M&Aの基本合意書(MOU)とは?記載事項、締結のタイミング、目的、注意点を解説

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

M&Aでは大筋で条件合意したタイミングで基本合意書を締結します。基本合意書は最終契約書とは異なるため、締結する目的や法的拘束力の有無など内容に注意が必要です。本記事ではM&Aの基本合意書について、記載事項や締結の目的、注意点などを解説します。

目次

  1. M&Aの基本合意書(MOU)とは
  2. 基本合意書(MOU)を締結する主な目的
  3. 基本合意書(MOU)の記載事項
  4. 基本合意書(MOU)における独占交渉権
  5. 基本合意書(MOU)の法的拘束力
  6. 基本合意書(MOU)の法的拘束力や独占交渉権が問題となったケース
  7. 基本合意書(MOU)締結時の注意点
  8. M&Aの基本合意書(MOU)まとめ
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1. M&Aの基本合意書(MOU)とは

M&Aではさまざまな契約書や書面を作成するので、M&Aを行う際はどのような契約書が必要になるのか把握しておくことが大切です。最も重要といえるのは最終契約書ですが、それ以外に重要な契約書として、基本合意書(MOU)があります。

基本合意書は、英語表記ではMemorandum of Understandingです。このことから、頭文字を略してMOUと呼ぶ場合もあります。この英語表記からもわかるように、基本合意書は厳密には契約書ではありません。

了解覚書とも訳される基本合意書は、その時点における合意内容の確認書として予備的に作成されるものであり、一部の条項を除き法的拘束力を持たないものなのです。そのような位置付けの書面を、なぜわざわざ作成し締結するのか、順次、説明していきます。

基本合意書(MOU)の締結タイミング

基本合意書の締結のタイミングは、売り手と買い手の経営者が会うトップ面談が終わり、大まかな契約内容が固まった時点です。基本合意書で大まかな契約内容を固めたうえでデューデリジェンス(買収監査)を行い、その結果を踏まえて最終交渉後、最終契約に臨む流れになります。

デューデリジェンスとは、買い手が実施する売り手への綿密な調査のことです。財務・税務・法務・労務・IT・ビジネスなどの分野ごとに、士業などの専門家を起用して各情報の精査を行います。

基本合意書締結時点では判明していない何らかの事象が隠されている可能性もあるので、デューデリジェンスは必要で重要なプロセスです。したがって、デューデリジェンスの結果次第では、基本合意書で示された条件が変更になることもあります。

意向表明書との違い

意向表明書とは、買い手が売り手に対してM&Aを行いたい意志があることを示すための書面です。タイミングとしては基本合意書より前に提示され、売り手がどの買い手と交渉するか判断する材料の1つともなります。

意向表明書の記載内容は、買い手企業の概要や大まかな買収予定額、予定しているM&Aスキームなどです。さらに、売り手とのM&Aに対して、どれくらいやる気があるかを伝えることも重要な要素となります。

意向表明書は買い手が一方的に売り手に提示する書面なので、買い手・売り手の合意事項を記載する基本合意書とは根本的に違うものです。基本合意書はほとんどのM&Aで作成されるのに対して、意向表明書は提示されずに進められることも多々あります。

最終契約書との違い

最終契約書とは、M&Aで用いる株式譲渡事業譲渡といった取引を確定させるための契約書で、最終契約書の締結をもってM&Aが成約したことになります。たとえば、株式譲渡でM&Aを行う場合は、株式譲渡契約書が最終契約書です。

株式譲渡契約書には、譲渡する株式数や譲渡価額について、この後クロージングで実際に支払う確定した金額を記載します。それに対して、基本合意書はM&Aの交渉途中で作成される書面であり、最終的な決定ではない点が最終契約書との大きな違いです。

最終契約書の記載事項は全て法的拘束力を持っているのも、基本合意書との違いになります。

基本合意書は省略すべきでない

M&Aに慣れていないケースでは、「合意内容の確認書として予備的に作成」される基本合意書の必要性を疑問視し、手間を省く意味でも省略してもいいのではないかという意見が当事会社から出ることがあります。

しかし、基本合意書の締結は省略すべきではありません。その主な理由は以下のとおりです。

  • 合意内容を文書化しM&Aの方向性を明確にすることで精神的な拘束性を持たせられる
  • 例外として法的拘束力を持たせる独占交渉権・デューデリジェンス協力義務・秘密保持の再徹底などは必須

