2020年10月20日更新
M&Aの手数料・報酬体系の相場は?M&A仲介会社別を徹底比較!

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。
「M&Aを考えているけど手数料ってどれくらいなの?」とお悩みの方に向け、M&A仲介会社に支払う報酬の種類と相場について具体的な比較を掲示します。手数料・報酬の相場を知り、自分にとってベストなM&A仲介会社を見つけてください。
1. M&Aで支払う手数料の種類と相場
M&A仲介会社の手数料の相場は、一概に言い切ることができません。
なぜならば、手数料にはさまざまな種類があり、支払う額や支払うタイミングはM&A仲介会社によって違いがあるからです。
わかりやすいように、代表的なものを以下の表にまとめました。
相場と内容も含めて7つの種類がありますので、チェックしてみてください。
手数料名 | 相場 | 内容 |
相談料 | 0~10,000円 | 正式な依頼をする前の相談 |
着手金 | 0~200万円 | 業務の本格的な依頼 |
中間金 | 0~200万円 | M&A基本合意契約を締結 |
成功報酬 | 売却費用に左右される | M&A成立時の最終契約を締結 |
リテイナーフィー | 0~200万円/月 | 毎月支払う報酬 |
デューデリジェンス費用 | 0~200万円 | 財務・リスク調査費用 |
業務実行にかかる実費 | 実費 | 出張費や弁護士相談費用など、業務実行に付加して生じる費用 |
このように、手数料と一口にいってもその内容はさまざまです。M&Aで会社や事業を売却する前に、M&A仲介会社の費用額や支払うタイミングについて何社か比較することをおすすめします。また、費用の内容についても事前に知っておくと、より安心です。
それでははじめに、最初にご紹介した7つの手数料について詳しく確認していきましょう。
手数料1.相談料
相談料とは、正式な依頼をする前にM&Aについての相談をするための手数料のことを指します。
ほとんどのM&A仲介会社の相談料は無料です。
しかし、ごくまれに1回の相談につき5,000~10,000円程度の相談料が発生する仲介会社もあります。
念のため、最初の問い合わせの際に電話やメールで相談料の有無を確認しておくとスムーズです。
手数料2.着手金
着手金とは、M&A仲介会社に業務の依頼をするために支払う手数料です。
相場は、50~200万円程度となっていますが、着手金が発生しないM&A仲介会社もあります。
基本的に、着手金は支払うと戻ってはきません。今後のM&Aに必要な売買相手を探すことや、企業価値算定などに使われるからです。本格的に動いてもらうための初期投資として考えましょう。
もし、手持ちの資金に不安があるということなら、支払う必要のないところを選ぶというのも1つの手段です。M&A仲介会社の選定基準の1つにもなるので、こちらも依頼前に確認しておきましょう。
手数料3.中間金
中間金とは、M&Aの基本合意契約を締結したときに支払う手数料です。
相場は、50~200万円程度、または成功報酬額の10~20%という設定の場合もありますが、中間金が発生しないM&A仲介会社もあります。
ちなみに、基本合意契約とは概ねの内容を記載したもので、買い手候補企業が「買収する」という意志を表明するために結ぶことが多いものです。
ただし、基本合意契約を締結するとほぼM&Aは成立するといわれていますが、企業調査などの結果「買収しない」という結論を出される可能性もあります。
基本合意を締結した後の交渉が上手くいかず、M&Aが成立しなかった場合でも返金はありません。
手数料4.成功報酬
成功報酬とは、M&Aが成立して最終契約を結んだ後に支払う手数料です。
M&Aが成立しなかった場合には、支払う必要はありません。
