会社の身売り(M&A・事業承継)とは?メリットと注意点を解説!社員はどうなる?前兆はある?

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

会社の身売りと聞くと、それほど良くないイメージを持つ経営者の方もいます。しかし、最近はM&Aが活発化を見せており、会社の身売りのマイナスなイメージが消えてきました。そこで本記事では、会社の身売りに関して社長や社員の立場から解説します。

目次

  1. 会社の身売りとは?
  2. 会社を身売りする社長のメリット
  3. 会社を身売りする社長のデメリット・注意点
  4. 会社の身売りをスムーズに行うポイント
  5. 会社を身売りした際の社員への影響
  6. 会社の身売りを行う際に現社員を守るには?
  7. 会社の身売りが行われる前兆30選
  8. 会社の身売りまとめ
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1. 会社の身売りとは?

事業や営業権など会社売却を行うことを、会社の身売りと呼びます。会社売却を行うことで社長や社員などにいかなるメリット・デメリットがあるのでしょうか。本記事では、会社売却による会社の身売りや、会社売却の前兆などを解説します。

M&Aとの違いは?

結論からいえば、M&Aと会社の身売りの意味は同じです。どちらも社長などの経営者が会社売却によって会社の経営権などを譲ることをいいます。

身売りがそれほど良い言葉に聞こえないことも確かです。日本ではM&Aが盛んでなかった時期に、会社売却のことを会社の身売りと表現されていました。

会社の身売りが行われる目的

本章では、会社の身売りが行われる目的を解説します。

社員・技術・顧客の維持

会社の身売りは、社員・技術・顧客を維持するために行われます。中小企業の多くの経営者は後継者が見つからず、引退する時期が近づいている状況です。

経営者の体調が悪くなったり万が一のことがあったりして廃業せざるを得なくなれば、従業員は路頭に迷いかねません。取引先に迷惑をかけることもあるでしょう。今までに培った技術を失うことも、社会的な損失といえます。

会社の身売りを行えば、社員・技術・顧客をそのまま引き継ぐことが可能です。社員・技術・顧客を維持するために会社の身売りを行う中小企業は特に多いといえます。

引退費用の削減

引退費用を削減する目的もあります。廃業では会社の清算手続きを行わなければなりません。清算手続きでは、会社の全資産を売り、それをもとに借入金を返済して残りを経営者が受け取ります。

しかし、資産売却で機械や在庫は簿価における2〜3割ほどの価格になることもあります。簿価より低い価格で資産を売れば、会社が債務超過状態になり廃業できない事態に陥りかねません。清算手続きを行う場合は、税理士などへの依頼費用も必要です。

会社を身売りすれば、資産は簿価で引き継げるため会社は債務超過に陥りません。交渉によっては、保険や不動産など必要な要素のみ経営者が承継することも可能です。

創業者利益の獲得

創業者利益の獲得も、会社の身売りが行われる目的の1つです。創業者利益の獲得とは、会社の純資産よりも高額で会社売却を行うことにより経営者が得る利益をいいます。

譲渡価格は会社の経営状態・事業内容・技術力・ブランド力などを考慮し、買収側との交渉で決まるので、必ずしも創業者利益を獲得できるとは限りません。とはいえ、会社の身売り(第三者への事業承継)で創業者利益を得たケースは多いです。

2. 会社を身売りする社長のメリット

会社を身売りすると社長にどのようなメリットが発生するのでしょうか。ここでは、会社売却による社長のメリットを、以下の6項目に焦点を当てて紹介します。

  1. 株主に利益がある
  2. 経営者としてたたえられる
  3. 事業承継ができる
  4. 保証や債務から解放される
  5. 新しいことが始められる
  6. シナジー効果が生まれる

①株主に利益がある

M&Aなどにより会社を身売りした場合の大きなメリットの1つに、株主に利益をもたらすことが挙げられます。大企業の場合は株主が多岐にわたりますが、中小企業では社長自身が株主であることがほとんどです。

