個人で事業売却をするには?売却の方法と相談先、相場と税金を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

個人事業主として事業の売却を行う場合、法人とは売却の進め方や注意点が異なります。この記事では、個人で事業売却するケースに絞り、売却の方法や相場、かかる税金などを解説していきます。個人事業を今後も残していくため、まずは事業売却について知っていきましょう。

目次

  1. 個人事業を売却するにはどうすれば良い?
  2. 個人が事業売却を行う4つのメリット
  3. 個人事業売却のデメリットを知って対処しよう
  4. 個人事業売却の相場
  5. 個人事業の価値をアップさせる方法4つ
  6. 個人事業主が事業売却を行う流れ
  7. 個人の事業売却にかかる税金
  8. 事業売却を専門家に相談すべき理由
  9. 個人の事業売却について相談できる場所は?
  10. 個人の事業売却はM&A仲介会社への相談で解決しよう!
  11. まとめ
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1. 個人事業を売却するにはどうすれば良い?

個人事業主でも、事業売却を行い事業承継をすることは可能です。

個人事業主とは、個人で何らかの事業を行っている人を言います。商店やカフェなど店舗、ECサイトやメディアなどWebを使った事業、様々な職業が個人事業主の力で成り立っています。

こうした個人事業主の中で、小規模ながらこれまで培ってきた技術や経験を後の世代に残したいと考えている人は多いはずです。しかし後継者が見つからないなどの理由で廃業を選択するケースもあります。

これからも事業を残したいけれど、費用、人材の面で難しいという方は、一度第三者への事業売却を検討してみましょう。ここからは事業売却の基本事項と相談先について、紹介していきます。

1-1.個人事業主の事業売却とは

事業譲渡とは、会社の持つ事業のすべてまたは一部を譲渡することです。

法人の場合、「事業譲渡」というと会社の一部事業を譲渡することを指すため会社全てを譲渡する場合は株式譲渡などの手法が利用されます。

しかし個人事業の場合、株式がないため株式譲渡や会社分割などの方法は使えません。そのため事業承継の方法として、事業売却・譲渡を選ぶ個人事業主がほとんどです。

そして事業の売却益を得たいという個人事業主の多くは、事業を第三者に売却することを選択します。特定の後継者へ事業を売却することもできますが、親族の場合譲渡や相続で事業承継を行うケースが多いです。

1-2.個人が事業売却先を見つける方法

すでに事業を買い取ってくれる後継者を見つけているならさほど時間はかかりませんが、「後継者候補がいない」「売却先を見つける当てがない」という方にとって事業売却先探しは非常に難しいことです。

買い手が見つからないまま1年以上が経過していたという事例もあるので、なるべく早い段階で多くの買収希望案件を持つM&A仲介会社へに相談しましょう。

個人事業の売却に対応するM&A仲介会社は増加しているので、今後の事業経営についてお悩みの際はぜひお問い合わせください。

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ここからは個人で事業売却を行う詳しいメリットを解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

2. 個人が事業売却を行う4つのメリット

事業承継等の目的で、個人が事業売却を行うことのメリットは以下の4つです。

  1. まとまった売却資金を得られる
  2. 後継者問題を解決できる
  3. 廃業コストを削減できる
  4. 債務や債券から解放される

ここからは個人事業主ならではの事情を踏まえ、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

メリット1.まとまった売却資金を得られる

事業売却により事業承継する場合、個人事業主は売却益を獲得できます。売却益を利用して、事業で発生した借入金を返済したり、リタイア後の生活費に充てることも可能です。

上記の理由から、事業承継を通じて資金を得たい個人事業主は、事業売却を採用すると良いでしょう。

メリット2.後継者問題を解決できる

個人事業主が事業承継する1つ目のメリットは、後継者問題を解決できることです。

個人事業を営んでいる人の中には、後継者の育成が間に合わなかったり、親族や従業員が引き継ぎを拒否したりと、後継者問題を抱えている個人事業主も少なくありません。事業を何とか残したいと思いつつ、後継者がいなくて悩み続ける日々は大変です。

しかし、M&Aなどの手法で事業承継を行えば、事業経験のある同業者などの経営を任せられる人物に、安心して事業を譲り渡すことができるメリットがあります。

後継者問題を解決して、ゆっくりとした生活を送るのも良いでしょう。

メリット3.廃業コストを削減できる

事業売却を行うことで、持っている設備をまとめて売却することができるため廃業にかかるコストを支払うよりお得です。

個人の場合、事業売却の際に一度廃業の手続きを行う必要がありますが、買い手をあらかじめ見つけておけば買い手が開業届を出し再度設備などを利用することも可能になります。