成功報酬の額は、会社や事業の譲渡額を元にレーマン方式と言われる計算方法で決定するM&A仲介会社がほとんどです。
レーマン方式は複雑な計算を用いるため、次の章で詳しく確認します。
手数料5.リテイナーフィー
リテイナーフィーとは、M&A仲介会社に毎月支払う月額の手数料です。
月額報酬・リテイナー報酬などの、別の呼び方をするケースもありますが、リテイナーフィーが発生しないM&A仲介会社もあります。
こちらの相場は30~200万円程度です。
M&Aが成立するまで支払い続けないといけないため、必要を抑えたいなら避けるのも1つの選択肢となるでしょう。
手数料6.デューデリジェンス費用
デューデリジェンス費用とは、M&Aをするにあたって行う財務調査費用のことです。
相場は10万円~80万円程度となっています。
デューデリジェンス費用は着手金や成功報酬に含まれていることが多いため、デューデリジェンス費用のみを設定しているM&A仲介会社はあまり多くありません。
念のため、依頼をする前にデューデリジェンス費用が別途かかるのか確認しておきましょう。
手数料7.業務実行にかかる実費
M&A仲介会社の業務実行にかかる費用は、実費で請求されることもあります。
例えば、会社の評価額の計算のために工場視察や店舗視察を行う場合、出張費用は実費で請求される可能性があるのです。
また、契約書作成時の弁護士相談費用や不動産鑑定、登記および株券印刷などの費用は実費となることがあります。
一方で、全て着手金や成功報酬の中に含んでいるM&A仲介会社もあるので、相談時に確認するようにしましょう。
ここで、全国の中小企業のM&Aに携わっているM&A総合研究所の報酬体系について、お伝えします。
まず、M&A総合研究所は、相談は無料です。対面以外にも電話、WEBでの相談も可能で随時受け付けております。
そして、M&A総合研究所は、完全成功報酬制です。着手金も中間金もリテイナーフィーも、M&Aが成約するまで一切、費用は生じません。仮にM&Aが成約しなければ、一銭の費用も発生しないシステムです。
さらに、M&A総合研究所の成功報酬額は、国内最安値水準です。リーズナブルで無駄な費用発生を気にせず、M&Aの成約を目指せます。無料相談まで、お気軽にお問い合わせください。
2. レーマン方式とは
レーマン方式とは、成功報酬計算方式のことで、M&Aの売却額によって手数料の割合を計算する方法です。
M&A仲介会社のほとんどが、手数料の計算をするときにレーマン方式を用いています。
そのため、M&A仲介会社の手数料について理解を深めるために、レーマン方式の知識は欠かせません。
手数料の割合は一定ではなく、M&A仲介会社によって異なります。
しかし、一般的に採用されている水準があるので、それを売却額ごとに見ていきましょう。
売却額 | 手数料の割合 |
5億円以下の部分 | 5% |
5億円超・10億円以下の部分 | 4% |
10億円超・50億円以下の部分 | 3% |
50億円超・100億円以下の部分 | 2% |
100億円超 | 1% |
このように、売却金額が大きくなるにつれて手数料の割合(%)が減っていくのがレーマン方式です。
10億円×4%と、単純に売却額に手数料の割合を掛けてしまいそうですが、そうではないので注意して下さい。
以下の例を見ながら、計算方法を確認していきましょう。
レーマン方式の計算例
一度、レーマン方式で費用を算出してみましょう。
このようにレーマン方式での報酬額算出は、やや複雑です。
また、あくまでこれは一例のため、M&A仲介会社によって手数料の割合が変わる点は注意してください。
レーマン方式での報酬の場合には、手数料の割合を確認して、実際に計算してみましょう。
3. M&A仲介会社6社の報酬体系比較
M&A仲介会社には、さまざまな報酬体系があります。
そのなかでも代表的な6社を例として、以下にまとめました。
