2021年03月30日更新
【2021年最新】買収のニュースまとめ!買収金額ランキングあり!

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。
近年、買収などのM&A件数は増加傾向です。そして、2019年は過去最高件数に到達し、話題を賑わす買収ニュースも多数ありました。本記事では、2021年最新の買収ニュースとともに、一般からも注目を集める買収金額ランキングも合わせて掲載します。
目次
1. 企業買収とは
企業買収とは対象企業の株式を買い取り、その会社の経営権を取得することです。近年、企業買収を行う件数は増加傾向にあります。
その大きな理由は、企業を買う側、売る側がそれぞれメリットを享受できるからです。買う側は自社を成長させられる点、売る側は売却益を手に入れられる点など、それぞれの目的に合致したメリットを得られます。
2. 2021年最新M&A・企業買収ニュース
2021年最新M&A・企業買収ニュースについて、下記2件を紹介します。
- WeWorkがSPACをつうじて上場
- ソニー・インタラクティブエンタテインメントが「Evolution Championship Series」をTriple Perfectから買収
①WeWorkがSPACにより上場
2021年3月26日、アメリカのシェアオフィス大手であるWeWorkは、SPAC(特別買収目的会社)をつうじて今年中にアメリカ株式市場へ上場することを発表しています。
上場時の企業価値を約90億ドルとし、得ることができる約13億ドルの資金を成長計画に使う予定です。
SPACは、未公開企業の買収のみを目的として設立する上場企業です。WeWorkを買収するBowX Acquisitionを設立したのはベンチャーキャピタルBow Capitalで、Nasdaqに上場しています。
2020年2月にCEOとなったサンディープ・マスラニ氏は、WeWorkはこの1年で事業を変革し、再度コア事業に焦点を置いて革新した結果、より強固な価値提案を備えたシェアオフィスのグローバルリーダーとして浮上したと発表しています。
②ソニー・インタラクティブエンタテインメントが「Evolution Championship Series」をTriple Perfectから買収
2021年3月19日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、米RTSと共同で格闘ゲームの世界大会「Evolution Championship Series」(EVO)に関する資産を米Triple Perfectから買収したことを発表しています。
買収額は公開されていません。SIEとRTSが新設立した合弁会社が、EVOの運営を行います。
合弁会社は、2021年8月に、「鉄拳7」や「ストリートファイターV チャンピオンエディション」などゲームのトーナメントをオンライン大会で開催する予定です。
Triple Perfectは、コロナ禍のため2020年はオンラインでEVOを実施する予定でしたが、幹部だったJoey Cuellar氏が過去に未成年へセクハラを行ったというネット上の告発を受け、カプコンなどの協賛企業が不参加となったため、開催中止となっていました。
3. 【2021年】日本国内のM&A・企業買収の動向予想
コロナ禍で海外渡航が制限されたため、日本国内の企業は国内市場や自社バランスシートの状態に、より注意を向けています。
日本国内の企業は断片化した分野でシェア拡大を行うために、非中核資産を売却して国内競合他社の買収を検討している状態です。
そのため、2021年の日本国内におけるM&A・企業買収の動向は、日本国内のM&Aがさらに活発になり、敵対的買収も増えると予想されます。
4. 近年のM&A・企業買収ニュースのおさらい
まずは、近年のM&A・企業買収情勢のおさらいとして、M&Aが目立った業界とその目的に着目し企業買収ニュースを紐解きます。
企業買収ニュース1『M&Aが目立った業界』とは
買収ニュースの中で、M&Aが目立った業界に調剤薬局とホテル業界があります。以下では、これら2つの業界について解説します。
調剤薬局の買収・M&A
近年、調剤薬局の買収・M&A件数は増加しています。調剤薬局とは病院の近くにある薬局のことで、医師の処方箋に基づいて薬を提供します。