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2. 基本合意書(MOU)を締結する主な目的

基本合意書を締結する目的にはさまざまなものがありますが、主なものをまとめると下のようになります。これらの目的を意識しながら、基本合意書の締結を行うことが大切です。

  • 重要点の合意形成
  • 当事者間での心理的拘束力を確立
  • スケジュールの明確化
  • 買収価額の設定
  • 独占交渉権の設定
  • 情報開示による交渉力の強化

重要点の合意形成

基本合意書を締結せずいきなり最終契約を締結してしまうと、いざ契約内容を詰めようとしたときに互いの理解の食い違いが見つかり、契約内容がまとまらないといった事態も考えられます。基本合意書を作成しておけば、合意内容の確認が可能です。

当事者間での心理的拘束力を確立

M&Aでは、買い手はできるだけ安くよい会社を買収したいと思い、売り手はいくつかの買い手をてんびんにかけて最も良い条件の買い手と契約したいと考えます。

買い手・売り手それぞれに思惑があるので、いくらお互いが納得できる条件で交渉が進んでいても、後になって別な相手が見つかり破談になってしまうリスクは存在するものです。

基本合意書の締結は、契約書を締結したという事実を作ることで、売り手・買い手の経営者が他の会社と交渉しづらい気持ちになったり、契約書を締結した以上いまさら破談にはしづらくなったりといった、心理的な拘束力を作る効果もあります。

スケジュールの明確化

基本合意書では、最終契約書の締結日をいつまでにするかといった、今後のスケジュールも記載します。これによって、どのようにM&Aが進んでいくかが明確になり、売り手・買い手にとって今後の見通しが立てやすくなる点がメリットです。

スケジュールを明確にしておくことで、だらだらと交渉が続いて適切なタイミングでM&Aを行えなくなるリスクも軽減できます。売り手としてはスケジュールを明確化しておくことで、独占交渉権によってほかの買い手と交渉できなくなる期間を無駄に間延びさせない効果もあるでしょう。

買収価額の設定

基本合意書は最終的な決定事項ではありませんが、買い手・売り手が現時点で合意した金額を設定しておきます。設定する金額ははっきり決まっていなくてもよく、ある程度の幅を持たせて「1億円から2億円」といったように設定することも可能です。

買収価額の上限は、基本合意書でしっかり決めておくことが重要です。しかし、下限はデューデリジェンスの結果がどうなるか分からないことも踏まえて、後で変更することも可能としておくほうが安全といえます。

基本合意書の買収価額は、あくまで仮の金額です。売り手は、この価額で売却できることを期待して手続きを進めていくことになるので、きちんと妥当な価額を設定しておくことが重要です。

独占交渉権の設定

基本合意書を締結する目的として非常に重要なものの1つが、買い手に対する独占交渉権の付与です。独占交渉権の詳細については後述しますが、基本合意書に独占交渉権を付しておくことで、買い手は安心してデューデリジェンスにコストをかけられるようになります。

合わせて、売り手がデューデリジェンスに誠実に協力する義務を、基本合意書の条項に入れておくことも大切です。

情報開示による交渉力の強化

上場企業のM&Aの場合、株主や投資家に対する情報開示の必要性から、基本合意書を締結した時点でM&Aの事実を公表することが多いです。これは上場企業であることの必要性から行うものですが、この時点でM&Aの事実を公表することは、今後の交渉力を強化するという意味合いもあります。

たとえば、もし公表後、結局M&Aが破談になってしまうと、株主や投資家からマイナス材料と判断される恐れもあるでしょう。上場企業の経営者はこのような事態を避けたいと思うでしょうから、双方が成約に対し前向きになります。

【関連】M&Aの独占交渉権とは?優先交渉権との違いや法的な拘束力について解説!| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

3. 基本合意書(MOU)の記載事項

基本合意書に記載する内容に規則などはありませんが、一般には下に示したような内容を記載します。もし必要があればこれ以外の内容を記載してもよいですし、記載する必要がないものがあれば省略も可能です。

  • 買収対象
  • 使用するM&Aスキーム
  • 買収価額
  • M&Aのスケジュール
  • デューデリジェンス実施に関する事項
  • 独占交渉権および違約金
  • 秘密保持義務
  • 善管注意義務
  • クロージングを行う前提条件
  • 公表
  • 法的拘束力
  • 基本合意書(MOU)が有効となる期限

買収対象

M&Aにはさまざまな手法があり、株式譲渡のように株式を売買するものもあれば、事業譲渡のように事業資産を売買するものもあります。株式や事業資産は全て買収するとは限らず、一部の株式や事業資産のみを売買することも多いでしょう。

