建設業界・ゼネコン業界のM&A動向〜M&A事例20選【2018年最新】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

建設業界・ゼネコン業界におけるM&Aの動向は積極的に進んでいませんでした。それは建設業界・ゼネコン業界が持っている他産業にはない特異な体質があるといいます。今回は建設業界・ゼネコン業界におけるM&Aの動向を、建設業界の実情などを交えながらまとめました。


目次

  1. 建設業界・ゼネコン業界とは
  2. 建設業界が抱える課題
  3. 建設業界・ゼネコン業界のM&A動向
  4. 建設業界・ゼネコン業界のM&A事例20選!
  5. 建設業界・ゼネコン業界でM&Aを行うメリット
  6. 建設業界・ゼネコン業界のM&Aのポイント
  7. 建設業界・ゼネコン業界のM&A動向まとめ
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1. 建設業界・ゼネコン業界とは

建設業界・ゼネコン業界とは

建設業界・ゼネコン業界のM&Aについて解説する前に、建設業界の業界定義や現在の状況について解説していきます。

業界定義

建設業とは、建設業法において定義づけされています。建設業法では「元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう」(第二条2項)となっています。

建設業界は大きく分けると横断的に工事を請け負う総合建設業(土木・建築)と専門的分野を請け負う職別工事業(専門工事業)で区分されます。

商流

それではゼネコン業界や建設業界などの建設が会社の商流はどういった流れとなっているか簡単に説明します。

商流①請負・下請契約の商流

先にも触れましたが、発注者から仕事を受注する建設会社である元請け業者と、元請け業者から見合った工事を受注する建設会社である下請け業者が存在します。

元請け業者は施主となる発注者から工事名や工事場所、工期そして請負金などを締結します。そうした以外にも約款や設計図書などの工事に必要な書類全般を作成します。

下請け業者は元請け業者との下請契約を締結している事を条件に仕事を請け負う事が出来るわけです。また、下請業者が不利な条件を被らないように建設業法令遵守ガイドラインなどの法律が定めれているのです。

商流②建設業全体の商流

建設業界の全体的な商流としては、元請業者が営業などから仕事を発掘すると発注者に対して予算見積もりなどを作成し締結します。その後下請けの建設会社などに仕事を振り分けて請け負った工事を完成後引き渡しという形となります。

建設会社における発注者とは国や地方などの公共団体から請け負う公共工事と民間企業や個人から請け負う民間工事に大きく分かれています。

公共工事の場合は主に入札により工事請負価格が決定します。民間工事の場合は予算金額などに合わせた見積もりなどから締結することとなります。

事業特性

どういった業界にもそれぞれの特性が存在します。ここでは建設業界の事業特性について簡単に説明します。

受注生産

建設業界が生産する全ての物は受注生産型となっています。発注者から建設会社が請け負い、発注者からの注文に合わせたさまざまな構造や形態に対して工事が行われるためです。そのため、類似した工事は存在するものの全く同じものを構築する事はほぼありません

