会社の借金は廃業しても残る?残る借金と対応方法を徹底解説

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取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

会社を経営していく上で借金を有効に活用することは必要です。しかし、会社の業績が悪化して、廃業してしまった後も会社の借金は残るのでしょうか。今回は、会社の廃業後も会社の借金や連帯保証した人の個人の借金は残るのか、会社に残る借金の対応方法について詳しく解説します。

目次

  1. 会社の借金は廃業しても残る?
  2. 廃業する際の残った負債の対応
  3. 連帯保証により残る借金の対応
  4. 廃業した会社に残る借金の対応方法
  5. M&Aによる会社売却を検討の際はM&A総合研究所へ
  6. まとめ
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1. 会社の借金は廃業しても残る?

日本人の考え方において「借金することは悪いである」という概念を持つ人もいます。しかし、会社のマネジメントでは借金することは決して悪いことではなく、会社のキャッシュポジションを安定させるために重要な戦略でもあります。

会社の借金は経営が順調なときは問題ありませんが、経営状況が苦境に陥り廃業しなくてはならなくなった場合は処理が必要となってきます。

本記事では、会社が経営破綻に陥った場合に借金をどのように処理するべきかについて詳しく解説します。

会社を廃業するとは

「廃業」とは単に事業をやめるということを意味し、個人でも会社でも事業をやめるときに使うことがあります。

会社を廃業するとは、会社のオーナーである株主がさまざまな理由で自ら事業をやめることを指します。

例えば株式会社が廃業する場合は、株主総会で解散決議をして清算及び清算結了など一連の手続きを経て、法人格を消滅させます。

廃業する際の負債

会社の廃業時点で、まず現存するすべての資産と負債を洗い出す必要があります。それから資産をすべて換金して、負債の返済に充当します。

ここでいう負債には、会社が把握している負債(営業上の債務や借入金、未払税金など)のほか、解散手続きにおける官報公告や個別催告により新たに申し出のあった負債も含まれます。

また、廃業時の負債には、株主や会社の経営者などが連帯保証している個人の連帯保証債務も加わります。

廃業と倒産、清算の違い

「廃業」と混同しやすい言葉に「倒産」や「清算」がありますが、それぞれが意味するものが異なります。以下では、倒産と生産の意味を簡単に解説します。

倒産とは

倒産とは、会社や個人事業主などの事業主体の財政状態が厳しくなり経営を継続できなくなることをいい、経営破綻とも呼ばれます。倒産は周囲への影響も大きく、関連会社や取引先の連鎖倒産を引き起こす事例もあります。

倒産状態になった事業主体の債権者への弁済手続きを倒産処理または倒産手続きといい、私的・法的、清算型・再建型などの区別があります。

清算とは

清算とは、会社が解散した後に現存する債権及び債務を整理する一連の手続きです。清算の分類には法律で定められた法定清算と任意で定めた任意清算があり、法定清算はさらに債務超過状態の有無により通常清算と特別清算に分類されます。

債務超過がない場合は、通常清算として会社に現存する資産を換金して債務弁済に充当します。このとき残余財産があれば株主等に分配し、清算手続きを完了させることで(清算結了)法人格が消滅します。

特別清算は法的倒産処理手続きの1つであり、債務超過状態の疑いがある場合に裁判所の監督下で行われます。また、債務超過が明白な場合は、破産手続きに移行することもあります。

会社を廃業して借金が残らない場合

会社の廃業時は現存する資産と負債を洗い出しますが、これは清算手続きにおいて資産を換金して負債を返済しなければならないからです。

その際、資産が多いのか負債が多いのかによって、会社に借金が残るかどうかが決定します。

会社に借金が残らないのは負債より資産が多い資産超過の場合であり、資産を換金して借金をすべて返済することができます。

また、資産より負債が多い債務超過であっても、担保も連帯保証もなく債務免除などにより会社の債権者に債権の回収を諦めてもらうことができれば借金は残りません。

会社を廃業して借金が残る場合

会社の廃業時に資産よりも負債が多い債務超過のときには、資産のすべてを換金しても借金をなくすことはできないため借金が残ってしまいます。

借金が残るときには、会社が廃業時に資産超過であるか債務超過であるか、個人の担保や連帯保証があるかなどにより、その後すべき対応が異なります。

担保

会社の廃業時、社長などの個人が所有する資産を会社の負債担保として差し入れている場合は、どのようになるのでしょうか。

このようなケースでは、会社が資産超過の場合は会社の資産を換金して債務の弁済に充当できますが、債務超過の場合は会社の資産を換金してもすべての債務を弁済することはできません。