基本合意書では、M&Aによって買収する株式や事業資産の内容に食い違いが生じないよう、買収対象の範囲を明確に記載しておきます。たとえば、株式譲渡でM&Aを行う場合は、譲渡する株式数と譲渡価額が記載事項です。

ただし、基本合意書の時点では、まだ譲渡価額を確定させる必要はありません。事業譲渡の場合は、もし譲渡する資産がすでに確定しているなら、基本合意書の時点で記載もできます。未定の場合は、「協議のうえ決定する」などという記載です。

使用するM&Aスキーム

株式譲渡や事業譲渡など、どのM&Aスキームで買収を行うかは重要な点なので、基本合意書の時点で記載しておきます。ただし、M&Aスキームは今後のデューデリジェンスの結果などによって変更される可能性もあるので、協議のうえ後で変更もできるようにしておくものです。

M&Aスキームの中には、対価として金銭と株式どちらも使用できるものもあります。このような場合は、もし決定しているなら買収対価の種類も記載しておくとよいでしょう。

買収価額

買収価額はM&Aにおいて最も重要な点の1つなので、現時点で決定している事項を基本合意書に記載します。基本合意書では後の価額変更の可能性を考慮して、明確な金額は記載しないことが多いです。ある程度、金額の幅を持たせて、上限と下限の金額を記載しておくのがよいでしょう。

買収価額について全く記載していない状態でも、売り手と買い手がそれで合意するなら基本合意書を締結することは可能です。この場合は、今後どのような手法で買収価額を算定していくかといった、算定の流れを記載しておきます。

基本合意書の買収価額には法的拘束力はありませんが、だからといってでたらめな金額を記載するとトラブルの原因です。売り手と買い手は基本合意書の買収価額をベースに最終交渉をするので、現時点で最終的な買収価額に近いと思われる金額を記載しなければなりません。

M&Aのスケジュール

デューデリジェンスや最終契約の締結、クロージングをいつまでに行うかといったスケジュールも、基本合意書に記載しておくのが一般的です。

ただし、今後のスケジュールがどうなるかは基本合意の時点では分からない部分もあるので、法的拘束力は持たせず、あくまで現時点での売り手と買い手の認識のすり合わせといった意味合いにしておくほうがよいでしょう。

スケジュールを基本合意書に記載しておくことは、売り手と買い手に時間の意識を持たせ、手続きが間延びするのを防ぐ効果もあります。

デューデリジェンス実施に関する事項

基本合意書には、締結後にデューデリジェンスを行うことを記載するとともに、売り手がデューデリジェンスに協力する義務を合わせて記載します。

デューデリジェンスの協力義務は売り手にとってはメリットがない事項ですが、買い手にとっては非常に重要なので、今後のM&Aの手続きをスムーズに進めるためにも記載しておくことが大切です。

財務・税務・法務などのうち、どの分野のデューデリジェンスを行うかすでに決まっている場合は具体的に記載してもよいですが、決まっていない場合は「必要と認められる内容」などと記載します。

独占交渉権および違約金

独占交渉権は買い手にとって重要な権利なので、基本合意書でしっかり記載しておくことが必要です。基本合意書は原則として法的拘束力を持たないので、最終契約書と違って違約金については記載しないこともあります。

ただし、独占交渉権や秘密保持といった法的拘束力を持たせている条項に違反があった場合や、最終契約やクロージングなどのスケジュールが基本合意書の記載どおりに進まなかった場合などに、違約金を設定することも可能です。

秘密保持義務

秘密保持契約は交渉を始める段階で締結しているはずですが、基本合意書の時点で保持すべき情報の範囲などが変わっていることもあります。あらためて秘密保持について明記しておくのが一般的です。

秘密保持の対象となる情報は、交渉によって知りえた相手企業のあらゆる情報に加えて、M&Aを行うこと、その交渉をしていること自体を含めておくことが重要になります。

秘密保持義務の例外とする情報に関しても、明確に記載しておくことが必要です。ただし、秘密保持契約締結の時点ですでに公になっている情報や、締結以前の時点ですでに入手していた情報などは、秘密保持義務の例外となります。

善管注意義務

善管注意義務(善良な管理者の注意義務)とは、売り手の経営者が売り手企業に対して、常識的に考えられる程度の注意や管理を行い、あきらかな不注意によって売り手企業の価値を下げるようなことをしてはならない義務のことです。

