休眠会社の売買の方法・相場からメリット・注意点まで徹底解説!

取締役 営業本部長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

現在、休業状態の休眠会社は相当数眠っています。中には高い価値を持つ休眠会社もあります。そのような休眠会社を売買する方法について解説しました。休眠会社を売買するメリットや売却・買収する際の相場から、税金に関する注意点までご紹介します。

目次

  1. 休眠会社とは
  2. 休眠会社の売買方法
  3. 休眠会社の売買メリット
  4. 休眠会社を売買する際の注意点
  5. 休眠会社とペーパーカンパニーの違い
  6. 休眠会社の売買を専門家に相談する場合
  7. 休眠会社の売買方法まとめ
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1. 休眠会社とは

まずは、休眠会社の定義や休眠会社の発生理由を解説します。

定義

休眠会社とは、登記はされているものの、長い間運営実態がない企業のことです。会社法では「株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過したもの」と定められています。

休眠会社として登録するには、税務署や都道府県、市区町村に届出する必要があります。届出は簡単で費用もかからないので、届出しておいた方が税金の面でお得になるでしょう。

法務局による整理作業

法務局では、2014年度から休眠会社の整理作業を続けています。登記所から休眠会社に通知が届いてから2カ月以内に届出しないと、解散したものとみなされ、みなし解散の登記がなされます。その後、3年以内に株主総会によって継続の決議がなされれば、株式会社を継続可能です。もし、何もしなければ3年後に解散となります。

発生理由

会社を廃業にせず休眠会社とすることにはさまざまな理由が考えられます。多い理由として、チャンスがあればいずれまた事業を再開しようと経営者が考えている場合や、会社を清算する手続きが面倒、その気力すら失っていることなどがあるでしょう。

会社を始めたもののすぐに別会社を作ることになった理由も頻発しています。会社を設立したときの事業から別事業に転換したり、事業を増減したりする過程で、必要のない会社が出てきて休眠させるケースがよくあります。

他にも、小規模の会社の場合は社長が突然の病気や死亡で営業できなくなったり、後継者不在で一時的に営業を止めたりと、やむを得ない場合の理由もあるでしょう。

休眠会社でも売買は可能?

休眠会社を売却する場合、許認可を有する会社であると買い手が現れる可能性があります。例えば、宅地建物取引業、旅行業、種類免許などの事業を行っている会社です。

許認可を取得するまでには時間も費用もかかるため、許認可をすでに取得している会社を買収した方が早く事業をスタートできるといったメリットがあります。したがって、何らかの許認可を有する会社であれば、休眠会社でも売買は可能といえるでしょう。

休眠会社でも、繰越欠損金を有すると売買できる可能性があります。休眠会社の事業をそのまま継続させる場合、繰越欠損金を活用できすが、以下の要件に該当する会社であると繰越欠損金が使えませんので、注意が必要です。

  • 買収前に事業を行っておらず、買収後に新規事業をスタートする
  • 5割超の株主が変わった休眠会社で新規事業をスタートする

休眠会社を売却したものの、売却後に簿外債務や偶発債務があった場合、売り手は買い手に損害賠償を支払わなければならない可能性もあります。したがって、休眠会社の売買を検討する際は、M&A仲介会社などの専門家に相談をしながら進めるのがベストでしょう。

2. 休眠会社の売買方法

続いて具体的に休眠会社を売買する方法を解説します。

売るための方法

まずは休眠会社を売る方法をご紹介します。売却するためには、以下のポイントに注目しましょう。

  • 許認可獲得
  • 繰越欠損金の有無
  • 債務の明確化
  • 許認可の有無

許認可獲得

休眠会社を売却するには、買う側にメリットが必要です。しかし休眠会社は営業を停止しているので、キャッシュフローは生み出しません。それでも売れる休眠会社は、何かしらの許認可を持っています。

許認可が必要な業種はたくさんあります。例えば、飲食店、自動車関連、中古品関連、病院や介護などです。許認可を得るにはそれなりの年数やお金がかかるものもあるでしょう。

休眠会社を買うことによって、そのような許認可を申請することなく、しかも相場よりも安く手に入れることに大きなメリットがあります。そこで、許認可を獲得することで休眠会社を売却する方法もあります。

