M&Aのシナジー効果とは?シナジー効果の事例5選!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

シナジー効果を得る目的でM&Aを行う会社は多くみられます。この記事では、M&Aで得られるシナジー効果にはどのようなものがあるか紹介します。また、実際に日本の企業で見られたM&Aによるシナジー効果の事例について5つ紹介します。

目次

  1. M&Aとシナジー効果
  2. M&Aのシナジー効果とは
  3. M&Aのシナジー効果の具体例
  4. M&Aでシナジー効果を検討するためのフレームワーク
  5. M&Aでシナジー効果を発揮するためのポイント
  6. M&Aのシナジー効果の算出方法
  7. M&Aのシナジー効果と取引価格
  8. 水平型M&Aと垂直型M&Aのシナジー効果
  9. M&Aでシナジー効果を発揮しやすい業界
  10. シナジー効果の事例5選
  11. M&Aのシナジー効果を考えてM&Aしよう!
  12. M&Aのシナジー効果まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
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1. M&Aとシナジー効果

M&Aとシナジー効果

M&Aは近年中小企業を中心に行われています。理由は、経営者の高齢化に伴う事業継承のために会社を売却するケースが多いです。

しかし、会社の業績を伸ばすためにシナジー効果を期待してM&Aを行うケースもあります。この記事ではM&Aによるシナジー効果について紹介をしていきます。

  • シナジー効果についての解説
  • 具体的なシナジー効果について
  • M&Aによるシナジー効果を検討するためのフレームワークについて
  • M&Aでシナジー効果を発揮するためのポイントについて
  • M&Aの種類によるシナジー効果について
  • M&Aによるシナジー効果の事例について

この記事を読んでいただけると、M&Aによるシナジー効果を理解していただけると思います。ぜひ、最後までご覧ください。

2. M&Aのシナジー効果とは

シナジー効果とは

まずは、シナジー効果について解説します。シナジー効果とは日本語で相乗効果と訳すことができます。

2つ以上の会社が合わさることで1+1以上の成果を残せたときに、「シナジー効果がある」と言えます。たとえば、M&Aでシナジー効果をあるとは以下のようなことです。

  • 下請け企業を買収したことで、より顧客の求める製品に近づけた
  • 販売ルートを増やせる企業を買収したことで、顧客層が拡大した
  • 欲しい技術力の持つ企業を買収したことで、より製品開発に成功した

このように、欲しいものを自社で0から作り上げるのではなく、既に持っている企業を買収することで自社をさらに成長させることができるのです。

M&Aによるシナジー効果でたし算以上の効果を得るためには、どのような会社を買収したいかを明確にし、買収後にどのような経営戦略を行うかというM&Aの戦略をしっかりと考える必要があります。

ここでは、シナジー効果に関連する言葉の説明や経営学的な説明を行っていきます。

アンゾフによるシナジー効果の4分類

アンゾフとは、経営戦略のマトリックスを提唱したことで有名なアメリカの経営学者です。アンゾフはシナジー効果についても提唱しており、シナジー効果には以下の4種類ありますとのべています。

  1. 販売シナジー
  2. 生産シナジー
  3. 投資シナジー
  4. 経営シナジー

これら4つのシナジー効果について簡単に説明をします。

1. 販売シナジー

販売シナジーとは、販売面において相乗効果を得ることです。買収会社・被買収会社の顧客や流通面を共同で使用することで費用を削減が期待されます。また、両社のブランドイメージを使うことで売り上げも期待することができます。

2. 生産シナジー

生産シナジーは、生産面で相乗効果を得ることです。M&Aによって会社の規模や市場占有率が大きくなることで、大量購入や工場の稼働率向上などによるコスト削減が期待できます。

3. 投資シナジー

投資シナジーは、経営の投資面で相乗効果を得ることです。研究開発への投資することで研究開発シナジーを期待することができます。また、ベンチャー企業へ投資して将来自社との相乗効果を期待できます。

