葬儀会社の事業承継を解説!現状や市場動向・事例・メリットは?

会計提携第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

昨今見られる葬儀形式の多様化や経営者高齢化による後継者問題、競争激化といった課題から、事業承継を考える葬儀会社が多く見られるようになりました。当記事では、葬儀業界の現状や動向、過去の事業承継事例を踏まえながら、葬儀会社における事業承継を詳しく解説します。

目次

  1. 葬儀会社の現状と事業承継の動向
  2. 葬儀会社の事業承継の種類
  3. 葬儀会社の事業承継を行うメリットとデメリット
  4. 葬儀会社の事業承継を行う方法・流れ
  5. 葬儀会社の事業承継の成功事例
  6. 葬儀会社の事業承継にかかる費用
  7. 葬儀会社の事業承継を成功させるポイント
  8. 葬儀会社の事業承継を行うときはサポートを受けるのがおすすめ
  9. 葬儀会社の事業承継は専門家に相談しながらすすめよう
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1. 葬儀会社の現状と事業承継の動向

国内における葬儀関連事業を手掛ける葬儀業界では、企業による事業承継事例が多く見られます。まずは葬儀会社・葬儀業界における業務の特徴と業界を取り巻く現状を押さえた上で、葬儀会社で実施される事業承継動向を確認しましょう。

葬儀会社・葬儀業界とは?

葬儀会社はサービス業界の中の1つに位置づけられ、主に通夜や告別式の引き受け・手配や、遺体搬送と安置等葬儀に関する総合的なサポートを行う業種です。葬儀が終わった後もアフターサポートとして遺影・位牌を自宅に設置するなどさまざまなサービスを提供し、葬儀費用を受け取ります。

葬儀のサポートに含まれる主な業務内容は、以下の通りです。

  • 霊柩車の手配・火葬場までの移動手段(バス)の手配
  • 火葬に関する手配
  • 遺体の安置(衛生管理)
  • 葬儀における返礼品の準備
  • 葬儀の進行役
  • 生花の手配
  • 寺院との打ち合わせ

葬儀会社は通夜や告別式を行うだけではありません。火葬手配や寺院との仲介、返礼品の準備など多くの業務項目によって構成されているのが特徴です。遺族の負担にならぬよう、円滑な葬儀を目指すためにあらゆるサービスを提供しています。

葬儀会社の現状

葬儀会社を取り巻く業界は、日本国内の高齢化に伴い需要が拡大傾向にあります。また、繁忙期や閑散期といった波が無い業界である点も特徴です。また、市場動向はさまざまな業界から注目されています。葬儀業を専門に行う会社だけでなく、他業種が葬儀事業を行うケースも見られます。

最近は家族葬といった小規模で行われる葬儀への需要も増え、葬儀にも多様性が現れるようになった点も特徴です。人生を終えるまでの活動を終活ビジネスとしてサービス提供する葬儀会社も存在します。従来の葬儀に加え、あらゆるニーズに対応した事業展開が求められるのが現状です。

葬儀会社の事業承継の動向

葬儀業界では事業承継の実施動向が拡大していると言われています。経営者高齢化や価格競争の激化に対処するべくM&Aで事業承継や事業拡大を目指す動きが活発化したためです。

葬儀は地域によって形式や文化が異なる側面もあり、ゼロからその地域で事業を始めるには難しい場合があります。その地域で葬儀事業を営む会社を買収すれば、その地域に根付いた作法を踏襲しながら事業展開できるでしょう。

【関連】葬儀会社のM&A・買収・売却!業界動向、相場、手法、成功事例、積極買収企業も解説【2022年】

2. 葬儀会社の事業承継の種類

では事業承継について確認しましょう。葬儀会社で事業承継を実施する場合、主に以下の3種類のパターンで行われます。

  • 親族内承継
  • 親族外承継(従業員承継)
  • 第三者承継(M&A)

この3種類は、それぞれどのような事業承継方法なのでしょうか。以下で詳しく解説します。

親族内承継

存続内承継は、親族内(息子や娘等)を後継者として今の事業を引き継がせる承継方法です。将来的な後継者が家族内にいるため、時間をかけて事業内容や経営理念を知ることができます。現経営者の親族ということであれば、金融機関や従業員から受け入れられやすい点がメリットです。

ただ、この承継方法は親族内に会社事業を引き継いでくれる方が存在しなければ活用できません。仮に親族が居ても本人が後継者となる意思が無いと承継できない点にも注意が必要です。複数親族が居る場合は親族内の相続トラブルに発展するおそれもあるので、一定のリスクは想定されます。