会社名 | 報酬体系 |
M&A総合研究所 | 完全成功報酬型 (中間金ナシ) |
クラリスキャピタル | 完全成功報酬型 (中間金ナシ) |
M&Aキャピタルパートナーズ | 完全成功報酬型 (中間金アリ) |
経営承継支援 | 完全成功報酬型 (中間金アリ) |
日本M&Aセンター | 着手金+成功報酬 |
ストライク | 着手金+成功報酬 |
完全成功報酬型とは、M&Aの基本合意がなされて初めて費用が発生する報酬体系です。
また、同じ完全成功報酬型であっても、中間金のアリ・ナシといった違いがあります。
一方、着手金+成功報酬は、依頼をする時に費用を払い、さらに基本合意がなされた後にも費用を支払う必要があるのです。
ここからは、紹介した6つのM&A仲介会社について、詳しく特徴を確認していきましょう。
M&A仲介会社1.M&A総合研究所
M&A総合研究所の報酬体系は、業界最安値水準の完全成功報酬型です。
M&A仲介会社で必要になることが多い以下3つの費用が、完全無料となっております。
- 着手金
- 中間金
- 月間報酬(リテイナーフィー)
お客様を第一に考えた結果、まずは一歩目を踏み出しやすいよう着手金は完全無料です。
また、仲介会社の利用で起きやすい「M&Aが成立しなければお金だけを失ってしまう」というリスクも心配いりません。
満足できるまで検討していただくためにも、中間金から月間報酬まで全て無料となっております。
つまり、どれだけご利用いただいても、M&Aが成立するまでは全く料金がかからない報酬体系です。
そのほか、以下のサービスも全て無料でご利用いただけます。
- M&Aの検討提案
- 企業価値算出
- 買い手候補の提示
- 買い手候補への説明資料作成サポート
- 買い手候補との面会セッティング
- 買い手候補の診断サポート
M&A成立まで完全無料で徹頭徹尾のアドバイス・サポートを実施しています。お気軽にご相談ください。
M&A総合研究所の特徴
M&A総合研究所の特徴は、常に約数千件以上の会社の中から売却先を選ぶことができることです。
経験豊富なM&A専門アドバイザーがM&Aをフルサポートするので、企業価値評価やデューデリジェンス、交渉にかかる時間が短縮されます。
そのため、他の仲介会社と比較して半分近く早い、3ヶ月~半年というスピード成約でクロージングすることができるのです。
短期間で早く会社や事業を売却したい場合には、お気軽にお問い合わせください。
会社名 | M&A総合研究所(非上場) |
業者のタイプ | アドバイザリー型 |
得意な業種 | 非特化型 |
対応地域 | 日本全国 |
報酬体系 | 完全成功報酬型 |
公式ホームページ | https://masouken.com/lp01 |
M&A仲介会社2.クラリスキャピタル
クラリスキャピタルの報酬体系は、完全成功報酬型です。
着手金や中間金の必要はありませんので、M&Aが成立してから報酬を支払う形となります。
なによりも大きな特徴となっているのがリーズナブルな料金設定です。
成功報酬の計算に用いられる通常のレーマン方式よりも1%低い手数料で報酬金額を算出します。
また、取引価格が1億円以下の場合、成功報酬は以下の固定手数料となる見込みです。
売却額 | 成功報酬 |
5,000万円超1億円以下 | 300万円 |
2,500万円超5,000万円以下 | 250万円 |
2,500万円以下 | 200万円 |
このように、売却額に合わせて成功報酬は安くなる仕組みです。
ですから、事業の規模に関係なく相談してみると良いでしょう。
クラリスキャピタルの特徴
クラリスキャピタルは、東京を中心に全国展開する2014(平成26)年に設立されたM&A仲介会社です。
経験豊富なアドバイザーが出会いを大切にし、親身な対応・アドバイスをしてくれます。