4. 経営シナジー

経営シナジーは、経営のノウハウを共有することで相乗効果を得ることです。異業種とのM&Aを行う場合、自社はその業界に新規参入することになります。被買収会社からの経営ノウハウを共有してもらうことで経営シナジーを生み出し、M&Aに成功している例もあります。

現代のシナジー効果の種類

現代の経営学においては、アンゾフが提唱した4種類のシナジー効果をもとにしてさらに細かく分類されています。現代のシナジー効果の種類について4つ簡単に紹介します。

1つ目は収益シナジーで、M&Aでよく見られる相乗効果のことです。買収会社と被買収会社が連携することでシナジー効果が生まれ、収益が大きく向上する効果があります。コストシナジーは、アンゾフの4つの分類のうち生産シナジーに分類することができ、コスト削減効果を指しています。

事業シナジーは、スケールメリットによるコスト削減効果のことを表しています。税金シナジーは、M&Aの際ののれんや繰越欠損金により節税効果がもたらされることです。

現代のシナジー効果の中で、収益シナジーやコストシナジーの2つのシナジー効果が注目されています。

類義語は相補効果

シナジー効果の類義語に相補効果があります。シナジー効果は1+1が2以上の効果を期待している野に対して、相補効果は1+1=2くらいの効果が表れる効果のことです。

相補効果では、M&Aによる大きな業績向上は見られないが、買収会社・被買収会社の互いの弱点を補うことで業績を改善させます。

対義語はアナジー効果

シナジー効果の対義語としてアナジー効果があります。アナジー効果の意味は、相互のマイナス効果です。M&Aは、相乗効果少なくとも相補効果を期待して行います。

しかし、M&Aを行ったが想定よりもシナジー効果が出なかったり、M&A前よりも業績が低下する場合があります。このような時は、M&Aによりアナジー効果が出ていることになります。アナジー効果が出た場合は、経営戦略を大きく変えるか、次に説明するピュアカンパニー化を行う必要があります。

ピュアカンパニー化とは

ピュアカンパニー化とは、M&Aによりアナジー効果が出たときに行う対策の1つで、会社もしくは事業を分裂させることです。M&A前の状態に戻すことでアナジー効果をなくし、両社ともに元の業績に戻します。

また、ある業務に資源を集中させるためにピュアカンパニー化を行う場合があります。この事例についてインテルを例に説明します。

インテルはDRAM、MPU、EEPROMを製品化していました。しかし、インテルは当時3つの事業に投資できる程の経営資源を持っていなかったのでピュアカンパニー化を行い、MPUに経営資源を集中させることを決めました。インテルの場合はピュアカンパニー化を行うことにより、MPU事業は成功しました。

3. M&Aのシナジー効果の具体例

具体例

ここからはM&Aのシナジー効果を具体的に紹介していきます。シナジー効果をしっかりと理解しておかないと十分に練られたM&Aの戦略を立てることはできません。シナジー効果を得るためのM&Aを考えている経営者の方はここから真剣に読んでいただきたいと思います。

この記事では、M&Aで主にみられる以下の4つのシナジー効果について紹介します。

  1. 売り上げシナジー
  2. コストシナジー
  3. 研究開発シナジー
  4. 財務シナジー

順番に確認していきましょう。

売り上げシナジー

売り上げシナジーとは、M&A後の売上金額がM&A前の買収会社・被買収会社の合計額よりも大きくなることを言います。つまり、売上額についてM&Aによる1+1が2以上になることを言います。アンゾフの4種類のシナジー効果の中で販売シナジーに分類されます。

売上シナジーの具体例を以下に挙げます。

  • M&Aを行う前に用いていた被買収会社のブランドもしくは会社の知名度を用いて自社商品のジャンルを増やす戦略。
  • 独自の販売チャネルを買収して自社の売り上げを増やす(川下への進出)。