繰越欠損金の有無

繰越欠損金を目当てに休眠会社を買う場合もあります。繰越欠損金とは、その年度に出た赤字を翌年度以降の黒字と相殺できる制度です。これにより黒字になった分にかかる税金を軽減する方法があります。

これまで繰越欠損金は改正を繰り返しています。平成28年度の税制改正により、平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額の繰越期間は10年とされました。

大企業は改正によって、平成29年4月1日から繰越欠損金で控除できる金額が50%に下げられました。大企業のメリットが減りましたが、中小企業はこれまでと変わらず全額控除されます。しかし、この繰越欠損金目当てで休眠会社を買う方法には危険も伴います

休眠会社の繰越欠損金を利用する場合、条件によっては制限がかかるでしょう。新事業ではなく、休眠会社の既存の事業を継続する場合繰越欠損金が使えます。この方法を使った戦略はいろいろありますが、買収側に繰越欠損金のメリットがあれば売却しやすくなります。

債務の明確化

休眠会社を買うときに買い手が不安を感じるのが、休眠会社側が債務を隠しているのではないかです。売買の前に買い手側はデューデリジェンス(企業の調査)を行いますが、全てのリスク要因を洗い出せるわけではありません。会社を買収した後に問題が出てくることはよくあります。

そのリスクを避けるために、売却側と買収側で表明保証条項について話し合う方法が一般的になっています。表明保証条項とは、売却側の会社が正確な情報を公開していて、「隠しごとはありません」と保証する証明書です。しかし、売却側はなるべく高く売るために、表明保証条項に不利な条件を挙げたくありません。

リスクを少なめに公表したり、隠したりする方法を取る場合があります。ところが、表明保証の違反となり、売買が成立できず違約金を請求される可能性もあるでしょう。債務は明確にしておくのが良い取引につながります。

許認可の有無

休眠会社を売るときは、許認可も承継できるかどうかを確認しておく必要があります。

経営力向上計画の特例を利用し第二会社方式を活用すると、買い手は許認可の再取得をしなくても事業をスタートするのが可能となります。第二会社方式とは、財務状況が悪化した中小企業の再生手法です。

収益性のある事業を買い手に引き継ぐ場合、そのまま許認可を引き継げます。これは、できるだけ迅速に営業開始するための特例となっています。ただし適用されるのは、以下の事業に限定されるため、注意が必要です。

  • 旅館営業
  • 一般建設業
  • 一般旅客自動車運送事業
  • 一般貨物自動車運送事業
  • 火薬類の製造販売
  • 一般ガス事業
  • 熱供給事業

免許の引き継ぎができるのは、株式譲渡によって会社を売却するケースに限られるでしょう。

買うための方法

休眠会社を買う方法は、一般的なM&Aと同じです。買収したい休眠会社が決まったら、公開された休眠会社の情報や相場を基に検討します。その後休眠会社の代表と面談し、納得できれば買収条件を書いた意向表明書を提出し、休眠会社側が納得すれば基本合意契約書を締結します。

ここから休眠会社のデューデリジェンス(会社の調査)を行い、問題がなければ最終譲渡契約書の締結です。クロージングまで何の問題もなく済めば、買収完了です。

休眠会社の売買手順

休眠会社の売買とはいえ、株式や権利の譲渡・売却が発生することもあり、その売買手順は一般的なM&Aと変わりません。簡単な流れは以下のとおりです。

  • 休眠会社売買の相談と簡易的な戦略策定
  • 休眠会社売買に向けての委託契約・本格的な戦略策定
  • 休眠会社売買の手続きや各種契約書の締結
  • デューデリジェンスや条件交渉
  • クロージング

3. 休眠会社の売買メリット

続いては休眠会社を売買するメリットを解説します。主なメリットは以下の6つになります。

  1. 安価で買収できる
  2. 社歴獲得
  3. 帳簿あり・決済あり・納税済の場合
  4. 許認可獲得
  5. 再開の手間が省ける
  6. 廃業コスト・手間がかからない

