M&Aの完全成功報酬とは? 費用相場の計算法や注意点・M&A仲介会社の料金体系を紹介

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

M&Aにおける手数料には多くの種類がありますが、今回は手数料のかからない完全成功報酬について解説します。完全成功報酬は使い勝手の良いシステムとして活用されていますが、注意点や計算法などを理解した上で利用を検討するようにしましょう。

目次

  1. M&Aの完全成功報酬とは
  2. M&Aの完全成功報酬のメリットとデメリット
  3. M&Aの完全成功報酬制に関する注意点
  4. M&Aの手数料・報酬体系
  5. M&Aの手数料・報酬の相場
  6. M&A仲介会社の料金体系
  7. M&Aの際の仲介会社の必要性
  8. M&A仲介会社の業務
  9. M&A仲介会社利用のメリット・デメリット
  10. M&A仲介会社選びのポイント
  11. M&Aでは完全成功報酬制の仲介会社を選ぶべき
  12. M&Aの完全成功報酬まとめ
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1. M&Aの完全成功報酬とは

M&A仲介会社に依頼する際に戸惑うことが多いのが、報酬体系のわかりにくさです。わかりやすい完全成功報酬制を強みにして押し出している仲介会社は多いですが、そもそも完全成功報酬制が何か分からない方もいます。

完全成功報酬制は、M&Aの手数料体系で最もシンプルなシステムであり、ほかの報酬体系を理解するためのベースです。M&Aの手数料を理解するには、まず完全成功報酬制の概要を把握しておくことが大切です。

一般的なM&Aの成功報酬

一般的なM&Aの成功報酬とは、M&Aが成約した時点で仲介会社に支払う手数料のことです。M&Aが成功したことで、その対価として報酬を支払う意味合いを持ちます。

成功報酬の額は、株式の譲渡価格などに5%や4%といった一定の料率を掛けて計算するのが一般的です。大企業のM&Aほど成功報酬が高くなる傾向があります。

M&Aの成功報酬は誰が払う?

M&A仲介の手数料(成功報酬)は、売り手と買い手の両方がM&A仲介会社に支払います。

一方、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)の成功報酬は、売り手または買い手のいずれか一方の契約した企業が支払います。

完全成功報酬について

完全成功報酬とは、成功報酬しか手数料が発生しない料金体系のことです。

M&Aの手数料には成功報酬以外にも、着手金や中間金といったさまざまな料金が発生することがあり、これは各仲介会社がそれぞれ独自に設定しています。

例えば、着手金と成功報酬を請求して中間金が無料のところもあれば、着手金・中間金・成功報酬を取るところもあります。

買い手にだけ中間金を取るなど、売り手と買い手で手数料体系を変えている仲介会社も多いです。

このような多様な料金体系の中で、成功報酬以外の手数料がすべて無料の完全成功報酬制は、コストの安さやシステムのわかりやすさにメリットがあります。

【関連】M&A仲介手数料の相場は?計算方法や買い手・売り手の費用の種類も解説!

2. M&Aの完全成功報酬のメリットとデメリット

M&Aの手数料体系は単に安ければよいものではなく、完全成功報酬制にもメリットとデメリットがあります。

M&A仲介会社を選ぶ際は、料金体系のメリット・デメリットを比較したうえで、完全成功報酬制の仲介会社にすべきか、あえて着手金や中間金のある仲介会社にするか選びましょう。

M&Aの完全成功報酬のメリット

M&Aの完全成功報酬のメリットとしては、成約しなければ手数料がかからないコスト面のメリットに加えて、着手金を取る目的で成約しそうにない案件を勧められるおそれがない点も挙げられます。

  • 成約しなければ手数料がかからない
  • 成約しそうにない案件は持ちかけられない

成約しなければ手数料がかからない

M&Aの完全成功報酬制のメリットは、成約しなければ手数料が一切かからないのが大きな点として挙げられます。

着手金や中間金のあるシステムだと、委託契約や基本合意を結んだ時点でM&A仲介会社に手数料を支払うことになり、もしも最終的に成約せずに終わったとしても返金されません。

M&Aを依頼した会社にとっては、時間とお金だけを失って何の利益も得られないことになってしまいます。リスクを負いたくないなら、完全成功報酬制のM&A仲介会社を選びましょう。

