会社売却、M&Aの相場を解説!企業評価とは?

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

会社売却やM&Aにおける売却価格の相場はどのように算出されるのでしょうか。また、会社売却・M&Aの相場から少しでもプラスにするためにはどのようなことが必要なのでしょうか。これらについて、様々なケースも検討しながら解説します。


目次

  1. 会社売却・M&Aの相場の算出法6選!
  2. 企業価値の評価法の事例7選
  3. 会社売却・M&Aの相場に影響する要因
  4. 会社売却・M&Aの相場の価格より高くする方法3選
  5. 会社売却と事業売却の相場は大きく異なる!
  6. まとめー会社売却の相場
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1. 会社売却・M&Aの相場の算出法6選!

相場の算出方法

会社売却・M&Aにあたって、どのように企業の価格を算出するのでしょうか。企業価値算定の代表的な手法が6つあります。メリット・デメリットと合わせてご紹介します。

簿価純資産法

簿価純資産法

簿価純資産法は、帳簿価額に基づき、1株当たり純資産の金額を計算し、会社売却・M&Aの相場価格を算定する方法です。メリットは、会計上の帳簿価額をベースにした計算方法であるため、客観性があり、容易な計算方法であることです。

一方、デメリットは、含み益・含み損があったとしても各資産の時価を反映できず、あるべき相場より割安もしくは割高な評価となってしまう可能性があることです。

修正純資産法

修正純資産法

修正純資産法では、貸借対照表の資産と負債を時価で再評価したうえで、純資産の金額を計算し、発行済み株式数で割ることで算出できる1株当たりの時価純資産額を株式価値、つまり会社売却・M&Aの相場とする方法です。

実務的には、すべての資産・負債を時価評価することは難しいため、主要な土地や有価証券等の資産のみを評価し、相場とするケースが多いです。結果として、会社売却の相場は、企業の清算価値と等しくなります。

修正純資産法のメリットは、会社の貸借対照表を基礎として資産・負債の積み上げで計算できるため、会社売却・M&Aの相場価格の算出が容易であることです。また、財務デューデリジェンスの中で何か留意すべき点が現れた場合、それを修正純資産に反映することができ、客観的な評価ができるということが大きな利点です。

また、簿価純資産法のデメリットである時価を反映できない、という点を解決することができます。
デメリットは、のれんやブランド価値といった、会社の貸借対照表に載っていない無形資産の評価ができないため、それらを会社売却・M&Aにおける買収価格の相場に反映できないことです。

ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)

ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法

ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)は、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引くことで企業価値を算定する方法です。算出に当たっては、将来にM&Aの対象となる企業・事業が生み出すキャッシュフローを前提とするため、事業計画書が重要です。

ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)のメリットは、企業が生み出す価値の将来の期待を反映できることです。これにより、修正純資産法では困難であったのれん等の無形資産の評価も行うことができます。

一方、デメリットは、算定の基礎を事業計画書に置くため、事業計画の精度・客観性等により、算出される企業価値の信頼性が大きく左右されるリスクがあること等です。

収益還元法

収益還元法

ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)と同様に企業の収益のフローをベースに企業価値を算定する方法に収益還元法があります。収益還元法は、過去の決算数値等から将来の利益を予想し、一定の割引率で割り引いて会社売却・M&Aの相場価格を算出します。

メリットは、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)と同様、継続企業の前提に立ち、企業価値を算定できることです。一方、デメリットは、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)と異なり、事業計画等を反映せず、成長率を一定とするため、将来大きな利益変動が見通されている場合には正確な評価ができないことです。

類似会社比較法

類似会社比較法

類似会社比較法は、会社売却・M&Aの対象となる企業と事業内容等が類似する上場企業の株価を参考にして買収の企業価値を算定する方法です。

上場企業の株価に対する財務数値の比率を評価対象の企業の規模に当てはめて企業価値を算定することから、「マルチプル法」とも呼ばれます(例えば会社売却・M&Aの対象企業が比較する会社の0.5倍であれば、その比率をかける(=multiply)ことで算出する)。主に使用される指標は「EBITDA倍率」「営業利益倍率」「純資産倍率(PBR)」です。

類似会社比較法のメリットは、実際の株価や決算情報等の誰でも見ることのできる数字を基礎として計算するため、計算された会社売却・M&Aの相場価格の客観性が高いことです。

デメリットは、事業が特殊で比較する対象が少ない場合、会社売却の妥当な相場が計算しにくいこと等です。また、類似企業の中で、買収対象企業がどのような位置づけにあるか、具体的には、比較対象企業より強い成長が実現できそうかどうか、等を計算に加味する必要があります。

配当還元法

配当還元法

配当還元法は、配当金をベースに会社売却の相場を評価する方法です。継続して配当を受領できることを前提に、将来受領する配当金を現在価値に割り引いて相場を算出します。

配当金を企業価値として重視する場合には合理性がありますが、企業が保有する資産や、今後の利益成長等の価値を考慮しないため、会社売却やM&Aの相場計算で使用できるケースは限定されると言えます。