高齢化に伴い薬の需要が増えていることから、市場規模は拡大していますが、地方に行くほど人口減少により薬局の経営は困難です。また、近頃は後継者問題も台頭してきました。
また、調剤薬局は立地の面や薬剤師の確保における面から、新規参入しづらい業界であるため、同業種での買収・M&Aが活発に行われています。そのような背景から、この業界は買収・M&Aを積極的に行った企業ほど、市場シェアが大きくなるのです。
ホテル業界の買収・M&A
ホテル業界でも買収・M&Aが活発に行われています。その要因は、以下の2点です。
- 訪日外国人観光客の急激な増加
- 2025年までの国際的イベント予定(2021年東京オリンピック、2025年大阪万博)
それらの需要にホテル業界の供給が追い付かない状態であるため、資金や人手に余力のある企業が同業種、異業種に関係なく積極的に買収・M&Aを行っています。
企業買収ニュース2『M&Aで目立った目的』とは
企業買収ニュースのうち、M&Aで目立った目的は後継者問題と海外進出です。以下では、これらの目的について解説します。
後継者問題
後継者問題を解決するために、会社を売却する中小企業が増加中です。特に、黒字企業や技術・ノウハウを持つ企業は、比較的高値で売却できるため、事業承継を行う手段としてM&Aを選択していると考えられます。
海外進出
大企業では、海外進出のために買収やM&Aを行うケースが増えています。日本は人口が減少しており、国内だけでは売り上げの増加を期待できません。
そのような理由から、さらなる売り上げの向上や利益増大を目指して、海外の企業を買収しその地域での事業基盤を固めようとしています。
5. 企業買収最新ニュース
この章では最新の企業買収ニュースとして、2019(令和元)年の各月ごとに1社と、2020(令和2)年第1四半期(1~3月)の各月ごとに1社を抽出し掲示します。
京セラの資産譲り受け
2019年1月、京セラは、アメリカのRenovis社より、脊椎製品および人工関節事業に関する資産を譲り受けることを発表しました。
本案件により、京セラはアメリカでの事業基盤の強化および事業規模の拡大を図るとともに、シナジーにより高付加価値の製品開発に取り組む予定です。なお、資産の譲り受け金額は公表されていません。
ココカラファインの薬局運営会社買収
ココカラファインは、近年、積極的なM&Aを行い、ドラッグストア事業と調剤薬局事業を拡充しています。
2019年に入ってからは、2月に小石川薬局の全株式を取得し完全子会社化しました。これにより、ココカラファインは事業規模を拡大し、調剤薬局を1店舗増加させています。なお、買収価格は非公表です。
野村不動産ホールディングスのホテル運営会社買収
2019年3月、野村不動産ホールディングスの傘下である野村不動産は「庭のホテル東京」を保有・運営している隆文堂の全株式を取得し、買収しました。なお、買収価格は公表されていません。
野村不動産は、本案件によりシナジー効果によるホテル開発・運営力の強化を図り、ホテル事業の拡充を目指します。
はるやまホールディングスの事業譲渡
2019年4月、はるやまホールディングスは、子会社であるBASEが営む女性用カジュアル衣料品と関連用品の販売事業をBMホールディングスに譲渡しました。
はるやまホールディングスの主力事業は男性向け衣料品ですが、これらの事業とのシナジー効果が見込めないと判断して事業譲渡を行っています。なお、譲渡価格は非公表です。
DeNAの事業譲渡
2019年5月、DeNAは、SNS事業「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」を会社分割によって、婚礼事業や広告事業を行うオースタンスに譲渡しました。
趣味人倶楽部は、2007年から趣味でつながる大人向けのSNSとして運営を行ってきましたが、本案件ではオースタンス側から事業譲渡の打診があったと公表しています。譲渡価格は1,100万円です。
凸版印刷の海外企業買収
2019年6月、凸版印刷はドイツで建装材用化粧シート製造・販売業を行うInterprint GmbHの株式を取得し子会社化することを発表しました。
凸版印刷は海外で建装材事業を展開中で、今回のM&Aによって、ヨーロッパだけでなく世界市場において建装材事業拡大を実現する見込みです。
取得価額3億8,400万ユーロで、1ユーロ=120円で換算すると約460億8千万円です。
アサヒグループホールディングスによる海外企業の買収