たとえば、M&Aの交渉中にもかかわらず、売り手の経営者が売り手企業の資産を不必要に処分してしまったり、減資や多額の借入などを行うことは、善管注意義務違反にあたる可能性があります。

こういった行為は買い手側にとって不利益になる可能性があるので、もし行う場合は買い手側の許可を得たうえで実行することが肝要です。

クロージングを行う前提条件

M&Aの契約では、売り手が一定の条件を満たしていない場合、買い手はクロージングを行わなくてもよいとする事項を記載するのが一般的であり、この条件をクロージング条件、またはクロージングの前提条件などといいます。

クロージングの前提条件は、この条件が満たされていなければ買い手がM&Aを行う意味がなくなってしまったり、大きな損害やトラブルを負ってしまうものが含まれるのが常です。この条件を記載することによって、買い手は安心して最終契約・クロージングを行えます。

クロージングの前提条件は最終契約書に記載するものですが、もし基本合意の時点で条件が固まっているなら、記載して認識をすり合わせておくものです。クロージングの前提条件として挙げられる一般的な事項は下記のようになります。

これ以外の条件を付してもよいですし、必要ないものがあれば除外も可能です。

  • 表明および保証事項が正しい
  • 誓約事項が履行されている
  • 重要取引先から取引を継続する同意が得られている
  • 業務に必要な許認可が取得されている
  • 独占禁止法による届け出などが済んでいる
  • 重要な役員・従業員から同意が得られている

表明および保証事項が正しい

表明保証とは、売り手企業の財務や税務などに関する、買い手に提供した情報が事実であることを保証することです。買い手は売り手が提供した情報に基づいてM&Aを行うか判断するので、その情報が事実であることを保証する必要があります。

売り手企業の実態はデューデリジェンスによって調査しますが、それで全てがわかるわけではなく、売り手から提供された情報を信用しなければならない部分はあるものです。そういった不確定な状況の中で買い手が安心してM&Aを行うためには、表明保証は不可欠といえるでしょう。

誓約事項が履行されている

誓約事項とは、M&Aの最終契約締結後またはクロージングも含めて、買い手・売り手がするべきことと、してはならないことを規定するものです。

具体的には、売り手が株式譲渡の承認のための取締役会や株主総会をきちんと行うことや、クロージングまでの会社の経営・業務を通常どおり行うことなどがあります。買い手の場合は、独占禁止法に規定される必要な届出を行うことなどを誓約事項として盛り込むのが一般的です。

必要ならば、売り手企業の従業員の雇用継続、売り手側の経営者保証の解除などが含まれることもあります。これらの事項が間違いなく履行されていないと、M&Aが実行できなかったり大きなトラブルが起こったりする可能性があるので、誓約事項を記載するのです。

重要取引先から取引を継続する同意が得られている

M&A後に買い手が売り手企業とともに事業を行うには、売り手側の取引先と継続的に取り引きが行われる必要があります。M&Aで売り手企業が買い手の傘下に入ることで、取引内容が変わることを嫌って取引をやめてしまうケースは珍しくありません。

買い手としては、売り手の取引先を獲得できるよう、クロージングの前提条件に入れておく必要があります。もし売り手とその取引先が、チェンジオブコントロール条項を結んでいる場合は特に注意が必要です。

M&A後も取引を継続できるかどうか、デューデリジェンスの時点できちんと見極めておかなければなりません。

業務に必要な許認可が取得されている

株式譲渡による経営権の移動では、売り手の許認可も引き継がれ、新たに申請する必要がないことが多いです。一方、事業譲渡は売り手の許認可が買い手に引き継がれないため、業務を始めるには新たに許認可を取得する必要があります。

遅くともクロージングを実行し終わった時点で許認可が取得できていないと、M&Aは完了したけれど業務を開始できないという事態になりかねません。そのため、業務に必要な許認可を取得することは、クロージングの前提条件に入れておく必要があります。

独占禁止法による届け出などが済んでいる

独占禁止法では、規模の大きい会社の株式を大量に取得する際は、その旨を届け出ることが義務づけられています。もし届出義務に該当するM&Aを行うならば、それをクロージングの前提条件にしておくことが必要です。

独占禁止法では、株式譲渡以外にも合併や分割、株式移転や事業の譲受に対して届出義務が定められており、それぞれのスキームにおいて届出が必要となる条件があります。

M&Aを行う際は、その取引が独占禁止法の届出義務を負うかきちんと確認し、必要ならクロージングの前提条件に入れておくことが大切です。

重要な役員・従業員から同意が得られている

M&Aは従業員にとって非常に大きな環境の変化なので、それを機に退職してしまう従業員も出る可能性があります。もしM&A後の事業にどうしても必要な人材が辞めてしまうと、買い手は予定していた事業計画を変更せざるを得なくなるでしょう。