①安価で買収できる

休眠会社を買収するメリットとして、相場よりも安く購入できる点があります。安く買収できる理由は主に以下の2つです。

資本金不要

休眠会社を買収すると、資本金が必要ありません。しかも、例えば資本金1,000万円の休眠会社を買収すると、実際には1,000万円の資本がなくても、資本金1,000万円の会社を設立したのと同じことになります。

資本金は会社の信用度に関わるので、金融機関から融資を受けやすくなったり、取引先を開拓しやすくなったりします。株式会社を設立する最低資本金は、旧制度では1,000万円でした。

現在、株式会社を作る際は制度上1円から設立できますが、実際は数百万円以上の資本金で株式会社を設立することがほとんどです。

有限会社の場合も、現在は新規で設立はできませんが、1990年以降最低資本金が300万円だった時代がありました。それが休眠会社を買収することで、資本金なしで相場よりも安く手に入ります

相場

休眠会社の相場は、株式会社の場合、最低の売却相場が3万円から5万円で、よく売買されている相場価格帯は10万円から30万円程度です。有限会社の場合も最低の売却相場が3万円から5万円での売買が可能で、よく売買されている相場は20万円から50万円程度です。

資本金が高く設立年数が古いほど相場は上がっていきます。許認可の種類によっても相場に差があり、建設業許可では50万円から、宗教法人であると数千万円から数億円のケースもあります。

②社歴獲得

会社は社歴が古い方が社会的信用を得やすくなります。業種によっては社歴の長さが重要となる場合もあります。有限会社は現在では新規に設立できないため、有限会社自体が社歴の長さを証明することになるでしょう。

このような理由から、社歴の長い会社は売却しやすいだけでなく、高く売却できます。

③帳簿あり・決済あり・納税済の場合

帳簿があって決算書も付いていて、納税も済ませている休眠会社であれば買収するメリットがあります。帳簿や決算書があって納税も済ませているのであれば、リサイクルショップの家電製品に説明書と保証書が付いているようなものでしょう。

しかし、売買されている休眠会社にはこれらが付いていないことが多いので、もし付いていれば売買しやすくなりますし、相場より高く売れます。

④許認可獲得

許認可を所持している休眠会社を買うことで、新規で許認可を得る手間を省けます。特に人気があるのは宅建業免許を所持した休眠会社で、東京の宅建業業者を中心に150万円から200万円ほどでどんどん売却されていきます。

宅建業番号が古いほど相場も高くなるでしょう。建設業許可も、取得要件が複雑なので人気があります。他にも売買が盛んなのが、風営法関連です。特に店舗型のお店は新規出店がほぼ不可能なので、非常に需要が高い傾向です。

⑤再開の手間が省ける

売却側のメリットとして、休眠会社にしておくと営業を再開するときの手間が省ける点があります。休眠会社を再開するときは、税務署への申告は必要ありません

都道府県と市町村に異動届出書を出すだけで再開できます。休業する際も休業届けを提出するだけなので、廃業して新しい会社を始めるよりも手間がかかりません。

⑥廃業コスト・手間がかからない

法人の廃業手続きは、コストと手間がかかります。登記や法手続きの費用の他、税理士などに廃業手続きを代行してもらう場合や、債務を返済する場合など、さまざまな費用と時間がかかります。

しかし、休眠会社にするのであれば、休業届けを提出するだけです。休眠会社を売却することで売却益を得るのも可能です。

4. 休眠会社を売買する際の注意点

休眠会社を売買する際に注意が必要なポイントを解説します。特に買収する際の注意点は以下の4点です。

  1. 税金に関して
  2. 法人地方税の均等割
  3. 隠れ債務の存在
  4. 買収前後の処理が必要

①税金に関して

休眠会社の買収で注意をしなければならないのが、税金です。特に前述した繰越欠損金は、条件によって制限がかかります。

節税対策

休眠会社を買収する目的の一つに税金対策が挙げられます。前述したように、繰越欠損金によって節税できますが、注意点もあります。休眠会社の過半数を占める株式を購入した後で、以下の条件に当てはまると繰越欠損金が利用できなくなるでしょう。