成約しそうにない案件は持ちかけられない

着手金や中間金のあるM&A仲介会社では、着手金や中間金を取るために成約の可能性が低い案件を勧めてくることがあるといわれています。こうした仲介会社は質が低いので、ほかの仲介会社に乗り換えるのが賢明です。

一方で、完全成功報酬制のM&A仲介会社ならば、成約しそうにない案件を進めても仲介会社にメリットがないので、成約できそうな案件を提案してもらいやすくなる傾向があります。

M&Aの完全成功報酬のデメリット

M&Aの完全成功報酬制はコスト面では非常にメリットが大きいですが、デメリットもいくつか存在するので注意が必要です。

  • M&A仲介会社が強引に成約を目指すおそれがある
  • やる気のない会社が交渉してくる可能性がある

M&A仲介会社が強引に成約を目指すおそれがある

1つ目に考えられるのが、完全成功報酬制だと、M&A仲介会社が強引な成約を目指そうとしてくるおそれがある点です。

完全成功報酬制は依頼する会社にとってはコスト面で有利ですが、逆にいえばM&A仲介会社にとっては不利です。

仲介会社としては、時間と手間をかけて仲介業務を行ったのに、結局成約せず1円も利益があがらない事態を避けたいと思います。多少不利な条件でも成約を進めて、何とかして成功報酬を得ようとするケースも想定されます。

こうした仲介会社は質がよいとはいえないので避けるべきですが、初期相談の段階で仲介会社の質を完全に見極めるのは難しいです。

やる気のない会社が交渉してくる可能性がある

完全成功報酬制だと、M&A相手の選定や交渉を行った後に破談にしても、買い手はコスト面で痛手をまったく負いません。

完全成功報酬制の仲介会社では、本気でM&Aを行う気がないのに、とりあえず交渉を持ちかけてくるような買い手が混ざっている可能性もあります。

ただし、気軽に交渉を持ちかけられることは、その分多くの選択肢から交渉相手を選べることでもあるため、判断が難しいです。

3. M&Aの完全成功報酬制に関する注意点

M&Aを行う際に完全成功報酬制を採用する仲介会社にサポートを依頼する場合は、特に売却側に注意すべき点が存在します。

売り手に不利な条件のM&Aとなるおそれ

完全成功報酬制は、買収側にとって非常に有利な報酬体系だと考えられています。

買収はM&A成約までの間、売り手の情報(財務資料等)を無料で収集できます。

これに対して、売却側は、「M&Aを検討している」だけの買収に対して、さまざまな情報を提供しなければなりません。売却側にとっては、情報流出・ノウハウ流出など非常に大きなリスクが伴う点に注意が必要です。

4. M&Aの手数料・報酬体系

M&Aを検討している会社が仲介会社に依頼するのを躊躇してしまう理由の一つとして、手数料体系の複雑さが挙げられます。M&A仲介会社の手数料は規則や規制がなく、各社が独自に設定しているのもわかりにくさを助長している要因です。

しかし、規則や規定がないとはいえ、多くのM&A仲介会社は業界の慣習に従った方法で手数料を設定しているので、その大枠を理解しておけば問題ありません。

M&A仲介会社の手数料体系は、相談料・着手金など、以下にあげた料金が発生するのが一般的です。これらすべての手数料を採用する仲介会社は少なく、多くはこのうちのいくつかのみを支払います。

  • 相談料
  • 着手金
  • 月額報酬(リテイナーフィー)
  • 中間金
  • デューデリジェンス費用
  • 成功報酬

相談料

相談料とは、M&A仲介会社と正式な委託業務契約を結ぶ前に行う初期相談の費用です。仲介会社の手数料体系などの基本的な情報を聞いたり、M&Aを行うべきかどうか検討したりするために活用します。

相談料の費用は仲介会社によって違いますが、有料の場合は1回数千円から2万円程度のことが多いです。しかし、相談料は無料の仲介会社のほうが多いので、M&Aで相談料をそれほど気にする必要はありません。

着手金

着手金とは、M&A仲介会社と業務委託契約を結ぶ際に発生する手数料です。金額は有料の場合は数十万円から200万円程度のことが多く、無料の仲介会社も比較的多く存在します。

M&A仲介会社はまず依頼された会社の企業価値を評価し、目的に合うM&A相手の選定などを行います。こういった業務にかかる費用を着手金として請求する名目です。

着手金は最終的にM&Aが成約せずに終わっても、返金されないのが一般的です。成約した場合は、成功報酬から着手金を控除する場合と、別途成功報酬を請求するシステムがあります。

細かいシステムは、初期相談の段階でしっかり質問して齟齬がないよう確認しておきましょう。

【関連】M&Aの着手金とは?相場の決まり方から支払い前の検討事項まで解説!