公共工事などの入札

建設工事が他の業界と大きく違う特性の一つとして公共工事の存在があります。公共工事は入札参加資格を申請し保有している建設会社が受注する事ができます。

発注者である公共団体が定めらた算出方法で導かれた予定金額の範囲内において、基本的には価格が一番安い建設会社に仕事を発注します。

多段階の請け負い体制

建設業界は元請け業者と下請け業者から成り立つピラミッド構造となっています。そのピラミッドは下へ行くほど広く形成されています。

下請け業者の受注段階も深く元請けから一次下請け、一次下請けから二次下請け、さらには三次下請けと幾つにも下請けが重なっていくケースがあります。

業界主要企業

建設会社は国内に数多く存在しますが、その中でもスーパーゼネコンと呼ばれている建設会社は大林組、大成建設、鹿島、清水建設、竹中工務店の5社のみです。

いずれの建設会社も創業から100年以上という長い歴史をもっており、技術力と開発力は国内でも飛びぬけています。その実績は海外の建設事業までに至っている程です。

建築業を主な生業としている建設会社で大手と呼ばれるメーカーは積水ハウスと大和ハウス工業があります。いずれの会社もスーパーゼネコンを凌ぐ完工高を実現しています。

また、スーパーゼネコンに次ぐ売り上げである準大手ゼネコンと呼ばれる建設会社も売り上げ規模は大きく、それぞれに多くの実績を上げています。

建設業界の動向データ

日本の雇用を支えていると言われている建設業ですが、2018年現在の建設業界の動向はどのようになっているのでしょうか。データを基に紹介します。

データ①建設業許可業者の推移

国土交通省調べ

出典: http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo13_hh_000501.html

国土交通省が発表した建設業許可業者数調査の結果によると、2018年3月末で一般建設業許可を保有している業者数は44万2,292業者といいます。

これは、許可業者数が最も多かった2000年3月末時点の数と比較したところ、マイナス13万5,417業者となり23.4%の減少割合となりました。

‐データ②建設業界の売上推移

建設業界の売上推移

出典: http://www.mlit.go.jp/common/001149561.pdf

建設業界の2016年度(平成28年度)までの売り上げ推移を見てみると、1998年をピークに右肩下がりとなっています。

建設会社は、民間工事主体の会社と公共工事主体の会社に大きく分かれているのも特徴ですが、バブル崩壊や公共工事の減少などから、1998年のピーク時に比べると苦しい状況を強いられている状況です。

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2. 建設業界が抱える課題

建設業が抱える問題点

ゼネコン業界や建設業界は以前より人材不足が叫ばれてきました。特に地方建設業においては、若手が地元に定着しないなどの問題から若手技術者不足が深刻化しています。そうした状況を打破するため外国人労働者の受け入れなどの施策が検討されています。

外国人労働者の受け入れについては、担い手や労働力の確保にはなるものの、賃金や品質の低下を招くのではないかと懸念されています。

建設業界は働き方改革に伴う週休二日制度の導入にも取り組んでいますが、産業の性質上実現までは数々の問題を抱えており、そうした課題にどのように対処していくか注目が集まっています。

3. 建設業界・ゼネコン業界のM&A動向

M&Aの動向

2000年をピークとして建設許可申請保有者が減少している事から、建設会社が減少している傾向だということが分かりました。それでは建設業界やゼネコン業界におけるM&Aはどのような動向を推移していたのでしょうか。

動向①長年M&Aは進んでいなかった

建設業界では今までに準大手ゼネコンと中堅ゼネコンの合併などはありましたが、M&Aはあまり進んでいる業界とは言えない状況でした。

規模の経済が働きにくい

同じ仕事を規模を大きくする事で効率的に費用が抑えられる、いわゆる「規模の経済」は建設業界では働きにくい構造となっています。

それは受注生産型である業界の特性を見れば良く分かると思います。建設業界でも一部プレキャスト化などが進んでいる部材はあるものの、建設会社自体では「規模の経済」の効率化は考えにくいのが現状です。

公共工事における入札参加が限定される

M&Aなどで規模を拡大すると、入札参加資格のランクの枠組みなどあkら公共工事において入札に参加できる機会が限定されてしまい、受注チャンスが減少するというデメリットも存在しています。

動向②廃業が増えている

建設業界は他業種よりも業者減少幅が大きく、地方では現在でも廃業する建設会社が数多く存在しています。これは、売り上げ減少などもありますが、担い手不足などによる後継者問題なども影響していると言われています。

動向③業界をまたいだM&Aが活発化している

一方で最近では業界をまたいだM&Aが活発化を見せています。例えば戸建ての大手である大和ハウス工業はパーキングの大手であるダイヨシトラストを買収し事業を成功させています。このように、業界ごとの強みを生かしたM&Aが今後も増えていく動向が建設業界内には見られているのです。

動向④海外M&Aが徐々に増加している

国内需要が伸び悩みを見せている中、海外に需要機会を得るために海外M&Aを行う建設会社が徐々に増加しています。大和ハウス工業は米国バージニア州を戸建住宅の開発・販売を手掛けてきたスタンレー・マーチンを買収するなど積極的に展開を図っているようです。

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4. 建設業界・ゼネコン業界のM&A事例20選!