売り上げシナジーの難易度は、比較的シナジー効果を得やすいものに分類されます。そのため、売上シナジーを目的としてM&Aを行うケースもあります。

コストシナジー

コストシナジーはM&Aにより会社の規模を大きくすることでスケールメリットを得て、コスト削減をすることです。アンゾフのシナジー効果では、生産シナジーに分類されます。

コストシナジーの具体例を以下に挙げます。

  • 会社の規模が大きくすることで大量に仕入れ、コスト削減する戦略。
  • 流通の川上に進出してコストを減らす戦略。
  • 買収会社と被買収会社の物流を統一して物流コストを削減する戦略。

コストシナジーも難易度は比較的低いと考えられます。理由は、上の例で紹介した通り、流通の川上を買収すれば得られるシナジーであるからです。また、中小企業同士のM&Aでもシナジー効果は十分に得られます。

研究開発シナジー

研究開発シナジーは、M&Aでの買収会社・被買収会社の得意な研究分野を融合させて新たな商品開発を行うことです。アンゾフのシナジー効果では、投資シナジーに分類されます。

研究開発シナジーの具体例を以下に挙げます。

  • 研究開発におけるノウハウの獲得・共有できる点。
  • 共有されたノウハウと自社で培ったノウハウを合わせて新たな商品開発を行うことができる点。

シナジー効果の得やすさは、比較的難しいと考えられます。M&Aを行う前にどのようなシナジー効果が得られるか明確に戦略を考えておく必要があります。また、買収会社や被買収会社が研究開発シナジーを得ることができる体制なのかを見極めることも重要です。

財務シナジー

財務シナジーは、M&Aにより資本調達力増強させたり、資金調達コストを下げる効果を得ることです。財務シナジーは、今まで紹介した4つのシナジー効果の中で最も効果を得にくいと考えられます。

その理由は、買収会社・被買収会社ともに財務状態が良くないと財務シナジーを得ることができません。財務シナジーを主な理由としてM&Aを行うケースは非常にまれです。

4. M&Aでシナジー効果を検討するためのフレームワーク

M&Aでシナジー効果を検討するためのフレームワーク

M&Aでシナジー効果を生み出すためには、自社だけでなく買収相手の経営分析を行う必要があります。その分析結果に基づいてどのようなシナジー効果が生まれるか戦略を考えます。

シナジー効果が得られる戦略を考えるうえでフレームワークは必要になります。M&Aでシナジー効果を検討するために必要となるフレームワークについて、内部リソースと外部ネットワークの2つに分けて紹介します。

内部リソース

内部リソースとは、自社もしくは買収される会社が保有している経営資源のことです。内部リソースの分析を通して、自社もしくは買収相手の会社にはどのような特徴があるか、それらを組み合わせることでどのようなシナジー効果が生まれるか考える必要があります。

この記事では内部リソースのフレームワークに当てはまる人材、拠点、資金の3点について紹介します。

人材

1つ目は人材について紹介します。人材のフレームワークでは、自社や買収される会社の従業員にはどのような技術を持った人がいるか、その人たちはどのようなことができるかなどを分析します。

例えば、工場を稼働させている製造業の会社ならば、その分野での技術者が多いと思われます。その技術者たちが買収される会社の技術を共有したら、市場で流通する製品を開発することができるのではないかと戦略を立てることができます。

経営者は、このような人材のフレームワーク分析に当てはめて、M&Aによってどのようなシナジー効果が生まれるか考えます。

拠点

2つ目は拠点について紹介します。拠点については、主に物流の拠点についてのフレームワークを分析をすることになります。M&Aにより、自社と買収される会社の物流拠点が使用できるため、効率的な物流を生むことができます。

また、自社と買収される会社で同じ場所に物流拠点があった場合は、その物流拠点をメインとして使うことができます。その物流拠点を中心として各地域の物流拠点に必要なものを運ぶという流れができればかなりの効率的な物流とコスト削減が期待できると思われます。このように経営者は、物流拠点を把握してどのようなシナジー効果が期待できるか考える必要があります。