親族外承継(従業員承継)

親族外承継は、親族以外の従業員または役員に事業を引き継いでもらう承継方法です。現経営者の家族に後継者候補となる方が存在しない場合や、存在しても事業承継の意思が無い場合に用いられます。従業員や役員なら事業に長い間携わっているため、事業を熟知している点がメリットです。

従業員や役員なら周りからも比較的受け入れられやすく、また人事面の大きな異動が無いため承継後も円滑に事業展開できるでしょう。ただ、経営者を目指す他の従業員の間で権力闘争が発生するおそれがあるので注意が必要です。また、一部の取引先からも理解を得る必要があります。

第三者承継(M&A)

M&Aを用いた承継方法(第三者承継)もあります。親族内や従業員・役員で後継者が見つからない場合に活用される事業承継方法です。第三者承継では、主に株式譲渡や事業譲渡といった手法で実施されます。後継者が居なくても、外部の方に引き継ぐことで事業存続が実現できるでしょう。

ただ第三者承継で事業承継を実施する場合、外部の人間に事業を任せることになるので事業方針や経営理念が変更されるおそれがあります。また、市場動向によっては後継者がなかなか見つからない可能性もあるでしょう。ある程度リスクを想定した上で後継者探しを行う必要があります。

【関連】事業承継とは?事業継承との違いや承継を成功させるポイントを解説

3. 葬儀会社の事業承継を行うメリットとデメリット

事業承継は廃業を阻止できるなど魅力的な点が多く、葬儀業界でも注目を集める対処法ですが、もちろんリスクも存在します。ここでは、葬儀会社が事業承継を実施するメリットとデメリットを売却側・買収側の視点に分けてチェックしましょう。

売却側

まずは葬儀会社で事業承継を実施する際、売却側企業が得られるメリットと、併せて想定されるデメリット両方を確認しましょう。

メリット

葬儀会社・葬儀業界で事業承継を行うメリットには、主に以下のような点が挙げられます。

  • 後継者不在による廃業を避けられる
  • 従業員の雇用を維持させられる
  • 大手傘下に入ることでスケールメリットが得られる
  • 相手企業のブランドを獲得できる
  • 経営者が安心して引退後の生活が送れる

既存事業を存続させることで、長年培った技術とノウハウを引き続き活かすことができます。さらに従業員の生活も維持できるので、会社の重要な資産を守れる点が大きなメリットです。また経営者自身も個人債務が解消され、ストレスなく引退後生活を送れるでしょう。

デメリット

一方で葬儀会社・葬儀業界における事業承継で想定されるデメリットには、主に以下のような点が挙げられます。

  • 承継後に事業方針や理念が変わるおそれがある
  • 理想の売却価格にならない場合がある
  • 従業員が退職するおそれがある
  • 取引先との関係が悪化してしまう可能性がある

親族内承継や親族外承継で問題なく事業承継できれば良いですが、第三者承継を行った場合は事業方針が変更されるおそれが考えられます。また、従業員が反発し退職するおそれがあるので不安の払拭や待遇の確保などあらゆる配慮が必要です。

買収側

では次に、葬儀会社・葬儀業界で事業承継を実施する際買収側が得られるメリットと、それに伴うデメリットを確認しましょう。

メリット

葬儀会社・葬儀業界で事業承継を行う際、買収側が得られるメリットには主に以下のような点が挙げられます。

  • 売却側の葬儀サービスにおけるノウハウや設備を獲得できる
  • 売却側の人材を獲得できる
  • 売却側事業とのシナジー効果が期待できる
  • 売却側の事業拠点を得て事業エリアを拡げられる
  • コストをかけずに葬儀業界に事業参入できる

売却側が保有する資源やノウハウ、事業に必要な設備をそのまま活用できる点が買収側の大きなメリットです。新規事業として葬儀事業を始める場合、設備投資や人材教育に費用や労力をかけなければなりません。M&Aで事業承継を行えば設備も人材も活用できるので、効率的です。

デメリット

一方で、葬儀会社・葬儀業界で事業承継を行う際買収側企業に想定されるデメリットとして、以下の点が挙げられます。

  • 売却側の従業員が待遇や労働環境に不満を抱くおそれがある
  • 手法によっては売却側の簿外債務を引き継ぐリスクがある
  • 承継後の事業状況によっては買収資金を回収できない可能性がある
  • シナジー効果が得られない場合もある

売却側の人材を獲得するにあたり、待遇に不利益な点があると退職するリスクが想定されます。これでは対価を支払って事業を引き継いでも事業効率が下がり効果が得られません。また株式譲渡で事業承継した場合、貸借対照表に無い債務(簿外債務)による損失増加のリスクもあります。