月額報酬(リテイナーフィー)

着手金・中間金・成功報酬以外に、毎月の月額報酬(リテイナーフィー)を請求するM&A仲介会社もあります。

月額報酬は、M&A仲介業務のために必要な経費や、アドバイザーを専属案件として就かせるための費用などに充てられます。

月額報酬の費用は、月30万円から100万円程度のところが多いです。成約した場合に成功報酬から控除するかどうかは仲介会社によって違うので、月額報酬ありのM&A仲介会社に依頼する際は確認しておきましょう。

月額報酬は毎月かかるものなので、成約が長引くほどコストがかかる特性があります。月額報酬を請求するM&A仲介会社はあまり多くないので、コストをかけたくない場合は無料のところを選ぶのがおすすめです。

特に中小企業M&Aで月額報酬を支払うとコストが高くなりすぎるので、無料の仲介会社に依頼するとよいでしょう。

中間金

中間金または中間報酬とは、M&Aの手続きが半分くらい進んだ時点で支払う手数料のことです。

基本合意締結時に支払うことが多いですが、M&A仲介会社によっては多少タイミングが違うこともあります。例えば、トップ面談を行う時点、意向表明書を受理した時点で中間金を請求する仲介会社も一部あります。

細かいタイミングの違いは重要なので、初期相談の段階で確認しておきたい項目です。もしもトップ面談の時点で中間金が発生するなら、複数社とトップ面談した時に中間金が繰り返し発生するかも必ず確認しておきましょう。

中間金の額は、固定で数百万円程度支払うケースと、成功報酬の5%から20%程度を前払いするケースがあります。前払いの場合は、成約すれば成功報酬から控除されます。

もしもデューデリジェンスや最終交渉で問題が発生して破談になった場合、中間金は返ってこないので注意が必要です。

【関連】M&Aの中間金とは?費用の相場・支払い時の注意点を解説

デューデリジェンス費用

一般的にM&Aでは、基本合意を締結した後のタイミングで、買い手企業が売り手企業を調査するデューデリジェンスを行います。

デューデリジェンスはM&A仲介会社が行うこともありますが、買い手が別途会計士や税理士などを雇って実施することが多いです。デューデリジェンス費用は仲介会社への手数料ではありませんが、買い手にとってM&Aに必要な実費の一つです。

デューデリジェンスにかかる費用は、調査をどれくらい詳細に行うかによって変わります。中小企業のM&Aで財務や税務などの基本的なデューデリジェンスを行う場合、50万円から200万円程度かかることが多いです。

デューデリジェンスはM&Aを失敗しないために欠かせないプロセスですが、小規模なM&Aの場合は売り手の顧問税理士から話を聞くだけで済ませるようなケースもあります。

【関連】M&Aのデューデリジェンス(DD)とは?用語の意味、項目別の目的、業務フロー、注意点を徹底解説

成功報酬

成功報酬とは最終契約を締結した時点で発生する手数料で、M&A仲介会社に支払う手数料のなかでメインとなるものです。仲介会社にM&Aを依頼する際は、まず成功報酬のシステムを理解しておくことが大切です。

成功報酬はレーマン方式で算出するのが一般的

M&A仲介会社の成功報酬は、「レーマン方式」と呼ばれる方法で算出するのが一般的です。

レーマン方式とは、M&Aによって譲渡・譲受した売買金額に一定の料率を掛けて手数料を計算する方法で、売買金額が大きくなるほど料率が下がります。レーマン方式の料率の一般的なテーブルは、下表のとおりです。

売買金額の「部分」と呼ばれる表現が注意したいポイントです。例えば、売買金額が8億円の場合、成功報酬は5億円×5%+3億円×4%=2,500万円+1,200万円=3,700万円となり、8億円×4%=3,200万円にはならないので注意しましょう。

売買金額 料率
5億円以下の部分 5%
5億円超から10億円以下の部分 4%
10億円超から50億円以下の部分 3%
50億円超から100億円以下の部分 2%
100億円超の部分 1%