資金

最後に資金について紹介します。M&Aによって無駄な投資をなくし、新たな投資ができるように戦略を考えます。資金のフレームワークについて買収される会社の規模が小さくて、かつ資金繰りが悪かった場合を例として紹介します。

M&Aによって、スケールアップによるコスト削減や資金繰り改善による経営コスト効率化で新たな資金を生み出すことができます。この生み出された資金を用いて別方向へ投資をすることができます。

また、自社と買収される会社が同じような事業に投資をしようとしている場合は、二重投資を回避して、余った資金は同様に別方向への投資に用いるような戦略を立てます。

外部ネットワーク

外部ネットワークとは、自社もしくは買収される会社と関係のある外部の経営資源のことです。外部ネットワークの分析を通して、顧客ニーズなどを把握し、どのようなシナジー効果を生み出すか考える必要があります。

この記事では外部ネットワークのフレームワークに当てはまる顧客と仕入先の2つについて紹介します。

顧客

1つ目は顧客についてのフレームワークを紹介します。自社や買収される会社はそれぞれどのような顧客を獲得していて、どのような顧客ニーズがあるのかを把握しています。そのため、顧客のフレームワークを分析することによって、M&Aでどのようなシナジー効果を生み出すことができるか考えられます。

自社と買収予定の会社の顧客層が似ている場合は、顧客の固定化のための戦略と新規顧客獲得のための戦略を立てることができます。一方、顧客層にある程度の違いがみられる場合は、両社の顧客を固定化させるような戦略を取ることになります。後者の方で成功した場合、前者の戦略よりもかなり大きなシナジー効果が得られると思われます。

仕入れ先

2つ目は仕入れ先について紹介します。仕入れ先のフレームワークについては、自社や買収される会社はそれぞれどのようなところから仕入れているか把握して置く必要があります。

もし、同じ会社から同じ製品を仕入れている場合は、スケールメリットによるコスト削減をすることができます。同じ原料を違う会社から仕入れている場合は、安定供給のことを考えて2社から仕入れ続ける戦略を考えることができます。これらは仕入れ先についてM&Aでシナジー効果を得るための戦略の1例であるが、会社の経営状態によって正しい戦略を選択する必要があります。

5. M&Aでシナジー効果を発揮するためのポイント

シナジー効果を発揮するためのポイント

先ほど紹介した内部リソースと外部ネットワークは、M&Aでシナジー効果を検討するためのフレームワークでした。これらのフレームワークはM&Aによるシナジー効果を考えるうえで必ず分析し、考える必要がある項目を紹介しました。

ここから紹介する項目は、絶対考えるというものではないが、必要とするシナジーに応じて考えるポイントとなります。これらのポイントを考えておくことで、経営者が考えていなかったシナジーが得られる可能性があります。

M&Aの戦略を考えている経営者は是非一度考えてみてください。

技術の相性

まずは、技術の相性について紹介します。研究開発シナジーを生み出すためにM&Aを行おうとしても、研究対象の分野が遠かった場合、すぐにシナジー効果を生み出すことはできません

近年の研究開発では最先端の知識と技術が必要となります。経営者が近い分野だと思っていても、研究者からすると一から勉強しないといけない分野である可能性があります。そのため、M&Aによる研究開発シナジーを考えてる場合は、現場の研究者の声を聴いて技術の相性がよいM&Aを行う必要があります。

市場規模の大きさ

次は市場規模の大きさについてですが、M&Aによるシナジー効果を得るためにこれを考えた方が良い例を紹介します。

被買収会社が得意とする技術分野と自社の技術を用いて研究開発シナジー効果を得るためM&Aを行おうとしています。被買収会社が得意とする技術分野の市場占有率について、被買収会社を含めて5社以上参入している状況です。このような場合、市場規模が一番大きい会社を買収した方がいいと思われます。理由は2つあります。

1つ目は、ある技術を用いた分野の中で一番顧客ニーズを把握していると考えられるからです。もう1つの理由は、大きな市場規模を利用して自社の製品や新製品の顧客を得ることができ、販売シナジーを生み出すことができるからです。