  • 新たに事業を始める場合
  • 休眠会社で行われていた事業を止めて、その売り上げの5倍を超える資金を借り入れたり出資を受け入れたりして新事業を開始する場合
  • 特定債権(半額未満で取得された債権)を取得し、休眠会社の売り上げの5倍を超える資金を借り入れたり出資を受け入れたりして新事業を開始する場合
  • 上記したいずれかの条件に該当した後で、適格合併を行うか、残余財産が確定した場合
  • 役員が全て退任し、社員の20%以上を退職させたうえで、新事業の規模が休眠会社で行われていた事業規模の5倍以上になった場合

繰越欠損金による税金対策はグレーゾーンです。これまで多くの休眠会社が税金対策のために売買され、過去には繰越欠損金による税金の規模が大きすぎたことから逮捕された会社もあります。繰越欠損金で税金対策をする際は注意が必要です。

【関連】会社売却、M&Aの税金まとめ!節税対策はできる?

②法人地方税の均等割

法人住民税の均等割は、事業をしていれば支払わなければいけませんが、休眠会社としてお金の出入りが全くない場合であれば税金を免除されることがあります。ただし、均等割の税金免除には注意が必要です。

休眠届けを出していて休眠会社と認められていても、均等割の請求がくることがあります。確実に均等割を免除してもらうために、地方自治体に直接税金の相談をしなければなりません。

しかし自治体によっては、税金の免除をお願いしたとしても全額免除ではなく半額免除である場合や、税金が免除されない場合もあります

③隠れ債務の存在

休眠会社を買収する際に気をつけなければいけないのが、隠れ債務です。休眠会社を売却する側は、なんとかして買い手が付くように不利な情報を隠すことがあります。

前述したように、会社を売買する際には、開示している情報にうそや隠していることがないことを約束する表明保証条項を取り交わします。ここでしっかりと債務を確認しないまま売買を完了してしまうと、後々面倒なことになるでしょう。

ブラックリストに載っている場合

隠れ債務があった場合非常に困るのが、買収した休眠会社が金融機関のブラックリストに載っていた場合です。金融機関のブラックリストに載っている場合は、会社の信用がない状態です。会社にとって融資が受けられないのは最悪な状況といえるでしょう。

表明保証条項によって損害賠償請求もできますが、裁判になった場合時間とお金がかかるので、結果的に損をする場合もあります。しかもブラックリストは会社だけでなく個人の信用にも影響することがあります。1度ブラックリストに載ったら、解除するのは簡単ではありません。

頻繁にある例ではありませんが、そのようなリスクもあることを覚悟しておく必要はあります。

④買収前後の処理が必要

休眠会社を買収する際は、なすべきことがいくつかあります。かなり手間とお金がかかりますが、放置すると後々困ることになります。買収の際に必要な事項をまとめました。

登記変更手続き

休眠会社の買収後に事業目的を変更する場合は、法務局に登記が必要です。このときに登録免許税がかかります。社長や役員が変わるので、役員変更登記申請手続きが必要です。役員変更登記申請手続きも法務局に申請します。こちらも登録免許税がかかるでしょう。

これらの手続きは、2週間以内に行わなければいけません。もし忘れていて期限を過ぎてしまうと、制裁金の請求が届きます。他にも、会社の住所を変える場合には登記変更が必要です。

会社概要の確認

休眠会社を買収する前に必要なのが、会社概要を確認することです。休眠会社を買収する前に、法務局で登記簿謄本を手に入れます。登記簿謄本には、その会社のこれまでの経営の足跡が記録されています。

会社設立からどのような手続きを行ってきたか、金融機関からいくら融資してもらったかなど、さまざまなことが確認できるでしょう。登記簿謄本はインターネットからも請求可能です。

設立定款も確認が必要です。設立定款にはその会社の最も基礎となる重要な取り決めが記載されています。買収後に設立定款を変更する場合もあります。商号の変更や事業目的の変更などをする際に定款変更が必要です。

他にも、出資保管証明書も確認します。出資保管証明書は、資本金が本当に支払われていることを確認する証明書ですが、現在は不要になりました。しかし休眠会社の場合、設立年によっては会社設立の際に出資保管証明書を発行しているので、法務局で確認します。

持ち株比率の確認

できれば、持ち株比率も確認しておくと安心です。会社設立時に誰がどのくらいの株式を持っていたかを登記簿で確認する、もしくはオーナーに直近の株主構成を聞いておくなどして、誰が会社に関わっていたのかを知っておくことも大事になります。