つまり、社長自身が会社売却により株主として利益を得られます。これが「会社の身売り」における大きなメリットです。

②経営者としてたたえられる

会社の身売りにはそれほど良いイメージがありませんが、最近はM&Aによる会社売却が多くなり、M&Aによる会社売却は社員や元従業員から称賛を浴びることもあります。ベンチャー企業では、最終目標の1つをM&Aによる会社売却とすることがあるためです。

実際に、Appleコンビューターの元CEOでもあるスティーブ・ジョブズは、自身が起業した会社をAppleに売却して成功を収めています。

現在ではGoogleのサービスの1つであるYouTubeも、もともとはベンチャー企業でした。M&Aによる会社売却を成功とみなす状況は増えています。

③事業承継ができる

社長の悩みに後継者問題があります。親族や社員など従業員の中に後継者にふさわしい人材がいない場合はなおさらです。後継者問題も、M&Aによる会社売却で解決を迎えられます。

事業承継がもたらすメリットは社長だけではなく、社員や元従業員まで及びます。事業承継は会社の大きな問題で、この問題を解決できる点は非常に大きなメリットです。

④保証や債務から解放される

多くの場合、会社売却により保証や債務も引き継ぐことが可能です。会社売却を行うことで社長は現在までどうしても切り離せなかった保証や債務から解放されます。精神的にも非常に安心をもたらす大きなメリットです。

⑤新しいことが始められる

今まで業務に追われて、思い立っても行えなかったことを始められる点も、M&Aによる会社売却のメリットです。新たな事業を立ち上げられるほか、今まで行きたかった場所に行けるなどプライベートでの新たな展開も可能となります。

⑥シナジー効果が生まれる

社長としてのメリットだけでなく、社員や元従業員など多くの人にメリットをもたらすのがシナジー効果です。今まで自社のみでは打破できなかった場合でも、M&Aによる会社売却が大きな利益をもたらす可能性があります。

⑦廃業費用が求められない

会社を廃業させる場合、さまざまな費用がかかります。例えば、会社のものを売る費用や、専門家に頼んだときの料金などです。でも、会社を他の人に売ってしまえば、これらの費用はかからないうえに、資金がもらえることもあります。

なので、会社を終わらせるのにお金がかかりすぎるなら、他の人に会社を売って、そのまま続けてもらう方法も考えられます。

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3. 会社を身売りする社長のデメリット・注意点

会社の身売りによるデメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。以下の項目に焦点を当てて紹介します。

  1. 非難を受ける可能性がある
  2. 競業避止義務の発生
  3. 契約によっては拘束がある
  4. 債務が残る可能性がある

①非難を受ける可能性がある

メリットの部分でも記述しましたが、最近の会社売却は成功とみなす状況があります。しかし、それはベンチャー企業など一部の話です。伝統的な企業である場合、会社売却は社員や元従業員から、能力の低い経営者であるなどと非難を浴びる可能性があります。

②競業避止義務の発生

会社売却を行った場合、会社法により同業種の事業を一定期間行ってはならない規則があります。社会状況が変わり、売却した事業に大きな需要が見込まれた場合でも、同事業を行えません

③契約によっては拘束がある

事業売却の契約条件によっては、一定期間にわたり経営者は会社に残る義務が発生します。拘束の条件は売却時の条件に含まれるため、条件により拘束期間や立場もそれぞれです。

④債務が残る可能性がある

会社売却は、すべての事業を売却する方法と一部事業の売却があります。買い手側の意向によっては一部事業に売却が限られる場合もあり、その場合は債務など一定の負債が残ることもあるでしょう。

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M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を受け付けていますので、会社売却をご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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4. 会社の身売りをスムーズに行うポイント

ここでは、会社の身売りをスムーズに行うポイントを解説します。

取引条件・自社の強みを検討する

会社を売却する前に、取引条件や自社の強みをしっかりと検討しまとめることがスムーズに行うポイントです。どのような相手・どのような条件で会社売却を行いたいのか、自社の評価してもらいたい部分などがはっきりしなければ、適切な相手と出会うのは難しいといえます。

「技術を引き継いでもらいたい」「従業員の雇用を守ってほしい」など、具体的な条件を明確にします。「営業力に強い会社を求める」などの相手を選ぶ基準や、「大手との取引実績がある」など自社の強みもまとめましょう。