事例20選

ここでは建設業界・ゼネコン業界のM&Aの事例をIN-IN(国内企業ー国内企業)、IN-OUT(国内企業ー国外企業)、異業種ー国内建設会社で20つ選出しました。

IN-INのM&A事例13選!

M&A事例1:トヨタホームによるミサワホームの子会社化

2016年11月にミサワホームを子会社化したトヨタホームは、戸建住宅だけではなくリフォームや高齢者住宅への進出を進めていくそうです。

M&A事例2:旭化成ホームズによる中央ビルト工業の業務・資本提携

2017年3月、住宅鉄骨材料の加工販売を行う中央ビルト工業と業務及び資本提携を結んだ旭化成ホームズは、住宅用鉄骨材料生産の強化やコスト削減を進めているそうです。

M&A事例3:ヒノキヤグループによるハウジーホームズの子会社化

2018年3月にハウジーホームズの全株式をヒノキヤグループが取得したました。東海地方における注文住宅事業の強化が期待されています。

M&A事例4:住友林業による熊谷組との業務資本提携

2017年11月に住友林業は熊谷組と業務資本提携を締結しました。これにより海外での住宅や都市開発や介護福祉事業で協力していくとしました。

M&A事例5:積水化学工業によるソフランウイズの完全子会社化

2017年12月にソフランウイズを完全子会社化した積水化学工業は成長する不燃ウレタン市場への事業拡大を図るとしています。

M&A事例6:長谷工コーポによるジョイント・コーポの子会社化

長谷工コーポレーションはジョイント・コーポレーションの全株式を取得し子会社化しました。長谷工コーポレーションの建設事業とジョイント・コーポレーションのデベロッパーとしての経験などを融合させることで拡充したサービスを提供していくとしています。

M&A事例7:長谷工コーポレーションによる総合地所の子会社化

2015年に長谷工コーポレーションは総合地所の全株式を取得し子会社化しました。両社のノウハウが融合されることによりマンションに係る良質なサービスを提供していくとしています。

M&A事例8:徳倉建設による九州建設の子会社化

徳倉建設は九州建設を子会社化しました。これにより九州地区の営業体制の強化だけではなく、海外を含めた工事施工要員の交流などを促進するとしています。

M&A事例9:飛鳥建設による杉田建設興業の買収

飛島建設は杉田建設興業を完全子会社化しました。これにより新たな営業エリアを模索して業務を拡大していくとしています。

M&A事例10:飛鳥建設によるノダックと関連会社の子会社化

飛鳥建設はノダックとその関連会社であるジャパンレイクアンドキャピタルを子会社化しました。これによりノダックグループがこれまでに蓄積したノウハウなどを活用して水関連のインフラ設備におけるリニューアル事業参入を目指すとしています。

M&A事例11:戸田建設による佐藤工業の子会社化

戸田建設は福島県にある佐藤工業子会社化しました。これによって福島はもとより東北地域までにおよぶ営業エリアの拡大を図るとしています。

M&A事例12:大盛工業による井口建設の子会社化

大盛工業は山梨県にある井口建設を子会社化しました。これにより、山梨県内を始めとする新地域での地盤拡大を図るとしています。

M&A事例13:土木管理総合試験所によるアイ・エス・ピーの子会社化

2018年10月に土木管理総合試験所が土木測量設計プログラム開発のアイ・エス・ピーを子会社化しました。これにより、生産性向上やIT技術の強化を図りAIやIoTに対応していくと見られています。

IN-OUTのM&A事例5選!