【関連】家業や親の会社を継ぐメリット・デメリット10選!タイミングや手続き方法を解説【事例あり】

4. 葬儀会社の事業承継を行う方法・流れ

事業承継を行う際の手続きの流れを9つのステップに分けて解説します。今回は葬儀会社・葬儀業界がメインテーマですが、こちらで紹介する手続きは他の多くの業界・業種にも共通です。準備段階からクロージングまで一般的なプロセスの流れを確認しましょう。

①M&Aの検討・専門家への相談

事業承継をM&Aの方法で実施する際、最初に行われるのが準備です。いきなり手続きに入るのではなく、会社が抱える課題をM&Aで解決できるのか検討する作業から入ります。親族内・親族外いずれも後継者候補が存在しない場合はM&Aを想定し、大まかな方向性を定めましょう。

また、この際はM&A仲介会社などの専門家に相談することをおすすめします。M&Aの手法による事業承継は一般的に多くの時間を要するので、円滑に手続きを進めるためには専門家のサポート・アドバイスが欠かせません。事業承継の相談に対応する支援機関・窓口は後ほど紹介します。

②M&A売却価格・条件・課題などを検討

M&Aに詳しい専門家のサポートを受けながら、今回の事業承継における売却価格・取引条件・M&Aで解決したい課題点を検討するプロセスに入ります。M&Aの売却価格を決めるには、企業価値評価が必要です。事業規模や資源、収益性、将来性といったあらゆる要素が企業価値に影響します。

事業設備などの物的資産に比べ、収益性や将来性は算定が難しい要素です。つまり、見えない価値として評価しなければならない要素があるので、これに関しても専門家のサポートを受けることをおすすめします。見えない価値は「のれん代」とも呼ばれますが、適正な評価が必要です。

③交渉相手を選ぶ

M&Aの売却における希望条件を決めたら、交渉相手の選定に移ります。複数の候補企業の中から、事業承継を実施して効果が得られそうな会社を見つけましょう。仲介会社を利用する際は、会社名が特定されない範囲で情報が書かれた資料(ノンネームシート)を用いて相手候補を検討します。

④秘密保持契約の締結

交渉相手企業を絞り込めたら、交渉に入る前に秘密保持契約書を取り交わしましょう。M&Aの情報が中途半端な状態で漏れてしまうと、従業員の退職や取引先との関係悪化といったトラブルの発生リスクが高まります。情報管理を徹底する観点からも、秘密保持契約は重要なプロセスです。

秘密保持契約書は相手企業と直接取り交わされるケースもあれば、仲介会社を経由して締結されるケースもあります。秘密保持契約書は、NDA(Non-Disclosure Agreement)とも呼ばれます。

⑤相手企業との交渉開始

秘密保持契約書を締結したら、いよいよ相手企業との交渉が始まります。今回のM&Aにおける取引条件を当事者間でまとめましょう。このとき、双方がしっかり合意できる有益な内容にすることが重要なポイントです。当事者間交渉は状況によって複数回実施されるケースもあります。

また、売却側は従業員の待遇確保に努めましょう。売却後に従業員が不利益を被ることが無いよう交渉します。この他記載する項目に漏れがあると契約後の当事者間トラブルにつながる可能性があるので、売却に関する不安要素は一通り確認しておくと良いでしょう。

⑥基礎情報開示

ノンネームシートを経由して交渉を進めた場合は、インフォメーションメモランダム(IM)と呼ばれる書類で会社名を含めた基礎情報が開示されます。会社名のほか、会社の財務状況(財務諸表)や事業内容など、M&Aの取引条件をまとめる上で必要な情報が記載されているのが特徴です。

また、直接相手企業とM&Aの交渉を進める場合は、当事者間交渉の中で基礎情報が開示されます。情報開示の際は相手企業にとって魅力的な内容が多くなりがちなので、M&Aを行った際に想定されるリスクや不利益になる情報を含めバランスよく収集することが重要です。

⑦デューデリジェンス実施

M&Aの取引条件が決定したら基本合意書を締結し、デューデリジェンスが実施されます。デューデリジェンスは、売却側の財務状況や資源、設備や人材、取引やリスクといったあらゆる項目を調査するためのプロセスです。買収側が売却側企業の実態把握をするために行われます。

M&A後、売却側企業における貸借対照表に記載されていない負債(簿外債務)発覚による損失リスクを軽減できる効果があるため、買収側においては特に重要です。デューデリジェンスは専門家に依頼して行われますが、売却側企業による協力が欠かせません。

