創業者利益とは?上場、非上場の場合を解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&Aを実施する目的の1つに創業者利益の獲得があります。得られた多大な資金は様々な形で活用することができるため、創業者としては常に気を配っておきたい部分です。本記事では、創業者利益について上場、非上場のケース別に解説します。

目次

  1. 創業者利益とは
  2. 創業者利益を得る目的・メリット
  3. 上場した場合の創業者利益
  4. 非上場した場合の創業者利益
  5. 創業者利益の獲得により会社に起こる変化
  6. 創業者利益を獲得する流れ
  7. 創業者利益の獲得を目指す際の準備
  8. 創業者利益を目指したM&Aの相談先
  9. まとめ
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1. 創業者利益とは

創業者利益とは

出典:https://pixabay.com/ja/

創業者利益とは、会社の創業者が株式売却の際に得る売却益をいいます。売却益とは、これまでの事業活動のための投資資本と株式資本の差額になります。

株式資本は会社の規模や状態に影響されるため、具体的な額は一概にはいえませんが、1つの会社の株式資本に匹敵する資金を得られることには違いありません。

創業者利益を得る事の意味

創業者利益は創業者がまとまった資金を得られるものですが、これは会社が高く評価されているからこそ得られるものです。

会社は起業しても、必ず成功するわけではありません。失敗してしまえば事業存続すらも難しくなり、創業者利益の獲得どころか、投資資本の回収もできなくなってしまいます。

創業者利益は、起業に関わるリスクを抱えながらもチャレンジし成功させた創業者への見返りであるともいえるでしょう。

【関連】株式譲渡益の課税の仕組みを解説!法人・個人で課税率は変わる?

2. 創業者利益を得る目的・メリット

創業者利益を得る目的・メリット

出典:https://pixabay.com/ja/

株式売却によって得られた創業者利益は、さまざまな形で活用することができます。ここでは、創業者利益の使い方の一例を紹介します。

【創業者利益を得る目的・メリット】

  1. 起業当初からの目的
  2. 新規の事業資金として
  3. セミリタイアを行うため
  4. 廃業を避けるため
  5. 負債からの解放

1.起業当初からの目的

まとまった資金を得られることから、起業段階からM&A・会社売却を想定している創業者もいます。

ベンチャー企業やスタートアップは、革新的な技術の確立や新たなビジネスモデルの構築を目指す企業です。その性質上、M&A・会社売却・IPO(株式上場)まで投資資本を回収することができません。

また、いくつもの事業を連続して立ち上げる連続起業家(シリアルアントレプレナー)の存在もあります。事業の立ち上げと売却を繰り返し行い、創業者利益の獲得と経営ノウハウの蓄積を両立させています。

2.新規の事業資金として

M&A・会社売却によって獲得した創業者利益を新たな事業への資金とする使い方もあります。

ゼロから事業を立ち上げようとすると、必ず資金問題に直面します。金融機関からの融資を受ける方法は、創業者の個人保証や担保を提供する必要があり、事業が失敗したら個人資産も失ってしまうリスクを抱えてしまうことになります。

しかし、創業者利益があれば融資を受ける必要もなく、新規事業の立ち上げに関するリスクを1つ排除することができます。

3.セミリタイアを行うため

創業者利益を今後の生活資金に当てるという選択もあります。仕事に追われる生活から解放されたり、精神的な余裕を持てたりするセミリタイアです。

資産規模によっては生活を切り詰めなければならないこともありますが、創業者利益ならば資金が底をつくことも滅多にありません。

獲得した創業者利益を資産運用に回したりすることで一定の収入を得つつ、セミリタイアを実現させる創業者もいます。

4.廃業を避けるため

会社を廃業すると、保有する資産は処分価額で評価され、売却額が大幅に目減りしてしまいます。場合によっては処分価額よりも借入金が上回ってしまい、創業者利益どころか負債を抱えてしまうこともあります。