もし完全な廃業を選択すると、借入金などの負債清算に加え、設備の処分費用なども必要です。資産を売却したお金で廃業費用を充当することも不可能ではありませんが、手間がかかる上に資産をすべて売却できるとは限りません。

一方事業売却で事業をまるごとを引き継いでもらえれば、設備だけでなく負債や個人保証なども買い手に渡せるので廃業にかかる費用はほとんど削減できるでしょう。

メリット4.債務や債券から解放される

個人事業主の場合、経営者が個人保証を行い開業しているケースが多くあります。経営者として働いているうちは気になりませんが、個人保証は経営者個人にかかる負債ですので退職後も事業の状況が悪化すれば自宅や資産を失いかねません。

しかし事業売却を行うことで、こうした個人保証を買い手に引き継いでもらえます。個人保証をしている方は退職後の生活を安定させるためにも、事業の売却を検討した方が良いでしょう。

以上が、個人事業売却のメリットでした。個人事業を廃業すれば、廃業にかかるコストや負債は全て経営者個人の負担になってしまいます。

リタイアを検討している方は、早めに事業売却を行い今後の生活をより良くしていきましょう。

ここからは個人事業売却のデメリットについても解説していくので、より深く事業売却を検討するためぜひ参考にしてください。

3. 個人事業売却のデメリットを知って対処しよう

事業を後の世代に引き継げるうえ、まとまった売却資金も得られる個人事業売却ですが、事前に注意しておくべき点もあります。

  1. 事業売却先が見つからないこともある
  2. 従業員の雇用はそのまま継続できない
  3. 一度廃業届を提出する必要がある

法人と異なり個人の事業売却は全資産の売却になるので、ここから説明するそれぞれのデメリットをきちんと頭に入れておきましょう。

デメリット1.売却完了までに時間がかかることもある

1つ目の注意点は、希望の買い手が見つからない可能性があることです。

事業内容によっては、希望に合う買い手が見つからず事業売却を進められないこともあります。なお信頼できる買い手が見つからないといった理由で買い手探しに不安を抱いてしまう経営者は少なくありません。

事業売却を検討する際はM&A仲介会社など、より多くの情報や案件を持っている専門の機関に相談しましょう。自社と同じような個人事業について扱ったことのある機関なら安心です。

デメリット2.従業員の雇用はそのまま継続できない

個人事業を売却する場合、今行っている事業をいったん廃業する必要があるため従業員との雇用関係は切れてしまいます。事業を売却した後、再び買い手に従業員を雇用してもらうことも可能ですが、従業員との関係はこれまでより遠いものになってしまいがちです。

また事業売却に不信感を抱き退職する従業員が出てくることもあるので、売却の際は従業員の考え方や意思を尊重しましょう。

デメリット3.一度廃業届を提出する必要がある

一旦廃業届を提出すれば、取引先との関係も切れてしまいます。雇用契約と同じく新たな経営者と取引先とが再度契約を結べれば良いのですが、事業の新しい体制をそのまま受け入れてもらうというのは非常に難しいことです。

特に個人事業主の場合、事業主の人柄や考え方、技術に惹かれ契約してきたという取引先も少なくありません。

事業を買った後の利益が見込めない状況ではなかなか買い手がつかないので、事業売却後の契約について取引先の意志を確認しておく必要があります。

デメリット4.M&A仲介会社選びに難航するおそれがある

M&A仲介会社の中には、サポート対象の事業規模に制約を設けている会社があります。そのため事業規模が小さいと事業売却仲介を受けてくれないケースもあるので注意しましょう。

M&A総合研究所は個人事業主の事業承継におすすめの仲介会社です。完全成功報酬型で、支払う費用が成功報酬のみなので、着手金や中間報酬のリスクはありません。

スピーディーな事業売却を成立させてくれるM&A総合研究所は、「すぐに引退したい」「早く売りたい」といった経営者の心強い味方となるはずです。

以上が、個人事業売却のデメリットでした。デメリットだけを見て事業売却に抵抗感を持つ方も少なくありませんが、専門家と共に事前対策を行うことである程度のトラブルは防げます。

個人での事業売却に興味があるという方は、事業の現状と今後の希望について早めに専門家に相談しましょう。ここからは気になる売却金額の相場について、解説していきます。

4. 個人事業売却の相場

譲渡する資産の時価に営業権の価値を足すことで、事業売却の相場や価格を算出できます。

営業権とは、無形資産の部類に分けられる事実関係のことを指します。営業権の具体的な算定方式は、事業が生み出す利益の2年~3年分となっているため、昨年度の利益をもとに相場を算出してみましょう。