このような事例のM&Aを考えている経営者は、自社と買収する会社の市場規模の大きさについて考えてみてください。

投資金額

M&Aによるシナジー効果を得るための新製品開発にかかる開発費(投資金額)も考える必要があります。新製品を開発したときの予想売り上げが開発費を下回っている場合は、アナジー効果となります。投資する金額に対して利益を得ることができるかの予想は重要です。

競合の存在

M&Aによって参入しようとしている分野の競合会社には注意をする必要があります。M&Aによって買収する会社の市場占有率がM&A後もそのまま維持できるとは限りません。万が一、競合他社に市場占有率1位を取られた場合、M&Aによって得られるシナジー効果が小さくなります。M&Aを行う際には、被買収会社の競合他社の動きには常に注意をし、対策を立てておくほうが良いと思われます。

サービス提供のチャネル

サービス提供のチャネルは、物流の川下である小売が当てはまります。M&Aを考えている小売がどのような商品の販売、サービス接客を行っているか調査しておく必要があります。

例を挙げて考えてみたいと思います。自社が芳香剤の製造を行っている会社として、車用の芳香剤を販売する戦略を立てていたとします。その戦略を実行するために小売業とM&Aを行う場合、スーパーマーケットのような小売りではなく、カー用品も販売している小売りを買収しないとシナジー効果は生まれないと考えられます。

このようにサービス提供のチャネルも考える必要があります。
 

相手企業のブランド力

ブランドに対して顧客はロイヤルティ(忠誠心)を持っている場合があります。つまり、このようなブランドにはこのブランドだから商品を購入するという購買意欲を出させる力があります。ブランド力を持っている会社とのM&Aを行うと、被買収会社の顧客のロイヤルティを利用して新規顧客の開拓ができる可能性があり、販売シナジーが生まれやすいと考えられます。

タイミング

M&Aを行うにはタイミングが必要です。当然ですが、M&Aのタイミングを誤ってしまうとシナジー効果が出ないだけでなく、アナジー効果が出る恐れがあります。

リスクの検討

M&Aを行うことで100%シナジー効果を得られるわけではありません。場合によってはアナジー効果が出る恐れがあります。しかし、M&Aによる負の効果が出ないようにリスクマネジメントを行う必要があります。考えておくべきリスクについて4つ紹介します。

隠れ債務の存在

M&Aを行う際、被買収会社に隠れ債務が存在している可能性があります。被買収会社は少しでも会社の価格を高くするために自社の負の部分を公開しない可能性があります。

この対策として、デューデリジェンス(企業監査)を行うことで回避します。デューデリジェンスでは、被買収会社の財務、法務、ビジネスの観点で分析します。デューデリジェンスを実施することで、隠れ債務を発見することができるだけでなく、コンプライアンス違反をしているなど、対象会社の負の部分を明らかにすることができます。

従業員の離脱

M&Aにより従業員が一気に退職してしまうケースもあります。自社がM&A行うということは、経営が良くないのではないかと従業員が不安になり一気に退職する場合もあります。また、経営陣の新体制に不満を持つため従業員が退職する場合もあります。

このような事態を避けるためには、従業員へのM&Aを公表するタイミングについて十分に注意する必要があります。

PMIの失敗

PMI(買収後の経営統合)は、M&Aを行う際に一番重要で時間のかかるプロセスです。PMIには、ハード面とソフト面の2種類あります。

ハード面では、人事システムや経理システムの統合があります。PMIでいかに効率的にシステム統合を行うかが重要になります。一方、ソフト面は、企業文化や社員同士の統合のことです。ソフト面の統合はハード面の統合より難しいと言われています。

PMIの失敗を回避するためには、交渉・契約を担当してもらっていたM&Aアドバイザリーに引き続き行ってもらうという方法があります。その理由は、自社のM&Aを担当したM&Aアドバイザリーは、両社の雰囲気や社員についてある程度は理解しているため、素早い統合に向けての的確なアドバイスをもらえる可能性があります。