こういった事態を避けるために、売り手側の重要な役員・従業員から事前に同意を得ておくことを、クロージングの前提条件とすることが多いです。重要な人材がM&Aにともなって退職しないよう定めることを、キーマン条項と呼ぶこともあります。

キーマン条項はずっと有効なわけではなく、期間は1年から3年程度にしておくのが一般的です。

その他

ここまでに挙げた条件以外にも、個別のケースで必要になるものがあれば追加することが可能です。たとえば、経営者の個人資産を会社から切り離すことを条件とするといったことが考えられます。

中小企業では、経営者の個人資産と会社の資産が分離できていないこともあるので、株式譲渡で会社を包括的に譲受する際、経営者の個人資産も譲受してしまうでしょう。経営者が個人資産を会社から買い取ることをクロージングの前提条件に入れておけば、このような事態を避けられます。

公表

M&Aは、基本的に秘密裏に進めないとトラブルのもとになります。したがって、公表してもいいタイミングや公表できる内容について、売り手と買い手で食い違いがないように取り決めておくことが必要です。

具体的には、売り手と買い手が協議して合意した場合のみプレスリリースなどを行ってもよいという条項を入れておきます。上場企業の場合は基本合意書締結の段階で公表することもありますが、その場合でも売り手・買い手の合意が必要である旨を明記しておきましょう。

法的拘束力

基本合意書は法的拘束力を持つ条項と持たない条項が混在しているのが一般的なので、どの条項が法的拘束力を持つか明記しておく必要があります。

秘密保持義務・善管注意義務・デューデリジェンスへの協力義務・独占交渉権の付与とその期間などに法的拘束力を課すことを明記すrのが一般的です。具体的には、「第〇条から第〇条のみ法的拘束力を有する」などといった文言を、独立した条項として記載します。

基本合意書(MOU)が有効となる期限

基本合意書が有効となる期限を定め、条項として記載します。最終期限として具体的な日時を決め、その日時が来る前に最終契約を締結した場合は締結した日までが有効期限です。基本合意書の最終期限は短過ぎても長過ぎてもよくないので、案件ごとに適切な期間を設定する必要があります。

一般には短くて2~3カ月、長くても半年くらいに収めるのがよいでしょう。何らかの理由で期限日以降も基本合意書を有効にしたい場合を想定して、売り手・買い手合意のもとで期限を延長できる旨も記載しておくとよいです。

その他合意事項

ここまでで基本合意書に必要な記載事項はおおむね網羅しましたが、他に必要な記載事項がある場合は適宜、追加します。

その他の合意事項としてよく見られるのは、準拠法はどの国にするのか、紛争が起こった場合の管轄の裁判所はどこにするのか、専門家に依頼したときの費用をどちらが負担するかなどです。

  • 準拠法
  • 管轄
  • 費用分担

準拠法

準拠法とは、基本合意書がどの国の法律にもとづいて成立し、解釈されるかということです。日本企業同士の場合は、準拠法は日本法となります。当たり前の事項ではありますが、念のため「この基本合意書は日本法に準拠する」といった一文を記載しておくとよいでしょう。

海外企業とM&Aを行う場合は、準拠法をどこにするかは重要な事項です。日本法か相手企業の国の法律に従うかによって、今後の交渉の内容も変化してくる可能性があります。この点は、相手企業としっかり交渉して決めることが大切です。

基本的には自国の法律を準拠法にしたほうがよい場合が多いですが、海外の法律が自社のM&A戦略に合っている場合は、あえて日本法以外を準拠法にする選択肢もあり得ます。

管轄

管轄とは、もし買い手と売り手の間で紛争が起こった場合に、どこの裁判所で裁判を行うのかということです。日本企業同士のM&Aの場合は、両社が合意した日本の裁判所を記載します。外国企業とのM&Aの場合は、準拠法で定めた国の裁判所を管轄とするのが一般的です。

外国企業とのM&Aでは、管轄でない裁判所で訴えを起こされるトラブルなども想定されるので、この条項をきちんと定めておくことが重要となります。

費用分担

M&Aを行うにあたってかかった各種費用について、買い手・売り手どちらが負担するか明確にしておきたい場合は、その旨を基本合意書に記載します。ただし、デューデリジェンス費用は通常、買い手が負担するものであり、売り手が雇った専門家の費用は売り手側が負担するのが普通です。