2019年7月、アサヒグループホールディングスは、ベルギーのAnheuser-Busch InBev SA/NVグループがオーストラリアで展開するビール製造販売事業を取得する契約を締結しました。事業当事者のグループ会社CUB Pty Ltdなどの全株式を取得し子会社化しています。
CUB Pty Ltdをはじめとする関連会社は総数123社にもおよぶ大型M&Aであり、その買収金額は1兆2,096億円です。アサヒグループホールディングスは、すでに行っているオーストラリアでのビール事業をより強固にするため、同等の事業規模を持つ相手を買収しました。
ブロッコリーのゲーム会社買収
2019年8月、ブロッコリーは、ゲーム制作会社LANTERN ROOMSの株式を取得し子会社化することを発表しました。ブロッコリーの主力事業であるアニメ・ゲーム・音楽・映像・カードゲームの企画、制作において、それらを増強するためにグループ化を決めています。
株式取得価格は、1,411万8千円です。
ZホールディングスのZOZO子会社化
2019年9月、ソフトバンクグループ傘下のヤフー(10月にZホールディングスへ社名変更)が、ZOZOをTOB(株式公開買い付け)によって子会社化すると発表しました。ヤフーとZOZOの経営統合的状態となったのです。
TOBは2019年11月に完了し、Zホールディングスが要した資金は、約4,009億円です。
ブルドックソースのソースメーカー買収
2019年10月、ブルドックソースは広島のソースメーカーであるサンフーズの株式を取得し子会社化したことを発表しました。
ブルドックソースの主業であるソース製造販売業において、サンフーズの持つ「ミツワソース」「ヒガシマルソース」の新たなブランドと人材・技術力獲得が狙いです。なお、株式取得価額は公表されていません。
ソフトバンクによるLINE連結会社化
2019年11月、ソフトバンクグループ傘下のZホールディングスにより、ヤフーとLINEの経営統合という発表が行われ大きな話題となりました。ただし、最終的な決定内容は経営統合ではなく、以下の内容です。
ソフトバンクとLINEの親会社である韓国のNAVER Corporationが50%ずつ出資しジョイントベンチャーを設立します。その新設会社の傘下にZホールディングスが入り、ヤフーとLINEはZホールディングスの100%子会社になることが決まりました。
つまり、LINEはソフトバンクグループ入りしたのです。このM&Aでソフトバンク側が要した費用は、1兆1,806億円です。
昭和電工の逆TOB
2019年12月、大手化学メーカー昭和電工が同業種の日立化成をTOBにより子会社化することを発表しました。日立化成は日立製作所の子会社でしたが、日立製作所グループの経営戦略として、当初より売却先を募集中で、昭和電工がその相手に選ばれたのです。
発表時点での昭和電工の時価総額が約4,500億円、日立化成はそれを上回る約8,500億円であり、資産規模の小さい方が親会社となる、いわば逆TOBといえる状況でした。2020年4月にTOBが実施され完了しましたが、昭和電工が要した資金は約9,640億円です。
メルカリ子会社による買収
2020年1月、メルカリの子会社でスマホ決済サービス提供のメルペイが、同業種であるOrigamiの株式を取得して子会社化することを発表しました。Origamiは信金中央金庫と資本業務提携を行い、スマホ決済サービス「Origami Pay」事業を行っています。
今後は、メルカリ、メルペイ、Origami、信金中央金庫の4社共同体制で、スマホ決済サービス「メルペイ」の推進に向け注力する見込みです。なお、今件の株式取得価額は公表されていません。
大王製紙の海外企業買収
2020年2月、大王製紙は、トルコとブラジルの衛生用品メーカーを子会社化することを発表しました。一方は、トルコ共和国の大手食品・消費財メーカーグループYıldız Holding A.Ş.傘下の衛生用品メーカーÖzen Kişisel Bakım Ürünleri Üretim A.Şの全株式取得です。
もう一方は、丸紅との共同投資会社H&PC BRAZIL PARTICIPAÇÕES S.A.をつうじて、ブラジルの衛生用品メーカーSanther–Fábrica de Papel Santa Therezinha S.A.の全株式を取得します。
予定される必要資金は、トルコでは約30億円、ブラジルでは約584億円です。