独占禁止法への抵触

M&Aによる独占禁止法への抵触には注意する必要があります。ある業界において市場シェアが独占状態であると、その企業が価格操作を行うことができ、不当な価格で利益を得る可能性があります。独占禁止法では、このような不当な利益が得られないように、独占状態になること事態を禁止しています。

M&Aにより、生産シナジーを得るために会社の規模を大きくするケースもあります。しかし、M&A後の自社の市場シェアが大きくなりすぎて、独占の状態となるとと独占禁止法に抵触する恐れがあります。特に同業種でのM&Aを行う際は、気を付ける必要があります。

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6. M&Aのシナジー効果の算出方法

シナジー効果の計算

M&Aのシナジー効果の計算方法は以下の式に当てはめて求めることができます。

  • M&Aによるシナジー効果=M&Aにより増えた利益 - M&Aにかかった費用
また、M&Aによる利益と費用は以下の式で求めることができます。
  • M&Aにより増えた利益=M&A後の利益 - M&A前のそれぞれの会社の利益の合計
  • M&Aにかかった費用=買収金額 - M&A前の被買収会社の利益

例として、M&A前の買収会社の利益が100百万円、被買収会社の利益が50百万円であったとします。また、買収金額は70百万円、M&A後の利益が200百万円だったとするとシナジー効果は上の式に当てはめて30百万円となります。

7. M&Aのシナジー効果と取引価格

費用

M&Aによる取引価格において、シナジー効果を含めるかどうかの明確なルールはありません。実際のところM&Aによる取引価格にシナジー効果を含まないものが多いです。

確実性の低いシナジーをM&Aの買収価格に含めてしまうと、シナジー効果を得られなかった時のリスクを買収会社が負うことになります。それを回避するため基本的には、シナジー効果はM&Aの取引価格に含めません。

しかし、確実性の高いシナジー効果(生産シナジーなど)の分はM&Aの買収価格に転嫁されることが多いです。M&Aにおける会社売却側はできるだけ高い価格で会社を売ろうとしていますが、M&Aの買収価格が低すぎると交渉が成立しない可能性があります。そのため、確実性の高いシナジー分だけは価格に含める傾向があります。

8. 水平型M&Aと垂直型M&Aのシナジー効果

シナジー効果

M&Aには、水平型M&A垂直型M&Aがあります。これらのM&Aから得られるシナジー効果は、異なる部分が多くあります。水平型M&Aと垂直型M&Aから得られるシナジー効果とこれらのM&Aを行う際の注意するべき点について紹介します。

水平型M&Aのシナジー効果

水平型M&Aは同業種でM&Aを行う場合が多いです。水平型M&Aでは、スケールメリットによる生産シナジーが得られ、コスト削減をすることができます。

また、研究開発部門においては同業種であるので研究分野が近い場合もあります。そのため、水平型M&Aにおいて研究開発シナジーが生まれる可能性は高いです。しかし、同業種のM&Aであるため、独占禁止法に抵触しないか注意する必要があります。

垂直型M&Aのシナジー効果

垂直型M&Aは、原料製造メーカーから小売業の会社まで、つまり物流の上流から下流までをグループ化するM&Aを指します。小売業を買収することで、顧客情報や顧客ニーズを開発部門と共有することができ、ニーズに合わせた新製品を開発することができます。

また、生産量についても共有することができるため生産の無駄をなくすことができ、コスト削減につながります。垂直型M&Aは異業種間で連携をとることになります。そのため、グループ会社内での緊密な連携システムを工夫して構築する必要があります。

9. M&Aでシナジー効果を発揮しやすい業界

シナジー効果を発揮しやすい業界

M&Aは多額の資金を用いて行うため、失敗をしたくないと考えている経営者は多いと思います。ここでは、M&Aでシナジー効果を発揮しやすい業界を4つ紹介します。M&Aを検討されている経営者はぜひ参考にしてください。