また事業売却を含むM&Aでの売却価格相場は、

  1. 純資産の額+営業利益の3年分
  2. 経常利益の5年分

と言われているため、どちらかの相場付近で価格が決まることが多いでしょう。ただし買い手がどれだけ将来性を見出すかによって価格は大きく変わるので、事業の魅力を積極的にアピールすることが非常に重要です。

詳しい売却事業の相場が知りたい場合には、M&A仲介会社など事業売却に詳しい専門家に相談してみましょう。ここからは個人事業の価値をアップさせる4つのポイントについて解説していくので、ぜひ参考にしてください。

5. 個人事業の価値をアップさせる方法4つ

少しでも高い金額で事業を売却するため、個人事業主が押さえておきたいポイントは以下の通りです。

  1. 売営業利益・収益などを数値で提出する
  2. 優秀な人材を確保する
  3. 事業の情報を正確に伝える
  4. 事業シナジーの高い会社を買い手にする

事業の価値を上げることが、売却価格アップにつながります。早めに事業体制を見直し、事業の魅力を高めましょう。

方法1.営業利益・収益などを数値で提出する

個人事業を高値で売却するためには、営業利益・収益などを数値で提出することが大切です。当然のことながら、買い手が最も気になるのは、買収によってどの程度の営業利益・収益が見込めるかという点です。

そのため、個人事業が将来的にどれぐらいの利益を上げられるのかを示すために、期待収益値率の算定もととなる情報を提出するのが有効です。

コストを削り、なるべく多くの営業利益が確保できるよう早い段階から意識しておきましょう。

方法2.優秀な人材を確保する

優秀な人材が多ければ多いほど、個人事業の売却価値は高くなります。

人材の持つノウハウや経験、技術は一朝一夕に再現できるものではありません。そのため優秀な人材を確保するという目的で事業の買収を行う買い手は多くいます。

技術やノウハウを欲しがっている買い手にとって、売り手の持つ人材の質は何より重要です。

経験豊富な人材、または特定の技術を持った人材は事業の価値を大きく左右するので、優秀な従業員の流出を防ぎ一人でも多くの人材を確保しておきましょう。

方法3.事業の情報を正確に伝える

事業を売却した後、不正会計などが発覚すれば買い手の経営に悪影響が出てしまいます。そのため買い手は、事前の調査などで売り手の経営状況や債務、会計などを念入りに調査します。

この調査(デューデリジェンス)の際、無自覚であっても買い手にとって不利な情報を隠していたことが判明すると事業の価値は大きく下がりかねません。

「債務があると分かれば売却金額が下がるかも」「会計処理が曖昧になっているけれど、見直すのが面倒」と感じても、買い手にはきちんと情報を公開するようにしましょう。

方法4.事業シナジーの高い会社を買い手にする

4つ目のポイントは、買い手にシナジー効果の高い企業を選ぶことです。

シナジー効果とは、企業統合によって得られる相乗効果のこと。シナジー効果の高い企業と統合した場合、2社が単独で生み出す以上の利益を計上できるようになる可能性が高くなります。

そのため個人事業を高値で売却するためには、売却先の選定を行うことも必要です。満足な価格で譲渡するには、買い手から見て魅力的な店舗であることは重要ですが、その見方は買い手によって異なります。

売却先の選定として「安心して信頼できる」「新規参入しようとしている異業種企業」「シナジー効果のある事業を有する(複数の要素の組み合わせで単体以上の効果を上げる)」など、選定条件を考慮するとよいでしょう。

以上が、売却金額を上げるポイントでした。売却前に事業の見直しを行い、買い手からの評価を高めましょう。

ここからは事業売却の基本的な流れを解説します。事業を残したい個人事業主の方は、ぜひ参考にしてください。

6. 個人事業主が事業売却を行う流れ

個人事業主が、事業売却で事業承継を行う流れは、以下の通りです。

  1. 事業の売却先を決定する
  2. 税務署に廃業届を提出する
  3. 青色申告の取りやめ届出書を提出する
  4. 事業廃止届出書を提出する
  5. 所得税・復興特別所得税の減額申請書を提出する
  6. 関係者・取引先に連絡を行う

