事業を取り込むので、規模を拡大できます。別事業に新規参入する場合でも、一から立ち上げるのとは違い、ノウハウや営業の基盤・販路を初めから準備できるため、失敗のリスクを減らせるでしょう。
買収先企業とのシナジー効果
会社買収を行うことにより、それまで自社になかった技術やノウハウなどを取り入れられます。営業方法や優秀な人材など、買収元と買収先における多くの良いところが組み合わさるため、会社買収によるシナジー効果(相乗効果)を生み出せるのもメリットの一つです。
売却側のメリット
次は、売却側のメリットを見ていきましょう。売却側のメリットは、主に以下の5つです。
- 株主の交代により経営の健全化
- 後継者問題の解決
- 従業員の雇用確保
- 大資本での経営の安定化
- 売却益の獲得
株主の交代により経営の健全化
会社の経営を長期的に安定させるのは容易ではありません。特に中小零細企業は、経営を盤石に続けるのは難しいです。しかし、会社売却で大手企業と統合すると、確かなノウハウと経営実績の中で健全な運営を行えるメリットがあります。
後継者問題の解決
昨今における中小零細企業の抱える問題は、後継者不足です。実際に後継者不足により、やむなく会社を倒産するケースもあります。会社売却では、事業を買収元の企業が引き継ぐため、後継者問題を解決して継続的な運営を行えるメリットがあります。
従業員の雇用確保
前述の通り、後継者の確保ができない場合や、経営不振で会社を倒産せざるを得ない場合は、従業員が職を失ってしまいます。会社売却を行うと、引き続き会社は存続するため、従業員の雇用を確保でき従業員も安心して勤務できるでしょう。
大資本での経営の安定化
会社を運営するうえで資本は必要不可欠です。資金に不安があると、経営がうまくいくときは良いですが、そうでないときは苦しくなります。
結果的に、経営が難しくなって倒産となると、会社の代表だけでなく従業員やその家族にも大きな影響を与えてしまいます。大手企業へ会社を売却すれば、統合によって潤沢な資金の中で経営を行えるため、経営を安定させられるメリットがあるでしょう。
売却益の獲得
会社売却を行うと売却益を得られます。将来性のある会社や実績がある会社の場合、売却益は大きくなりやすいです。
売却によって得た資金で新規事業を始める、勇退後の老後資金にする、アーリーリタイヤ(早期退職)資金として活用するなど、会社売却による売却益のメリットはさまざまです。
8. 会社買収のデメリット
会社買収の際はメリットだけでなく、デメリットも考えて行う必要があります。会社買収のデメリットにはどのようなものがあるのか、買収側・売却側の両面から見ていきましょう。
買収側のデメリット
まずは買収側のデメリットです。買収側のデメリットには、以下の4つが挙げられます。
- 統合プロセスの失敗
- 簿外債務などの発覚
- 優秀な人材の退職
- 期待したシナジー効果が得られない
統合プロセスの失敗
買収側におけるデメリットの1つ目は、会社買収を行った後に計画していた統合プロセスを十分に実行できず、M&Aが失敗に終わる可能性です。
通常は、買収成約前に統合プロセスを計画し、それを実行に移します。しかし、統合プロセスの計画が不十分などの理由により、統合後にスムーズな運営ができないケースもあります。
従業員や取引先などに混乱が生じ、経営が成り立たなくなるケースもあるため、会社買収を行う前は入念な統合プロセスにおける計画・仕組みの形成・準備を行いましょう。
簿外債務などの発覚
2つ目のデメリットは、買収後に簿外債務などが発覚するケースです。会社買収を行う際は、買収先の経営状態を把握してから買収を行うのが一般的です。
しかし、経営・財務状態を把握したつもりでも、買収後に簿外債務などが発覚し、思わぬ負債を抱えてしまうケースもあります。
簿外債務などの発覚により統合後の会社運営に悪影響を与えないように、入念にデューデリジェンスを行うことが重要です。
優秀な人材の退職
3つ目のデメリットは、優秀な人材が退職してしまうことです。会社買収後における経営方針の変更や、統合後の人間関係悪化などで、優秀な人材の流出につながるケースもあります。
会社運営を行ううえで優秀な人材の退職は大きな痛手です。買収後に従業員の不満を募らせないよう、従業員の十分な理解を得られる統合後の経営方針を策定しましょう。
期待したシナジー効果が得られない
4つ目のデメリットは、会社買収後に計画どおりに会社運営ができず、期待したシナジー効果が得られないことです。
シナジー効果を期待しすぎた結果、思った利益を上げられずに、会社買収時の費用対効果が低くなるケースも少なくありません。
十分なシナジー効果を期待して会社買収を行うケースが多いものの、シナジー効果を過度に期待しすぎないことも統合後の運営には必要です。