環境・エネルギー

環境・エネルギー業界の会社とM&Aを行うことで投資シナジーを得る可能性があります。近年、環境・エネルギー業界では再生可能エネルギーが注目されています。太陽光や地熱などの再生可能エネルギーを商業用として利用できるように研究されています。

このように再生可能エネルギーの開発へ投資を行えばシナジー効果を得る可能性が非常に高いと考えられます。

医療

医療業界でのM&Aは近年進んでいます。最近では、地方都市の人口減少により経営難に陥っている病院は数多くあります。このような地方の病院は、患者のために病院廃業を回避するため、M&Aで病院売却を行っています。また、M&Aにより買収会社から経営の基礎のノウハウをもらうことで、病院経営の改善するケースもあります。これらのような事例から地方の病院は、比較的買収しやすいといえます。

一方で、M&Aで買収を行う企業にもメリットはあります。廃業を回避したいと思っている病院は、その地域では有名な病院であることが考えられます。M&Aを行うことでその病院の知名度を利用して買収会社の宣伝を行うことができ、シナジー効果を得ることができます。

農業

農業もシナジー効果を得やすい業界であると考えられます。農業生産品が有名ブランド化されている場合、その知名度を用いて買収会社の宣伝をすることができます。

また、売却側にもM&Aのメリットがあります。近年、農業分野では高齢化が進んでいます。そのため、農業の技術やノウハウを継承したいと考えている農家の人はM&Aに積極的な考えを持っていると思われます。M&Aに積極的な農家は、有名ブランド化した農業品を生産している場合が多いので、買収する機会は多いと思われます。

IT・ソフトウェア

中小企業では、IT・ソフトウェアによるシステムを導入している会社はまだ少ないです。そのため、中小企業がIT・ソフトウェア業界とのM&Aを行うことでかなり大きなシナジー効果を得ることができると思われます。

近年は、物流管理や人事システムなどのハード面のみならず、経営戦略を決めるためのビックデータ活用などソフト面でもIT業界の知識が必要な場面が多くなっています。IT・ソフトウェア業界とM&Aをすることで大きなシナジー効果を得ることができ、売り上げの大幅な向上が見られると考えられます。

ご紹介した業界以外でも、M&A総合研究所であればシナジー効果のある相手企業をご紹介いたします。一緒に会社分析をして、どのような企業をM&Aすべきか戦略を立てていきましょう。

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10. シナジー効果の事例5選

事例

ここまでは、シナジー効果の種類やM&Aによって得られるシナジー効果について解説してきました。ここからは、M&Aによって実際に得られたシナジー効果の事例を5つ紹介します。この記事で取り上げる企業は以下の5社です。

  1. ソフトバンク
  2. ビックカメラとユニクロ
  3. 楽天
  4. ガーデングループ
  5. JT

M&Aのシナジー効果の事例1.

ソフトバンクに事例について紹介します。ソフトバンクは日本企業の中で最もM&Aのシナジー効果を得た企業であるといえます。

ソフトバンクは日本テレコムとのM&Aにより、規模の拡大とインフラ統合による経費削減というシナジー効果を得ることに成功します。そのあと、イギリスのボーダフォンを1兆円以上かけて買収し、さらに急速な規模の拡大に成功しました。

現在、ソフトバンクは株式の時価総額が日本企業で第2位の日本を代表する大企業に成長しました。

M&Aのシナジー効果の事例2.

近年話題になったビックロの事例について紹介します。ビックロは2012年にビックカメラとユニクロが提携して行った新店舗のことです。ビックカメラとユニクロの両社のノウハウを生かして、さまざまな人に喜びと驚きを提供することをコンセプトにビックロはスタートしました。

専門店を集合させることで得られる販売シナジーと、両社のノウハウを生かす経営シナジーを追求していました。

M&Aのシナジー効果の事例3.