また、資金問題のほかにも従業員の雇用先確保などの問題もあり、創業者としては可能な限り廃業は避けたいというのが本音でしょう。

M&A・会社売却であれば、時価で評価されるうえに営業権も上乗せされるため、適正な売却益を得ることができます。

5.負債からの解放

株式譲渡を行うと、資産と共に負債も承継することになります。借入金や個人保証や担保などの悩み事から解放され、後退後の生活も安心して送ることができます。

しかし、廃業となると得られる売却益も少なく、負債も自身で清算しなければなりません。株式譲渡によるM&Aは、創業者利益の獲得と負債からの解放を両立した手法であるといえるでしょう。

【関連】株式譲渡のコンサルの内容やメリット・デメリットを解説

3. 上場した場合の創業者利益

上場した場合の創業者利益

出典:https://pixabay.com/ja/

株式上場の厳しい審査基準をクリアした上場会社は、社会的信用が高く、資金調達などの面で大幅なアドバンテージを得ることができます。これは、創業者利益という点も同様です。この章では、株式上場のメリット・デメリットをみていきましょう。

メリット

上場を果たすと株価が上昇して、保有する株式の価値が増加します。資本金100万円でスタートしていたものが時価2000万円まで上がったとしたら、10%の株式を売却するだけでも100万円の売却益が得られます。

また、上場会社の株式は、証券取引所を通して売買することができます。不特定多数の投資家が自由にアクセスできるため、手軽に売却できるメリットもあります。

【上場のメリット】

  1. 株価上昇による売却益の増加
  2. 手軽に売却できる

デメリット

株式上場には監査法人や証券会社の審査料・コンサルティング料がかかります。上場時だけではなく継続してかかるものも多くあるため、株式上場・継続コストがかかるというデメリットがあります。

また、証券取引所で株式を自由に売買できるメリットは、買収リスクが伴うことも意味します。過半数の株式を密かに取得されてしまえば、経営権を失うことになります。

【上場のデメリット】

  1. 上場・継続コストの費用
  2. 買収リスクが存在する

4. 非上場した場合の創業者利益

非上場した場合の創業者利益

出典:https://pixabay.com/ja/

創業者利益は上場しないと得られないという印象を持たれることも多いです。しかし、非上場会社でも株式を売却することは可能です。この章では、非上場会社のメリット・デメリットについてみていきましょう。

メリット

非上場会社がM&Aをする場合、株式譲渡を用いることがほとんどです。株式譲渡は株式売却をもって経営権を移転するため、ほかの手法と比較すると手続きが簡単に済みます。

また、非上場会社の場合、起業時から創業者が株式を保有しつづけているケースがほとんどです。創業者が100%保有していることも多いので、売却益がそのまま創業者に入ることも珍しくありません。

【非上場のメリット】

  1. 株式譲渡の手続きが簡単
  2. 創業者の株式保有率が高いケースが多い

デメリット

非上場会社は株式非公開であるため、証券取引所を通した売買は不可能です。取引先が限定される上に市場の取引価格も存在しないため、事業資金の確保という目的で株式を売却するケースはほとんどありません。

M&A・会社売却・事業承継など、経営権の引き渡しを目的としたものに限定されるというデメリットがあります。

【非上場のデメリット】

  1. 証券取引所で売買できない
  2. 市場の取引価格が存在しない

【関連】株式譲渡とは?手続きからメリット・デメリット、税金に関して解説【成功事例あり】

5. 創業者利益の獲得により会社に起こる変化

創業者利益の獲得により会社に起こる変化

出典:https://pixabay.com/ja/

創業者利益は創業者個人が享受できるものです。その一方で会社に与える影響はどのようなものがあるのでしょうか。この章では、創業者利益の獲得に伴う影響や創業者利益の活用法などをみていきます。