⑧最終契約締結

基本合意書に記載された内容と、デューデリジェンスの実施結果をもとに当事者間で細かい条件調整を実施します。これが済んだらいよいよ最終契約です。最終契約書を取り交わすことで法的拘束力が発生します。契約後のトラブルを防ぐため、入念に条件を確認してから締結しましょう。

⑨クロージング

M&A手続きの中で一番最後に行われるのがクロージングです。最終契約書に記載された取引条件に従って株式や事業の引き渡しと対価の支払いが双方で実行されます。これでM&Aの一連の手続きは完了ですが、効果を得るには、双方の文化や事業を上手く融合させるための施策が必要です。

【関連】事業承継とは?方法、メリット、手続きの流れ、課される税金を徹底解説!

5. 葬儀会社の事業承継の成功事例

国内の葬儀会社はどのようにM&Aや事業承継を行ったのでしょうか。ここでは、葬儀会社・葬儀業界で過去実施された事業承継の成功事例を4つ紹介します。

ハラダ製茶とすどうのM&A

こちらは、緑茶をはじめとする茶製品事業と葬儀サービスを手掛ける会社が栃木県の葬儀会社を買収した事例です。返礼品等で使用する茶製品と葬儀事業におけるシナジー効果を期待しました。
 

売却側企業 すどう
(栃木県の葬儀会社)
買収側企業 ハラダ製茶
(緑茶等の企画提案・販売、葬儀サービス事業)
事業承継方法 株式譲渡(第三者承継)
目的 香典返し用の茶製品と葬儀事業のシナジー効果の創出
実施時期 2020年10月
売却価格 非開示

きずなホールディングスと備前屋のM&A

こちらは、葬儀サービスを手掛ける会社同士による事例です。買収側は岡山エリアへの進出が実現しました。葬儀サービスの多店舗ノウハウにおけるシナジー効果創出が主な目的です。
 

売却側企業 備前屋
(岡山県の葬儀会社)
買収側企業 きずなホールディングス
(葬儀葬祭関連サービス事業)
事業承継方法 株式譲渡
目的 出店・マーケティング・多店舗展開ノウハウにおけるシナジー効果の創出
実施時期 2021年1月
売却価格 3億2,000万円

木下とアイ・セレモニーのM&A

こちらは、アイ・ケイ・ケイ株式会社の連結子会社で佐賀県伊万里市で葬儀サービスを展開する会社を同事業を手掛ける会社が買収した事例です。売却側は業界を取り巻く情勢を考慮し、事業価値を高めるためには株式譲渡で事業拡大を目指すことが望ましいと判断しました。
 

売却側企業 アイ・セレモニー
(葬儀に関する企画・運営サービス)
買収側企業 木下
(冠婚・葬儀事業)
事業承継方法 株式譲渡
目的 経営資源の有効活用と持続的な成長
企業価値の向上
実施時期 2019年9月
売却価格 3億7,700万円

連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ

ライフアンドデザイン・グループとセレサのM&A

こちらは葬儀関連サービスと介護事業を手掛ける会社が、自社保有の葬儀事業を買収側へ吸収合併させた事例です。M&A後売却側は、主力業務であった介護関連事業に注力することができます。
 

売却側企業 セレサ
(葬祭セレモニー企画・運営事業・介護関連事業)
買収側企業 ライフアンドデザイン・グループ
(葬祭サービス請負事業)
事業承継方法 九州分割
目的 ノウハウや技術の共有と販売力・サービス提供力強化
オペレーションの効率化
管理コスト削減
ドミナント効果によるブランド力向上
実施時期 2019年4月

6. 葬儀会社の事業承継にかかる費用

葬儀会社・葬儀業界に限られたことではありませんが、M&A・事業承継では税金や費用が必ず発生します。事前にどのような税金がかかり、どのような費用を支払うことになるのか想定することが重要です。ここでは、主な税金とM&Aに必要な費用をチェックしましょう。

税金

事業承継で発生する税金を確認しましょう。売却側・買収側、手法によって発生する税金の種類が異なるので注意が必要です。
 

相続税 主に親族内承継で発生。後継者となる親族が支払う。
贈与税 生前に資産を贈与する際に発生。資産を受け継ぐ後継者が支払う。
法人税 M&Aで法人が得た売却益に対してかかる。大まかな税率は30%程度。
(個人が売却益を得る際は所得税・住民税・復興特別所得税がかかる)
消費税 事業譲渡で資産を引き継ぐ際に個々に発生。株式譲渡では発生しない。
登録免許税 会社登記・資格登録の際に発生。
不動産取得税 M&Aで土地・不動産を譲渡された際に発生。