担保付き債務の弁済が不可能な場合、担保付き債務の債権者は担保を換価して、ほかの債権者より優先して弁済を受けることが可能です。

会社が債務超過の場合は、担保が換価されて担保権者に優先的に弁済されるため、結果として担保を差し出した個人の財産が減ることになります。

連帯保証

では、会社の廃業時に社長が会社の負債に関して個人で連帯保証をしていた場合は、どのようになるのでしょうか。

このようなケースでは、会社の負債が資産よりも多い債務超過の場合、資産をすべて換価しても会社の負債のすべてを返済することはできず、会社が廃業しても個人の連帯保証債務は残存することになります。

【関連】廃業とは?閉店、倒産、休業との違いや理由、廃業を回避する方法を解説

2. 廃業する際の残った負債の対応

会社を廃業する際に、残った負債をどのように弁済するかは債務者である会社にとっても、各債権者にとっても気になるところでしょう。

廃業時に負債より資産が多い資産超過状態の場合は、資産の換価によりすべての負債が弁済されるので特に問題はありません。

しかし、資産より負債が多い債務超過状態の場合は各債権者間の優先順位があり、支払うべき優先順位の高い債務から順番に返済していくことになります。

というのは、破産などの法的倒産処理手続きになった場合に優先順位を間違えて弁済してしまうと、トラブルへと発展しかねないからです。

支払うべき優先順位は、高い順に担保付き債権、財団債権、財団債権に含まれない一般債権、通常の一般債権となります。

担保の扱い

会社を廃業する際、返済しなければならない優先順位が最も高いものは、抵当権や質権などの担保が設定されている債務です。

担保には優先弁済的効力が法定されており、破産になっても破産手続きによらずに担保物を換価して他債権者に優先して弁済されることから別除権と呼ばれます。

たとえば、会社の借入金の担保として会社や経営者個人所有の不動産に抵当権が設定されている場合、債権者(抵当権者)である銀行などへは他債務より優先して返済しなければなりません。

財団債権の扱い

財団債権とは、破産手続きになった場合でも破産手続きには組み込まれず、破産財団から優先的に弁済を受けられる債権です。

担保付債権に次いで返済の優先順位が高いのが財団債権であり、たとえば破産法で規定されている以下のような債権が該当します。

  • 破産手続きに関する費用
  • 破産管財人の報酬
  • 納期限未到来または手続き開始前1年以内の租税債権
  • 手続き開始前3か月分の従業員の給与や退職金

一般債権の扱い

担保付き債権や財団債権以外の一般債権においても、弁済の優先順位があります。主な一般債権の優先順位は以下のとおりであり、上から順に優先順位が高くなります。

  1. 財団債権に含まれない租税債権や従業員の給与など
  2. 営業上の取引などで発生した買掛金などの一般債権
  3. 破産手続き開始後の利息や損害金、延滞税・加算税など
  4. 債権者と破産時には配当優先順位が劣後すると約定していた劣後的破産債権

【関連】株式会社と個人事業主の廃業手続きまとめ!有限会社/合同会社/休眠会社も解説

3. 連帯保証により残る借金の対応

廃業した場合に残るのは会社の借金だけではなく、連帯保証をしている個人の借金も残ります。この章では、連帯保証により残る借金の対応はどのようにしたらよいか、任意整理・個人再生・自己破産の場合に分けて解説します。

任意整理

会社が廃業する際、会社経営者が会社の借金に連帯保証しているケースでは、会社の資産よりも債務が多い実質的な債務超過の場合はすべて弁済することができないため、個人の借金として連帯保証債務が残ります。