次は楽天の事例について紹介します。現在、楽天はカードや銀行の業務だけでなく旅行などのサービスも提供しています。このような「楽天経済圏」のほとんどは、関係会社とのM&Aによってつくられ、今現在でも大きなシナジー効果を得ています。楽天もM&Aによって成功した企業であるといえます。

M&Aのシナジー効果の事例4.

4つ目は、ガーデングループの事例について紹介します。ガーデングループは、カラオケ店「サウンドジョイ」を経営している上の3つに比べて規模の小さいグループ会社です。

この会社の特徴は、再生型M&Aという最もシナジー効果を得にくいM&Aを行って、事業拡を功させている点です。再生型M&Aとは、経営不振に陥っている会社を買収し、その会社の経営を立て直すことでグループ全体の売り上げを押し上げることです。再生型M&Aを成功させるためには、買収会社の経営戦略とノウハウが強いことと事業再生できそうな企業を見分ける力が必要となります。

M&Aのシナジー効果の事例5.

最後はJT(日本たばこ産業)の事例について紹介します。JTもM&Aを行うことで会社の規模を拡大し、成長していった企業です。

日本国内の喫煙者の割合は、1970年代から徐々に下がり続けていました。その傾向は、日本専売公社から民営化された後も続いていたため、売り上げは低下していました。民営化後のJTは、その状況を打開するために1999年にアメリカ企業からたばこ事業を買収しました。M&Aを行った後のたばこの販売本数は約10倍となり、売り上げは大きく向上しました。

JTはその後も、世界のたばこ事業を買収し、現在では世界規模での主要メーカーとなりました。

11. M&Aのシナジー効果を考えてM&Aしよう!

困った顔

M&Aを行う場合は、M&Aによるシナジー効果を発揮するための戦略を考える必要があります。そのためには、M&Aを専門としている仲介会社やM&Aアドバイザリーに相談してみることが重要になります。

M&Aをお考えの経営者におすすめするM&A仲介会社がM&A総合研究所です。M&A総合研究所はM&Aについて専門的な知識を持ったアドバイザーばかりが在籍しており、M&Aのシナジー効果に関してアドバイスをすることができる。また、M&A総合研究所には以下のような特徴があります。

  • M&A総合研究所には、M&A専門の公認会計士が在籍しており、企業会計やマーケティングについて、M&Aの知識等を組み合わせてシナジー効果を数値的に算出できます。
  • 売却会社の紹介を行っており、シナジー効果の強い売却会社を探してM&Aに導くことができます。

M&A総合研究所なら、御社にシナジー効果のあるM&Aの相手企業をご紹介します。豊富な全国ネットワークを使って、御社にぴったりの相手企業を選定できます。

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12. M&Aのシナジー効果まとめ

M&Aのシナジー効果とは、日本語で相乗効果と訳すことができます。

2つ以上の会社が合わさることで1+1以上の成果を残せたときに、「シナジー効果がある」と言えます。たとえば、M&Aでシナジー効果をあるとは以下のようなことです。

  • 下請け企業を買収したことで、より顧客の求める製品に近づけた
  • 販売ルートを増やせる企業を買収したことで、顧客層が拡大した
  • 欲しい技術力の持つ企業を買収したことで、より製品開発に成功した

このように、欲しいものを自社で0から作り上げるのではなく、既に持っている企業を買収することで自社をさらに成長させることができるのです。

M&Aによるシナジー効果でたし算以上の効果を得るためには、以下のシナジー効果を意識しましょう。

  1. 売り上げシナジー
  2. コストシナジー
  3. 研究開発シナジー
  4. 財務シナジー

これらのシナジー効果を得るために、M&A実施をするまえにしっかりと自社分析やM&Aの目的を明確化させることが大切です。かならずM&Aの専門家に相談しながら一緒にM&A戦略を立てていきましょう。

M&A総合研究所であれば、豊富な全国ネットワークを活用して御社とシナジー効果のあるM&A相手企業をご紹介します。買い手でも売り手でも、最適な企業を一緒に検討していきましょう。

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