顧客を大切にし、丁寧かつ迅速な対応ができることから利用者の満足度は高いようです。
クラリスキャピタルの強みは、対応できる企業の幅にあります。
多種多様な事業や店舗に対応し、上場企業から中小企業、個人店舗などでもリーズナブルな料金で依頼可能です。「うちは規模が小さすぎて売却対象にならないかも」と不安な方でも、まずは声を掛けてみましょう。
また、無料で個別相談会も開催しているほか、相談しても必ず依頼しなければならないという縛りもないので安心です。
会社名 | クラリスキャピタル(非上場) |
業者のタイプ | 仲介型 |
得意な業種 | 非特化型 |
対応地域 | 日本全国 |
報酬体系 | 完全成功報酬型 |
公式ホームページ | http://clarisc.co.jp/ |
M&A仲介会社3.M&Aキャピタルパートナーズ
M&Aキャピタルパートナーズの報酬体系は完全成功報酬型です。
着手金を無料にしていることで、費用に縛られることなく納得できるまで良い相手を探せます。
他にも、中間金や月間報酬も無料で安心できるほか、以下のサービスにも料金はかかりません。
- 査定提案
- 企業価値算出
- 相手候補の提示
- 説明資料作成支援
- 面会機会の設定
成功報酬は一般的に使われているレーマン方式ですから、成功報酬が高すぎることもないでしょう。
安心できる料金体系で、検討初期から成約まで、コンサルタントから丁寧にサポートしてもらえます。
M&Aキャピタルパートナーズの特徴
M&Aキャピタルパートナーズは、中堅・中小企業のM&A実績を多く持ちます。
さらに、M&Aという言葉がない時代から、30年以上にわたって多くの実績を積み重ねているのも特徴です。
その積み重ねてきた実績と経験から打ち出されたプランで、経営課題の解決に動き出してもらえるでしょう。主に東京を中心にさまざまなM&A案件を持っており、経営者に対する直接提案力によって、納得できるM&Aに動き出せるはずです。
見逃せない大きなポイントが専任のコンサルタントが一貫して担当してくれる点です。
検討初期から成約までサポートしてもらえることで、柔軟かつスピーディに意見を取り入れてもらえます。
そのため、経営者と同じ目線・同じ想いでM&Aを進めてもらえることから満足度の高い仲介会社と言えるでしょう。
事業や会社に思い入れが強い人やゆっくり検討したい人におすすめのM&A仲介会社です。
会社名 | M&Aキャピタルパートナーズ(上場) |
業者のタイプ | アドバイザリー型 |
得意な業種 | 非特化型 |
対応地域 | 東京近辺 |
報酬体系 | 完全成功報酬型 |
公式ホームページ | https://www.ma-cp.com/ |
M&A仲介会社4.経営承継支援
経営承継支援は完全成功報酬型です。
着手金や月間報酬は不要ですが、中間金(100万円)のみ必要となります。
ですから、支払のタイミングは基本合意後に中間金、M&A成立後に成功報酬という形になるでしょう。
成功報酬は、通常のレーマン方式の割合で計算されます。
他にも「事業承継・M&A無料診断サービス」も特徴的です。
最良の選択なのか踏ん切りがつかないときには、相談することで最適なプランなのかなど細かいアドバイスをもらえます。類似のケースなども教えてくれるので、自信をもってM&Aに踏み切れるようになるはずです。
経営承継支援の特徴
経営承継支援は、中堅・中小企業の事業承継問題を解決することに特化したM&A仲介会社です。
全国に1,000以上の独自ネットワークを持っており、全国対応しています。
一般的にM&A仲介会社はM&Aを前提として話を進めるのが通常です。
しかし、経営承継支援では、親族承継・役員承継・M&Aなどさまざまな選択肢を検討してくれます。
経営者目線で、ベストな選択を探してくれる仲介会社といえるでしょう。
会社名 | 経営承継支援(非上場) |