何を売買金額とみなすかに注意が必要

レーマン方式は手数料率に関してはどのM&A仲介会社もそれほど違わないことが多いですが、何を売買金額とみなすかは仲介会社によって大きく違うので注意が必要です。

売買金額の設定はM&A仲介会社によってさまざまですが、大きく分けると以下に示した4パターンが多いです。

そのなかでも、負債を含むかどうかは成功報酬の額が変わる大きなポイントなので、初期相談の段階で必ず確認しておきましょう。

株価と移動総資産が乖離しているケースでは、譲渡価額ベースか移動総資産ベースかで報酬が大きく変わってくる可能性があるので注意が必要です。

  1. 株式譲渡価額
  2. 株式譲渡価額+負債
  3. 株式譲渡価額+負債-現預金
  4. 移動した総資産の額

最低報酬の存在に注意

成功報酬には、レーマン方式以外に最低報酬額が設定されていることがあるので注意しましょう。

最低報酬額は、大手M&A仲介会社なら1,000万円から2,000万円程度、中小企業M&Aの仲介会社なら300万円から500万円程度に設定していることが多いです。小規模なM&Aの場合、最低報酬額がネックになって依頼できないケースも少なくありません。

【関連】レーマン方式とは?M&A仲介会社の成功報酬や手数料の算出方法からメリットも解説!

5. M&Aの手数料・報酬の相場

M&Aの手数料は、各仲介会社が独自に設定しており非公表のことも多いので、相場が把握しにくい部分もあります。しかし、一般的には、各手数料の相場はおおよそ下表に示した額だといわれています。

手数料 相場
相談料 0円から1,2万円程度
着手金 0円から300万円程度
中間金 0円から300万円程度、または成功報酬の5%から20%程度
月額報酬 0円から100万円程度
デューデリジェンス費用 50万円から300万円程度
成功報酬 レーマン方式。最低報酬は300万円から2,000万円程度

【関連】M&Aの費用とは?相場、算出方法、安くするコツ、仲介会社ごとの報酬体系を解説!

6. M&A仲介会社の料金体系

M&A仲介会社の料金体系は、完全成功報酬制以外にもさまざまなシステムがあります。

仲介会社によって料金体系がまちまちなのは、それぞれのシステムにメリット・デメリットがあり、各仲介会社がどういった考えにもとづいて料金体系を決めているかに違いがあるためです。

例えば、あえて着手金や中間金を有料にすることで、やる気のない売り手・買い手をあらかじめ排除でき、完全成功報酬制よりもサービスの質が高いことを主張する意味合いもあります。

シンプルさの点では完全成功報酬制がわかりやすいですが、着手金や中間金を採用する仲介会社はそれぞれ理念や理由があって採用しているのだといえます。

M&A総合研究所

M&A総合研究所は、売り手企業様は成功報酬のみの完全成功報酬制、買い手企業様は中間金と成功報酬と呼ばれる料金体系を採用しています。

成功報酬の計算方法は譲渡価額ベースのレーマン方式で、M&Aの料金体系のなかでもオーソドックスでわかりやすいシステムです。

当社は主に中堅・中小企業M&Aを手がけており、多数のM&A実績があるアドバイザーが成約までフルサポートいたします。会社売却・事業譲渡に関して、無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

インテグループ

インテグループのM&A仲介会社は、完全成功報酬制を採用しており、着手金、リテーナーフィー、中間金等は発生せず、M&Aが成立した場合のみ報酬が発生する仕組みです。

  • 5億円以下の部分: 5%
  • 5億円超~10億円以下の部分: 4%
  • 10億円超~50億円以下の部分: 3%
  • 50億円超~100億円以下の部分: 2%
  • 100億円超の部分: 1%

※成功報酬の最低額は1,500万円です。売買金額が3億円以下の場合に適用されます。

山田コンサルティンググループ

山田コンサルティンググループは、M&Aに関する幅広いサービスを提供しています。そのサービス内容には、M&Aの事前検討支援、M&Aプランニング、M&Aアドバイザリー、デューデリジェンス・バリュエーション、M&A仲介業務、M&A実行後の統合支援などの総合的なサポートを受けることが可能です。

事前準備から実行後までをトータルでサポートすることを重視しているといえるでしょう。報酬体系については、サポート内容やスケジュールなどにより異なるため、直接の問い合わせが必要です。