【創業者利益の獲得により会社に起こる変化】

  1. 経営難からの解消
  2. 従業員の雇用を確保
  3. 事業を存続させる

1.経営難からの解消

創業者利益を事業資金にあてることで、経営状況を立て直すことも可能です。例えば、事業に必要となる設備を整えたり、新たな人材を確保したりとさまざまな形で活用することができるでしょう。

株式の売却であれば、外部からの借入によって負債を抱えることもありません。持分比率に注意していれば経営権を失うこともないため、経営難の解消方法として有効です。

2.従業員の雇用を確保

株式譲渡によるM&A・会社売却は、従業員の雇用先の確保にも繋がります。株式譲渡は経営権の移転が行われるだけなので、従業員はそのまま雇用されるケースがほとんどです。

そもそも譲受側も人材確保を目的としていることが多く、人的資産も加味されたうえで企業価値が評価されるので、株式譲渡後に従業員を解雇することはほとんどありません。創業者だけが売却益を獲得して、従業員は失業してしまう事態もないでしょう。

3.事業を存続させる

従業員の雇用先の確保と同様に事業も存続させることができます。経営権の移転に伴い、細かな経営方針の変更がなされることもありますが、手掛けている事業は存続するケースがほとんどです。

長い年月をかけて手掛けてきた事業を廃業することなく、従業員とともに引き継ぎが可能です。

6. 創業者利益を獲得する流れ

創業者利益を獲得する流れ

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上場会社は証券取引所を通して自由に売買することができるため、創業者利益の獲得も簡単です。しかし、非上場会社の場合「譲渡制限株式」となっていることが多く、自由に売買することができません。非上場会社の株式譲渡には、以下のような手続きが必要になります。

【創業者利益を獲得する流れ】

  1. 株式譲渡承認請求
  2. 取締役会・臨時株主総会の開催
  3. 株式譲渡の承認通知
  4. 株式譲渡契約の締結
  5. 株主名義書換請求
  6. 株主名簿記載事項証明書の交付請求
  7. 株式譲渡の完了

1.株式譲渡承認請求

非公開会社の株式は譲渡制限株式となっており、自由に売買することができません。株式譲渡承認請求をすることで、株式の譲渡について会社からの承認を得る必要があります。

「譲渡する株式種類と株式数」「譲渡先」などを記載して提出しますが、承認するのは経営者自身となるため、特に問題はないでしょう。

2.取締役会・臨時株主総会の開催

続いて提出された株式譲渡承認請求を決議を行う場を設けます。取締役会設置会社なら「取締役会」取締役会非設置会社なら「臨時株主総会」を開催します。

また、必ずしも株式譲渡前に行う必要はありません。譲渡後に株主総会の同意を得るという形でも進行は可能です。

3.株式譲渡の承認通知

取締役会や臨時株主総会において株式譲渡承認請求が承認されたら、株式譲渡を請求した株主に対して株式譲渡が承認された旨を通知します。

決議において否決された場合は、承認請求日より2週間以内に通知を行わなければなりません。なお、通知がない場合は株式譲渡が承認されたという扱いがされます。

4.株式譲渡契約の締結

続いて、譲渡側と譲受側による株式譲渡契約が締結されます。正式な契約であり、「譲渡株式数」「対価」「表明保証事項」などが記載されます。

株式譲渡契約を締結すると、譲渡側は株式の譲渡義務と対価の取得権利を、譲受側は株式を譲り受ける権利と取得対価の支払い義務が発生します。

5.株主名義書換請求

株式譲渡契約の締結によって株式の売買を行ったら、譲渡側と譲受側が共同で株主名簿の書き換えを請求します。

株式を譲渡しただけでは株式譲渡は完了しません。株主名簿に記載することで初めて株主としての地位が保証されることになります。

6.株主名簿記載事項証明書の交付請求

株主名簿記載事項証明書とは、株主名簿より対象株主に関する記載事項を抜粋して交付する書面をいいます。

これは、名簿が正しく書き換えられているか確認するために、譲受側の請求を受けて譲渡側が発行・提出するものです。

譲受側より請求されない場合は発行・提出する必要はありませんが、請求された場合は速やかに対応しなければなりません。

7.株式譲渡の完了

以上の流れで、譲渡制限株式の株式譲渡手続きは全て完了となります。取得対価も支払われ、創業者利益を獲得することができます。

【関連】株式譲渡制限会社とは?株主総会の許可がなければ株式譲渡できない?