売却の流れを押さえ、短期間でよりスムーズな承継を行いましょう。

手順1.事業の売却先を決定する

事業売却を行うと決めたら、まず事業の売却先を決定しましょう。

すでに後継者がある程度定まっている場合は大丈夫ですが、第三者への売却を考えている場合早めの準備が必要です。

時期によってはなかなか買い手が見つからないこともあるので、まずは買収案件を豊富に持つM&A仲介会社などの専門家に相談してみましょう。

手順2.税務署に廃業届を提出する

無事売却先が決まったら、税務署に廃業届を提出しましょう。個人で事業売却をする場合、一度廃業の手続きが必要になります。

「個人事業の開業・廃業等届出書」に必要事項を記入し、早めに管轄の税務署へ行きましょう。都道府県によって作成や提出の期限が異なるので、買い手や専門家と共に必要事項を確認しておく必要があります。

手順3.青色申告の取りやめ届出書を提出する

青色申告で確定申告などを行っている個人事業主の方は、廃業届を提出した後に「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を提出します。

提出期限は廃業の翌年3月15日までとなっているので、あらかじめスケジュールに明記しておきましょう。

手順4.事業廃止届出書を提出する

消費税の課税事業者となっている場合、「事業廃止届出書」の提出も必要です。提出先は税務署となっているので、他の書類と合わせて作成しておきましょう。

手順5.所得税・復興特別所得税の減額申請書を提出する

廃業により所得税・復興特別所得税の支払いが難しい場合は、「所得税・復興特別所得税の減額申請書」を提出します。

所得税の減額が申請できるのは、廃業・休業などの理由で昨年度の納税額より今年の納税額が減る場合です。事業売却による廃業も対象となるので、支払いが難しい場合は減免申請をしましょう。

書類を記入する際には所得税額や各種控除額を算出する必要があるので、会計や税務の専門家がいると安心です。申請書は国税庁のホームページからダウンロードできます。

手順6.関係者・取引先に連絡を行う

個人事業の売却に必要な手続きが終わったら、関係者・取引先に事業売却が完了した旨を伝えましょう。

個人事業は経営者個人の信頼で成り立っているケースが多いため、関係者への説明をおろそかにすると今後の経営に悪影響が出てしまいます。

事業売却の意志を固めた後、関係者へ一度連絡している場合であっても、新しい契約などについて再度確認しておきましょう。

ここまでが、事業売却の流れでした。個人の場合、事業売却の手続きを完了させるには1年以上の長い時間がかかることも少なくありません。売却先探しやスケジュール作りなど手間のかかる部分は、事業売却の専門家に相談しながら進めていきましょう。

ここからは、個人の事業売却で発生する税金について解説していきます。

7. 個人の事業売却にかかる税金

個人事業主が事業売却を行う場合、かかる税金は

  1. 所得税
  2. 消費税

の2つです。しかし譲渡する資産によって税金のかかり方が異なるので、計算は単純ではありません。

ここからはそれぞれの税金と課税対象となる資産について解説していきます。

7-1.所得税

個人事業主が事業を売却した場合、売却益に対して所得税がかかります。

所得税は所得の性質により分けられており、譲渡する資産によって計算方法が変わるので注意しましょう。所得税の計算方法は、以下の2つです。

  1. 分離課税
  2. 総合課税

分離課税の対象となるのは、株式や土地、建物などの譲渡所得で、総合課税はそれ以外の所得について適用となります。

分離課税の対象となる所得については、その他の資産と分けて計算しなければいけません。税理士など税制に詳しい専門家と共に、必要な所得税をあらかじめ計算しておきましょう。

7-2.消費税

事業売却・譲渡は事業用資産の取引として扱われるため、ほとんどの譲渡資産は消費税の課税対象となります。

しかし土地や有価証券、債権は非課税となるので、消費税は発生しません。また車など、日常で使っている設備は「生活用資産」という扱いになり非課税となります。

しかし事業用にも、生活用にも使っている資産がある場合、利用の割合によって消費税が課税されるので申告の方法についても意識する必要があるでしょう。

ここまで事業売却でかかる税金について解説しましたが、個人で税金の計算・申告を行うのは非常に困難です。納め忘れが無いよう、税理士などに相談しておくと良いでしょう。

また節税対策をしたい場合、事業売却に詳しいプロフェッショナルの知識が必要です。以下では個人の事業売却について相談できる場所を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

8. 事業売却を専門家に相談すべき理由

事業売却を実行に移すなら、各分野に通じた専門家に相談をしましょう。経営者だけで判断を下してしまうと、不当な売却価格で取引を迫られたり、契約内容の見落としが発覚したりと、不利益を招きかねません。