TRANBI


「TRANBI」というサービスには、買い手と売り手の双方に向けた料金プランが用意されています。買い手の方向けの料金プランは以下の通りです。契約期間6か月間の定額制で、成約手数料は発生しません。
 

  • TRANBI ベーシック  :3,980円/月
  • TRANBI ビジネス  :9,800円/月
  • TRANBI エンタープライズ :19,800円/月

※売却可能価額により選べるプランが異なります。
売り手の方向けには無料会員制度が用意されています。

M&Aキャピタルパートナーズ

M&Aキャピタルパートナーズは、一般的なM&A仲介業者とは異なり、着手金や企業価値算定費用などの費用が発生せず、基本合意に至るまで無料で支援しているのが特徴です。顧客とダイレクトにつながるため、中間コストが発生せず、報酬体系も成果に基づく2段階報酬のみ発生します。

最終的な成功報酬額の計算にはレーマン方式が適用されています。M&A・事業承継に関する相談は全て無料にて承り、相手企業と基本合意にいたるまで無料で支援を受けることが可能です

日本M&Aセンター

日本M&Aセンターを利用する場合は、費用や売却額などの無料相談から始まります。その後提携仲介契約を締結後に着手金が発生します。

その後、成約時に成功報酬が必要です。着手金を発生させることで、専門家が業務として正規に受託し、コストと時間を惜しまず財務・ビジネスモデル分析、業界調査、企業評価等を実施し、地域やコストの制約なく、最善の相手とのマッチングを可能にすることが特徴です。

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7. M&Aの際の仲介会社の必要性

M&A仲介は士業ではないので、経営者が自分ですべての手続きをこなして自社を売却したり、他の会社を買収したりしても何かの法令に違反しているわけではありません。

実際、M&Aマッチングサイトでは、経営者が自分のみで相手を探して交渉し成約につなげられます。

しかし、M&Aは多くの専門的な手続きを必要とし、相手企業との交渉では交渉術も求められます。M&Aの手続きをきちんと理解し、相手企業探しもできる経営者は少数派です。

たとえ経営者が自分で行うことが可能でも、実際は仲介会社のサポートがなければM&Aを行うのは困難なケースが大半です。

M&Aの手続きに時間と精神力を消費すると、本業の経営に支障が出かねません。M&Aの手続きをできるだけ仲介会社に委託することで、本業への支障を最小限に抑えられます。

仲介会社以外に頼れる専門家の選択肢

M&Aを進める際、以前はM&A専門の仲介会社やFAを頼るのが一般的でした。しかし、最近では「事業承継・引継ぎ支援センター」や「M&Aプラットフォーム」という新しい方法も選べるようになっています。

事業承継・引継ぎセンターは、中小企業の経営者が引退する際に後継者を見つけるのに困ったときのための施設です。各都道府県に1つずつ設置されており、専門家がアドバイスを提供したり、適切な後継者を見つけるお手伝いをしてくれます。

一方、M&Aプラットフォームは、インターネット上でM&Aを希望する企業同士をつなぐサービスです。これを利用すると、伝統的な仲介会社を使うよりも手数料を安く抑えられることが多いです。特に、企業を売りたい側が利用する際の手数料が無料になるプラットフォームもあります。

8. M&A仲介会社の業務

M&A仲介会社の業務は、単純にM&A相手の会社を探すことだけではありません。M&A全体のスケジュール計画やネットワークを利用した専門家の紹介なども、仲介会社の重要な業務です。

  • M&A全体のスケジュール計画
  • M&A先の選定・交渉
  • ネットワークによる専門家の紹介

M&A全体のスケジュール計画

M&Aは半年から1年程度かけて行う非常に長いプロジェクトであり、具体的な手続きの内容も事例によってそれぞれ違ってきます。M&Aを成功させるには、まずM&A全体のスケジュール計画を適切に行うことが必要です。

M&Aがどのようなスケジュールで進められていくかは、初めてM&Aを行う売り手・買い手の経営者には十分にわかりません。M&A仲介会社がしっかりとスケジュールを立てることが大切です。

【関連】M&Aのスケジュールを解説!【買収までの流れ・手順】

M&A先の選定・交渉

M&A先の選定と交渉は、仲介会社の重要な業務の一つです。仲介会社が有している買い手・売り手候補の中から、案件に合った相手をピックアップし、交渉を持ちかけてトップ面談に持ち込まなければなりません。