業者のタイプ | アドバイザリー型 |
得意な業種 | 非特化型 |
対応地域 | 日本全国 |
報酬体系 | 完全成功報酬型(中間金あり) |
公式ホームページ | https://jms-support.jp/ |
M&A仲介会社5.日本M&Aセンター
日本M&Aセンターでは、着手金と成功報酬を支払う必要があります。
相談は無料ですから、まずは気軽に相談するところから始めることができるでしょう。
また、中間金も無料となっています。
無料相談ではおおまかな売却額を査定してもらえるので、本当に売れるのかという先の見えない不安を取り除けるかもしれません。
ある程度の方針が決まれば着手金を支払い、本格的にM&Aのアドバイスとサポートを受けていく流れとなります。
一見デメリットのように見える着手金ですが、支払うことで専門家が業務として正規に受託し、最善の相手とマッチングしてもらえます。
ですから「あまりその気はないのに登録してみた」という企業がいないので、低リスクを実現しているといえるでしょう。
報酬は一般的なレーマン方式を使い、M&A成立後に支払いとなります。
日本M&Aセンターの特徴
日本M&Aセンターは、コンサルタントが多数所属している大手M&A仲介会社です。
案件の保有数も多く、多種多様な事業での実績があります。
ネットワークを生かした圧倒的な情報量は、最適な相手選びでも大きな強みを持っているといえるでしょう。
豊富な案件から売却先や買収先を選ぶことができるのは大きな強みとなるでしょう。
また、「こうした条件で売却したい」という要望にも応えてもらいやすいです。
シンガポールにも拠点を持っており、アジアの会社とのM&Aにも対応しています。
幅広い取引を検討されている方は一度相談してみてください。
会社名 | 日本M&Aセンター(上場) |
業者のタイプ | アドバイザリー型 |
得意な業種 | 非特化型 |
対応地域 | 日本全国・アジア全域 |
報酬体系 | 着手金と成功報酬 |
公式ホームページ | https://www.nihon-ma.co.jp/ |
M&A仲介会社6.ストライク
ストライクは、着手金と成功報酬が必要です。
事前の相談に料金はかかりません。
無料相談後、M&Aに向けて話を進めていくのであれば、着手金を支払い引き続き依頼する形です。
また、成功報酬の支払いタイミングは基本合意後となります。
公式ページには詳しい記述がありませんので、無料相談時に費用についても確認しておくと安心して進められるでしょう。
ストライクの特徴
ストライクは、M&Aの重要業務である企業評価や譲渡スキームの立案などに精通した腕利きの公認会計士、金融機関出身者などが揃っています。
広範な情報ネットワークを活用したマッチングと、丁寧かつスピーディな取引によって人気のある会社です。
また、もう1つの強みは、金融機関や会計事務所と密な連携を取りながらM&Aの情報収集をしていることです。
後継者問題が背景にあることや、どれほどの企業がM&Aを検討しているのかなどの情報は雑誌や新聞にも取り上げられています。
また、M&A市場SMARTというM&A情報を配信するサイトも運営しており、相手企業を素早く見つけるサポートを提供しているのも特徴的です。
日本で初めて導入されたこのサイトは、時間と空間の成約を受けることなく有効なマッチングをリードするとして高い評価を得ています。
手早くM&Aを進めていきたい人や、公認会計士ならではのノウハウを活用したM&Aを検討している人におすすめできるでしょう。
会社名 | ストライク(上場) |
業者のタイプ | 仲介型 |
得意な業種 | 非特化型 |
対応地域 | 日本全国 |
報酬体系 | 着手金・成功報酬 |
公式ホームページ | https://www.strike.co.jp/ |