売却側のデメリット
次は売却側のデメリットです。
- 従業員の退職
- 経営者が一定期間束縛される可能性
- 買い手が現れない可能性
従業員の退職
売却側における1つ目のデメリットとして、従業員の退職が挙げられます。買収側の会社運営になじめないケースや、会社売却に対する反発により従業員が退職してしまうケースです。
従業員の退職を出さないよう、会社買収後もスムーズに会社運営を行うための準備や計画を行いましょう。
経営者が一定期間束縛される可能性
2つ目のデメリットは、会社売却の準備や交渉に経営者が一定期間束縛される可能性です。会社売却を行いたいと思ってもすぐに売却できるわけではなく、買収側における経営者との交渉や、アドバイザーとの打合せなどに時間がかかり本業に割く時間をとられてしまう可能性があります。
束縛されている期間に本業がおろそかになり、会社運営に悪影響が出てしまうことも少なくありません。従業員と協力しながら進めることが大切です。
買い手が現れない可能性
3つ目のデメリットは、買い手が現れない可能性です。時間を割いてM&Aを進めても、買い手が現れなければ売却を行えません。
多くの企業から買い手を見つけるために、自社の企業価値を上げましょう。自社の強みやアピールポイントを十分に把握して交渉を行うことや、債務・不要在庫の整理などを行い、根気よく売却先を探すことが重要です。
9. 会社買収を行う際の注意点
この章では、会社買収を行う際の注意点を解説します。会社買収の際は安易に買収を行うのではなく、注意点をクリアしたことを確認してから買収を行いましょう。
注意点を下記の3つに分けて解説します。
- 小規模企業の会社買収を行う際
- 企業文化が全く違う会社の買収を行う際
- 経営が不透明な会社の買収を行う際
①小規模企業の会社買収を行う際
小規模企業の買収を行う際は、後の経営方針や経営状況をきちんと確認しましょう。どれくらいの資金・負債があるのか、改善する見立てはあるのかなどをきちんと把握する必要があります。
小規模企業の場合は、従業員同士の距離感が近く情報も大部分が共有しやすい状況になりやすいため、安易な交渉で買収を行うのではなく、従業員などとの信頼関係もきちんと考えながら買収を進めることが大切です。
②企業文化が全く違う会社の買収を行う際
企業文化の全く違う会社を買収する場合に注意するべき点は、社員の流出なくスムーズに事業を継続できるかどうかです。
会社の運営に重要な社員が、企業文化の違いから嫌気がさし大量に退社してしまう事態が起こっては大きな損失となります。赤字会社の買収を行い、繰越欠損金を使用しての資金繰りを考えている場合は、社員が20%以上退職すると繰越欠損金は消滅するため、同様に注意が必要です。
③経営が不透明な会社の買収を行う際
経営が不透明な会社を買収対象として検討している場合に注意すべき点は、「簿外債務がないか」です。決算書や帳簿に載っていない債務を「簿外債務」といい、買収後にこれらが発覚すると、決算書に記載していない場合でも支払う必要が出てきます。
会社の連帯保証金や、未納の税金・借入金などが簿外債務に当たるケースが多いため事前の確認が必須です。
10. 会社買収を成功させるポイント
会社買収を成功させるにはどのようなポイントがあるのか見ていきましょう。
- デューデリジェンスの徹底
- 友好的な買収
- シナジー効果の見込める相手先を探す
- 大規模企業・事業の買収は慎重に行う
- 買収後の経営統合を入念に行う
- 会社買収・専門家への相談
①デューデリジェンスの徹底
会社買収を成功させるためにはデューデリジェンスの徹底が重要です。デューデリジェンスは買収監査と呼ばれ、買収企業におけるリスクの他、資産価値などのリターンを知るための調査です。
会社買収には、時間と費用がかかります。かけた時間とコストを実りあるものにするために、デューデリジェンスを徹底して行うことでリスク回避ができ会社買収の成功率を引き上げられるでしょう。
デューデリジェンスには、財務関連・法務関連などの調査、ビジネスデューデリジェンスといった市場全体の調査なども含まれます。
②友好的な買収
会社買収を成功させるためのポイント2つ目は、友好的な買収を行うことです。敵対的な買収を行うよりも、両社における同意のもと統合後も寄り添って友好的に運営する方が、成功に結び付きやすいです。
特に中小零細企業の場合は、友好的な買収を行う方が双方にシナジー効果を生み出しやすいため、友好的な買収を行うことが会社買収における成功のポイントといえます。
③シナジー効果の見込める相手先を探す
シナジー効果が発揮すると、大幅な売上高増加、コスト削減、技術力や開発力向上などの恩恵を獲得できます。多額の買収資金を用いるので、シナジー効果が期待できる会社や事業を買収して、買収資金を大きく上回るメリットを獲得しましょう。