7. 創業者利益の獲得を目指す際の準備

創業者利益の獲得を目指す際の準備

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株式売却によって創業者利益の獲得を目指すためには、まず会社を育てる必要があります。譲渡先に魅力的な会社・事業だと判断してもらえなければ高額売却することはできないためです。

また、タイミングを見計らうことも重要です。株式資本は会社の状態だけではなく業界動向によっても大きく左右されます。企業再編が活発な業界であれば高額で売却できる可能性も高く、タイミングは重要と言えるでしょう。

絶好のタイミングは業種によって異なります。例えば、建築業界では東京オリンピックに向けて人材確保を目的としたM&Aが活発化しています。業界全体で需要が増していて売り手市場と言えるでしょう。

より多くの創業者利益を獲得できるよう、タイミングを逃さないためには、早い段階からM&A・会社売却に意識を向けておくことが大切です。

【創業者利益の獲得を目指す際の準備】

  1. 好業績を保つ
  2. 業界動向に意識を向ける

8. 創業者利益を目指したM&Aの相談先

創業者利益を目指したM&Aの相談先

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創業者利益を最大限まで引き上げようとすると会社の経営状況や業界の動向を加味した上で絶好のタイミングでM&A・会社売却をする必要があります。

この見極めは経営者が普段の経営と並行して行うのは難しいため、専門家によるサポートを受けることをおすすめします。

M&A総合研究所では、多数のM&A仲介実績を持つアドバイザー・長年会計業務に携わっている会計士・弁護士の3名が1つの案件につきます。各分野の専門家が相談からクロージングまで責任を持ってサポートします。

料金体系は完全成功報酬制を採用しています。最終的に必要となる手数料は成功報酬のみですので必要経費を差し引いた純粋な創業者利益を早期段階で見積もることも容易です。

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9. まとめ

まとめ

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株式を売却することで得られる売却益は非常に高額になります。起業段階から保有している株式であれば投資資本の何倍にも成長していることも多く、創業者に大きな利益をもたらしてくれるでしょう。

上場会社であれば証券取引所を通じて、非上場会社の場合は個別に打診することで売却が可能です。

【創業者利益を得る目的・メリット】

  1. 起業当初からの目的
  2. 新規の事業資金として
  3. セミリタイアを行うため
  4. 廃業を避けるため
  5. 負債からの解放

【上場のメリット】

  1. 株価上昇による売却益の増加
  2. 手軽に売却できる

【上場のデメリット】

  1. 上場・継続コストの費用
  2. 買収リスクが存在する

【非上場のメリット】

  1. 株式譲渡の手続きが簡単
  2. 創業者の株式保有率が高いケースが多い

【非上場のデメリット】

  1. 証券取引所で売買できない
  2. 市場の取引価格が存在しない

【創業者利益の獲得により会社に起こる変化】

  1. 経営難からの解消
  2. 従業員の雇用を確保
  3. 事業を存続させる

【創業者利益を獲得する流れ】

  1. 株式譲渡承認請求
  2. 取締役会・臨時株主総会の開催
  3. 株式譲渡の承認通知
  4. 株式譲渡契約の締結
  5. 株主名義書換請求
  6. 株主名簿記載事項証明書の交付請求
  7. 株式譲渡の完了

【創業者利益の獲得を目指す際の準備】

  1. 好業績を保つ
  2. 業界動向に意識を向ける

これらのポイントを抑えつつ適格なタイミングでM&A・株式譲渡を実施することができれば、高額の創業者利益を獲得することができます。

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