4. M&A仲介会社の役割
M&A仲介会社が行ってくれる業務は、大きく分けて4項目あります。
- スケジュールと戦略の決定
- 売却先の選定
- 売却条件の交渉
- 弁護士や会計士などの交渉
「大金を支払ってまでM&A仲介会社にお願いするメリットってあるの?」と感じる人もいるかと思います。
そもそもM&A仲介会社の役割は、M&Aにおいて専門家の視点から総合的にサポート・アドバイスをすることです。
どのような内容なのか、1つずつ詳しく確認していきましょう。
業務1.スケジュールと戦略の決定
M&A仲介会社では、最初にM&Aのスケジュールを検討して組み立てていくところからスタートします。
売却時期や工程など、要望に合わせて調整してくれるので、希望があれば必ず伝えるようにしましょう。
大体の目安ですが、検討から成立までは約3~6ヶ月、長くて1年ほどの期間が必要です。
話し合いから決定、動き出しから引き継ぎまでさまざまなプロセスを進めなければいけません。したがって、なるべくスピーディかつ確実に終わらせるためには、専門家とともに組み立てたスケジュールが必要不可欠です。
スケジュールがある程度できあがるときには、自社の強みや弱みをしっかりと再認識できるほど、細かく調べ終えているでしょう。
出てきた情報と過去の事例や持っている情報をフル活用し、専門家とともにスケジュールや戦略を決定していきます。
業務2.売却先の選定
スケジュールと戦略を立てたら、次は売却先の選定です。
M&A仲介会社に依頼している場合は、自社が求める相手企業の詳しいイメージを伝えていくことで、条件に合わせてアドバイスや買い手企業の提案が受けられます。
どのような方法でも、すぐに売却先が見つかることもあれば時間がかかる場合もあるのは認識しておいてください。また、どの程度までの条件なら許容できるかなど、よりイメージを具体化しておくと見つけやすくなるでしょう。
そして、幅広いネットワークを持っている仲介会社を見つけることは、M&Aにおいてとても大切です。1つの仲介会社だけではなく、複数に相談してみる方法もありますので、ぜひ検討してみてください。
複数のM&A仲介会社に依頼することで、異業種で開拓をしたいという企業を見つけることができるかもしれません。
このように売却先選びはM&Aにおいてとても重要ですから、仲介会社にも協力してもらって進めていく必要があるといえるでしょう。
業務3.売却条件の交渉
売却先の候補が決まったら、続いて売却条件の交渉に入ります。
当たり前ですが、買い手はできるだけ低価格で買収したいと思っていますし、リスクになる可能性のあるものは買収対象から外したいと考えるでしょう。
買い手から「この条件でなければ買わない」と言われたら、売り手側は圧倒的に不利な立場となってしまうのです。
しかし、M&A仲介会社なら売り手の味方となり交渉を進めてくれます。
こちらの要望の伝え方や妥協した方がよい条件など、状況に合わせて的確にアドバイスしてくれるのです。
初心者ではわからない部分も、過去の事例をもとにしっかりとアドバイスしてもらえます。
特に公認会計士や弁護士など士業のいる仲介会社を利用すると、より心強いです。
業務4.弁護士や会計士などの紹介
事業の規模によっては、弁護士や公認会計士がいないこともあるかもしれません。
そういった場合には、仲介会社にM&Aに強い専門家を紹介してもらうことも可能です。
専門家ですから、豊富な知識と経験をもとに的確なアドバイスをもらえるため、今後の流れもスムーズになるでしょう。
特に、契約書の作成や企業価値の適正な判断、会計処理は、専門知識がなければできないものです。
紹介してもらえる専門家であれば、細かい注意点まで豊富な経験と知識で対応してくれるでしょう。
5. M&A仲介会社を利用するメリット
「買い手は見つかりそうだし、大丈夫」と思っていませんか?