シャープの合弁会社事業
2020年3月、シャープは、日本電気(NEC)の子会社であるNECディスプレイソリューションズの株式を取得して子会社化し、さらにNECディスプレイソリューションズを日本電気との合弁会社としたうえで日本電気と共同運営することを発表しました。
シャープはこのM&Aで、ディスプレイ事業の強化を図ります。株式取得価額は、92憶4千万円です。
6. 2019年買収ニュース『M&A金額ランキング』
2019年に実施された企業買収などのM&Aについて、その取引金額ランキング上位10件を掲示します。
順位 | 取引金額 | 取引内容 |
---|---|---|
第1位 | 1兆2,096億円 | アサヒグループホールディングスの海外企業買収 |
第2位 | 1兆1,806億円 | ソフトバンクグループのLINEグループ化 |
第3位 | 1兆308億円 | ソフトバンクグループのウィーカンパニーへの追加出資 |
第4位 | 9,640億円 | 昭和電工の日立化成へのTOB |
第5位 | 7,000億円 | 三菱UFJ銀行の海外企業買収 |
第6位 | 5,837億円 | 武田薬品がノバルティスに事業譲渡 |
第7位 | 5,000億円 | 三菱商事と中部電力による海外電力企業買収 |
第8位 | 4,564億円 | ソフトバンクによるヤフー子会社化 |
第9位 | 4,009億円 | ZホールディングスのZOZO子会社化 |
第10位 | 3,340億円 | 大日本住友製薬による海外企業買収 |
7. 新着ニュース『M&A・企業買収動向はどうなる?』
この章では、新着ニュース『M&A・企業買収動向はどうなる?』について解説します。
今後、M&A・企業買収動向は人材不足が大きなテーマになるでしょう。中小企業については経営者が高齢化し、後継者がいないため会社を売却するケースが増加すると推測されます。
また、特定の分野について専門性のある人材の需要が増加すると供給不足になるため、M&Aや企業買収によりその人員を賄うケースもあるでしょう。
業界別では、ソフトウェア・IT業界は常に人手不足で、かつ専門性のあるプログラマー不足により活発なM&Aが行われています。
また、ホテル業界・人材派遣業界では、2021~2025年のオリンピック・万博に向けた労働力の需要過多により、人手不足となるでしょう。
このような背景により、各企業は人材不足を解消するための手段として、M&Aを積極的に用いると予測されます。なお、最新のM&A市場における詳細は、以下の記事で詳しく紹介していますので確認してください。
8. M&A・企業買収の相談先
世の中に公表されている企業買収などのM&Aは、ほとんどが上場企業関連です。しかし、実際には、非上場の中小企業においても、積極的に企業買収などのM&Aを実施する機運が高まっています。
その際に重要なことは、社内だけでM&Aに関する結論を出さないことです。M&Aの実施を検討するときや、現実に実施を目指す場合には、企業買収などのM&Aに関して専門的な知識を有するM&A仲介会社などに相談しながら進めましょう。
中小企業のM&Aに携わるM&A総合研究所では、企業買収などのM&Aについて豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが案件をフルサポートいたします。
また、通常半年から1年かかるとされるM&Aを最短3ヶ月でスピード成約する点もM&A総合研究所の強みです。
M&A総合研究所は、完全成功報酬制(中間金のみ買手側の企業様より頂戴しております)です。無料相談を行っておりますので、M&Aについてご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
9. まとめ
最新の買収ニュース、買収金額ランキングについて紹介しました。
昨今、事業承継を目的にM&Aを行う件数は増加しており、今後さらにそのケースは増えると考えられます。事業承継を考える経営者は、早い段階から自社をどのようにするか考えることが重要です。
事業承継の実現をM&Aにより目指す場合は、M&A仲介会社など専門家のサポートを受けながら進めることをおすすめします。
M&A総合研究所では、M&Aに精通したM&Aアドバイザーが親身になって案件をフルサポートいたします。
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