交渉の場にアドバイザーが立ち会うのも、M&A仲介会社の重要な業務の1つです。トップ面談は売り手・買い手の経営者同士が初めて顔を合わせる場であるので、緊張をほぐして安心して交渉するためにも、仲介会社が間を取り持つことが重要です。

ネットワークによる専門家の紹介

M&Aの相手企業を探すことも重要ですが、デューデリジェンスなどで必要になる税理士や会計士といった専門家を紹介することも、M&A仲介会社の大切な役割です。

専門家は売り手・買い手が自身で用意できるなら問題ないものの、もしも誰に依頼すればよいかわからない場合は仲介会社に紹介してもらう選択肢もあります。

9. M&A仲介会社利用のメリット・デメリット

仲介会社を利用するにもメリット・デメリットがあります。例えば、複雑な手続きを委託できるため、効率的に進められるメリットに対して、高額な費用が発生するというデメリットが存在するといえるでしょう。

メリット・デメリットそれぞれ解説します。

メリット

M&A仲介会社を利用するメリットは、主に手続き上の工数削減や豊富な知識を基にしたトラブルの事前回避といえるでしょう。メリットとなりうるケースを紹介します。

業務の効率化

M&Aプロセスは非常に複雑なため、経営者が自力で進めることは困難です。M&A仲介会社は、専門的な知識や経験を持ち、M&Aに関する業務の大部分を引き受けることができます。

そのため、経営者は通常の経営に専念し、M&Aプロセスに費やす時間を最小限に抑えられます。また、M&A仲介会社は取引相手の探索や交渉、デューデリジェンスなどの業務を効率的に進めることが可能であるため、M&Aプロジェクト全体の工数を削減し、成功確率を高められるといえるでしょう。

取引金額・条件の妥当性が確保される

M&Aにおいて、買い手が割高すぎる金額で買収することや、売り手が割安すぎる金額で売却することは避けなければなりません。M&A仲介会社は、過去の取引事例や市場動向などから適切なアドバイスを提供することで、取引金額や条件が妥当であることを確保します。

M&A仲介会社は買い手と売り手の双方の利益を考慮して交渉を進めるため、バランスのとれた取引条件を実現できるといえるでしょう。

その他のトラブル回避につながる

M&Aは、金額や条件だけでなく、取引のタイミングや手続きなど、様々な問題が発生する可能性があります。仲介会社は、トラブルが発生する前にリスクを事前に認識し、適切な対策を講じることが可能です。

仲介会社は契約書の作成などもサポートしてくれるため、細かい問題まで視野に入れた円滑な取引を実現することができます。

デメリット

M&A仲介会社を利用するデメリットの多くは、費用に関するものといえるでしょう。デメリットとなりうるケースを紹介します。

利益相反が起きやすい

M&A仲介会社を利用する際のデメリットとして、利益相反が起きやすいことが挙げられます。M&A仲介会社は買い手と売り手双方にアドバイスを行いますが、成立しなければ報酬を得ることができません

そのため、M&A仲介会社は取引をまとめることに注力しがちといえるでしょう。そのためM&A仲介会社からのアドバイスについては、必ず内容を吟味して判断することが重要といえます。

着手金や中間金に費用がかかる

M&A仲介会社を利用する場合、着手金や中間金が発生することもデメリットの一つです。契約後、M&Aが成立しなかった場合でも返金されません。

途中で取引を止めることになった場合、支払った費用が無駄になってしまうこともあります。M&A仲介会社に依頼する前に、途中で取りやめる可能性があるかどうかを含めて検討することが重要といえるでしょう。

手数料が高額になりがち

M&A仲介会社やFA会社の手数料が高額になりがちなこともデメリットの一つです。成功報酬の一部として買収価格の5%程度が必要で、その他にも相談料、着手金、中間金、リテイナーフィーがかかる場合があります。

手数料を抑えたい場合は、M&Aプラットフォームを選択することがお勧めです。売り手にとっては、手数料が無料のM&Aプラットフォームを利用することで、手取額を5%以上増やすことができます。

手数料の観点において、M&Aプラットフォームは経済的に最も合理的な選択肢となります。

M&A仲介会社利用以外の方法はある?