したがって、費用分担について基本合意書に特に記載しておく事項はないこともあります。しかし、その場合でも、「それぞれに発生する費用はそれぞれが負担する」といった一文を基本合意書に記載しておけば、万が一のトラブル防止になるでしょう。

4. 基本合意書(MOU)における独占交渉権

基本合意書に盛り込まれる条項はどれも重要なものですが、なかでも独占交渉権は特に買い手にとって非常に重要になります。買い手が基本合意書を締結する際は、独占交渉権を入れておくことが大切です。

この章では、基本合意書における独占交渉権について、メリット・デメリットなどを解説します。

独占交渉権とは

独占交渉権とは、買い手が売り手と独占的に交渉できる権利のことで、権利のある期間中、売り手は他の買い手候補と交渉できません。基本合意書の締結後に行うデューデリジェンスは、買い手にとって非常にコストと負担がかかるものです。

独占交渉権がない状態でデューデリジェンスを行うのはリスクが高く、よほど小規模なM&Aでない限り独占交渉権を得ておく必要があります。

独占交渉権が付与される一般的な期間

独占交渉権の期間は買い手と売り手が最もよいと思う任意の期間に設定します。一般的には、3カ月から半年くらいになることが多いです。短過ぎると期間中に最終契約まで持ち込めなくなり、逆に長過ぎても売り手を拘束し過ぎてしまうため、適切な期間を設定しましょう。

独占交渉権のメリットとデメリット

独占交渉権は主に買い手にとってメリットがあるもので、売り手にとっては独占交渉権自体は特にメリットがありません。買い手にとっては独占交渉権を得ておくことで、売り手が他の買い手候補と交渉する心配がなくなります

一方、売り手にとっては、期間中は他の買い手と交渉できないのはデメリットです。しかし、売り手にとっても、買い手と真剣に交渉を進める意思表示をして信頼関係を築くといったメリットもあるので、独占交渉権をむやみに拒否するようなことは行わないほうが得策といえます。

Fiduciary Out(フィデュシャリー・アウト)条項

Fiduciary Out条項とは、売り手が例外的に独占交渉権を放棄して、他の買い手と交渉できる条件を定める条項です。Fiduciary Out条項を入れておくと、他にもっとよい買い手が現れたときに、そちらの買い手に乗り換えることも場合によっては可能になります。

Fiduciary Out条項で独占交渉権を放棄できるのは、独占交渉権を維持することが、売り手にとって善管注意義務または忠実義務違反になる場合です。独占交渉権と善管注意義務・忠実義務が矛盾した場合は、後者を優先できます。

Fiduciary Outは買い手にとっては不利な条項です。しかし、独占交渉権の期間を長くとりたい場合に、Fiduciary Out条項を入れることで、売り手の合意が得やすくなるなどのメリットもあります。

Break-up fee(違約金)

独占交渉権の違反に対して罰則をつけたい場合は、基本合意書に違約金の条項を記載可能です。もし、売り手が独占交渉権に違反して他の買い手とM&Aを締結してしまった場合、違約金を支払うことで解決したとみなします

単に独占交渉権に違反した場合だけでなく、Fiduciary Out条項を使って独占交渉権を放棄した場合にも、違約金を設定しておくことが必要です。

違約金の額についてはっきりした基準はありませんが、アメリカでは取引金額の1%から5%くらいにすることが多いことから、日本でも同様に設定することが多いといわれています。

【関連】M&Aで発生する違約金とは?契約解除の法的拘束力や注意点を徹底解説| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

5. 基本合意書(MOU)の法的拘束力

基本合意書が一般的な契約書と違ってわかりにくいのは、法的拘束力のある条項とない条項があることです。基本合意書を理解してスムーズなM&Aを行うためには、基本合意書の法的拘束力について把握しておく必要があります。

基本合意書(MOU)自体に法的拘束力はない

原則として、基本合意書自体には法的拘束力は持たせないのが一般的です。基本合意書は今後の展開次第で契約内容が変わることを踏まえて締結するものですから、全てに法的拘束力を持たせられません。

一部条項には法的拘束力を持たせるのが一般的

基本合意書は原則として法的拘束力を持ちませんが、一部条項には法的拘束力を持たせるのが一般的です。前章までで解説した独占交渉権や秘密保持義務、デューデリジェンスへの協力義務などに法的拘束力を持たせます。