M&Aは買い手を見つける以外にも多くの手続きがあります。小さな失敗も後々トラブルを引き起こす原因になりかねません。
ですから、専門家であるM&A仲介会社を利用する方が安心です。
ほかにも、M&Aを行う際に仲介会社を利用するメリットは以下の3つがあります。
- 経営者が本業に専念できる
- 取引の適正さを確保できる
- 思わぬトラブルを回避できる
それぞれ順番に見ていきましょう。
メリット1.経営者が本業に専念できる
M&Aの検討から成約までをサポートしてもらうことで、経営者は本業に専念することができます。
M&Aには膨大な知識や情報が必要です。
また、検討から成約まではおよそ3ヶ月~1年の期間がかかります。
期間中であっても本業は続けていく必要がありますから、両立が難しくなり収益性が下がってしまうこともあるでしょう。
収益性が低くなれば今後のM&Aの成り行きにも響いてしまいますので、本業は手を抜くことができません。
そこで、仲介会社を通すことによってM&Aのほとんどを任せれば、本業に支障を出さずに進めることができるというわけです。
メリット2.取引の適正さを確保できる
M&A仲介会社を利用することで、取引そのものが適正であるかどうかを判断することもできます。
売り手はできるだけ高く売りたいと思っているのと同様に、買い手はできるだけ安く買いたいと思っているでしょう。そんな状況の中、第三者の視点から適正な金額・条件を判断してもらうことにより、スムーズに交渉が進みます。
もし、買い手側に専門家がついていても、代理で自社の専門家が交渉をしてくれるため、希望の売却価格での取引を成功させやすいでしょう。
多くのM&Aを見てきた仲介会社だからこそ、取引が適正であることを判断することができるのです。
メリット3.思わぬトラブルを回避できる
M&A仲介会社を通して契約することで、思わぬトラブルを回避することもできます。
もし仮に、仲介会社なしで売却の話が上手くまとまったとしても、最終契約のタイミングで思いもよらないトラブルが発生する可能性は十分にあり得ます。
例えば、最終契約の直前に買い手からこんな交渉が入ることもあります。
買い手:
「思っていたよりもノウハウや技術力が不足している。決算書にはなかった含み損や回収不能債権もある。これにより買収価格を大幅に引き下げたい。」
売り手:
「最終締結の直前に言うのはおかしいのでは。事実はちゃんと事前に提示していたし、従業員や会社を守るためにも、これ以上の価格の引き下げには応じられない。」
このように、お互いが譲れない主張をし合っている間に決裂してしまうこともあるのです。
仲介会社は、考えられるトラブルを回避したうえで契約のサポートをしてくれます。
不慣れが原因で事前に想定しきれずに起こってしまうトラブルは、M&Aにおいても非常に多いです。
M&Aに関して知識と経験が豊富な仲介会社を頼ることで、スムーズに契約が成立します。
6. M&A仲介会社を選ぶポイント
M&A仲介会社に依頼することで、個人や企業が独自でM&Aを行うよりも成功率を高めることができます。
「でも、どこに相談したらよいのかわからない」というケースが多いのが現状です。
そこで、数多くあるM&A仲介会社を絞り込むのに最適な、以下4つの選ぶポイントを紹介します。
- タイプで選ぶ
- 取り扱い実績を確認する
- 特定の事業に特化しているのか確認する
- 料金体系を確認する
これで依頼先をスムーズに決められるようになるはずですから、参考にしてみてください。
ポイント1.タイプで選ぶ
M&A仲介会社を絞り込むためにも、タイプを見て選びましょう。
先に結論をお伝えすると、曲げられない条件がある・親身になって相談を聞いてもらいたいというならアドバイザリータイプがおすすめです。
条件はそこまで厳しく設定しないでスピード感を求めたい、ということなら仲介タイプがマッチしています。
なぜこのような結果になるのか具体的に説明すると、M&A仲介会社には以下2つの型(タイプ)に大別できるからです。
- 仲介型
- アドバイザリー型
『仲介型』は、売り手と買い手の中間に位置しており、双方の意見をまとめてM&Aを成立させるタイプの仲介会社です。お互いが納得できるように意見をすり合わせて調整する方法ですから、成立しやすいのがメリットとなります。
しかし、M&Aは成立しやすい分、納得できるよう調整することで価格が下がる可能性がありますので低価格になることがあるでしょう。