そこで、各分野に通じた専門家に相談するのです。専門家に相談すれば、次のようなメリットを享受できます。
 

  1. 適切な企業評価や価値を知れる
  2. 多角的な視点が得られる
  3. アドバイスを受けられる

得られるメリットを知って、弁護士や経営コンサルタント、M&Aの仲介会社など専門家に事業譲渡・事業売却を相談してみましょう。

メリット① 適切な企業評価・価値を知れる

1つ目の理由は、適切な企業評価と正しい価値を知れることです。経営者といえども、事業譲渡・事業売却に精通しているとは限りません。

専門的な知識を持っていなければ、正しい企業価値を把握できず、低額の譲渡価格で事業を譲り渡してしまう事態も考えられます。

少しでも高い価格をつけて事業を売却するなら、事業譲渡・事業売却に通じた士業(弁護士・税理士・公認会計士)、銀行、M&A仲介会社などに相談をしましょう。事業の譲渡価格を高められたり、適正価格を教えてくれたりと、よりよい事業売却が行えます。

メリット② 多角的な視点が得られる

2つ目の事業譲渡・事業売却を専門家に相談する理由は、多角的な視点を得られる点です。経営者だけの視点では、すべての可能性に目を向けることはできません。そこで、弁護士やM&Aの仲介会社、中小企業診断士などに相談を持ち掛けます。

専門家の目線から自社の状態を視ることで、自社に合ったスキームを提案してもらえるのです。そのほかにも、法務リスク(競業避止義務など)や法人税の負担、取引・雇用契約の結び直しなど、事業譲渡・事業売却で把握しておくべき事項を知らせてもらえます。

また、専門家への相談では、現在の制度に合った対応を受けられるはずです。過去に事業譲渡・事業売却を経験していても、新しい制度を把握していないケースも考えられるので、弁護士や税理士などの専門家に相談して、譲渡の失敗を避けてください。

メリット③ アドバイスを受けられる

3つ目の事業譲渡・事業売却を専門家に相談する理由は、アドバイスを受けられる点です。

経済産業省がまとめた「平成28年度中小企業・小規模事業者の事業承継に関する調査」によれば、譲渡側の経営者はそれぞれの専門家から、次のようなアドバイスを求めていました。

【顧問の税理士・公認会計士からのアドバイス】

  1. 税務上のアドバイス
  2. 金融機関との折衝についてのアドバイス
  3. 資金調達のアドバイス

【顧問以外の税理士・公認会計士】
  1. 税務上のアドバイス
  2. 資金調達のアドバイス
  3. 金融機関との折衝についてのアドバイス

【弁護士】
  1. M&Aの進め方についてのアドバイス
  2. 組織体制の整備
  3. 後継者の確保

【取引金融機関】
  1. 資金調達のアドバイス
  2. 金融機関との折衝についてのアドバイス
  3. 後継者の確保

【経営コンサルタント】
  1. 事業計画の策定
  2. 組織体制の整備
  3. 本業の強化

【商工会・商工会議所】
  1. 後継者教育
  2. 本業の強化
  3. 資金調達の助言

【事業引継ぎ支援センター】
  1. M&Aの進め方についてのアドバイス
  2. 後継者教育
  3. 後継者の確保

【民間のM&A仲介業者】
  1. M&Aの進め方についてのアドバイス
  2. 後継者の確保
  3. 本業の強化

相談先によってアドバイスの内容は異なります。事業売却で不明な点があれば、顧問弁護士や懇意にしている税理士・会計士のほか、公的機関や、民間の会社などへもアドバイスを求めてみましょう。

9. 個人の事業売却について相談できる場所は?

事業売却について相談できる場所として代表的なのは、以下の4つです。

  1. 顧問会計士や税理士
  2. 金融コンサルタント
  3. 公的機関
  4. M&Aアドバイザー

何をから手を付ければ良いか分からないという方も、信頼できるアドバイザーを見つけ事業売却を成功させましょう。 

9-1.顧問会計士や税理士

まずは身近な専門家に相談したいという場合、顧問会計士・税理士が候補に挙がります。顧問会計士・税理士は見知った相手ですから、事業売却のことだけでなく今後の経営や税務についても聞くことができるでしょう。

また、適正な取引価格を算出してくれることから、売り手側の立場を考慮してもらえるのです。

さらに公認会計士の場合、税理士業の資格も有しているケースが多くあるため、登録を済ませると税務関連の業務が行えるのです。税理士の業務を行える公認会計士なら、財務のほか、税務のディーデリジェンスも任せられます。