この個人の連帯保証債務について、各債権者と交渉して返済方法や返済期限を決める方法を任意整理といいます。

個人に毎月一定額の収入があれば、そのなかから返済に充当できる金額や返済期限などを各債権者と交渉し、分割払いなどの新たな条件を決定します。

個人再生

個人の連帯保証債務を返済金額が多いなどにより任意整理で返済できない場合は、法的手続きである個人再生手続きや破産手続きを選択することになります。

個人再生手続きは、債務者である個人に一定の収入がある場合に選択でき、保有している資産を手放さずに経済的再生が図れます

裁判所の監督下、借金の大幅な減額も期待でき、返済期間も一般的に3年~5年の期間で設定されます。ただし、借金総額や保有資産によって減額幅や返済期間は変わります。

自己破産

個人で連帯保証債務について、任意整理も個人再生手続きも選択できない場合は、自己破産手続きを選択せざるを得ないケースもでてきます。

自己破産手続きは支払不能状態であれば誰でも裁判所に申し立てが可能であり、自己破産手続きが認められれば租税債権などの例外を除いて借金はゼロになります。

厳密にいえば借金自体がなくなるわけではなく、生活に必要な最低限の家財道具を除いた保有資産をすべて処分され債権者への弁済に充てられます。

そのうえで返済しきれなかった分については別途免責手続きを行い、借金の支払義務を免除してよいかどうかが判断されます。

なお、自己破産の手続きをすると、完了するまでは宅建士・保険外交員・証券外務員・警備員などの一定の職種に就くことができなくなります。

【関連】廃業・解散の費用、手続きの流れを解説【会社・法人・個人事業主】

4. 廃業した会社に残る借金の対応方法

会社を廃業しても借金が残る場合、廃業以外の対応方法も検討してみることも必要です。この章では、廃業以外の3つの選択肢について解説します。

  • 会社も個人も破産や民事再生など法的倒産手続きを選択する
  • 事業計画の見直しを行い自主再建を図る
  • 会社の売却を検討する

事業計画の見直しを行い再建を図る

自主再建を図る場合、銀行などの債権者に対してリスケジュール(リスケ)と呼ばれる返済計画の見直しを交渉する方法があります

この場合、債権者に返済期間や返済金額を緩和してもらうために、経営改善計画と呼ばれる見直しした事業計画を提出する必要があります。

返済を猶予してもらっている期間に経営改善計画に基づき経営の立て直しを図り、事業再建することで得られたキャッシュフローで再び返済を正常に戻すことを目指します。

会社の売却を検討する

廃業しても借金が残ってしまうようであれば、会社の売却を検討することも選択肢の1つです。

会社の売却をすることにより、会社の資産や負債は原則として買手会社へ引き継がれます。また従業員もそのまま引き継いでもらえるため、雇用を守ることもできます

赤字の会社でもM&Aは可能?

廃業ではなくM&Aによる会社売却を検討する場合、借金があり債務超過状態(赤字)の会社では、会社売却ができないのではと考えることもあるでしょう。

結論からいえば、赤字会社であっても事業の将来性などに魅力・強みがあれば、M&Aによる会社売却は可能です。

ただし、債務超過状態の会社では、事業の将来性や保有資産の価値などを前面にだして買手と交渉していく必要があります。

戦略を立てて会社売却に臨まなければ相手先をみつけるのは難しくなるので、早い段階からM&A仲介会社などの専門家へ相談するようにしましょう。

【関連】事業承継と廃業(清算)を比較!どちらが得する?

5. M&Aによる会社売却を検討の際はM&A総合研究所へ

会社を廃業して借金が残ってしまう場合、まずはM&Aの可能性を検討してみることをおすすめします。赤字会社のM&Aによる会社売却を実現させるためには、M&A仲介会社など専門家のサポートがおすすめです。

M&A総合研究所は、主に中堅・中小規模のM&A・事業承継を扱う仲介会社です。さまざまな業種でM&A仲介実績があり、経験豊富なM&Aアドバイザーによるフルサポートを行っています。

料金体系は完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)となっており、着手金は譲渡企業様・譲受企業様とも完全無料です。ご相談も無料でお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。

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6. まとめ

会社を廃業しても借金が残るような場合、状況に応じた対応方法を検討する必要があり、M&Aによる会社売却も選択肢のひとつです。

赤字会社であってもM&Aによる会社売却は不可能ではありませんが、その際は専門家のサポート下で戦略的に進めていくことが大切です。

【会社の廃業により借金が残る場合と残らない場合】

  • 借金が残る場合…会社の廃業時に会社の資産よりも負債が上回る債務超過状態の場合
  • 借金が残らない場合…会社の廃業時に会社の負債よりも資産が上回る資産超過状態の場合、または債務超過状態かつ担保や連帯保証がない場合で残った負債の債権者から債務免除された場合
【廃業する際の残った負債の返済の優先順位】
  1. 担保付き債権
  2. 財団債権
  3. 財団債権に含まれない租税債権や従業員の給与
  4. 営業上の取引などで発生した買掛金などの一般債権
  5. 破産手続き開始後の利息や損害金、延滞税・加算税など
  6. 債権者と破産時には配当優先順位が劣後すると約定していた劣後的破産債権
【連帯保証により残る個人の借金の対応】
  • 任意整理…リスケなど各債権者との交渉により返済方法や返済期限を決定する
  • 個人再生…裁判所へ個人再生手続きを申し立て、保有資産を手放さずに経済的再生を図る
  • 自己破産…裁判所へ自己破産手続きを申し立て、生活に必要最低限の家財道具以外の保有財産を手放して返済に充てる
【廃業しても会社に借金が残る場合の対応方法】
  • 法的倒産手続き…会社・個人とも破産や民事再生など法的倒産処理を行う
  • 自主再建…返済計画及び事業計画の見直しを行い各債権者の協力を得て自主再建を図る
  • M&A…会社売却や事業譲渡により買手会社に資産・負債を承継する

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