M&A事例1:積水ハウスによるWoodsideHomesCompanyの合併

2017年2月に積水ハウスはアメリカにある戸建住宅販売のWoodside Homes Company, LLCを完全子会社化しました。これにより、環境に配慮した住宅の開発などに力を入れるといいます。

M&A事例2:淺沼組によるSINGAPOREPAINTSの子会社化

淺沼組は2018年10月にシンガポールの建物塗装・修繕工事会社SINGAPORE PAINTS&CONTRACTOR PTE.LTD. を子会社化しました。海外進出の足掛かりになると見られています。

M&A事例3:大林組によるケナイダン社の株式取得

大林組はカナダの建設会社ケナイダン社の株式1%を取得しました。この事により、カナダで拡大が予想されている官民連携市場への対応を考えているとみられています。

M&A事例4:大和ハウス工業によるアッカの子会社化

大和ハウス工業はアッカ・インターナショナルを子会社化、eコマース分野を強化することにより物流施設などの提案能力を飛躍させるとしています。

M&A事例5:応用地質によるFongConsultなどの子会社化

応用地質はシンガポールにある建設コンサルティング会社のFong Consult Pte. Ltd.などを子会社化しました。東南アジア方面へインフラメンテンス事業などを提供していくとしています。

異業種→建設業界のM&A事例2選!

M&A事例1:フクビ化学工業による積水化学工業の事業譲渡

2018年9月に積水化学工業のフェノールフォーム断熱ボード事業をフクビ化学工業に譲渡しました。これにより技術向上や新商品商品開発を進めていくとしています。

M&A事例2タカラレーベンによる日興建設の買収

2014年12月にタカラレーベンは日興建設の全株式を取得しました。これにより横浜エリアに幅広いシェアを図っています。

5. 建設業界・ゼネコン業界でM&Aを行うメリット

M&Aのメリット

建設業界やゼネコン業界におけるM&Aによるメリットはどういった点があるのでしょうか。買収側と売買側で簡単にまとめました。

買収側のメリット

人材の引き抜き 現在建設業界では技術者不足が大きな問題となっています。そこで、M&Aを行う事で技術者や技能者を数多く確保する事ができます。
技術獲得 専門性の強い分野や自社が開発していない技術などについて、M&Aを進める事で短期間で獲得すうことが可能になります。
事業拡大 すでに地盤を築いている企業をM&Aすることで、自身が抱えているシェアをより拡大する事ができます。

売却側のメリット

後継者問題解消 特に地場の建設会社では後継者不足が大きな問題となっています。そのため、後継者を確保する一つの手段としてM&Aを活用するメリットがあります。
企業存続 従業員を抱える経営者の悩みの一つに企業の存続があります。経営困難な状況に陥った場合にもM&Aを利用すれば企業の存続を見込むことが出来、従業員の雇用を維持する事が可能となります。

6. 建設業界・ゼネコン業界のM&Aのポイント

M&Aのポイント

建設会社のM&Aを成功させるにはポイントが何点かあります。建設業界・ゼネコン業界のM&Aのポイントについていくつか紹介していきます。

ポイント①顧客の担当変更について

M&Aを成立させた後に顧客担当の変更や引継ぎなどの問題です。建設会社の場合、地元との密着度が先代からの信頼関係なども存在ます。ですから、顧客に合わせた対応が必要になるといえます。

ポイント②現場の声を反映させる

経営陣同士で話し合う事の多いM&Aですが、建設現場は常に動いています。建設現場が滞る事が一番の損失です。そのため、現場の声も反映してM&Aを決定していきたいものです。

ポイント③M&A業者選び

M&Aを円滑に進めてくれる仲介業者は必要不可欠です。M&A総合研究所は建設業界やゼネコン業界のM&A実績が豊富にあります。

また、会計士が担当しているので税務や企業利益などの数字面では強さを発揮します。さらには業界最安値でありながら完全成功報酬制なのでまずはお気軽にご連絡ください。

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7. 建設業界・ゼネコン業界のM&A動向まとめ

M&A動向まとめ

建設業界・ゼネコン業界のM&A動向についてまとめてきました。建設業界は特異な性質をもった産業であるにも関わらず減少傾向にあります。

事業廃止を検討している建設会社には技術力を持っている業者も多くM&Aすることで自身の技術に取り組むことが出来ます。建設業界やゼネコン業界の動向を確認してM&Aを考えてみてはいかがでしょうか。

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