ただ、法務においては、弁護士のサポートを受けているため、公認会計士に相談する場合は、弁護士とのつながりがあるかを確かめておきましょう。

9-2.金融コンサルタント

2つ目に取り上げる事業譲渡・事業売却の相談先は、金融コンサルタントです。金融機関などで、資金調達や投資の業務に就いていた経験を活かし、企業の資金面をサポートしてくれます。

そのため、資金を得るための手段として事業譲渡が適切であるかを相談できるのです。金融コンサルタントによっては、税理士などの士業ともつながっているため、税制や法務などのサポートも受けられます。

9-3.公的機関

次に紹介する事業譲渡・事業売却の相談先は、公的機関です。各都道府県に設置された事業引継ぎ支援センターでは、後継者不足などに問題を抱える中小企業に対し、事業譲渡の相談を行っています。

事業引継ぎ支援センターの特徴は、無料相談や、有料での譲渡先の紹介、秘密の厳守などです。中業企業診断士や民間でコンサルタント事業を経験したスタッフが応対してくれます。M&Aの実績は、平成29年度の東京都事業引継ぎ支援センターで、43件でした。

成約実績があるものの、買い手との交渉は自分で行う必要があるため、専門家やM&Aの仲介会社の選定が必要です。

9-4.M&Aアドバイザー

最後に紹介する事業売却の相談先は、M&Aの仲介会社です。M&Aの仲介会社は、特徴によって2つのタイプに分けられます。
 

  1. 仲介会社
  2. アドバイザリー会社

どちらもファイナンシャル・アドバイザリー契約(FA契約)を結びますが、立ち位置によって、次のような違いが見られます。

まず仲介会社は、売り手と買い手の間に立ち、両社の利益を考えてM&Aの仲介を行います。双方の利益を尊重するため、交渉が長引かず、スムーズに事業譲渡を進められるのです。

仲介会社の業務は、対象企業の紹介から契約の締結までの、一貫したサポートです。独自のネットワークを持ち、自社に見合った買い手を紹介してくれます。多くの仲介会社では無料で相談を受け付けているので、軽い気持ちで相談に伺えます。

一方アドバイザー会社は、売り手か買い手、片方の会社だけとファイナンシャル・アドバイザリー契約を結びます。契約を結んだ側の利益を最優先するため、よりよい条件で取引を進めてもらえるのです。

しかし仲介会社とは違い、買い手候補を紹介してくれるわけではありません。売り手自身が買い手を探したり、提携する仲介会社に頼んだりして、買い手候補を見つける必要があります。

M&A総合研究所なら、M&A専門の公認会計士が個人事業事業売却のフルサポートを行います。

まずはお気軽にご相談ください。

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10. 個人の事業売却はM&A仲介会社への相談で解決しよう!

個人事業売却を行いたいと考える個人事業主は多くいますが、買い手探しから契約まで全て自社で行うのは非常に難しいことです。特に異業種の企業などが買い手となる場合、業務のやり方や考え方の違いからトラブルが起こってしまうことも少なくありません。

事業売却に少しでも興味があるなら、最初にM&A仲介会社に相談するのが良いでしょう。M&A仲介会社はM&Aの専門家で、買収相場や手続きに関する知識も豊富です。

また買収価格がアップするよう経営に関するアドバイスも行ってくれるので、「少しでも高く事業を売りたい」という方は事業承継に向けて動き出す前に相談しましょう。

相談は基本的に無料となっており、仲介会社によっては着手金なしで買い手探しを行ってくれるところもあります。自社の経営について不安のある方、事業売却に興味があるという方は仲介会社の利用を検討しましょう。

M&A仲介会社をお探しの方は、「M&A総合研究所」にご依頼ください。

M&A総合研究所は相談料、着手金、中間報酬無料となっており、少額の売却案件にも対応しています。小規模な個人事業であってもM&Aは可能なので、まずは相談してみることが大切です。

事業売却について少しでも不安があるなら、M&A総合研究所で仲介の手数料や成功事例などを詳しくチェックしてみてください。

11. まとめ

個人事業主が事業を売却する際には、一度廃業届を提出するなど複雑な手続きが必要となります。

また買い手探しや税額の計算にも非常に時間がかかってしまうため、通常の業務に影響が出てしまうことも少なくありません。

事業を売却する際には個人事業売却の経験を豊富に持つM&A仲介会社に相談し、適切なサポートをしてもらいましょう。

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