相手先企業を念入りに選ぶ

相手先企業を念入りに選ぶことも、会社の身売りをスムーズに行うために欠かせません。このポイントを怠ると、「従業員の雇用を守るといったのに数カ月後に従業員が解雇された」「新規顧客獲得ばかりを行い既存顧客をないがしろにする」などの問題が生じることがあります。

文化が合わずに社員が退職したり、雇用条件が悪化して退職につながったりすることもあります。相手先企業の基盤、経営理念・文化、雇用条件は維持されるのかなどを確認し、慎重に選んでください。

社員に対して丁寧な説明を心がける

会社の身売りを行う際、社員に対して丁寧な説明を心がけることも重要です。M&Aに失敗したケースでは、社員のモチベーションが低下して、退職につながったり生産性が下がったりするケースが多く見られます。

身売りを行う理由、身売りにより社員に生じるメリットやデメリットの有無などを丁寧に説明しなければなりません。買収側の経営者とともに、譲渡日に会社説明や質疑応答を行うケースも多いでしょう。

ただし、社員に早く説明してしまったために失敗することもあります。社員が不安になって辞めたり、外部に情報が漏れたりしかねません。社員に説明するタイミングは、譲渡を行うのが確定した後が望ましいです。

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社員への影響を考慮した契約書を締結する

会社を身売りした場合でも社員の雇用は維持され、会社に残るのが一般的です。社員の雇用や条件などの維持は、契約交渉の中で担保できるよう交渉しておかなければなりません。雇用や条件を維持できなければ、社員が会社を退職してしまうおそれがあります。

これまで自社でがんばってきてくれた社員を守れなければ、経営者としての恩返しも実現しません。契約書の中でしっかりと社員を守れるように交渉し、締結することが大切です。

信頼できる専門家にサポートを依頼する

会社の身売りでは、M&Aの専門知識や経験が求められます。一般的に買収側はM&Aに慣れているケースが多く、売却側が不利になってしまいやすいです。

経験豊富で信頼できるM&Aアドバイザーを見つけて相談すると、失敗を避けつつ会社の身売りを進められます。M&Aアドバイザーと契約を締結し、適宜アドバイスを受けることで、会社の身売りを成功に導きましょう。

5. 会社を身売りした際の社員への影響

会社を身売りした場合、社員はどういった状況になるのでしょうか。以下の項目を解説します。

  1. 確実な雇用を約束
  2. 給与や待遇面の維持
  3. 役員への待遇

①確実な雇用を約束

会社の売却は社員にも多くのメリットをもたらします。その中でも雇用の安定は、非常に重要なポイントです。従業員にとって雇用の保障は非常に大きな意味を持ち、それを約束するのが経営者の重要な役割です。

雇用が維持される理由

今まで不安定な経営状況だった会社が身売りを行うことで、大企業の傘下に入るケースを想定します。この場合、社員の雇用状況がままならなかった状態から改善が見込まれます。

②給与や待遇面が維持

雇用の安定に合わせて従業員の給与や待遇も、基本的には維持されます。場合によっては給与面で上昇が見込める従業員もいます。給与や待遇面の維持は従業員にとって大きなメリットです。

待遇が維持される理由

雇用の継続と同じく、より大きな資本に身を委ねるため、従業員の給与や待遇は向上する可能性が大いにあります。大手企業に売却されると、現在の働き方改革推進の流れによって待遇面の処遇が改善される可能性が高いでしょう。

③役員への待遇

役員への待遇も大きく変わる場合があります。場合によっては、社員が役員に昇格することもあります。待遇の改善は社員や役員など会社に関わるすべての従業員にメリットをもたらす可能性が高いでしょう。

身売り前に事前合意の必要性

役員の処遇は社員などとは違い、身売りを行う際にしっかりと決めなければなりません。身売りの前に、待遇に関して合意を行うことが重要です。

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会社を身売りする際の社員対応のポイント

会社の身売りを行うことで、社員は精神的不安を感じます。しかし、報酬面や買収先のブランド力などにおけるメリットを感じられれば、身売りを前向きに捉えてくれる可能性が高いです。

ただし、会社の身売りをきっかけとして退職を選ぶ社員が出ることもあります。社員が不満などをいわなくなったり、今後の待遇を何度も聞いてきたり、有給休暇を消化し始めたりする場合は、退職を考えているケースが多いでしょう。

会社を身売りするメリットを社員に説明しても、退職を選ぶ社員をゼロにすることは難しいです。しかし、従業員の事情や不安に寄り添えば、退職する従業員を減らすことにつながります。

6. 会社の身売りを行う際に現社員を守るには?