一方、『アドバイザリー型』は、それぞれからM&Aを依頼される形ですから、依頼主に寄り添うようにM&Aが進みます。交渉するときも、できる限り依頼した内容になるように進めてくれますので、希望通りの取引ができるようになるはずです。
こうした型の違いにも目を向けることで、ある程度、相談先を絞り込むことができます。
ポイント2.取り扱い実績を確認する
M&A仲介会社を選ぶときには、自社と同規模の企業のM&Aに関わった実績があるかどうかも気になるところです。
M&Aでは、案件の規模によって必要な能力やスキルが異なります。
したがって、経験豊富な仲介会社に依頼することができれば、希望通りに取引を進めることができます。
例えば、中小規模のM&A実績が多いのか、大企業のような規模の大きいM&A実績が多いのかを見てみましょう。
また、どのようなアドバイザーがいて、どういった業種の経験が豊富なのか見てみるのもおすすめです。
大抵の場合、ホームページに得意分野や実績を掲載しているので、取り扱ってきた案件の内容を事前に見ることができます。
無料相談を使って聞いてみるのも1つの手ですから、自社と同規模企業のM&A実績があるかどうかは前もって確認してみてください。
ポイント3.特定の事業に特化しているのか確認する
M&A仲介会社は『業界特化型』と『非特化型』という分類もできます。
違いは、特定業界のM&A案件を取り扱っているかどうかです。
業界特化型と呼ばれるM&A仲介会社を選ぶことができれば、高い知識と経験で、より依頼内容に合うよう成立へと動き出してもらえるでしょう。
以下のような業種の方は、特に業界特化型がおすすめです。
- 介護業界
- 店舗系ビジネス
- 病院
- クリニック
- 薬局
- WEBサイト
M&Aが活発な業種ですから、知識と経験は大きな強みとなります。
しかし、ここで注意したいのは、全ての業界向けに特化型の仲介会社があるとは限らない点です。
業界特化型がなければ、非特化型に依頼するようにします。
非特化型のM&A仲介会社は、多種多様な業界とのマッチングが得意です。
業界特化型よりも幅広いネットワークを持っていることが多いため、より多方面での売り手・買い手探しをすることができます。
事業の拡大や他業種の確保などを目的にM&Aの相手探しをしている企業も多いので、非特化型ならではのメリットを受けることができるでしょう。
どのような相手を探しているかで『業界特化型』か『非特化型』か、選んでみてください。
ポイント4.料金体系を確認する
最後に料金体系をチェックしましょう。
一言に成功報酬といっても、『完全成功報酬型』と『そうでない場合』があります。
もし、費用を徹底的に抑えたいと考えるなら、完全成功報酬型を選ぶのがおすすめです。
M&Aが不成立の場合では費用がかからず、成立するまで徹底的にサポートが受けられます。費用だけ失ってしまい、今後のことも考えられない状態を避けることもできるのです。
つまり、余計なコストのことを考えずにM&Aに集中したいという人は、完全成功報酬型を選ぶと良いでしょう。
料金体系がホームページに記載されていないM&A仲介会社もあるため、必ず面談時に自身で確認をしましょう。
7. まとめ
M&Aで必要な手数料は、会社や事業の売却価格によって大きく異なります。
また、M&A仲介会社によっても報酬体系が異なるため、一概に金額を言い切ることができません。
しかし、以下7つの手数料があることを知っておき、相談時におおよその概算を出してもらうようにしましょう。
手数料名 | 相場 | 備考 |
相談料 | 0円~10,000円 | 正式な依頼をする前にM&Aについての相談をするための手数料 |
着手金 | 0~200万円 | M&A仲介会社に業務の依頼をするために支払う手数料 |
中間金 | 0~200万円 | M&Aの基本合意契約を締結したときに支払う手数料 |
成功報酬 | 売却費用に左右される | M&Aが成立して最終契約を結んだ後に支払う手数料 |
リテイナーフィー | 0~200万円/月 | M&A仲介会社に毎月支払う月額の手数料 |
デューデリジェンス費用 | 0~200万円 | M&Aをするにあたって行う財務調査費用 |
業務実行にかかる実費 | 実費 | 出張費や弁護士相談費用など、業務実行にかかる費用 |
M&A仲介会社の役割やメリットを十分理解し、良いM&A仲介会社の選び方を知ることが大切です。
無駄なコストをかけずに会社や事業を売却しましょう!
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