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2. 企業価値の評価法の事例7選

会社売却における企業価値の算定方法は様々ですが、どういった場合にどのような算定方法を選択することが正確な相場を求めるのによいのでしょうか。以下では様々な会社売却の事例を用いてどのようなケースがあるのか説明します。

中小企業の場合(基本ケース)

基本ケース

以下では中小企業の会社売却のケースを中心として検討しますが、まず基本として、中小企業の会社売却では、相場を求めるためどのような算出方法を採用すべきなのでしょうか。

一般的に、中小企業の会社売却・M&Aでは、「修正純資産法」もしくは、「ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)」により、企業価値の相場が算出されます。

中小企業は上場企業と異なり、市場価値の算定が困難であるため、純資産を利用した方法が平易かつ客観的に算出できることから、多く利用されます。また、事業計画がある場合には、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)が相場を求めるのに用いられます。

資産が多いが、利益が少ない場合

資産が多いが利益が少ない場合

特に、長い業歴を持つものの、後継者がいない老舗企業で会社売却・M&Aを検討する場合等に多く見られるケースです。この場合、会社売却の検討以前に利益を上げていたため、純資産は大きいものの、近年は利益が少なくなっていることから、買い手側の評価が低く、売り手の期待とのギャップがある状況です。

この場合は、純資産法では高く評価されすぎてしまい、買収交渉が難航する可能性もあるため、相場を求めるためには、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)でも企業価値を検討し、平均値を見定める必要があります。

節税で利益を抑制してきた場合

節税で利益を抑制してきた場合

オーナー経営の企業では、節税対策として利益抑制策をとってきた結果、企業の内部留保が少なく、会社売却・M&Aの検討時には純資産が積みあがっていないケースがあります。

その場合、修正純資産法で企業価値の相場を算出すると、実態と比較して低い相場となってしまう場合があります。この場合には、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)により企業価値の相場を算定する方が、高く評価することができます。

資産のうち、不動産が多い場合

資産に不動産が多い場合

不動産を多く保有する企業が会社売却を検討する場合、企業価値の評価が難航する可能性があります。特に、事業に関連しない不動産については、買い手から見れば買収に当たって買い取る必要のない資産ともいうことができ、会社売却の交渉が難航する可能性もあります。

こうした場合には、会社売却・M&Aの前に不動産を他者に売却する、また不動産管理会社を別に立ち上げてそこに不動産を移管する、等により、不要な不動産を切り離して会社売却が可能かどうかを検討します。そのうえで、どの算出方法で企業価値の相場を算定するのがよいかを判断します。

資産に対し、含み益が大きい場合

資産に含み益がある場合

資産に含み損益がある場合は、税務対策を考慮したうえで、企業価値の相場に反映する必要があります。特に含み益がある場合には、買収後その資産を売却した際に、高額の税金が発生する可能性があるためです。

そのため、会社売却の後にその資産の売却を検討している場合には、税金費用を勘案した価値を相場価格に算入する等、税務対策をよく考慮しておく必要があります。

資産に対し、含み損が大きい場合

資産に含み損がある場合

一方、資産に含み損がある場合には、修正純資産法による相場の算出ではマイナスの評価にはなりますが、売却時の節税効果も期待できます。そのため、売却によって得られる節税効果も会社売却の相場価格に反映する必要があります。

売却対象と関係会社の間に取引関係がある場合

関係会社との取引関係がある場合

やや会社売却・M&Aに当たって複雑な要因となるのが、関係会社との取引関係がある場合です。この場合、買い手企業側は売り手企業の収益性の実態がつかみにくく、修正純資産法やディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)で算出した企業価値の相場に対して信頼が持てず、会社買収の交渉が難航する場合があります。

こうした難しい状況を回避するためには、関係会社を別会社にしておく必要性がないのであれば、会社売却・M&Aの前に本体の会社と合併することで、収益性をクリアにしておくことがよいでしょう。

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会社売却は些細な要因が積み重なり、売却額に大きな変動します。自分たちで確認してきたけど、なにか抜けているところはないだろうか?自分たちのミスで売却が下がったりしないだろうか?こうした不安を解消するためにもM&A仲介会社へ相談することをおすすめします。

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3. 会社売却・M&Aの相場に影響する要因

人脈

人脈

会社売却・M&Aの相場に影響する要因としては、人脈や無形の財産等が考えられます。例えば、非常に高度な技術を有する人材が多数在籍しており、かつ従業員の定着率がよい企業の会社売却を考えた場合、その技術によって事業が支えられているとするのであれば、そうした人脈・人材は買い手にとって非常に重要なポイントとなると考えられます。

かつ、賃金が一般的な水準より割安な水準で勤務している場合には、買い手企業にとってはメリットとなるため、相場に対してプラスに働く可能性があります。一方で、人材の定着率が悪かったり、優秀な人材が流出している場合には、相場に対しネガティブに働く場合があります。