M&A(合併・買収)を実施するにあたり、従来はM&A仲介会社やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)に依頼することが一般的でしたが、現在では事業引継センターやM&Aプラットフォームなど新しい選択肢があります。

事業引継センターは、中小企業の後継者不在に悩む経営者に対して、事業引継ぎの助言や後継者のマッチングを支援しています。専門家が地域に密着し、課題解決にあたることが特徴です。

このサービスは無料で提供されているため、M&A仲介会社やFAと比較して費用がかなり抑えられる点が魅力です。

M&Aを行う際に完全成功報酬制を採用する仲介会社にサポートを依頼する場合は、特に売却側に注意すべき点が存在します。

10. M&A仲介会社選びのポイント

M&A仲介会社選びのポイントは、手数料が完全成功報酬制かどうかだけでなく、以下に示したようにさまざまな点があります。完全成功報酬制かどうかだけでなく、さまざまな観点から総合的に仲介会社を選ぶことが大切です。

M&A仲介会社の種類

M&A仲介会社は、主に「プラットフォーム型」「アドバイザー型」「ハイブリッド型」の3種類に分けられます。

プラットフォーム型の仲介会社は、売り手と買い手のマッチング機能を持つプラットフォームを保有している会社です。
アドバイザー型の仲介会社は、M&Aの知識を持つ担当アドバイザーが、最初から成約まで一貫してサポートを行う会社です。
ハイブリッド型の仲介会社は、上記の「プラットフォーム」と「アドバイザー」の両方の機能を持つ仲介会社です。

M&Aの実績

M&A仲介会社はM&Aの専門家なので、どの機関もしっかりした実績を持っているだろうと思うかもしれません。しかし、M&A仲介会社が次々に増えている現状では、実績がほとんどない仲介会社も少なからず存在します。

たとえ完全成功報酬制を謳っていてコスト面で有利でも、実績がない仲介会社を選ぶのは賢明とはいえません。仲介会社自体は実績豊富でも、個々のアドバイザーが実績豊富とは限らない点も注意しましょう。

業界への精通した知識

M&Aでは、売り手・買い手企業の業界動向を見極めることが重要です。アドバイザーがその業界に精通しているかどうかは、仲介会社選びの重要なポイントです。

特に薬局・建設・ITなどM&Aが活発な業種では、その業種のM&Aだけを扱っている仲介会社も存在します。全業種対応の仲介会社でも、ある業種の経験が特に豊富だったり、前職で業種特化型の仲介会社に勤務していたアドバイザーがいたりする機関もあります。

報酬体系の明確さ

M&A仲介会社は報酬体系がわかりにくいのがネックなので、明確なシステムを提示している機関を選ぶことが重要です。

完全成功報酬制の場合でも、株式譲渡価額と移動総資産いずれをベースにするのかといった、報酬の計算方法まで公開している仲介会社は安心できます。

ネットワークの広さ

売り手・買い手の案件を豊富に持っているかM&Aに詳しい会計士や税理士とのつながりはあるかなど、ネットワークの広さも仲介会社選びのポイントです。

保有案件に関しては、自信のある仲介会社ならHPで実績を紹介したり、保有案件の一部を無料で検索できる機能を提供していたりすることが多いです。

士業とのつながりに関しては判断が難しい部分もありますが、例えば士業事務所を母体とする仲介会社ならばネットワークが豊富だと判断できます。

担当者との相性

M&Aで重要になるのが、担当のアドバイザーとの相性です。知識と経験が豊富で仕事の質が高いことはもちろん重要ですが、こちらのM&Aへの思いを親身にくみ取ってくれるかといった、人間的な部分も重要です。

担当者と相性が合わないと感じたら、遠慮せずに別な担当者に替えてもらうよう持ちかけることが大切です。M&Aは大金が動く重要な取引なので、不安要素はできるだけ取り除く必要があります。

11. M&Aでは完全成功報酬制の仲介会社を選ぶべき

M&Aの実施にあたって多額の手数料を請求されると、本来の目的達成が困難になってしまうため、費用はなるべく抑えるべきです。

完全成功報酬制は支払う手数料が成功報酬のみであり、最終的に支払う手数料を抑えやすいです。こうした点を踏まえると、M&Aでは完全成功報酬制の仲介会社に依頼することを推奨します。

12. M&Aの完全成功報酬まとめ

完全成功報酬制は、成功報酬以外全て無料のわかりやすい料金体系です。コスト面では有利ですが、やる気のない会社が交渉してくるおそれがあるといったデメリットが発生することもあります。

各料金体系のメリット・デメリットを見比べて、完全成功報酬制にすべきか判断しましょう。

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