シナジー効果は、主に売上の増加(売上シナジー)、コスト削減(コストシナジー)、節税や金融コストの削減(財務シナジー)の要因で発揮されます。これらの要因が生じる可能性を一つずつ評価して、できるだけシナジー効果が見込める相手先を探しましょう。
④大規模企業・事業の買収は慎重に行う
自社より事業規模が大きい会社や事業であれば、買収に伴うリスクが高くなります。規模が大きいほど買収金額は上がるので失敗したときに再起できないくらいの損失を抱えることもあり、従業員同士の関係性構築や人事制度などの統合も難しくなるからです。
M&Aの経験が豊富でなければ、自社より規模の小さい会社や事業を買収するほうが良いでしょう。買収する会社は、従業員数や売上高が自社の30%未満が目安です。
⑤買収後の経営統合を入念に行う
会社買収を成功させるには、買収後のPMIを徹底しリスクを排除してシナジー効果の発揮を狙うことが欠かせません。PMIを行うと、シナジー効果の発揮による売上増加や優秀な人材が離職するリスクの軽減なども可能です。
PMIは一般的に、「統合方針の決定」「ランディングプランの策定」「100日プランの策定」「統合の実施・効果検証」のプロセスで進めます。M&Aの成功はPMIがポイントともいえるので、買収後の経営統合は入念に行いましょう。
⑥会社買収・専門家への相談
会社買収を成功させるためには専門家に相談するのが一番です。前述したデューデリジェンスの徹底を行う際も個人で調査を行うのは限界があり、容易ではありません。専門家に調査を依頼した方が、より詳細で質の高い情報を得られます。
専門家による洗練されたアドバイス、経験や実績を生かした交渉により、買収を円滑に進めることも可能です。会社買収を行う際は、専門家に相談するのが成功の近道といえます。
11. 会社買収の成功事例【2022年最新】
ここでは、会社買収における成功事例を見ていきましょう。
①ヒガシトゥエンティワンによる会社買収
ヒガシトゥエンティワンによる会社買収の事例です。ヒガシトゥエンティワンは2022年2月、山神運輸工業の全株式を取得し、子会社化しました。
ヒガシトゥエンティワンは1944年に創業の大阪市に拠点を置く会社で、3PL・総合物流サービス、総務系物流・BPOソリューション、IT関連サービスなど幅広い事業を行うグループ会社です。
対象会社の山神運輸工業は、鋼材や機械などの重量物輸送をメインに、さまざまな輸送を行う一般貨物輸送事業と、機械据付・メンテナンスなどを行う会社です。
今回のM&Aにより、対象会社のノウハウを取り入れることで新たな輸送資源を獲得し、グループ全体の輸送力強化、新規分野での事業拡大を目指します。
②第一生命HDによる会社買収
第一生命ホールディングスによる会社買収の事例です。
第一生命ホールディングスは、2021年8月、100%の株式を得る手法により、ウエストパック・ライフの買収を発表しています。ウエストパック・ライフは、オーストラリアの金融大手であるウエストパック銀行グループ傘下の生命保険会社です。
第一生命ホールディングスのオーストラリアにおける保険会社の買収は、これで3社目です。成長市場とみるオーストラリアでの事業を拡大するために買収を決めました。買収価額は約740億円です。
③パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスによる会社買収
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスによる会社買収の事例です。
パン・パシフィック・ インターナショナルホールディングスは2021年2月、全株式を得て子会社化する手法により、アメリカで展開するプレミアムスーパーマーケットチェーン「Gelson's」の持ち株会社GRCY Holdings, Inc.を買収するのを発表しました。
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは、海外事業をドン・キホーテなどのディスカウントストア事業やユニーなどの総合スーパー事業に次ぐ新しい収益の柱にすることを狙っています。取得価額は公開されていません。
④任天堂による会社買収
任天堂による会社買収の事例です。ゲームの開発・販売を手掛ける任天堂は2021年1月、NLG(ネクスト・レベル・ゲームズ)の発行する全株式を得て子会社化する手法により、NLGを買収することを発表しています。NLGはゲーム開発を行う会社です。
これにより任天堂は、NLGの開発ノウハウを得ること、開発チームとの連携や人材交流が可能になることでソフトウェア開発のスピードや質を上げる効果を狙っています。
⑤NTTによる会社買収