M&Aに必要な費用

M&A・事業承継を仲介会社に依頼した際に発生する費用の種類を確認しましょう。主に以下のような手数料が発生します。
 

  • 相談料
  • 着手金
  • 中間金
  • 成功報酬
  • リテイナーフィー

上記全ての項目で発生するケースもあれば、完全成功報酬型として着手金や中間金が原則発生しないケースもあるので、相談時に確認することをおすすめします。リテイナーフィーとは、月額報酬として発生する顧問料のことです。

【関連】事業承継の費用・料金はいくらかかる?税金の額についても解説【弁護士/税理士/会計士】

7. 葬儀会社の事業承継を成功させるポイント

事業承継に上手くいけば、売却側は事業存続や雇用維持、経営の安定化といったさまざまなメリットを享受できます。ただ、高度な専門知識や手続きが求められるのも事実です。ここでは、事業承継を成功させるために留意したいポイントを4つ紹介します。

早い段階から準備を始める

事業承継の準備はできるだけ早いうちに始めることをおすすめします。経営悪化や後継者問題が発生してからでは、マッチングできずに廃業せざるを得なくなるリスクが高まるためです。できるだけ経営が安定した時期から将来に向けて事業承継計画を立てておきましょう。

タイミングを見逃さない

上で記載しましたように早い段階から準備を始めていれば、いざという時にすぐ動き出せます。特に、売却側は専門家の助言を受けながら企業価値を高く評価できるタイミングでM&Aを実施できるよう準備を済ませましょう。

焦らず時間をかけて交渉をすすめる

焦らず時間をかけて交渉することも重要なポイントです。円満なM&Aを実現させるためには、売却側も買収側も納得できる有益な取引条件でなければなりません。M&Aは売却・買収後に効果が得られなければ意味がありません。ぜひ時間をかけて両社の発展が期待できる条件をまとめましょう。

事業承継に詳しく経験豊富なM&A仲介会社に相談する

M&Aによる事業承継には、上記で説明した税務知識だけでなく法務知識も必要です。手法によっては複雑な手続きが求められるので、個人の力だけでM&Aを進めるのはおすすめできません。事業承継の経験が豊富なM&A仲介会社に相談しましょう。

【関連】事業承継のポイント7選!対策の必要性も徹底解説

8. 葬儀会社の事業承継を行うときはサポートを受けるのがおすすめ

繰り返しになりますが事業承継は多くの専門知識が必要な上、労力もかかります。リスクやトラブルをできるだけ抑え、より効果の見込める事業承継を実現させるんは、専門家からのサポートやアドバイスが必要です。ここでは、事業承継の相談ができる機関や窓口を紹介します。

金融機関に相談する

企業を買収する際は多額の資金調達が必要です。M&A・事業承継にかかる資金に関する相談をするなら金融機関がおすすめです。会社のある地域の経営状況に寄り添ったアドバイスが得られるでしょう。金融機関は信用で成り立つ業種でもあるので、情報漏洩のリスクが低い点が魅力です。

公的支援機関に相談する

M&Aや事業承継に関する相談は、公的支援機関でも受け付けています。国や公共団体によって運営されているので、無料でアドバイスを受けられる点が魅力です。事業承継だけでなく、経営全般に関する有益な助言が得られるでしょう。相談で利用できる主な公的機関は以下の通りです。

  • よろず支援拠点
  • 事業承継・引継ぎ支援センター
  • 商工会議所
  • 信用保証協会

M&A仲介会社に相談する

M&A・事業承継にかかる手続き全体の相談をするなら、M&A仲介会社の利用をおすすめします。より効果が得られるM&A手法や候補企業をその道のプロが提案してくれる点が強みです。円滑かつ円満なM&Aを目指すためにも相性が良い仲介会社を見つけて、依頼しましょう。

【関連】事業譲渡・事業売却の相談先15選!無料アドバイスを受ける際のポイントも【弁護士・M&A仲介会社】

9. 葬儀会社の事業承継は専門家に相談しながらすすめよう

葬儀の形式多様化や経営者の高齢化、価格競争の激化などあらゆる課題に対応するため葬儀業界では各企業でM&Aや事業承継を検討・実施するケースが見られるようになりました。売却側にも買収側にもそれぞれ異なるメリットが得られる点が魅力です。

しかしM&A・事業承継は専門知識が必要な上、多大な労力・リスクをかけて行わなければなりません。効果が得られる有益な事業承継を成功させるためにもぜひ専門家に相談し、サポート・アドバイスを受けながら手続きを進めましょう。

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