技術やノウハウ等の無形財産

技術やノウハウ等の無形財産

また、他社にはない技術やノウハウなど、利益を生み出すにあたって重要な無形財産を持っている場合にも、買い手が買収後の利益創出をイメージしやすく、相場に対しプラスに働く場合があります。

一方、特許等を多数取得している場合であっても、利益に結びつかず、いわゆる「死蔵特許」にとどまっている場合には、プラスに評価されることはありません。

そのほか、顧客リストや取引先等の無形資産も同様に、企業価値の相場に対してプラスに働く場合があります。

マーケットシェア

マーケットシェア

マーケットシェアも企業価値を大きく左右する要因の一つであり、高ければ高いほど企業価値が上がります。マーケットシェアがプラスに働くのは、約10%以上が目安ですが、マーケットシェアの高い会社は、買収後もその分野でビジネスを継続できる可能性が高いとみなされるため、企業価値が上がる可能性があります。

4. 会社売却・M&Aの相場の価格より高くする方法3選

相場より高くする方法

会社売却・M&Aの価格の相場は様々なモデルを用いて評価されますが、それでは少しでも相場より価格を高くして売却するためにはどうしたらよいのでしょうか。代表的な方法を3つご紹介します。

優秀な人材を込みで売却する

優秀な人材込みで売却

ひとつは、優秀な人材も含めて会社売却を実行することです。先のパートで説明した通り、優秀な人材がいることは非常に重要であり、個人固有の知識やスキルがある場合には特にその価値が高まります。

そのため、会社売却・M&Aの前には社員の引き留めをしっかりとしておくことで、高い金額での会社売却ができる可能性が高まります。

他社からの優位性を示す

他社に対する優位性を示す

次に、他社に対して優位性があり、競争力があるという点を買い手側に示すことです。
例えばシェアが高い、であったり、取引先との関係が強固であり、容易に他社からの攻勢を受けない、等の事業基盤の強さをアピールすることで、買い手側が買収後の事業拡大やM&Aによるシナジー効果が見込まれるなどの魅力を感じれば、相場より高い価格での会社売却ができる可能性があります。

買収する会社とのシナジーを考える

買収する会社とのシナジーを考える

最後に、買い手側の企業とのM&Aによるシナジー効果をイメージし、会社売却後のストーリーを描けることが重要です。会社や事業がどれほど魅力的であったとしても、買った後の成長イメージが描けなければ、買い手は高い金額を出して買おうとは思わないでしょう。

そのため、相手がM&Aによるシナジーを生かした発展的な未来を描けるように、売り手もシナジーを考え、きちんと言語化し、買収相手に伝えることが重要です。

これにより、買い手側がより高い利益を得られる未来が描ければ、それだけ将来のキャッシュフローが大きくなるため、算出される企業価値も大きくなり、相場より高い価格で売却できる可能性があります。

5. 会社売却と事業売却の相場は大きく異なる!

会社売却と事業売却。似ているようで異なる部分があります。異なる部分の代表格といえるのが売却相場と課税対象です。では違うのか?会社売却と事業売却の違いを見比べていきましょう。

会社売却と事業売却の相場の違い

会社売却と事業売却の相場の違い

会社売却と事業売却を比較した場合、会社売却の方が高く売れる可能性があります。会社売却の方が買い手に引き渡す資産が多い、ということが要因です。

事業売却では一部の資産のみを譲渡しますが、この場合、事業の権利や特許のみ、という場合もあることから、会社の資産全てを売却する会社売却に比べ、範囲が狭く、売却価格が低くなる可能性が高くなります。

逆に、事業売却であっても、従業員を含め、関連する資産をすべて譲渡する場合や、事業を子会社化したうえで売却する等、会社売却と実態があまり変わらない場合には、会社売却と同等の価格で売却できる可能性もあります。

会社売却と事業売却の税金の違い

会社売却と事業売却の税金の違い

また、会社売却と事業売却ではかかる税金も異なります。会社売却の場合には、元経営者が株式を譲渡することで利益を手にするため、譲渡所得として課税され、所得税と住民税の合計20%を支払う必要があります。

一方、事業売却は、会社がその資産の一部を譲渡することで利益を手にすることから、法人税と消費税の合計40%程度が課税されます。

上記2点の通り、会社売却の方が売却価格が高くなりやすいこと、また、支払う税金も低いことから、多くの場合は事業売却であっても子会社化等を通じて会社売却の形式を選択することが多いようです。

6. まとめー会社売却の相場

まとめ

会社売却・M&Aにおける相場価格の算定方法は様々ですが、中小企業では修正純資産法、もしくはディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(DCF法)で相場を計算することが一般的です。

それぞれの方法のどのような点に魅力があるのか、また、企業の資産や無形資産の状態はどうか、どのようなシナジーが出せそうか、というようなことも含めて検討・対策を行うことで、納得のいく価格で売却できるよう、準備をしてみてください。

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