社長は、会社の身売りにあたって、社員を守りたいと思うのが自然です。どういった方法で社員を守れるのか解説します。

各種契約書にて確約すること

身売りを行う場合、売却側と買収側で契約書を交わします。その契約書で、社員の待遇を確約させるよう心がけることが重要です。

事業譲渡では待遇が悪くなるケースも

事業譲渡を行うと、最悪のケースでは社員の待遇が悪化することがあります。こうした事態を招かないよう、しっかりと契約書を交わすことが大切です。

身売りではなく子会社を立ち上げる

身売りではなく子会社を立ち上げる方法も、社員を守る方法の1つです。子会社としてM&Aを行い、社員の雇用を継続させることで社員を守れます。

7. 会社の身売りが行われる前兆30選

会社が身売りを計画している場合、どのような兆候が見られるのでしょうか。数々の事例から、特徴的な兆候である30の事柄を紹介します。

①大量のリストラが行われる

会社身売りの前兆として最もわかりやすいのが大量のリストラです。大量のリストラの背景には経営不振があり、経営不振から脱却するためには業務の改善か身売りしかありません。大量のリストラが発生した場合、身売りの前兆と考えて良いでしょう。

②最終利益が赤字続き

最終利益が赤字続きの場合も、経営陣が身売りを考える前兆となります。そのまま倒産するか身売りするかは経営者の考え方次第です。同業種で雇用を望む場合は、赤字続きの前兆が見られるタイミングで転職を考えても良いでしょう。

③社長の表情が暗くなる

従来は陽気であった社長が暗い表情が続く場合も身売りの前兆といえます。単純に、経営に難を期している可能性があるためです。

④社内の備品が不足しがちになる

社内の備品にかける経費まで削り始めたら、経営不振による身売りの前兆です。会社とともに身を尽くすか、転職を考えるかは自分次第でしょう。

⑤ウォーターサーバーがなくなる

上記と同じ理由ですが、ウォーターサーバーを導入していた場合、ウォーターサーバーがなくなったら身売りの前兆といえます。本来、経費の節減は大きな効果が見込めるものから始めるべきですが、得てして目に見えるものから始めがちです。

例えば、新聞や雑誌など、本来は大きな経費ではないものでも目につくものから経費を削る傾向があります。ウォーターサーバーがなくなったら、身売りか廃業を行う前兆の可能性が高いでしょう。

⑥行事やイベントがなくなる

毎年恒例の社員旅行や暑気払いなど、イベントがなくなった場合も経営不振の前兆です。余分な経費を削っている可能性もありますが、社員に還元する資金を渋ることはそれほど良い兆候ではありません。

⑦住宅ローン審査が通らなかった

銀行はさまざまな情報網からローンの審査などを行います。特に借金がないにもかかわらず住宅ローンなどのローン審査が通らなかった場合、会社の経営が思わしくない前兆かもしれません。

⑧社長への年賀状が減る

身売りされた会社の事例によると、社長への年賀状が減ることも身売りの前兆です。細かい部分ですが、このような点からも前兆を把握しましょう。

⑨給与の支払いが遅れる

給与の支払いが遅れた場合、経営がうまくいっていません。身売りまたは廃業など何らかの前兆であることは確かです。

⑩役職者が増え始める

身売りや廃業の前兆として、役職者を増やす方法があります。役職者には残業代が発生しません。残業代を節約するために役職者を増やすケースが見られます。

⑪無料のアンチウイルスソフトを使い出す

以前はセキュリティ対策に万全を期していたのにもかかわらず、セキュリティ対策の経費を削り始めた場合は身売りや廃業の前兆でしょう。会社の機密事項などを守るセキュリティをおろそかにするほど、経営が圧迫されているといえます。