ただし、どの条項に法的拘束力を持たせるかはあくまで任意なので、それは交渉の重要なテーマです。基本合意書の法的拘束力は、売り手が負うものが多い傾向があります。

したがって、買い手はできるだけ法的拘束力を持たせたいのに対して、売り手はできるだけ持たせたくないという、相反する思惑の中で妥協点を模索していかなければなりません。

6. 基本合意書(MOU)の法的拘束力や独占交渉権が問題となったケース

基本合意書には独占交渉権など一部の条項に法的拘束力が付与されますが、もし売り手がこれに違反した場合、実際どのようなことが起こるのでしょうか。大企業同士のM&Aにおいて、かつて基本合意書の独占交渉権について問題になり、訴訟に発展した有名なケースがあります。

ここではその事例を取り上げて、基本合意書の法的拘束力や独占交渉権が、判例としてどのように解釈されているのかを確認しましょう。中小企業M&Aで同じようになるとは限らない部分もありますが、有名な事例を知っておくことはトラブルになったときの参考になるはずです。

住友信託銀行とUFJホールディングス(現:三菱UFJフィナンシャル・グループ)の訴訟

2004(平成16)年に、住友信託銀行とUFJホールディングス(現:三菱UFJフィナンシャル・グループ)との間で、業務提携に関する基本合意書が締結されました。この基本合意書では、買い手の住友信託銀行がUFJホールディングスに対して独占交渉権を得るとされています。

しかし、UFJホールディングスは独占交渉権を無視して、独占交渉権が有効な期間中に三菱東京フィナンシャルグループと交渉を進めてしまいました。

住友信託銀行は、基本合意書で独占交渉権を得たことで、当然UFJホールディングスと独占的に交渉し、最終契約に向けて手続きを進めていけると思っていたでしょう。

ところが、UFJホールディングスは基本合意書締結後わずか2カ月ほどで三菱東京フィナンシャルグループと交渉を進め、住友信託銀行に対して独占交渉権の解約を通告しました。

独占交渉義務違反についての差止仮処分請求事件

UFJホールディングスのこの行為に対して、住友信託銀行は独占交渉義務違反であり、第三者との交渉を止めるよう求める仮処分の訴訟を起こします。まだ最終契約が締結されていないM&Aにおいて、基本合意書の時点での法的拘束力をどのくらい認めるかということが争点となりました。

この訴訟は最高裁までもつれこみましたが、東京地方裁判所、東京高等裁判所、そして最高裁判所でそれぞれ違う判断が下されています。まず、東京地方裁判所では、基本合意書の法的拘束力を認め、住友信託銀行の主張を支持しました。

東京高等裁判所では、逆にUFJホールディングスの主張を認め、仮処分申請を却下しています。東京高等裁判所は、もはや住友信託銀行とUFJホールディングスの間で交渉を再開してもM&A締結の見込みはないため、独占交渉権は事実上、失われていると判断したのです。

そして最高裁判所は、独占交渉権の法的拘束力は認めるものの、やはり住友信託銀行とUFJホールディングスの間の最終合意は難しいとして、東京高等裁判所の判断を支持し仮処分申請を却下しました。

この判例からわかるのは、基本合意書に独占交渉権を付与したとしても、必ずしも買い手の完全なリスクヘッジになるとは限らないということです。

中小企業M&Aにおいても、基本合意書に独占交渉権を付与する場合は、売り手が違反した場合の罰則や独占交渉権が消失する条件などを、できるだけ細かく決めておくことが大切となります。

経営統合協議の解消を巡る損害賠償請求事件

UFJホールディングスへの仮処分が却下された住友信託銀行は、UFJホールディングスに対して本訴訟を行うとともに、1,000億円の損害賠償の支払いを請求します。この訴訟で東京地方裁判所は、独占交渉義務に違反した責任はUFJホールディングスにあるとしました。

しかし、基本合意書はあくまでM&Aの途中の時点での合意事項などを取り決めるものなので、M&Aが破談になってしまったことに対してUFJホールディングスに責任はないという判断を下します。

したがって、最終契約を締結できなかったことに対する損害賠償を求める、住友信託銀行の請求は認められないとして却下されました。

つまり、独占交渉権はあくまで独占的に交渉する権利であって、最終契約の締結を約束するものではないので、最終契約を締結できなかったことに対して損害賠償を支払うことはないということです。