NTT(日本電信電話)による会社買収の事例です。NTTは2020年11月、NTTドコモの公開買付けによる買収を行いました。
NTTは、「世界規模による研究開発の推進」「新規事業の強化」などを目指しており、これを実現するためにはグループ全体のリソース活用や意思決定の迅速化が必要で、そのためにNTTドコモの完全子会社化を実施しました。
買収金額は約3兆円でした。残りのドコモ株式は、株式売渡請求といったスクイーズアウトの手法で取得され、NTTドコモは2020年12月にNTTの完全子会社となり上場廃止となっています。
⑥セブン&アイHDによる会社買収
セブン&アイ・ホールディングスによる会社買収の事例です。コンビニエンスストア大手のセブン&アイ・ホールディングスは2020年8月、株式および持分を取得する手法により、アメリカの子会社をつうじてスピードウェイを買収することを発表しています。買収金額は、約2.2兆円です。
MPCが運営するスピードウェイは、ガソリンスタンドを併設したコンビニエンスストアのブランドです。アメリカ市場でのコンビニエンスストア事業を拡大するために、セブン&アイ・ホールディングスはこの買収を実施しました。
⑦コロワイドによる会社買収
コロワイドによる会社買収の事例です。
コロワイドは、大戸屋ホールディングスへ敵対的買収を行いました。2019年10月、大戸屋の創業者から、19%弱の株式を取得したことがきっかけです。コロワイドは友好的買収を検討していましたが、対話に応じないため7月にTOBを宣言し、敵対的買収を開始しました。
大戸屋ホールディングスの社長はかなり反発しましたが、コロワイドは全株式の46.77%に当たる株式を得て、TOBによる敵対的買収が成立しました。大戸屋ホールディングスはコロワイドのグループ会社となり、取締役の交代で経営権を掌握されます。費やした買収金額は、約61億円でした。
⑧ブロッコリーによる会社買収
ブロッコリーによる会社買収の事例です。ブロッコリーは2019年8月、LANTERN ROOMSの買収を発表しました。全株式を総額1,861万8,000円で取得します。
LANTERN ROOMSは家庭用ゲームソフトやスマートフォンゲーム開発を手掛ける会社です。LANTERN ROOMSの企画力・技術力を高評価するブロッコリーは、LANTERN ROOMSとの協業によりコンテンツ開発体制の強化や加速を狙います。
LANTERN ROOMSも、子会社となることで財務基盤の安定、人員拡充が容易になること、事業基盤の強化を見込んでいます。
⑨武田薬品工業による会社買収
武田薬品工業による会社買収の事例です。
武田薬品工業は2018年5月、全株式を取得する手法により、アイルランドの製薬大手であるシャイアーを完全子会社にすることを発表しました。これにより、シャイアーは上場廃止となります。取得価格は約6兆8千億円です。
買収が完了した3年後に、武田薬品工業は、年約1,500億円のコスト削減を予定しています。グループ全体の売上高75%は、今まで重要研究分野とみなしてきた消化器、中枢神経、がんにプラスして、シャイアーが強みを持つ希少疾患と血液製剤が占めることを見込んでいます。
⑩KDDIによる会社買収
KDDIによる会社買収の事例です。KDDIは2017年8月、株式譲渡の手法によりソラコムを連結子会社にすることを発表しています。ソラコムは、通信プラットフォーム「SORACOM」を手掛けるIoT領域でのリーディングカンパニーです。
KDDIのIoTビジネス基盤とソラコムの通信プラットフォームを連携することで、両社は国内・グローバルでつうじるIoTプラットフォームの構築を強めることを狙い、今までに築いたIoT/M2Mの知見や顧客基盤を生かして新しいIoTビジネスを創ることを見込んでいます。
12. 会社買収の相談先
会社買収・M&Aは、ぜひM&A総合研究所へお任せください。M&A総合研究所では、会社買収に精通したM&Aアドバイザーが案件をフルサポートします。スピーディーなサポートを実践しており、最短3カ月で成約した実績もあります。
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13. 会社買収のまとめ
今回は会社買収をまとめました。会社買収とは、その名の通り自社以外の企業を買収するケースをいいます。買収される側の会社は消滅せず、子会社・グループ会社として存続し買収側の傘下に入ります。
会社買収では、メリット・デメリットを十分に知ったうえで買収を行いましょう。会社買収をスムーズに進めて成功させるためには、専門家のアドバイスが重要です。専門家による徹底したデューデリジェンスや、友好的な買収に向けた交渉なども必要といえます。
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