⑫玄関に塩を盛る

今まで特に何もなかった会社の玄関に盛り塩があったことが、会社の身売りの前兆だった事例があります。何気ない事柄ですが、気にしておきましょう。

⑬見切り発車で新事業に手を出す

収益や伸びる見込みがないまま新事業に手を出した場合、身売りの前兆と考えられます。身売りの価格を増やすために企業価値を高めようとしている可能性があるためです。

⑭経理担当者が辞める

会社の財務状況を経営陣の次に知っているのは、経理担当者です。経理担当者が前触れもなく退職した場合、身売りまたは廃業など経営が非常に行き詰っている可能性を示唆しています。

⑮先々の予定が曖昧になる

年間行事など定期的な予定や業務の予定などが曖昧になってきた場合、身売りなど事業が思わしくない状況である前兆です。

⑯社長が現場で働き始める

現場に出てこなかった社長が現場で働き始めている場合は人件費節減の可能性が高く、廃業や身売りなどの前兆を意味する場合があります。

⑰社長があまり会社にこない

いつも会社にいた社長があまり会社にこなくなった場合、金策や身売りの相談に動いている可能性があります。

⑱社内でさまざまな問題が発生する

社内でさまざまな問題が発生する異常な雰囲気が漂っている場合、経営者の経営力が低下しており身売りなどの前兆と取れる場合があります。

⑲社員のモラルが低下してくる

前の項目と同じ理由ですが、経営陣の力が低下すると社内の雰囲気も低下し、ゆくゆくは社員のモラル低下を招く結果となります。

⑳精神論とモットーを掲げる

従来は売り上げ目標や中期計画を掲げていた会社が精神論などに傾いた場合は、身売りや廃業などの前兆となる可能性が高いです。

㉑打ち合わせが居酒屋になる

事例にある前兆ですが、今まで打ち合わせは会社か料亭で行われていたのにもかかわらず、居酒屋など低価格な場所に変わった場合も、経営が圧迫されている要因が見て取れます。

㉒経理担当者や社長がよく銀行に行く

経理担当者や社長が銀行によく出向いている場合は、それだけお金に困っている可能性があります。貸付がうまくいっていない可能性も見込まれるため、身売りなどの前兆といえます。

㉓意味のない報告書が多い

身売りを考えている会社では、報告書が多くなる前兆があります。報告書自体にそれほど意味がない場合がほとんどです。

㉔ボーナスがカットされる

これまでしっかりとボーナスが支給されていたにもかかわらず、理由のないままボーナスカットが行われたら、廃業や身売りの前兆です。

㉕社会保険ではなくなる

社会保険が整備されていた企業で社会保険がなくなった場合、身売りというよりも廃業の前兆かもしれませんので気を付けましょう。

㉖掃除が行き届かなくなる

掃除を委託している場合、委託会社に支払う資金に困る状況が発生すると掃除が行き届かなくなる場合があるので、前兆として注視する必要性があります。

㉗会議が多くなる

経営不振に陥ると、「何か打開策が見つからないか」と会議が増える傾向があります。会議の雰囲気は殺伐としている場合が多く、会議の多さや雰囲気から身売りや廃業の前兆を図ることが可能です。

㉘無駄なコピーが増える

任せられる仕事が少なくなってしまい、コピーばかりさせられた事例も報告されています。無駄なコピーが増えたと感じたら、会社の事業がそれほどうまくいっていない前兆かもしれません。

㉙経理担当者が15時には帰宅する

銀行の取引が終了する15時で経理担当者が帰宅する場合は、15時以前に十分な入金や出金が終わってしまうことを意味しています。これは健全な会社ではありません。

㉚不祥事が起こる

会社の経営がうまくいっていないために不祥事が起きる場合と、不祥事が起きたことで会社がうまくいかなくなる場合があります。いずれにせよ、不祥事の対処によっては会社経営の危機となります。

8. 会社の身売りまとめ

会社の身売りに関して解説しました。社長には利益など、社員には安定的雇用などをもたらす会社の身売りですが、デメリットも多くあります。デメリットに対してしっかりとフォローを行いながら、身売りを進めることが重要です。

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