オーナーの人間性確認

休眠会社のオーナーとは何度か会ってよく話しを聞かなければいけません。もしもオーナーが反社会勢力とつながっている場合、トラブルになる可能性があります。会社買収後に難癖をつけてくることも考えられるでしょう。

オーナーの人間性を見ることで、休眠会社の隠れたリスクに気づける可能性もあります。通常のM&Aによる買収と同じで、オーナー同士の話し合いは非常に重要です。

5. 休眠会社とペーパーカンパニーの違い

休眠会社と似たような言葉にペーパーカンパニーがあります。ニュースなどでよく使われるように、ペーパーカンパニーは悪い意味で使われることが多い言葉です。休眠会社とペーパーカンパニーの違いを解説します。

ペーパーカンパニーとは

ペーパーカンパニーとは、登記はされているものの運営されている実体がない会社のことをいいます。税金対策や規制をかいくぐるために設立されていたり、表の事業と実際の事業が全く違っていたり、会社情報に虚偽があったりするとペーパーカンパニーと呼ばれます。

休眠会社との違い

ペーパーカンパニーは、休眠会社よりも広い意味で使われることがほとんどです。休眠会社は法人登記されている会社にのみ使われ、会社法でも休眠会社の定義がなされています

一方、ペーパーカンパニーは法人登記されていない見せかけの会社にも使われるなど、はっきりした定義がありません。休眠会社が悪いことに使われる場合は、ペーパーカンパニーの中に含まれることもあります。例えば、脱税のために休眠会社が利用されていた場合は、ペーパーカンパニーとも呼ばれます。

6. 休眠会社の売買を専門家に相談する場合

休眠会社を売買する場合、手続きのややこしさや買収する会社のリスクなど、1人で進めるには難しい部分があります。専門家に相談する必要がある事項をご紹介します。

主な専門家は以下です。

  1. 行政書士
  2. 税理士
  3. 弁護士
  4. M&Aアドバイザー

①行政書士

会社を休眠させる手続きを行政書士に相談することが可能です。しかし、休眠の手続きはそれほど手間がかからず費用もかからないので、行政書士に頼まずに1人でやることが多くなります。休眠会社の買収前後は手続きが複雑になりがちなので、その場合は行政書士に依頼するメリットがあります。

②税理士

会社を休業している間も税務申告は必要です。ゼロ申告なので資金面での損得はありませんが、申告をしておかないと青色申告が取り消されてしまう場合があるでしょう。休業中に法人税の均等割を取られることがあります。これは地方自治体によって違うので、念のため税理士に相談する場合もあり得ます。

買収する場合は、税務上のメリットがある反面、さまざまな税務上の問題を考慮しなければなりません。買収する際のリスクを抑えるためにも、税理士など会計の専門家に相談した方が良いでしょう。

③弁護士

ここまでご紹介したように、買収後に休眠会社のさまざまな問題点が出てくる場合があります。特に隠れ債務や金融機関のブラックリスト、反社会勢力とのつながりなどが発覚した場合は、弁護士など専門家の協力がなければ解決できません。

買収前に専門家に相談してリスクを極力減らすことが望ましいですが、買収後に問題が出てきた場合は自分で休眠会社のオーナーと直接交渉するのではなく、弁護士に相談することで無用なトラブルを避けられるメリットがあります

④M&Aアドバイザー

休眠会社の買収も、基本的には通常の会社買収と同じ手続きです。M&Aアドバイザーが会社買収の手続きをする際は、徹底的に会社を調査し、最もメリットが出るように計画を立ててくれます。

M&Aの流れを総合的に対応できるのがM&Aアドバイザーです。買収のリスクを抑えるだけでなく、その後の事業をうまく軌道に乗せたい場合にはM&Aアドバイザーに相談すると力になってくれます

7. 休眠会社の売買方法まとめ

休眠会社の売買方法を解説してきました。休眠会社の買収にはメリットがある反面リスクも多く、手続きも1人でやるには面倒な部分があります。リスクを極力減らすためにも、専門家に相談しながら売買を進めることが結果的に安く済むことになるので、休眠会社の売買を検討している方はまず専門家に相談してみてください。

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