一方、最終契約を締結できなかったことではなく、独占交渉権に違反したことによって生じた損害がもしあれば、それに対しては責任が生じる可能性も指摘しています。

しかし、この訴訟で住友信託銀行が損害賠償を請求したのは、M&Aが締結できなかったことに対するものであり、独占交渉権を破棄して信頼を損ねたことに対する損失は請求していなかったため、判決としては棄却という判断になったのです。

もし、中小企業M&Aで似たような訴訟になった場合、独占交渉権の信頼を損ねたことによる損失が具体的に何かというのは難しい判断となります。

基本合意書に独占交渉権を付与する際は、Fiduciary Out条項や違約金を含めた、できるだけ細かい条件を設定しておくことが重要になるといえるでしょう。この訴訟は最終的に、UFJホールディングスが住友信託銀行に25億円の解決金を支払うことで和解しています。

7. 基本合意書(MOU)締結時の注意点

基本合意書はM&Aのちょうど中間時点で締結する書面であり、ここまでの交渉の内容を整理すると同時に、今後のデューデリジェンスや最終交渉を円滑に進めるためにも重要なものです。

基本合意書を締結する際は、注意点をしっかり押さえたうえ、必要な条項を過不足なく記載してトラブルが起こらないように作成しなければなりません。

基本合意書締結時の主な注意点としては、法的拘束力を持つ部分と持たない部分をともにしっかり記載することが挙げられます。それに加えて、基本合意書の作成に精通している専門家に相談することも大切です。

  • 法的拘束力を付与する条項に注意
  • 法的拘束力を付与しない条件もしっかり記載
  • 専門家に相談

法的拘束力を付与する条項に注意

基本合意書には、法的拘束力がある条項とない条項がありますが、法的拘束力を付与する条項は特に注意して作成することが必要です。法的拘束力を持たせる条項のなかには、独占交渉権のように売り手と買い手でメリット・デメリットが相反するものもあります。

こういった条項をいかに両者の妥協点を見つけて締結するかが、基本合意書締結の重要なポイントです。法的拘束力を付与する条項では、もし違反した場合の罰則についても売り手・買い手両者が納得できる条件を課しておく必要があります。

罰則については決まったルールや正解がない部分もあるので、交渉自体が大変重要です。Fiduciary Outなどの専門的な条項については、M&Aの専門家でも経験や知識が少ないこともあるので、より慎重に考えていく必要があるでしょう。

法的拘束力を付与しない条件もしっかり記載

基本合意書の締結では法的拘束力を持つ条項が特に重要ですが、だからといって法的拘束力を持たない条項が重要でないというわけではありません。法的拘束力を付与しない条項についても、しっかりと漏れがないように必要十分な記載をしておくことが必要です。

基本合意書はほぼ最終契約に近い内容にすることもあれば、大まかな合意内容を記載する程度にとどめることもあります。このように基本合意書は案件ごとに性質が異なる部分もあるので、どの条件を記載するかは臨機応変に考えていく必要があるでしょう。

専門家に相談

ここまで見てきたように、基本合意書の締結には専門的な知識が必要で、不備があると訴訟など想定しないトラブルになることもあります。基本合意書は、最終契約ではなく法的拘束力のない部分があるものの、やはり専門家の助けを得て作成することが大切です。

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8. M&Aの基本合意書(MOU)まとめ

基本合意書はM&Aの手続きの途中の段階で締結する書面ではありますが、法的拘束力がある事項もあり最終契約書と同じように慎重に作成する必要があります。基本合意書の記載事項や目的を把握して、適切な書面を作成するようにしましょう。本記事の概要は以下のとおりです。

・基本合意書(MOU)を締結する主な目的
→重要点の合意形成
→当事者間での心理的拘束力を確立
→スケジュールの明確化
→買収価額の設定
→独占交渉権の設定
→情報開示による交渉力の強化

・基本合意書(MOU)に記載する内容
→買収対象
→使用するM&Aスキーム
→買収価額
→M&Aのスケジュール
→デューデリジェンス実施に関する事項
→独占交渉権および違約金
→秘密保持義務
→善管注意義務
→クロージングを行う前提条件
→公表
→法的拘束力
→基本合意書(MOU)が有効となる期限

・クロージングを行う前提条件
→表明および保証事項が正しい
→誓約事項が履行されている
→重要取引先から取引を継続する同意が得られている
→業務に必要な許認可が取得されている
→独占禁止法による届け出などが済んでいる
→重要な役員・従業員から同意が得られている

・基本合意書(MOU)締結時の注意点
→法的拘束力を付与する条項に注意
→法的拘束力を付与しない条件もしっかり記載
→専門家に相談

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